JP3243043B2 - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JP3243043B2
JP3243043B2 JP5349693A JP5349693A JP3243043B2 JP 3243043 B2 JP3243043 B2 JP 3243043B2 JP 5349693 A JP5349693 A JP 5349693A JP 5349693 A JP5349693 A JP 5349693A JP 3243043 B2 JP3243043 B2 JP 3243043B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造工程
におけるパターン形成方法に係わり、特にマスクに形成
されたパターンを基板上に転写して所望パターンを形成
するパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体技術の進歩と共に、半導体
装置ひいては半導体素子の高速化,高集積化が進められ
ている。それに伴い、パターンの微細化の必要性は益々
高くなり、パターン寸法も微細化,高精度化が要求され
るようになっている。この要求を満す目的で、露光光源
に遠紫外光など短波長の光が用いられるようになってき
た。しかし、次世代の露光光源に用いられようとしてい
るΚrFエキシマレーザの248nmの発振線を用いた
プロセスは、レジスト材料として化学増幅型レジストが
開発されつつあるものの研究段階にあり、現時点での実
用化は未だ困難である。このように露光光源の波長を変
えた場合、材料開発から必要となるため実用化に至るま
でかなりの期間を要することになる。
【0003】一方では、露光光源を変えずに微細化する
試みが成されてきている。その一つの手法として、位相
シフト法がある。この位相シフト法は、光透過部に部分
的に位相反転層を設け、隣接するパターンからの光の回
折の影響を除去し、パターン精度の向上をはかるもので
ある。位相シフト法にも幾つかの種類があり、隣接する
2つの光透過部の位相差を交互に180°設けることで
形成されるレベンソン型が特に知られている。
【0004】しかし、位相シフト法ではパターンが3つ
以上隣接する場合に効果を発揮することが難しい。即
ち、2つのパターンの光位相差を180°とした場合、
もう一つのパターンは先の2つのパターンのうち一方と
同位相となり、その結果、位相差180°のパターン間
は解像するが、位相差0°のパターン間では非解像とな
るという問題がある。この問題を解決するためには、デ
バイス設計を根本から見直す必要があり、直ちに実用化
するのにかなりの困難を要する。
【0005】位相シフト法を用い、且つデバイス設計変
更を必要としない手法として、ハーフトーン法がある。
一般的なハーフトーンマスクの原理を図11に示す。ハ
ーフトーンマスクに具備されたマスクパターンは、透過
率を調整する吸収膜と透明な位相調整膜により形成さ
れ、露光光源に対し振幅透過率1〜30%を有し、且つ
透過部に対し、マスクパターンを透過する光の位相差が
180±10°となるように膜厚を調整したものであ
る。
【0006】このような構造にすることで、光振幅分布
において一点鎖線で示すような干渉を生じさせ、像強度
分布においてパターン分離をはかるものである。なお、
特願平3−297461号によれば、吸収膜と位相調整
膜の2つの機能を同時に備えた半透明位相シフト膜の形
成も可能である。
【0007】ところで、ハーフトーンマスクはエッジ部
分の解像性能が向上する反面、マスクパターンが光を透
過することに起因する現象、即ちポジレジストを用いた
場合にはレジストパターン中央部の膜減が、ネガレジス
トを用いた場合にはスペース部分での残膜が問題となっ
ていた。この問題を解決するため特願平3−34604
2号に示すように、露光時に露光装置の2次光源半径L
に対し、光軸より半径0.5L〜0.8Lより内側の部
分を暗部として形成した輪帯絞りを介し照明する方法が
提案されている。
【0008】しかしながら、この種の方法にあっては次
のような問題があった。図12に示すように、ハーフト
ーン位相シフトマスクを介してウェハ上にマスクパター
ンを結像した場合において、i線用レジスト(日本合成
ゴム社製PER−IX150)を膜厚1.2μmで形成
したときの、焦点位置における輪帯遮蔽率に対する側壁
角度を示す。図12で示されるように、輪帯遮蔽率が大
きくなるに従い側壁角度が急激に低下することが判る。
焦点位置における側壁角度の低下は、焦点深度の低下を
もたらしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、輪帯
照明技術を用いてパターン転写を行っても、輪帯遮蔽率
が大きくなるに従い側壁角度が急激に低下し、焦点深度
の低下を招く問題があった。そして、この焦点深度の低
下は転写パターンの精度低下につながる。
【0010】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、輪帯照明技術を適用し
た場合における焦点深度の低下を抑制することができ、
露光精度の向上をはかり得るパターン形成方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、輪帯照
明技術を適用した場合において、各種マスクに対する最
適なレジストを用いることにある。
【0012】即ち、本発明(請求項1)は、透光性基板
に遮光材料からなるマスクパターンを形成した露光用マ
スクを用い、基板上に形成された感光性樹脂膜に対して
露光を行うパターン形成方法において、前記感光性樹脂
膜のγ値が2.5以上のレジストを用い、且つ露光装置
の2次光源の半径Lに対し、光軸より半径0.5L〜
0.8Lより内側の部分を暗部として形成した輪帯照明
により前記露光を行うことを特徴とする。
【0013】また、本発明(請求項2)は、透光性基板
に該基板に対する位相差が(180×(2n+1)±1
0:n=整数)°の関係を満たす位相シフトパターン部
を形成した露光用マスクを用い、基板上に形成された感
光性樹脂膜に対し露光を行うパターン形成方法におい
て、前記感光性樹脂膜のγ値が2.3以上のレジストを
用い、且つ露光装置の2次光源の半径Lに対し、光軸よ
り半径0.5L〜0.8Lより内側の部分を暗部として
形成した輪帯照明により前記露光を行うことを特徴とす
る。また、本発明の望ましい実施態様としては次のもの
が上げられる。
【0014】(1) 位相シフトパターン部は、透光性基板
に対する位相差が(180×(2n+1)±10:n=
整数)°の関係を満たす、半透明材料からなるパターン
であること。
【0015】(2) 半透明材料の透光性基板に対する振幅
透過率を20±15%となるように設定すること。とり
わけ振幅透過率を20%とすることで輪帯照明時に瞳面
上における0次光と1次光乃至−1次光の強度を等しく
することができ、最も理想的な2光束干渉を生じさせる
ことができ焦点深度も飛躍的に向上させることを可能と
している。
【0016】(3) 位相シフトパターン部は、透光性基板
に対する位相差が(180×(2n+1)±10:n=
整数)°の関係を満たす、透明材料からなるパターンで
あること。
【0017】(4) 位相シフトパターン部は、透光性基板
上に形成された遮光部と、この遮光部の周囲の部分的或
いは全体に形成され、隣接する開口部に対する位相差が
(180×(2n+1)±10:n=整数)°の関係を
満たす透明材料からなること。
【0018】
【作用】本発明者らは、レジストのγ値と焦点深度との
関係を調べるべく各種実験を行ったところ、次のような
事実を見出した。即ち、透光性基板上に遮光材料からな
るマスクパターンを形成した露光用マスクを用いた場
合、レジストのγ値が大きくなるほど焦点深度は大きく
なる。さらに、輪帯照明で0.5〜0.8Lを暗部とし
た場合、レジストのγ値が小さいと通常照明の場合より
も焦点深度は小さくなるが、γ値が2.5以上となると
通常照明よりも焦点深度が大きくなる。従って、γ値を
2.5以上とすることにより、輪帯照明技術を適用した
場合における焦点深度の低下を抑制することができ、露
光精度の向上をはかることが可能となる。
【0019】また、透光性基板上に該基板に対する位相
差が(180×(2n+1)±10:n=整数)°の関
係を満たす位相シフトパターン部を形成した露光用マス
クを用いた場合には、γ値が2.3以上となると通常照
明よりも焦点深度が大きくなる。従って、γ値を2.3
以上とすることにより、輪帯照明技術を適用した場合に
おける焦点深度の低下を抑制することができ、露光精度
の向上をはかることが可能となる。なお、レジストのγ
値は、露光量E1 ,E2 を与え、現像して得られる規格
化膜厚T1 ,T2 (規格化膜厚=現像後膜厚/初期膜
厚)に対し、 r=−(T1 −T2 )/(log10E1 −log10E2 ) で定義される。ここで、0.8>T2 ,T2 >T1 ≧0
であり、本願ではT2 =0.5,T1 =0とした。
【0020】
【実施例】実施例を説明する前に、本発明の基本原理に
ついて説明する。図5は、露光光源にi線を、露光装置
にNA=0.5、σ=0.6を具備するものを用い、遮
光パターンから成るマスクに輪帯照明を適用した場合と
しない場合において、像コントラストより焦点深度を求
めたものである。図5より、輪帯照明を適用した場合で
大きな焦点深度が得られることが判る。
【0021】また、図6にはハーフトーン型位相シフト
マスク(強度透過率5%)を用いた場合の同様の検討結
果を示す。ハーフトーン型位相シフトマスクの場合も、
輪帯照明を適用した場合で大きな焦点深度が得られるこ
とが分かった。これらの結果は像コントラスト、即ち使
用する残膜特性を反映するもので、残膜特性で判断する
限りにおいては輪帯照明を適用することで焦点深度の増
大がはかられると言える。
【0022】焦点深度を決める要素は、上述の残膜特性
の他、エッチング等の後工程を考えた場合、側壁角度も
大変重要な判断基準となる。この基準として、側壁角度
を81°以上であることを必要とし、この条件と残膜率
90%を維持する条件より焦点深度を定める。この条件
により2種類のレジストについて評価した結果を次に示
す。
【0023】図6に、実験により得られたハーフトーン
型位相シフトマスクを用い輪帯照明を適用した場合とし
ない場合におけるi線用通常レジストの焦点深度を示
す。この場合輪帯照明を適用することで大きな焦点深度
が得られた。図7に、i線用カラーレジストに対しハー
フトーン型シフトマスクを用い輪帯照明を適用した場合
としない場合におけるi線用通常レジストの焦点深度を
示す。ここで得られた結果は、図6で得られた結果とは
大きく異なり、輪帯照明を適用することで焦点深度が低
下することを示している。また、図7で得られた焦点深
度は側壁角度の低下により決められていることが判明し
ている。
【0024】図6と図7で焦点深度が大きく異なるの
は、図6では像コントラスト、即ち残膜特性より焦点深
度を求めており、一方図7では側壁角度より求めている
ことにある。輪帯照明露光では前記した図12で示され
るように側壁角度の低下が見られ、焦点深度の議論も側
壁角度より行うことが妥当であると言える。側壁角度に
よる焦点深度の考察法について以下に述べる。
【0025】以下、像プロファイル,レジスト残膜特性
より側壁角度を近似的の求める手法について述べる。側
壁角度を求める手順としては、像プロファイルよりパタ
ーンエッジ近傍(パターン断面横方向の微少変化量をΔ
xとする)における像強度の変化量ΔΕをまず求める。
【0026】図8(a)にライン&スペースパターンの
上面図を示す。この図をΑ−Α′で切断して得られる断
面図を(b)に、またこのパターンに対応する像プロフ
ァイルを(c)に示す。なお、この断面の横軸をx軸に
とることにする。図8(b)のパターンエッジ部及びパ
ターンエッジ部より微少量Δxだけ異なる部分の光強度
は、像強度プロファイル(c)よりそれぞれΕ0 、Ε′
として与えられる。ここでΔΕを ΔE=Ε′/Ε0 … (1) と与えることにする。次に、光強度変化量ΔΕに相当す
る規格化膜厚の変化量ΔΤをレジスト残膜特性より見積
もる。
【0027】図9に、レジスト残膜特性図を示す。図中
の横軸にはレジストの露光量の対数を、縦軸には規格化
膜厚(=残膜厚/初期膜厚)を示す。レジストのγ値
は、露光量の対数に対する規格化膜厚のグラフが、規格
化膜厚=0の直線となす角度θに対し、式(2)のよう
に定義される。 γ=tanθ … (2) 微少量Δxにおける光強度はΕ′であるから、規格化膜
厚=0における露光量Ε0 とγを用い、微少量Δxにお
ける規格化膜厚ΔΤは ΔΤ=−γ{log10(Ε0 )−log10(Ε′)} … (3) で与えられる。式(3)をΔΕを用い ΔΤ=−γ(log10(1/ΔΕ) … (4) と現すことができる。式(4)により得られたΔΤとΔ
xより側壁角度θは θ=tan-1(ΔΤ′/Δx) … (5)
【0028】として求められる。なお、式(4)は一位
的にΔΕが定まればΔΤはレジストのγ値に依存するこ
とを意味する。そこで、式(4)でγを可変にしてΔΤ
を求め、さらに式(5)にこれを代入し側壁角度θを求
めることで、レジストのγ特性に対する側壁角度で決ま
る焦点進度を求めた。なお、焦点深度の定義は、側壁角
度が81°以上を維持し、且つ規格化膜厚が90%以上
である範囲とした。
【0029】図1は、透光性基板上に遮光材料からなる
マスクパターンを配設した露光用マスク(図10
(a))を用い、任意のγ特性のレジストにパターン露
光を行った場合の焦点深度を、個々の輪帯遮蔽率におい
て求めたものである。ここで、輪帯遮蔽率=0とあるの
は通常照明を示す。例えば、λ=365nmでNA=
0.5により0.5μmパターンを得ようとした場合、
輪帯遮蔽率が0.5以上で且つ通常照明時以上の焦点深
度を得ようとした場合、γ特性2.5以上のレジストを
用いる必要があることが判る。また、デバイス作成上2
μm以上の焦点深度(規格化焦点深度1.37)を必要
とする場合にはγ特性2.8以上のレジストを用いる必
要があることが判る。
【0030】図2は、透光性基板に対する位相差が18
0°の関係を満たし、開口部に対する振幅透過率として
20%を有する透明材料からなるマスクパターンを具備
した露光用マスク(図10(b)〜(d))ハーフトー
ン型マスク)を用い、任意のγ特性のレジストにパター
ン露光を行った場合の焦点深度を、個々の輪帯遮蔽率に
おいて求めたものである。ここで、輪帯遮蔽率=0とあ
るのは通常照明を示す。輪帯遮蔽率が0.5以上で、且
つ通常照明時以上の焦点深度を得ようとした場合、γ特
性2.3以上のレジストを用いる必要があることがわか
る。なお、半透明膜の開口部に対する振幅透過率が10
%乃至30%の範囲において同様の結果を得た。また、
デバイス作成上2μm以上の焦点深度を必要とする場合
にはγ特性2.45以上のレジストを用いる必要がある
ことが判る。
【0031】なお、遮光部の周囲の部分或いは全体に、
隣接する開口部に対する位相差が180°の関係を満た
す透明材料からなる位相シフト部を具備した露光用マス
ク(図10(e)(f))についても、ハーフトーン型
マスクと同様に輪帯遮蔽率が0.5以上で、且つ通常照
明時以上の焦点深度を得ようとして場合、γ特性2.3
以上のレジストを用いる必要があることが判る。また、
デバイス作成上2μm以上の焦点深度を必要とする場合
にはγ特性2.45以上のレジストを用いる必要がある
ことが判った。
【0032】さらに、透光性基板に対し、位相差が18
0°の関係を満たす透明材料からなる位相シフトパター
ンを具備した露光用マスク(図10(g))について
も、ハーフトーン型マスクと同様に輪帯遮蔽率が0.5
以上で、且つ通常照明時以上の焦点深度を得ようとした
場合、γ特性2.3以上のレジストを用いる必要がある
ことが判る。また、デバイス作成上2μm以上の焦点深
度を必要とする場合にはγ特性2.45以上のレジスト
を用いる必要があることが判った。
【0033】以下、本発明の各実施例方法について説明
する。露光装置としては、図3に示すような縮小投影露
光装置を用いた。この装置では、水銀ランプg線を光源
1とし、コリメータ2で平行光線としたのち蠅の目レン
ズ3によって光線を均一化し、この結像位置を2次光源
4とし、ここに輪帯フィルタを設置する。そして、2次
光源4からの光をコンデンサレンズ5で集光してマスク
6に照射し、マスクを通過した光を瞳7及び投影レンズ
8を介してウェハ9上のレジスト膜表面に導くようにし
ている。 (実施例1)
【0034】Si基板上にγ特性2.0なる色素含有ポ
ジレジストを膜厚1.0μmで塗布し、ベイキングを行
いレジスト膜を形成した。次いで、図3に示したような
i線露光装置(NA=0.5,σ=0.6,輪帯遮蔽率
0.5)で、Crと酸化Crの2層膜より成る遮光パタ
ーンを有する露光用マスク(遮光マスク)を用いて露光
を行った。その後、現像処理を行ったところ、0.5μ
mパターンを焦点深度0.9μmで形成することができ
た。なお、本レジストを用い輪帯照明露光を行わない場
合には焦点深度1.1μmが得られており、輪帯照明露
光を行うことで焦点深度が低下することが確認された。
【0035】これに対し、γ特性2.9なるポジレジス
トを膜厚1.0μmで形成し、同様の光学系によりパタ
ーン転写を行い現像処理をしたところ、0.5μmパタ
ーンを焦点深度2.0μmを得ることができた。なお、
本レジストを用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点
深度1.5μmが得られており、輪帯照明露光を行うこ
とで焦点深度が向上することが確認された。
【0036】また、γ特性2.5なるポジレジストを膜
厚1.0μmで形成し、同様の光学系によりパターン転
写を行い現像処理をしたところ、0.5μmパターンを
焦点深度1.6μmを得ることができた。なお、本レジ
ストを用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点深度
1.5μmが得られており、輪帯照明露光を行っても焦
点深度が殆ど変化しないことが確認された。
【0037】このように、遮光マスクを用い輪帯遮蔽率
0.5を適用した露光では通常照明露光と比較し、レジ
ストのγ特性2.5程度を境界に、それより低γレジス
トを用いた場合には焦点深度が低下し、それより高γ特
性のレジストを用いた場合には焦点深度が向上すること
が実験により確認された。 (実施例2)
【0038】Si基板上にγ特性2.0なる色素含有ポ
ジレジストを膜厚1.0μmで塗布し、ベイキングを行
いレジスト膜を形成した。次いで、i線露光装置(NA
=0.5、σ=0.6、輪帯遮蔽率0.67)で、強度
透過率4.7%で、透明部に対し位相差180°と成る
ように調整された半透明膜を具備する露光用マスク(ハ
ーフトーンマスク)を用いて露光を行った。その後、現
像処理を行ったところ、0.5μmパターンを焦点深度
0.8μmで形成することができた。なお、本レジスト
を用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点深度1.2
μmが得られており、輪帯照明露光を行うことで焦点深
度が低下することが確認された
【0039】これに対し、γ特性2.9なるポジレジス
トを膜厚1.0μmで形成し同様の光学系によりパター
ン転写を行い現像処理をしたところ、図4に示すように
0.5μmパターンで焦点深度2.3μmを得ることが
できた。なお、本レジストを用い輪帯照明露光を行わな
い場合には焦点深度1.6μmが得られており、輪帯照
明露光を行うことで焦点深度が飛躍的に向上することが
確認された。
【0040】また、γ特性2.3なるポジレジストを膜
厚1.0μmで形成し、同様の光学系によりパターン転
写を行い現像処理をしたところ、0.5μmパターンを
焦点深度1.5μmを得ることができた。なお、本レジ
ストを用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点深度
1.1μmが得られており、輪帯照明露光を行うことで
若干の焦点深度向上が確認された。
【0041】このように、ハーフトーンマスクを用い、
輪帯遮蔽率0.67を適用した露光では通常照明露光と
比較し、レジストのγ特性2.3程度を境界にそれより
低γレジストを用いた場合には焦点深度が低下し、それ
より高γ特性のレジストを用いた場合には焦点深度が向
上することが実験により確認された。 (実施例3)
【0042】Si基板上にγ特性2.0なる色素含有ポ
ジレジストを膜厚1.0μmで塗布し、ベイキングを行
いレジスト膜を形成した。次いで、i線露光装置(NA
=0.5、σ=0.6、輪帯遮蔽率0.6)でCrと酸
化Crの2層膜より成る遮光パターンの周囲に開口部と
は位相が180°異なるよう調整されたSiO2 より成
る位相シフトパターンを具備した露光用マスク(位相シ
フトマスク)を介し露光を行った。その後、現像処理を
したところ、0.5μmパターンを焦点深度1.1μm
で形成することができた。なお、本レジストを用い輪帯
照明露光を行わない場合には焦点深度1.1μmが得ら
れており、輪帯照明露光を用いても焦点深度は殆ど変化
しなかった。
【0043】これに対し、γ特性2.9なるポジレジス
トを膜厚1.0μmで形成し、同様の光学系によりパタ
ーン転写を行い現像処理をしたところ、0.5μmパタ
ーンを焦点深度2.2μmを得ることができた。なお、
本レジストを用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点
深度1.4μmが得られており、輪帯照明露光を行うこ
とで焦点深度が飛躍的に向上することが確認された。
【0044】また、γ特性2.3なるポジレジストを膜
厚1.0μmで形成し、同様の光学系によりパターン転
写を行い現像処理をしたところ、0.5μmパターンを
焦点深度1.3μmを得ることができた。なお、本レジ
ストを用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点深度
1.2μmが得られており、輪帯照明露光を行うことで
若干の焦点深度向上が確認された。
【0045】このように、位相シフトマスクを用い輪帯
遮蔽率0.6を適用した露光では通常照明露光と比較
し、レジストのγ特性2.3程度を境界にそれより低γ
レジストを用いた場合には焦点深度が低下し、それより
高γ特性のレジストを用いた場合には焦点深度が向上す
ることが実験により確認された。 (実施例4)
【0046】Si基板上にγ特性2.0なる色素含有ポ
ジレジストを膜厚1.0μmで塗布し、ベイキングを行
いレジスト膜を形成した。次いで、i線露光装置(NA
=0.5、σ=0.6、輪帯遮蔽率0.6)で開口部と
は位相が180°異なるよう調整されたSiO2 より成
る位相シフトパターンを具備した露光用マスク(位相シ
フトマスク9を用いて露光を行った。その後、現像処理
を行ったところ、0.5μmパターン(マスクパターン
はウェハ上0.3μmに相当)を焦点深度0.9μmで
形成することができた。なお、本レジストを用い輪帯照
明露光を行わない場合には焦点深度1.0μmが得られ
ており、輪帯照明露光を用いた場合若干焦点深度は低下
した。
【0047】これに対し、γ特性2.9なるポジレジス
トを膜厚1.0μmで形成し、同様の光学系によりパタ
ーン転写を行い現像処理をしたところ、0.5μmパタ
ーンで焦点深度2.1μmを得ることができた。なお、
本レジストを用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点
深度1.3μmが得られており、輪帯照明露光を行うこ
とで焦点深度が飛躍的に向上することが確認された。
【0048】また、γ特性2.3なるポジレジストを膜
厚1.0μmで形成し、同様の光学系によりパターン転
写を行い現像処理をしたところ、0.5μmパターンで
焦点深度1.2μmを得ることができた。なお、本レジ
ストを用い輪帯照明露光を行わない場合には焦点深度
1.2μmが得られており、輪帯照明露光を行っても焦
点深度は変化無かった。
【0049】このように、位相シフトマスクを用い輪帯
遮蔽率0.6を適用した露光では通常照明露光と比較
し、レジストのγ特性2.3程度を境界にそれより低γ
レジストを用いた場合には焦点深度が低下し、それより
高γ特性のレジストを用いた場合には焦点深度が向上す
ることが実験により確認された。
【0050】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では色素含有ポジ型レジスト
を用いたが、これに限らず遮光パターンを有する露光用
マスクの場合はγ値が2.5以上、位相シフトパターン
部を有する露光用マスクの場合は2.3以上のものであ
れば使用することができる。さらに、ポジ型に限らずネ
ガ型を用いることも可能である。また、露光装置は図3
に何等限定されるものではなく、輪帯照明方式の各種装
置を使用することが可能である。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、輪
帯遮蔽率0.5〜0.8を2次光源として露光する場
合、遮光材料からなるマスクパターンとを具備した露光
用マスクを用いた場合、2.5以上のγ値を有するレジ
ストを用いることで、また、透光性基板に対する位相差
が(180×(2n+1)±10:n=整数)°の関係
を満たす位相シフトパターン部を設けた露光用マスクを
用いた場合、2.3以上のγ値を有するレジストを用い
ることで、通常照明露光により得られる焦点深度より大
きな焦点深度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮光マスクを用いた場合のレジストのγ値と焦
点深度の関係を示す特性図。
【図2】ハーフトーンマスクを用いた場合のレジストの
γ値と焦点深度の関係を示す特性図。
【図3】実施例に用いた縮小投影露光装置の光学系構成
を示す図。
【図4】γ特性2.9なるレジストに輪帯照明を適用し
た場合のパターン寸法と焦点深度との関係を示す特性
図。
【図5】遮光パターンからなるマスクを用いた場合のパ
ターン寸法と焦点深度との関係を示す特性図。
【図6】像コントラストから求めた、ハーフトーンマス
クを用いた場合のパターン寸法と焦点深度との関係を示
す特性図。
【図7】側壁角度より求めた、ハーフトーンマスクを用
いた場合のパターン寸法と焦点深度との関係を示す特性
図。
【図8】像強度分布より側壁角度を求める手法を説明す
るための模式図。
【図9】露光量に対するレジストの規格化膜厚(残膜特
性)を示す特性図。
【図10】露光用マスクの各種種類を示す模式図。
【図11】遮光マスクとハーフトーンマスクの原理を説
明するための模式図。
【図12】ハーフトーンマスクに輪帯照明を適用したと
きの側壁角度の低下を説明するための図。
【符号の説明】
1…光源 2…コリメータ 3…蠅の目レンズ 4…2次光源 5…コンデンサレンズ 6…マスク 7…瞳 8…投影レンズ 9…ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−179958(JP,A) 特開 平3−177014(JP,A) 特開 昭53−107276(JP,A) 特開 平4−324864(JP,A) 特開 平4−179213(JP,A) 特開 平5−181256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板上に遮光材料からなるマスクパ
    ターンを形成した露光用マスクを用い、基板上に形成さ
    れた感光性樹脂膜に対して露光を行うパターン形成方法
    において、 前記感光性樹脂膜のγ値が2.5以上のレジストを用
    い、且つ 露光装置の2次光源の半径Lに対し、光軸より
    半径0.5L〜0.8Lより内側の部分を暗部として形
    成した輪帯照明によって前記露光を行うことを特徴とす
    るパターン形成方法。
  2. 【請求項2】透光性基板上に該基板に対する位相差が
    (180×(2n+1)±10:n=整数)°の関係を
    満たす位相シフトパターン部を形成した露光用マスクを
    用い、基板上に形成された感光性樹脂膜に対し露光を行
    うパターン形成方法において、 前記感光性樹脂膜のγ値
    が2.3以上のレジストを用い、且つ露光装置の2次光
    源の半径Lに対し、光軸より半径0.5L〜0.8Lよ
    り内側の部分を暗部として形成した輪帯照明によって前
    記露光を行うことを特徴とするパターン形成方法。
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