JP3248838B2 - アンジュレータ - Google Patents

アンジュレータ

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JP3248838B2
JP3248838B2 JP31402495A JP31402495A JP3248838B2 JP 3248838 B2 JP3248838 B2 JP 3248838B2 JP 31402495 A JP31402495 A JP 31402495A JP 31402495 A JP31402495 A JP 31402495A JP 3248838 B2 JP3248838 B2 JP 3248838B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放射光を利用す
る荷電粒子加速器に設置されるアンジュレータに係わ
り、特に複数個の永久磁石を電子ビーム軌道に沿って配
列した構造のアンジュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】高エネルギ−状態の電子が円運動や振動
をするとき種々の電磁波を放射することが知られてお
り、その放射の一つにシンクロトロン放射がある。この
シンクロトロン放射は、数億電子ボルト(数百MeV)以
上の高エネルギ−状態に加速されて真空中をほぼ光速で
伝搬する電子が、偏向磁場によりその軌道を曲げられる
と、その軌道の接線方向に放射光と呼ばれる光が放射さ
れる現象である。このシンクロトロン放射は一般には、
円形加速器において偏向電磁石の偏向磁場が加速電子ビ
ームを電子軌道に直角な方向に加速することにより実施
されている。
【0003】このシンクロトロン放射による放射光は波
長が数オングストロームから数千オングストロームまで
の連続光であり、積分した放射パワーは極めて大きい。
しかし、使用する波長以外の光は被照射体に損傷を与え
るので、狭い波長範囲を分光して使用したいという要求
がある。この要求に応えるため、短波長化すると、今度
は放射光の強度が低下し、高輝度な光源とならない。そ
こで、この短波長化、高輝度化の要求を満足させるため
に、挿入型光源の一つであるアンジュレータ(電子蛇行
装置)によるアンジュレータ放射が研究され使用されて
いる。
【0004】図14は例えば、各々特開平4−3243
00、特開平4−271000に記載された従来のアン
ジュレータの側面図である。電子ビーム方向をZ軸方向
とした場合に、電子ビームの通過路のY軸方向両側に、
永久磁石群2および3が隣接して対向して配置されてい
る。永久磁石群2および3は各々の磁化方向を隣接する
もの同士の向き(図中、矢印の向きは磁化の方向を示
す)が90度づつずらして列べられZ軸方向に周期的な
磁場を発生させる。
【0005】このように形成される周期磁場に図14の
Z軸方向から進入した電子ビームは、周期磁場からX軸
方向にローレンツ力を受け、周期磁場分布と同様の軌道
を描きながら蛇行する。
【0006】例えば、この周期磁場Byを By=B0sin(2πz/λ) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) とすれば、電子軌道のZ軸に対する最大の傾きΨ0とγ
-1との比Kは、磁場強度B0(テスラ)と周期長λ(cm)とで K=Ψ0-1=0.934B0(テスラ)λ(cm) ‥‥‥‥‥‥‥‥(2) と表される。但し、電子のエネルギ−をE(GeV)とし
て、 γ=1957・E ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) である。また、このシンクロトロン放射の基本波長λ1
は、 λ1=λ(1+K2/2)/2γ2 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) となり、Kが大きくなるほど、すなわち周期長が長く磁
場が強いほど、また電子ビームのエネルギ−が低いほど
基本波長λ1は長くなることがわかる。
【0007】一方、放射光の強度は周期数Nを増すと、
N倍から可干渉性により最大でN2倍に増幅される。さ
らに、高調波特性がこのK値に強く依存し、K<<1の
場合、スペクトルは基本波のみとなる。一方、K>>1
の場合円軌道のシンクロトロン放射によく似た高調波の
列となり、広帯域連続スペクトル光となる。K<3の放
射をアンジュレータ放射、K>3の場合をウィグラー放
射と呼んでいる。特にアンジュレータ放射は、円軌道の
シンクロトロン放射の103〜104倍の高輝度が得ら
れ、波長可変の準単色光となり、電子ビームの蛇行面に
平行な電気ベクトルを持つ直線偏光となる。この特性は
極めて実用価値の高いものである。
【0008】種々の波長λ1を選択して使用するには式
(4)から解るように、電子ビームエネルギ−もしくはK
値を制御する必要がある。しかし、アンジュレータが装
着される電子蓄積リングの電子ビームエネルギ−E値
は、長期間にわたって固定されているのが普通であり、
一般的には永久磁石群2および3との間の距離Gを変化
させることで、永久磁石群2および3が電子ビームにお
よぼす磁場の強さを変え、K値を変化させて波長λ1の選
択が行われている。
【0009】図14において、上側のベース5には、永
久磁石群2が磁石ホルダ4aに固定されて配列されてい
る。また下側のベース5には、永久磁石群3が磁石ホル
ダ4bに固定されて配列されている。永久磁石群2およ
び3は隣接するもの同士の向き(図中、矢印の向きは磁
化の方向を示す)が90度づつずらして列べられてい
る。磁石ホルダ4aおよび4bはアルミ合金等の非磁性
体からなっている。
【0010】上下に配列された永久磁石群2と永久磁石
群3とに挟まれて外部の固定部から支持された真空ダク
ト1が配置されている。真空ダクト1は、非磁性体から
なる筒状の容器で、内部は真空にされており、電子ビー
ムが通過する。
【0011】図15は例えば、各々特開平4−3243
00号公報、特開平4−271000号公報に記載され
た従来のアンジュレータの斜視図である。上側ベース5
および下側ベース6は図示しないレールを介して支持架
台7,8に取り付けられており、上下に摺動可能であ
る。支持架台7,8の上下端には、駆動モータ9が備え
られ、駆動軸を介して、ベース5,6を上下に摺動させ
る。上下に配列された永久磁石群2と永久磁石群3の各
配列は、真空ダクト1を中心にして、上下に等間隔に遠
ざかったり近づいたりする。
【0012】このように構成された従来のアンジュレー
タにおいては、永久磁石群2および3は隣接するもの同
士の向きが90度づつずらして列べられているので、Z
軸方向に周期的な磁場を発生させる。ベース5,6は図
示しないレールを介して支持架台7,8に支持されてお
り、上下に摺動可能の構造となっている。上下に配列さ
れた永久磁石群2と永久磁石群3の配列は、真空ダクト
1を中心にして、両者の間隔Gを任意に変えることがで
きる。それにより、電子ビームにおよぼす磁場の強さを
変え、すなわち式(4)のK値を変えて波長λ1の異なる
電子ビームが得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のアンジュレータ
は以上のように構成されているので、電子ビームの波長
の選択はK値を可変にすることすなわち永久磁石群2お
よび3との間の距離Gを変化させることで行われてい
た。すなわち永久磁石群2および3を電子ビームに近づ
けると電子ビームに大きな磁場をかけることができ、基
本波の波長λ1を長くすることができる。また永久磁石
群2および3を電子ビームから遠ざけると電子ビームに
およぼす磁場が小さくなり、基本波の波長λ1を短くす
ることができる。
【0014】しかし、従来のアンジュレータは以上のよ
うに構成されているので、真空ダクト1の存在のため
に、永久磁石群2および3を電子ビームに限りなく近づ
けることができなかった。そのため、永久磁石群2およ
び3の有する磁力を有効に利用することができなかっ
た。
【0015】このような問題を解決する一つの方法とし
て、装置全体を大きな真空装置の中に入れてしまう方法
が従来にあった。しかしその方法は、装置がさらに大型
化し複雑化する等の問題点があった。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、従来にくらべ駆動機構を簡単と
することができるとともに、電子ビームの波長を変化さ
せることが可能なアンジュレータを得ることが課題であ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1のアンジュレー
タにおいては、一端に電子ビーム導入口が設けられ、他
端に電子ビーム導出口が設けられた真空ダクトと、電子
ビーム導入口から導入されて電子ビーム導出口から導出
される電子ビームの通過路に周期磁場を形成するよう
に、通過路に沿って配列方向をずらした状態で、かつ、
通過路を挟んで対向して、真空ダクトに近接して並設さ
れた一対の永久磁石群と、一対の永久磁石群の内の通過
路に直交する磁場を形成させる永久磁石と同一の周期で
通過路に直交する磁場を形成するように対向してそれぞ
れ異なる間隙をもって配列され、真空ダクト内に磁場お
よび通過路にそれぞれ直交する方向に並設された複数対
の磁極片群と、真空ダクトを通過路に直交する磁場およ
び通過路にそれぞれ直交する方向に移動させる駆動機構
とを備えている。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】請求項のアンジュレータにおいては、通
過路に直交する磁場方向の真空ダクトの相対する内壁面
間の間隙を規定する磁極間隙位置決め板が、複数対の磁
極片群の隣接する対間に配設されている。
【0022】請求項のアンジュレータにおいては、一
端に電子ビーム導入口が設けられ、他端に電子ビーム導
出口が設けられた真空ダクトと、電子ビーム導入口から
導入されて電子ビーム導出口から導出される電子ビーム
の通過路に周期磁場を形成するように、通過路に沿って
配列方向をずらした状態で、かつ、通過路を挟んで対向
して、真空ダクトに近接して並設された一対の永久磁石
群と、一対の永久磁石群の内の通過路に直交する磁場を
形成させる永久磁石と同一の周期で通過路に直交する磁
場を形成するように対向して配列された一対の磁極片群
が、相対して配設された一対の支持架台間に配設されて
構成されて、真空ダクト内に挿出可能に取り付けられた
磁極片群カートリッジとを備えている。
【0023】請求項のアンジュレータにおいては、真
空ダクトは、その内部に異なる磁極片群間の間隙の複数
対の磁極片群カートリッジが真空ダクト内に通過路に直
交する磁場および通過路にそれぞれ直交する方向に並設
され、通過路に直交する磁場および通過路にそれぞれ直
交する方向に移動できるように構成されている。
【0024】請求項のアンジュレータにおいては、一
端に電子ビーム導入口が設けられ、他端に電子ビーム導
出口が設けられた真空ダクトと、電子ビーム導入口から
導入されて電子ビーム導出口から導出される電子ビーム
の通過路に周期磁場を形成するように、通過路に沿って
配列方向をずらした状態で、かつ、通過路を挟んで対向
してそれぞれ異なる間隙をもって配列され、真空ダクト
内に周期磁場の通過路に直交する磁場および通過路にそ
れぞれ直交する方向に並設された複数対の永久磁石群
と、真空ダクトを通過路に直交する磁場および通過路に
それぞれ直交する方向に移動させる駆動機構とを備えて
いる。
【0025】請求項のアンジュレータにおいては、各
対の永久磁石群が、それぞれ相対して配設された一対の
支持架台間に、電子ビームの通過路に周期磁場を形成す
るように、通過路に沿って配列方向をずらした状態で、
かつ、通過路を挟んで対向して配設された永久磁石群カ
ートリッジで構成されている。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明のアンジュレータの一例
を示す一部を断面とする要部側面図である。また図2は
アンジュレータの全体を示す斜視図である。永久磁石群
2および3は、磁石ホルダ4aおよび4bを介して各々
上側ベースフランジ10、下側ベースフランジ11に固
定されて配列されている。永久磁石群2の配列と永久磁
石群3の配列は、互いに対向している。永久磁石群2と
永久磁石群3は従来例と同じように、隣接するもの同士
の向き(図中、矢印の向きは磁化の方向を示す)が90
度づつずらして配列されている。対向する永久磁石群2
と永久磁石群3との間は、従来とおなじように電子ビー
ムの通過路となっている。
【0027】電子ビームの通過路および各永久磁石群2
並びに3の配列の先端部を包囲するように、電子ビーム
の通過路と直交する上下の側を開口とする矩形枠状のダ
クト本体13が配置されている。ダクト本体13は両端
の2短辺に電子ビームの導入口および導出口となる筒状
部13a,13bが備えられている。
【0028】ダクト本体13の上側周縁には全周にわた
ってアコーデオン型ベローズ12が取り付けられて上方
の上側ベースフランジ10まで伸びている。アコーデオ
ン型ベローズ12は永久磁石群2および磁石ホルダ4a
を覆っている。またダクト本体13の下側周縁には同じ
ようにアコーデオン型ベローズ12が取り付けられてお
り、下側ベースフランジ11まで伸びている。下側のア
コーデオン型ベローズ12は永久磁石群3および磁石ホ
ルダ4bを覆っている。ダクト本体13と上下2個のア
コーデオン型ベローズ12と一対のベースフランジ1
0,11は、気密された空間を作り、永久磁石群2およ
び3の配列を収納する真空ダクト50を構成している。
【0029】ダクト本体13の筒状部13a,13b
は、図示しない外部機器に連結されている。真空ダクト
50の内部は、真空にされている。電子ビームは筒状部
13aから導入され、対向する永久磁石群2の配列と永
久磁石群3の配列との間を通過し、筒状部13bを通っ
て導出される。
【0030】上側ベースフランジ10および下側ベース
フランジ11は各々上側ベース5と下側ベース6に固定
されている。尚、ダクト本体13は図示していないが、
支持架台7に直接固定されている。ベース5,6は従来
と同様に、レールを介して支持架台7,8に取り付けら
れており、各々上下に摺動可能である。支持架台7,8
の上下端には、従来と同じように駆動モータ9が備えら
れ、駆動軸を介して、ベース5,6を上下に摺動させ
る。そして、駆動モータ9および駆動軸は、磁石ホルダ
4a,4bを介して永久磁石群2および3の配列を移動
させ、永久磁石2および3の間の間隙を増減させ、永久
磁石群2および3を電子ビームに近づけたり遠ざけたり
する駆動機構60を構成している。
【0031】このように構成されたアンジュレータにお
いては、一対の永久磁石群である永久磁石群2および3
の配列の間の間隙距離G1を任意に変えることができる
とともに、永久磁石群2および3の配列と電子ビームの
間を遮るものがなく、永久磁石群2および3を可能な限
り電子ビームに近づけられるため、永久磁石群2および
3の有する磁力を有効に電子ビームにおよぼすことがで
きる。
【0032】したがって、おなじ波長の電子ビームを得
るために、従来より小さな磁石で構成することができ
る。それにより従来より装置が小型化することができ
る。またK値の可変範囲を大きくとれ、選択される波長
の幅が広がる。また従来装置の構成に比べ大きな設計変
更を要しないため、設計が容易である。
【0033】実施の形態2.図3はこの発明のアンジュ
レータの他の例を示す一部を断面とする要部側面図であ
る。また図4はアンジュレータの全体を示す斜視図であ
る。永久磁石群2および3の配列は、磁石ホルダ4aお
よび4bを介して各々上側ベース5、および下側ベース
6に固定されている。上側ベース5、および下側ベース
6は各々駆動棒14で支持されている。駆動棒14は図
示しないレールで支持架台7、8に取り付けられてお
り、上下に摺動可能である。支持架台7,8の上下端に
は、従来と同じように駆動モータ9が備えられ、駆動軸
を介して、ベース5,6を上下に摺動させる。対向する
永久磁石群2と永久磁石群3との間は、従来とおなじよ
うに電子ビームの通過路となっている。
【0034】電子ビームの通過路および各永久磁石群2
並びに3の配列の先端部を包囲するように、電子ビーム
の通過路と直交する上下の側をベースフランジ16で蓋
された矩形箱体のダクト本体17が配置されている。ダ
クト本体17は両端の2側面に電子ビームの導入口およ
び導出口となる筒状部17a,17bが備えられてい
る。
【0035】上下のベースフランジ16には、開口であ
る穴16aが空けられ駆動棒14が貫通している。ダク
ト本体17の内部には駆動棒14で支持された永久磁石
群2および3の配列が対向して位置している。
【0036】各々の駆動棒14の中間部には円盤状のフ
ランジ14aが固定されている。各々のベースフランジ
16の穴16aの周縁から各々の駆動棒14のフランジ
14aまでの間には駆動用ベローズ15が取り付けられ
ている。ダクト本体17、駆動用ベローズ15およびフ
ランジ14aは、永久磁石群2および3を収納する気密
された空間である真空ダクト51を構成し内部は真空に
されている。筒状部17a,17bは図示しない外部機
器に連結されている。電子ビームは筒状部17aから導
入され、対向する永久磁石群2の配列と永久磁石群3の
配列との間を通過し、筒状部17bを通って導出され
る。
【0037】このように構成されたアンジュレータにお
いては、一対の永久磁石群である永久磁石群2および3
の配列の間の間隙距離G1を任意に変えることができる
とともに、永久磁石群2および3の配列と電子ビームの
間を遮るものがなく、永久磁石群2および3を可能な限
り電子ビームに近づけられるため、永久磁石群2および
3の有する磁力を有効に電子ビームにおよぼすことがで
きる。
【0038】したがって、おなじ波長の電子ビームを得
るために、従来より小さな磁石で構成することができ
る。それにより従来より装置が小型化することができ
る。またK値の可変範囲を大きくとれ、選択される波長
の幅が広がる。また使用するベローズ15が小さいので
構成が簡略化する。
【0039】実施の形態3.図5はこの発明のアンジュ
レータの他の例を示す磁石部付近を示す側面図である。
図6は真空ダクトの要部断面図である。図7はアンジュ
レータの要部の斜視図である。
【0040】図5において、上下に配列された一対の永
久磁石群2,3の配列は、磁石ホルダ4a,4bを介し
て、ベース5,6に取り付けられている。上下に配列さ
れた永久磁石群2,3の間には、SUS等の非磁性体で
成る上板20および下板21が各永久磁石群2,3に近
接して配置されている。上板20の内部側には、永久磁
石群2の配列に沿って磁性体でなる磁極片18aが配列
されて固定されている。磁極片の配列18aは永久磁石
群2のうちその磁化方向が上下を向くように配置された
永久磁石の位置に、すなわち永久磁石群2の配列に対し
て1個飛びに配列されている。また、下板21の内部側
には、同じように永久磁石群3の配列に沿って磁極片1
9aが配列されて固定されている。磁極片18a,19
aの配列は溶接またはフランジ接合により固定されてい
る。
【0041】上板20および下板21の厚みは十分薄く
(例えば1mm程度に)されている。したがって上板20お
よび下板21の磁気抵抗は減少し、永久磁石群2から磁
極片18aへ、また永久磁石群3から磁極片19aへ磁
束が透過される。したがって永久磁石群2と3の間の間
隙距離をあたかも磁極片18aと19aの間の間隙距離
まで縮めたような周期磁場が生じる。
【0042】図6において、上板20および下板21
は、2枚の側板22と共に箱体である真空ダクト40を
構成している。上板20と下板30は、X軸方向に幅広
にされている。上板20の内部側には磁極片18aの配
列と平行し所定間隔をもって、さらに磁極片18bの配
列と磁極片18cの配列とが並設されている。すなわ
ち、3列の磁極片18a,18b,19cの配列はX軸
方向にたがいに所定間隔づつ距離を離して並行に設けら
れている。また、下板21の内部側に磁極片19aの配
列と平行し所定間隔をもって、磁極片19bの配列と磁
極片19cの配列とが並設されている。
【0043】各磁極片18aと19a、18bと19
b、18cと19cはそれぞれ対向して配列されてい
る。そして磁極片18aの配列と磁極片19aの配列と
の間隙距離A、磁極片18bの配列と磁極片19bの配
列との間隙距離Bおよび磁極片18cの配列と磁極片1
9cの配列との間隙距離Cは段階的に変化するように各
磁極片の厚さが選ばれている。
【0044】図7において、真空ダクト40の一側端部
の開口から導入された電子ビームは、真空ダクト40の
中において、一対の永久磁石群2,3の配列の中央にあ
る通過路を通り、真空ダクト40の他側端部の開口から
導出する。真空ダクト40の両端部には端部ベローズ2
3が取り付けるられている。端部ベローズ23は、図示
しない外部機器に接続されている。真空ダクト40の一
側の側面には、軸24aが立設している。軸24aには
ネジが螺刻されている。軸24aには係合部材24bが
貫通されてねじ係合している。また係合部材24bを回
転させて軸24aを進退動作させるモーター24cが外
部に固定されて配置されている。軸24a、係合部材2
4b、モーター24cは真空ダクト40をX軸方向にス
ライドさせる駆動機構24を構成している。
【0045】図7においては磁極片配列18bと19b
とが各々永久磁石群2と永久磁石群3に近接している
が、真空ダクト40が駆動機構24により図7の右にス
ライドすると、磁極片配列18aと19aが永久磁石群
2と永久磁石群3に近接する。その際には、磁極片配列
18aと19aとが永久磁石群2と永久磁石群3から磁
束を透過される。また真空ダクト40が図7の左にスラ
イドすると、磁極片配列18cと19cが永久磁石群2
と永久磁石群3に近接する。その際には、磁極片配列1
8cと19cとが永久磁石群2と3から磁束を透過され
る。
【0046】このような構成のアンジュレータにおいて
は、真空ダクト40をX軸方向にスライドさせることに
より、電子ビームが通過する位置の磁極片間隙距離A〜
Cを選択でき、段階的ではあるがK値を可変にすること
ができ、電子ビームの波長を変化させることができる。
また駆動機構24は真空ダクト40をスライドするだけ
のものなので、従来にくらべ駆動機構が簡単になる。
【0047】実施の形態4.図8はこの発明のアンジュ
レータの他の例を示す真空ダクトの要部断面図である。
本実施の形態は概略実施の形態3と同様であるが、本実
施の形態においては、真空ダクト40の内部に、相対す
る内壁すなわち上板20および下板21の間に、上板2
0および下板21の間の間隙を規定する磁極間隙位置決
め板25が備えられている。磁極間隙位置決め板25
は、対をなす各磁極片配列18aおよび19a,18b
および19b,ならびに18cおよび19cの対間に隣
接して配設されている。
【0048】真空ダクト40の内部には、実施の形態3
と同じように、各磁極片配列18a,18b,18c,
19a,19b,19cとが配列され固定されている。
永久磁石群2と永久磁石群3とにより磁束を透過された
一対の磁極片配列の間には磁力により吸引力が生じる。
また真空ダクト40の内部は真空にされているので上板
20および下板21には大気圧力が働く。しかし真空ダ
クト40の上板20および下板21は、磁気抵抗を減少
させなければならないので、できる限り薄く作る必要が
あり、変形しやすい。そこで、同じSUS等の非磁性体
で作製され正確に高さ方向の加工をされた磁極間隙位置
決め板25が磁極片配列の近傍に配置された。
【0049】このような構成のアンジュレータにおいて
は、磁極間隙位置決め板25は真空ダクト40の上板2
0および下板21を支持・位置決めするので、真空ダク
ト40の変形によって生じる磁極片間隙距離のばらつき
を小さくできる。そして磁極片間隙距離のばらつきによ
る磁場の変化を小さくすることができ、装置の性能が向
上する効果がある。
【0050】実施の形態5.図9はこの発明のアンジュ
レータの他の例を示す要部の斜視図である。図10は要
部の断面図である。図において、上下に配列された一対
の永久磁石群2,3の配列は、磁石ホルダ4a,4bを
介して、ベース5,6に取り付けられている。上下に配
列された永久磁石群2,3の間には、一端に電子ビーム
導入口である開口を有し、他端に電子ビーム導出口であ
る開口を有した細長な箱体であるカートリッジ収納真空
ダクト41が配置されている。細長の箱体であるカート
リッジ収納用真空ダクト41の内部には、磁極片群カー
トリッジ29が挿入されている。
【0051】磁極片群カートリッジ29は、カートリッ
ジ収納用真空ダクト41の長手方向に延びるSUS等の
非磁性体で成る2本のカートリッジ支持架台28の上下
に、上側磁極片配列26と下側磁極片配列27とが配列
されて固定されて構成されている。
【0052】上側磁極片配列26と下側磁極片配列27
は、永久磁石群2および永久磁石群3のうち磁化方向が
上下を向くように配置された永久磁石の位置に配置さ
れ、すなわち永久磁石群2または永久磁石群3の配列に
対して1個飛びに配列されている。カートリッジ支持架
台28の高さは、上側磁極片配列26と下側磁極片配列
27との間の隙間距離が正確となるように、精密に作製
・組立されている。
【0053】上側磁極片配列26と下側磁極片配列27
との間には磁力により吸引力が生じる。しかし吸引力は
カートリッジ支持架台28で受けられカートリッジ収納
用真空ダクト41の上板、下板にはおよぶことがない。
そのため上板、下板はさらに薄くすることができる。
【0054】カートリッジ収納用真空ダクト41に収納
される磁極片群カートリッジ29は、上側磁極片配列2
6と下側磁極片配列27との間の隙間距離を異にした多
数のカートリッジから選択された1のカートリッジがセ
ットされている。適当なカートリッジがカートリッジ収
納用真空ダクト41に挿入された後、内部が真空にされ
る。
【0055】このような構成のアンジュレータにおいて
は、できる限り薄く作る必要のある真空ダクト41の上
板、下板をさらに薄くすることができる。また磁極片間
隙距離のばらつきによる磁場の変化を小さくすることが
でき、性能の安定したアンジュレータを得ることができ
る。さらにカートリッジ収納用真空ダクト41の内側に
磁極片配列が固定されることがなく、磁極片群カートリ
ッジ29はカートリッジ収納用真空ダクト41と分離し
て作製されるので、カートリッジ組立の際の磁極片間隙
距離の測定、調整が容易にでき、組立性が向上する。
【0056】磁極片群カートリッジ29は、上側磁極片
配列26と下側磁極片配列27との間の隙間距離を異に
した多数のカートリッジから選択された1のカートリッ
ジがセットされているので、選択するカートリッジを変
更することにより、上側磁極片配列26と下側磁極片配
列27との間の隙間距離を変更することができ、電子ビ
ームの波長を段階的に変化させることができる。したが
って、本実施の形態においては、駆動機構が不要であ
る。
【0057】実施の形態6.図11はこの発明のアンジ
ュレータの他の例を示す複数カートリッジ収納用真空ダ
クトの構造を示す図である。本実施の形態では、カート
リッジ収納用真空ダクトのX軸方向の幅を広げ、実施の
形態5の磁極片群カートリッジを複数収納できるように
したものである。複数カートリッジ収納用真空ダクト4
2は、X軸方向に幅を広げられ、3本の磁極片群カート
リッジ29a〜29cが互いに所定間隔隙間をあけて並
行に収納されている。
【0058】3本の磁極片群カートリッジ29a〜29
cにおいては、各々SUS等の非磁性体で成るカートリ
ッジ支持架台28a〜28cの上下に各々磁極片配列2
6a〜26c、27a〜27cが配置され固定されてい
る。組み立ての際には、寸法測定を行って磁極片間隙距
離を調整して組み立てられる。
【0059】複数カートリッジ収納用真空ダクト42の
両端部には端部ベローズ31が取り付けられている。端
部ベローズ31は図示しない外部機器に連結されてい
る。複数カートリッジ収納用真空ダクト42の一側の側
面には実施の形態3と同様の駆動機構24が備えられて
いる。これにより、複数カートリッジ収納用真空ダクト
42はX軸方向に摺動可能である。
【0060】3本の磁極片群カートリッジ29a〜29
cにおいては、磁極片配列26aと27aの間隙距離A
1、磁極片配列26bと27bの間隙距離B1および磁
極片配列26cと27cの間隙距離C1は段階的に変化
するように磁極片群カートリッジ29a〜29cが選ば
れてセットされている。
【0061】このような構成のアンジュレータにおいて
は、磁極片配列の間の間隔を異にした複数の磁極片群カ
ートリッジ29a〜29cがセットされている為、複数
カートリッジ収納用真空ダクト42をX軸方向にスライ
ドさせることにより、電子ビームが通過する位置の磁極
片間隙距離A1〜C1を選択でき、段階的ではあるがK
値を可変にすることができ、電子ビームの波長を変化さ
せることができる。また一度のセットにおいて、複数の
カートリッジをセットすることができるので作業性がよ
い。
【0062】実施の形態7.図12はこの発明のアンジ
ュレータの他の例を示す真空ダクトの構造を示す図であ
る。SUS等の非磁性体で成る上板20および下板21
は、同じ非磁性体の2枚の側板22と共に箱体である真
空ダクト43を構成している。真空ダクト43の上板2
0および下板21には、各々永久磁石群32a,33a
が配設され、溶接やフランジ接合により固定されてい
る。永久磁石群32a,33aは、電子ビームの通過路
に周期磁場を形成するように、通過路に沿ってかつ電子
ビームの通過路を挟んで対向して配列されている。真空
ダクト43の上板20および下板21には、X軸方向に
おいて永久磁石群32a,33aと並行してさらに永久
磁石群32b,32c,33b,33cが配列され、同
じように固定されている。
【0063】永久磁石群32bと33b,32cと33
cもまた各々対向している。このとき、永久磁石群32
aと33aの配列の間隙距離A2、永久磁石配列32b
と33bの配列の間隙距離B2および永久磁石32cと
33cの配列の間隙距離C2は段階的に変化するように
永久磁石の厚さが選ばれている。
【0064】真空ダクト43の一側の側面には、実施の
形態3と同様な駆動機構24が設置されている。さら
に、真空ダクト43の両端部には実施の形態3と同様な
端部ベローズ(図示せず)が取り付けられている。
【0065】真空ダク43をX軸方向にスライドさせる
ことにより、電子ビームが通過する位置の磁極片間隙距
離を選択でき、段階的ではあるがK値を可変にすること
ができる。
【0066】このような構成のアンジュレータにおいて
は、相互の間の間隔を異にした複数対の永久磁石配列を
備えているため、真空ダクト43をX軸方向にスライド
させることにより、電子ビームが通過する位置の永久磁
石間隙距離A2〜C2を選択でき、段階的ではあるがK
値を可変にすることができ、電子ビームの波長を変化さ
せることができる。また各永久磁石の配列と電子ビーム
の間を遮るものがなく、各永久磁石の有する磁力を有効
に電子ビームにおよぼすことができるので、装置が小型
化できる。
【0067】実施の形態8.図13はこの発明のアンジ
ュレータの他の例を示す複数カートリッジ収納用真空ダ
クトの断面図である。本実施の形態においては、複数カ
ートリッジ収納用真空ダクト44は、X軸方向に幅を広
げられ、その内には3本の永久磁石群カートリッジ36
a〜36cがそれぞれX軸方向に所定間隔隙間をあけて
並行に収納されている。
【0068】3本の永久磁石群カートリッジ36a〜3
6cにおいては、各々SUS等の非磁性体で成るカート
リッジ支持架台28a〜28cの上下に各々永久磁石配
列34a〜34c、35a〜35cが配置され固定され
ている。組み立ての際には、寸法測定を行って磁極片間
隙距離を調整して正確に組み立てられる。
【0069】複数カートリッジ収納用真空ダクト44の
両端部には図示しない端部ベローズが取り付けられてい
る。端部ベローズは図示しない外部機器に連結されてい
る。複数カートリッジ収納用真空ダクト44の一側の側
面には実施の形態3と同様の駆動機構24が備えられて
いる。これにより、複数カートリッジ収納用真空ダクト
44はX軸方向に摺動可能である。
【0070】3本の永久磁石群カートリッジ36a〜3
6cにおいては、永久磁石配列34aと35aの間隙距
離A3、永久磁石配列34bと35bの間隙距離B3お
よび磁極片配列34cと35cの間隙距離C3は段階的
に変化するように永久磁石群カートリッジ36a〜36
cが選ばれてセットされている。
【0071】このような構成のアンジュレータにおいて
は、永久磁石配列の間の間隔を異にした複数の永久磁石
群カートリッジ36a〜36cがセットされている為、
複数カートリッジ収納用真空ダクト44をX軸方向にス
ライドさせることにより、電子ビームが通過する位置の
磁極片間隙距離A3〜C3を選択でき、段階的ではある
がK値を可変にすることができ、電子ビームの波長を変
化させることができる。また一度のセットにおいて、複
数のカートリッジをセットすることができるので作業性
がよい。また各永久磁石の配列と電子ビームの間を遮る
ものがなく、各永久磁石の有する磁力を有効に電子ビー
ムにおよぼすことができるので、装置が小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のアンジュレータの一例を示す一部
を断面とする要部側面図である。
【図2】 アンジュレータの全体を示す斜視図である。
【図3】 この発明のアンジュレータの他の例を示す一
部を断面とする要部側面図である。
【図4】 アンジュレータの全体を示す斜視図である。
【図5】 この発明のアンジュレータの他の例を示す磁
石部付近を示す側面図である。
【図6】 真空ダクトの要部断面図である。
【図7】 アンジュレータの要部の斜視図である。
【図8】 この発明のアンジュレータの他の例を示す真
空ダクトの要部断面図である。
【図9】 この発明のアンジュレータの他の例を示す要
部の斜視図である。
【図10】 要部の断面図である。
【図11】 この発明のアンジュレータの他の例を示す
複数カートリッジ収納用真空ダクトの構造を示す図であ
る。
【図12】 この発明のアンジュレータの他の例を示す
真空ダクトの構造を示す図である。
【図13】 この発明のアンジュレータの他の例を示す
複数カートリッジ収納用真空ダクトの断面図である。
【図14】 従来のアンジュレータの側面図である。
【図15】 従来のアンジュレータの斜視図である。
【符号の説明】
2,3,32a〜32c,33a〜33c,34a〜3
4c,35a〜35c永久磁石群、4a,4b 磁石ホ
ルダ、10,11,16 ベースフランジ、12 アコ
ーデオン型ベローズ(ベローズ)、13,17 ダクト
本体、14駆動棒、15 駆動用ベローズ(ベロー
ズ)、18a〜18c,19a〜19c磁極片配列、2
4,60 駆動機構、28,28a〜28c カートリ
ッジ支持架台(支持架台)、29,29a〜29c 磁
極片群カートリッジ、36a〜36c 永久磁石群カー
トリッジ、40,43 真空ダクト、41 カートリッ
ジ収納用真空ダクト(真空ダクト)、42,44 複数
カートリッジ収納用真空ダクト(真空ダクト)、50,
51 真空ダクト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−264299(JP,A) 特開 平8−17599(JP,A) 特開 平4−324300(JP,A) 特開 平4−271000(JP,A) 特開 平5−190990(JP,A) 特開 平7−240300(JP,A) 特開 平7−57899(JP,A) 特開 平6−318767(JP,A) 特開 平8−8098(JP,A) 特開 平5−198899(JP,A) 特開 平8−88099(JP,A) 実開 平4−85600(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 13/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に電子ビーム導入口が設けられ、他
    端に電子ビーム導出口が設けられた真空ダクトと、 上記電子ビーム導入口から導入されて上記電子ビーム導
    出口から導出される電子ビームの通過路に周期磁場を形
    成するように、該通過路に沿って配列方向をずらした状
    態で、かつ、該通過路を挟んで対向して、上記真空ダク
    トに近接して並設された一対の永久磁石群と、 上記一対の永久磁石群の内の上記通過路に直交する磁場
    を形成させる永久磁石と同一の周期で該通過路に直交す
    る磁場を形成するように対向してそれぞれ異なる間隙を
    もって配列され、上記真空ダクト内に該磁場および通過
    路にそれぞれ直交する方向に並設された複数対の磁極片
    群と、 上記真空ダクトを上記通過路に直交する磁場および上記
    通過路にそれぞれ直交する方向に移動させる駆動機構と
    を備えたことを特徴とするアンジュレータ。
  2. 【請求項2】 通過路に直交する磁場方向の真空ダクト
    の相対する内壁面間の間隙を規定する磁極間隙位置決め
    板が、複数対の磁極片群の隣接する対間に配設されてい
    ることを特徴とする請求項記載のアンジュレータ。
  3. 【請求項3】 一端に電子ビーム導入口が設けられ、他
    端に電子ビーム導出口が設けられた真空ダクトと、 上記電子ビーム導入口から導入されて上記電子ビーム導
    出口から導出される電子ビームの通過路に周期磁場を形
    成するように、該通過路に沿って配列方向をずらした状
    態で、かつ、該通過路を挟んで対向して、上記真空ダク
    トに近接して並設された一対の永久磁石群と、 上記一対の永久磁石群の内の上記通過路に直交する磁場
    を形成させる永久磁石と同一の周期で該通過路に直交す
    る磁場を形成するように対向して配列された一対の磁極
    片群が、相対して配設された一対の支持架台間に配設さ
    れて構成されて、上記真空ダクト内に挿出可能に取り付
    けられた磁極片群カートリッジとを備えたことを特徴と
    するアンジュレータ。
  4. 【請求項4】 真空ダクトは、その内部に異なる磁極片
    群間の間隙の複数対の磁極片群カートリッジが真空ダク
    ト内に通過路に直交する磁場および通過路にそれぞれ直
    交する方向に並設され、上記通過路に直交する磁場およ
    び上記通過路にそれぞれ直交する方向に移動できるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項記載のアン
    ジュレータ。
  5. 【請求項5】 一端に電子ビーム導入口が設けられ、他
    端に電子ビーム導出口が設けられた真空ダクトと、 上記電子ビーム導入口から導入されて上記電子ビーム導
    出口から導出される電子ビームの通過路に周期磁場を形
    成するように、該通過路に沿って配列方向をずらした状
    態で、かつ、該通過路を挟んで対向してそれぞれ異なる
    間隙をもって配列され、上記真空ダクト内に該周期磁場
    の通過路に直交する磁場および通過路にそれぞれ直交す
    る方向に並設された複数対の永久磁石群と、 上記真空ダクトを上記通過路に直交する磁場および上記
    通過路にそれぞれ直交する方向に移動させる駆動機構と
    を備えたことを特徴とするアンジュレータ。
  6. 【請求項6】 各対の永久磁石群が、それぞれ相対して
    配設された一対の支持架台間に、電子ビームの通過路に
    周期磁場を形成するように、該通過路に沿って配列方向
    をずらした状態で、かつ、該通過路を挟んで対向して配
    設された永久磁石群カートリッジで構成されていること
    を特徴とする請求項記載のアンジュレータ。
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