JP3245577U - 空気清浄式アロマディフューザー - Google Patents

Abstract

【課題】室内で除菌を目的とした空気清浄機を作動させている状態において、アロマの香りを脱臭させないようなアロマディフューザーを提供する。【解決手段】光触媒を活用した除菌による空気清浄機能を搭載し、ランプと排出する空気を活用してアロマの香りを室内に拡散させるアロマディフューザーであって、光源ランプ収納パーツ１、ファン収納パーツ２、フィルター収納パーツ３、アロマプレート収納パーツ４及び必要に応じて蓋５をこの順番で層状に結合させて構成される。光源ランプ収納パーツ１とファン収納パーツ２は順番を入れ替えることが可能である。室内空気１０はファン収納パーツ２より吸入するため、このパーツは吸入口１４を保有する。また、装置内に取り込まれた室内空気１０を逃がさずフィルター８まで送るために光源ランプ収納パーツ１は、空気が漏れ出ないような形状をとる。【選択図】図１

Description

本考案は、簡易な構成をした空気清浄機の機能を装備したアロマディフューザーに関するものである。

アロマオイルなどの芳香剤を拡散して香りを楽しむためには、一般的にはアロマディフューザーと呼ばれる装置を活用する。アロマの香は、オイルを気化させ空中にこのオイルを拡散させることにより発生するため、多種多様な方法が存在する。よく活用されているのは、アロマを皿状の容器などに入れて火や電熱等を使って温めたり、容器に風をあてるなどして気化させる方法、単に石に染み込ませたり、容器に入ったアロマに対して毛細管現象を使って細棒に染み込ませ空中に蒸発させる方法などである。このようにアロマを空気中に拡散する方法は多様にあることから、特許や実用新案としても多く申請されており、効果も十分に発揮されてきている。アロマは、自律神経を整え、心をリラックスさせ、集中力を高める等の効果がある他、快適な睡眠を与え、抗うつや抗不安の作用もあることから医学的な療養にも活用されており、利用範囲は広い。

２０２０年に新型コロナウィルスにより世界的なパンデミックが発生し、コロナの感染防止の目的で、各家庭や店舗、事務所など室内において、ウィルスを除去する空気清浄機が着目され、広く普及することになった。しかし、空気清浄機は除菌力を高めるためフィルターを活用して室内の細菌やウィルスを除去する仕組みをとっていることが多く、この仕組みは同時に脱臭効果も伴うことになる。従って、アロマディフューザーを活用する場合に、通常の空気清浄機を同時に作動させれば、空気中に拡散されたアロマがフィルターに吸収され、アロマの香りの減少を引き起こす可能性がある。従って、アロマディフューザーを利用する場合、同時に空気清浄機を稼働させないかもしくは、アロマの香りを除去しないような空気清浄機を選定する必要がある。

この解決策として、空気清浄機とアロマディフューザーを１つの装置として提供する必要がある。このような装置は特開２０１７－５６１６０のように既に開発されており、その主な仕組みは、空気清浄機により浄化した空気を下流に配置したアロマディフューザーを通して、空中にアロマを拡散させるような方式を取っている。しかし、その場合でも拡散されたアロマは再び、空気清浄機に吸引され、ウィルスや菌と共にフィルターで除去されることになり、アロマの拡散効率を低下させることになる。つまり、フィルターの性能が高いほど、除菌効果は増すが、同時にアロマの香りの除去率も上昇することになる。

また、空気清浄機と一体型のアロマディフューザーは、空気清浄機のパフォーマンスを重視すると本体が大きくなる傾向にある。しかし、前述のようにアロマの活用目的は精神をリラックスさせる効果を期待するものであり、更に、家庭やプライベート空間において活用することが多いため、インテリアとしての機能も重要となってくるが、構造上それを難しくしている。更にデザインバリエーションも少なく、形状が限定されたものとなっている。逆に、インテリアを重視したタイプについては、空気清浄機としての機能は簡易なもので除菌効果は低いのが現状である。

これらの問題を解決するために、簡易な構造でウィルスや菌の不活性化ができる光触媒を活用した空気清浄機と一体型のアロマディフューザーを提供する。光触媒は、可視光でもウィルスの不活性化に働く効果が確認されており、特開２０１２－１３９６９０に示す発明は製品化も実現されており手に入る材料である。

特開２０１２－１３９６９０ 特開２０１７－５６１６０

解決したい問題点は、空気清浄機を稼働させた状態でもアロマの香りが減少せず、インテリアとしての装飾性が優れたアロマディフューザーを提供することである。

既にウィルスや菌の不活性化の働きをするとして有効性が確認されている光触媒を活用した空気清浄機とアロマディフューザーを組み合わせることにより、シンプルな構造でアロマの効果を落とすことなく、室内のウィルスや細菌の不活性化を実現でき、同時に室内インテリアとしても製作しやすい構造となっている。それを可能としているのは、
（１）可視光によりウィルス・菌の不活性化をはかれる光触媒が開発されていること
（２）空気清浄機機能により排出される空気がアロマの室内拡散に利用できること
（３）光触媒に照射する光源ランプが室内照明としても活用できること
（４）シンプルな構造のため、装置の形状に制約がないこと
という特性があるためである。

本考案により、軽量でコンパクトな装置を製作できるため設置スペースをとらないため、家庭内やスタジオ、店舗、事務所などあらゆる室内空間において活用できる。ウィルス及び菌の不活性化されている状態を維持し、アロマの香りにより心身をリラックスさせる心理的効果を与えるため、アロマ療法の場面での活用が可能である。

本考案であるアロマディフューザー本体の縦断面模式図である。 本考案であるアロマディフューザーの一部構成を変えた構造の縦断面模式図である。 アロマ収納パーツの上面から見た形状説明図である。 室内空気を上から吸い込み、下から排出する場合の本体の縦断面模式図である。 図４の構成においてアロマプレート収納パーツ４を省いた場合の縦部分断面模式図である。 本考案であるアロマディフューザーの外観形状についての説明図である。

考案を実施する形態

室内に浮遊するウィルスや菌の含まれている空気を、ファンを使って収集し、光源ランプによりフィルターに塗布した光触媒の活性化を図り、ウィルス、菌の不活性化を図った後、フィルターから排出された浄化空気を装置の蓋に吹き付け、反転した空気を使って、その下に配置するアロマを充填した物体から、空中にアロマの香りを拡散させる装置である。以下の実施例にて、図面を使って具体的に説明する。

本考案のアロマディフューザーは、基本的には図１に示すような構成をとる。１は光触媒の効果を発揮させるための光源ランプ６を収納しているパーツである。また、室内空気１０をこの装置内に取り込めるための吸入口１４を保有している。吸入口１４はどのような形状でも構わない。室内空気１０はファン収納パーツ２に収納されているファン７によりこの装置内に吸入される。装置内に取り込んだ空気はウィルス・菌が含まれており、フィルター収納パーツ３に収納されたフィルター８を通して排出する。フィルター８には可視光で反応する光触媒を塗布しているため、光源ランプ７により反応の活性化が図られ、ウィルス・菌はこのフィルターに接触することにより不活性状態となり排出される。このようにフィルター８の役割はウィルス・菌をキャッチするためではないため、ＨＥＰＡフィルターよりも目の粗いものでよく、気化したアロマオイルもフィルター８でキャッチされることなく透過できる。尚、光源ランプ６とフィルター８の間にファン７が入っているが、作用時は回転している状態にあり光を透過させるため、反応を妨げない。フィルター収納パーツ３から排出された浄化された空気１１は、アロマプレート収納パーツ４を通過し蓋５に衝突して反転し、反転浄化空気１２となってアロマプレート収納パーツ４に設置されたアロマプレート９に吹き付けられる。アロマプレート９にはアロマ（油）が充填されており、反転浄化空気１２によりアロマ（油）が気化し、アロマの香りのある浄化空気１３となって排出口１５から室内に拡散される。排出口１５はどのような形状でも構わない。また、蓋５の内面には光触媒を塗布しておけばウィルス・菌の減退効果を高めることができる。

蓋５は空洞になっており内面が曲面の構造の方が、アロマプレート９に反転浄化空気１２を吹きかけ易いが、空洞内での空気の循環がおきるため、曲面に拘る必要はない。

アロマプレート収納パーツ４は、空気が透過する構造であれば良いが、図３に示すように例えば格子状にして上に物体が置ける形状にし、上にアロマプレート９を置けるようにすれば、アロマプレートの周辺を浄化された空気１１が抜ける際に、アロマプレートに空気が当たる反対側にカルマン渦が発生し、アロマプレート９に充填されたアロマ（油）の気化に働き、アロマ拡散効果は得られるため、蓋５は無くても良い。その場合は、アロマプレート収納パーツ４から直接、アロマの香りのある浄化空気１３が室内に排出されるため、排出口は不要である。

アロマプレート９は、アロマ（油）を充填するプレートで、アロマストーンのようにアロマ（油）を染み込ませたものや、皿状でアロマ（油）を注いだものなどアロマ（油）が気化できる形で充填されればどのような素材、形状でも構わない。

本装置は、図１に示すように光源ランプ収納パーツ１，ファン収納パーツ２，フィルター収納パーツ３、アロマプレート収納パーツ４及び必要に応じて蓋５をこの順番で層状に結合させて構成しているが、光源ランプ収納パーツ１とファン収納パーツ２は図２に示すように順番を入れ替えることが可能である。その場合、図２に示すように室内空気１０はファン収納パーツ２より吸入するため、このパーツは吸入口１４を保有する。また、装置内に取り込まれた室内空気１０を逃がさずフィルター８まで送るために光源ランプ収納パーツ１は、空気が漏れ出ないような形状をとる。

１～５の各パーツは相互に空気は透過し、パーツごとに着脱可能にする、パーツ自体が１点を軸に回転する、パーツに収納されている物体をスライドさせて引き出せるようにする、等の仕組みを入れることにより、中の物体を交換できるようなメンテナンス性を確保する。電源が必要なパーツは、光源ランプ収納パーツ１とファン収納パーツ２のみである。ここを分離できるようにする場合は、電気導線も着脱可能とする。

図１の構成は、空気の流れは、室内空気を下から吸い込み、上部からアロマの香りを含んだ浄化した空気を排出する仕組みとなっているが、本装置の向きは縦、横、斜め等、どのような向きにしても効果が得られる。

上下逆さまになった場合は、図４に示すように室内空気を上部から取り込み、下から排出する構成となる。この場合、浄化された空気１１は直接、アロマプレート９へあてることができるため、蓋５を削除することが可能である。

また、図５に示すようにアロマプレート収納パーツを削除し、アロマプレート９を直接、蓋５に設置させるような構成も取ることができる。

本考案によるアロマディフューザーは、５つの層によって分離されたパーツが順番に結合された構成をとっている。従って、図６に示すように、円柱、円錐、多角柱、多角錐、球体、不規則形状の物体は横に５つの階層を形成することができるため、外観的にはあらゆる形状に対応できるため、デザイン性に優れた装置の製作が可能である。

１ 光源ランプ収納パーツ
２ ファン収納パーツ
３ フィルター収納パーツ
４ アロマプレート収納パーツ
５ 蓋
６ 光源ランプ
７ ファン
８ フィルター
９ アロマプレート
１０室内空気
１１浄化された空気
１２反転浄化空気
１３アロマの香りのある浄化空気
１４吸入口
１５排出口

本装置は、図１に示すように光源ランプ収納パーツ１，ファン収納パーツ２，フィルター収納パーツ３、アロマプレート収納パーツ４及び必要に応じて蓋５をこの順番で層状に結合させて構成しているが、これらのパーツは順番を入れ替えることも可能である。光源ランプ収納パーツ１とファン収納パーツ２の順番を入れ替えた構成を図２に示す。この場合、室内空気１０はファン収納パーツ２より吸入するため、このパーツは吸入口１４を保有する。また、装置内に取り込まれた室内空気１０を逃がさずフィルター８まで送るために光源ランプ収納パーツ１は、空気が漏れ出ないような形状をとる。これは一例であるが、フィルター８は空中に浮遊する埃なども除去する働きをもつため、ファン７や光源ランプ６の働きを妨げないことを考慮して、フィルター収納パーツ３，ファン収納パーツ２，光源ランプ収納パーツ１の順や、フィルター収納パーツ３，光源ランプ収納パーツ１，ファン収納パーツ２の順にしても変わらず本装置の効果が得られる。この場合は、吸入口１４はフィルター収納パーツ３に設け、ここより吸入された空気がその他のパーツから漏れずに送られアロマプレート収納パーツ４を通過して排出口１５から排出される形状をとる。

Claims (6)

1. 本体に、
   ▲１▼室内空気を吸引するための吸入口、
   ▲２▼光触媒の働きを活性化するための光源ランプ、
   ▲３▼空気を吸引するファン、
   ▲４▼前記光触媒を塗布したフィルター、
   ▲５▼アロマプレートを設置した空気を透過するパーツ、
   ▲６▼アロマを浸透もしくは溜めたアロマプレート、
   ▲７▼フィルターによって浄化され、アロマプレートのアロマの香りを含んだ空気を室 内に拡散する排出口
   を有し、
   前記記載のファンを使って吸入口より室内空気を取り込み、光源ランプにより光を照射された光触媒を塗布したフィルターを通した後に排出される浄化された空気が、アロマプレートを設置した空気を透過するパーツを通して排出される際に、このパーツに設置したアロマを浸透もしくは溜めたアロマプレートに当てられる事により、アロマの香りを含ませて排出口から室内に拡散されるアロマディフューザー
2. 請求項１に記載するアロマディフューザーは、更に着脱可能な
   ▲８▼横に空気の排出口のある蓋
   を設置することにより、前記のアロマプレート設置パーツを透過した浄化空気がこの蓋に当たり、反転して、アロマプレート設置パーツに設置したアロマプレートに当てる事によりアロマの拡散効果を高め、加えてこの蓋にも光触媒を塗布することにより除菌効果を高めたアロマディフューザー
3. 請求項１又は請求項２に記載するアロマディフューザーには方向性はなく、縦、横、斜め、上下逆さまになっても同様の機能が作用するアロマディフューザー
4. 請求項１に記載するアロマディフューザーを構成する光源ランプ、ファン、フィルター、アロマプレートは、分離独立し相互に空気の透過が可能なパーツに収納され、各パーツは脱着、回転、スライドさせるような構成が取れるようにすることにより、光源ランプの交換、フィルター交換、アロマプレートの交換が可能なアロマディフューザー
5. 請求項１及び請求項２に記載するアロマディフューザーの本体は、各パーツの機能を層状に結合したもの、及び、本体もしくは一部を筐体で被い各パーツを層状に挿入したもので、外観的な形状は、円柱、多角柱、円錐、多角錐、球体、その他どのような形にも装飾加工が可能であるアロマディフューザー
6. 請求項１及び請求項２に記載するアロマディフューザーで使用する光触媒は可視光応答型を使用することにより、光源ランプとして白熱灯、蛍光灯、ＬＥＤ灯など一般的なものが使用可能であり、消費者が自ら交換可能なものとすることにより消費者の好みに応じた光を選択でき、照明装置としても活用できるアロマディフューザー