JP3244747B2 - 加圧水型原子炉の炉心を冷却するための装置 - Google Patents

加圧水型原子炉の炉心を冷却するための装置

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JP3244747B2
JP3244747B2 JP01752592A JP1752592A JP3244747B2 JP 3244747 B2 JP3244747 B2 JP 3244747B2 JP 01752592 A JP01752592 A JP 01752592A JP 1752592 A JP1752592 A JP 1752592A JP 3244747 B2 JP3244747 B2 JP 3244747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、炉の一次回路において漏れの出
現をもたらす事件又は事故が起こった場合に炉心の冷却
の改善を可能にする、加圧水型原子炉の炉心を冷却する
ための装置の改良に関する。加圧水型原子炉は、炉の圧
力容器内に配置された燃料集合体からなる炉心を含み、
圧力容器には、作動中炉心を冷却するための加圧水が満
たされる。
【0002】原子炉の冷却は、炉の圧力容器の内部空間
と連通した複数の冷却ループを含む一次回路において加
圧水を循環させることによって確保される。各々の冷却
ループは蒸気発生器を含み、蒸気発生器では、炉心と接
触して加熱された加圧水がこの蒸気発生器の一次部分を
移動し、給水を加熱して気化させ、加圧水は蒸気発生器
においてこの給水と熱交換することによって冷却され
る。
【0003】一次回路の各々の冷却ループは、蒸気発生
器の他に、閉じた回路を形成するループおよび管におい
て加圧水の循環を確保する一次ポンプを含み、この閉じ
た回路には、炉の圧力容器、蒸気発生器、および一次ポ
ンプが挿入されている。特に、冷却管と呼ばれるこれら
の管の1つは、一次ポンプの吐き出し部分を炉の圧力容
器に接続し、冷却された加圧水がこの圧力容器に確実に
導入されるようにしている。冷却管を経て圧力容器に導
入された加圧水は炉心の燃料集合体と接触して移動し、
加熱された後、蒸気発生器の一次部分に接続された第2
の管すなわち高温管を経て圧力容器から出ていく。
【0004】蒸気発生器の一次部分は、中間管と呼ばれ
る管を介して一次ポンプの吸い込み口に接続されること
がある。蒸気発生器の一次部分は、隔壁によって2つの
部分に分離された水箱と、内部を加圧水が移動する管の
束とを含む。水箱は管束の管の内部に、炉心と接触して
加熱され、高温管によって蒸気発生器に運ばれてきた水
の分配を行い、熱交換管の内部を移動した後の冷却され
た加圧水の回収を行う。この水箱の部分は一次回路の吸
い込み口と直接連通していてもよく、一次ポンプの吸い
込み口は水箱と一体にされてもいてもよい。
【0005】蒸気発生器は、2つの垂直部分を有する曲
管からなるか、或いは、垂直又は水平に配置された直管
からなる管束を含む。炉心を冷却するための装置は、例
えば3つ又は4つの、可変的な数のループを含む。蒸気
発生器の総数、一次ポンプの総数、又は、これらの要素
を互いに、および炉の圧力容器に接続する管の総数は可
変的である。
【0006】原子炉の作動が正常でない場合、特に、冷
却装置の作動に欠陥がある場合には、炉心での原子核反
応を停止させるために原子炉を保護するための装置が使
用される。この保護装置は、一般的には、炉心の最大挿
入位置への落下が引き起こされる1組の中性子吸収要素
を含む。炉心を停止させた後も、炉心を継続して冷却し
て核分裂生成物によって発生された残留出力を除去する
ようにすることが必要である。
【0007】施設の安全を確保するのに必要である炉心
の十分な冷却を得るために、燃料集合体の部分が露出し
ないように圧力容器内で乳濁液すなわち加圧水と蒸気の
泡の混合物からなる炉心を冷却する流体の液面が下がら
ないようにしなければならない。燃料集合体の部分が露
出した場合には、核分裂物質を取り囲む被覆は露出され
た部分で蒸気だけからなる相と接触することになってし
まう。
【0008】一次ポンプが停止された場合にも、炉心全
体を蒸気ではなく乳濁液の形態の冷却相と接触状態に自
動的に維持するようにできなければならない。実際、炉
心で事件又は事故が起こった場合には、停電、電気的又
は機械的な故障、或いは停止の際の自動または手動操作
による意図的な停止によって、一次流体を循環させるた
めに一次ポンプを使用できなくなる虞がある。一次回路
における冷却流体の移動は強制的な循環としてはもはや
起こらず、もっぱら、流体の静的高さ、一次回路の種々
の部分の温度、および加圧水の循環速度に関連した圧力
降下による自然の移動によってのみかかる冷却流体の移
動が起こる。
【0009】このような自然の移動による作動条件のも
とでは、必ずしも満足に炉心を覆い、冷却することはで
きない。一次回路に大きな裂け目を生じさせるような重
大な事故の場合には、最も深刻な場合には一次回路の管
が完全に破断するような裂け目が形成された後、非常に
短時間の間に、一次回路、特に圧力容器からのほぼ完全
な流体の流出が起こることがある。これによって、炉心
は非常に急速に、非常に広範囲に亘って露出される。
【0010】炉心の冷却の故障および燃料の加熱に関す
る限り、最も危険な破損は冷却管の破損である。一次回
路で漏れが起こり、この一次回路で減圧が起こるやいな
や、加圧冷却流体のアキュムレータとポンプとを含む安
全注入装置が作動して多量の水を一次回路に注入し、漏
れによって失われた水を補う。しかしながら、冷却管に
破損が起こった場合には、注入された冷却流体による炉
心の再浸漬の速度は、炉心、蒸気発生器、一次ポンプ、
および一次回路の裂け目を通る経路における冷却流体の
移動を妨げる液圧抵抗によって制限される。この液圧抵
抗は大部分、停止してロータが動かなくなった一次ポン
プの存在によって生じる。この抵抗は、冷却水の経路の
抵抗のおよそ75%を占める。ロータが動かなくなった
ポンプのこの抵抗に炉心から裂け目の方向に向かう水の
流れの移動による圧力降下が加わる。この液圧抵抗およ
びこの圧力降下は相応じて炉心の再浸漬速度を制限す
る。
【0011】一次回路に管の完全な破断よりは小さい裂
け目が生じた場合には、もし、この裂け目が炉の注入装
置による液相によっては補うことができない漏れ流を生
じるならば、注入される流れと裂け目によって失われる
流れとの欠損差のため、一次ポンプが停止されたときに
は一次回路の上部分の流体は徐々に失われる。一次回路
が蒸気発生器の一次部分と一次ポンプの吸い込み口の間
にU字形の中間管を含む原子炉の場合には、一次回路の
冷却管に裂け目が形成された場合に圧力容器における冷
却流体の液面の低下、および炉心の露出が起こることが
ある。実際には、この場合には、中間管は、蒸気発生器
から始まる下降部分と、次のほぼ水平な部分と、一次ポ
ンプの吸い込み口に接続された最後の上昇部分とからな
る。水位が中間管の下降部分に達すると、この水位の低
下に伴って、一次回路の下部にある液体の静的高さが均
衡するために、圧力容器の冷却水の水位の低下が同時に
起こる。液面がU字形の中間管の下部の水平部分に達す
ると、炉心の上部が露出される。
【0012】従って、最も低い部分である水平部分が炉
心の高さにあるようなU字形中間管が存在する場合に
は、低温管に裂け目が生じた場合に炉心の露出が起こ
り、圧力容器および一次回路に蒸気が存在するため炉心
の再浸漬を容易に確保することはできない。一次回路に
裂け目が生じた場合に加圧水型原子炉の炉心を冷却する
ための完全に満足のいく装置は今まで知られていない。
【0013】従って、本発明の目的は、内部に燃料集合
体からなる炉心が配置された圧力容器を含む加圧水型原
子炉の炉心を冷却するための装置であって、この冷却装
置は少なくとも1つの冷却ループを含み、冷却ループ
は、内部を加圧水が移動する一次部分を有し、炉心と接
触して加熱された加圧水を運ぶための高温管と呼ばれる
管によって圧力容器に接続された蒸気発生器と、吸い込
み部分が蒸気発生器の一次部分に接続され、吐き出し部
分が加圧水を圧力容器に戻すため圧力容器に接続された
低温管と呼ばれる管に接続された、冷却ループにおいて
加圧水を循環させるための一次ポンプとを含む冷却装置
において、一次回路に裂け目が生じたときに炉心の露出
をある程度回避し、裂け目の出現後炉心の再浸漬を容易
にするのを可能にする冷却装置を提供することである。
【0014】この目的を考慮に入れて、本発明による冷
却装置は、蒸気発生器の一次部分を低温管に接続し、一
次ポンプに対してバイパスとして配置された少なくとも
1つに管をさらに含み、この管には、低温管から蒸気発
生器に向かう方向においては水の移動に対して非常に高
い液圧抵抗を示し、その反対方向においては加圧水の移
動に対して低い液圧抵抗を示すように加圧水を保持する
ための機械的装置が置かれている。
【0015】本発明を正しく理解することができるよう
にするため、本発明による加圧水型原子炉を冷却するた
めの装置の実施例について添付図面を参照して以下に説
明する。単一の図面である図1は、加圧水型原子炉の圧
力容器および冷却ループの概略立面断面図である。
【0016】原子炉は、内部に燃料集合体からなる炉心
2が配置された圧力容器1を含む。図1に示され、全体
が参照番号3で示された冷却ループは、蒸気発生器4
と、一次ポンプ5と、圧力容器1の内部空間を蒸気発生
器4の一次部分に接続する高温管と呼ばれる大きな径の
管6と、一次ポンプ5の吐き出し部分を圧力容器1の内
部空間に接続する低温管と呼ばれる大きな径の管7と、
蒸気発生器4の一次部分を一次ポンプ5の吸い込み口に
接続する中間管と呼ばれる大きな径8の管とを含む。
【0017】炉心の内部を上方に(矢印10)垂直に流
れる加圧水からなる炉の冷却流体は燃料集合体と接触し
て加熱され、他方、燃料集合体を冷却し、高温管6を経
て圧力容器1から出ていく。蒸気発生器4は、隔壁13
によって2つの部分12a、12bに分離された水箱1
2と、熱交換管の束14とからなる一次部分を含む。
【0018】管束14の管は上部分が曲がっており、曲
がり部分の両側に2つの垂直な直線部分を有するU字形
をしている。管束14の管の各々の直線部分は端が水箱
12の上部分を形成する管板15に固定されている。管
束14の管は管板15の開口を通って水箱の内部空間に
開口する。各々の管の一方の端は水箱12の部分12a
に開口し、他方の端は部分12bに開口している。
【0019】管束14の熱交換管の壁を通して炉心を冷
却する加圧水と熱的に接触することによって加熱と気化
が行われる給水が管束14の管の外表面と接触するよう
に蒸気発生器の密閉容器内に導入される。蒸気発生器4
で形成された蒸気は蒸気発生器の上部分から取り出さ
れ、原子力発電所のタービンまで運ばれる。炉心と接触
して加熱され、高温管6によって運ばれる加圧水は、管
束14の管の入口端に加圧水を分配する水箱12の部分
12aに入る。次いで、加圧水は管束14の管の内部を
移動し、水箱12の部分12bに出る。
【0020】給水と熱的に接触することによって冷却さ
れ、水箱の部分12bに回収された加圧水は中間管8に
よって水箱の部分12bから取り出される。一次ポンプ
5によってループにおける加圧水の循環が確保され、加
圧水は中間管8内に引かれ、僅かにより高い圧力で低温
管7に吐き出される。加圧水は低温管7を経て圧力容器
1に戻され、圧力容器1の内部構造の一部に導かれて炉
心の下部に達する。
【0021】中間管8はU字形であり、蒸気発生器の水
箱12の部分12bから一次ポンプ5までに、下降垂直
部分8aと、水平部分8bと、上昇垂直部分8cとを含
む。中間管8と冷却ループ3の最下部を形成する水平部
分8bは炉心2の中間部分の高さにほぼ対応する高さに
ある。本発明によれば、炉を冷却するための装置のルー
プ3は、冷却ループ3において中間管8および一次ポン
プ5に対してパイパスとして置かれた管18をさらに含
む。
【0022】中間管8および一次ポンプ5をバイパスす
るためのラインを形成する管18は、一方の端が水箱の
部分12bと連通し、他方の端が一次ポンプ5の吐き出
し部の僅かに下流で低温管7と連通している。管18
は、全体が、炉の圧力容器1に接続された高温管(例え
ば6)および低温管(例えば7)の部分の軸線を含む水
平平面よりも上方に配置されている。従って、管18
は、一次回路の高温管と低温管の軸線よりも下にある点
を全く含まない。
【0023】管18には、液圧保持用の機械的装置20
が挿入されている。チェック弁或いは制御されたゲート
弁からなってもよい液圧保持装置20は、後で説明する
ように冷却管7から水箱12の部分12bに向かう方向
においては加圧水の移動に対して非常に大きな液圧抵抗
を示し、水箱の部分12bから冷却管7に向かうその反
対方向においては小さい抵抗を示す。
【0024】液圧保持装置は完全に受動的な形態に作ら
れてもよく、冷却管7から水箱12に向かう方向におけ
る水の移動に対してぼぼ無限の抵抗を示す保持用チェッ
ク弁の形態を取ってもよい。原子炉の通常の作動の場合
には、可動止めチェック弁はポンプ5の両側の冷却水の
圧力差によって、管18に一体に固定された弁座に向け
て押し戻される。
【0025】他方、炉の一次回路に低温管7の減圧およ
び一次ポンプ5の停止をもたらす事故が起こった場合に
は、チェック弁20のフラップは弁座から押し戻され、
それによって、中間管8および一次ポンプ5に対してパ
イパスとして置かれた管18に加圧水が流れこむことが
できるようになる。液圧保持弁20は、一次回路に裂け
目ができ、ポンプの停止を伴う場合に、受動的な作動が
直前に説明したチェック弁と同じであり、原子炉の冷却
ループの通常の作動の場合には閉じるのが補助されるチ
ェック弁からなってもよい。
【0026】チェック弁を閉じるのを補助するための装
置は、事故又は事件の後一次ポンプが停止した場合には
作動しないようにされる。電気的に制御される補助装置
は、一次ポンプがもはや給電されていないときには作動
されないようにすることができる。最後に、機械的装置
20は、原子炉の冷却ループが通常に作動されている間
は閉じた位置に維持され、一次回路に裂け目が生じ、一
次ポンプ5が停止された場合には開かれる制御されるゲ
ート弁からなってもよい。
【0027】管18は、好ましくは300mmから350
mmの内径を有する。水箱から冷却管に向かう方向におい
て開くのを妨げる装置20の液圧抵抗は、一次ポンプに
電流が供給されず、かくして、一次ポンプのロータが動
かなくなったときの一次ポンプの液圧抵抗の10分の1
程度であるのが好ましい。本発明による装置の利点を正
しく理解することができるようにするため、冷却ループ
に大きな裂け目を生じさせるような事故が起こった場
合、或いは、冷却管に小さな裂け目を生じさせるような
事故が起こり、原子炉の安全注入装置によっては漏れ流
を補うことができない場合に炉を冷却するための装置の
作動について以下に説明する。
【0028】冷却ループの冷却管に大きな裂け目を生じ
させる破損であって、この破損が冷却管の完全な破断で
あることもある破損が起こった場合には、一次回路ルー
プおよび炉の圧力容器は、破損が生じた後、非常に急速
に、保有していた冷却水をほぼ完全に流出させてしまう
ことがある。炉の安全注入装置が、一次回路の圧力が所
定の値よりも下がったときに自動的に作動される。
【0029】一次ポンプ5は自動的に停止するか、或い
は給電を断つことによって手動で停止される。上述した
ように、次いで、保持装置によって中間管8と一次ポン
プ5に対してバイパスとして配置された管18に加圧水
を流入させることができる。これによって、圧力容器1
から発し、蒸気発生器4で冷却された加圧水が中間管8
に流入し、停止状態では液圧抵抗が高いポンプ5を通過
することが阻止される。
【0030】これによって、加圧水の移動における圧力
降下は著しく抑えられ、圧力容器1内にある炉心2から
冷却管7の裂け目までの経路の圧力抵抗を4分の1にす
ることができる。かくして、大きな流量の冷却流体が得
られ、これにより、炉心の再浸漬および冷却を確保する
ことができる。
【0031】炉の通常の作動では、冷却管7の圧力が蒸
気発生器の水箱の部分12bの圧力よりも高いループ3
で移動する加圧水は、冷却管から水箱に向かう方向にお
ける保持装置20の液圧抵抗が非常に高く、或いはほと
んど無限であるから、管18で移動することはできな
い。加圧水は、その圧力が冷却管7でより高い限りは、
水箱から冷却管7に向かう方向に移動することができな
い。
【0032】従って、本発明のよる冷却装置のバイパス
管(18)は炉の通常の作動を変動させることはできな
い。一次回路の冷却管に小さい裂け目を生じる事故が起
こった場合には、裂け目から漏れる漏れ流はそれでも非
常に多いので原子炉の安全注入装置によっては補うこと
はできず、上述したように、注入した流れと裂け目から
漏れた流れの欠損差のために冷却水の水位は低下し、そ
の結果、一次回路の最上部はもはや加圧冷却水と接触し
なくなる。一次ポンプは裂け目ができた時点で停止され
ているから、冷却流体の移動は自然の移動によって起こ
る。
【0033】液圧冷却装置20が開くことができ、加圧
水が水箱12と冷却管7の間でバイパス管18中を移動
することができる。管18を介して水箱12と冷却管7
が直接接続されることによってU字形中間管8と一次ポ
ンプ5の両方を経由しない回路を作ることができる。こ
れによって、炉心2を露出させるような中間管8の最下
部の高さ17、或いはさらに低い高さに至るような一次
回路の水位の低下を避けることができる。
【0034】加圧水が水箱からバイパス管18を経て冷
却管に移動することによって、圧力容器にある水と一次
回路の冷却ループにある水が冷却管7の高さよりも低い
静的高さで均衡することを避けることができる。さら
に、圧力容器内で形成された蒸気をバイパス管18およ
び冷却管7を経て冷却管の裂け目の方向に容易に除去す
ることができる。
【0035】これによって、一次回路に裂け目ができた
後、炉心の再浸漬を容易にすると同時に炉心の著しい露
出を避けることができる。従って、本発明による装置に
よって、一次回路の冷却管に小さい又は大きい裂け目が
でき、一次ポンプが使用できない場合に、特に、一次回
路の冷却ループがU字形の中間管を含む場合に、炉心の
露出を回避するか、或いは著しく制限することができ、
一次回路がいかなる形状であっても、炉心の再浸漬速度
を著しく増大させることができる。さらに、本発明のよ
る装置によって、一次回路に裂け目がなく、一次ポンプ
が使用できないようないかなる事件または事故状況にあ
っても炉心の冷却状態を著しく改善することができる。
かくして、実際に、一次ポンプを経ない回路を設けるこ
とによって一次回路のループにおける液圧抵抗を著しく
抑えることができ、この抑制によって、例えば、液圧抵
抗を4分の1にすることができる。
【0036】さらに、炉の冷却装置が普通に作動して、
一次ポンプが一次回路の種々のループにおいて流体を循
環させているときには、冷却管の圧力は、ポンプの下流
では、蒸気発生器の水箱の出口部分の圧力よりも数バー
ル高い。バイパス管に液圧保持装置を設けたことによっ
て、冷却管と水箱との間で冷却水を移動しないようにす
ることができ、バイパス管に流れがないようにすること
ができる。
【0037】冷却水が、一次回路に裂け目がなく、自然
の移動によって一次回路のループを移動するときには、
一次回路の冷熱源を形成する蒸気発生器は、炉心から発
する流体によって迂回されることは決してないから、本
発明による装置によって炉心の冷却は著しく改善され
る。圧力容器から発した冷却流体は蒸気発生器に入り、
ここで冷却され、バイパス管を経て圧力降下の小さい大
きい循環流量で冷却管に戻される。
【0038】本発明は説明してきた実施例に限定されな
い。かくして、冷却管から遠い方の一次ポンプのバイパ
ス管の端は、蒸気発生器の水箱だけでなく、中間管の上
部分或いは、冷却ループの冷却管に裂け目がない場合に
炉心を露出させない設計であるかぎりにおいて、中間管
のいかなる箇所に接続されてもよい。
【0039】各々の冷却管では、一次ポンプに対するバ
イパスとして単一の大きな径の管を使用してもよく、或
いは、反対に、一次ポンプを短絡するように並列に設置
された複数の小さい径の管を使用してもよい。本発明
は、形状が可変的な任意の数の冷却ループを有する加圧
水型原子炉に適用可能である。かくして、冷却ループ
は、水箱を一次ポンプに接続する中間管を含んでも含ま
なくてもよい。
【0040】本発明は、圧力容器と、圧力容器の外部に
ある冷却ループとを含む任意の加圧水型原子炉に適用さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧水型原子炉の圧力容器および冷却ループの
概略立面断面図である。
【符号の説明】
1 圧力容器 2 炉心 3 冷却ループ 4 蒸気発生器 5 一次ポンプ 6 高温管 7 冷却管 8 中間管 12 水箱 14 管束 18 バイパス管 20 機械的液圧保持装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ノルベール ニケース フランス国 78600 メゾン ラフィッ ト アベニュー パスカル 12 (72)発明者 ジョゼフ ヴュイーヌ フランス国 78430 ルーヴェシアンヌ レジダンス ドーフィーヌ (番地な し) (56)参考文献 特開 昭61−88187(JP,A) 特開 平4−6497(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 15/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に燃料集合体からなる炉心(2)が
    配置された圧力容器(1)を含む加圧水型原子炉の炉心
    を冷却するための装置であって、この冷却装置は少なく
    とも1つの冷却ループ(3)を含み、冷却ループ(3)
    は、内部を加圧水が移動する一次部分(12、14)を
    有し、炉心(2)と接触して加熱された加圧水を運ぶた
    めの高温管と呼ばれる管(6)によって圧力容器(1)
    に接続された蒸気発生器(4)と、吸い込み部分が蒸気
    発生器(4)の一次部分に接続され、吐き出し部分が加
    圧水を圧力容器(1)に戻すため圧力容器(1)に接続
    された低温管と呼ばれる管(7)に接続された、冷却ル
    ープ(3)において加圧水を循環させるための一次ポン
    プ(5)とを含む冷却装置において、この冷却装置は、
    蒸気発生器(4)の一次部分を低温管(7)に接続し、
    一次ポンプ(5)に対してバイパスとして配置された少
    なくとも1つの管(18)をさらに含み、管(18)に
    は、低温管(7)から蒸気発生器(4)に向かう方向に
    おいては水の移動に対して非常に高い液圧抵抗を示し、
    その反対方向においては加圧水の移動に対して低い液圧
    抵抗を示すように加圧水を保持するための機械的保持装
    置(20)が置かれていることを特徴とする冷却装置。
  2. 【請求項2】 機械的保持装置(20)は受動装置であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記機械的保持装置は、一次ポンプ
    (5)が作動している炉の通常の作動中は閉じられ、一
    次ポンプ(5)が停止されるような事件が起こった場合
    には開くように受動的に作動する補助装置付チェック弁
    からなることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 【請求項4】 機械的保持装置(20)は、制御される
    ゲート弁からなることを特徴とする請求項1に記載の冷
    却装置。
  5. 【請求項5】 原子炉が、蒸気発生器(4)の一次部分
    を一次ポンプ(5)の吸い込み部分に接続する中間管
    (8)を各々の冷却ループ(3)に含む場合に、管(1
    8)が、中間管(8)および一次ポンプ(5)の両方に
    対してバイパスとして冷却ループ(3)に置かれている
    ことを特徴とする請求項1又は4のいずれか1項に記載
    の冷却装置。
  6. 【請求項6】 バイパス管(18)は、冷却管(7)か
    ら遠い方の端が蒸気発生器(4)の一次部分を形成する
    蒸気発生器の水箱(12)に接続されていることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷却装
    置。
  7. 【請求項7】 各冷却ループ(3)に、内径が300mm
    から350mmの単一のバイパス管(18)を含む請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載の冷却装置。
  8. 【請求項8】 一次回路の各々の冷却ループ(3)に、
    一次ポンプ(5)に対してバイパスとして並列に配置さ
    れた複数の管(18)を含む請求項1乃至6のいずれか
    1項に記載の冷却装置。
  9. 【請求項9】 バイパス管(18)は、全体が、炉の圧
    力容器(1)に接続された高温管(6)および冷却管
    (7)の部分の軸線を含む水平平面の上方に配置されて
    いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に
    記載の冷却装置。
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