JP3248058B2 - 二重パイル織物原反製織法と織機 - Google Patents

二重パイル織物原反製織法と織機

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JP3248058B2
JP3248058B2 JP09044296A JP9044296A JP3248058B2 JP 3248058 B2 JP3248058 B2 JP 3248058B2 JP 09044296 A JP09044296 A JP 09044296A JP 9044296 A JP9044296 A JP 9044296A JP 3248058 B2 JP3248058 B2 JP 3248058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上布地経糸間に上
布地緯糸を打ち込んで織成される上布と、下布地経糸間
に下布地緯糸を打ち込んで織成される下布を、パイル糸
で連結して織成され、そのままクッション材として使用
し、或いは、表裏を起毛して毛布として使用し、或いは
又、パイル糸をカットして上布と下布に切り離してモケ
ット(パイル織物)として敷物や椅子張地等に使用する
二重パイル織物原反(以下、単に原反とも言う。)の製
織法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術によると、二重パイル織物織機
には地経糸と同様にパイル糸も綜絖に通して織前へと筬
羽間から引き出して仕掛けることになっているので、原
反を織成するには、地経糸と同様数千本ものパイル糸を
準備しなければならなくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのように二重パイル
織物織機に仕掛けられるパイル糸の本数が多いので、簡
単にパイル糸を切り替えて原反やモケットの仕様を変え
ることは出来ず、多品種小ロット生産と言う近時の需要
に応え難い。又、製織ロットサイズは常に経糸ビームの
ロットサイズの制約を受け、ただ二重パイル織物の見本
を僅かに試織する場合でも二重パイル織物を実生産する
場合と同様のロットサイズのパイル糸を用意しなければ
ならないので、その試織見本は異常にコスト高なものと
ならざるを得ない。
【0004】
【発明の目的】そこで本発明は、原反やモケットの仕様
の変更に伴って準備すべきパイル糸の量が、原反やモケ
ットを構成するに必要な最小限度の少量で済み、パイル
糸の切替作業を短時間で行うことが出来るようにするこ
とを目的とする。本発明の他の目的は、パイル糸の色彩
や太さ、繊維素材等の仕様を変えて種々の原反やモケッ
トを試織し、新企画の原反やモケットの品質を十分に検
討し、需要に応じた高品質の原反やモケットをスピーデ
イ、且つ、経済的に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二重パイル
織物原反製織法は、(a) 上布地経糸間11・12に
上布地緯糸13を打ち込んで織成される上布14と、下
布地経糸間21・22に下布地緯糸23を打ち込んで織
成される下布24を、パイル糸20で連結して織成され
る二重パイル織物原反26の製織工程において;
(b) 上布地経糸11を下布側へと引き下げ、下布地
経糸21を上布側へと引き上げてパイル糸打込用開口3
1を形成し; (c) そのパイル糸打込用開口31に
パイル糸20を給糸稈28に担持させて挿入し;
(d) 次いで、上布地経糸11を上布側へと引き上
げ、下布地経糸21を下布側へと引き下げて、給糸稈2
8を上布地経糸11と下布地経糸21の間で挟み;
(e) 給糸稈28の先端部分18からパイル糸20を
給出しつつ、その挟み込まれた給糸稈28を上布地経糸
11と下布地経糸21の間から引き抜き; (f) そ
の給出したパイル糸20を織前32へと筬打ちすること
を第1の特徴とする。
【0006】本発明の第2の特徴は、上記第1の特徴に
加えて、給糸稈から給出されるパイル糸の給出長を、挟
み込まれた上布地経糸と下布地経糸の間で移動する給糸
稈の移動長よりも長くした二重パイル織物原反製織法に
ある。
【0007】本発明の第3の特徴は、上記第1と第2の
特徴に加えて、給糸稈から給出されるパイル糸の給出長
を、挟み込まれた上布地経糸と下布地経糸の間で移動す
る給糸稈の移動長の2倍以上にした二重パイル織物原反
製織法にある。
【0008】本発明の第4の特徴は、上記第1の特徴に
加えて、給糸稈を織前側に移動させてから、上布地経糸
11と下布地経糸21の間から引き抜くこととした二重
パイル織物原反製織法にある。
【0009】本発明に係る織機は、上記の二重パイル織
物原反製織法の実施に使用し得ると共に綴織その他の平
織の製織にも使用し得るものであり、経糸によって形成
される開口に緯糸を挿入し、先端から緯糸を給出しつつ
経糸間から引き抜かれる給糸稈と、筬が緯糸を織前へと
1回筬打ちする間に、経糸の開口運動を2回行って開口
を形成する経糸の上下の位置を変える経糸開口装置とを
具備することを特徴とするものである。
【0010】本発明に係る他の二重パイル織物原反製織
法は、(a) 上布地経糸間(11・12)に上布地緯
糸(13)を打ち込んで織成される上布(14)と、下
布地経糸間(21・22)に下布地緯糸(23)を打ち
込んで織成される下布(24)を、パイル糸(20)で
連結して織成される二重パイル織物原反(26)の製織
工程において; (b) 上布地経糸(11)を下布側
へと引き下げ、下布地経糸(21)を上布側へと引き上
げてパイル糸打込用開口(31)を形成し;(c) そ
のパイル糸打込用開口(31)にパイル糸(20)を挿
入すると共に、リード桿(38)を挿入し、パイル糸打
込用開口内(31)にパイル糸(20)とリード桿(3
8)を並べ; (d) 次いで、上布地経糸(11)を
上布側へと引き上げ、下布地経糸(21)を下布側へと
引き下げて、パイル糸(20)とリード稈(38)を上
布地経糸(11)と下布地経糸(21)の間で挟み;
(e) その挟み込まれたリード稈(38)を上布地経
糸(11)と下布地経糸(21)の間から引き抜き;
(f) リード稈(38)を引き抜いて上布地経糸(1
1)と下布地経糸(21)の間に残ったパイル糸(2
0)を織前(32)へと筬打ちすることを特徴とする。
【0011】本発明に係る他の織機は、緯糸とは別に経
糸によって形成される開口に挿入されるリード桿と、筬
が緯糸を織前へと1回筬打ちする間に、経糸の開口運動
を2回行って開口を形成する経糸の上下の位置を変える
経糸開口装置と、開口を形成する経糸の上下の位置が変
化した第2回目の経糸の開口運動の後にリード桿を経糸
間から引き抜く引抜装置を具備することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図2〜図6は、本発明における原
反26の製織手順を図示するものであり、上布および下
布地緯糸13・23は、従来通り上布地経糸の開口5と
下布地経糸の開口25に打ち込んで地組織を織成する。
図1と図2は、一丁の杼(レピア)を用いて地緯糸を地
経糸間に打ち込む一丁杼二重パイル織物織機の開口15
・25を図示するものであるが、二丁の杼を用いる二丁
杼二重パイル織物織機においては、上布の開口15と下
布の開口25を上下二段に形成し、上布地緯糸13と下
布地緯糸23とを同時に打ち込むことになる。
【0013】パイル糸20は、上布地経糸11を下布側
へと引き下げ、下布地経糸21を上布側へと引き上げて
形成したパイル糸打込用開口31に給糸稈28に担持さ
せて挿入される。次いで、上布地経糸11を上布側へと
引き上げ、下布地経糸21を下布側へと引き下げて、給
糸稈28を上布地経糸11と下布地経糸21の間で挟
み、その挟み込まれた給糸稈28を上布地経糸11と下
布地経糸21の間から引き抜きつつ、パイル糸20を給
糸稈28の先端18から給出する。その結果、パイル糸
20は、上布地経糸11と下布地経糸21の間に挟み込
まれることになり、筬打ちによって織前32へと織り込
まれる。
【0014】図2〜図6から明らかなように、パイル糸
20が、経糸としてではなく緯糸として織り込まれてお
り、この点に本発明の最も大きな特徴がある。即ち、従
来技術では、上布地緯糸と下布地緯糸によって上布と下
布にパイル糸を係止させて織り込んでいるが、本発明で
は、挟み込まれた給糸稈28を上布地経糸11と下布地
経糸21の間から引き抜くとき、パイル糸20が給糸稈
28の先端18から給出される。
【0015】その給糸稈28を上布地経糸11と下布地
経糸21の間から引き抜く過程では、図1に図示する如
く、上布地経糸11と下布地経糸21が、それぞれ1本
づつ給糸稈28の先端から外れ、その外れた下布地経糸
21は下布側へ、又、上布地経糸11は上布側へ、それ
ぞれ地経糸11・21に作用するテンションによって1
本づつ交互に移動する。そのとき、給糸稈28から給出
されるパイル糸20は、その都度地経糸11・21に弾
き返されるようにして交互に上布側と下布側へと引き寄
せられて、その結果、上布地経糸11と下布地経糸21
に係止されて上下に大きくジグザグに折れ曲がって緯方
向に連続することになる。そのように上下に大きくジグ
ザグに折れ曲がって緯方向に連続するパイル糸20は、
筬打ちによって織前32へと移動し、上布14と下布2
4の間に挟まれたパイル層30を形成することになる。
【0016】そのようにパイル糸20が上布地経糸11
と下布地経糸21に係止されて上下に大きくジグザグに
折れ曲がって緯方向に連続するので、給糸稈から給出さ
れるパイル糸20の給出長は、上布地経糸と下布地経糸
の間で移動する給糸稈の移動長よりも長くなる。このこ
とは、給糸稈から給出されるパイル糸20の長さが、原
反26の織幅よりも長くなることを意味する。給糸稈2
8は、先端18までパイル糸20を上布地経糸11と下
布地経糸21に擦られずに導く形を成すものであればよ
い。
【0017】原反26の厚み、即ち、パイル層30の厚
みは移動する給糸稈の先端18から地経糸11・21が
外れる度に給出されるパイル糸20の給出長さに比例
し、一般に原反の厚みは上布および下布の地経糸の配列
間隔よりも大きくなるので、給糸稈から給出されるパイ
ル糸20の長さは、原反26の織幅の2倍以上になる。
モケット16は、原反26のパイル層30を上布14と
下布24の間でナイフ37によってカットし、原反26
を上布14と下布24とに切り離して形成されるが、こ
のセンターカットは、原反26の製織中に行ってもよい
し、原反26を織機から取り出してから行ってもよい。
【0018】図1〜図6に図示する原反では、ジグザグ
に折れ曲がって続くパイル糸の折曲角部(バックステッ
チ)33が外側に露出するバックスルー織構造となって
いるが、バックステッチ30が覆経糸に覆われた従来の
覆経糸付き原反のようにするには、給糸稈の挿入前また
は後(図によって示すと、図4に図示する開口前、又
は、図5に図示する開口後)において、バックステッチ
33の外側に覆経糸が重なるように地経糸を開口させて
覆経糸を織り込めばよい。
【0019】又、図1に図示するパイル糸20は、1本
の地経糸11・21に係止されるルーズパイルを形成し
ているが、地経糸11・12・21・22の配列順を変
えることによって、パイル糸20が複数本の地経糸に係
止されるフアーストパイルを形成するようにすることも
出来る。
【0020】そして又、図1に図示するパイル糸20
は、原反の全幅にわたって等間隔に並んだパイル19を
形成しているが、原反やモケットに織り出そうとする図
柄に応ずる所要の上布地経糸11だけを下布側へと引き
下げ、又、図柄に応ずる所要の下布地経糸21だけを上
布側へと引き上げて、原反の全幅の一部にだけパイル糸
打込用開口31を形成し、他の残り上布地経糸を上布側
へと引き上げ、又、他の残りの下布地経糸を下布側へと
引き下げ、その所要の地経糸によって形成されるパイル
糸打込用開口31に給糸稈28を挿入して、原反の全幅
の一部にだけパイルを部分的に形成することも出来る。
【0021】更に、その後の地緯糸の織込前において、
残余の他の全部または図柄に応じた一部の上布地経糸だ
けを下布側へと引き下げ、又、残余の他の全部または図
柄に応じた一部の下布地経糸21だけを上布側へと引き
上げて、原反の全幅の一部にだけパイル糸打込用開口を
形成し、他の残り上布地経糸を上布側へと引き上げ、
又、他の残りの下布地経糸を下布側へと引き下げ、その
残余の他の全部または図柄に応じた一部の地経糸によっ
て形成されるパイル糸打込用開口に給糸稈を挿入して、
先に形成したパイルとは色彩の異なるパイル糸による異
色のパイルを形成することにより、原反やモケットに多
彩な図柄を描出することも出来る。尚、緯縞模様を描出
する場合には、地緯糸13・23を織込毎に色彩の異な
るパイル糸を選択して織り込むことになる。
【0022】このように本発明において使用される織機
は、地経糸11・12・21・22によって形成される
開口31にパイル糸20を挿入し、先端からパイル糸2
0を給出しつつ地経糸間11・12・21・22から引
き抜かれる給糸稈28と、筬29がパイル糸20を織前
32へと1回筬打ちする間に、図4と図5に図示する如
く、地経糸11・12・21・22の開口運動を2回行
って開口を形成する地経糸11・21の上下の位置を変
える経糸開口装置とを具備する。この経糸開口装置は、
従来の織機の経糸開口装置と同様にカム(タペット)等
によって構成され、原反やモケットに多彩な図柄を描出
するために選択される一部の地経糸によって開口を形成
する場合には、ドビーやジャガード等の公知の柄出装置
が使用される。
【0023】パイル糸20が上布地経糸11によって上
布側(14)へと引き上げられ、又、下布地経糸21に
よって下布側(24)へと引き下げられるようにするに
は、給糸稈28の先端18の上端17と下端27間から
地経糸11・21の昇降を妨げる突起部を給糸稈の長さ
方向に突き出さず、給糸稈の先端18の上端17と下端
27が給糸稈の長さ方向に対して直角に結ばれるように
するとよい。そのように先端部分18が給糸稈の長さ方
向に対して直交する構造の給糸稈では、開口31に挿入
する際に地経糸11・21に引っ掛かり易くなるので、
尖端形のガイド34を給糸稈の先端18から給糸稈の長
さ方向に向けて出没し得るように給糸稈28の先端部分
18に装着し、開口31に給糸稈28を挿入するときは
ガイド34を突出し、そのガイド34によって上布地経
糸11と下布地経糸21の間を上下に押し分けつつ給糸
稈28を開口31に挿入するようにするとよい。図1に
おいて、35は、ガイド34を給糸稈28の長さ方向に
導くガイド溝である。
【0024】給糸稈から給出されるパイル糸20の給出
長を、挟み込まれた上布地経糸11と下布地経糸21の
間で移動する給糸稈28の移動長の2倍以上にするに
は、給糸稈28にパイプを使用するか、又は、給糸稈2
8にパイプ36を内蔵させ、そのパイプからエアーと共
にパイル糸20を積極的に給出するようにするとよい。
地緯糸13・23や覆緯糸は、従来の織機に使用されて
いるシャットルやレピア・ステッキによって開口15・
25に挿入してもよいし、この給糸稈28を使用して挿
入してもよい。
【0025】上記の通り、筬29がパイル糸20を織前
32へと1回筬打ちする間に、地経糸11・12・21
・22の開口運動を2回行って開口を形成する地経糸1
1・21の上下の位置を変え、その最初に形成される開
口31にパイル糸20を給糸稈28に担持させて挿入し
(図4)、地経糸11・21の上下の位置が変わった次
の開口が形成されたとき先端からパイル糸20を給出し
つつ地経糸間11・12・21・22から給糸稈28を
引き抜くとき(図5)、パイル糸20は上下に大きくジ
グザグに折れ曲がって緯方向に連続し、地経糸間11・
12・21・22に挟まれるパイル糸20の長さを織幅
の2倍以上にすることが出来る。
【0026】このため、二重パイル織物原反を織成する
ために、上布地経糸間11・12に打ち込まれる上布地
緯糸13と、下布地経糸間21・22に打ち込まれる下
布地緯糸23とを除外し、ただパイル糸20だけを地経
糸間11・12・21・22に打ち込む場合には、パイ
ル糸20を緯糸とし、そのパイル糸(緯糸)20のバッ
クステッチ33に該当する外面に現れる部分によって地
経糸11・12・21・22が覆われた綴織その他の平
織物が得られることになる。このように本発明による二
重パイル織物原反製織法は、緯糸によって経糸が覆い隠
された綴織その他の平織物の製織にも応用することが出
来る。
【0027】図1〜6に図示する製織過程において、パ
イル糸をシャットルによらず給糸稈28によって開口3
1に挿入しているのは、上布地経糸11を上布側へと引
き上げ、下布地経糸21を下布側へと引き下げて、給糸
稈28を上布地経糸11と下布地経糸21の間で挟んで
から引き抜く過程において、その移動する給糸稈28の
先端部分から順次外れて上下に移動する上布地経糸11
と下布地経糸21が、それらの有するテンションによっ
て十分長くパイル糸20を、未だ給糸稈28から外れず
にいる上布地経糸11と下布地経糸21の間から引き出
せるように、それらの外れずにいる上布地経糸11と下
布地経糸21の間でフリーの状態に保つようにするため
である。つまり、この引き抜く過程における給糸稈28
は、パイル糸20や地緯糸13・23を開口に挿入する
役目をなすものではなく、パイル糸20がフリーの状態
におかれるように上布地経糸11と下布地経糸21の間
に隙間を形成するスペーサーの役割と、織機に配列され
た地経糸を端から順次交互に上下に移動可能な状態にす
るガイドの役割をなすものである。
【0028】従って、その引き抜く過程における給糸稈
28は、レピア織機のレピアのように開口にパイル糸2
0や地緯糸13・23を挿入する機能を有するものでは
なく、スペーサーやガイドの役目をなすものであれば、
単なる棒であってもよい。それ故に、そのようなスペー
サーやガイドの役目をなす棒(リード桿38)が開口に
挿入される限り、その開口にはパイル糸をシャットルに
よって挿入することも出来る。このことは、リード桿3
8を使用する場合には給糸稈28を使用しない、と言う
ことを意味するものではなく、リード桿38を使用する
場合でもパイル糸20を給糸稈28によって開口に挿入
してもよい。
【0029】例えば、リード桿38と給糸稈28を同時
に開口に挿入し、又は、開口にリード桿38を挿入して
から給糸稈28を挿入し、或いは又、開口に給糸稈28
を挿入してからリード桿38を挿入してもよい。これら
の場合、開口を形成する経糸の上下の位置が変化した第
2回目の経糸の開口運動の後に、給糸稈28をリード桿
38より先に引き抜いてもよいし、給糸稈28をリード
桿38と一緒に引き抜いてもよい。勿論、給糸稈28を
挿入した第1回目の開口を形成する経糸の上下の位置が
変化しないうちに、給糸稈28を開口から引き抜いても
よく、その場合には、開口を形成する経糸の上下の位置
が変化した第2回目の経糸の開口運動の後にリード桿を
経糸間から引き抜くことになる。
【0030】リード桿38と給糸稈28を同時に開口に
挿入する場合には、リード桿38を給糸稈28に担持さ
せ、給糸稈28によってリード桿38を開口に挿入する
とよい。そのためには、給糸稈28がリード桿38を担
持して開口に挿入され、開口から給糸稈28を引き抜く
際にリード桿38を開口に置き忘れるように、リード桿
38と給糸稈28を組み合わせておくとよい。
【0031】開口を形成する経糸の上下の位置が変化し
た第2回目の経糸の開口運動の後に給糸稈28やリード
桿38を経糸間から引き抜く引抜装置としては、シング
ルワイヤーモケット織機やシングルワイヤーウイルトン
カーペット織機のワイヤー引抜装置が利用される。従っ
て本発明は、在来のレピア織機やシャットル織機にワイ
ヤー引抜装置を付設して実施することが出来る。しか
し、そのように在来のレピア織機やシャットル織機にワ
イヤー引抜装置を付設して構成される本発明の織機は、
シングルワイヤーモケット織機やシングルワイヤーウイ
ルトンカーペット織機ではワイヤーを挿入する開口に緯
糸が挿入される(打ち込まれる)ことがないのに対し、
その引抜装置が引き抜くリード桿38が給糸稈28挿入
される開口にパイル糸20が緯糸として挿入される点
で、シングルワイヤーモケット織機やシングルワイヤー
ウイルトンカーペット織機とは根本的に相違する。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、二重パイル織物原反2
0やモケット16のパイル層30が1本の給糸稈28か
ら給出される1本のパイル糸20によって形成され、原
反20やモケット16を織成するために地経糸と同数以
上のパイル糸を準備する必要がなく、又、数百、数千本
ものパイル糸を綜絖や筬羽間に通す準備作業も省かれ、
パイル糸の切り替えを瞬時に行うことが出来、パイル糸
の切り替えに伴う残糸ロスも皆無になる。
【0033】このようにパイル糸の切り替えを瞬時に行
うことが出来るので、パイル糸の色彩や太さ、繊維素材
等の仕様を変えて種々の原反やモケットを試織し、新企
画の原反やモケットの品質を十分に検討し、需要に応じ
た高品質の原反やモケットをスピーデイ、且つ、経済的
に提供し、多品種小ロット生産と言う近時の需要に応え
る上で本発明は頗る有用であり、又、綴織を効率的に織
成する上でも好都合である。
【0034】尚、本発明を手織り織機によって実施する
場合には、給糸稈28やリード桿38を手で経糸間から
引き抜くことが出来るので、それらの引抜装置を特別付
設する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る織機の織前部分の斜視図である。
【図2】本発明に係る織機の織前部分の側面図である。
【図3】本発明に係る織機の織前部分の側面図である。
【図4】本発明に係る織機の織前部分の側面図である。
【図5】本発明に係る織機の織前部分の側面図である。
【図6】本発明に係る織機の織前部分の側面図である。
【図7】本発明に係る織機の織前部分の斜視図である。
【符号の説明】
11 上布地経糸 12 上布地経糸 13 上布地緯糸 14 上布 15 開口 16 モケット 17 上端 18 先端 19 パイル 20 パイル糸 21 下布地経糸 22 下布地経糸 23 下布地緯糸 24 下布 25 開口 26 二重パイル織物原反 27 下端 28 給糸稈 29 筬 30 パイル層 31 パイル糸打込用開口 32 織前 33 バックステッチ 34 ガイド 35 ガイド溝 36 パイプ 37 ナイフ 38 リード桿
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−53741(JP,A) 特開 平3−104959(JP,A) 特開 昭57−95334(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 39/00 D03D 23/00 D03D 13/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 上布地経糸間(11・12)に上
    布地緯糸(13)を打ち込んで織成される上布(14)
    と、下布地経糸間(21・22)に下布地緯糸(23)
    を打ち込んで織成される下布(24)を、パイル糸(2
    0)で連結して織成される二重パイル織物原反(26)
    の製織工程において; (b) 上布地経糸(11)を
    下布側へと引き下げ、下布地経糸(21)を上布側へと
    引き上げてパイル糸打込用開口(31)を形成し;
    (c) そのパイル糸打込用開口(31)にパイル糸
    (20)を給糸稈(28)に担持させて挿入し;
    (d)次いで、上布地経糸(11)を上布側へと引き上
    げ、下布地経糸(21)を下布側へと引き下げて、給糸
    稈(28)を上布地経糸(11)と下布地経糸(21)
    の間で挟み; (e) 給糸稈(28)の先端部分(1
    8)からパイル糸(20)を給出しつつ、その挟み込ま
    れた給糸稈(28)を上布地経糸(11)と下布地経糸
    (21)の間から引き抜き; (f) その給出したパ
    イル糸(20)を織前(32)へと筬打ちすることを特
    徴とする二重パイル織物原反製織法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二重パイル織物原反製
    織法において、給糸稈から給出されるパイル糸の給出長
    が、挟み込まれた上布地経糸と下布地経糸の間で移動す
    る給糸稈の移動長よりも長いことを特徴とする請求項1
    に記載の二重パイル織物原反製織法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の二重パイル織物原反製
    織法において、パイル糸の給出長が給糸稈の移動長の2
    倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の二重パ
    イル織物原反製織法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の二重パイル織物原反製
    織法において、給糸稈を織前側に移動させてから引き抜
    くことを特徴とする請求項1に記載の二重パイル織物原
    反製織法。
  5. 【請求項5】 経糸によって形成される開口に緯糸を挿
    入し、先端部分から緯糸を給出しつつ経糸間から引き抜
    かれる給糸稈と、 筬が緯糸を織前へと1回筬打ちする間に、経糸の開口運
    動を2回行って開口を形成する経糸の上下の位置を変え
    る経糸開口装置とを具備することを特徴とする織機。
  6. 【請求項6】(a) 上布地経糸間(11・12)に上
    布地緯糸(13)を打ち込んで織成される上布(14)
    と、下布地経糸間(21・22)に下布地緯糸(23)
    を打ち込んで織成される下布(24)を、パイル糸(2
    0)で連結して織成される二重パイル織物原反(26)
    の製織工程において; (b) 上布地経糸(11)を
    下布側へと引き下げ、下布地経糸(21)を上布側へと
    引き上げてパイル糸打込用開口(31)を形成し;
    (c) そのパイル糸打込用開口(31)にパイル糸
    (20)を打ち込むと共に、リード桿(38)を挿入
    し、パイル糸打込用開口内(31)にパイル糸(20)
    とリード桿(38)を並べ;(d) 次いで、上布地経
    糸(11)を上布側へと引き上げ、下布地経糸(21)
    を下布側へと引き下げて、パイル糸(20)とリード稈
    (38)を上布地経糸(11)と下布地経糸(21)の
    間で挟み; (e) その挟み込まれたリード稈(3
    8)を上布地経糸(11)と下布地経糸(21)の間か
    ら引き抜き; (f) リード稈(38)を引き抜いて
    上布地経糸(11)と下布地経糸(21)の間に残った
    パイル糸(20)を織前(32)へと筬打ちすることを
    特徴とする二重パイル織物原反製織法。
  7. 【請求項7】 緯糸とは別に経糸によって形成される開
    口に挿入されるリード桿と、 筬が緯糸を織前へと1回筬打ちする間に、経糸の開口運
    動を2回行って開口を形成する経糸の上下の位置を変え
    る経糸開口装置と、開口を形成する経糸の上下の位置が
    変化した第2回目の経糸の開口運動の後にリード桿を経
    糸間から引き抜く引抜装置を具備することを特徴とする
    織機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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