JP3242911B2 - 静止誘導電器の異常診断装置 - Google Patents

静止誘導電器の異常診断装置

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JP3242911B2 JP33939090A JP33939090A JP3242911B2 JP 3242911 B2 JP3242911 B2 JP 3242911B2 JP 33939090 A JP33939090 A JP 33939090A JP 33939090 A JP33939090 A JP 33939090A JP 3242911 B2 JP3242911 B2 JP 3242911B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は静止誘導電器の異常診断装置に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
従来の油入変圧器などの異常診断装置として油中に溶
解したガスを分析し、発生ガスの種類やガス量から異常
を識別しようとする装置があり、最近では、文献,平成
2年電気学会全国大会論文集No.851に記載されているよ
うに変圧器に分析装置を直結して連続分析をする装置も
開発されている。
また、ガス封入電気機器の故障診断装置として、特開
昭63−24125号公報に記載されているように封入ガスの
一部を抽出・分析をして異常を診断する装置も考えられ
ている。
また、ガスを封入した電気機器のガス漏れ検出装置と
して、特開昭63−241908号公報に記載されているように
温度とガス圧力からガス密度を監視し、ガス漏れの検出
を行なう装置が考えられている。
また、特開平1−245122号公報に記載されているよう
に設備機器から発生する振動や音の周波数成分ごとのレ
ベルを正常状態のときのレベルと比較し、異常を検出す
ることが考えられている。
さらに文献,平成2年電気学会全国大会論文集No.856
に記載されているように変圧器の運転状態を監視するた
めの複数個のセンサーを取付け、データを記憶装置に取
り込む自動計測装置も開発されている。
上記のものは、最近、都市部の電力需要の増大に対処
して市街地に大容量の変電所を設置する必要があり、市
街地の防災という観点から、機器の不燃化を図るととも
に大事故になる前に事故の予測保全を行なうための異常
監視装置が必要であることが背景になっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術はセンサーの正常運転検知量が大きくな
ったり、小さくなったりする異常値を示すことによって
診断を行なうものであり、センサーの種類によっては機
器の異常でないものも異常値として検出してしまう場合
がある。たとえば、巻線の接地端子から高周波電流パル
スセンサーを介して部分放電検出装置で部分放電を検出
する場合、変圧器内部の部分放電パルス以外に、その変
圧器と電気的に接続された別の機器からのスイッチング
ノイズ、あるいは、自動車やバイクなどの点火装置から
発生する電磁波ノイズ、あるいは雷発生時の電磁波ノイ
ズなどいわゆる妨害信号も検出してしまう。したがっ
て、変圧器内部の部分放電なのか外部から侵入した妨害
信号なのかを区別するのが困難である。
また、超音波センサーで部分放電発生時の超音波信号
を検出して部分放電異常を検知する場合においても妨害
ノイズとの識別を行なうのに高度な測定技術が要求され
る。従来は電気的パルスと超音波パルスを同時に検出
し、発生点からセンサーまでの超音波の伝搬時間遅れと
電気的パルスの時間関係から内部部分放電を識別する方
法が採用されているが、部分放電発生時の電気的パルス
を識別するのが前記したように困難であるため、外部よ
り侵入するノイズの除去が大きな技術課題になってい
る。
また、変圧器の補機、たとえば、循環ポンプや冷却機
ファンなどの運転状態の音や振動のレベル変化を異常診
断に用いる場合においても、別の場所で発生した妨害音
なのか、あるいは振動なのかの識別が困難で誤った診断
をしてしまう。
したがって、変圧器の内部あるいは外部に取り付けた
個々のセンサー検知量によって異常診断を行なう従来技
術は誤った診断をする可能性がある。また、変圧器の運
転が正常か異常かを判断するのに高度な技術と経験が必
要である。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、変圧器
運転状態での異常を正確に診断し、かつ異常の種別、程
度、故障箇所を速やかに出力・表示して運転者にしらせ
ることを可能とした静止誘導電器の異常診断装置を提供
することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、鉄心に巻回された巻線をタンクに収納し
た本体と冷却器やポンプなどの補機から構成される静止
誘導電器の運転状態を検知するセンサーと、前記検知量
を記録・表示する装置とを備えた静止誘導電器の異常診
断装置において、前記本体と補機とその周囲に異種セン
サーを少なくとも2以上取り付けるとともに、前記セン
サーからの検知量を閾値ごとに基準化する変換部と、前
記センサーの配列順序にしたがって基準化検知量をパタ
ーン化するパターン形成部と、このパターンを記憶する
パターン記憶部と、入力した検知量パターンと記憶部の
パターンとを比較するパターン比較部と、この比較結果
を出力・表示する出力表示部と、前記基準化する変換部
と前記パターン形成部と前記パターン記憶部と前記パタ
ーン比較部と前記出力表示部の動作制御を行うコントロ
ーラとを設けることにより、達成される。
すなわち、変圧器の内部、外部に取り付けたセンサー
から同時に検出した検知量を電気的に変換して基準化
し、閾値毎にレベル分けを行ない、センサー配列にした
がって検知量をパターン化するようにし、予め記憶させ
ておいた異常種別ごとのセンサー配列パターンと比較し
てそのパターンが合致するかどうかを調べることによっ
て異常種別を判断するようにしたものである。
また、種々の異常を模擬してセンサーを作動させ、そ
の時の検知量の配列パターンを記憶させるようにし、多
くの種類の配列パターンをデータとして記憶しておくよ
うにし、運転中のあらゆる異常状態も見過ごすことがな
いようにしたものである。
また、実際の運転において配列パターンとして記憶さ
れていない未知の異常についても新たにその異常を記憶
部に追加し、異常診断の高度化を達成するようにしたも
のである。
また、異常状態を示すパターンが表示された場合に
は、センサー検知量を変換する基準化変換部へのデータ
取り込み時間間隔を短縮し診断回数を増やしてその異常
をより正確に診断するようにしたものである。
また、変圧器巻線や鉄心を冷却する冷媒液の温度は負
荷電流や周囲温度によって変化し、それにともなって液
量が増減する。したがって、液漏れなどの異常状態の判
断は液温変化による増減を補正した液面高さ変化を検知
したものでなければならず、液面位置センサーの基準化
変換部ではこのような補正機能を持たせるようにしたも
のである。
また、液温は正常状態で負荷電流や周囲温度によって
変化する。したがって、変圧器内部の過熱などの異常状
態の判断は負荷電流と周囲温度の変化を補正したもので
なければならず、液温度センサーの基準化変換部ではこ
のような補正機能を持たせるようにしたものである。
また、封入ガス圧力はガス温度によって変化し、ガス
漏れなどの異常状態の判断はガス温度の変化を補正した
ものでなければならず、ガス圧力センサーの基準化変換
部ではこのような補正機能を持たせるようにしたもので
ある。
〔作用〕
上記手段を設けたので、変圧器運転状態での異常が正
確に診断され、かつ異常の種別、程度、故障箇所が速や
かに出力・表示されるようになる。
変圧器運転中に各種センサーへのデータ取り込み時間
を所定間隔で同時に行なうよう設定しておくことによ
り、変圧器の状態に応じてセンサーの検知量は検知量変
換部へ取り込まれ、電気量に変換される。センサーの検
知量は所定の範囲毎に何段階かにレベル分けを行ない、
センサー検知の強弱を区分けしている。すなわち、セン
サーS1の電気量はレベルV1、センサーS2は電気量レベル
V2、センサーSnは電気量レベルVnとなる。センサーS1,S
2,…,Snの配列順序にしたがって電気量レベルはV1,V2,
…,Vnの順序となり、これを一つのパターンPmとしてい
る。パターン記憶部には予め異常状態あるいは妨害現象
を表すパターンがP1〜Pkまで格納されており、運転中に
検知された電気量レベルのパターンPmが記憶パターンP1
〜Pkのどれと合致するかをパターン比較部で比較演算す
るようにしている。パターンPmが記憶パターンのいずれ
にも合致いない場合は正常な状態と判断し、記憶パター
ンのいずれかに合致した場合はそのパターンに相当する
異常状態、あるいは妨害現象であると判断し、その比較
結果を出力・表示する。したがって、運転者がセンサー
動作状態を監視・判断するのではなく、センサーからの
取り込みデータを自動的に比較・判断してその結果を出
力・表示・警報発振をするように動作する。
データ記憶部への異常状態あるいは妨害現象のパター
ンの記憶は予め人為的にその状態を模擬してセンサーを
動作させ、そのパターンを記憶させておくことにより、
多数の異常状態のパターン化が可能である。また、運転
中の変圧器において、未記憶の新しい異常現象があった
場合においても、そのパターンを新しいデータとして記
憶させることによりパターンの種類をさらに拡張させる
ことができ、異常現象を見過ごすことのない異常診断装
置に改善する働きがある。
データ記憶部は書き込み、読み出しが可能なメモリー
として動作し、変圧器運転中のセンサー取り込みデータ
との比較演算はマイクロコンピュータによって行なわれ
るため、記憶データ数が多くてもその結果の出力・表示
を速やかに行なうように動作する。
〔実施例〕
以下、図示した実施例に基づいて本発明を説明する。
第1図〜第3図には本発明の一実施例が示されている。
第1図は本発明の一実施例を示す異常診断装置の構成を
示す。センサーS1〜Snは変圧器の内外に、検知目的に応
じて取り付けられ、センサー検知量は電圧、電流などの
電気量に変換されて基準化変換部(1)〜(n)11に接
続される。それぞれの基準化変換部11ではコントローラ
20からのコンピュータ制御により電気量を基準化、レベ
ル分けされ、パターン形成部12に取り込まれる。パター
ン形成部12ではセンサー配列にしたがった電気量レベル
の配列パターンを形成し、そのパターン形成部12はパタ
ーン記憶部13とパターン比較部14に接続されており、パ
ターンデータの入出力はコントローラ20によって制御さ
れる。さらにその結果を出力表示する出力表示部15もコ
ントローラ20によって制御される。このようにすること
により、変圧器運転状態での異常が正確に診断され、か
つ異常の種別、程度、故障個所が速やかに出力・表示さ
れるようになって、変圧器運転状態での異常を正確に診
断し、かつ異常の種別、程度、故障個所を速やかに出力
・表示して運転者にしらせることを可能とした静止誘導
電器の異常診断装置を得ることができる。
上述のような構成におけるパターン形成の一実施例を
第2図を用い、第1図を参照して説明する。対象とする
変圧器については図示しないが、その構造は変圧器巻線
と鉄心を絶縁容器に収納して不燃性冷媒液を入れ、その
外側にもう一つの鉄タンクを配置し鉄タンク内にガスを
封入した液−ガス複合絶縁方式の変圧器であり、これを
一つの例として説明する。
液面位置センサーS1は基準化変換部(1)に接続さ
れ、パターン形成部12へデータの一部として転送され
る。液漏れ検知センサー(タンク内底部)S2は基準化変
換部(2)に接続され、パターン形成部12へデータの一
部として転送される。液漏れ検知センサー(タンク外
部)S3は基準化変換部(3)に接続され、パターン形成
部12へデータの一部として転送される。ポンプ吐出口圧
力センサーS4は基準化変換部(4)に接続され、パター
ン形成部12へデータの一部として転送される。ポンプ吸
込口圧力センサーS5は基準化変換部(5)に接続され、
パターン形成部12へデータの一部として転送される。ガ
ス圧力センサーS6は基準化変換部(6)に接続され、パ
ターン形成部12へデータの一部として転送される。液温
度センサー(下部)S7は基準化変換部(7)に接続さ
れ、パターン形成部12へデータの一部として転送され
る。液温度センサー(上部)S8は基準化変換部(8)に
接続され、パターン形成部12へデータの一部として転送
される。液循環量センサーS9は基準化変換部(9)に接
続され、パターン形成部12へデータの一部として転送さ
れる。負荷電流センサーS10は基準化変換部(10)に接
続され、パターン形成部12へデータの一部として転送さ
れる。超音波センサー(ポンプ配管外付)S11は基準化
変換部(11)に接続され、パターン形成部12へデータの
一部として転送される。騒音センサー(タンク外部)S1
2は基準化変換部(12)に接続され、パターン形成部12
へデータの一部として転送される。液中粒子数センサー
S13は基準化変換部(13)に接続され、パターン形成部1
2へデータの一部として転送される。液中析出ガスセン
サーS14は基準化変換部(14)に接続され、パターン形
成部12へデータの一部として転送される。液中超音波セ
ンサーS15は基準化変換部(15)に接続され、パターン
形成部12へデータの一部として転送される。中性点電流
パルス検出センサーS16は基準化変換部(16)に接続さ
れ、パターン形成部12へデータの一部として転送され
る。ガス中電磁波検出センサーS17は基準化変換部(1
7)に接続され、パターン形成部12へデータの一部とし
て転送される。タンク内光検出センサーS18は基準化変
換部(18)に接続され、パターン形成部12へデータの一
部として転送される。ポンプ電源センサーS19は基準化
変換部(19)に接続され、パターン形成部12へデータの
一部として転送される。冷却器電源センサーS20は基準
化変換部(20)に接続され、パターン形成部12へデータ
の一部として転送される。タンク周囲侵入物監視テレビ
カメラは画像比較判別装置S21を介して基準化変換部(2
1)に接続され、パターン形成部12へデータの一部とし
て転送される。光遮断方式侵入物検知センサーS22は基
準化変換部(22)に接続され、パターン形成部12へデー
タの一部として転送される。周囲温度検知センサーS23
は基準化変換部(23)に接続され、パターン形成部12へ
データの一部として転送される。雨量検知センサーS24
は基準化変換部(24)に接続され、パターン形成部12へ
データの一部として転送される。雷発生検知センサーS2
5は基準化変換部(25)に接続され、パターン形成部12
へデータの一部として転送される。地震検知センサーS2
6は基準化変換部(26)に接続され、パターン形成部12
へデータの一部として転送される。
本実施例では26種類のセンサーを変圧器およびその周
囲に取付け、それぞれの検知量を基準化変換部(1)か
ら基準化変換部(26)まで転送している。基準化変換部
では液温変化に対応した液量補正、変圧器負荷電流や周
囲温度変化に対応した液温補正、ガス温度変化に対応し
たガス圧力補正などが行なわれ、検知量の大きさをレベ
ルごとに区分けし、そのレベルをコンピュータで文字変
換し、パターン形成部12に転送している。パターン形成
部12ではV1からV26までを転送順序、すなわち、センサ
ー配列にしたがってV1、V2、V3……V26を一つの文字列
としてパターン化している。
第3図は液面位置センサーで検知した液面位置との液
温の関係を示す図であり、特性Aは液漏れがなく液量が
正常な状態の液面位置の温度特性である。特性Bはわず
かに液漏れが起り液量が少なくなった場合の液面位置の
温度特性である。特性Cはさらに液漏れの量が多くなっ
た場合の液面位置の温度特性である。液量が正常な状態
であるかどうかは温度補正をした液面位置を調べること
により判断できる。また、基準化変換部(1)では液面
位置が特性Aと同等の場合を0、特性Aと特性Bの間に
ある場合を1、特性Bと特性Cの間にある場合を2、特
性C以下の場合を3としてレベルの区分けをして液漏れ
量の大きさのランクずけを行なうようにし、このランク
付けをしたレベルを文字変換して第2図のパターン形成
部12に転送している。すなわち、レベルが3であれば3
を一つの文字として転送するようにしている。
液面位置センサー以外のほかのセンサーについても同
様にして検知量を基準化変換部11でレベルごとに区分け
を行ない、そのレベルを文字変換してパターン形成部に
転送する。このように基準化変換部(1)から基準化変
換部(26)までの文字をセンサー配列の順序にしたがっ
てパターン形成部に取り込めば数字を横並びにした文字
列になる。例えば、「変圧器外部配管の液循環系の破
損」という破損事故の異常であれば作動するセンサーと
作動しないセンサーとがあり、パターン形成部12では
「30300211100000000000200000」というセンサー配列に
したがった文字列になり、これを第1図のパターン記憶
部13、あるいはパターン比較部14に異常名称に対応させ
て一つの文字列として転送するようにしている。また、
「液中有害部分放電の発生」という部分放電発生の異常
事故であればパターン形成部12の文字列は「0000000000
0012311000000000」という文字列になる。また、「変圧
器タンクへの鳥、蝉、鼠、風等による飛散物の衝突音」
という異常、すなわち、変圧器の運転上は何ら異常のな
い妨害現象であれば、パターン形成部12では「00000000
003300200000230001」という文字列になる。このように
種々の異常状態、妨害現象を文字列としてパターン化
し、パターン記憶部13には異常名称とパターンの組合せ
を多数記憶させておくようにしている。これらの異常状
態あるいは妨害現象は人為的に模擬することができ、ま
た、センサーの動作を予測することができるので、多数
のパターンを記憶しておくことが可能である。また、実
際の運転において、記憶されていない新しい異常にたい
しては見逃してしまうことになるが、そのパターンが新
しい異常であるということが分ったとき、新しいデータ
として追加することができ、再び同じような見過ごしを
しないようにしている。したがって、パターン記憶部12
はこのような経験をする度に改善され、あらゆる異常事
故にたいしてデータを蓄えることができるようにしてい
る。
運転中においては所定の時間間隔でセンサーを動作さ
せ、そのパターンがすでに記憶されているパターン記憶
部13のパターンと合致するかどうかをパターン比較部14
で行なわれ、合致しなければ正常運転と判断して出力表
示し、記憶パターンのいずれかに合致すればそのパター
ンに対応する異常名称とセンサーからの直接のデータを
出力表示し、さらに異常状態の程度に応じて警報を発振
するようにしている。また、異常状態が出力・表示され
た場合にはセンサーへの取り込み時間間隔を短くし、診
断回数を多くするようにもしている。また、異常事故で
ない妨害現象を表示した場合は変圧器運転上何ら支障を
きたさないことからセンサーへのデータ取り込み時間間
隔は所定の通常時間間隔とし、出力データを極力少なく
なるようにしている。
運転中に異常状態が表示され、その異常がどのような
進展速度であるかを知る必要がある場合、センサーから
のデータをパターン化するとともに、パターン化しない
そのままのデータもコントローラ20の制御により出力で
きるようにしている。センサーへの取り込み時間間隔が
分っているのでデータの変化を知ることができ異常の進
展度合いが分る。
したがって、本実施例によればあらゆる異常事故も見
逃すことなく、妨害現象に対しても的確な診断ができる
ので変圧器自体の事故かどうかの判断の紛らわしさが解
消できるという効果がある。
本発明の他の実施例として、各種センサーを複数個の
ブロックに分け、ブロックの中のセンサー検知量で異常
状態をパターン化し、さらに、ブロックそのものの検知
パターンを文字変換してブロックだけのパターン化を行
ない、記憶パターンとの比較判断から診断するものであ
る。さらに詳しく説明すると、図4ないし図7に示すよ
うに異常事故を破損事故、過熱事故、部分放電事故、妨
害現象に大きく分類し、複数のセンサーをこれらの異常
事故状態に関連するブロックに分け、ブロック内のセン
サーの配列順序に従ってセンサーの基準化変換部の出力
の大小を文字列としてパターン化する。たとえば、図4
の破損事故に分類されたセンサーV1ないしV9、V11、V15
ないしV19、V20、V26(配列順序に従って表示)は、液
循環系破損(タンク外)時には30300211100000000とい
うパターンとなる。
これにより異常状態に良く応答するセンサーだけを選
定して、ブロック毎に診断でき、詳細な異常状態の有無
及び異常の大小判定の速度が向上する。また、ブロック
内の配列順序に従ってブロック内のセンサーの検知量の
合計レベル、すなわち図4の複数のセンサーの検知量の
縦方向の合計をパターン化することにより、どの異常事
故であるかの概略の診断を速く行うことができる。この
方法は破損事故、過熱事故、部分放電発生などの絶縁事
故、妨害現象などに異常状態を分類し、それそれの異常
状態によく応答するセンサーを選定してブロックごとに
適用できるので、どのブロックでセンサー反応が大きい
かが速やかに判断できる。また、ブロックごとの合計レ
ベル量、すなわち、各センサーの基準化変換部の出力の
大小を合計した量を用いて異常種別ごとにパターン化す
ることができるので概略どの種類の異常事故であるかの
診断をより早く行なうことができる。
また、パターン化の他の手段としてグラフ上の図形パ
ターンにする方法がある。これは図形をそのまま出力表
示させて図形の凹凸の変化から異常診断を行なうもので
あり、ディスプレイ(CRT画面)の図形変化を監視する
ことによって異常の進展度合いを見ることができる効果
がある。
本発明において、センサー種類を少なくしパターン化
するためのレベル区分けを少なくすれば、多数の異常種
別に対して見過ごしが多くなり、高精度の異常診断がで
きなくなる反面、パターン記憶数が少なくてすみ、診断
が簡単になるという利点がある。また、別の新しいセン
サーを追加することも可能であるが、センサー数に応じ
て記憶データ数も多くなり、診断が複雑化するが、高精
度異常診断ができるという利点がある。
第4〜7図は異常の種別をブロックに分けセンサー数
を少なくした場合の異常状態に対応した文字パターンを
示したものである。このように異常状態を限定すること
によりセンサー数を減らした簡単な診断も可能である。
また、本発明は液−ガス複合絶縁方式不燃変圧器にの
み適用できるものではなく、一般の油入変圧器にも適用
でき、特に大容量の変圧器では事故時の社会への影響が
大きいため有効である。その際、適用するセンサー種類
と記憶部のパターンを変える必要がある基本的な装置の
構成、診断方法は本発明と変わらない。
本実施例は、以上説明したように構成されているので
以下に記載されるような効果を奏する。
運転中に検知されたパターンと記憶部の異常状態のパ
ターンとを比較演算して異常状態か正常状態かを判断
し、その結果を出力表示させることにより、運転者はセ
ンサー検知量の監視を基に判断する高度な技術を必要と
せず、的確な異常診断ができる。また、異常状態を模擬
して多くの種類のパターンを作成し、記憶しておくこと
により運転中のあらゆる異常状態も見過ごすことがな
く、高精度広範囲の異常診断ができる。さらに、未記憶
の新しい異常についてパターン化し、新しいデータとし
て追加記憶する拡張性を持たせることにより広範囲の異
常診断が可能である。
〔発明の効果〕
上述のように本発明は、変圧器運転状態での異常が正
確に診断され、かつ異常の種別、程度、故障個所が速や
かに出力・表示されるようになって、変圧器運転状態で
の異常を正確に診断し、かつ異常の種別、程度、故障個
所を速やかに出力・表示して運転者にしらせることを可
能とした静止誘導電器の異常診断装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の静止誘導電器の異常診断装置の一実施
例の構成を示す説明図、第2図は第1図の構成の一部の
詳細を示す説明図、第3図は同じく一実施例の液温度と
液面高さ位置との関係を示す特性図、第4図から第7図
は本発明の静止誘導電器の異常診断装置の他の実施例の
パターン形成を示す説明図である。 S1〜Sn……センサー、11……基準化変換部(1)〜(2
6)、12……パターン形成部、13……パターン記憶部、1
4……パターン比較部、15……出力表示部、20……コン
トローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 由紀 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 堀出 昭彦 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部 電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−83909(JP,A) 特開 平2−143116(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄心に巻回された巻線をタンクに収納した
    本体と冷却器やポンプなどの補機から構成される静止誘
    導電器の運転状態を検知するセンサーと、前記検知量を
    記録・表示する装置とを備えた静止誘導電器の異常診断
    装置において、前記本体と補機とその周囲に異種センサ
    ーを少なくとも2以上取り付けるとともに、前記センサ
    ーからの検知量を閾値ごとに基準化する基準化変換部
    と、前記センサーの配列順序にしたがって基準化検知量
    をパターン化し、検知量パターンを作成するパターン形
    成部と、異常診断パターンを記憶するパターン記憶部
    と、入力した検知量パターンと前記パターン記憶部に予
    め記憶されている異常診断パターンとを比較することに
    より異常の有無を診断するパターン比較部と、この比較
    結果を出力・表示する出力表示部と、前記基準化変換部
    と前記パターン形成部と前記パターン記憶部と前記パタ
    ーン比較部と前記出力表示部の動作制御を行うコントロ
    ーラとを設けたことを特徴とする静止誘導電器の異常診
    断装置。
  2. 【請求項2】前記基準化変換部への検知量データの取り
    込み時間制御、前記パターン形成部の制御、前記パター
    ン記憶部の制御、前記パターン比較部の制御、比較結果
    のディスプレイ表示とプリントアウト及び前記パターン
    比較部が異常と診断したとき作動する警報発信装置の制
    御をマイクロコンピューターで行なうようにした請求項
    1記載の静止誘導電器の異常診断装置。
  3. 【請求項3】異常状態における複数の異種センサーの検
    知量を同時に検出して基準化するとともに、この基準化
    検知量をセンサーの配列順序にしたがってパターン化
    し、前記記憶部に格納した異常種別ごとの配列パターン
    と等しい異種種別を探しだして表示させるようにした請
    求項1記載の静止誘導電器の異常診断装置。
  4. 【請求項4】前記静止誘導電器の異常状態を模擬してセ
    ンサーを動作させ、センサー検知量を闇値ごとに基準化
    してセンサー配列にしたがってパターン化を行い記憶さ
    せるようにした請求項1記載の静止誘導電器の異常診断
    装置。
  5. 【請求項5】運転中に発生した新しい事故状態のセンサ
    ー検知量を基準化・センサー配列パターン化して手動操
    作により記憶部に追加し、拡張できるようにした請求項
    1記載の静止誘導電器の異常診断装置。
  6. 【請求項6】前記センサーの検知量取り込み時間間隔を
    可変にした請求項1記載の静止誘導電器の異常診断装
    置。
  7. 【請求項7】異常状態の表示をするとともに変換部への
    センサーの検知量取り込み時間間隔を短くし、正常状態
    表示および異常事故でない妨害現象の表示のときは取り
    込み時間間隔を長くするようにした請求項1記載の静止
    誘導電器の異常診断装置。
  8. 【請求項8】前記複数のセンサーをさらに複数のブロッ
    クに分け、ブロック内のセンサーの配列順序に従つてセ
    ンサー検知量をパターン化して記憶させるとともに、フ
    ロック内の配列順序に従つてブロック毎の各センサーの
    検知量の合計レベルをパターン化して記憶するようにし
    た請求項1記載の静止誘導電器の異常診断装置。
  9. 【請求項9】異常パターンの名称を表示するとともに、
    パターン化しないそのままのセンサーの出力データを出
    力表示するようにした請求項1記載の静止誘導電器の異
    常診断装置。
  10. 【請求項10】液温変化に対応した液面位置補正機能を
    有する液面位置センサーの基準化変換部である請求項1
    記載の静止誘導電器の異常診断装置。
  11. 【請求項11】負荷電流と周囲温度に対応した温度補正
    機能を有する液温度センサーの基準化変換部である請求
    項1記載の静止誘導電器の異常診断装置。
  12. 【請求項12】タンク内ガス温度に対応した封入ガス圧
    補正機能を有するガス圧センサーの基準化変換部である
    請求項1記載の静止誘導電器の異常診断装置。
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