JP3245323U - 刺繍ワッペン - Google Patents
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Abstract
【課題】 衣類などの布製品に取り付けても違和感が生じないNFCタグ入りの刺繍ワッペンを提供する。【解決手段】 本考案の刺繍ワッペン1は、布地に刺繍による図柄が施された表地11と、布地又は芯地からなる裏地12と、表地11及び裏地12の互いに対向する面に設けられる接着層13と、特定の情報を格納したNFCタグ20とを備える。NFCタグ20は、表地11と裏地12との間に、接着層13によってコーティングされて挟まれる。【選択図】 図1
Description
実用新案法第11条において準用する特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年8月28日に、金川刺繍株式会社のホームページ(https://sishuu.com等)にて公開 令和5年9月2日にナレッジキャピタル オープンファクトリーにて、令和5年9月13日及び令和5年9月28日に金川刺繍株式会社にて販売
本考案は、刺繍ワッペンに関し、特に、NFCタグを内蔵した刺繍ワッペンに関するものである。
近年、種々の情報が溢れる中で、物品の性能、特性、製造者などの情報、人物又は動物の氏名、連絡先などの情報、企業のサービス、連絡先などの情報など、利用者が必要な情報へ容易にアクセスできる手段が望まれている。そのような手段として、物品にNFCタグを付けるということが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、貼付部、台紙部、NFCタグ、表紙部が積層されてなるQRコード(登録商標)付きNFCタグが開示されている。QRコード(登録商標)付きNFCタグは、台紙部と表紙部との間に挟まれるNFCタグに情報が書き込まれている。そして、裏面が接着面となっている貼付部を使用して、対象物品等に貼り付けて使用する。
特許文献1のようなQRコード(登録商標)付きNFCタグは、幼児、認知症などを患った人、動物などの氏名及び連絡先をNFCタグに格納し、人物又は動物を保護した人がNFCタグに格納されている情報を読み取って保護者又は飼い主に連絡する使用方法が考えられる。このような場合、人物又は動物が持つ所持品、例えば、鞄、首輪などにNFCタグを取り付けることが考えられる。しかしながら、人物又は動物が所持品を手放してしまうと、人物又は動物を保護したとしても連絡先が分からないという問題が生じる。そこで、通常であれば手放しにくい人物又は動物が着ている衣類にNFCタグを取り付けることも考えられる。しかしながら、特許文献1のQRコード(登録商標)付きNFCタグは紙製であるため、人物又は動物の衣類にNFCタグを取り付けると、NFCタグの取付部がごわついてしまい、衣類を快適に着用することができないという問題があった。
本考案は、上記課題を解決するためになされたものであり、衣類などの布製品に取り付けても違和感が生じないNFCタグ入りの刺繍ワッペンを提供することを目的とする。
本考案の刺繍ワッペンは、布地に刺繍による図柄が施された表地と、布地又は芯地からなる裏地と、特定の情報を格納したNFCタグとを備える。NFCタグは、表地と裏地との間に挟まれる。
好ましい実施形態の刺繍ワッペンは、表地及び裏地の互いに対向する面に設けられる接着層をさらに備える。NFCタグは、接着層によってコーティングされる。
さらに好ましい実施形態の刺繍ワッペンでは、接着層は、ウレタン系樹脂からなる熱圧着フィルムである。
本考案によれば、衣類などの布製品に取り付けても違和感が生じず、刺繍ワッペンが取り付けられた衣類などの布製品を快適に使用することができる。
以下、本考案の実施形態について、添付図面を参照して説明する。本考案の刺繍ワッペンは、人物又は動物が着用する衣類、布製又は革製の鞄、名刺入れ、テーブルなどの利用者が望む種々の被装着物に装着して使用するものである。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態の刺繍ワッペン1の構造について説明する。図1は、本実施形態に係る刺繍ワッペン1の分解斜視図である。図2は、他の実施形態に係る刺繍ワッペン1の正面図である。
図1に示すように、刺繍ワッペン1は、表地11と、裏地12と、接着層13と、NFCタグ20とを備える。
表地11は、不織布、織布等の布地からなる。表地11の表面11aには、刺繍によって図柄が施されている。図1及び図2に示すように、図柄は、絵柄、文字、記号、紋章などの利用者が望む任意の図柄である。図柄は、刺繍ワッペン1の利用者が任意に選択することができる。例えば、個人で利用する場合には、愛玩動物、好きな人物又はキャラクタなどの写真又はイラストとすることができる。企業又は自治体で利用する場合には、企業又は自治体のロゴマーク、企業又は自治体が提供するアプリなどで使用するアイコンの図柄などとすることができる。図柄の刺繍は、刺繍機、手作業などの既知の任意の手段によって施される。
裏地12は、不織布、織布等の布地からなる。裏地12の裏面12bには、アイロン接着用の熱圧着フィルム、マジックテープ(登録商標)、安全ピン、クリップピン、ピンバッチ留め具、シールなど、被装着物に刺繍ワッペン1を装着するための装着部(不図示)を設ける加工を施してもよい。
接着層13は、表地11及び裏地12の互いに対向する面、すなわち、表地11の裏面11b及び裏地12の表面12aに設けられる。接着層13は、表地11と裏地12とを接着できれば、既知の任意の接着剤を用いることができる。
本実施形態では、接着層13は、ポリウレタン系樹脂からなる熱圧着フィルムにより構成される。熱圧着フィルムは、両面に接着面を有している。熱圧着フィルムからなる接着層13は、表地11の裏面11b及び裏地12の表面12aに一方の接着面を貼り付けて、プレス機、アイロン等を押し当てて熱圧着することで、表地11及び裏地12に固着される。
NFC(Near Field Communication)タグ20は、近距離無線通信技術を使用した非接触のIC(Integrated Circuit)チップが埋め込まれたタグである。NFCタグ20には、市販のNFCタグが用いられる。NFCタグ20は、スマートフォンなどのNFCのリーダ・ライタ機能を有する機器により、情報を読み取ったり書き込んだりすることができる。
本実施形態では、NFCタグ20は、特定の情報を格納する。特定の情報は、例えば、人物又は動物の氏名及び連絡先、企業の連絡先又はウェブサイト若しくはSNS(Social Networking Service)サイトのURL(Uniform Resource Locator)情報、自治体が提供する地域活動情報又は災害時対応情報(例えば、避難場所など)などである。特定の情報は、利用者が望む種々の情報とすることができる。NFCタグ20に書き込まれた特定の情報は、利用者が更新する必要がなければ、セキュリティ機能を組み込むことで、安全のために書き換え不可とすることもできる。
NFCタグ20は、表地11と裏地12との間に挟まれる。具体的には、NFCタグ20は、表地11と裏地12との間で、接着層13によってコーティングされた状態で挟まれる。
刺繍ワッペン1は、以下のようにして製造される。まず、表地11の裏面11b及び裏地12の表面12aに、接着層13を設ける。具体的には、熱圧着フィルム13の一方の接着面を表地11の裏面11b及び裏地12の表面12aに接着させて、プレス機、アイロン等を押し当てて熱圧着する。次に、表地11の裏面11bの接着層13と裏地12の表面12aの接着層13との間に、NFCタグ20を挟み、表地11、接着層13、NFCタグ20、接着層13及び裏地12を積層する。このとき、熱圧着フィルムの他方の接着面に剥離紙が設けられている場合は、剥離紙を外した状態で積層する。表地11と裏地12との間に挟む際にNFCタグ20に特定の情報を格納していてもよいし、刺繍ワッペン1が製造された後に特定の情報がNFCタグ20に書き込まれてもよい。
表地11、接着層13、NFCタグ20、接着層13及び裏地12を積層した後、表地11、接着層13、NFCタグ20及び裏地12を重ね合わせた状態で、プレス機、アイロン等を押し当てて熱圧着する。これにより、接着層13が溶融し、NFCタグ20をコーティングするとともに溶融した樹脂が一体化する。その後、プレス機、アイロン等による熱の付与を止めることで、接着層13が硬化して、表地11と裏地12との間にNFCタグ20が内蔵された刺繍ワッペン1が製造される。
次に、図3及び図4も参照して、刺繍ワッペン1の使用方法について説明する。図3及び図4は、本実施形態に係る刺繍ワッペン1の一使用例を示す正面図である。図3は、本実施形態に係る刺繍ワッペン1を衣類2に取り付けた状態を示し、図4は、衣類2に取り付けた刺繍ワッペン1から情報を読み取る際の状態を示している。
上記実施形態の刺繍ワッペン1は、例えば、図3に示す衣類2などの被装着物に取り付けて使用される。刺繍ワッペン1は、裏地12の裏面12bに設けられた装着部を利用して、又は、直接縫い付けることによって衣類2などの被装着物に取り付けられる。
刺繍ワッペン1に内蔵されているNFCタグ20には、使用者の要望に応じた特定の情報が格納されている。例えば、図3に示す衣類2に取り付けて使用する場合、その衣類2を着用する人物又は動物の氏名及び連絡先が格納されている。他の実施例として、例えば、企業の販促品などに取り付けて使用する場合、その企業の連絡先、ウェブサイトのURL、SNSのURLなどが記憶されている。他の実施例として、例えば、自治体が家庭などに刺繍ワッペン1を配る場合、自治体が提供する地域活動情報、災害時対応情報などが記憶される。この場合には、各家庭で刺繍ワッペン1を冷蔵庫などの任意の場所に貼り付けて使用する。
刺繍ワッペン1から利用者が情報を読み取る際は、利用者が各自保有するスマートフォンなどの携帯端末30を利用する。近年の携帯端末30は、NFCタグ20に書き込まれた情報を読み取ることができるリーダ機能を有している。また、携帯端末30は、スマートフォンの画面などからなる表示部31及び制御部(不図示)を有している。図4に示すように、携帯端末30を刺繍ワッペン1にかざすと、携帯端末30はNFCタグ20と近接無線通信を行い、制御部はNFCタグ20に書き込まれた情報を取得する。
携帯端末30で読み取られた情報は、携帯端末30の表示部31に表示される。具体的には、制御部は、NFCタグ20から取得した情報がテキストデータであれば、それを文字情報として表示部31に表示する。また、制御部は、NFCタグから取得した情報がURL情報であれば、該当するURLのサイトを表示部31に表示する。これにより、利用者は、NFCタグ20の情報を確認することができる。
以上のように、本考案の刺繍ワッペン1は、表地11及び裏地12が布地により構成されている。これにより、衣類2などの布製品に取り付けても、布製品の伸縮に追従して刺繍ワッペン1も伸縮することができる。その結果、刺繍ワッペン1の取付部がごわついて衣類2の着心地が悪くなるなどの違和感を生じさせなくすることができる。
特に、本実施形態では、刺繍ワッペン1の接着層13は、ポリウレタン系樹脂からなる熱圧着フィルムにより構成される。ポリウレタン系樹脂は、伸縮性及び吸水性に優れている。そのため、接着層13にポリウレタン系樹脂を使用することで、接着層13が表地11及び裏地12の伸縮性を損なうことを抑制することができ、より衣類2などの布製品への装着に適する。また、接着層13が吸水性に優れていることで、接着層13でコーティングされるNFCタグ20にも防水性を付与することができる。そして、表地11及び裏地12が布地からなることから、刺繍ワッペン1が汚れた場合には、洗濯することができる。これにより、衣類2などの布製品に取り付けた場合であっても、いちいち衣類2などの布製品から刺繍ワッペン1を取り外すことなく、衣類2などの布製品を洗濯することができる。
加えて、刺繍ワッペン1にはNFCタグ20が内蔵されており、このNFCタグ20に利用者が望む様々な情報を格納させることができる。特に、幼児、認知症などを患った人、動物などの氏名及び連絡先をNFCタグ20に格納し、そのNFCタグ20を内蔵した刺繍ワッペン1を人物及び動物が着用する衣類2に取り付けることで、衣類2は容易には手放すことはないため、人物及び動物を保護した人が、手持ちの携帯端末30でNFCタグ20の情報を読み取って、保護者又は飼い主に確実に連絡することができる。
また、刺繍ワッペン1の裏地12の裏面12bに装着部を設けることで、刺繍ワッペン1を被装着物に容易に装着することができる。
以上、本考案の実施形態を説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、裏地12は、布地によって構成されているが、必ずしもこの構成に限られない。例えば、裏地12は、通常の布地よりもハリコシがある芯地によって構成されてもよい。芯地には、接着芯地と呼ばれるプレス機、アイロンなどの熱で表地11に接着可能な芯地がある。このような接着芯地を裏地12として使用する場合は、接着層13は設けなくてよい。
また、上記実施形態では、刺繍ワッペン1は接着層13を備えているが、必ずしもこの構成に限られない。例えば、表地11と裏地12との間にNFCタグ20が挟まれていれば十分な場合は、接着層13を省略して、表地11と裏地12との周囲を全周縫い合わせることで、表地11と裏地12との間にNFCタグ20を内蔵する構成としてもよい。
1 刺繍ワッペン
11 表地
12 裏地
13 接着層
20 NFCタグ
11 表地
12 裏地
13 接着層
20 NFCタグ
Claims (3)
- 布地に刺繍による図柄が施された表地と、
布地又は芯地からなる裏地と、
特定の情報を格納したNFCタグと、を備え、
前記NFCタグは、前記表地と前記裏地との間に挟まれる刺繍ワッペン。 - 前記表地及び前記裏地の互いに対向する面に設けられる接着層をさらに備え、
前記NFCタグは、前記接着層によってコーティングされる請求項1に記載の刺繍ワッペン。 - 前記接着層は、ポリウレタン系樹脂からなる熱圧着フィルムである請求項2に記載の刺繍ワッペン。
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