JP3242395B2 - 浄水器 - Google Patents

浄水器

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JP3242395B2
JP3242395B2 JP33708789A JP33708789A JP3242395B2 JP 3242395 B2 JP3242395 B2 JP 3242395B2 JP 33708789 A JP33708789 A JP 33708789A JP 33708789 A JP33708789 A JP 33708789A JP 3242395 B2 JP3242395 B2 JP 3242395B2
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正春 渡辺
政義 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、飲料用水や工業用水等の簡易型の浄水器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の浄水器は、活性炭等の吸着剤と中空糸
膜等の精密フィルタなど複数の浄水手段を同一筒体に内
蔵させる構造のものが知られている。特に、吸着剤と精
密フィルタの配置構造には、多数のものが提案されてい
る。 この従来例1〜3を図5乃至図7に従って具体的に説
明する。
【0003】 先ず、図5に示す従来例1の浄水器は、上部に浄水流
出口1を下部に原水流入口2を設けた筒状本体3の内部
にハウジング4を収納し、このハウジング4の下面に形
成した開口部5に多孔板6を設けると共に、ハウジング
4の内部に活性炭7とハウジング4の芯部に中空糸フィ
ルタ8を設けた構造である。
【0004】 図6に示す従来例2の浄水器は、上部に浄水流出口9
を下部に原水流入口10を設けた筒状本体11の内部にハウ
ジング12を収納し、このハウジング12の下面に形成した
開口部13に多孔板14を設け、ハウジング12内に流路規制
筒15を設け、この筒15とハウジング12の間に活性炭16を
収納して活性炭16の上方に多孔板17を介して筒15に流出
孔18を形成すると共に、ハウジング12の芯部に中空糸フ
ィルタ19を設けた構造である。
【0005】 また、図7に示す従来例3の浄水器は、上部に浄水流
出口20を下部に原水流入口21を設けた筒状本体22の内部
に上部ハウジング23aと下部ハウジング23bを収納し、こ
の下部ハウジング23bの下面と上面に多孔板24、25を設
け、この多孔板24、25の間に活性炭25を収納し、更に、
上記ハウジング23a内の軸心位置に中空糸フィルタ26を
設けた構造である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の浄水器は、活性炭と中空
糸フィルタを同一の筒状本体の内部に内蔵させる構造で
あるから、各浄水器にはそれぞれ特有の問題点を有して
いる。
【0007】 図5に示す浄水器は、ハウジング4の底部より流入し
た原水は、底部分に位置している活性炭7を通過後、そ
のまま芯部の中空糸フィルタ8へ短絡しやすいため、流
量は多くとれるが上部に位置している活性炭7は、ほと
んど吸着機能に寄与していない。特に、活性炭7の粒度
が細かくなって流路抵抗が大きくなると、この現象は顕
著に現われる等の問題がある。
【0008】 次に、図6に示す浄水器は、活性炭16の層と中空糸フ
ィルタ19の境界部分に流路規制筒15を設けて流れの短絡
を防止しようとしているが、その反面、流路が長くなっ
て圧力損失が大きくなり、そのため、吸着能力は向上す
るが、流量が低下する等の問題がある。
【0009】 更に、図7の浄水器は、図6と同様に、流れの短絡は
ないが、活性炭25を多くし吸着能力を向上させようとす
ると、流路長が長くなり圧力損失の上昇や流路低下を生
じ、一方、流路長を短くし圧力損失の低下と流量増大を
図ろうとすると、吸着能力も低下してしまう等の問題が
ある。
【0010】 また、精密フィルタ(孔径0.1〜0.5μ)に対するプレ
フィルタとしては、1〜5μ程度の孔径のものが適当で
あるが、上記の従来例では精密フィルタの有効面積に比
べプレフィルタの有効面積が十分にとれないため、プレ
フィルタ機能を有する孔径を選択すると、極めて目詰り
が早く、精密フィルタに対する実質的なプレフィルタ機
能を持たせることは不可能であった。
【0011】 本発明者は、上記の従来の問題点に鑑みて次のような
技術事項を確認した。 即ち、同一容積の活性炭を用いて水道水中の残留遊離
塩素を除去する場合、水道水と活性炭との接触時間が長
いほど吸着力は大きくなる。また、円筒に活性炭を充填
し、一端から多端へ通水して吸着するカラム形式の場
合、活性炭に対する相対的な水道水の通過速度が小さい
ほど、接触時間が長くなるため、吸着力は大きくなる。
従って、吸着力を大きくするためにはカラムの流入開口
面積を大きくするか、流量を小さくすると良いことが確
認できた。しかし、単純に流入開口端断面積を大きくす
ると、偏流が起こり吸着力が増大しないことも確認し
た。
【0012】 本発明は、上記した従来の課題に鑑みて、上記の技術
事項を前提に鋭意研究の結果開発したものであり、流量
特性の向上と吸着能力を同時に向上させた新規有用な浄
水器を提案することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、原水の流入口
31と浄水の流出口30を有する浄水器本体32の内部に、繊
維・粉末で形成される筒状成型体35aの上下に円形保持
板33、34を取付けて構成した円筒型の管状多孔体35を収
納し、この管状多孔体35の軸心位置には、U字形に折り
返し、かつ上部に封止部38aを有する中空糸型膜38を配
設すると共に、この中空糸型膜38の封止部38aを上部保
持板33の中央位置に設けた筒部33b内の連通孔33aに固着
し、この筒部33bを浄水器本体32の上方内側に設けた取
付部32aに取付けて管状多孔体35の下部保持板34と浄水
器本体32の下方内周面との間に間隙32bを有するように
浄水器本体32内に管状多孔体35を吊下させ、更に、中空
糸型膜38の外周面と筒状成型体35aとの間隙スペースS1
に粒状の活性炭36を充填し、筒状成型体35aより流入し
た原水が粒状活性炭36より中空糸型膜38で濾過され、こ
の浄水が連通孔33aと同軸上の流出口30より流出するよ
うに構成した浄水器である。
【0014】 依って、本発明によると、管状多孔体35とこの管状多
孔体35の軸心位置に設けた中空糸型膜38との間の間隙ス
ペースS1に粒状活性炭36を設けたので、浄水器本体32の
原水流入口31より流入した原水は、外側の管状多孔体の
外周側壁である筒状成型体35aより前処理の濾過作用が
働き、原水中の比較的大きな粒子を除去し、次いで、濾
過された原水は、活性炭36により残留塩素、トリハロメ
タン、がび臭等の溶解、溶存物質が吸着され、次に、浄
水器本体32の軸心位置に設けた中空糸型膜38によって微
生物、微粒子が捕捉されて原水が浄化され、最後に浄水
器本体32の浄水流出口30より浄水が採水される。
【0015】 上記の場合、筒状の側壁から軸中心へ流すと、求心力
により偏流が起こりにくくなり、極めて効率的に吸着力
が向上し、特に吸着手段より大きな圧力損失を有する中
空糸型膜38を軸中心に配することにより偏流が起こりに
くくなり、顕著な効果を発揮する。
【0016】
【実施例】
以下に、本発明における浄水器の各実施例を図1乃至
図4に基づいて具体的に説明する。 図1は、浄水器の第1実施例を示したもので、原水の
流入口31と浄水の流出口30を有する筒状の浄水器本体32
の内部に複数の浄水手段を設けた浄水器である。
【0017】 径の異なる外側の管状多孔体35と内側の管状多孔体37
を上下に設けた円形の保持板33、34に同心状に保持させ
て全体を円筒型に構成し、上部の保持板33には、浄水流
出口30に通ずる連通孔33aを形成している。同心状に配
設して形成された各管状多孔体35、37の間隙スペースS1
に活性炭等の吸着手段36を収納している。本例は活性炭
層36を管状多孔体35、37の間に支持して構成している。
【0018】 この場合、吸着能力を向上させるためには、活性炭層
36の絶対量を増やすことが必須であるが、入口と出口に
おける単位時間における対象物質の除去率は、原水と吸
着剤の接触する時間の長短に依存するものであり、同一
量の吸着剤を用いる場合、活性炭の充填筒は流路断面が
極力大きく、流路長を短くすることが効率的な使用方法
といえる。そこで、活性炭層36を管状に配し管の外壁方
向から軸心部に流れを作ることによって、極めて圧力損
失が小さく、かつ、吸着能力が高い吸着筒を得ることが
できる。この管状の吸着手段36の内径、外径、長さは所
望の流量によって適時に設定するものとする。
【0019】 更に、他の浄水手段は、微細多孔質膜等の濾過手段38
を管状多孔体37の間隙スペースS2内に収納している。本
例における微細多孔質膜38は、中空糸型膜(或は平板型
膜であってもよい。)を採用しており、中空糸型膜38
は、最大孔径0.01〜1μであり、その材質は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリサルフォン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリビニルアルコール、アセチルセルロース
等の高分子物質を適宜に選択する。
【0020】 管状多孔体35、37は、繊維、粉末等の成型体或は、多
孔性フィルムをプリーツ加工した環状体であっても良
く、また、管状多孔体35、37は繊維活性炭の管状成形体
でも良い。また、管状多孔体は、軸心部に設けた中空糸
型膜38の孔径0.01〜0.4μより十分大きな開孔を有する
実質的に円筒形の多孔体なら何でも良いが、中空糸型膜
38の前処理フィルタを兼用させるため極細繊維又は熱可
塑性高分子粉末等の圧縮焼成体などがよい。
【0021】 次に、上記実施例の作用を説明する。 径の異なる管状多孔体35、37を同心状に配設した各管
状多孔体35、37の間隙スペースに複数の浄水手段36、38
を個別に収納したので、浄水器本体32の原水流入口31よ
り流入した原水は、外側の管状多孔体35の外周側壁によ
り前処理フィルタが機能し、原水中の比較的大きな粒子
を除去し、次いで、濾過された原水は、活性炭等の吸着
手段により残留塩素、トリハロメタン、かび臭等の溶
解、溶存物質が吸着され、更に、内側の管状多孔体37に
よって吸着手段より発生する微細粉末等の粒子を除去
し、次に、浄水器本体32の軸心位置に設けた微細多孔質
膜38によって微生物、微粒子が捕捉されて原水が浄化さ
れ、最後に浄水器本体32内の連通孔33aを通過して浄水
流出口30より浄水が採水される。
【0022】 図2は浄水器の他の実施例を示したもので、図1の浄
水器と異なる点は、管状多孔体を外側のみに設けたもの
であり、同図に示すように、管状多孔体35とこの管状多
孔体35の軸心位置に設けた中空糸型膜38との間に粒状活
性炭36を設けた浄水器であり、具体的には、原水の流入
口31と浄水の流出口30を有する浄水器本体32の内部に、
繊維・粉末で形成される筒状成型体35aの上下に円形保
持板33、34を取付けて構成した円筒型の管状多孔体35を
収納し、この管状多孔体35の軸心位置には、U字形に折
り返し、かつ上部に封止部38aを有する中空糸型膜38を
配設すると共に、この中空糸型膜38の封止部38aを上部
保持板33の中央位置に設けた筒部33b内の連通孔33aに固
着し、この筒部33bを浄水器本体32の上方内側に設けた
取付部32aに取付けて管状多孔体35の下部保持板34と浄
水器本体32の下方内周面との間に間隙32bを有するよう
に浄水器本体32内に管状多孔体35を吊下させ、更に、中
空糸型膜38の外周面と筒状成型体35aとの間隙スペースS
1に粒状の活性炭36を充填し、筒状成型体35aより流入し
た原水が粒状活性炭36より中空糸型膜38で濾過され、こ
の浄水が連通孔33aと同軸上の流出口30より流出するよ
うに構成した浄水器である。
【0023】 図3は、残留塩素残除率と積算流量との関係におい
て、本発明と従来例1乃至3を比較した図表であり、図
4は、流量と積算流量との関係において、本発明と従来
例1乃至3を比較した図表である。
【0024】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によると、次
のような優れた効果を奏する。 流路抵抗が小さくて流量特性が高い浄水器を得ること
ができる。 活性炭等の吸着手段を支持している管状多孔体が濾過
手段の前処理フィルタを兼ねるので、濾過手段の寿命が
延び、耐久性に富んだ浄水器を提案することができる。 更には、管状多孔体を繊維活性炭とすることにより、
従来品に比較して著しく吸着能力の向上を図ることがで
きる。 原水は、管状多孔体の外周側壁により前処理フィルタ
機能が発揮され、原水中の比較的大きな粒子が除去され
て外周側壁に付着し、また、前処理された原水は、残留
塩素、かび臭等が吸着されると共に、微生物、微粒子が
捕捉され、確実に浄化された浄水が供給されるため、家
庭用等の浄水器としてコンパクトで取扱いも簡便な浄水
器を提供することができる。
【0025】 また、原水は、筒状成型体の外周側面からのみ均一に
流入濾過し、更に、均一にゆっくりと粒状活性炭の層を
濾過されながら通過し、更には、軸心位置に配設された
中空糸型膜により微粒子等を確実に除去して除去状態を
著しく向上させた浄水器を提供することができる。更に
は、偏った流れを確実に防止するので、濾材全体を無駄
なく効率的に使用でき、濾材の寿命も長くなる効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における浄水器の一実施例を示した縦断面図であ
る。
【図2】 本発明における浄水器の他の実施例を示した縦断面図で
ある。
【図3】 残留塩素残除率と積算流量との関係において、本発明と
従来例1乃至3を比較した図表である。
【図4】 流量と積算流量との関係において、本発明と従来例1乃
至3を比較した図表である。
【図5】 従来の浄水器を示した縦断面図である。
【図6】 従来の浄水器を示した縦断面図である。
【図7】 従来の浄水器を示した縦断面図である。
【符号の説明】
30……流出口 31……流入口 32……浄水器本体 32a……取付部 32b……間隙 33……上部円形保持板 33a……連通孔 33b……筒部 34……下部円形保持板 35……管状多孔体 35a……筒状成型部 36……粒状活性炭 38……中空糸型膜 S1……間隙スペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−47089(JP,U) 実開 昭58−156589(JP,U) 実開 昭51−90638(JP,U) 実開 平1−83493(JP,U) 実開 昭63−115487(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/28 B01D 35/04 C02F 1/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原水の流入口と浄水の流出口を有する浄水
    器本体の内部に、繊維・粉末で形成される筒状成型体の
    上下に円形保持板を取付けて構成した円筒型の管状多孔
    体を収納し、この管状多孔体の軸心位置には、U字形に
    折り返し、かつ上部に封止部を有する中空糸型膜を配設
    すると共に、この中空糸型膜の封止部を上部保持板の中
    央位置に設けた筒部内の連通孔に固着し、この筒部を浄
    水器本体の上方内側に設けた取付部に取付けて管状多孔
    体の下部保持板と浄水器本体の下方内周面との間に間隙
    を有するように浄水器本体内に管状多孔体を吊下させ、
    更に、中空糸型膜の外周面と筒状成型体との間隙スペー
    スに粒状の活性炭を充填し、筒状成型体より流入した原
    水が粒状活性炭より中空糸型膜で濾過され、この浄水が
    連通孔と同軸上の流出口より流出するように構成したこ
    とを特徴とする浄水器。
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