JP3242105B2 - 延伸可能な高抗張力アラミド重合体 - Google Patents

延伸可能な高抗張力アラミド重合体

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JP3242105B2 JP80002491A JP80002491A JP3242105B2 JP 3242105 B2 JP3242105 B2 JP 3242105B2 JP 80002491 A JP80002491 A JP 80002491A JP 80002491 A JP80002491 A JP 80002491A JP 3242105 B2 JP3242105 B2 JP 3242105B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本願はアラミド重合体であって、その繊維及び薄膜が
延伸可能であって、延伸処理後の極めて高い引張り強
さ、引張り伸び及び伸長弾性率の組合せが得られる重合
体を提供する。またこのような繊維の延伸方法も提供す
る。 本願は、1990年6月21日米国出願、一連番号第07/54
0,889号の一部連続出願であり、前記出願は1990年3月3
0日米国出願一連番号第07/502,598号の米国一部継続出
願である。
【0002】
【従来の技術】
パラアラミド重合体、例えばテレフタル酸と(T)と
p−フェニレンジアミン(PPD)から誘導されるパラア
ラミド重合体、が慣用の繊維に比較して、高い伸長弾性
率及び比較的高い引張り強さを有していることは当技術
分野では周知である。このような重合体は極めて結晶性
が強く、殆ど延伸できず、延伸率は通常約1%未満であ
る。このような重合体の延伸及び熱処理(徐冷)は伸長
弾性率の大幅な増大をもたらすが、引張り強さには実質
的な変化は現れない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、伸長弾性率が比較的高く、か
つ延伸可能(1%よりも遥かに大きい)な重合体であっ
て、しかも極めて向上した延伸後の引張り強さを有する
重合体を提供することである。この目的のため、選択的
に置換された4,4−ジアミノ−ビフェニル類(ベンジジ
ン類)を用いて、PPD/T中の規定量のPPDを置換して、延
伸可能なアラミドを形成する。
【0004】 別の実施例においては、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテル(本明細書ではODAと称することがある)とテ
レフタル酸で選択的に置換された4,4′−ジアミノビフ
ェニル類との重合体類もまた延伸可能なアラミド類であ
る。
【0005】 米国特許第3,349,062号明細書は2,2′−ジクロロ−4,
4′−ジアミノビフェニルのアラミドにおける可能な使
用方法(3ページ右欄第58行)を教示しているが、該単
量体を組み込んだ特定重合体に関しては記述していな
い。
【0006】 米国特許第4,785,038号では、イソフタル酸と2,2−ジ
クロロ−4,4′−ジアミノビフェニルから誘導された重
合体が製造された(実施例8)と伝えられた。
【0007】 米国特許第4,384,107号、第4,461,886号及び第4,525,
413号では、2,2′−ジクロロ−、2,2′−ジブロモ−、
及び2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニルが、
各種の可能な4,4−ジフェニルカルボン酸類を含むアラ
ミド類中の可能な重合用単量体として示されている(実
施例13、17及び15)。更に、2,2−ジブロモ−4、4′
−ジアミノビフェニルも、ビフェニル又はスチルベン含
有ジ酸類からアラミド類を製造するために、各々の特許
における数種の実施例で用いられている。
【0008】 日本国特許出願第86/315,111号明細書は、2,2′−ジ
メチル−及び2,2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、テレフタル酸、及び1,4−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼンから得られるアラミド類について記述
している。
【0009】 米国特許第4,075,172号及び第4,507,467号明細書は、
ODAから製造されるアラミド類、テレフタル酸から誘導
される単位類及びその他のジアミン類について記述して
いる。しかし、置換された4,4′−ジアミノビフェニル
類の使用には触れていない。これらのアラミド類は約10
00%まで延伸できるが、延伸された重合体類は、繊維の
形態で、例えば無定形である。
【0010】 欧州特許出願第367,535号明細書はテレフタル酸、p
−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、及び特定の組成範囲で置換された4,4′−ジア
ミノビフェニル類から製造されるアラミド類を開示して
いる。例えば、具体的に開示された一つの重合体は、2,
2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、テレフタ
ル酸、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル及びテレフ
タル酸の共重合体である。第1、第2及び第3の単位
(下記参照のこと)を含む重合体類製造のため第367,53
5号で開示された最も広い組成範囲は第1、第2及び第
3の単位(下記参照のこと)を含む重合体に関して本明
細書で特許請求する最も広い組成範囲と重畳している。
しかし、本明細書で特許請求する範囲は第367,535号の
好ましい範囲とは重畳しておらず、本明細書で特許請求
する重合体は事実上第367,535号では製造されなかっ
た。しかも、第367,535号の発明人等は、本明細書で特
許請求する選ばれた重合体組成を有する延伸された重合
体の延伸性及び優れた特性には触れていない。
【0011】 欧州特許第367,535号を除く上記特許はいずれも2,2′
−ジクロロ、2,2′−ジブロモ−、又は2,2′−ジメチル
−4,4′−ジアミノビフェニルのテレフタル酸を含み、P
PDから誘導された単位を含む或いは含まない共重合体に
関しては明確に記述していない。
【0012】 一般的な重合体の延伸は当業者の周知するところであ
るが、ある種のアラミド類の延伸は比較的困難である。
本質的にある種の非晶性アラミド類が容易に延伸できる
ことは当業者によく知られている。しかし、結晶性アラ
ミド類(PPDのように)は比較的高い伸長弾性率及び強
さをもつという長所を有するが容易には延伸できず、引
張り強さの実質的な向上が得られなければ、通常たかだ
か約1−2%又はそれ以下しか延伸できない。重合体連
鎖の更に改善された配列及びそれにより更に高い引張り
強さを得るためには、延伸量が更に大きくなることが望
まれる。このようなわけで、繊維形態のアラミド類を延
伸できて、「高度に」延伸されたアラミド類が向上した
引張り強さを有し、実質的な結晶化度(crystallinit
y)を有することが望ましい。
【0013】 米国特許第3,869,430号明細書はPPD/T繊維の延伸につ
いて開示し、これらの繊維が約3%延伸できたと主張し
ている。しかし、延伸された繊維の実施例そのものにお
いては、0.1乃至2.1%の延伸を報告しているに過ぎな
い。 米国特許第3,869,429号明細書の実施例1はPPD/T繊維
について0.5%の延伸を示している。 米国特許第4,500,278号明細書はPPD/T繊維の延伸につ
いて示し、該繊維は1.6%まで延伸可能であると発表し
ている。 日本国公開特許公開第63/006,108号明細書は、2%よ
り大きいPPD/T繊維の延伸を開示している。しかし、こ
の繊維は50%を越える水を含んでいる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
延伸可能なランダム共重合体が、PPD及びTから誘導
された単位(ここでは「第1の単位」と称する)約70乃
至約95モル%と、2,2′−ジ置換−4,4′−ジアミノビフ
ェニルとTから誘導された単位(ここでは「第2の単
位」と称する)約30乃至5モル%と、から本質的に構成
されて、提供される。ただし、2,2′置換体は塩素、臭
素及びメチルである。別の延伸可能なアラミドは、第1
の単位約7モル%と、第2の単位約30モル%乃至約70モ
ル%と、ODAとTから誘導された単位(ここでは「第3
の単位」と称する)約30モル%と、から本質的に構成さ
れて、提供される。このような重合体は、特に繊維形態
において、延伸されて、高度に配向された結晶性繊維を
生成し、PPD/T重合体によって通常得られる延伸量を越
える延伸量において、非常に向上した引張り強さ及び高
伸長弾性率を有する。更に、このようなアラミドを延伸
して、結晶性及び引張り強さを著しく増大するための処
理方法が提供される。
【0015】 本発明は、本質的に式
【化11】 で表される第1の単位約70乃至95モル%と、 式
【化12】 で表される第2の単位約30乃至5モル%と、 を含む延伸可能なアラミド・ランダム共重合体に関する
ものである。 ただし、上式でX1及びX2は塩素、臭素及びメチルからな
る群から独立に選ばれる。
【0016】 前記重合体は、第1の単位約78乃至約92モル%と、第
2の単位約22乃至約8モル%を含むのが好ましい。前記
重合体が、第1の単位約82乃至約91モル%と、第2の単
位約18乃至約9モル%を含めば更に好ましい。 またX1及びX2は同一であることが好ましい。X1及びX2
が共に塩素であれば更に好ましい。
【0017】 本発明は、また本質的に式
【化13】 で表される第1の単位約7モル%以内と、 式
【化14】 で表される第2の単位約30乃至70モル%と、 式
【化15】 で表される第3の単位約70乃至約30モル%と、 を含む延伸可能なアラミドに関するものである。 ただし、上式でX1及びX2は塩素、臭素及びメチルからな
る群から独立に選ばれる。
【0018】 前記重合体は第2の単位約35乃至約65モル%及び第3
の単位約65乃至約35モル%を含むのが好ましい。前記重
合体が第2の単位約45乃至約55モル%と、第3の単位約
55乃至約45モル%と、を含めば更に好ましい。また第1
の単位は約5モル%以内であるのが好ましい。 X1及びX2が同一であるのも好ましい。X1及びX2が塩素
又はメチルであれば更に好ましい。
【0019】 前記2,2′−ジ置換−4,4′−ジアミノビフェニル類は
当技術分野における既知の方法によって製造されてよ
い。例えば、C.A.Buehler及びD.E.Pearson著「有機合成
の調査(Survey of Organic Synthesis)」ニューヨ
ーク市、Wiley社、1970年発光、504ページに記載される
ように、ニトロベンゼンをヒドラゾベンゼンに転化し、
それを更にベンジジン(ジアミノビフェニル)に転化す
る一般的な方法によって、メタ置換ニトロベンゼン類を
用いて2,2′−ジ置換ベンジジン類を合成できる。
【0020】 重合体は、従来技術のアラミド類の製造方法として知
られる技術(例えば英国特許第1,547,802号及び米国特
許第3,673,143号を参照されたい)によって製造されて
もよい。製造される重合体は十分な分子量をもち、繊維
又は薄膜が形成されるものでなければならない。従っ
て、第1及び第2の単位のみを含む重合体の固有粘度
(inherent viscosity)は約4又はそれ以上でなけれ
ばならず(固有粘度測定方法に関しては下記を参照され
たい)、第2及び第3の単位を含む重合体の固有粘度は
約2又はそれ以上でなければならない。このような重合
体は、従来技術のアラミド類に関して知られる方法によ
って、繊維に紡糸できるか又は他の形状に形成できる。
例えば、薄膜の形成に関しては米国特許第3,673,143号
明細書の実施例2、また繊維紡糸に関しては米国特許第
3,673,143号明細書を参照されたい。この節で列挙した
すべての操作がこれらの実施例で説明されている。
【0021】 この合成体の一つの好ましい形態は、本質的に未延伸
(undrawn)の繊維のとき、引張り強さは少なくとも1
デニール当たり約15g、破壊伸び率(elongation to b
reak)は少なくとも約5%である。
【0022】 本発明の重合体は、延伸可能であって、延伸すると未
延伸重合体よりも非常に向上した特性、特に引張り強
さ、を現す。アラミド重合体類を延伸可能にし、かつ延
伸によって最適の物理的特性を示すようにするために
は、アラミド重合体は次の固有特性(intrinsic prope
rties)を有するべきであるとする仮説が通説(出願人
はこれに固執するものではないが)となっている。即
ち、繊維紡糸用の溶剤に可溶である、延伸条件下(特に
高温で)で安定である、紡糸開始(as−spun)(未延
伸)状態では大部分が無定性である。更に、延伸状態で
は相当な結晶性と高配向性を示す。第1及び第2の単位
のみを含む重合体は硫酸に可溶であり、一方、第2及び
第3の単位を含む重合体は、N−メチルピロリロンのよ
うなN−アルキルアミド溶剤類に可溶である。多数のア
ラミド類がこれらの条件の幾つかを満たすが、出願人の
考えでは、理論的に可能な全アラミド重合体類中のほん
の一部のみがこれらの全条件を満たす。
【0023】 本発明の延伸可能な重合体は、ロープ及び複合体のよ
うな高い引張り強さ及び伸長弾性率を重視する繊維及び
薄膜に有用である。 また、本発明はアラミド類を延伸するための処理方法
であって、 (a)アラミドを前記アラミドが延伸できる温度まで加
熱する工程と、 (b)前記アラミドを前記温度で、前記アラミドを延伸
するに十分な力を加えて、 前記アラミドは少なくとも1.5%延伸する、 前記延伸されたアラアミドは35オングストローム以上
の見掛けの微結晶粒径を有する、 前記延伸されたアラミドは12゜以下の配向角を有す
る、 前記延伸されたアラミドは1デニール当たり約20g以
上の引張り強さを有する、 前記延伸されたアラミドの引張り強さは、前記未延伸
アラミドの少なくとも1.15倍である、 という条件の下で延伸する工程と、 を含んでなる処理方法も含むものである。
【0024】 延伸温度は好ましくは約350℃乃至約575℃、最も好ま
しくは約400℃乃至約520℃である。任意の特定のアラミ
ドの所要温度は、アラミド(例えば薄膜又は繊維)を所
与の温度に加熱して手で延伸しようとする(実施例1参
照、のこと)ことによって、容易に決定できる。延伸し
なければ明らかに更に高い温度に昇温するようにすべき
である。
【0025】 繊維を延伸するために要する力は比較的容易な実験に
よって決められる。アラミドが有る延伸量まで破壊しな
いなら、アラミドはその延伸量までは延伸できる。換言
すると、アラミドは或る力(しかしアラミドを破壊する
に要する力よりも小さい)で延伸できる。アラミドを延
伸温度まで加熱し、張力計で加えられている力を測定し
ながらアラミドを延伸できるだけの十分な力を加えるこ
とによって、任意のアラミド及び温度に対して、この力
を容易に決定できる。
【0026】 「少なくともX%延伸された」という表現は次の式に
よって計算される値を意味するものとする。 (最終期の長さ−初期の長さ)×100/初期の長さ アラミドが少なくとも3%延伸されると好ましく、アラ
ミドが少なくとも約4%延伸されると更に好ましくは、
アラミドが少なくとも約6%延伸されると最も好まし
い。また、アラミドが少なくとも約400%延伸されると
好ましい。延伸されたアラミドの引張り強さが、未延引
のアラミドの引張り強さの少なくとも1.25倍であること
も好ましい。
【0027】 配向角は12゜又はそれ未満、好ましくは10゜又はそれ
未満、更に好ましくは8゜又はそれ未満である。配向角
は(繊維においては)、次の方法で測定される。 直径約0.5mmのフィラメント束を、フィラメントを本
質的に平行に保持するように注意して、試料保持器に掛
ける。試料保持器に一杯のフィラメントを、ニッケルの
ベータ線フィルター付きの銅の長焦点微調整回折管(PW
2270/20型)を使用し、40kV及び40mAで作動する、Phili
ps社製X線発生装置(12045B型)から発生したX線ビー
ムに曝す。
【0028】 試料フィラメントの回析像は、Warhus社製ピンホール
カメラに装填されたKodak社製のDEF診断用直接露光X線
フィルムに記録される。カメラのコリメータは直径0.64
mmである。露出は約15乃至30分間(又は一般的には測定
対象の回折特性が光学的濃度〜1.0で記録できるような
十分に長い時間)続けられる。
【0029】 回折像をデジタル化して、デジタル化した像をビデオ
カメラで記録する。放射強度は白と黒の基準を用いて校
正し、グレイレベル(0−255)を光学的濃度に変換す
る。本発明の繊維の回折像は、散乱角約20゜乃至22゜に
おいて、2つの卓越して重畳する赤道(equatorial)反
射を有する。内側反射(〜22゜)は配向角の測定に使用
される。2つの選ばれた赤道ピークを通る方位トレース
(即ち、回折像の各側における内側反射)に等価なデー
タ配列がデジタル像データファイルに基づく内挿から作
られる。該データ配列は1データポイントが弧1/3゜に
等価に構成される。
【0030】 配向角は、赤道ピークにおける最大光学的濃度の半値
点における度単位の弧の長さ(最大濃度の50%の2点に
対して張られる角度)と考えられ、背景に関する補正を
行う。これは、ピークの各々の側の多数のピーク高半値
点群の間のデータポイントから計算される(内挿法が用
いられ、積分数ではない)。両方のピークが測定され、
配向角は2つの測定値の平均として考えられる。
【0031】 延伸された見掛けの結晶粒径は少なくとも35オングス
トローム、好ましくは少なくとも約45オングストロー
ム、更に好ましくは55オングストロームである。35オン
グストローム又はそれ以上の見掛けの結晶粒径はアラミ
ドにおける顕著な結晶化、及び重要な特性の一つ、特に
伸長弾性率、を示すものと考えられている。見掛けの結
晶粒径は次の方法で測定される。
【0032】 見掛けの結晶粒径は、X線回折計(Philips Electvo
nic Instruments社製、カタログ番号PW1075/00)を回
折モード作動し、回折ビームモノクロメータ及びシンチ
レーション検知器を用いて、X線回析走査を行うことに
よって得られる。強度データは比率計で測定し、コンピ
ュータ化したデータ収集及び整理システムによって記録
される。回折走査は次の装置設定条件を用いて得られ
る。 走査速度 1゜2θ/分 ステップ増分 0.025゜2θ 走査範囲 15゜乃至30゜2θ パルス高解析器 差動
【0033】 回折データをコンピュータプログラムで処理して、デ
ータを平滑化し、基線を定め、またピークの位置及び高
さを測定する。
【0034】 本発明による繊維の回折像は、2つの卓越した赤道X
線反射によって特徴付けられる。これらのピークはおよ
そ20゜−21゜及び22゜2θ(散乱角)に現れ、実質的に
重畳し、分解するのが困難なことがある。見掛けの結晶
粒径は、1次の(低いほうの散乱角)赤道回折ピークの
ピーク高半値点の幅の測定から計算される。2つの赤道
ピークは重畳しているから、ピーク高半値点の幅の測定
はピーク高半値点における半値幅に基づいて行われる。
前記の20゜−20゜のピークに関しては、ピーク高半値点
の位置が計算され、この強度に対応する2θ値が低角側
で測定される。この2θ値と最大ピーク高における2θ
値との間の差に2を乗じて、ピーク(又は輝線)高の半
値点の幅とする。
【0035】 この測定においては、装置に起因する広がりに対して
のみ補正を行う。即ち、他の全ての広がり効果(broade
ning effects)は結晶粒径による影響と仮定する。B
を試料の測定輝線幅とすると、補正後の輝線幅βは β=(B2−b21/2 上式で、「b」は装置の広がり定数である。「b」はシ
リコン結晶粉末試料の回折像で概略28.5゜2θの位置に
あるピークの輝線幅の測定によって定める。
【0036】 見掛けの結晶粒径は式、 ACS=(Kλ)/(β・cosθ)、 上式で、 Kは1(単位)とする。 λはX線の波長(本明細書では1.5418オングストロー
ム)である。 βはラジアン単位の補正後の輝線幅である。 θはブラッグ角(回折像から得られた選ばれたピークの
2θ値の半分)である。
【0037】 アラミドは薄膜又は繊維の形態で延伸されるのが好ま
しく、アラミドが繊維の形態であるのが特に好ましい。
【0038】 アラミドは式
【化16】 で表される第1の単位約70乃至95モル%、及び式
【化17】 で表される第2の単位約5モル%を本質的に含むことが
好ましい。 上式で、X1及びX2は塩素、臭素及びメチルからなる群か
ら独立に選ばれる。この組成を有するアラミドの好まし
い合成物は先に列挙した通りである。
【0039】 アラミドが式
【化18】 で表される第1の単位約7モル%以下と、 式
【化19】 で表される第2の単位約70モル%と、 式
【化20】 で表される第3の単位約70乃至30モル%とを本質的に含
むこともまた好ましい。 上式で、X1及びX2は塩素、臭素及びメチルからなる群か
ら独立に選ばれる。この組成を有するアラミドの好まし
い合成物は先に列挙した通りである。
【0040】 本発明におけるアラミドの延伸は実質的に水又はその
他の溶剤の無い状態で起こる。実質的に水又はその他の
溶剤の無い状態とは、約5%未満、好ましくは約2%未
満、の水又はその他の溶剤の存在を意味する。アラミド
の分子量は繊維を形成できるほど十分に大きいものでな
ければならない。 従って、第1及び第2の単位のみを含有する重合体は
硫酸中で4又はそれ以上の固有粘度を有し、第2及び第
3の単位を含有する重合体はN−メチルピロリジン中で
約2又はそれ以上の固有粘度を有していなければならな
い。固有粘度を測定する方法は米国特許第3,673,143号
9ページ左欄に第10行以下に示してあり、この引用によ
って本願に含まれるものとする。
【0041】 延伸前のアラミドは30又はそれ以下の見掛けの結晶粒
径をもつことが好ましい。このことは、見掛けの結晶粒
径が延伸処理の間に十分に増大することを意味する。 アラミドを延伸するための有用な装置は極めて多様で
あろう。手で延伸してもよいが、もっと自動化された連
続的な工程による生産が望ましい。このような工程に有
用な装置は米国特許第3,869,430号及び第4,500,278号は
含まれており、この引用によって本願に含まれるものと
する。
【0042】 次の実施例においては、繊維特性は米国特許第3,869,
429号第5ページ右欄第28行乃至第6ページ左欄第10行
に開示された方法によって測定され、この引用によって
本願に含まれるものとする。配向角及び見掛けの結晶粒
径は上記のように測定された。
【0043】
【実施例】
実施例1 炎切れした(flamed−out)樹脂製のかま(kettle)
外部式氷冷却浴(external ice cooling bath)、籠
型(cage type)攪拌器、乾燥窒素の緩慢なブランケッ
ト流(blanketing flow)、温度計、及び固体供給用設
備を設け、その中で無水、粉末化塩化カルシウム(61.0
g;0.555モル)を無水N−メチルピロリジン(652ml;672
g)に溶解した。この溶剤に、室温で、p−フェニレン
ジアミン(35.497g;0.328モル)及び2,2′−ジクロロペ
ンジジン(17.032g;0.067モル)溶解した。この溶液を
攪拌し、0−5℃に冷却した後、これに塩化テレフタロ
イル(80.388g;0.396モル)を定量的に加えた。該混合
物を反応熱で昇温するままに放置した。全てのジ酸塩化
物が溶解し終わると当初は透明な液体が形成され、数分
通過すると硬いゲルに変り、攪拌器の作用によってパン
粉状の物質に砕かれた。室温で攪拌状態を約3時間維持
した。
【0044】 重合化した物体を十分な水と混合し、過し、過に
際して水で徹底的に洗浄して、80℃のオーブンで一定重
量になるまで約15時間真空乾燥した。100%H2SO4中にお
ける固有粘度は4.19dL/gであった。DSCは545℃における
溶融を示している。TGAによる急速重量損失しきい値は5
20℃であった。
【0045】 籠型攪拌器を備えた樹脂のかまに乾燥窒素の緩慢流ブ
ランケットを供給し、その中で100%H2SO4355gを攪拌し
ながらドライアイスの外部浴で冷却した。凍結すると雪
状のねばりが現れた。この「雪」を攪拌しながら、これ
に合計85gの前記乾燥重合体を、5ロットに分け2時間
かけて、加えた。攪拌を継続し冷却浴を取り除いて、室
温まで暖めた。70℃で5時間混合すると粘性の高い、乳
白色のスピンドープが形成された。該ドープは濃度19.3
%(重量比)であった。
【0046】 暖かい、静止流体のドープを容量約300ml、外部電熱
器付きのステンレス鋼の筒へ移した。前記筒の頂上部に
は、ドープを覆って、ピストンを備えてあった。前記筒
の底の吐出口は、微細な網目のステンレス鋼スクリーン
を介して、下方の同様な筒に連結してあり、前記下方の
筒は真空ポンプに連結してあった。減圧して、70℃に熱
せられたドープを前記スクリーンを通して前記下方の筒
の容器に吸入し、それによって含まれていた気泡を除去
し、また偶然に混入していた粗い粒子を全て濾過して取
り除いた。
【0047】 次に、上方の容器を取り去り、下方の容器について、
ドープの上方に設置されているピストンを電動機駆動の
スクリュー機構によって所望の定速で下方へ駆動できる
プランジャに連結した。閉の状態の真空ポートを付置さ
れた下方の容器の吐出口は、ダイナロイ(Dynalloy)
過器を含み、数種のメッシュのスクリーンと連なり、各
穴が直径0.0025インチ及び長さ0.0065インチの穴10個を
もち外部加熱によって任意の温度に保てる紡糸口金(sp
inneret)を備えた紡糸口金パックに直接に連結され
た。
【0048】 ドープは紡糸口金から、0.6cmのエアギャップを介し
て凝固水浴中に押し出された。周囲貯水槽中の水は長さ
約20cmの細い制御吐出管に流出した。繊維はこの流出管
の頂部で水に接触し、流出管の下方まで平行して進ん
で、もっと大型の、多少なりとも静的で、平坦な水浴中
に入る。繊維は、この水浴に90゜未満の角度で設けてあ
るローラーピンを回って、完全に酸を除くために絶えず
水を散布されている巻取ボビンへ向かって進む。繊維は
夜通し25℃の水に水っづけにされた後、作業台上におい
て周囲温度で24時間乾燥された。最適紡糸条件は250m/
分の巻取速度であった。紡糸したままの繊維の平均特性
は、粘り強さ(tenacity)(T)/伸長率(E)/伸長
弾性率(Mi)/粘り強さ(To)/5本のフィラメント試料
に関するフィラメント当たりのデニール(dpf)は、17.
0gpd(g/デニール)/6.25%/404gpd/0.55gpd/1.40であ
った。最適の個体破断は18.1/6.1/487/0.57/1.48であっ
た。応力−ひずみ曲線は、明瞭な「ニー(knee)」で特
徴付けられた。配向角は19.7゜であった。見掛けの結晶
粒径は25オングストロームであった。
【0049】 長さ約12インチのフィラメントの束(10本又はそれ以
上)を両手の間で中位の張力をかけて張り、繊維に関す
るどんな自然発生的傾向でも容易に発生するように(過
剰の力を用いると通常破壊を引き起こす)中位の張力を
保ったまま、これを電弧加熱板(接触長1インチ、直径
2インチ)を横切る一回の連続運動で前方へ移動させ
た。繊維に付した2インチ標線の距離を増加することに
よって、490℃で6%の延伸を実現した(同一条件下で
紡糸したままのPPD−T[商品名Kevler29]は何等の延
伸性(drawability)も示さなかった。これよりも低い
温度では延伸性は小さくなった。これよりも高い温度で
は、繊維が破断する傾向が現れた。平均(資料数3)の
T/E/Mi/To/dpfは、26.7/4.6/736/0.64/1.21であり、最
高の個体破断は27.9/4.8/718/0.69/1.12であった。配向
角は8.8゜であった。見掛けの結晶粒径は56オングスト
ロームであった。
【0050】 上記の紡糸したままの繊維を、貯蔵ボビンから一対の
供給ロールへ送り、そこから繊維を加熱板を横切って
(手動延伸で行ったように)巻取ロールに搬送した。巻
取ロール対供給ロールの比率は随意に1.09、即ち1フィ
ート/分の供給速度で9%の延伸率、加熱板温度は490
℃とした。この実験では、供給速度には何等の固有の障
害(intrinsic barrier)も存在するようには見えなか
ったが、静力学的制御を行うために低速度を用いた。
【0051】 平均のT/E/Mi/To/dpfは、25.5/4.2/702/0.545/1.29で
あり、最高の個体破断は28.0/4.1/835/0.588/1.20であ
った。配向角は8.6゜、見掛けの結晶粒径は48オングス
トロームであった。
【0052】 全く同一の方法で製造した別のバッチの重合体は硫酸
中で固有粘度4.2を有していた。3つのバッチの繊維を
種々の条件下で紡糸及び延伸した。物理的性質は次の通
りであった。
【表1】
【0053】 実施例2 実施例1について説明したものと同じ工程で、塩化テ
レフタロイル(80.39g;0.396モル)を、p−フェニレン
ジアミン(32.08g;0.297モル)及び2,2′−ジクロロベ
ンジジン(25.05g;0.099モル)の浴存無水CaCl2(61.0
g;0.544モル)含有N−メチルピロリドン(672g;652モ
ル)溶液に加えた。パン粉状のゲル生成物を21℃で5日
間静置した後、過剰の水で処理して重合体を沈殿させ、
該重合体を水で洗浄し、過し、アセトンで洗浄して夜
通し80℃で15時間乾燥させた。硫酸中の固有粘度は5.29
未満であった。
【0054】 共重合体(上記のように製造されたもの85.0g)を、
実施例1に記したように、100%硫酸355gに溶解して、1
9.3%(重量比)溶液を作った。
【0055】 ドープを容器内で78℃に加熱し、実施例1で説明した
ように、各々の穴が直径0.003インチ及び長さ0.009イン
チの10穴紡糸口金を通して、79℃で0.6cmのエアギャッ
プを介して、0−5℃の水中に押し出した。押出し速度
は17.7m/分、巻取速度は117m/分、スピン延伸定数(spi
n−stretch factor)6.6であった。洗浄及び乾燥後の
繊維はT/E/Mi/To/pdf=15.5gpd/6.20%/362gpd/0.486gp
d/1.53dpfであった。最高の個体標本は16.5/6.47/334/
0.526/2.00であった。広角X線によると、配向角は21.7
゜であった。見掛けの結晶粒径は20オングストロームで
あった。 実施例1と同様に、490℃で3−6%だけ繊維を手で
延伸した。平均のT/E/Mi/To/pdfは18.4/3.64/648/0.356
/1.31で最良の個体標本は21.5/4.24/0.492/1.43であっ
た。配向角は11.5゜であった。見掛けの結晶粒径は殆ど
変わらず、今回は21オングストロームであった。
【0056】 実施例3 塩化テレフタロイル(36.17g;0.178モル)、p−フェ
ニレンジアミン(17.32g;0.160モル)、2,2′−ジクロ
ロベンジジン(4.51g;0.018モル)、N−メチルピロリ
ドン(302.5g;293モル)及びCaCl2(27.45g;0.25モル)
について、実施例1と同様な工程を適用した。固有粘度
は硫酸中で4.13であった。 実施例1と同様の工程によって、重合体42.5g及び硫
酸177.5gを用いて、19.3%固相の共重合体の硫酸溶液を
製造した。
【0057】 繊維を実施例1と同様に紡糸した。平均のT/E/Mi/To/
pdfは15.16/5.25/485/0.443/4.47で最良の個体標本は1
7.06/6.2/508/0.592/3.9であった。配向角は16.4゜であ
った。見掛けの結晶粒径は16.6オングストロームであっ
た。
【0058】 495℃における3%の手動延伸によって、T/E/Mi/To/p
df=22.65/3.17/774/0.363/3.8で最良の個体標本23.61/
3.29/821/0.392/3.5を得た。配向角は7.6゜、見掛けの
結晶粒径は81オングストロームであった。
【0059】 実施例4 籠型攪拌器、液中温度計、緩慢な乾燥窒素流、外部氷
冷却設備及び個体供給用設備を設けた、炎切れした樹脂
製のかまの内で、3,4′−オキシジアニリン5.570g(0.0
281モル)及び7.117g2.2′−ジクロロベンジジン(0.02
81モル)を無水N−メチルピポリジン223ml(230g)に
溶解した。この溶液を攪拌し、0−5℃に冷却したもの
に、塩化テレフタロイル1.421g(0.563モル)を全部一
度にに加えた。重合体が形成されると、外部冷却を行っ
ているにも拘らず温度が幾分上昇し、当初の15分間で溶
液の粘性がかなり増加した。室温で攪拌を2時間持続し
た。この粘性の高い透明な液体に無水CaO3.15g(0.563
モル)を加えて、副生HClをCaCl2に変えた。次に、得ら
れた透明な液体を室温にそのまま置くとゲル化したが、
暖めると容易に再び流動化した。
【0060】 80℃に加熱した上記の液体を、オーブンの中で80℃に
予熱した透明なガラス板の上に注ぎ手術刀を用いて、薄
膜(厚さ0.015インチ)を注型によって作った。該薄膜
を空気循環式オーブン内において80℃で3時間乾燥し
た。次いで、一晩25℃の水に漬けて、CaCl2及び余分の
溶剤を抽出した。得られた透明な、殆ど無色の薄膜を1/
4インチ幅のストリップに切断した。
【0061】 薄膜ストリップを、手を使って、熱せられた半径1イ
ンチの半円形鋼板を接触長1−2インチで横切る一回の
連続的前進運動で延伸した。張力は、ストリップが破壊
したり過度の延伸によって損なわれないように調節し
た。前記鋼板の表面温度275−515℃の場合、400−700%
の延伸が可能であった。その結果、平均(試料数5の)
引張り強さ/破断伸び/伸長弾性率及びデニールは、50
5℃における500%延伸に対して、8.4gpd(11.1gpd)/2.
0%(2.6%)/303gpd(476gpd)/257デニールであっ
た。最高の個体破壊は括弧内に示してある。応力−ひず
み曲線は直線であったが、薄膜内部の構成フィブリルの
連続的破壊によって最大値までは通常到達しなかった。
515℃で700倍に延伸した試料の広角X線回析図では、11
0オングストロームの見掛けの結晶粒径を有する結晶化
度の極めて高い発達が見られ、配向角は4.1゜であっ
た。
【0062】 比較実施例1 ηinh(固有粘度)=3.01であるp−フェニレンジア
ミン/3.4′−オキシジアミン(50/50)のテレフタルア
ミド重合体を、正確に相似する(analogous)重合によ
って製造し、薄膜に注型し、更に上記のようにストリッ
プを延伸した。温度400−490℃の範囲で450−1550%の
延伸性が観測できた。一例として、475℃で1500%延伸
した試料では、T/E/Mi/デニールの平均値は14.7gpd(1
8.4gpd)/4.1%(4.5%)/384gpd(598)/110デニール
であり、配向角は11.4゜であって、X線回析図では明瞭
な回析スポットはないものと判定されるから3次元結晶
化度は無視できる。この組成の商用繊維試料について、
測定した見掛けの結晶粒径は33オングストローム、配向
角は15゜であった。
【0063】 実施例5 実施例4のように、3,4′−オキシジアニリン4.858g
(0.0343モル)及び2,2′−ジクロロベンジシン5.784g
(0.0229モル)をNMP223ml(230g)に溶解した。これを
塩化テレフタロイル11.602g(0.0572モル)と更に化合
させ、副生HClを無水CaO3.26g(0.0572モル)と反応さ
せて中和した後、透明で薄黄色の粘性の高い溶液を得
た。この重合体の8%溶液をNMPで5%固相に希釈する
ことによって固有粘度は4.20と決まった。
【0064】 実施例4のようにして作った薄膜ストリップを、400
℃程度の温度に熱せられた板で上で手を使って引き延ば
した(700%)、もっと高い温度では試料は溶融し破壊
すると思われた。典型的な見掛けの結晶粒径は55オング
ストローム、配向角は5.3−6.1゜の範囲であることが分
かった。種々の試料について、粘度の値は6−9gpd,破
壊伸びは2.3−5.5%であり、初期伸長弾性率は170−290
gpdであった。
【0065】 実施例6 実施例4と同様な工程を用い、5−10℃で、
【0066】 実施例4のようにして製造され、粘り強さ/伸長率/
伸長弾性率/が1.3gpd/32%/24gpdであって、無視でき
る結晶化度及び配向を有する薄膜ストリップを、T/E/Mi
が6.0gpd/2.5%/313gpdになるように半径2インチの半
円形板を横切らせて.最適には430℃で500%ほど延伸し
た。これらの試料では、試験過程でフィブリルが次々に
破壊した。延伸された繊維は配向角6.7゜及び見掛けの
結晶粒径90オングストロームを有していた。
【0067】 実施例7 実施例4と同様な工程を用いて、塩化テレフタロイル
(11.27g;0.056モル)を、N−メチルピロリドン(230
g)に溶解した3,4′−オキシジアニリン(4.44g;0.022
モル)と2,2′−ジクロロベンジジン(8.43g;0.033モ
ル)との混合物と化合させた。得られたゲルは120℃に
熱すると流動化した。これに酸化カルシウム(3.11g;0.
056モル)を加えて、中和した。固有粘度はN−メチル
ピロリドン中で4.55であった。 重合体を多量の水で処理して沈殿させ、分離し、乾燥
した後、塩化カルシウム5%を含有するN−メチルピロ
リドンに再溶解して、重合体の7%溶液を形成した。実
施例4と同様に、粘り強さ/伸長率/伸長弾性率/が1.
1gpd/15%/37gpdであって、無視できる結晶化度及び配
向を有する薄膜ストリップを、 T/E/Mi =8.5(9.3)gpd/2.5(2.8)%/414(404)gpd になるように、500℃で575%に延伸し(最高の粘り強さ
の値を括弧内に示す)、更に実施例4及び5と同じX線
回析図を撮ると、極く高い結晶化度及び配向が認められ
た。
【0068】 実施例8 無水塩化カルシウム3%(7.3g)を含有したN−メチ
ルピロリドン(243g)に溶解した3,4′−オキシジアニ
リン(6.25g;0.031モル)、2,2′−ジクロロベンジジン
(7.12g;0.028モル)、p−フェニレンジアミン(0.034
g;0.003モル)を用いて、実施例4の工程を繰り返し、
塩化テレフタロイル(12.69g;0.063モル)で処理し、そ
の後で酸化カルシウム(3.5g;0.063モル)で中和した。
N−メチルピロリドン中での固有粘度は3.17であり、硫
酸中では1.79であった。
【0069】 薄膜ストリップを、実施例4と同様に製造し、処理し
た。成形したままの試料は無定形(amorphous)であり
(広角X線によれば見掛けの結晶粒径は8オングストロ
ーム)、配向はなく、粘り強さ/伸長率/伸長弾性率/
は1.4gpd/48%/23gpdであった。これらを470℃で750%
ほど延伸するとT/E/Miは10.3(13.7)gpd/2.9(3.9)%
/224(250)gpd(括弧内は最高の個体)となり、見掛け
の結晶粒径は45オングストローム、配向角は7.5゜とな
った。
【0070】 実施例1と同様な工程によって、塩化テレフタロイル
(79.39g;0.391モル)を、溶存無水塩化カルシウム(6
0.21g)を含有したN−メチルピロリドン(672g)に溶
解したp−フェニレンジアミン(35.35g;0.325モル)と
2,2′−ジクロロベンジジン(14.09g;0.066モル)との
溶液と反応させた。得られた堅いゲル又はクラム(crum
b)を多量の温水で処理して、沈殿した重合体をし取
り、アセトンで洗浄し、100℃で48時間乾燥した。重合
体の固有粘度は、100%硫酸中で4.22であった。
【0071】 酸を雪程度の粘度に凍結するようにドライアイスで予
め冷却されたアトランティック・ミキサー(Atlantic
mixer)内で、前記重合体を100%硫酸と化合させた。ミ
キサーを3時間かけて攪拌しながら80℃まで緩めると、
液晶溶液(19.6%固相)が得られた。この溶液を、実施
例1に記したように、紡糸すると、T/E/Miデニール=6.
8gpd/4.3%/270gpd/4dpfとなった。繊維試料を、手を使
って、温度500−575℃のホットスピンを横切らせると、
T/E/Mi値は典型的には15.4gpd/3.2%/603gpd及び最良レ
ベル20.2gpd/3.3%/569gpdを得た。
【0072】 上述のように本発明の好ましい実施例を説明したが、
これによって本明細書において正確に構成される本発明
の範囲を限定しようとするものではない。また、本明細
書の特許請求の範囲に含まれるあらゆる変更に対して権
利が保留されることも明らかである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−194022(JP,A) 特開 平2−229827(JP,A) 特開 昭61−19814(JP,A) 特開 昭53−32838(JP,A) 特開 昭64−90223(JP,A) 特開 平2−123134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/36 C08G 69/40 - 69/44

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】延伸可能なアラミドランダム共重合体であ
    って、式 で表される第1の単位70〜95モル%と、式 で表される第2の単位30〜5モル%(式中、X1及びX2
    塩素、臭素及びメチルからなる群から独立して選ばれ
    る)と を本質的に含む、上記アラミドランダム共重合体。
  2. 【請求項2】第1の単位78〜92モル%と、第2の単位22
    〜8モル%とを含む、請求項1に記載のアラミドランダ
    ム共重合体。
  3. 【請求項3】第1の単位82〜91モル%と、第2の単位18
    〜9モル%とを含む、請求項2記載のアラミドランダム
    共重合体。
  4. 【請求項4】X1及びX2が同一である、請求項1記載のア
    ラミドランダム共重合体。
  5. 【請求項5】X1及びX2が塩素である、請求項4記載のア
    ラミドランダム共重合体。
  6. 【請求項6】X1及びX2が同一である、請求項2記載のア
    ラミドランダム共重合体。
  7. 【請求項7】X1及びX2が塩素である、請求項2記載のア
    ラミドランダム共重合体。
  8. 【請求項8】X1及びX2が塩素である、請求項3記載のア
    ラミドランダム共重合体。
  9. 【請求項9】延伸されたものである、請求項1記載のア
    ラミドランダム共重合体。
  10. 【請求項10】延伸されたものである、請求項2記載の
    アラミドランダム共重合体。
  11. 【請求項11】延伸されたものである、請求項8記載の
    アラミドランダム共重合体。
  12. 【請求項12】アラミドを延伸する方法において、該ア
    ラミドを少なくとも1.5%延伸するという条件で、前記
    アラミドを延伸することのできる温度までアラミドを加
    熱する工程と、前記アラミドを延伸するのに十分な力を
    加えることによって、前記温度で該アラミドを延伸する
    工程とを含む、上記アラミドの延伸方法であって、 前記アラミドが、式 で表される第1の単位70〜95モル%と、式 で表される第2の単位30〜5モル%(式中、X1及びX2
    塩素、臭素及びメチルからなる群から独立して選ばれ
    る)と を本質的に含む、上記アラミドの延伸方法。
  13. 【請求項13】温度が350℃〜575℃である、請求項12記
    載の方法。
  14. 【請求項14】温度が400℃〜520℃である、請求項12記
    載の方法。
  15. 【請求項15】アラミドは少なくとも3%延伸する、請
    求項12記載の方法。
  16. 【請求項16】アラミドは少なくとも4%延伸する、請
    求項12記載の方法。
  17. 【請求項17】アラミドは少なくとも6%延伸する、請
    求項12記載の方法。
  18. 【請求項18】アラミドが第1の単位78〜92モル%と、
    第2の単位18〜8モル%と含む、請求項12記載の方法。
  19. 【請求項19】X1及びX2が塩素である、請求項18記載の
    方法。
  20. 【請求項20】温度が350℃〜575℃である、請求項19記
    載の方法。
  21. 【請求項21】繊維の形態である、請求項1記載のアラ
    ミドランダム共重合体。
  22. 【請求項22】薄膜の形態である、請求項1記載のアラ
    ミドランダム共重合体。
  23. 【請求項23】アラミドを延伸して繊維を形成する、請
    求項12記載の方法。
  24. 【請求項24】5%以下の溶剤の存在下で行う、請求項
    23記載の方法。
  25. 【請求項25】本質的に延伸されていない繊維の形態で
    あって、該繊維が、1デニール(長さが450mで、重さが
    0.05gである繊維の太さ)当たり少なくとも15グラムの
    引張り強さと、少なくとも5%の破壊伸長率とを有す
    る、請求項1記載のアラミドランダム共重合体。
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