JP3243854U - 蒸気式の清拭具キット - Google Patents

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光男 吉澤
いずみ 吉澤
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株式会社ヨシザワ
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Abstract

【課題】携帯性及び保管性に優れ、災害時等に速やかに使用でき、温感等の好感を与えながら清拭できる、蒸気式の清拭具キットを提供する。【解決手段】切り欠き7を有する容器10と、前記容器10に収容され、発熱剤と水との反応を利用して熱および水蒸気を発生する、発熱具30と、前記発熱具に隣接して配置され、包装袋に収納されたウェットタオルと、を備え、前記発熱具は、水が封入された水袋と、前記水と反応して発熱する発熱剤が封入された発熱剤袋と、前記水袋および前記発熱剤袋を開裂するための開裂用長尺部材21とを有し、前記開裂用長尺部材は、前記切り欠きを通じて外部から引かれたときに前記水袋および前記発熱剤袋を開裂し、前記包装袋に収納されたウェットタオルを加温する、蒸気式の清拭具キット100。【選択図】図1

Description

本考案は、蒸気式の清拭具キットに関する。
従来、災害時に避難した避難所等で被災者、避難者が入浴に代えて体を清潔に保つには、タオルを清潔な水や温水で濡らしたり、清拭用ウェットタオルを利用したりして、体を拭く方法が知られている。
しかしながら、前者の方法では、避難所で十分な量の清潔な水や温水を入手することが難しいために実際に実施することが困難である。また、後者の方法では、例えば冬等の気温が低い場合には清拭用ウェットタオルが冷たくなってしまい、そのまま使用するには不快である。特に、避難生活が長期に亘ると、避難者の心理的疲労も増し、冷たい清拭用ウェットタオルで体を拭くことが負担となる。
このため、災害時における避難者の負担を考量して清拭用ウェットタオルを予め温めた状態にしておくことが望ましい。
ウェットタオル等を予め温めた状態にしておくことができる技術として、連続したペーパータオルを引き出し且つ切断するホットタオルディスペンサーが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-225502号公報
しかしながら、特許文献1のようなホットタオルディスペンサーは、十分な量の清潔な水及び商用電源を必要とする。災害時等においては、上述したように十分な量の清潔な水を入手することが難しく、また商用電源を利用できない場合があった。このため、災害時等においては使用できない場合があった。また、特許文献1のようなホットタオルディスペンサーは、重く嵩張るために、携帯性及び保管性の観点からは改善の余地があった。さらに、特許文献1のようなホットタオルディスペンサーは、加温するまでに時間と手間を要し、簡便且つ迅速に使用できるものではなかった。
本考案は、携帯性及び保管性に優れ、災害時等に簡便且つ迅速に使用でき、温感等の好感を与えながら清拭できる、蒸気式の清拭具キットを提供することを目的とする。
本考案者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の容器と、容器に収容された特定の発熱具と、発熱具に隣接して配置され、包装袋に収納されたウェットタオルとを備える清拭具キットであれば、上記課題を解決できることを見出し、本考案を完成した。
すなわち、本考案は以下のとおりである。
[1]蒸気式の清拭具キットであって、
底部と、前記底部の四辺にそれぞれ設けられた、前壁部、左右の側壁部及び後壁部と、前記後壁部に連続する蓋部とを有し、前記前壁部及び前記蓋部に切り欠きを有する容器と、
前記容器に収容され、発熱剤と水との反応を利用して熱および水蒸気を発生する、発熱具と、
前記発熱具に隣接して配置され、包装袋に収納されたウェットタオルと、
を備え、
前記発熱具は、水が封入された水袋と、前記水と反応して発熱する発熱剤が封入された発熱剤袋と、前記水袋および前記発熱剤袋を開裂するための開裂用長尺部材とを有し、
前記開裂用長尺部材は、前記切り欠きを通じて外部から引かれたときに前記水袋および前記発熱剤袋を開裂し、前記包装袋に収納されたウェットタオルを加温する、
蒸気式の清拭具キット。
[2]包装袋に収納されたドライシャンプー用のウェット手袋を更に備える、[1]に記載の蒸気式の清拭具キット。
[3]加温時、前記容器内に、前記容器の前記底部側から第1の前記ウェットタオル、第2の前記ウェットタオル、前記発熱具、第3の前記ウェットタオル、第4の前記ウェットタオル、前記ウェット手袋の順に配置されて収容される、[2]に記載の蒸気式の清拭具キット。
[4]加温した際の前記ウェットタオルの温度が60℃~80℃である、[1]~[3]のいずれかに記載の蒸気式の清拭具キット。
本考案によれば、携帯性及び保管性に優れ、災害時等に簡便且つ迅速に使用でき、温感等の好感を与えながら清拭できる、蒸気式の清拭具キットを提供することができる。
本考案の実施形態に係る蒸気式の清拭具キットを示す模式斜視図である。 本考案の実施形態に係る蒸気式の清拭具キットの構成を説明するための説明図である。 本考案の実施形態に係る蒸気式の清拭具キットの使用状態を説明するための説明図である。
以下、本考案の蒸気式の清拭具キットの実施の形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する構成は本考案の一例(代表例)であり、本考案はこれに限定されない。
なお、以下の図面においては、各構成をわかり易くするために、実際の構造と各構造における縮尺及び数等を異ならせる場合がある。
(蒸気式の清拭具キット)
図1は、本考案の実施形態に係る蒸気式の清拭具キットを示す模式斜視図である。図2は、本考案の実施形態に係る蒸気式の清拭具キットの構成を説明するための説明図である。
蒸気式の清拭具キット100(以下、単に「清拭具キット」ともいう)は、容器10と、発熱具20と、包装袋に収納されたウェットタオル30とを備える。
清拭具キット100は、包装袋に収納されたドライシャンプー用のウェット手袋40を更に備えるのが好ましい。
容器10に収容されるウェットタオル30、ウェット手袋40の枚数は特に制限されず、1枚であっても複数枚であってもよい。通常、ウェットタオルは4枚、ウェット手袋は2枚である。
清拭具キット100は、発熱具20により発生する熱および蒸気により、ウェットタオル30及びウェット手袋40を使用者が心地良いと感じる温度まで加温する。清拭具キット100は、発熱具20に備え付けられた開裂用長尺部材21を引っ張るだけで、簡便且つ迅速にウェットタオル30及びウェット手袋40を加温することができる。また、清拭具キット100は、嵩張らず軽量であるために携帯性に優れ、水および商用電源を必要としないために災害時等に速やかに使用できる。さらに、清拭具キット100に含まれるウェットタオル30は、包装袋に収納された状態であるため、製造から長期間保管することができる。
清拭具キット100は、上述したように、包装袋に収納されたドライシャンプー用のウェット手袋40を更に備えるのが好ましい。通常、洗髪に際しては、毛髪用シャンプーが使用されている。毛髪用シャンプーは、毛髪の汚れを多量の水と共に洗い流して使用することから、浴室、洗面台、美容室、理容室等の給排水設備の整った場所で洗髪を行うのが一般的である。ところが、災害時等では給排水設備の整った場所を見つけるのが難しく、毛髪用シャンプーで洗髪するのが困難である。また、病人や要介護者等を対象とする場合、ベッドから離れる等の日常の動作に不自由を伴い、給排水設備の整った場所への移動も儘ならないこともしばしばあるため、健常者が使用する従来のシャンプーであると使い勝手がよくないと感じられることが多い。そこで、このような通常のシャンプーを使用できない、または使用しにくい人々を対象として、ドライシャンプーが市販されている。ドライシャンプーであれば、水で濯ぎ洗いをする必要がなく、毛髪に塗布してよく馴染ませた後、タオル等で拭き取ることによって、毛髪の汚れや界面活性剤等の余分な洗浄剤成分を取り除くことができる。本実施形態に係るウェット手袋40は、手袋型のドライシャンプーシートであるため、簡便に使用でき、手を汚さずに頭皮までしっかりと洗髪を行うことができる。さらに、ウェット手袋40は使用者が心地良いと感じる温度まで加温されるため、災害時等であっても快適に洗髪することができる。
<容器>
容器10は、底部1と、底部1の四辺にそれぞれ設けられた、前壁部2、左右の側壁部3,4及び後壁部5と、後壁部5に連続する蓋部6とを有する。容器10は上部が開口されており、図1に示す例では全体として略直方体形状に形成されている。
<<切り欠き>>
前壁部2および蓋部6は、その上縁に切り欠き7を有する。切り欠き7は、蓋部6を閉じた状態で後述する開裂用長尺部材21が挿通可能な大きさに形成される。使用者は切り欠き7から挿通された開裂用長尺部材21を引っ張ることにより蓋部6を閉じた状態で発熱および蒸気を発生させることができる。これにより、効率良くウェットタオル30およびウェット手袋40を加温することができる。
切り欠き7の位置、形状及び大きさ等は、外部から開裂用長尺部材21を引っ張ることができれば、特に制限されない。例えば、切り欠き7の位置は、前壁部2及び蓋部6の略中央部分に設けられていてもよい。
<<鍔部>>
左右の側壁部3,4は、容器10の開口時におけるウェットタオル30等の落下防止のために、左右の側壁部3,4の上端部より内方(容器本体の中心方向)へ突出した鍔部8を有するのが好ましい。鍔部8の形状、大きさ等は特に制限されない。鍔部8の形状は、例えば長方形状であり、鍔部8の大きさは、例えば幅方向の寸法1cm~5cm程度、長さ方向の寸法15cm~30cm程度であってもよい。
容器10の形状は、特に制限されず、発熱具20、包装袋に収納されたウェットタオル30、包装袋に収納されたウェット手袋40を収容可能な形状であればよい。
容器10の大きさとしては、特に制限されず、収容するウェットタオル30及びウェット手袋40の数、大きさ等に応じて適宜設計すればよい。容器10が略直方体形状の場合、容器10の大きさとしては、例えば、幅方向の寸法が10cm~30cm程度、長さ方向の寸法が15cm~35cm程度、高さ方向の寸法が3cm~10cm程度であってもよい。
容器10の材質は、特に制限されないが、軽量性および断熱性の観点からは、厚紙や段ボーシート等の紙材であるのが好ましい。容器は、表面にアルミニウム箔、樹脂フィルムあるいは発泡紙が貼り付けられた紙材等、耐水加工が施されていてもよい。
容器10は、発熱具20、ウェットタオル30、及びウェット手袋30を収容することができればよく、その構成は上述した例に限定されない。
例えば、本実施形態では容器と蓋部とが一体として形成されているが、両者が別体として形成されていてもよい。
また、発熱具20にて発生した熱を容器の外側に伝え難くするための断熱材、発熱具20の水袋を開封した際に容器10の底部に僅かに流れ落ちる水を吸水するための吸水材等が設けられていてもよい。
<発熱具>
発熱具20は、水が封入された水袋と、水と反応して発熱する発熱剤が封入された発熱剤袋と、水袋および発熱剤袋を開裂するための開裂用長尺部材21とを備えている。
発熱具20は、開裂用長尺部材21により水袋および発熱剤袋が開裂されることにより、水袋から溢れ出た水と発熱剤袋内の発熱剤とが反応して発熱し、生じた熱により水が蒸発して水蒸気を発生させる。
水袋は、水を内部に封入し、開裂用長尺部材21の引き操作により開裂されて、水が外部に放出されるように構成されている。水袋は、水袋用袋体に水が封入されて形成される。
水袋の水袋用袋体は、密封されている際には、水が外部に蒸散するのを防止する非透湿性を有し、開裂される際には、使用者が開裂用長尺部材21を手で引っ張ることにより容易に開裂されるように形成されれば、特に限定されない。水袋用袋体は、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、金属箔フィルム、金属箔フィルムを含むラミネートフィルム等を用いて形成することができる。
水袋に封入される水としては、特に限定されず、例えば蒸留水、イオン交換水、濾過水、水道水、その他、市販の純水生成機等で得られる超純水等の精製水等を用いることができる。
発熱剤袋は、発熱剤を内部に封入し、開裂用長尺部材21の引き操作により開裂されて、発熱剤が外部環境に解放されるように構成されている。発熱剤袋は、発熱剤袋用袋体に発熱剤が封入されて形成される。
発熱剤袋の発熱剤袋用袋体は、密封されている際には、外部から水が浸入するのを防止する非透湿性を有し、開裂される際には、使用者が開裂用長尺部材21を手で引っ張ることにより容易に開裂されるように形成されれば、特に限定されない。発熱剤袋用袋体は、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、金属箔フィルム、金属箔フィルムを含むラミネートフィルム等を用いて形成することができる。特に、清拭具キット100は、製造後数ヶ月から数年の間、未使用のまま保管されることも想定されるので、発熱剤袋用袋体は、非透湿性の高いフィルムを用いて形成されることが好ましく、例えば金属箔フィルムまたは金属箔フィルムを含むラミネートフィルムを用いて形成されることが好ましい。
発熱剤袋に封入される発熱剤は、水と反応して発熱する物質であれば特に限定されることはなく、例えば公知の発熱剤である生石灰粉末や、生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物などを用いることができる。発熱剤は、そのまま発熱剤袋用袋体に封入されてもよいし、不織布または和紙などの透水性の袋体に収容された状態で発熱剤袋用袋体に封入されてもよい。前者の場合は、水袋から溢れ出た水と発熱剤が直接接触して反応するので、反応がより効率的に行なわれる。後者の場合は、発熱剤の取り扱いが容易となり、発熱剤袋用袋体に発熱剤を容易に封入することができるだけでなく、発熱剤袋が開裂されたときに、発熱剤が外部に飛散するのを抑制することができる。
開裂用長尺部材21は、容器10の外部から引かれたときに水袋および発熱剤袋を開裂するように、容器10の内部から外部に延びて配置されている。したがって、容器10の外部から開裂用長尺部材21を引き操作することにより、水袋および発熱剤袋が開裂されて、水袋に封入されていた水が水袋の外部に溢れ出す。そして、溢れ出た水は、開裂された発熱剤袋内の発熱剤と接触して反応し、発熱した発熱剤の熱により蒸発して水蒸気となる。生成した水蒸気は、容器内に放出され、収容されたウェットタオル30を熱と共に加温する。清拭具キット100は、上述したように、単純な構成で水蒸気を発生させることができるので、清拭具キット100全体をコンパクトにすることができるだけでなく、商用電源を必要とすることなく携帯型として用いることが可能である。
開裂用長尺部材21としては、長尺状の紐やテープが用いられる。ただし、開裂用長尺部材21としては、引き操作することで水袋および発熱剤袋を開裂できるような強度と長さを有していれば特に限定されることはなく、金属製のワイヤや樹脂製の糸等を用いてもよい。
発熱具20について上述したが、本実施形態に係る発熱具20は、特許第7240051号公報に記載の加熱装置を用いるのが特に好ましい。特許第7240051号公報に記載の加熱装置は、従来製品と比較して発熱を引き起こすための操作が顕著に容易となり、さらに長期保存性が向上するため、加熱装置としての利便性が顕著に高く、特に好ましい。
<ウェットタオル>
ウェットタオル30は、ウェットタオル基材に薬液が含浸された、使い捨ての濡れタオルである。保管時および加温時おいては、包装材によって密封包装されている。ウェットタオル30は、特に制限されず、従来公知のウェットタオル30を用いることができる。ウェットタオル30は、1つの包装袋内に1枚又は複数枚収納されていてもよい。
ウェットタオル基材としては、例えば、繊維シート材、フォーム材等が挙げられる。繊維シート材としては、例えば、ガーゼ等の織布、紙又は不織布などの繊維集合体が挙げられる。不織布としては、例えば、エアレイド不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。繊維シートに用いられる繊維としては、例えば、天然繊維及び化学繊維の何れか一方又は両方の繊維を使用することができる。天然繊維としては、木材パルプ等が挙げられる。化学繊維としては、再生繊維であるレーヨンやアセテート、合成繊維であるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維等が挙げられる。
フォーム材としては、例えば、発泡体、多孔質体等が挙げられ、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリオレフィンフォーム等が用いられる。
ウェットタオル30は、1つのウェットタオル基材を有するものに限定されず、重ね合わされた複数個のウェットタオル基材を有するものであってもよい。重ね合わされた複数個のウェットタオル基材を有する場合、各ウェットタオル基材は、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
薬液としては、清拭用途に使用可能な薬液を特に限定なく使用できる。薬液としては、例えば、除菌剤を含み、必要に応じて、保湿剤、エモリエント剤、その他添加剤等を含む薬液が挙げられる。薬液は、例えば、各成分を水に溶解又は分散させた液体として使用可能である。
除菌剤としては、清拭用途に使用可能な成分であれば、特に制限されない。除菌剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム等の第四級アンモニウム塩、ポリアミノプロピルビグアニド、パラベン(メチルパラベン(パラオキシ安息香酸メチル)、エチルパラベン(パラオキシ安息香酸エチル)、プロピルパラベン(パラオキシ安息香酸プロピル)、イソプロピルパラベン(パラオキシ安息香酸イソプロピル)、ブチルパラベン(パラオキシ安息香酸ブチル)、イソブチルパラベン(パラオキシ安息香酸イソブチル)、ベンジルパラベン(パラオキシ安息香酸ベンジル)等)、安息香酸及びその塩類(安息香酸ナトリウム等)、クロロクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸及びその塩類(サリチル酸ナトリウム等)、ソルビン酸及びその塩類(ソルビン酸カリウム等)、デヒドロ酢酸及びその塩類(デヒドロ酢酸ナトリウム等)、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、メチルイソチアゾリノン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、等が挙げられる。除菌剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。薬液における除菌剤の含有量は、薬液成分に応じて適宜設定すればよい。
保湿剤としては、この分野で常用される成分を特に制限なく使用できる。保湿剤としては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA-Na)等の有機酸類;尿素;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエステル等のアルキレングリコール類等が挙げられる。保湿剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。薬液における保湿剤の含有量は、薬液成分に応じて適宜設定すればよい。
油溶性成分のエモリエント剤としては、例えば、天然油脂、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン類(ラノリン、ラノリンアルコール、ポリオキシエチレンミツロウ等)、リン脂質、セラミド類、天然保湿成分(アロエ抽出エキス等)等が挙げられる。エモリエント剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。薬液におけるエモリエント剤の含有量は、薬液成分に応じて適宜設定すればよい。
その他の添加剤として、化粧品等に使用可能な添加剤を用いることができる。添加剤としては、ゲル化剤、乳化剤、増粘剤、pH調整剤、金属封鎖剤、界面活性剤、安定化剤、変色防止剤、香料、着色剤、消臭剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
包装材は、光遮断性、ガスバリヤー性等の保存安定性の観点から、アルミ蒸着フィルム層を含むのが好ましい。アルミ蒸着フィルム層を含むことにより、約5年間もの長期間に亘り保管することが可能となる傾向がある。
アルミ蒸着フィルム層におけるフィルム基材としては、アルミ蒸着フィルム層のフィルム基材として用いることができるものとして当業者に知られたフィルム基材を制限なく使用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ナイロンを使用することができる。ガスバリヤー性や蒸着安定性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を使用するのが好ましい。
アルミ蒸着フィルム層におけるアルミ蒸着層は、アルミ蒸着フィルム層を形成可能であるとして当業者に知られた任意の方法によって形成することができる。例えば、アルミニウムを高真空状態で電子ビームや高周波誘導等により加熱蒸発させ、その蒸気を上記フィルム基材の表面に付着させることによって形成することができる。
ウェットタオル30の大きさ及び形状等は、特に制限されない。ウェットタオル30の大きさは、例えは、幅方向の寸法が10cm~50cm程度、長さ方向の寸法が30cm~120cm程度であってもよい。
<ウェット手袋>
ウェット手袋40は、ウェット手袋基材にドライシャンプー用の薬液が含浸された、使い捨ての濡れ手袋である。保管時および加温時おいては、包装材によって密封包装されている。ウェット手袋40は、特に制限されず、従来公知のウェット手袋40を用いることができる。ウェット手袋40は、1つの包装袋内に1枚又は複数枚収納されていてもよい。
ウェット手袋基材としては、特に制限されず、上述したウェットタオル基材と同様の基材を用いることができる。
ドライシャンプー用の薬液としては、ドライシャンプー用途に使用可能な薬液を特に制限なく使用できる。薬液としては、特に制限されないが、例えば、水、エタノール、メントール、プロピレングリコール、ウンシュウミカン果皮エキス、クエン酸、安息香酸ナトリウム、ラウリン酸スクロース、シクロデキストリン、ポリアミノプロピルビグアニド、ラウリルトリモニウムクロリド、香料等が挙げられる。
包装材は、上述したウェットタオル30の包装材と同様の包装材を用いることができる。
(蒸気式の清拭具キットの使用方法)
図3は、本考案の実施形態に係る蒸気式の清拭具キットの使用状態を説明するための説明図である。
発熱具20は、開裂用長尺部材21が容器10の切り欠き7に通されて容器10の外部に突出された状態にて、容器10に収容されている。ウェットタオル30及びウェット手袋40は、包装材によって密封包装された状態で容器10に収容されている。まず、使用者は、蓋部6により蓋をし、前壁部2まで蓋部6により覆う。次いで使用者は、容器10の外部に突出された開裂用長尺部材21の端部又はその近傍の部分を引っ張る。発熱具20が発生する熱および水蒸気によって、容器10に収容されたウェットタオル30及びウェット手袋40が加温される。蓋部6により前壁部2まで覆われ、カバー部8により左右の側壁部3,4が更に覆われることにより、容器10から熱および水蒸気が外部に拡散されるのが抑制され、安全且つ効率的にウェットタオル30及びウェット手袋40が加温される。約15分後、容器から包装袋に収納されたウェットタオル30及びウェット手袋40を取り出す。包装袋を開封して、加温されたウェットタオル30及びウェット手袋40を使用する。
加温した際のウェットタオル30及びウェット手袋40の温度は、特に制限されないが、50℃~85℃が好ましく、60℃~80℃がより好ましい。ウェットタオルの温度が上記範囲内であれば、加温状態が持続し易く、且つ使用者がより心地よく感じられる傾向がある。
加温時間は、特に制限されず、発熱具20の種類等によって適宜設定すればよい。清拭具キット100の加温時間は、通常約15分である。
清拭具キット100は、例えば図2に示すように、容器10内に、容器10の底部1側から発熱具20、第1のウェットタオル30、第2のウェットタオル30、第3のウェットタオル30、第4のウェットタオル30、ウェット手袋40の順に配置されて加温されてもよい。より好ましくは、容器10内に、容器10の底部1側から第1のウェットタオル30、第2のウェットタオル30、発熱具20、第3のウェットタオル30、第4のウェットタオル30、ウェット手袋40の順に配置されて加温されるのが好ましい。これにより、より効率的に発熱具20が発生する熱および水蒸気をウェットタオル30及びウェット手袋40に伝えることができる。
清拭具キット100は、清拭用途以外の使用を制限するものではない。清拭具キット100は、例えば、乳幼児のお尻拭き、乳幼児用のミルク温め、オムツ使用の高齢者用のお尻拭き、缶入り飲料の温め等にも使用することができる。
特に、清拭具キット100は、容器10内にレトルトカレー、レトルトご飯等の非常食、及び500mLの保存水2本等を加えて加温することにより、携帯性及び保管性に優れ、災害時等に簡便且つ迅速に使用できる、兼用加熱容器としても使用することができる。
以上、本考案の好ましい実施形態について説明したが、本考案は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1・・・底部、2・・・前壁部、3,4・・・左右の側壁部、5・・・後壁部、6・・・蓋部、7・・・切り欠き、8・・・鍔部、10・・・容器、20・・・ウェットタオル、21・・・開裂用長尺部材、30・・・発熱具、40・・・ウェット手袋、100・・・蒸気式の清拭具キット

Claims (4)

  1. 蒸気式の清拭具キットであって、
    底部と、前記底部の四辺にそれぞれ設けられた、前壁部、左右の側壁部及び後壁部と、前記後壁部に連続する蓋部とを有し、前記前壁部及び前記蓋部に切り欠きを有する容器と、
    前記容器に収容され、発熱剤と水との反応を利用して熱および水蒸気を発生する、発熱具と、
    前記発熱具に隣接して配置され、包装袋に収納されたウェットタオルと、
    を備え、
    前記発熱具は、水が封入された水袋と、前記水と反応して発熱する発熱剤が封入された発熱剤袋と、前記水袋および前記発熱剤袋を開裂するための開裂用長尺部材とを有し、
    前記開裂用長尺部材は、前記切り欠きを通じて外部から引かれたときに前記水袋および前記発熱剤袋を開裂し、前記包装袋に収納されたウェットタオルを加温する、
    蒸気式の清拭具キット。
  2. 包装袋に収納されたドライシャンプー用のウェット手袋を更に備える、請求項1に記載の蒸気式の清拭具キット。
  3. 加温時、前記容器内に、前記容器の前記底部側から第1の前記ウェットタオル、第2の前記ウェットタオル、前記発熱具、第3の前記ウェットタオル、第4の前記ウェットタオル、前記ウェット手袋の順に配置されて収容される、請求項2に記載の蒸気式の清拭具キット。
  4. 加温した際の前記ウェットタオルの温度が60℃~80℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載の蒸気式の清拭具キット。

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