JP3245390U - 音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】三次元網構造体の線条を媒質とする音波を人体へ効果的に伝搬させることができる音響装置を提供する。【解決手段】音響装置2は、弾性を有する樹脂で形成された線条70が、それぞれランダムにループ又はカールし、相互に融着し、絡み合って集合した三次元網構造体と、音波を発生する少なくとも1つのスピーカ5と、板状の共鳴板6とを有する。スピーカが三次元網構造体の内面に面した振動部をゆする。表面73から、当該表面に対向し内面74より表面から離れた裏面75に向けて、表面側部材71と中間部材81と内側部材72とが順に設けられ、表面部材は、中間部材より硬く、内側部材は表面部材より硬い。【選択図】図3

Description

本考案は、音響装置に関するものである。
椅子などのクッションの中にスピーカを組み込んだ音響システムが知られている。下記の実用新案登録文献1には、ランダムにカーブ又はループした熱可塑性樹脂の線条からなる三次元網構造体を介して、スピーカの音波を人体の上半身の背面へ伝えるように構成された音響システムが記載されている。
特許第4907991号明細書
この実用新案登録文献1に記載される音響システムでは、三次元網構造体を構成する線条を媒質としてスピーカの音波が人体(特に背中)に伝わることで、例えば楽器の弦による振動が直接人体へ伝わる場合に似た状態となり、空気を媒質とする音だけを知覚する場合に比べて、より深い心身のリラクセーション効果を得ることができる。
しかしながら、スピーカが発生した音波は、三次元網構造体だけでなく、スピーカが取り付けられたケースや筐体などへも伝搬する。実用新案登録文献1に記載される音響システムでは、このような三次元網構造体以外の部材による音波の伝搬を考慮しないと、これらの部材による背中以外の部分への音波の伝搬や、空気を媒質とする音の伝搬が生じ易くなり、三次元網構造体の線条を媒質とする音波が人体(特に背中)へ伝搬することによる上述したリラクセーション効果が低減し易くなる。
本考案はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、三次元網構造体の線条を媒質とする音波を人体へ効果的に伝搬させることができる音響装置を提供することにある。
本考案の音響装置は、人体に音波を伝える音響装置であって、弾性を有する樹脂で形成された線条が、それぞれランダムにループ又はカールし、相互に融着し、絡み合って集合した三次元網構造体と、前記音波を発生する少なくとも1つのスピーカと、板状の共鳴板とを有し、前記三次元網構造体が、前記人体と直接若しくは間接的に接する表面と、前記表面に対向する内面とを含み、前記スピーカが、前記三次元網構造体の前記内面に面した振動部と、前記振動部を振動可能に保持するフレーム部とを含み、前記フレーム部が、弾性を有する取り付け材料を介して前記共鳴板の一方の面に取り付けられており、前記三次元網構造体は、前記表面から、当該表面に対向し前記内面より前記表面から離れた裏面に向けて、表面側部材と中間部材と内側部材とが順に設けられ、前記表面側部材は、前記中間部材より硬く、前記内側部材は、前記表面側部材より硬い。
好適には、前記三次元網構造体は、前記内面と前記裏面との間で前記スピーカの周囲を囲む内側面とを含み、前記スピーカは、前記三次元網構造体の前記内面及び前記内側面と前記共鳴板の一方の面とにより囲まれた内部空間に収容されている。
好適には、前記内面は、前記中間部材内に位置している。
好適には、前記中間部材と前記内側部材の厚みは略同じである。
好適には、前記表面部材は、前記中間部材及び前記内側部材より厚みが薄い。
好適には、前記表面側部材(71)は、中空の線状体で構成され、前記中間部材(81)は、非中空の線状体で構成され、前記内側部材(72)は、非中空の線状体で構成され、当該線状体は前記前記表面側部材より外径が小さい。
好適には、前記スピーカと前記内面との間の距離は、前記中間部材の厚みの1/10~1/5である。
好適には、前記三次元網構造体の前記裏面は、前記取り付け材料を介して前記共鳴板の一方の面に取り付けられている。
好適には、前記取り付け材料が、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む熱可塑性エラストマー又は膠である。
好適には、前記フレーム部が、円形の平らな底面を含み、前記底面の中央に凹部が形成されており、前記フレーム部が、前記凹部に盛られた前記取り付け材料及び前記底面の外縁部の少なくとも一部に盛られた前記取り付け材料を介して、前記木板の一方の面に取り付けられている。
好適には、複数の前記スピーカを有し、前記共鳴板が、複数の前記スピーカと一対一に対応する複数の前記木板と、複数の前記木板が取り付けられた板部材とを含み、各前記スピーカの前記フレーム部が、対応する前記木板の一方の面に前記取り付け材料を介して取り付けられており、前記フレーム部に取り付けられた前記木板の一方の面に対向する前記木板の他方の面が、前記板部材の一方の面に前記取り付け材料を介して取り付けられている。
本考案によれば、三次元網構造体の線条を媒質とする音波を人体へ効果的に伝搬させることができる音響装置を提供できる。
図1は、本実施形態に係る音響システムの構成の一例を示す図である。 図2は、図1に示す音響システムにおいて本体部から音響装置が取り外された状態を示す図である。 図3Aは、本実施形態に係る音響装置の外観の一例を示す図であり、図3Bは音響装置の構造の一例を示す断面図である。 図4Aはスピーカの構造の一例を示す断面図であり、図4Bはスピーカを共鳴板に取り付けた状態を示す図である。 図5は、複数のスピーカが取り付けられた共鳴板の一例を示す図である。 図6は、敷部材の構造の一例を示す断面図である。
上述した実用新案登録文献1の音響システムを開発した本願の考案者は、より心身のリラクセーション効果及び健康増進効果の高い音響システムとなるように鋭意研究を進めた過程で、三次元網構造体以外の部材に伝わる音波の重要性に着目した。そして、本願の考案者は、三次元網構造体の線条を媒質とする音波を人体へ効果的に伝搬させることができるように、スピーカを固定する部材とその固定方法や、床面まで伝わる音波を制御する方法などについて様々な工夫を重ねた結果、本考案を着想した。
以下、本考案の実施形態に係る音響システムについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る音響システムの構成の一例を示す図である。本実施形態に係る音響システムは、人体の上半身の背面(特に背中)を支える支持面を持ち、支持面から人体へ音波を伝えるように構成されたシステムであり、例えば椅子やベッドなどに適用可能である。図1に示す音響システム1は、椅子に適用された本実施形態の一例である。
この音響システム1は、図1に示すように、人体の少なくとも背中を支える支持面330を持った本体部3と、本体部3が載置される板状の敷部材4とを有する。本体部3は、ソファ型の椅子であり、臀部を支える座部31と、座部31の上面に設けられた座部クッション32と、背中を支える背もたれ部33と、座部31を左右の両側面から挟み込んで支える2つの側部34と、2つの側部34の上面にそれぞれ設けられた肘掛け部35と、座部31の正面側において下方に向かって斜めに突き出た脚置き部36とを有する。
本体部3の背もたれ部33には、図2に示すように、支持面330において人体に音波を伝える音響装置2が組み込まれている。図2は、本体部3の背もたれ部33から音響装置2が取り外された状態を示す図である。背もたれ部33は、音響装置2を保持するための保持部331を有する。図2の例において、保持部331は、背もたれ部33の正面側から背面側へ貫通した孔332と、孔332の背面側の開口部に設けられた支持フレーム333とを含む。孔332には、図1に示すように、音響装置2が嵌め込まれる。支持フレーム333は、孔332に嵌め込まれた状態の音響装置2の外面を背面側から支える。図2の例において、複数の棒状の支持フレーム333が孔332の背面側の開口部を水平方向に渡っている。
各支持フレーム333において音響装置2と当接する部分には、図2に示すように、緩衝部材334が設けられている。緩衝部材334は、例えばグラスウールなどの弾力性を有する材料により形成される。また、音響装置2と当接する背もたれ部33の孔332は、弾力性のあるクッションであり、音響装置2の各側面を弾性的に挟み込んで保持する。すなわち、背もたれ部33の保持部331は、弾性を有する部材(緩衝部材334、孔332のクッション)によって音響装置2を保持する。
本体部3の保持部331が弾性を有する部材によって音響装置2を保持することにより、音響装置2の後述するスピーカ5A~5Gで発生した音波が本体部3へ直接伝わり難くなる。これにより、これらのスピーカで発生した音波が後述する三次元網構造体7を介して人体へ伝わり易くなる。
図3Aは、本実施形態に係る音響装置2の外観の一例を示す図である。図3Aの例において、音響装置2は概ね直方体の形状を持つ。音響装置2を背もたれ部33に組み込んだとき、音響装置2における外面の1つが支持面330となり、人体の背中を支える。音響装置2は、各部品を内部に収納して外側を覆う収納袋21を有する。この収納袋21は、例えば布で形成されており、支持面330に対応する部分がメッシュの生地で形成されている。
音響装置2は、図3Aの例において7つのスピーカ5A~5Gを有する。7つのスピーカ5A~5Gは、それぞれ支持面330から外部へ音波を出すように配置されている。7つのスピーカ5A~5Gのうち、6つのスピーカ5A~5F(以下、区別せずに「スピーカ5」と記す場合がある。)は同じ種類のスピーカであり、スピーカ5Gのみが他のスピーカ5に比べてサイズが大きい低音用のスピーカである。6つのスピーカ5は、支持面330に垂直な方向から見て、横方向に並んだ2つの列に分かれており、各列には3個のスピーカ5が縦方向に並んでいる。低音用のスピーカ5Gは、横方向において、スピーカ5の2つの列における略中間に位置し、縦方向において、スピーカ5よりも下側に位置する。利用者が通常の姿勢で本体部3に座った場合、スピーカ5の2つの列が背骨の両側に位置し、低音用のスピーカ5Gが骨盤側の背骨の近くに位置する。
図3Bは、音響装置2の構造の一例を示す断面図であり、支持面330に垂直な平面でスピーカ5を切断した場合の断面を示す。音響装置2は、図3Bに示すように、線条70の集合である三次元網構造体7と、板状の共鳴板6とを有する。
三次元網構造体7は、弾性を有する樹脂で形成された線条70が、ランダムにループ又はカールし、相互に融着し、絡み合って集合したものである。線条70の原料となる樹脂は、例えば熱可塑性樹脂であり、汎用プラスチック(ポリオレフィン、ポリスチレン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等)、エンジニアリングプラスチック(ポリアミド、ポリカーボネート、飽和ポリエステル、ポリアセタール等)等である。熱可塑性樹脂は、好ましくは熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは、特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂や、酢酸ビニル樹脂(VAC)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又は、スチレンブタジエンスチレン(SBS)等が好ましく、これらを混合したものでもよい。熱可塑性樹脂は、新規に精製された樹脂に限定されるものではなく、再生樹脂でも良い。
ポリオレフィン系樹脂とVAC又はEVAの酢酸ビニル系樹脂とを混合して線条70を形成する場合、その混合比は、ポリオレフィン系樹脂:酢酸ビニル系樹脂=70~97重量%:3~30重量%、好ましくは80~90重量%:10~20重量%である。VAC又はEVAが3重量%以下であると反発弾性が低下し、30重量%以上になると熱的特性が低下するためである。
ポリオレフィン系樹脂とSBSとを混合して線条70を形成する場合、その混合比は、ポリオレフィン系樹脂:SBS=50~97重量%:3~50重量%、好ましくは70~90重量%:10~30重量%である。
三次元網構造体7を構成する線条70の全部又は一部は、中空でもよいし、無垢(中実)でもよいし、両者が混合していてもよい。重量の軽減等の観点において、線条70は中空であることが好ましい。線条70を中空構造とすることによって、同一径の無垢な線条70と比較して、樹脂部分の厚みを減じることができるため、特に高い周波数の振動が伝達し易くなる。すなわち、中空の線条70の方が、剛性が高く、振動の減衰が少ない。
無垢の線条70と中空の線条70とを混在させる場合、これらの混合比は、無垢:中空=0~50:50~100であることが好ましい。
線条70の線径(直径)は、無垢の線条70の場合、0.3~3.0mm、好ましくは、0.7~1.0mmとすることができる。無垢の線条70の場合、線径0.3mm以下では線条70に腰が弱くなり、融着部が多くなって空隙率が低下し、3.0mm以上では線条70に腰が強くなり、ループが形成され難くなって融着部が少なくなり、強度が低下する。
他方、中空の線条70の場合、線条70の線径は1.0~3.0mm、好ましくは、1.5~2.0mm、特に好ましくは、0.9~1.3mmとすることができる。中空の線条70は、中空率が10%~80%であることが好ましい。中空率が10%以下では重量軽減に寄与せず、80%以上ではクッション性が低下するためである。なお、線条70に形成される中空部は連続していなくてもよい。
三次元網構造体7は、クッションとして必要な弾性と強度を有しつつ重量を軽減する観点から、所定の嵩密度と空隙率を有することが好ましい。ここで、空隙率とは、
[空隙率(%)]=(1-[嵩密度]/[樹脂の密度])×100
である。
図3Bに示すように、三次元網構造体7は、例えば、表面73から裏面75に向けて、表面側部材71、中間部材81、内側部材72が順に配置されている。
表面側部材71は、中空のファイバーであり、中間部材81は極細ストローファイバ(極細網構造クッション)であり、内側部材72はストローファイバー(網構造クッション)である。
表面側部材71は中空の線状体で構成されている。
表面側部材71を中空にしたことで、中間部材81で拡散をした音を集約して表面に伝達できる。
中間部材81は非中空の線状体(極細網構造クッション(エキストラメッシュファイバー))で構成されている。
内側部材72は非中空の線状体(多網構造クッション(マルチメッシュファイバー))で構成され、当該線状体は前記表面側部材71より外径が小さい。
中間部材81と内側部材72との厚みは略同じであり、例えば約50mmである。
表面側部材71の厚みは、中間部材81及び内側部材72より薄く、例えば約40mmである。
表面側部材71は、中間部材81より硬い。また、内側部材72は、表面側部材71より硬い。
具体的には、表面側部材71は、 直径(外径)2.0mmの中空ストローファイバーであり、嵩密度は、0.2~0.5g/cm3、好ましくは0.3~0.4g/cm3、空隙率は44~77%、好ましくは56~67%である。
中間部材81は、直径0.6mmの極細網構造クッションであり、嵩密度は、0.01~0.15g/cm3、好ましくは0.03~0.05g/cm3、空隙率は83~99%、好ましくは94~97%である。
内側部材72は、直径1.0mmの 網構造クッションであり、嵩密度は、0.2~0.5g/cm3、好ましくは0.3~0.4g/cm3、空隙率は44~77%、好ましくは56~67%である。
内側部材72は、嵩密度及び空隙率の範囲は表面側部材71と同程度であるが、非中空であることから、表面側部材71より硬い。
内側部材72は、外径が表面側部材71より小さいため、音の拡散が大きくより密集した形で反響を増大する。
内面74は、中間部材81に位置している。
このように、表面側部材71及び内側部材72に比べて柔らかい中間部材81内に内面74を位置させることで、中間部材81の領域に内側部材72と同じ素材を設けた場合に比べて、スピーカ5からの音を効率的に中間部材81内に取り込み、柔らかい音として支持面330に向けて伝えることができる。
すなわち、表面側部材71を中間部材81より硬くすることで、ストロー状のファイバーである表面側部材71内において音を増幅しながら支持面330に拡散できる。
また、音響システム(チェア)の背面横、肘掛け部分が楽器のように板鳴りになっているのでより共鳴し前面に波動を出力できる。
内側部材72に比べて表面側部材71を柔らかくすることで、人体を支持する支持面330のクッション性をよくすることができる。
表面側部材71と内側部材72との間に、表面側部材71より低い中間部材81を設けたことで、中間部材81を設けない場合に比べて、より柔らかい音を拡散し、且つ、程度な硬さのクッション性を実現できる。
また、内側部材72は、硬いため、装置の安定性を確保できる。
スピーカ5の上端87と内面74との間の距離Hは、中間部材81の厚みの1/10~1/5である
当該距離Hを十分にとることで、スピーカ5からの音が広がり、支持面330全体に広く均一に伝わる。
内側部材72の裏面75は、取り付け材料を介して共鳴板6の一方の面に取り付けられている
外層の嵩密度を高くすることにより、線条70同士の融着力が強化されるため、外力を受けた場合の圧力が分散され易くなり、三次元網構造体7の内部に配置されたスピーカ5A~5Gに対して大きな外力を作用させ難くすることができる。また、内側部材72の嵩密度を高くすることにより、裏面75の凹凸が少なくなって滑らかになるため、後述する取り付け材料8を介して三次元網構造体7と共鳴板6とを安定的に取り付けることができる。
三次元網構造体7の厚さは、人体を支持するのに必要な強度と弾性を発揮できるものであれば特に限定されないが、少なくとも三次元網構造体7内にスピーカ5A~5Gを内蔵するために必要な厚さに設定される。三次元網構造体7は、溶断、機械的切断、ホットプレスなどの方法によって任意の形状、サイズに形成することができる。
三次元網構造体7は、図3Bに示すように、収納袋21の支持面330を介して間接的に人体と接する表面73と、表面73に対向する内面74とを有する。内面74は、スピーカ5の後述する振動部51に面している。
また三次元網構造体7は、図3Bに示すように、表面73に対向した裏面75を有する。裏面75は、内面74に比べて表面73から離れており、取り付け材料8を介して共鳴板6の一方の面611に取り付けられる。
更に三次元網構造体7は、図3Bに示すように、内面74と裏面75との間でスピーカ5の周囲を囲む内側面76を有する。スピーカ5は、三次元網構造体7の内面74及び内側面76と共鳴板6の面611とによって囲まれた内部空間に収容される。
内側部材72は、スピーカ5A~5Gを配置させるための貫通孔を持つ。スピーカ5が位置する内側部材72の貫通孔は、スピーカ5の周囲を囲む内側面76を形成する。表面側部材71は、各貫通孔の支持面330側にある開口部を塞いで内部空間83を形成している。
表面側部材71において支持面330に近い側の面は、上述した表面73であり、表面側部材71において表面73の反対側の面(表面73に対向する面)は、上述した内面74である。中間部材81の内面74は、この貫通孔を持つ内部空間83内に配置されたスピーカ5の振動部51に面している。
図4Aは、スピーカ5の構造の一例を示す断面図である。スピーカ5は、三次元網構造体7の内面74に面した振動部51と、振動部51を振動可能に保持するフレーム部52とを有する。図4Aの例において、振動部51は、円錐型の振動板511と、振動板511の中央部付近に取り付けられたボイスコイル512とを含む。振動板511の中央部に近い側は、リング状の支持部53によってフレーム部52に接続される。振動板511の外縁に近い側は、支持部53より径の大きいリング状の支持部54によってフレーム部52に接続される。支持部53及び支持部54は、それぞれ弾性的に変形可能であり、フレーム部52に対する振動板511の振動を許容する。ボイスコイル512の内部には、円柱状のヨーク55が配置される。フレーム部52はヨーク55と同じ磁性体であり、ヨーク55とフレーム部52には磁石56による磁束が生じる。この磁束がフレーム部52とヨーク55との間に位置するボイスコイル512の電流に作用することで、電流に重畳されるオーディオ信号に応じた電磁力がボイスコイル512に働き、振動板511がオーディオ信号に応じて振動する。振動板511の振動方向は、互いに概ね平行な平面である三次元網構造体7の表面73及び内面74に対して概ね垂直な方向である。
図4Aの例において、フレーム部52は、概ね円形の平な底面521を持つ。この底面521の中央には、凹部522が形成される。
図4Bは、スピーカ5を共鳴板6に取り付けた状態を示す図である。図4Bに示すように、スピーカ5のフレーム部52は、弾性を有する取り付け材料8を介して共鳴板6の一方の面611に取り付けられる。取り付け材料8は、硬化した状態でも適度な弾性を有するものが好ましく、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む熱可塑性エラストマーや、膠などが好ましい。
弾性を有する取り付け材料8を介してフレーム部52と共鳴板6とが取り付けられることにより、これらをボルトなどによって連結固定する場合に比べて、フレーム部52から共鳴板6へ音波(特に、周波数の高い成分)を伝搬させ難くすることができる。そのため、スピーカ5が発生する音波(比較的周波数の高い成分)を、三次元網構造体7の線条70から人体へ効果的に伝搬させることができる。
また、フレーム部52から取り付け材料8を介して共鳴板6に伝搬する比較的周波数の低い音波は、人体の背中に面して容易に配置させることができるサイズ(数cm~数10cm程度)の横幅と高さを備えた共鳴板6において共鳴を生じ易いことから、共鳴板6により増幅されて三次元網構造体7に伝わり易くなる。従って、スピーカ5が発生する比較的周波数の低い音波についても、三次元網構造体7の線条70から人体へ効果的に伝搬させることができる。特に、三次元網構造体7の裏面75を取り付け材料8によって共鳴板6の面611に取り付けることにより、共鳴板6で増幅された音波が三次元網構造体7に伝わり易くなるため、三次元網構造体7から人体へより効果的に音波を伝えることができる。
図4Bの例において、共鳴板6は木板61により構成される。木板61の材料としては、例えばランバーコアなどの合板を用いることができる。各スピーカ5のフレーム部52は、木板61の一方の面611に取り付け材料8を介して取り付けられる。
フレーム部52は、例えば図4Bにおいて示すように、底面521の凹部522に盛られた取り付け材料8と、底面521の外縁部523の少なくとも一部に盛られた取り付け材料8とを介して、木板61の一方の面611に取り付けられる。底面521の凹部522に取り付け材料8を盛ることによって、フレーム部52の底面521の中央部分と木板61の面611とが直接接触することを確実に防止できる。また、底面521の外縁部523において木板61の面611に取り付ける範囲を容易に制御できるため、フレーム部52から共鳴板6へ伝わる音波の強さや周波数などを調節し易くなる。
図5は、複数のスピーカ(5A~5G)が取り付けられた共鳴板6(木板61)の一例を示す図であり、共鳴板6(木板61)の平らな面に対して垂直な方向から見た図である。図5に示す木板61の平面形状は矩形である。一例において、木板61のサイズは、幅400mm、縦650mm、厚さ13mmであり、複数のスピーカ(5A~5G)が1枚の木板61に取り付けられている。
図6は、本体部3が載置される敷部材4の構造の一例を示す断面図であり、鉛直方向に沿った平面で切断した断面を示す。敷部材4は、例えば図6に示すように、それぞれ板状の部材である第1板部材41及び第2板部材42と、緩衝部材43とを有する。第2板部材42が第1板部材41の下側に配置され、第1板部材41と第2板部材42の間に緩衝部材43が挿入される。第1板部材41は、合板などの木製の板部材である。一例において第1板部材41の厚みは55mmである。緩衝部材43は、グラスウールやロックウールなどの弾力性を有する材料で形成される。一例において、緩衝部材43の厚みは20mmである。一例において、第1板部材41と第2板部材42の平面形状は同一サイズの長方形であり、縦の辺の長さが800mm、横の辺の長さが840mmである。第1板部材41の上側の面は、カーペット等のカバー部材44で覆われている。
音響装置2のスピーカ5A~5Gで発生した音波の一部は、本体部3や人体を介して敷部材4に伝搬する。しかしながら、敷部材4の第1板部材41が緩衝部材43を介して下側の第2板部材42に支えられており、第1板部材41の全体が第2板部材42及び床面に対して振動し易くなっていることから、第1板部材41から床面へ音波を伝搬させ難くすることができる。また、音波(特に低い周波数の成分)によって第1板部材41が振動することにより、この振動が敷部材4に触れる足先や本体部3を介して人体に伝わり易くなり、音響装置2が発生した音波による心地よい振動を利用者の体全体に与えることができる。
第2板部材42は、例えば図6に示すように、緩衝部材43に面した木製の上側板部材421と、上側板部材421の下側に配置された木製の下側板部材422と、上側板部材421と下側板部材422との間に挿入されたエラストマーシート423とを含む。一例において、上側板部材421は厚さ12mmの中密度繊維板(MDF)であり、下側板部材422は厚さ20mmのパーティクルボードであり、エラストマーシート423は厚さ3mmのゴムシートである。このような構造によれば、ゴムなどのエラストマーシート423によって上側板部材421から下側板部材422への振動の伝搬を抑制できるため、音波による第1板部材41の振動を床面へ伝搬させ難くすることができる。
以上説明したように、音響システム1は、図3に示す構造により、スピーカ5からの音を内部空間83において拡散し、中間部材81において柔らかい音にしながら効率的に拡散することができる。
また、硬い内側部材72により、内部空間83の形状を安定して保持できる。
上述した音響システム1を使用する場合、利用者は、本体部3の座部31に腰を掛けて背中を支持面330に当てた状態とし、スピーカ5A~5Gから音楽や環境音などの音波を発生させる。このとき、背中の下側に位置するスピーカ5ほど音波の周波数を低くすることで、生理的な快感やマッサージ効果を得ることができる。
本実施形態によれば、弾性を有する取り付け材料8を介してスピーカ5のフレーム部52と共鳴板6とが取り付けられることにより、フレーム部52から共鳴板6へ周波数の高い音波を伝搬させ難くすることができるとともに、フレーム部52から共鳴板6へ伝搬した周波数の低い音波を共鳴板6において共鳴させ易くすることができるため、三次元網構造体7の線条70から人体へ効果的に音波を伝搬させることができる。
また、本実施形態によれば、敷部材4の第1板部材41が緩衝部材43を介して下側の第2板部材42に支えられており、第1板部材41の全体が第2板部材42及び床面に対して振動し易くなっているため、音響装置2が発生した音波による振動を体全体に伝えることができる。
更に、本実施形態によれば、本体部3の保持部331が弾性を有する部材によって音響装置2を保持することにより、音響装置2のスピーカ5で発生した音波が本体部3側へ伝搬し難くなるため、三次元網構造体7の線条70を媒質とする音波を人体へ伝搬させ易くなる。
なお、本考案は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、上述した実施形態では音響装置2に7つのスピーカ(5A~5G)が設けられているが、スピーカの数は6個以下でもよいし、8個以上でもよい。また、音響装置におけるスピーカのタイプは図4Bに示すようなコーン型に限定されるものではなく、他のタイプのスピーカを用いてもよい。
上述した実施形態において説明した各部材のサイズや材質、材料等は一例であり、適宜変更可能である。
1…音響システム、2…音響装置、21…収納袋、3…本体部、31…座部、32…座部クッション、33…背もたれ部、330…支持面、331…保持部、332…孔、333…支持フレーム、334…緩衝部材、34…側部、35…肘掛け部、36…脚置き部、4…敷部材、41…第1板部材、42…第2板部材、421…上側板部材、422…下側板部材、423…エラストマーシート、43…緩衝部材、44…カバー部材、5…スピーカ、5A~5G…スピーカ、51…振動部、511…振動板、512…ボイスコイル、52…フレーム部、521…底面、522…凹部、523…外縁部、53,54…支持部、55…ヨーク、56…磁石、57…保護カバー、6…共鳴板、61…木板、611…面、62A~62F,62…木板、621,622…面、63…板部材、631…面、64…金属板、641,642…面、7…三次元網構造体、70…線条、71…表面側部材、72…内側部材、73…表面、74,77…内面、75…裏面、76…内側面、8…取り付け材料、81…中間部材

Claims (1)

  1. 人体に音波を伝える音響装置であって、
    弾性を有する樹脂で形成された線条が、それぞれランダムにループ又はカールし、相互に融着し、絡み合って集合した三次元網構造体と、
    前記音波を発生する少なくとも1つのスピーカと、
    板状の共鳴板とを有し、
    前記三次元網構造体が、
    前記人体と直接若しくは間接的に接する表面と、
    前記表面に対向する内面とを含み、
    前記スピーカが、
    前記三次元網構造体の前記内面に面した振動部と、
    前記振動部を振動可能に保持するフレーム部とを含み、
    前記フレーム部が、弾性を有する取り付け材料を介して前記共鳴板の一方の面に取り付けられており、
    前記三次元網構造体は、
    前記表面から、当該表面に対向し前記内面より前記表面から離れた裏面に向けて、
    表面側部材と中間部材と内側部材とが順に設けられ、
    前記表面側部材は、前記中間部材より硬く、
    前記内側部材は、前記表面側部材より硬い
    音響装置。
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