JP3241524U - 高粘度経腸栄養剤の吸引アダプター - Google Patents

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Abstract

【課題】残った経腸栄養剤の清掃を容易にするとともに、ねじ込み作業をできるだけ無くし、経腸栄養剤をシリンジに簡便に吸入できる吸引アダプターを提供する。【解決手段】近年は、胃瘻カテーテル1で食事を採る高齢者が増えており、ミキサー食35も投与されている。また、経腸栄養剤を扱う胃瘻カテーテルおよびシリンジはISO規格80369-3が使用されている。本考案の吸引アダプター20は、皿30に盛り付けられた高粘度経腸栄養剤35をシリンジ10へ吸入するため、シリンジ10に接続されるアダプターであって、弾性体であるお椀状の吸入パッド21の中央に、シリンジ10の筒先13が接続される接続部22dを上端側に備えた吸入筒22が固設され、該吸入パッド21は周縁に8~25mmの壁21aが設けられ、該接続部22dは、筒先13の管状テーパ内周面13b(NF)と嵌合する管状テーパ外周面(TF)を備えている。【選択図】図6

Description

本考案は高粘度経腸栄養剤をシリンジを介して胃瘻カテーテルから胃瘻へ投与する場合において、高粘度経腸栄養剤をシリンジへ吸入するための器具に関するものである。
摂食障害により長期の経管栄養を必要とする小児患者や嚥下障害や誤嚥性肺炎などを患っている患者へ胃瘻カテーテルを介して、栄養剤を投与することが行われており、近年は、所謂ミキサー食などの高粘度経腸栄養剤の投与も行われている。
胃瘻カテーテルの一例は、図1(a)に示すように、体内に置かれるバルーン2と、バルーン2が奥に行かないようにする固定板3と、チューブ4と、経腸栄養剤の供給口であるコネクタ5と、そのキャップ6とから構成されている。
そして、経腸栄養剤を投与する場合は、図2(a)に示すシリンジ10へ経腸栄養剤を充填させ、胃瘻カテーテル1のコネクタ5に接続し、押子12でシリンジ10内の経腸栄養剤を胃瘻へ押し出すことによっている。
経腸栄養剤が低粘度である場合は、シリンジ10の筒先を直接経腸栄養剤へ挿入し、押子12を引き上げることによりスムーズに外筒11内に吸入できるが、粘度がある程度以上高いミキサー食などの場合は、押子12を引き上げる時に空気が同時に取り込まれ、吸入が困難であった。そこで、出願人は、先に高粘度経腸栄養剤を簡便に胃瘻カテーテル用シリンジ10へ吸入できる経済的な吸引アダプターを開発(特許文献1参照)している。
特許文献1の吸引アダプターは、お椀状の弾性体の吸入パッドの中心部に通孔が形成された吸入筒が立設されたものである。これを使用する場合は、シリンジの筒先を吸入筒の上端に接続し、皿に盛り付けられたミキサー食に対して上面から軽く押し付け、押子12を引き上げることにより、ミキサー食を吸入する。
特許第6526897号公報
特許文献1の吸引アダプターは、高粘度経腸栄養剤を、空気が取り込まれることなく、スムーズにシリンジへ吸入される。
従来、経腸栄養剤用カテーテルでは、シリンジと胃瘻カテーテルのコネクタの接続部は、ネジ部のない医薬発第888号(JIS規格)が使用されていたが、近年は、点滴など他のラインとの誤接続を完全に防止するため、ISO規格80369-3の接続部を備えたものが使用されている。
ISO規格80369-3の接続部は、胃瘻カテーテル1のコネクタ5およびシリンジ10の筒先13が、図1(b)および図2(b)に示すごとく定められている。
すなわち、シリンジ10の筒先13の外周には雄ねじ13a(MS)が形成されるとともに、筒先13の内面は先端側が漸次広くなる管状テーパ内周面13b(NF)が形成されている。
そして、胃瘻カテーテル1のコネクタ5にはシリンジ10の雄ねじ13aと嵌合する雌ねじ(FS)が形成されるとともに、シリンジ10の管状テーパ内周面13b(NF)に嵌合する管状テーパ外周面(TF)が設けられている。
したがって、ISO規格80369-3の接続部を備えたものを使用すると、シリンジと吸引アダプターおよびシリンジと胃瘻カテーテルのコネクタとの接続には、ねじ込み作業が伴う。
経腸栄養剤の胃瘻への投入は、施設においては同時間帯に多くの人に複数回行うので、このねじ込み作業が医療従事者の大きな負担となっている。また、特許文献1の吸引アダプターは使用時吸入パッドが高粘度経腸栄養剤に潜り込んでしまいがちになるので、注意が必要であり、吸入パッドの上面を汚すことがあるので、これの清掃作業が必要となる。
本考案は上記の点に鑑み、吸入パッドおよび残った経腸栄養剤の清掃を容易にするとともに、ねじ込み作業をできるだけ無くし、高粘度経腸栄養剤をシリンジに簡便に吸入できる吸引アダプターを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本考案の高粘度経腸栄養剤の吸引アダプターは、次のように構成した。すなわち、ISO規格80369-3の接続部を備えたシリンジへ皿に盛り付けられた高粘度経腸栄養剤を吸入するため、該シリンジに接続されるアダプターであって、弾性体であるお椀状の吸入パッドの中央に、該シリンジの筒先が接続される接続部を上端側に備えた吸入筒が固設され、該吸入パッドは周縁に8~25mmの壁が設けられ、該接続部は、該シリンジの筒先の管状テーパ内周面NFと嵌合する管状テーパ外周面TFを備えたことを特徴としている。
この吸引アダプターは、胃瘻に高粘度経腸栄養剤を投与するため、皿に盛り付けた高粘度経腸栄養剤をISO規格80369-3の接続部を備えた胃瘻カテーテル用シリンジへ簡便に吸入するためのものである。なお、皿は真っ平らなものに限らず、中央部が若干凹んだものでもよい。
吸入パッドは、高粘度経腸栄養剤に密着するように合成樹脂製や合成ゴム製などの弾性体であることが望ましい。また、吸入パッドの形状は、お椀状で、周縁に8~25mmの壁が設けられている。この壁は、この吸引アダプターの使用時に高粘度経腸栄養剤が吸入パッドの上面を汚さないようにするためのものである。
また、吸入パッドの下面は円形なものが一般的であるが、これに限らず、楕円形や多角形にしたものでもよい。大きさは、特に限定しない。皿の大きさや、高粘度経腸栄養剤の性状から、適宜なものを選定すればよい。
また、吸入パッドは、吸入筒と一体に成形したものでもよいし、別体にして、材質を変え吸入筒に嵌合またはねじ込んだものでもよい。
吸入筒の内部は高粘度経腸栄養剤が通る通孔があり、上端の接続部はシリンジの筒先の管状テーパ内周面NFと嵌合する管状テーパ外周面TFを備えている。なお、筒先の雄ねじと嵌合する雌ねじは設けていない。
また、吸入筒の上端の管状テーパ外周面TFの下部には、シリンジの筒先との接続作業がし易いように、その外周面に蝶ナットのような左右へ出っ張った部分を設けたり、凹凸を形成したり断面を多角形とした掴部を設けるとよい。また、吸入筒の長さは特に限定しない。製作性やシリンジとの脱着のし易さを考えて決めればよい。
シリンジに高粘度経腸栄養剤が充填されたら、シリンジを吸引アダプターから取り外して、胃瘻用カテーテルのコネクタへ接続する。シリンジを吸引アダプターから取り外せば、吸入筒から外気が流入するので、吸入パッドを引き上げれば皿から容易に離すことができる。
吸入量が少ない場合など、シリンジが吸引アダプターに接続された状態のまま、皿から吸引アダプターを引き離すことが必要な場合には、請求項2に記載のように、吸入パッドの外周部に引手が固設されたものを使用するとよい。なお、引手は吸入パッドの周縁の壁に付設してもよい。吸入パッドは皿に強力に吸着しているので、引手は、力が入りやすい形状にするとよい。
本考案の高粘度経腸栄養剤の吸引アダプターは、弾性体であるお椀状の吸入パッドの中央に、ISO規格80369-3のシリンジの筒先が接続される接続部を上端側に備えた吸入筒が固設され、該吸入パッドは周縁に8~25mmの壁が設けられ、該接続部は、該シリンジの筒先の管状テーパ内周面NFと嵌合する管状テーパ外周面TFを備えたものとしたので、シリンジと吸引アダプターとの接続にねじ込み作業を必要とせず、しかも吸引アダプターの吸入パッドの上面に経腸栄養剤が侵入しないので、医療従事者の作業が容易になる。また、吸引アダプターとシリンジの接続部には経腸栄養剤が付着しにくい構造となっているので、清掃が容易である。
(a)は胃瘻用カテーテルの一例を示す説明図で、(b)はコネクタ5の詳細断面図である。 (a)はシリンジの全体を示す外観図で、(b)は筒先の詳細断面図である。 本考案の実施の形態を示す吸引アダプターの全体斜視図である。 同、吸引アダプターの実施の形態を示す全体断面図である。 同、シリンジと吸引アダプターとコネクタの接続状態を示す説明図である。 同、吸引アダプターの使用状態を示す正面断面図である。
本考案の吸引アダプターの実施の形態を、図3~図6に基づいて説明する。
図3は、本発明の吸引アダプター20の実施の形態を示す全体斜視図で、図4は、その全体断面図である。図5はシリンジと吸引アダプターの接続状態を示す説明図で、図6は、吸引アダプターの使用状態を示す正面断面図である。
吸引アダプター20は、合成樹脂(例えば、シリコン)製で、先端に弾性体の吸入パッド21が固設され、その中心部に吸入筒22が一体に成形されている。吸入筒22の中央部には連通する通孔22bが形成されており、吸入パッド21側には吸入口22aが形成されている。
吸入筒22の上端には、シリンジ10と接続される接続部22dが設けられ、これは、シリンジ10の筒先13の管状テーパ内周面13b(NF)と嵌合する管状テーパ外周面(TF)に形成されている。なお、筒先13に形成されている雄ねじ13a(MS)と嵌合する雌ねじ(FS)は形成されていない。
接続部22dの下部には、シリンジ10との着脱を容易にするための掴部22cが形成されている。
吸入パッド21は、弾性体のお椀状であり、周縁には上面に高粘度経腸栄養剤が侵入するのを防ぐため、高さ15mmの壁21aが立設されている。また、吸入パッド21の周縁には、吸入パッド21を吸引時に密着した容器30から引き離すための引手23が付設されている。
次に、このように構成された吸引アダプター20の使い方を図5および図6を参照して説明する。
例えば、高粘度経腸栄養剤であるミキサー食を胃瘻へ投与する場合は、まず、ミキサーから皿などの容器へ、ミキサー食を直接流し込むかスプーンなどで取り出す。
次に、図6に示すように、吸引アダプター20の吸入筒22の上端の接続部22d(TF)に、シリンジ10の筒先13の管状テーパ内周面13b(NF)を嵌合し接続する。 そして、シリンジ10の押子12を外筒11の底まで押込み、吸入パッド21を下側にして、垂直に持って、皿30上のミキサー食35に対して、上面から軽く押し付ける。
この状態で、シリンジ10の押子12を引き上げると、ミキサー食35が吸引されてシリンジ10の押子12を引き上げた空間に吸入される。
次に、シリンジ10の筒先13を吸引アダプター20の接続部22dから外し、図5に示す胃瘻カテーテル1のコネクタ5にシリンジ10の筒先13をねじ込みつつ挿入し連結する。
これにより、シリンジ10の筒先13の雄ねじ13a(MS)がコネクタ5の雌ねじ(FS)にねじ込まれ、筒先13の管状テーパ内周面NFがコネクタ5の管状テーパ外周面(TF)と嵌合し、強固に接続される。
そして、押子12を押込んで、ミキサー食35を胃瘻へ送り込む。なお、シリンジ10が取り外された吸引アダプター20は、吸入筒22から外気が流入するので、容器30から簡単に離すことができる。
引き続き、ミキサー食35を胃瘻へ送り込むには、シリンジ10を胃瘻カテーテル1のコネクタ5から外し、シリンジ10を吸引アダプター20に接続して、上記と同じ作業を繰り返せばよい。
また、吸引アダプター20は、引手23を備えたので、例えば、シリンジ10にあるミキサー食35を所定量吸入したら、吸引アダプター20の引手23を引き込んで、吸入パッド21を密着した容器30から引き剥がし、別に用意したミキサー食あるいは、残りのミキサー食をシリンジ10に追加吸入することが容易にできる。
MS 雄ねじ
FS 雌ねじ
NF 管状テーパ内周面
TF 管状テーパ外周面
1 胃瘻カテーテル
2 バルーン
3 固定板
4 チューブ
5 コネクタ
6 キャップ
10 シリンジ
11 外筒
12 押子
13 筒先
13a 雄ねじ(MS)
13b 管状テーパ内周面(NF)
14 フランジ
15 シール材
20 吸引アダプター
21 吸入パッド
21a 壁
22 吸入筒
22a 吸入口
22b 通孔
22c 掴部
22d 接続部(管状テーパ外周面TF)
23 引手
30 皿(容器)
35 ミキサー食(高粘度経腸栄養剤)

Claims (2)

  1. ISO規格80369-3の接続部を備えたシリンジへ皿に盛り付けられた高粘度経腸栄養剤を吸入するため、該シリンジに接続されるアダプターであって、弾性体であるお椀状の吸入パッドの中央に、該シリンジの筒先が接続される接続部を上端側に備えた吸入筒が固設され、該吸入パッドは周縁に8~25mmの壁が設けられ、該接続部は、該シリンジの筒先の管状テーパ内周面NFと嵌合する管状テーパ外周面TFを備えたことを特徴とする高粘度経腸栄養剤の吸引アダプター。
  2. 前記吸入パッドは、吸入パッドを吸引時に皿から引き離すための引手が外周部に固設されたことを特徴とする請求項1に記載の高粘度経腸栄養剤の吸引アダプター。
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