JP3242337B2 - 無線通信装置 - Google Patents

無線通信装置

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JP3242337B2
JP3242337B2 JP31160396A JP31160396A JP3242337B2 JP 3242337 B2 JP3242337 B2 JP 3242337B2 JP 31160396 A JP31160396 A JP 31160396A JP 31160396 A JP31160396 A JP 31160396A JP 3242337 B2 JP3242337 B2 JP 3242337B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信装置に関
し、特に2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパー
ヘテロダイン方式の無線通信装置に関するものであっ
て、さらに詳しくは前記方式の通信装置の無線部に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】送受信の周波数が異なる無線通信に関し
て、2つの周波数帯域で使用でき、送受信の周波数間隔
が使用帯域により異なる無線通信の例として、近年、先
進国を中心に急速に拡大している携帯電話がある。携帯
電話は、従来アナログ方式でサービスが開始され、これ
まで広く利用されてきたが、急増する需要を賄いきれな
い状況になり、新たな帯域を使用したディジタル方式の
サービスが開始された。
【0003】ディジタル方式は、加入者容量、通信コス
ト、秘話性、通信の多様性に優れており、今後、アナロ
グ方式の帯域もディジタル方式に取り込まれることが決
定されており、その場合においても2つの帯域が存在す
ることになるため、送受信での周波数が異なり、かつ2
つの周波数帯域で使用できる無線携帯電話機が注目され
ている。
【0004】図11は、ディジタル帯域及びアナログ帯
域の2つの周波数帯域で使用できる無線携帯電話機の無
線部の回路ブロック図である。図示するように、無線部
の回路ブロックは、ディジタル帯域及びアナログ帯域共
用のアンテナ28、送受切替回路29、受信RF信号用
バンドパスフィルタ15、受信RF信号を第1IF信号
にダウンコンバートする為の受信用RFミキサ16、第
1IF信号用バンドパスフィルタ17、第1IF信号を
第2IF信号にダウンコンバートする為の受信用IFミ
キサ18、IF帯シンセサイザ21、受信用第1局発周
波数帯で発振するRF帯シンセサイザ22、VCXO
(水晶発振器)23、ミキサから出力される信号を選択
する為のバンドパスフィルタ24、RF帯シンセサイザ
信号を送信信号にアップコンバートする為の送受切替用
ミキサ25、送受切替用シンセサイザ26から構成され
る。
【0005】まず、送信時について説明する。図11に
示す無線携帯電話機において、RF帯シンセサイザ22
から、ディジタル帯域使用時は680〜688MHz、
アナログ帯域使用時は740〜755MHzの信号を発
振、出力し、送受切替用シンセサイザ26から、ディジ
タル帯域使用時は260MHz、アナログ帯域使用時は
185MHzの信号を発振、出力することにより、送受
切替用ミキサ25では該RF帯シンセサイザ22から発
振、出力された信号が該送受切替用シンセサイザ26か
ら発振、出力された信号によりアップコンバートされ、
ディジタル帯域使用時は940〜948MHz、アナロ
グ帯域使用時は925〜940MHzの送信搬送波が発
生する。発生した送信搬送波はバンドパスフィルタ24
を通過し、送信系回路27へ入力され、直接直交変調さ
れた後、送受切替回路29を介し、アンテナ28から送
信される。
【0006】次に、受信時について説明する。アンテナ
28で受信した受信RF信号は、ディジタル帯域とアナ
ログ帯域とを使用する場合は、810〜818MHzも
しくは870〜885MHzである。この時、RF帯シ
ンセサイザ22から、ディジタル帯域使用時は680〜
688MHz、アナログ帯域使用時は740〜755M
Hzの信号を発振、出力することにより、受信用RFミ
キサ16では該RF帯シンセサイザから発振、出力され
た信号により、受信RF信号用バンドパスフィルタ15
を通過した受信RF信号が、2つの周波数帯域共に13
0MHzの第1IF信号にダウンコンバートされる。そ
の後、第1IF信号はバンドパスフィルタ17を介した
後、受信用IFミキサ18に入力される。ここで受信用
IFミキサ18では、IF帯シンセサイザから発振、出
力された129.55MHzの信号により第1IF信号
が450kHzの第2IF信号にダウンコンバートさ
れ、バンドパスフィルタ19を介した後、復調系回路2
0に入力され、復調される。
【0007】このようにして、ディジタル携帯電話用帯
域とアナログ携帯電話用帯域の2つの周波数帯域におい
て使用できる無線携帯電話機の無線部を構成することが
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の構成に
おいては、IF帯シンセサイザ、RF帯シンセサイザ、
送受切替用シンセサイザの3個のシンセサイザが必要と
され、回路構成が複雑になるだけでなく、小型化及び低
消費電力化に適さないという問題がある。
【0009】そこで、本発明は小型、軽量化され、さら
に携帯に便利な無線通信装置を提供することを目的とす
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、第1の周波数
帯域と第2の周波数帯域の2つの周波数帯域で使用でき
るダブルスーパーヘテロダイン方式の無線通信装置にお
いて、RF帯シンセサイザと、IF帯シンセサイザと、
該RF帯シンセサイザ及び該IF帯シンセサイザから発
振、出力される信号を周波数混合するためのミキサと、
該ミキサから出力される信号を送信搬送波及び受信用第
1局発信号として使用する手段と、前記IF帯シンセサ
イザから発振、出力される信号を受信用第2局発信号と
して使用する手段とを備え、前記RF帯シンセサイザと
前記IF帯シンセサイザ両方の発振周波数が、前記各々
の周波数帯域において、送受信時に切り替えられること
を特徴とする。
【0011】このように構成すると、送信時には前記送
信搬送波により送信データが直交変換されて送信でき、
受信時には前記受信用第1局発信号及び受信用第2局発
信号により、受信RF信号が第1IF信号、第2IF信
号にダウンコンバートされた後、復調系回路にて復調で
きるため、必要なシンセサイザは2個となり、小型化、
低消費電力化が可能となる。
【0012】さらに、本発明のうち請求項2記載の発明
は、請求項1記載の無線通信装置において、第1の周波
数帯域、第2の周波数帯域それぞれにおけるIF帯シン
セサイザ(発振周波数:fIF)及びRF帯シンセサイ
ザ(発振周波数:fRF)から発振、出力され、かつミ
キサにより周波数混合されて出力される信号(発振周波
数:|mfIF±nfRF|、m、nは0以上の整数か
つm+n≧1)のうち、目的信号以外で所定のレベル以
上の信号が、送信時には送信周波数帯域に含まれず、受
信時には受信チャンネル周波数帯域に対するイメージ周
波数帯域および受信周波数帯域に含まれないように、f
IFおよびfRFを選択することを特徴とする。
【0013】周波数の選択の仕方によっては、送信時に
おいて、ミキサから出力される信号(mfIF±nfR
F)のうち、レベルの高い信号が送信周波数帯域に入
り、送信系回路内のバンドパスフィルタを通過してアン
テナから出力され、自己および他の無線通信装置の送信
信号に対して干渉を与えてしまうことがある。また、受
信時において、前記信号が受信チャンネル周波数帯域及
び該受信チャンネル周波数帯域に対するイメージ周波数
帯域に入り、受信信号に干渉を与えてしまうことがある
と共に、前記信号が受信周波数帯域に入り、受信RF信
号用バンドパスフィルタを通過して、アンテナから放出
され、他の無線通信装置の受信信号に干渉を与えてしま
うことや、他システムに対して影響を与えてしまうこと
がある。
【0014】しかし、このように構成すると、ミキサか
ら所定レベル以上の信号が発生しないため、良好な通信
が行えることとなる。
【0015】本発明のうち請求項3記載の発明は、上記
構成において、第1の周波数帯域の送信周波数帯域が9
40〜948MHz、受信周波数帯域が810〜818
MHz、第2の周波数帯域の送信周波数帯域が925〜
940MHz、受信周波数帯域が870〜885MHz
である2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘ
テロダイン方式の無線通信装置において、第1IF周波
数を130.05MHz、第2IF周波数を450kH
z、IF帯シンセサイザの発振周波数を第1の周波数帯
域使用時の送受信時および第2の周波数帯域使用時の受
信時に129.6MHz、第2の周波数帯域使用時の送
信時に204.6MHz、RF帯シンセサイザの発振周
波数を第1の周波数帯域使用時の送信時に1069.6
0〜1077.60MHz、第1の周波数帯域使用時の
受信時に1069.65〜1077.65MHz、第2
の周波数帯域使用時の送信時に1129.60〜114
4.60MHz、第2の周波数帯域使用時の受信時に1
129.65〜1144.65MHzとすることを特徴
とする。
【0016】このように周波数を設定することにより、
ミキサから所定レベル以上の信号が発生しないため、良
好な通信が行えることとなる。さらに、IF帯シンセサ
イザおよびRF帯シンセサイザの比較周波数を高く設定
でき、周波数の切替幅を小さくできるため、発振周波数
を高速に切り替えることができる。
【0017】本発明のうち請求項4記載の発明は、上記
構成において、第1の周波数帯域の送信周波数帯域が9
40〜948MHz、受信周波数帯域が810〜818
MHz、第2の周波数帯域が送信周波数帯域が925〜
940MHz、受信周波数帯域が870〜885MHz
である2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘ
テロダイン方式の無線通信装置において、第1IF周波
数を130.05MHz、第2IF周波数を450kH
z、IF帯シンセサイザの発振周波数を第1の周波数帯
域使用時の送受信時および第2の周波数帯域使用時の受
信時に129.6MHz、第2の周波数帯域使用時の送
信時に204.8MHz、RF帯シンセサイザの発振周
波数を第1の周波数帯域使用時の送信時に1069.6
0〜1077.60MHz、第1の周波数帯域使用時の
受信時に1069.65〜1077.65MHz、第2
の周波数帯域使用時の送信時に1129.80〜114
4.80MHz、第2の周波数帯域使用時の受信時に1
129.65〜1144.65MHzとすることを特徴
とする。
【0018】このように周波数を設定することにより、
ミキサから所定レベル以上の信号が発生しないため、良
好な通信が行えることとなる。さらに、IF帯シンセサ
イザおよびRF帯シンセサイザの比較周波数を高く設定
でき、周波数の切替幅を小さくできるため、発振周波数
を高速に切り替えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施形態〉図1は、請求項1記載の無線通信装
置の無線部の構成を示す第1の実施形態で、本発明を携
帯電話に適用したものある。図示するように、本無線通
信装置の無線部の回路ブロックは、ディジタル帯域及び
アナログ帯域共用のアンテナ1、送受切替回路14、受
信RF信号用バンドパスフィルタ2、受信RF信号を第
1IF信号にダウンコンバートする為の受信用RFミキ
サ3、第1IF信号用バンドパスフィルタ4、第1IF
信号を第2IF信号にダウンコンバートする為の受信用
IFミキサ5、IF帯シンセサイザ8、ミキサから出力
される信号を選択する為のバンドパスフィルタ9、IF
帯シンセサイザ及びRF帯シンセサイザから発振、出力
される信号を周波数混合する為のミキサ10、VCXO
(水晶発振器)11、RF帯シンセサイザ12から構成
される。
【0020】携帯電話においては、ディジタル帯域とア
ナログ帯域の2つの周波数帯域が存在しており、これら
2帯域をすべてディジタル帯域方式に統一することが決
定されている。また、通信チャネルは25kHz間隔に
複数用意されている、例えば、あるシステムにおいて
は、各チャネルにおける送信周波数と受信周波数の周波
数間隔はディジタル帯域の場合130MHz、アナログ
帯域の場合55MHzである。この例では、ディジタル
帯域の場合、送信周波数帯域が940〜948MHz、
受信周波数帯域が810〜818MHz、アナログ帯域
の場合、送信周波数帯域が925〜940MHz、受信
周波数帯域が870〜885MHzとなっている。
【0021】まず、ディジタル帯域の場合について説明
する。例えば、送信周波数が940MHz、受信周波数
が810MHzの通信チャネルを使用した場合、送信時
においては、該IF帯シンセサイザ8から発振、出力さ
れた405.45MHzの信号と該RFシンセサイザ1
2から発振、出力された534.55MHzの信号がミ
キサ10により周波数混合される。該ミキサ10から出
力された信号のうち、バンドパスフィルタ9を通過した
940MHzの目的信号が、送信搬送波として送信系回
路13に入力される。該送信系回路13では、π/4シ
フトQPSK変調されたベースバンド信号が該送信搬送
波により直接直交変調され、出力された変調波が送信側
に切り替えられた送受切替回路2を介して、アンテナ1
から送信される。
【0022】受信時においては、該RFシンセサイザ1
2の発振周波数が534.55MHzから810.45
MHzに切り替えられ、該IF帯シンセサイザ8から発
振、出力された405.45MHzの信号と該RF帯シ
ンセサイザ12から発振、出力された810.45MH
zの信号が、ミキサ10により周波数混合される。該ミ
キサ10から出力された信号のうちバンドパスフィルタ
9を通過した1215.9MHzの目的信号と、アンテ
ナ1から受信され受信側に切り替えられた送受切替回路
14を介して、受信RF信号用バンドパスフィルタ2を
通過した810MHzの受信RF信号が、受信用RFミ
キサ3により周波数混合される。該RFミキサ3から出
力された信号のうち、第1IF用バンドパスフィルタ4
を通過した405.9MHzの信号が第1IF信号とな
り、該第1IF信号と該IF帯シンセサイザ8から発
振、出力された405.45MHzの信号が受信用IF
ミキサにより周波数混合される。該受信用IFミキサ5
から出力された信号のうち第2IF用バンドパスフィル
タ6を通過した450kHzの信号が第2IF信号とな
り、復調系回路7に入力されてπ/4シフトQPSK復
調される。
【0023】以上のようにして、送受信が行われるわけ
だが、送受信の切り替え時に、該IF帯シンセサイザ8
が405.45MHzのままで、該RF帯シンセサイザ
12の発振周波数が534.55MHzと810.45
MHzの間で切り替えられることになる。また、通信チ
ャネルの切り替え時に、該RF帯シンセサイザ12の発
振周波数が送信時に534.55〜542.55MH
z、受信時に810.45〜818.45MHzの間で
切り替えられることになる。
【0024】次に、アナログ帯域の場合について説明す
る。例えば、送信周波数が925MHz、受信周波数が
870MHzの通信チャネルを使用した場合、送信時に
おいては、該IF帯シンセサイザ及び該RF帯シンセサ
イザの発振周波数は、それぞれ54.5MHz及び87
0.500MHzに選択される。該IF帯シンセサイザ
8から発振、出力された54.5MHzの信号と該RF
シンセサイザ12から発振、出力された870.500
MHzの信号が、ミキサ10により周波数混合される。
該ミキサ10から出力された信号のうちバンドパスフィ
ルタ9を通過した925MHzの目的信号が、送信搬送
波として送信系回路13に入力される。該送信系回路1
3では、π/4シフトQPSK変調されたベースバンド
信号が該送信搬送波により直接直交変調され、出力され
た変調波が送信側に切り替えられた送受切替回路14を
介して、アンテナ1から送信される。
【0025】受信時においては、該IF帯シンセサイザ
8及び該RF帯シンセサイザ12の発振周波数が、それ
ぞれ405.45MHz及び870.45MHzに選択
され、該IF帯シンセサイザ8から発振、出力された4
05.45MHzの信号と該RFシンセサイザ12から
発振、出力された870.45MHzの信号がミキサ1
0により周波数混合される。該ミキサ10から出力され
た信号のうちバンドパスフィルタ9を通過した127
5.9MHzの目的信号と、アンテナ1から受信され受
信側に切り替えられた送受切替回路14を介して受信R
F信号用バンドパスフィルタ2を通過した870MHz
の受信RF信号が、受信用RFミキサ3により周波数混
合される。該RFミキサ3から出力された信号のうち第
1IF用バンドパスフィルタ4を通過した405.9M
Hzの信号が第1IF信号となり、該第1IF信号と該
IF帯シンセサイザ8から発振、出力された405.4
5MHzの信号が受信用IFミキサにより周波数混合さ
れる。該受信用IFミキサ5から出力された信号のうち
第2IF用バンドパスフィルタ6を通過した450kH
zの信号が第2IF信号となり、復調系回路7に入力さ
れてπ/4シフトQPSK復調される。
【0026】以上のようにして、送受信が行われるわけ
だが、送受信の切り替え時に、該IF帯シンセサイザ8
が54.5MHzと405.45MHzの間で切り替え
られ、該RF帯シンセサイザ12の発振周波数が87
0.50MHzと870.45MHzの間で切り替えら
れることになる。また、通信チャネルの切り替え時に、
該RF帯シンセサイザ12の発振周波数が送信時に87
0.50〜885.50MHz、受信時に870.45
〜885.45MHzの間で切り替えられることにな
る。本実施形態は本発明の一例であり、請求項1記載の
構成におけるIF帯シンセサイザ及びRF帯シンセサイ
ザの発振周波数の選択の仕方は、本実施形態に限られる
ものではないことは言うまでもない。
【0027】本実施形態においては、IF帯シンセサイ
ザ及びRF帯シンセサイザの発振周波数を各々の使用帯
域の送受信で切り替えることにより、シンセサイザを2
個使用するだけで2つの周波数帯域で使用できることと
なるが、具体的には、IF帯シンセサイザ8及びRF帯
シンセサイザ12の2個のシンセサイザだけであり、従
来例に比べシンセサイザの数を1個削減することがで
き、回路の簡易化、小型化、低消費電力化が図れる。
【0028】〈第2の実施形態〉図2は、本発明の請求
項2記載の無線通信装置の無線部の構成を示す第2の実
施形態で、本発明を携帯電話に適用したものである。図
示するように、本無線通信装置の無線部の回路ブロック
は、第1の実施形態と同じ構成要素からなり、その動作
も基本的には同じであるが、第1IF周波数、第2IF
周波数、IF帯シンセサイザ8及びRF帯シンセサイザ
12の発振周波数が異なり、第1IF周波数は130.
055MHz、第2IF周波数は455kHz、該IF
帯シンセサイザ8の発振周波数(fIF)はディジタル
帯域の送受信時、アナログ帯域の受信時に129.6M
Hz、アナログ帯域の送信時に204.7MHz、該R
F帯シンセサイザ(fRF)12の発振周波数はディジ
タル帯域の送信時に1069.600〜1077.60
0MHz、受信時に1069.655〜1077.65
5MHz、アナログ帯域の送信時に1129.700〜
1144.700MHz、受信時に1129.655〜
1144.655MHzに選択されている。
【0029】本実施形態においても、必要となるシンセ
サイザの数は、IF帯シンセサイザ8及びRF帯シンセ
サイザ12の2個だけでり、従来例に比べシンセサイザ
の数を1個削減することができ、回路の簡易化、小型
化、低消費電力化が図れる。
【0030】また、周波数の選択の仕方によっては、送
信時において、前記ミキサ10から出力される信号(m
fIF±nfRF)のうち、レベルの高い信号が送信周
波数帯域に入り、送信系回路13内のバンドパスフィル
タを通過してアンテナ1から放出され、自己および他の
無線通信装置の送信信号に干渉を与えてしまうことがあ
る。さらに、受信時において、前記信号が受信チャンネ
ル周波数帯域及び該受信チャンネル周波数帯域に対する
イメージ周波数帯域に入り、受信信号に干渉を与えてし
まうことがあると共に、前記信号が受信周波数帯域に入
り、受信RF信号用バンドパスフィルタ2を通過して、
アンテナ1から放出され、他の無線通信装置の受信信号
に干渉を与えてしまうことや他のシステムに対して影響
を与えてしまうことがある。
【0031】しかし、本実施形態のように周波数を選択
すると、送信時において、図3に示すように、ミキサ1
0から出力される信号が送信周波数帯域に入る場合であ
って、かつ(m+n)の次数が最も低くなるのは、アナ
ログ帯域使用時における15次の932.700から9
49.000MHzとなる。すなわち、ミキサからの出
力は次数が高くなると、変換効率が低下し、信号のレベ
ルが急速に低くなるわけだが、前記ミキシングの次数
(15次)は高く、信号レベルが低いため、他の無線通
信装置の送信信号に干渉を与えることはない。
【0032】また、受信時においては、図4に示すよう
に、ミキサ10から出力される信号が受信周波数帯域に
入る場合であって、かつ(m+n)の次数が最も低くな
るのは、3次の810.455から818.455MH
zと870.455から884.980MHzなる。こ
の場合、ミキシングの次数は低く、信号のレベルは比較
的高いが、バンドパスフィルタ9、受信用RFミキサ
3、受信RF信号用バンドパスフィルタ2を通過する際
に、信号のレベルが減衰し、アンテナ1から放出される
信号はレベルの低い信号となり、他の無線通信装置の受
信信号に干渉を与えることや、他のシステムに対して影
響を与えることはない。
【0033】本実施形態も本発明の一例であり、上記と
同様な構成におけるIF帯シンセサイザ及びRF帯シン
セサイザの発振周波数の選択の仕方は、上記実施形態に
限られるものではないことは言うまでもない。
【0034】〈第3の実施形態〉図5は、本発明の請求
項3記載の無線通信装置の無線部の構成を示す第3の実
施形態で、本発明を携帯電話に適用したものである。図
示するように、本無線通信装置の無線部の回路ブロック
は、第1の実施形態と同じ構成要素からなりその動作も
基本的には同じであるが、第1IF周波数、第2IF周
波数、IF帯シンセサイザ8及びRF帯シンセサイザ1
2の発振周波数が異なり、第1IF周波数は130.0
5MHz、第2IF周波数は450kHz、該IF帯シ
ンセサイザ8の発振周波数はディジタル帯域の送受信
時、アナログ帯域の受信時に129.6MHz、アナロ
グ帯域の送信時に204.6MHz、該RF帯シンセサ
イザ12の発振周波数はディジタル帯域の送信時に10
69.60〜1077.60MHz、受信時に106
9.65〜1077.65MHz、アナログ帯域の送信
時に1129.60〜1144.60MHz、受信時に
1129.65〜1144.65MHzに選択されてい
る。
【0035】本実施形態においても、必要となるシンセ
サイザの数は、IF帯シンセサイザ8及びRF帯シンセ
サイザ12の2個だけであり、従来例に比べシンセサイ
ザの数を1個削減することができ、回路の簡易化、小型
化、低消費電力化が図れる。
【0036】また、本実施形態のように周波数を選択す
ると、送信時において、図6に示すように、ミキサ10
から933.600から948.000MHzの信号が
出力されるが、第2の実施形態の場合と同様に問題とな
る信号の最低次数が15次となり、次数が高く信号のレ
ベルが低いため、干渉を与えることはない。
【0037】さらに、受信時においても、図7に示すよ
うに、ミキサ10から810.450から818.45
0MHzと870.450から885.000MHzの
信号が出力されるが、第2の実施形態の場合と同様に、
問題となる信号がアンテナ1から放出されるときには、
信号のレベルが低いため、干渉を与えることはない。
【0038】また、一般にシンセサイザの切り替え速度
は、比較周波数が大きい程速く、また切り替え幅が小さ
い程速くなる性質がある。周波数の選択の仕方によって
は、該IF帯シンセサイザの比較周波数が100kHz
程度、該RF帯シンセサイザの比較周波数が5kHz程
度になることも考えられるが、この例のように周波数を
選択すると、該IF帯シンセサイザ8は、VCXO11
から発振、出力された12.8MHzの信号を分周して
得られた600kHzの信号を利用して、送受信での切
り替え幅75MHzを比較周波数200kHzで切り替
えることができる。
【0039】また、該RF帯シンセサイザ12は、VC
XO11から発振、出力された12.8MHzの信号を
分周して得られた25kHzの信号を利用して、送受信
での切り替え幅50kHzを比較周波数25kHzで切
り替えることができる。従って、切り替え時間の高速化
が図れる。
【0040】〈第4の実施形態〉図8は、本発明の請求
項4記載の無線通信装置の無線部の構成を示す第4の実
施形態で、本発明を携帯電話に適用したものである。図
示するように、本無線通信装置の無線部の回路ブロック
は、第1の実施形態と同じ構成要素からなりその動作も
基本的には同じであるが、IF帯シンセサイザ8及びR
F帯シンセサイザ12の発振周波数が異なり、該IF帯
シンセサイザ8の発振周波数はディジタル帯域の送受信
時、アナログ帯域の受信時に129.6MHz、アナロ
グ帯域の送信時に204.8MHz、該RF帯シンセサ
イザ12の発振周波数はディジタル帯域の送信時に10
69.60〜1077.60MHz、受信時に106
9.65〜1077.65MHz、アナログ帯域の送信
時に1129.80〜1144.80MHz、受信時に
1129.65〜1144.65MHzとなっている。
【0041】本実施形態においても、必要となるシンセ
サイザの数は、IF帯シンセサイザ8及びRF帯シンセ
サイザ12の2個であり、従来例に比べシンセサイザの
数を1個削減することができ、回路の簡易化、小型化、
低消費電力化が図れる。
【0042】また、本実施形態のように周波数を選択す
ると、送信時において、図9に示すように、ミキサ10
から931.800から948.000MHzの信号が
出力されるが、第2の実施形態の場合と同様に問題とな
る信号の最低次数が15次となり、次数が高く信号のレ
ベルが低いため、干渉を与えることはない。
【0043】さらに、受信時においても、図10に示す
ように、ミキサ10から810.450から818.4
50MHzと870.450から885.000MHz
の信号が出力されるが、第2の実施形態の場合と同様
に、問題となる信号がアンテナ1から放出されるときに
は、信号のレベルが低いため、干渉を与えることはな
い。
【0044】また、本実施形態のように周波数を選択す
ると、該IF帯シンセサイザ8は、VCXO11から発
振、出力された12.8MHzの信号を分周して得られ
た1.6MHzの信号を利用して、送受信での切り替え
幅75.2MHzを比較周波数1.6MHzで切り替え
ることができる。
【0045】また、該RF帯シンセサイザ12は、VC
XO11から発振、出力された12.8MHzの信号を
分周して得られた25kHzの信号を利用して、送受信
での切り替え幅150kHzを比較周波数25kHzで
切り替えることができる。従って、この例においても、
切り替え時間の高速化が図れる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、RF帯シンセサイザ及
びIF帯シンセサイザの発振周波数を2つの周波数帯域
の送受信それぞれで切り替えて使用することにより、必
要となるシンセサイザの数を2個に抑えることができ、
無線携帯電話機の小型化、低コスト化、低消費電力化が
可能となる。
【0047】また、IF帯シンセサイザ及びRF帯シン
セサイザの発振周波数をある特定の条件で設定すること
により、送信時には送信周波数帯域内、受信時には受信
周波数帯域内及びイメージ帯域内にレベルの高い信号が
出現せず、干渉を避けることができる。
【0048】更に、2つの周波数帯域(送信周波数:9
40〜948MHz 受信周波数:810〜818MH
zと送信周波数:925〜940MHz 受信周波数:
870〜885MHz)での使用において、第1IF周
波数、第2IF周波数、RF帯シンセサイザ及びIF帯
シンセサイザの発振周波数を請求項3で示した値に設定
することにより、IF帯シンセサイザの最大切替幅を7
5MHz、比較周波数を200kHz、RF帯シンセサ
イザの最大切替幅を50kHz、比較周波数を25kH
zに設定することができ、両シンセサイザ、特にRF帯
シンセサイザの切り替え時間の高速化が可能である。
【0049】また、2つの周波数帯域(送信周波数:9
40〜948MHz 受信周波数:810〜818MH
zと送信周波数:925〜940MHz 受信周波数:
870〜885MHz)での使用において、第1IF周
波数、第2IF周波数、RF帯シンセサイザ及びIF帯
シンセサイザの発振周波数を請求項4で示した値に設定
することにより、IF帯シンセサイザの最大切替幅を7
5.2MHz、比較周波数を1.6MHz、RF帯シン
セサイザの最大切替幅を150kHz、比較周波数を2
5kHzに設定することができ、両シンセサイザ、特に
IF帯シンセサイザの切り替え時間の高速化が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る無線携帯電話機の無線部
のブロック図である。
【図2】第2の実施形態に係る無線携帯電話機の無線部
のブロック図である。
【図3】第2の実施形態に係る送信時のミキサの出力を
示した図である。
【図4】第2の実施形態に係る受信時のミキサの出力を
示した図である。
【図5】第3の実施形態に係る無線携帯電話機の無線部
のブロック図である。
【図6】第3の実施形態に係る送信時のミキサの出力を
示した図である。
【図7】第3の実施形態に係る受信時のミキサの出力を
示した図である。
【図8】第4の実施形態に係る無線携帯電話機の無線部
のブロック図である。
【図9】第4の実施形態に係る送信時のミキサの出力を
示した図である。
【図10】第4の実施形態に係る受信時のミキサの出力
を示した図である。
【図11】従来の無線携帯電話機の無線部のブロック図
である。
【符号の説明】
1、28 アンテナ 2、15 受信RF信号用バンドパスフィルタ 3、16 受信用RFミキサ 4、17 第1IF信号用バンドパスフィルタ 5、18 受信用IFミキサ 6、19 第2IF信号用バンドパスフィルタ 7、20 復調系 8、21 IF帯シンセサイザ 9、24 バンドパスフィルタ 10、25 ミキサ 11、23 VCXO(水晶発振器) 12、22 RF帯シンセサイザ 13、27 送信系 14、29 送受切替回路 26 送受切替用シンセサイザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/26 H04B 1/38 - 1/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の周波数帯域と第2の周波数帯域の
    2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘテロダ
    イン方式の無線通信装置において、RF帯シンセサイザ
    と、IF帯シンセサイザと、該RF帯シンセサイザ及び
    該IF帯シンセサイザから発振、出力される信号を周波
    数混合するためのミキサと、該ミキサから出力される信
    号を送信搬送波及び受信用第1局発信号として使用する
    手段と、前記IF帯シンセサイザから発振、出力される
    信号を受信用第2局発信号として使用する手段とを備
    え、前記RF帯シンセサイザと前記IF帯シンセサイザ
    両方の発振周波数が、前記各々の周波数帯域において、
    送受信時に切り替えられることを特徴とする無線通信装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無線通信装置において、
    第1の周波数帯域、第2の周波数帯域それぞれにおける
    IF帯シンセサイザ(発振周波数:fIF)及びRF帯
    シンセサイザ(発振周波数:fRF)から発振、出力さ
    れ、かつミキサにより周波数混合されて出力される信号
    (発振周波数:|mfIF±nfRF|、m、nは0以
    上の整数かつm+n≧1)のうち、目的信号以外で所定
    のレベル以上の信号が、送信時には送信周波数帯域に含
    まれず、受信時には受信チャンネル周波数帯域に対する
    イメージ周波数帯域及び受信周波数帯域に含まれないよ
    うに、fIFおよびfRFを選択することを特徴とする
    無線通信装置。
  3. 【請求項3】 第1の周波数帯域の送信周波数帯域が9
    40〜948MHz、受信周波数帯域が810〜818
    MHz、第2の周波数帯域の送信周波数帯域が925〜
    940MHz、受信周波数帯域が870〜885MHz
    である2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘ
    テロダイン方式の無線通信装置において、第1IF周波
    数を130.05MHz、第2IF周波数を450kH
    z、IF帯シンセサイザの発振周波数を第1の周波数帯
    域使用時の送受信時および第2の周波数帯域使用時の受
    信時に129.6MHz、第2の周波数帯域使用時の送
    信時に204.6MHz、RF帯シンセサイザの発振周
    波数を第1の周波数帯域使用時の送信時に1069.6
    0〜1077.60MHz、第1の周波数帯域使用時の
    受信時に1069.65〜1077.65MHz、第2
    の周波数帯域使用時の送信時に1129.60〜114
    4.60MHz、第2の周波数帯域使用時の受信時に1
    129.65〜1144.65MHzとすることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の無線通信装置。
  4. 【請求項4】 第1の周波数帯域の送信周波数帯域が9
    40〜948MHz、受信周波数帯域が810〜818
    MHz、第2の周波数帯域が送信周波数帯域が925〜
    940MHz、受信周波数帯域が870〜885MHz
    である2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘ
    テロダイン方式の無線通信装置において、第1IF周波
    数を130.05MHz、第2IF周波数を450kH
    z、IF帯シンセサイザの発振周波数を第1の周波数帯
    域使用時の送受信時および第2の周波数帯域使用時の受
    信時に129.6MHz、第2の周波数帯域使用時の送
    信時に204.8MHz、RF帯シンセサイザの発振周
    波数を第1の周波数帯域使用時の送信時に1069.6
    0〜1077.60MHz、第1の周波数帯域使用時の
    受信時に1069.65〜1077.65MHz、第2
    の周波数帯域使用時の送信時に1129.80〜114
    4.80MHz、第2の周波数帯域使用時の受信時に1
    129.65〜1144.65MHzとすることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の無線通信装置。
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