JP3240611B2 - 高純度エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

高純度エポキシ樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】電気、電子材料分野において使用
されるエポキシ樹脂は塩素含量が低いことが不可欠であ
る。本発明は、高耐熱性エポキシ樹脂として知られるト
リス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレ−ト(以下
TEPICと略称する)中の塩素を除去する方法に関す
るものである。さらに詳しくは、特に半導体素子などの
電子部品の封止材又は、接着用樹脂として好ましく、そ
のほかの電子材料に新規な材料を供する塩素含量の極め
て少ない高純度のTEPICを得る方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂はエレクトロニクス分野に
おいて利用されているが、近年半導体の集積回路の高密
度化に従い、封止材料、接着材料に対してより高度な品
質が要求されるようになってきた。例えば、エポキシ樹
脂に銀粉を混練した導電性接着剤がダイボンデイング方
式で多用されている。これはIC、LSIなどの半導体
チップ、発光ダイオード素子のリードフレームへの接着
に使用されるため、より高度な品質が要求されるように
なってきた。
【0003】エポキシ樹脂中の塩素は、電気絶縁性の低
下、リード線の腐食等に対して悪影響を及ぼす。全塩素
含量の中で特に加水分解性塩素は、集積回路のアルミニ
ウム配線の腐食を引起こし不良発生の原因となることが
明らかとなり、そのため加水分解性塩素を含めた全塩素
含量の少ないエポキシ樹脂の製造方法についての検討が
種々行なわれている。
【0004】ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、特にオルトクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂中の加水分解性塩素を含めた全塩素を除く
方法としは、水酸化アルカリ金属を何回かに分けて使用
してエポキシ環生成を充分に完了させる方法がある。例
えば、特開昭62−190180号、62−10051
5号、62−256821号等に代表される。又、極性
溶媒中で水酸化アルカリ金属を使用してエポキシ環生成
を充分に完了させる方法 としては、特開昭62−18
7718号、特開平2−47129号がある。
【0005】しかしこれらの方法では含塩素化合物の除
去に限界があり、特に難加水分解性塩素はこの方法では
除去困難である。
【0006】銀化合物との反応で含塩素化合物を分離す
る精製法としては、特開昭58−173116号、62
−235316号が挙げられ、イオン交換体による除去
方法としては、特開昭60−54376号、60−19
9019号、61−285212号が挙げられる。
【0007】有機錫化合物との反応で含塩素化合物を分
離して全塩素を低減する精製法としては、特開昭61−
252222号が挙げられる。しかしながらこれらの方
法はいずれも塩素の除去の実用上の限界が100ppmか
ら200ppmにあり、製造のためのコストも高いものと
なる。
【0008】又、結晶性を有するエポキシ樹脂では溶媒
再結晶で含塩素化合物を分離する精製法があり、TEP
ICは結晶性を有するため溶媒再結晶で含塩素化合物を
分離することが可能であるが、100ppm以下に除去す
ることはコストを考慮した場合かなり難しい。これは、
含塩素化合物とTEPICを比較した場合、有機溶媒に
対する溶解性や結晶性に顕著な差がないためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩素含量が
極めて少ない、具体的には10ppm以下に除去された超
高純度のTEPICを低コストで得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】市販のTEPIC中の塩
素は、殆どが加水分解性塩素であり難分解性塩素は少な
く、又無機性の塩素も殆ど含まれていない。TEPIC
には、融点152−158℃の高融点であるH型(以
下、TEPIC−Hと略称)と、融点98−107℃の
低融点であるL型との2種の立体異性体が存在している
ことは知られている。
【0011】通常の合成法で得られるTEPICは比較
的低融点の立体異性体であるL型と、高融点の立体異性
体H型から成り、一般に市販されているものはこれらの
混合物からなる。
【0012】通常、TEPIC−Hはメタノール等の極
性溶媒による分別結晶法によって得られる。本発明者は
鋭意検討の結果、このTEPIC−Hと含塩素化合物と
では有機溶媒に対する溶解性や結晶性に顕著な差がある
ことを発見し、そのため再結晶法で含塩素化合物を極め
て低レベルに迄除くことが可能となることを見出した。
【0013】即ち、本発明は高融点のTEPIC−Hを
使用して、下記に示す溶媒を用いて再結晶させることに
よって、塩素含量の極めて少ない高純度のTEPICを
製造する方法を完成させた。
【0014】ここで再結晶に使用する溶媒としては次の
ものが挙げられるが、選択された再結晶条件下で反応性
を示さない溶媒であればこれらに限定されるものではな
い。ハロゲン化炭化水素としては、例えばジクロロエタ
ン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2,2,-テトラクロロ
エタン、1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、
クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、等が挙げら
れる。
【0015】エステル類としては例えば酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、等が挙げられ
る。エ−テル類としては例えば1,4-ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等が挙げられる。ケトン類としては例えば
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、等が挙げられ
る。
【0016】その他非プロトン性極性溶媒のジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。
【0017】全塩素含量の測定法は、エポキシ樹脂を燃
焼法により分解した後、イオンクロマト法により定量可
能である。又、加水分解性塩素はエポキシ樹脂をジオキ
サンに溶解して、1規定の水酸化カリウムのエタノール
溶液を加え、還流状態で30分間加熱した時に脱離する
塩素イオンを硝酸銀滴定で測定したが、全塩素含量とほ
ぼ同じ値が得られた。これは再結晶法で得たTEPIC
の殆どの場合、全塩素の殆どが加水分解性塩素からなる
ことを示唆している。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示し、更に詳細を説明する。
【0019】実施例 1 日産化学工業(株)製のTEPIC−H(加水分解性塩
素250ppm、エポキシ当量は99.8)100部とアセ
トニトリル250部を75℃で溶解して、10℃まで徐
冷してろ過し、乾燥してTEPIC−Hの精製品96部
を得た。全塩素含量及び加水分解性塩素含量は10ppm
以下で、エポキシ当量は99.5であった。
【0020】実施例 2 日産化学工業(株)製のTEPIC−H(加水分解性塩
素250ppm、エポキシ当量は99.8)100部とジメ
チルホルムアミド400部を75℃で溶解して、15℃
まで徐冷してろ過し、乾燥してTEPIC−Hの精製品
85部を得た。全塩素含有量及び加水分解性塩素は10
ppm以下で、エポキシ当量は99.6であった。
【0021】実施例 3 日産化学工業(株)製のTEPIC−H(加水分解性塩
素250ppm、エポキシ当量は99.8)100部とジオ
キサン400部を95℃で溶解して、15℃まで徐冷し
てろ過し、乾燥してTEPIC−Hの精製品84部を得
た。全塩素含有量及び加水分解性塩素は10ppm以下
で、エポキシ当量は99.7であった。
【0022】実施例 4 日産化学工業(株)製のTEPIC−H(加水分解性塩
素250ppm、エポキシ当量は99.8)100部とメチ
ルイソブチルケトン400部を105℃で溶解して、1
5℃まで徐冷してろ過し、乾燥してTEPIC−Hの精
製品83部を得た。 全塩素含有量及び加水分解性塩素
は10ppm以下でエポキシ当量は99.6であった。
【0023】比較例 1 日産化学工業(株)製のTEPIC−G(市販の一般グ
レード、加水分解性塩素8800ppm、エポキシ当量は
105.2)100部とメチルアルコール400部を6
0℃で溶解して、5℃まで徐冷してろ過し、乾燥してT
EPICの精製品82部を得た。加水分解性塩素は11
00ppmでエポキシ当量は100.2であった。
【0024】比較例 2 比較例1で得た精製品を、メチルアルコールの4倍量で
比較例1と同一条件下で再結晶したところ、加水分解性
塩素が250ppmのTEPICが得られた。
【0025】比較例 3 比較例2で得られた精製品を、メチルアルコールの4倍
量で比較例1と同一の条件で再結晶したところ、加水分
解性塩素が110ppmのTEPICが得られた。
【0026】比較例 4 比較例2で得られた精製品100部と、アセトニトリル
400部を40℃で溶解して、15℃迄徐冷してろ過
し、乾燥してTEPICの精製品55部を得た。加水分
解性塩素は95ppmであった。
【0027】
【発明の効果】特に半導体素子などの電子部品の封止又
は接着用樹脂として好ましく、更にそのほかの電子材料
に新規な材料を供する、全塩素含量の極めて少ない高純
度のTEPICを得る方法を提供する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリス−(2,3−エポキシプロピル)
    −イソシアヌレートの立体異性体のうち少なくとも25
    0ppmの塩素含量を有する高融点の異性体を、ハロゲ
    ン化炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、及び非プ
    ロトン性極性溶媒からなる群より選ばれる溶媒を用いて
    1回の再結晶により塩素含量が10ppm以下に除去す
    る高融点型トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イ
    ソシアヌレートの製造方法
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TW550263B (en) * 1998-09-01 2003-09-01 Nissan Chemical Ind Ltd Method for reducing an organic solvent remaining in tris-(2,3-epoxypropyl)-isocyanurate crystals
JP4221549B2 (ja) * 2000-10-12 2009-02-12 日産化学工業株式会社 β型トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート結晶体中の残留有機溶媒の低減化方法

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