JP3239885U - 管楽器用ミュートおよびそのセット - Google Patents

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【課題】 演奏者自身の好みや技量、楽曲のイメージ、会場の広さ等の点で演奏者がベストと思える音色および音量を管楽器が出せるように、演奏者が選択し試行したうえで使用できる好ましい管楽器用ミュート等を提供する。【解決手段】 ミュート1は、管楽器の先端の(つまりベルの部分の先にある)開口に被せて使用するもので、平板状の皮革に上記開口の内側から外へ通じる貫通孔11a・11bが幾つか形成されてなる皮革部材10と、その皮革部材10を上記開口に被せるための取付け部材20とによって構成したものである。【選択図】 図1

Description

本考案は、トランペットやトロンボーン、サックス等の管楽器に、その音色(音質)や音量を変えるために取り付けて使用される管楽器用ミュートおよびそのセットに関するものである。
管楽器用のミュートとして、従来、管楽器のベルの部分に筒状体を差し込む形式のものが広く一般に使用されている。それらは弱音器または消音器とも呼ばれていて、使用すると当該管楽器の音量が下がり、それにともなって音色も別のものに変わる。そのようなミュートの一例は、下記の特許文献1に記載されている。
そのほか、ベルに差し込むのではなく、シート状の素材を円錐状にしてベルの先端の開口にかぶせる形式の弱音器が、下記の特許文献2に開示されている。
特開2000-231377号公報 実用新案登録第3179796号公報
特許文献1に記載されたミュートを含む従来の一般的なミュートは、管楽器の音量を下げることが主な使用目的である。使用にともなって音色も変わるが、特定の決まった音色に変わるにすぎない。
そのようなミュートを自分の楽器に装着した演奏者が、変更されたその音色に満足する場合にはよいが、必ずしもそうとは限らない。たとえば、楽曲の一部で望ましい音が出なくなるとか、演奏者の好みや技量、楽曲のイメージ、会場の広さ等に合致した音色が出せないとかの不満を演奏者自身が抱えることも少なくない。しかしながら、上記のような従来のミュートは、楽器ごとに構造や寸法等が定まっていて、音色の変化も一通りに限られている。つまり、音色の異なる多くの選択肢から演奏者が選んで使うことは想定されていない。楽曲やフレーズ等に応じてミュートを使い分けることにより演奏者がベストパフォーマンスを発揮しようと考えたとしても、ミュートそのものが立体的な嵩張るものであるため、演奏会場に複数個を持参したうえ選択して使用することは現実的に難しい。
管楽器の音量を下げるために弱音器として使用する場合についても、従来の一般的なミュートでは演奏者に不満が生じる場合がある。弱音化のレベルを、演奏会場の規模や聴衆との間の距離、演奏者の技量等に合わせて調節することはできないからである。
特許文献2に記載の弱音器は、シート状の素材でできた平面的な構成であるために嵩張らず、複数個を演奏会場に持参することも困難ではないが、音色を変えることについて格別の工夫はされていない。当該文献にはシート状の素材が何であるかが開示されていないので、音色がよくなるのかどうか不明であるうえ、どのようにして音色を変えるかも全く示されていないからである。
本考案は、上記した従来のミュートとは異なり、演奏者自身の好みや技量、楽曲のイメージ、会場の広さ等の点で演奏者がベストと思える音色および音量を管楽器が出せるように、演奏者が選択し試行したうえで使用できる好ましい管楽器用ミュート等を提供するものである。
本考案に係る管楽器用ミュートは、管楽器の先端の(つまりベルの部分の先にある)開口に被せて使用されるミュートであって、平板状の皮革に上記開口の内側から外へ通じる貫通孔が1つまたは複数形成されてなる皮革部材と、その皮革部材を上記開口に被せるための取付け部材とを有することを特徴とする。
図1・図3・図4に、考案による各種のミュートを例示している。図2には、図1のミュート1を管楽器Aに取り付けた状態(管楽器Aの側から見た斜視図)を例示している。
上記考案の管楽器用ミュートは、管楽器の先端の開口に上記平板状の皮革部材を被せて使用するものであるから、当該管楽器の音量を下げることができ、したがって従来のミュートと同様に弱音器として使用することができる。上記のとおり貫通孔を有しているため演奏者が息苦しくなる恐れもない。
しかし、考案の管楽器用ミュートはそれだけでなく、主要部分である平板状の皮革が高音域を吸収する特性を有しているため、管楽器の音を、角のない柔らかなものに変えることができる。皮革ではなくプラスチック板やゴム板を使用するとしても弱音化をはかることは可能だが、それらの板は音を反射しやすいため、柔らな好ましい音にすることはできない。皮革を使用することによってこそ、好ましい音色に変えることができる。
皮革の材質(硬さ)や厚さ、表面状態、または貫通孔の大きさや数、配置が変わると、音色も音量も変わるため、演奏者は、自身の好みや技量、楽曲のイメージ、会場の広さ等に合わせて、考案による最適のミュートを選択して使用することができる。そのような選択のためには、材質・形状・寸法等の仕様が異なる複数のミュートを試して音色等の変化を確かめる必要があるが、考案の管楽器用ミュートは、そうした試行と選択を通じて好ましい使用をすることが可能である。考案による管楽器用ミュートは、仕様の異なるものを複数とり揃えるために格別のコストを要さず、また平板状の嵩張らない物であるため、それら複数のものを所持して演奏会場へ持参することも容易だからである。
考案による上記の管楽器用ミュートについては、上記皮革部材のうち上記開口の内側を向いた側(ベルの内側に面した側)の面に、布(織物または不織布)が貼り付けられているのも好ましい。たとえば図1の例では、同(c)に示す側の面10aに布(図示省略)を貼り付けるとよい。
皮革部材は上述のとおり管楽器の高音域を吸収してソフトな音にする特性があるが、布にも同様の特性がある。布のみを管楽器の開口に被せるのでは十分に音を吸収させることが難しいが、上記のように皮革部材の内側を向いた面に布を貼り付けておくと、皮革と布との双方の作用により、弱音化がはかれるとともに高音域が吸収されて柔らかな音に変換されるため、好ましい。布の質や厚さを変えることによっても、音の吸収のされ方が変わり、管楽器の音色が変えられるため、演奏者による上記した選択の幅が広がることにもなる。
上記の管楽器用ミュートについては、とくに、上記取付け部材が、上記開口の外周縁の一部を差し入れ可能な隙間を有する袋状部分と、当該袋状部分から上記外周縁に沿って略180°離れた部分で上記外周縁の一部に掛け留めることができる留めゴム部分とを有するのが好ましい。図1・図3の各例では、符号20が、袋状部分21と留めゴム部分26とを含む取付け部材である。
そのような取付け部材を有する管楽器用ミュートは、使用の際、管楽器のベルの開口に簡単に被せることができる。すなわち、1)上記した袋状部分の上記隙間に管楽器の開口の外周縁の一部が差し入れられるよう、袋状部分を当該外周縁の一部に被せ入れるように引っ掛け、2)その後、上記の留めゴム部分を上記開口の外周縁の一部に掛け留める。そのようにすれば、図2に例示した状態にミュートを管楽器に取り付けることができる。このような取付けの作業は、管楽器を片手で持った状態で、他方の手でミュートを扱うことによって困難なく行える。上記の袋状部分と留めゴム部分とは、上記開口の外周縁に沿って略180°離れた部分に設けられているため、皮革部材は双方の部分によってしっかりと全周的に管楽器の開口に密着させられて音漏れを防止することができる。一たん管楽器に取り付けたミュートは、その後、3)留めゴム部分を引いてその掛け留めを外したうえ、3)袋状部分を上記外周縁から抜き出す、という手順により取り外すことも容易である。
取付け・取外しが容易であるため、この管楽器用ミュートによれば、管楽器の音色の変更および弱音化をきわめて容易に行うことが可能になる。
本考案の管楽器用ミュートセットは、上記の管楽器用ミュートが複数個、いずれか1個を選択的に使用できるよう組み合わされてなるもので、それぞれの管楽器用ミュートの間で、上記皮革の材質(硬さ)や厚さもしくは表面状態、または上記貫通孔の大きさ、数もしくは配置が異なることを特徴とする。たとえば図4(a)~(c)に示すような、貫通孔の数と配置が異なる複数個を組み合わせてセットにするとよい。
考案によるそのような管楽器用ミュートセットを所持していると、演奏者は、前述のように、自身の好みや技量、楽曲のイメージ、会場の広さ等に合わせて、最も好ましいミュートを選択して使用することができ、もって適切に音色を変え、かつ弱音化を実現することができる。考案のミュートは平板状のもので嵩張らないことから、複数個のセットを演奏者が演奏会場に持参することができ、会場で事前に試したうえで使用するミュートを選択することも可能である。また、複数個のミュートを演奏時にも手許に置いておくと、楽曲ごとに、または楽曲のフレーズごとに、使用するミュートを変更することもできる。上記のような袋状部分と留めゴム部分とを含む取付け部材が設けられたミュートであれば、そのようにミュートを変更することもきわめて容易である。
考案に係る管楽器用ミュートは、管楽器の先端の開口に平板状の皮革部材を被せて使用するものであるから、管楽器の音色を、角のない柔らかなものに変えることができ、また弱音器としても使用できる。そのため、使用によっていわゆるバケットミュートと同様の効果がもたらされる。また、皮革の材質や厚さ、表面状態、または貫通孔の大きさや数、配置が変わると音色も変わるため、演奏者は、材質・形状・寸法等の仕様が異なる複数のミュートを試したうえで、自身の好みや技量、楽曲のイメージ、会場の広さ等に合った最適のミュートを選択して使用することができる。
上記皮革部材の一方の面に布を貼り付けるなら、それによっても音色が変えられるため演奏者による上記選択の幅を広げることができる。
さらに、皮革部材に設ける取付け部材が、袋状部分と留めゴム部分とを含む適切な構成を有するなら、管楽器に対する取付け・取外しが容易であるため、そうしたミュートによって、管楽器の音色の変更および弱音化をきわめて容易に行えるようになる。
考案の管楽器用ミュートセットは、皮革の厚さ等の仕様がそれぞれ異なる上記の管楽器用ミュートが複数個組み合わされたものである。そのため、それを所有する演奏者は、当該セット中の幾つかのミュートを演奏会場に持参し、自身の個性や会場の様子等に合わせて、曲の初めや曲の途中に、音色等の点で最も好ましいミュートを選択し付け替えて使用することができる。
考案による管楽器用ミュートの一例を示す図であって、図1(a)はミュート1の正面図、同(b)はその側面図、同(c)はその背面図である。 考案による管楽器用ミュートの使用状態を示す図であって、管楽器AのベルAaの開口Abに図1のミュート1を取り付けた状態を、管楽器Aの側から見た斜視図である。 考案による管楽器用ミュートについて別の例を示す図であって、図3(a)はミュート2の正面図、同(b)はその背面図である。 考案による管楽器用ミュートについてさらに他の例を示すもので、貫通孔の数や配置の異なる3つのミュート3・4・5を示す正面図である。考案によるミュートセットについて一例を示す図でもある。
考案の一実施例である管楽器用ミュート1を図1(a)~(c)に示す。このミュート1は、平らな板状(シート状)の天然皮革を円形に切り出したうえ、表裏に通じる貫通孔11a・11bを設けて皮革部材10を形成し、それを管楽器の先端(ベルの部分)の開口に装着するための取付け部材20を付属させて構成したものである。図示の例はトランペット用で、皮革部材10は厚さが約2mm、直径が約20cm、中央に設けた貫通孔11aは直径が約4cm、その周囲に合計8個設けた貫通孔は直径が約1cmである。
図2には、トランペット等の管楽器Aに図1のミュート1を装着した状態を示す。皮革部材10の直径は管楽器AのベルAaの開口Abの直径よりも大きいため、ミュート1の装着時には、皮革部材10の裏面10aを開口Abの全周に重ねることができ、図1の貫通孔11a・11bの部分を除いてベルAaの開口Abを塞ぐことができる。
図2の状態に装着されたミュート1が管楽器Aの開口Abに対して隙間を生じたり脱落したりすることがないように、取付け部材20として、袋状部分21と留めゴム部分26とを設けている。袋状部分21は、管楽器Aの開口Abの外周縁のうち上側の一部に皮革製のカバー22を被せる(つまりカバー22と皮革部材10との間に外周縁の上記一部を差し入れる)ことにより、開口Abと皮革部材10との間に隙間ができるのを防止する。また、留めゴム部分26は、皮革部材10の下側の2箇所に取り付けた連結片28同士の間にゴム紐27を架け渡していて、ゴム紐27の弾性的な引張力によって、やはり開口Abと皮革部材10との間に隙間ができるのを防止することができる。
取付け部材20の詳細を図1(b)・(c)に示している。同(b)に示すように、袋状部分21は、管楽器Aの開口Ab(図2)の外周縁を挿入する隙間を形成するために円弧状のスペーサ材23を挟み込んだ状態で、同(c)のように、上記カバー22をミシン糸22aによって縫い付けたものである。カバー22は、皮革部材10よりも薄い軟らかめの皮革製とし、その幅(図1(c)の上下方向の寸法)は皮革部材10の直径の5分の1から3分の1程度、長さ(図1(c)の左右方向の寸法)は全周縁の6分の1から3分の1程度の範囲となるように定め、皮革部材10の上部に取り付けている。
取付け部材20のうち留めゴム部分26は、図1(c)のように、皮革部材10の下方部分の2箇所に連結片28をミシン糸28aによって縫い付け、双方の連結片28に設けられた連結孔の間に伸縮自在なゴム紐27を架け渡している。ゴム紐27は、上記のカバー22に対し皮革部材10の中心点をはさんで概ね180°離れた箇所に中央部分が位置するよう、上記袋状部分21のカバー22の長さ方向とほぼ平行に架け渡している。カバー22とゴム紐27とが、そのように皮革部材10上で離れた位置にあると、管楽器Aの開口Ab(図2)にミュート1の皮革部材10を全周的に均等に押し付けて音漏れを防止できる点で好ましい。
図1に示すミュート1は、図2のように管楽器Aに装着されたとき、貫通孔11a・11bの部分を除いてベルAaの開口Abを塞ぐことになるため、管楽器A用の弱音器として使用することができる。そのため、練習用または演奏本番前のウォーミングアップ用などとしての使用が可能である。しかし、それのみではなく、皮革部材10は管楽器が発する高音域を吸収する作用があるため、ミュート1を装着することによって管楽器の音色を好ましいものに変えることができる。
弱音器として使用する場合にも、また管楽器の音色を変えようとする場合にも、一つのミュート1を使用すれば必ず望ましい効果が得られるかというと、そうとは言えない。望ましい弱音化のレベルは、演奏会場の規模や聴衆との間の距離、演奏者の技量(音量)等によって異なるからである。音色を変えようとする場合には、さらに、演奏者の好みや楽曲のイメージ等によっても望ましい音色が異なるため、特定のミュート1によってつねに最適の効果が得られるというわけではない。
図1のミュート1は、そのような点を考慮して構成したものである。すなわち、i)特性の異なる別のミュートを困難なく用意することができ、ii)そうした別のミュートとともに所持・携行することが難しくなく、iii)しかも演奏の場で、種々の状況に応じて適宜に別のミュートに付け替えて最適の効果を得るべく使用できるものである。
すなわち、ミュート1はまず、いくつかの貫通孔を有する平板状の皮革部材10とそれに付属させた取付け部材20とにより、従来の一般的なミュート(特許文献1に記載のもの等)に比べて大幅に低コストで製作され、演奏者はそれを低価格で容易に入手できる。また、皮革部材10の材質(硬さ)や厚さ、表面状態、または貫通孔11a・11bの大きさや数、配置を変えることによって、特性、すなわち管楽器Aの音色および弱音の程度を変えることができる。そのため演奏者は、ミュート1の構成が部分的に変更された他のミュートを幾つか入手して、特性の異なる複数のミュートを困難なくとり揃えることができる。
ミュート1は全体として平板状の薄い物であるため、演奏者は、構成が部分的に相違していて特性の異なる複数個のミュートを併せて所持し携行することが難しくない。
さらに、ミュート1または同様に構成した特性の異なる他のミュートは、上述のように取付け部材20を設けていることに基づいて、管楽器Aの開口Abへの取付け・取外しがきわめて容易である。片手で管楽器Aを持ちながら、他方の手でミュート1の付け外しを行うことも可能なので、曲目の変わるときだけでなく、同じ曲の演奏の途中にもミュートの交換をすることができる。
そのような点から、図1のミュート1は、上記i)~iii)のすべてを満たす好ましいものと言える。
なお、図の例では実施していないが、ミュート1の皮革部材10のうち管楽器のベルの内側を向いた(すなわち取付け部材20を設けた側の)面10aに、布を貼り付けるのも好ましい。布にも、音色を変える作用および弱音の作用があるからである。布の種類や厚さ等を変更することによっても、上記のように特性の異なる別のミュートを用意することができる。
図1のミュート1とは特性の異なるミュートの一例を、ミュート2として図3(a)・(b)に示す。このミュート2もトランペット用であり、円板状の天然皮革に、同じ大きさの貫通孔11a・11bを図示のように中央部とその回りの4箇所に形成して皮革部材10とし、それに、管楽器の先端開口への装着用の取付け部材20を設けたものである。図示のミュート2は、皮革部材10の厚さや直径を図1のミュート1と同じにしながら、貫通孔11a・11bの直径を等しく約2cmにしている。
ミュート2の取付け部材20は、図1のミュート1のそれと概ね同じものであるが、袋状部分21のカバー22に、それを管楽器のベルの外周縁にさらに被せやすいよう、下方の縁部に摘み片24を取り付けたほか、留めゴム部分26のゴム紐27にも、その中央付近に摘み片29を取り付けている。管楽器にミュート2を取り付けたり取り外したりする際、摘み片24・29を指でつまんで、皮革部材10からカバー22とゴム紐27とを引き離すと、管楽器の外周縁に対するミュート2の付け外しがとくに容易になる。
特性の異なるさらに別のミュートの例を図4(a)~(c)に示している。同(a)~(c)のミュート3・4・5は、やはりトランペット用であって、たとえば皮革部材10がそれぞれ同じ材質・同じ寸法であり、いずれも同様の取付け部材(図示省略)を付属させていて、皮革部材10の中央に設けた貫通孔11aの大きさも同じである。しかし、その貫通孔11aの回りに他の貫通孔11bを設けるか否か、また設ける場合にその配置をどうするかについて互いに相違がある。
図4(a)のミュート3では、貫通孔11aの回りに他の貫通孔を形成していない。同(b)のミュート4においては、中央の貫通孔11aに近い部分で、その回りに小さめの貫通孔11bを8個等間隔に形成している。また、同(c)のミュート5では、貫通孔11aから離れた外方の部分で、小さめの貫通孔11bを16個円周上に等間隔に形成している。
貫通孔11a・11bの形成態様がこのように異なると、各ミュート3・4・5を管楽器に取り付けたときの音色の変化や弱音の程度は、それぞれに異なるものとなる。したがって、管楽器の演奏者は、たとえばこれらを(または図1・図3に示すミュート1・2を含めた複数種のうちの幾つかを)ミュートセットとして取り揃えて所有するなら、異なる複数のミュートを演奏会場に持参したうえ、会場で適宜に選択して好ましいものを使用する、という使い方をすることができる。
以上、図1~図4に複数のミュートを紹介したが、考案のミュートはこれらに限るものではない。たとえば、各図の例のように皮革部材10の中央に貫通孔11aが形成されなければならないわけではない。図3のミュート2において中央の貫通孔11aが形成されていないミュートも、音色の変化および弱音化を実現でき、それらの特性について好ましい選択肢を提供することができる。
皮革部材10について、とくに管楽器の開口の内側を向いた側の面の状態を変更させると、それによっても音色等を変化させることができる。皮革部材10の上記の面をたとえば毛羽立たせると吸音特性が変わる。同じ側の面に布を貼ることによっても音色等を変化させ得ることは前述のとおりである。
トランペット用のミュートを例として示したが、考案によるミュートは、トロンボーンやサックスなど他の管楽器用のものとしても構成できる。チューバ用やホルン用のものも構成可能である。ベルの先端の開口が大きい管楽器用のミュートは、当然ながら皮革部材10の直径が大きくなり、その厚さも増す必要がある。
1・2・3・4・5 管楽器用ミュート
10 皮革部材
11a・11b 貫通孔
20 取付け部材
21 袋状部分
22 カバー
26 留めゴム部分
27 ゴム紐
A 管楽器
Aa ベル
Ab 開口

Claims (4)

  1. 管楽器の先端の開口に被せて使用されるミュートであって、
    平板状の皮革に上記開口の内側から外へ通じる貫通孔が1つまたは複数形成されてなる皮革部材と、その皮革部材を上記開口に被せるための取付け部材とを有することを特徴とする管楽器用ミュート。
  2. 上記皮革部材のうち上記開口の内側を向いた側の面に、布が貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の管楽器用ミュート。
  3. 上記の取付け部材が、上記開口の外周縁の一部を差し入れ可能な隙間を有する袋状部分と、当該袋状部分から上記外周縁に沿って略180°離れた部分で上記外周縁の一部に掛け留めることができる留めゴム部分とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の管楽器用ミュート。
  4. 請求項3に記載の管楽器用ミュートが複数個、いずれか1個を選択的に使用できるよう組み合わされてなる管楽器用ミュートセットであって、それぞれの管楽器用ミュートの間で、上記皮革の材質、厚さもしくは表面状態、または上記貫通孔の大きさ、数もしくは配置が異なることを特徴とする管楽器用ミュートセット。
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