JP3241805U - 無線通信機能を備えた電動工具 - Google Patents

Abstract

電動工具（１）は、第１の構造体（５）と、第２の構造体（３）と、第１の構造体（５）上に配置された第１のコイル構造体（９）と、第２の構造体（３）上に配置された第２のコイル構造体（１１）であって、第２のコイル構造体（１１）は、第１のコイル構造体（９）と誘導的に相互作用して、第１のコイル構造体（９）と第２のコイル構造体（１１）の間のデータの無線通信を可能にするように構成されている、第２のコイル構造体（１１）と、第１のコイル構造体（９）と第１の構造体（５）との間に配置された第１の遮蔽体（１５）であって、第１の遮蔽体（１５）は、第１のコイル構造体（９）によって誘導される磁束を第１の構造体（５）から方向転換させるように構成されている、第１の遮蔽体（１５）と、第２のコイル構造体（１１）と第２の構造体（３）との間に配置された第２の遮蔽体（１７）であって、第２の遮蔽体（１７）は、第２のコイル構造体（１１）によって誘導される磁束を第２の構造体（３）から方向転換させるように構成されている、第２の遮蔽体（１７）とを備える。【選択図】 図３

Description

本開示は、一般に、電動工具に関する。

ナットランナのような産業用電動工具は、製造業、例えば車両製造業及び航空宇宙産業で広く使用されている。このタイプの電動工具は、典型的には、ワークピースと相互作用する工具ヘッドと、電動工具を操作する際にユーザが保持する本体とを有する。代替的に、本体は、ロボットの一部を形作る場合がある。

製造プロセスは、通常、電動工具によって加えられるトルクの高精度制御を必要とする。従って、電動工具は、通常、加えられるトルクを測定するように構成されたトルク変換器を備える。トルク変換器は、工具ヘッド又は本体、あるいはその両方に設けることができる。

トルク変換器は、例えば、電動工具の回転部分に配置された歪みゲージを備えることができる。スリップリングは、歪みゲージによる測定信号を固定構成要素に伝達するために使用することができる。国際公開第２０１９２０１５８９号には、このタイプの電動工具が開示されている。この構成の潜在的な欠点は、スリップリングが経時的に劣化することによって、測定信号がノイズにさらされる可能性があることである。

国際公開第２０１９２０１５８９号

一部の用途では、製造プロセスにおいて様々な用途に使用することができる、交換可能な工具部品を有することが望ましい場合がある。従って、アングルヘッドなどの工具ヘッドは、本体に取り外し可能に結合される場合がある。

工具ヘッドと本体との間でデータを送ることができることが望ましい場合がある。例えば、トルク変換器が工具ヘッドに設けられる場合があり、測定信号を工具ヘッドから本体へ、さらにユーザインタフェース又は電動工具コントローラへ送る必要がある場合がある。

上記に鑑み、本開示の目的は、従来技術の問題を解決するか又は少なくとも軽減する電動工具を提供することである。

従って、電動工具が提供され、電動工具は、第１の構造体と、第２の構造体と、第１の構造体上に配置された第１のコイル構造体と、第２の構造体上に配置された第２のコイル構造体であって、第２のコイル構造体は、第１のコイル構造体と誘導的に相互作用して、第１のコイル構造体と第２のコイル構造体の間のデータの無線通信を可能にするように構成されている、第２のコイル構造体と、第１のコイル構造体と第１の構造体との間に配置された第１の遮蔽体であって、第１の遮蔽体は、第１のコイル構造体によって誘導される磁束を第１の構造体から方向転換させるように構成されている、第１の遮蔽体と、第２のコイル構造体と第２の構造体との間に配置された第２の遮蔽体であって、第２の遮蔽体は、第２のコイル構造体によって誘導される磁束を第２の構造体から方向転換させるように構成されている、第２の遮蔽体とを備える。

従って、データ伝送は、第１のコイル構造体と第２のコイル構造体との間で無線を用いて行われる。従って、経時的な信号劣化のリスクを低減することができる。

さらに、第１の構造体及び／又は第２の構造体は、典型的には鉄材料を含むことがあるので、第１の遮蔽体及び第２の遮蔽体は、第１の構造体及び第２の構造体に誘導される渦電流による磁気損失を低減する。

電動工具は、例えば、ナットランナとすることができる。

第１のコイル構造体は、機械的に柔軟性を有することができる。第２のコイル構造体は、機械的に柔軟性を有することができる。

１つの実施例では、第１のコイル構造体及び第２のコイル構造体は、無線周波数識別（ＲＦＩＤ）規格に基づいて動作するように構成することができる。

１つの実施形態では、第１の遮蔽体は、第１のフェライトシートであり、第２の遮蔽体は、第２のフェライトシートである。

１つの実施形態では、第１のコイル構造体は、第２のコイル構造体と同心円状に配置される。

１つの実施形態では、第１のコイル構造体は、電動工具の周方向において第１の構造体の第１の表面に沿うように曲げられている矩形コイルであり、第２のコイル構造体は、周方向において第２の構造体の第２の表面に沿うように曲げられている矩形コイルである。矩形、又は本質的に矩形の角が多少丸みを帯びるような矩形は、信号の伝送を向上させる。さらに、これは電動工具の既存の溝に好都合に配置することができる。

１つの実施形態は、第１のフレキシブル基板を備え、第１のコイル構造体が第１のフレキシブル基板上に印刷され、第１のフレキシブルプリント回路基板（ＰＣＢ）を形成し、第１のフレキシブルＰＣＢは、動力工具の円周方向において第１の構造体の第１の表面に沿うように曲げられている。

１つの実施形態は、第２のフレキシブル基板を備え、第２のコイル構造体は、第２のフレキシブル基板上に印刷され、第２のフレキシブルプリント回路基板（ＰＣＢ）を形成し、第２のフレキシブルＰＣＢは、周方向において第２の構造体の第２の表面に沿うように曲げられている。

１つの実施形態は、第１のコイル構造体は、第１の電力伝送コイルと、別個の第１のデータ伝送コイルとを備え、第２のコイル構造体は、第１の電力伝送コイルと誘導的に相互作用するように構成された第２の電力伝送コイルと、第１のデータ伝送コイルと誘導的に相互作用するように構成された別個の第２のデータ伝送コイルとを備える。

従って、第１のコイル構造体及び第２のコイル構造体は、二重コイルトランスを形成することができる。この構成により、信号伝送がさらに改善される。第１の電力伝送コイル及び第２の電力伝送コイルは、電力信号を伝送するために最適化することができる。第１のデータ伝送コイル及び第２のデータ伝送コイルは、データを含む変調信号を送信するために最適化することができる。それによって、変調信号は、第１のコイル構造体及び第２のコイル構造体が単一コイルトランスを形成する場合よりも、好都合に減衰されることになる。

あるいは、第１のコイル構造体は、単一コイルで構成することができ、第２のコイル構造体は、単一コイルで構成することができる。第１のコイル構造体及び第２のコイル構造体は、単一コイルトランスを形成することができる。

１つの実施形態は、データを変調して変調信号を得るように構成された変調器回路を備え、変調器回路は、変調信号で第２のコイル構造体に通電して、第１のコイル構造体に変調信号を誘導するように構成されている。

変調器回路は、例えば、振幅シフトキーイング（ＡＳＫ）変調を使用して変調を行うように構成することができる。ＡＳＫ変調は、例えば、オンオフキーイング（ＯＯＫ）変調とすることができる。

１つの実施形態は、データを得るために第１のコイル構造体に誘導された変調信号を復調するように構成された復調回路を備える。

電動工具は、コントローラを備えることができる、又は、電動工具は、外部コントローラを備える電動工具システムの一部を形成することができる。復調回路は、データを直接又は間接的にコントローラに提供するように構成することができる。

１つの実施形態は、変調器回路に電力を供給するために、第１のコイル構造体に電力信号で通電して第２のコイル構造体に電力信号を誘導するように構成された電力伝送回路を備える。

電力伝送回路は、変調信号の周波数よりも低い周波数を有する電力信号で第１のコイル構造体に通電するように構成することができる。

電力信号は、例えば、変調信号の周波数の１／１０又はそれよりも低い周波数を有することができる。

電力信号と変調信号とで異なる周波数を用いることにより、電力伝送と信号伝送を同時に行うことができる。これは、特に、第１のコイル構造体及び第２のコイル構造体が単一コイルで構成され、単一コイルトランスを形成する場合に当てはまる。

電動工具は、ハイパスフィルタを備えることができる。ハイパスフィルタは、電力信号が第１のコイル構造体に誘導された後に、電力信号から変調信号を分離するように構成することができる。それによって、変調信号は、復調器によって復調される前に回収することができる。

電力信号は、変調信号よりも桁違いに大きな振幅とすることができる。ハイパスフィルタは、好ましくは、非常に急勾配のロールオフ率を有することができる。ハイパスフィルタは、変調信号と電力信号とを効率的に分離するために、高次の多極フィルタとすることができる。ハイパスフィルタは、例えば、少なくとも６極又は少なくとも８極などの、少なくとも４極を有することができる。

電力伝送回路は、第１の電力伝送コイルに通電するように構成することができる。

変調器回路は、第２のデータ伝送コイルに通電するように構成することができる。

１つの実施形態では、電力伝送回路は、電力信号を生成するために第１のコイル構造体を横切る電圧をスイッチングするように構成されたスイッチング回路を備える。

スイッチング回路は、例えば、フライバックコンバータ、Ｈブリッジ、又はＥ級増幅器を備えることができる。

１つの実施形態は、本体と、本体に取り外し可能に取り付けられるように構成された交換可能ギアアタッチメントとを備え、第２の構造体は、交換可能ギアアタッチメントである。

第２の構造体は、本体の本体表面に面する第２の構造体表面を有することができ、第２のコイル構造体は、第２の構造体表面上に配置される。

交換可能ギアアタッチメントは、アングルヘッド又はストレートヘッドなどの工具ヘッドとすることができる。

１つの実施形態は、回転部材を備え、第２の構造体は、回転部材である。

回転部材は、例えば、電動工具の遊星歯車、出力軸、クラウンホイール、又は出力軸をクラウンホイールに結合する結合構造体とすることができる。

回転部材は、第２のコイル構造体に電気的に接続された変換器又は他の電子ユニットを備えることができる。変換器は、例えば、トルク変換器、角度センサ、又は力測定センサとすることができる。

それにより、トルク又は他の測定値は、回転部材から無線で伝送することができる。

１つの実施形態は、本体を備え、第１の構造体は、本体である。

一般に、特許請求の範囲に使用される全ての用語は、本明細書において明示的に別段の定めをしない限り、本技術分野における通常の意味に従って解釈される。単数（ａ／ａｎ／ｔｈｅ）の要素、装置、構成要素、手段などへの全ての言及は、明示的に別段の定めがない限り、その要素、装置、構成要素、手段などの少なくとも１つの実例を指すものとして、オープンに解釈されることになる。

考案概念の特定な実施形態は、添付図面を参照して例示的に説明されることになる。

電動工具の一例を示す。 図１の電動工具の本体及び工具ヘッドの詳細を示す。 図１の電動工具の本体と工具ヘッドとの間の接合部分での縦断面の詳細を示す。 コイル構造体の一実施例を示す。 コイル構造体の他の実施例を示す。 電動工具における電力伝送及びデータ伝送のための誘導結合の一実施例を概略的に示す。 電力伝送及びデータ伝送のための誘導結合の他の実施例を概略的に示す。

考案概念は、例示的な実施形態が示されている添付図面を参照してより完全に説明されることになる。しかしながら、考案概念は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に示される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、当業者に考案概念の範囲を完全に伝えることができるように例示的に提供される。同様の参照番号は、本明細書全体を通して同様の要素を指す。

図１は、電動工具１の一実施例を示す。電動工具１は、例えば、ナットランナとすることができる。電動工具１は、工具ヘッド３及び本体５を有する。工具ヘッド３は、本体５に取り付けられている。本実施例では、工具ヘッド３は、本体５に取り外し可能に取り付けられている。工具ヘッド３は、交換可能な工具ヘッド又は交換可能なギアアタッチメントとすることができる。

工具ヘッド３は、例えば、アングルヘッドとすること又はストレートヘッドとすることができる。

本体５は、ハンドル７を備えることができる。電動工具１の動作時、ユーザは、ハンドル７を把持して電動工具１を保持することができる。

図２は、電動工具１の拡大図である。本実施例によれば、工具ヘッド３は、本体５と結合可能な端部３ａを有する。本体５は、端部３ａを受け入れるように構成された開口５ａを有する。

本体５は、本明細書では「第１の構造体」とも呼ばれる。工具ヘッド３は、本明細書では「第２の構造体」とも呼ばれる。

本体５は、第１のコイル構造体９を備える。第１のコイル構造体９は、本実施例では、本体５の第１の表面上に配置される。第１の表面は、例えば、開口５ａによって形成される経路の内面とすることができる。

第１のコイル構造体９は、電動工具１の周方向に沿って延びることができる。

工具ヘッド３の端部３ａは、第２のコイル構造体１１を備える。第２のコイル構造体１１は、工具ヘッド３の第２の表面に設けられており、本体５に組み付けられると本体５の内部に配置される。第２の表面は、例えば、端部３ａの外面とすることができる。

第２のコイル構造体１１は、電動工具１の周方向に沿って延びることができる。

工具ヘッド３が本体５に組み付けられると、第１のコイル構造体９と第２のコイル構造体１１とは、同心円状に配置される。

図３は、工具ヘッド３が本体５み組み付けられた場合の電動工具１の縦断面の詳細を示す。図３は、本体５と工具ヘッド３との間の接合部分を示す。工具ヘッド３の端部３ａは、本体５の中に延在する。一実施例では、空隙１３が、本体５と端部３ａとの間に設けられる。第１のコイル構造体９及び第２のコイル構造体１１は、空隙１３を横切って互いに電磁気的に相互作用するように構成されている。

電動工具１は、第１のコイル構造体９と本体５との間に配置された第１の遮蔽体１５を含む。第１の遮蔽体１５は、第１のコイル構造体９によって誘導される磁束を本体５から方向転換させるように構成されている。

第１の遮蔽体１５は、第１のフェライトシートとすることができる。第１の遮蔽体１５は、機械的な柔軟性を有することができ、これは電動工具１の周方向に沿って延びるように本体５に対して曲がることができる。

電動工具１は、第２のコイル構造体１１と工具ヘッド３の第２の表面との間に配置された第２の遮蔽体１７を含む。第２の遮蔽体１７は、第２のコイル構造体１１によって誘導される磁束を工具ヘッド３から方向転換させるように構成されている。

第２の遮蔽体１７は、第２のフェライトシートとすることができる。第２の遮蔽体１７は、機械的な柔軟性を有することができ、これは電動工具１の周方向に沿って延びるように工具ヘッド３に対して曲がることができる。

図４は、第１のコイル構造体９及び第２のコイル構造体１１の実施構成の一実施例を示す。この実施例によれば、電動工具１は、第１のコイル構造体９が印刷された第１のフレキシブル基板２１を備える。第１のフレキシブル基板２１及び第１のコイル構造体９は、第１のフレキシブルプリント回路基板（ＰＣＢ）１９を形成する。第１のフレキシブルＰＣＢ１９は、本体５の第１の表面に沿うように曲げられる。

電動工具１は、第２のコイル構造体１１が印刷された第２のフレキシブル基板２５を備える。第２のフレキシブル基板２５及び第２のコイル構造体１１とは、第２のフレキシブルプリント回路基板（ＰＣＢ）２３を形成する。第２のフレキシブルＰＣＢ２３は、工具ヘッド３の第２の表面に沿うように曲げられる。

図４に示す実施例では、第１のコイル構造体９は単一コイルであり、第２のコイル構造体１１は単一コイルである。

図５は、第１のコイル構造体９及び第２のコイル構造体１１の他の実施例を示す。この実施例では、第１のコイル構造体９は、図５の左側に見られる矩形コイルであり、電動工具１の周方向で本体５に沿うように曲げられる。矩形コイルは、短辺２７及び長辺２９を有することができる。矩形コイルは、長辺２９に沿って曲げられている。

第２のコイル構造体１は、電動工具１の周方向において工具ヘッド３に沿うように曲げられる矩形コイルである。矩形コイルは、短辺２７及び長辺２９を有することができる。矩形コイルは、長辺２９に沿って曲げられている。

次に、図６を参照すると、電動工具１は、電力伝送回路３１及び復調器回路３３を備える。電力伝送回路３１及び復調器回路は、第１のコイル構造体９に電気的に接続されている。第１のコイル構造体９は、この実施例では、単一コイルである。

第１の構造体、すなわち本体５は、電力伝送回路３１及び復調器回路３３を備える。

電動工具１は、変調器回路３５を備える。変調器回路３５は、第２のコイル構造体１１に電気的に接続される。

また、電動工具１は、回路３７を備えることができる。回路３７は、例えば、トルク変換器、角度センサ、又は力測定センサなどの変換器とすることができる。代替的に又は追加的に、回路３７は、例えばトルク変換器、角度センサ、又は力測定センサによる測定値を処理するための処理回路を備えることができる。

回路３７は、第２のコイル構造体１１に電気的に接続される。回路３７は、変調器回路３５に電気的に接続される。

第２の構造体又は工具ヘッドは、変調器回路３５を備える。第２の構造体又は工具ヘッドは、回路３７を備える。

電力伝送回路３１は、第１のコイル構造体９に電力信号を通電（ｅｎｅｒｇｉｓｅ）して、第２のコイル構造体１１に対して無線電力伝送を行うように構成されている。第１のコイル構造体９は、変調器回路３５及び随意的に回路３７に電力を供給できる第２のコイル構造体１１に電力信号を誘導するように構成されている。

電力伝送回路３１は、例えば、フライバックコンバータ、Ｈブリッジ、又はＥ級増幅器などのスイッチング回路を備えることができる。スイッチング回路は、電圧をスイッチングすることによって電力信号を生成するように構成され、この電圧は、第２のコイル構造体１１に誘導されると、変調器回路３５及び随意的に回路３７を動作させることができる。

変調器回路３５は、回路３７からデータ／信号を受信し、データ／信号を変調して変調信号を生成するように構成されている。データ／信号は、例えば、回路３７による測定値及び／又は工具ヘッドの種類の識別子、及び／又は電動工具１を動作させるように構成されたコントローラのための工具ヘッド３に関連する較正データとすることができる。変調器回路３５は、変調信号を第１のコイル構造体９に誘導するために、第２のコイル構造体１１に変調信号を通電するように構成される。

変調器回路３５は、例えば、ＡＳＫ変調を用いた変調を行うように構成することができる。ＡＳＫ変調は、例えば、ＯＯＫ変調とすることができる。

復調器回路３３は、変調信号が第１のコイル構造体９に誘導された場合に、これを復調するように構成されている。それによって、データ／信号は、第１の構造体、すなわち本体５の側で取得することができる。

１つの代替案によれば、本体は変調器回路を備えることもでき、工具ヘッドは復調器回路を備えることもできる。このようにして、本体と工具ヘッドとの間で双方向通信を実現することができる。

変調信号の周波数を電力信号の周波数からシフトすることにより、無線電力伝送及び無線データ伝送を同時に行うことができる。例えば、変調信号の周波数は、電力信号の周波数の１０倍又はそれよりも高くことができる。この場合、電動工具は、変調信号の周波数を電力信号の周波数から分離するように構成されたハイパスフィルタを備えることができる。ハイパスフィルタは、少なくとも本体に設けることができる。ハイパスフィルタは、例えば、復調器回路の一部を構成することができる。

図７は、電動工具１の他の実施例を示す。この実施例は、図６に示されたものと同様である。しかしながら、第１のコイル構造体９は、第１の電力伝送コイル９ａと、別個の第１のデータ伝送コイル９ｂとを含む。第１の電力伝送コイル９ａは、電力伝送回路３１に電気的に接続されている。第１のデータ伝送コイル９ｂは、復調器回路３３に電気的に接続されている。

第１の電力伝送コイル９ａ及び第２の電力伝送コイル９ｂの両方は、第１のフレキシブル基板上に印刷することができる。

第２のコイル構造体１１は、第２の電力伝送コイル１１ａと、別個の第２のデータ伝送コイル１１ｂとを含む。

第１のコイル構造体９及び第２のコイル構造体１１とは、二重コイルトランスを形成する。二重コイルトランスは、電力伝送とデータ伝送のために別々のコイルセットを使用する。

第２の電力伝送コイル１１ａは、第１の電力伝送コイル９ａと誘導的に相互作用するように構成されている。第１の電力伝送コイル９ａは、第２の電力伝送コイル１１ａに電力信号を誘導するように構成されている。

第２のデータ伝送コイル１１ｂは、第１のデータ伝送コイル９ｂと誘導的に相互作用するように構成されている。第２のデータ伝送コイル１１ｂは、第１のデータ伝送コイル９ｂに変調信号を誘導するように構成されている。

第２のデータ伝送コイル１１ｂは、変調器回路３５に電気的に接続されるように構成されている。変調器回路３５は、第２のデータ伝送コイル１１ｂに変調信号を通電するように構成されている。

第２の電力伝送コイル１１ａは、第１の電力伝送コイル９ａによって第２の電力伝送コイル１１ａに誘導された電力信号によって変調器回路３５に電力供給するために、変調器回路３５に電気的に接続されるよう構成されている。

第２の電力伝送コイル１１ａ及び第２の電力伝送コイル１１ｂの両方は、第２のフレキシブル基板上に印刷することができる。

１つの代替案では、本体は変調器を備えることもでき、ツールヘッドは復調回路を備えることもできる。このようにして、二重コイルトランスを用いて、本体とツールヘッドとの間で双方向通信を実現することができる。

本明細書に開示される何らかの実施例の１つの変形例によれば、第１の構造体及び第２の構造体の両方は、本体又は工具ヘッドのいずれかの一部を形作ることができる。例えば、第１の構造体は、本体の静止部分とすることができ、第２の構造体は、回転部材とすることができる。それによって、データは、回転部材と静止部分との間で無線を使って送ることができる。

上記では、主としていくつかの実施例を参照して本考案概念が説明されている。しかしながら、当業者であれば容易に理解できるように、添付の特許請求の範囲で定義されるような、上記に開示されたもの以外の実施形態は、本考案概念の範囲内で同様に可能である。

１ 電動工具
３ 第２の構造体
５ 第１の構造体
９ 第１のコイル構造体
１１ 第２のコイル構造体
１５ 第１の遮蔽体
１７ 第２の遮蔽体

Claims (14)

1. 電動工具（１）であって、
   第１の構造体（５）と、
   第２の構造体（３）と、
   前記第１の構造体（５）上に配置された第１のコイル構造体（９）と、
   前記第２の構造体（３）上に配置された第２のコイル構造体（１１）であって、前記第２のコイル構造体（１１）は、前記第１のコイル構造体（９）と誘導的に相互作用して、前記第１のコイル構造体（９）と前記第２のコイル構造体（１１）の間のデータの無線通信を可能にするように構成されている、第２のコイル構造体（１１）と、
   前記第１のコイル構造体（９）と前記第１の構造体（５）との間に配置された第１の遮蔽体（１５）であって、前記第１の遮蔽体（１５）は、前記第１のコイル構造体（９）によって誘導される磁束を前記第１の構造体（５）から方向転換させるように構成されている、第１の遮蔽体（１５）と、
   前記第２のコイル構造体（１１）と前記第２の構造体（３）との間に配置された第２の遮蔽体（１７）であって、前記第２の遮蔽体（１７）は、前記第２のコイル構造体（１１）によって誘導される磁束を前記第２の構造体（３）から方向転換させるように構成されている、第２の遮蔽体（１７）と、
   を備える、電動工具（１）。
2. 前記第１の遮蔽体（１５）は第１のフェライトシートであり、前記第２の遮蔽体（１７）は第２のフェライトシートである、請求項１に記載の電動工具（１）。
3. 前記第１のコイル構造体（９）は、前記第２のコイル構造体（１１）と同心円状に配置されている、請求項１又は２に記載の電動工具（１）。
4. 前記第１のコイル構造体（９）は、前記電動工具（１）の周方向において前記第１の構造体（５）の第１の表面に沿うように曲げられている矩形コイルであり、前記第２のコイル構造体（１１）は、前記周方向において前記第２の構造体（３）の第２の表面に沿うように曲げられている矩形コイルである、請求項１から３のいずれか一項に記載の電動工具（１）。
5. 第１のフレキシブル基板（２１）を備え、前記第１のコイル構造体（１１）は、前記第１のフレキシブル基板（２１）上に印刷されて第１のフレキシブルプリント回路基板（１９）を形成し、前記第１のフレキシブルプリント回路基板（１９）は、前記電動工具（１）の周方向において前記第１の構造体（５）の第１の表面に沿うように曲げられている、請求項１から３のいずれか一項に記載の電動工具（１）。
6. 第２のフレキシブル基板（２５）を備え、前記第２のコイル構造体（１１）は、前記第２のフレキシブル基板（２５）上に印刷されて第２のフレキシブルプリント回路基板（ＰＣＢ）（２３）を形成し、前記第２のフレキシブルＰＣＢ（２３）は、前記周方向において前記第２の構造体（３）の第２の表面に沿うように曲げられている、請求項５に記載の電動工具（１）。
7. 前記第１のコイル構造体（９）は、第１の電力伝送コイル（９ａ）と、別個の第１のデータ伝送コイル（９ｂ）とを備え、前記第２のコイル構造体（１１）は、第１の電力伝送コイル（９ａ）と誘導的に相互作用するように構成された第２の電力伝送コイル（１１ａ）と、前記第１のデータ伝送コイル（９ｂ）と誘導的に相互作用するように構成された別個の第２のデータ伝送コイル（１１ｂ）とを備える、請求項６に記載の電動工具（１）。
8. データを変調して変調信号を得るように構成された変調器回路（３５）を備え、前記変調器回路（３５）は、第２のコイル構造体（１１）に変調信号を通電して、前記第１のコイル構造体（９）に変調信号を誘導するように構成されている、請求項１から７のいずれか一項に記載の電動工具（１）。
9. 前記データを得るために、前記第１のコイル構造体（９）に誘導された前記変調信号を復調するように構成された復調器回路（３３）を備える、請求項８に記載の電動工具（１）。
10. 前記変調器回路（３５）に電力を供給するために、前記第１のコイル構造体（９）に電力信号を通電して前記第２のコイル構造体（１１）に電力信号を誘導するように構成された電力伝送回路（３１）を備える、請求項８又は９に記載の電動工具（１）。
11. 前記電力伝送回路（３１）は、前記電力信号を生成するために前記第１のコイル構造体（９）を横切る電圧をスイッチングするように構成されたスイッチング回路を備える、請求項１０に記載の電動工具（１）。
12. 本体（５）と、前記本体（５）に取り外し可能に取り付けられるように構成された交換可能ギアアタッチメント（３）とを備え、前記第２の構造体（３）は、前記交換可能ギアアタッチメントである、請求項１から１１のいずれか一項に記載の電動工具（１）。
13. 回転部材を備え、前記第２の構造体（３）は、前記回転部材である、請求項１から１１のいずれか一項に記載の電動工具（１）。
14. 本体（５）を備え、前記第１の構造体（５）は、前記本体（５）である、請求項１から１３のいずれか一項に記載の電動工具（１）。

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