JP3243691B2 - 飲料用液体パッケージ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、清涼飲料あるいは牛乳
などの飲料用液体パッケージに関する。

【０００２】

【従来の技術】紙製のブランクを折り曲げて形成したカ
ートンを用いる牛乳等のパッケージが多用されている。
ところで、この種カートンでは液体充填物の重みでもっ
て、カートン底部が外側に膨らむ傾向にあり、これによ
ってパッケージ状態での安定性が悪く、内容物充填後の
処理工程での移送コンベヤー上で、製品が転倒したり或
いは揺動して日付印などが所定位置からずれたり傾いた
りしていた。また、ケーサーで運搬する際に製品が傾い
たり転倒するなどのケーサートラブルを引き起してい
た。そして、同じ理由により、製品をクレートに入れて
トラック輸送した場合に、カートン自体が大きく振動
し、その結果、シートの隅がクレートに再三ぶつかり、
その角部の強度が劣化して内容物が滲み、更には漏れ事
故につながることがあった。

【０００３】特に、カートンの膨らんだ底部中央にはブ
ランクの切断面折り端が現われており、しかも、四重等
の重ね合せ部分となっているので、コンベヤーによって
この部分が擦れ易くて、断面ほつれなどによってこの切
断面から水を吸収し、これがあたかも内容物の漏出であ
るかのように判定される事があるなどが、この種カート
ンにおける問題点となっていた。

【０００４】そして、製品を店頭に陳列する際に、カー
トン側部の膨らみから製品が傾き外観が悪いなどの苦情
があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
のカートンによるパッケージにおける諸問題点を解決す
るために、従来カートンにおける底面の膨出形状を変え
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、紙製のブラン
クを折り曲げて形成したカートンの底部外壁面を加圧形
成により、底部周辺を残して底部中央をその折り重ね厚
みに応じて窪ませ、しかも、窪みの段差面が底部周辺と
平行な面となるように形成する。そして、この底部中央
の窪みを段階的に形成して有効である。

【０００７】

【作用】底部周辺と平行な面となるように形成した窪み
の段差面は、内容物により荷重圧を全面に均等に受ける
ように作用する。その結果、底部中央を窪ませたカート
ンは内容物の充填でその底部が略平らになる程度に変形
する。これにより底部の略全域に亙って載置面と接触す
るので、先ず、カートンの安定性が計られると共に、底
部局所特に底部中央のみに大きな荷重が掛かることなく
て、当該部分の擦過による底面部外面の損傷を防ぐこと
が出来る。

【０００８】更に、この底部の窪みが段階的に形成され
ることによって、段差の折り筋が底面を補強するように
作用し、前記平面変形を少なくして底部中央部分の載置
面接触を防ぐことが期待出来、又は接触圧を軽減出来
る。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明パッケージのカートン底部外
側を示す平面図であり、図２は同底部のＡ−Ａ線縦断面
図を示す。図において、１はカートンで、従来周知の如
く一枚の紙製ブランクを折り曲げて底付きの四角筒状に
形成してあり、２はその底面外側に現われる紙の切断
面、３は同じく底面外側に現われる紙の折返し縁であ
る。そして、この底部図面における○囲み数字は、当該
部分における紙の折り重なり枚数を夫々示す。

【００１０】一枚のブランクにより折り上げられたカー
トン１は、従来の製法と同様に、その底部をマンドレル
とプレッシャーパッドとにより挟み込んで加圧形成され
る。このとき、本発明によれば、該底部外壁に図１及び
図２に示す如き段差４ａ及び４ｂが形成されて、底部周
辺に対して底部中央が窪むように構成される。

【００１１】この窪みは四周縁を残して段差４ｂで囲わ
れた中央部分が最も落ち込み、段差４ａと段差４ｂとの
中間域をやや窪ませた三段階の高さ位置に設定されてお
り、各段差面が互いに平行な面になるように、各底面部
分の折り合せ厚みに応じてプレッシャーパッド並びにマ
ンドレの押圧面形状を構成してある。

【００１２】即ち、図３及び図４に示す如く、プレッシ
ャーパッド５はその押圧面をカートン１の周辺域に当接
する基準面６に対して第１突出面７及び第２突出面８と
からなり、第１突出面７はカートン１の前記中間域相当
部であり、第２突出面８はカートン１の段差４ｂで囲わ
れる中央部分相当域であり、しかも、この第２段差面８
にはカートン底部の最も重なり枚数の多い部分を逃すべ
く、この部分に連なる域をやや低くした補正面８ａを形
成してある。

【００１３】一方、マンドレル９の押圧面形状は、図５
に示す如く、カートン１の前記周縁相互域を残し、その
内側周期の浅い第１の落ち込み面１０とプレッシャーパ
ッド５の前記第１突出面７及び第２突出面８に対する中
央寄りの全域に亙る第２の落ち込み面１１とから成り、
その他、該面には空気抜き溝１２、１３が形成されてい
る。

【００１４】従って、このようなプレッシャーパッド５
とマンドレル９とに挟み込まれるカートン底部は、前記
段差４ａ段差４ｂが明瞭な段差として表われるのに対し
てプレッシャーパッド５の前記補正面８ａでの段差形状
は殆ど現われない。

【００１５】

【発明の効果】このように、本発明パッケージによれ
ば、カートン底部をその周辺域に対して中央域を窪ませ
て構成してあるので、牛乳等の液状内容物をこれに充填
した状態で、充填物荷重によって窪んだ底部中央が外側
に幾分膨らんでも、底部中央が周辺高さと同程度かやや
窪んだ形状を持つので、カートンを安定良く載置するこ
とが出来て、製品加工中のコンベヤー上でのカートン転
倒あるいはふらつき並びにカートン底部の擦れを防い
で、日付印字などの爾後作業を確実に行うことが出来る
と共に、製品搬送時の振動による底部及び隅部などの部
分擦過による損傷を少なくしてカートンの耐久性を向上
させることが出来、しかも、底部外壁の紙切断面から水
を吸収する惧れも少ない等、本発明パッケージは従来の
この種紙製カートンの諸欠点を改良し得た実用上極めて
有用なるものである。

【００１６】そして、本発明パッケージのカートン底部
を三段階に窪ませることによって、底部形成の紙厚みに
応じた平行な面の段差構成と共に、段差の条溝が底面の
補強条として機能し、底面形状の保持に有効に作用し
て、本発明パッケージの前記効果を更に良く発揮させる
ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明パッケージのカートン底面部の外側を示
す平面図である。

【図２】上記図１上のＡ−Ａ線縦断側面図である。

【図３】本発明パッケージを製造する際のプレッシャー
パッドの一例を示す平面図である。

【図４】上記図３上のＢ−Ｂ線縦断側面図である。

【図５】本発明パッケージを製造する際のマンドレルの
一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ カートン ２ 切断面 ３ 折返し縁 ４ａ、４ｂ 段差 ５ プレッシャーパッド ９ マンドレル

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙製のブランクを折り曲げて形成したカ
   ートンの加圧により形成され、対向する外形縁をそれぞ
   れ底辺として中央部分に向かう紙の折り返し縁により形
   成される一対の三角形部を有する底部を具備する飲料用
   液体パッケージにおいて、底部は周辺の面部を第一面と
   し、前記面部を残して底部中央に折り重ね厚みに応じて
   設けた２個の段差４ａ，４ｂで形成される段差面により
   三段階の高さに設定し、前記段差４ｂで囲まれた中央部
   分を最も窪ませ、段差４ａと４ｂとの中間域をやや窪ま
   せ、前記段差面は前記面部と平行な面とした飲料用液体
   パッケージ。
2. 【請求項２】 前記段差は水平面とこれに対する垂直面
   とを備える請求項１に記載の飲料用液体パッケージ。
3. 【請求項３】 段差４ｂで囲まれた最も窪んだ底部の中
   央部分は、紙の重なり枚数が４枚部である前記三角形部
   の対向する一対の頂部を含む請求項１に記載の飲料用液
   体パッケージ。
4. 【請求項４】 段差４ｂで囲まれた最も窪んだ底部の中
   央部分は、前記三に角形部における紙の重なり枚数が４
   枚部である対向する一対の頂部と、前記頂部周辺の紙の
   重なり枚数が２枚部と、前記４枚部と前記２枚部との境
   界を跨ぎかつ一対の分離した頂部間に延びる外側に露出
   した紙の切断面２とを含む請求項１に記載の飲料用液体
   パッケージ。