JP3238968U - 帽子 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者の好みに合わせて容易に変形可能であり、かつ折り畳みが可能な帽子を提供する。【解決手段】帽子10は、使用者の頭部の一部または全体を覆う本体部11と、本体部に取り付けられたつば部12と、有し、つば部は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートSを含む。【選択図】図2
Description
本開示は、帽子に関するものである。
従来、日除け用の帽子や、頭部保護のための帽子、装飾用の帽子等、多種多様な帽子が流通されており、その着用感を高めたり、型崩れを抑制したりするため、様々な工夫が行われている。
例えば特許文献1では、つば部の両端より後ろ側に、弾性織布を配置することで、着用感を高めることが提案されている。一方、特許文献2では、つば部に厚みの異なるプラスチック製の板状プレートを挿入することで、洗濯等によるツバ部の型崩れを抑制することが提案されている。さらに、特許文献3では、芯地を樹脂でラミネート接着した布帛を帽子の本体部に使用することで、洗濯時に型崩れし難くすることが提案されている。
図1Aに従来の一般的な帽子110の平面図を示し、図1Bに当該帽子110を折り畳んだときの平面図を示す。当該帽子110は、頭部を覆う本体部111と、つば部112と、を有する。上述の特許文献2や特許文献3に記載されているように、帽子110のつば部112や本体部111等には、芯材(図示せず)が入っていることが多く、当該芯材によって、変形や型崩れを防いでいる。しかしながら、帽子110が芯材を含むと、折り畳む際に、芯材を含む部分を変形させることが難しい。そのため、図1Bに示すように、芯材が入っている部分(ここではつば部112)を避けて折り畳むことが一般的である。しかしながら、このような状態では、嵩が大きく、コンパクトに持ち運ぶことが難しい。また、芯材が入っている部分を折り畳むことができたとしても、折ジワが生じて元の状態に戻らなくなったり、型崩れが生じたりしやすい、という課題があった。
本開示は、使用者の好みに合わせて容易に変形可能であり、かつ容易に折り畳みが可能な帽子の提供を目的とする。
本開示は、以下の帽子を提供する。
[1]使用者の頭部の一部または全体を覆う本体部と、前記本体部に取り付けられたつば部と、有し、前記つば部は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートを含む、帽子。
[1]使用者の頭部の一部または全体を覆う本体部と、前記本体部に取り付けられたつば部と、有し、前記つば部は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートを含む、帽子。
[2]使用者の頭部の一部または全体を覆う本体部を備え、前記本体部は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートを含む、帽子。
[3]前記本体部の周囲に配置された巻き部および帯をさらに有し、前記巻き部および/または帯は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートを含む、[1]または[2]に記載の帽子。
[4]前記樹脂シートが、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含み、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体は、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位とを含む、[1]~[3]のいずれか記載の帽子。
[5]前記樹脂シートの厚みが、0.1~30mmである、[1]~[4]のいずれかに記載の帽子。
[6]前記樹脂シートが、発泡シート、有孔シート、メッシュ状シート、不織布、および織布からなる群から選ばれるいずれかのシートである、[1]~[5]のいずれかに記載の帽子。
[7]前記樹脂シートの通気量が、1cc/cm2・sec以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の帽子。
[8]前記つば部が、前記樹脂シートの少なくとも一方の面に貼り合わせられた生地をさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の帽子。
[9]前記本体部が、前記樹脂シートの少なくとも一方の面に貼り合わせられた生地をさらに含む、[2]~[7]のいずれかに記載の帽子。
[4]前記樹脂シートが、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含み、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体は、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位とを含む、[1]~[3]のいずれか記載の帽子。
[5]前記樹脂シートの厚みが、0.1~30mmである、[1]~[4]のいずれかに記載の帽子。
[6]前記樹脂シートが、発泡シート、有孔シート、メッシュ状シート、不織布、および織布からなる群から選ばれるいずれかのシートである、[1]~[5]のいずれかに記載の帽子。
[7]前記樹脂シートの通気量が、1cc/cm2・sec以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の帽子。
[8]前記つば部が、前記樹脂シートの少なくとも一方の面に貼り合わせられた生地をさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の帽子。
[9]前記本体部が、前記樹脂シートの少なくとも一方の面に貼り合わせられた生地をさらに含む、[2]~[7]のいずれかに記載の帽子。
本開示の帽子は、使用者の好みに合わせて容易に変形可能であり、かつ折り畳みが可能である。
以下、本開示の帽子について、具体的な実施形態に基づいて説明するが、本考案は、これらの実施形態に限定されない。
<実施形態>
本開示の一実施形態に係る帽子について、図2A~図2Dを参照しながら説明する。本実施形態の帽子10は、使用者の頭部の一部または全体を覆う本体部11、および当該本体部11に取り付けられたつば部12を有する。図2Aは、当該帽子10の概略平面図であり、図2Bは、当該帽子10を折り畳んだときの概略平面図であり、図2Cは、当該帽子10の底面側の斜視図であり、図2Dは、図2AのA-A線における拡大断面図である。なお、図2A~図2Dには、一般的にハンチングと称される種類の帽子を一例として示している。ただし、本実施形態の帽子10の例には、各種キャップ、バイザー、各種ハット等が含まれ、これらに限定されない。
本開示の一実施形態に係る帽子について、図2A~図2Dを参照しながら説明する。本実施形態の帽子10は、使用者の頭部の一部または全体を覆う本体部11、および当該本体部11に取り付けられたつば部12を有する。図2Aは、当該帽子10の概略平面図であり、図2Bは、当該帽子10を折り畳んだときの概略平面図であり、図2Cは、当該帽子10の底面側の斜視図であり、図2Dは、図2AのA-A線における拡大断面図である。なお、図2A~図2Dには、一般的にハンチングと称される種類の帽子を一例として示している。ただし、本実施形態の帽子10の例には、各種キャップ、バイザー、各種ハット等が含まれ、これらに限定されない。
また、つば部12の形状は特に制限されない。本明細書において、つば部12とは、使用者が帽子20を着用したときに、使用者の頭部より外側に張り出す部分をいう。当該つば部12は、例えば、使用者を日差し等から保護するための日除け部として使用することが可能である。当該つば部12は、図2Aに示すように、使用者の頭部の一部方向(図2Aでは前方)のみに張り出した形状であってもよく、使用者の頭部を囲むように、一周に亘って張り出した形状であってもよい。
ここで、本実施形態では、図2Dに示すように、つば部12が昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートSを含む。なお、本実施形態では、当該樹脂シートSが、つば部12の略全ての領域に含まれているが、樹脂シートSは、つば部12の一部の領域のみに含まれていてもよい。
当該樹脂シートSの厚みは、つば部12の形状に応じて適宜選択されるが、本実施形態では0.1mm以上30mm以下が好ましく、0.2mm以上10mm以下がより好ましく、0.3mm以上5mm以下がさらに好ましい。樹脂シートSの厚みが当該範囲であると、つば部12の形状安定性が良好になりやすい。一方で、当該厚みであると、帽子10を折り畳んだりするとき等に、樹脂シートS全体に熱が伝わりやすく、容易につば部12を変形させやすくなる。
樹脂シートSの構造は特に制限されず、通常、平板状のシートであるが、一部に立体的な形状を含んでいてもよい。さらに、当該樹脂シートSは、一様に樹脂を含み、凹凸や孔、隙間等を有さないシートであってもよいが、発泡シート、有孔シート、メッシュ状シート、不織布、および織布からなる群から選ばれるいずれかのシートであることが好ましい。樹脂シートSがこのようなシートであると帽子10が軽量化されやすい。特に、当該樹脂シートSの通気量が、1cc/cm2・sec以上であることが好ましい。
また、上記樹脂シートSを構成する樹脂の種類は、上記特定を満たすことが可能であれば特に制限されない。一例として、4-メチル-1-ペンテン系重合体が挙げられる。4-メチル-1-ペンテン系重合体は、少なくとも4-メチルペンテンを含む重合体であればよく、4-メチル-1-ペンテンと炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィンとの重合体であることが好ましい。つまり、4-メチル-1-ペンテン系重合体が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位と、炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位とを含むことが好ましい。これらの構成比は、所望の物性に合わせて適宜選択される。
また、本実施形態のつば部12では、図2Dの拡大断面図に示すように、樹脂シートSの両面にそれぞれ生地F1、F2が積層されている。つまり、つば部12が三層で構成されている。樹脂シートSと、生地F1、F2とが貼り合わせられていると、つば部12の質感を本体部11等と合わせたり、つば部12に意匠性を持たせたりすることができる。なお、本実施形態では、樹脂シートSの両面を包むように、樹脂シートSの両面に生地F1、F2が貼り合わせられているが、樹脂シートSの一方の面のみに生地が貼り合わせられていてもよい。また、一部に樹脂シートSが露出した領域があってもよい。さらに、樹脂シートSと生地F1、F2との積層方法は特に制限されず、熱融着や、ホットメルトフィルム、接着剤塗布等によって貼り合わせられていてもよく、樹脂シートSと生地F1、F2とが縫い合わせられていてもよい。
また、上記生地F1、F2の種類は特に制限されず、例えば、布、皮、合皮等、一般的に帽子の材料として使用可能な生地を使用可能である。ただし、樹脂シートSの形状変化に合わせて、伸縮可能であることが好ましい。そのため、少なくとも一方向において、35℃における20%伸長時の引張応力値が9.8N以下、かつ圧迫圧力が4.0kPa以下である生地が好ましい。生地の引張応力や圧迫圧力の値が上記値以下であると、樹脂シートSの変形が阻害され難い。このような生地Fの例には、天竺、フライス、スムース、ダブルニット等の緯編組織を有する編物;トリコット、ラッセル等の経編組織を有する編物;平織、綾織、サテン等の組織を有する織物;不織布(繊維を物理的あるいは化学的に接着または絡み合わせて布状にしたもの)等が含まれる。つば部12を、生地Fと樹脂シートSとの積層体とすると、つば部12の肌触りを良好にしたり、冷感特性や吸汗性を付与したりすることが可能である。さらに、つば部12の意匠性を高めることもできる。また、樹脂シートSの表側と裏側とに、異なる生地Fを使用すると、意匠性と実用性とを両立させたりすることが可能である。ただし、帽子10の種類によっては、つば部12が樹脂シートSのみから構成されていてもよい。
一方、本体部11の形状は特に制限されず、使用者の頭部全体を覆う形状であってもよく、一部のみ、例えば頭部の周囲のみを覆う形状であってもよい。例えば、本体部11は、1つの部材で一体に形成されていてもよい。一方で、頭部の周囲を覆う部分(以下、「サイドクラウン」とも称する)と、頭部の上面を覆う部分(以下、「トップクラウン」とも称する)とから構成されていてもよい。また、例えばキャップのように、複数のパネルが組み合わせられていてもよい。さらに、バイザーのように、使用者の頭部の周囲のみを覆う形状であってもよい。本実施形態の本体部11を構成する材料は特に制限されず、公知の帽子の本体部に使用可能な材料を使用可能であり、複数の材料を組み合わせて構成されていてもよい。ただし、帽子10を折りたたみやすくしたり、着用感を高めたりするとの観点で、柔軟性を有する材料で構成されていることが好ましい。
ここで、本実施形態の帽子10は、図2Cに示すように、本体部11の内側に、すべりもしくはサイズリボンと称される帯状の部材(以下、「すべり」とも称する)13を有していてもよく、当該すべり13が、上記樹脂シートSを含んでいてもよい。すべり13が上記樹脂シートSを含むと、使用者が帽子10を着用した際、使用者の頭部の温度によってすべり13が軟化し、使用者の頭部の形状に沿って変形する。したがって、帽子10の着用感が非常に良好になるという利点がある。すべり13が樹脂シートSを含む場合、当該すべり13は、樹脂シートSのみで構成されていてもよく、樹脂シートSと生地Fとの積層体で構成されていてもよい。すべり13が、上記樹脂シートSと生地Fとの積層体で構成される場合には、生地Fが使用者の頭部に接触するように配置することが好ましい。これにより、帽子10の着用感が良好になりやすい。
さらに、本実施形態の帽子10は、本体部11とつば部12との境界付近に配置された、リボン状やベルト状の巻き部(図示せず)を有していてもよく、また巻き部どうしの接続部に配置される帯(図示せず)をさらに有していてもよい。帽子10が、巻き部や帯を有する場合、これらのいずれか一方、もしくは両方が、上記樹脂シートSを含んでいてもよい。この場合も、巻き部や帯は、樹脂シートSのみで構成されていてもよく、樹脂シートSと生地Fとの積層体で構成されていてもよい。巻き部や帯が、上記樹脂シートSと生地Fとの積層体で構成されると、巻き部や帯の意匠性が高まりやすい。また、巻き部や帯が樹脂シートSを含むと、使用者が帽子10を着用した際に、使用者の頭部の温度によって巻き部や帯が軟化し、使用者の頭部の形状に沿って変形する。したがって、帽子10の着用感が非常に良好になる。
(効果)
本実施形態の帽子10では、上述のように、少なくともつば部12に、特定の樹脂シートSを含む。そのため、帽子10を持ち歩く際等には、つば部12を体温等によって温めることで、つば部12が一時的に軟化する。そして、例えば図2Bに示すように、任意の形状に折り畳むことが可能であり、非常に小さく折り畳むことも可能である。なお、上記樹脂シートSは、温度が低くなると、弾性率が高くなる。したがって、例えば折り畳んだ状態で温度を低くすると、当該形状で保持される。また、使用する際には、再度温めることで、元の形状に戻すことが可能であり、このとき折りジワ等も生じ難い。さらに、帽子10の使用時には、使用者の好みに応じて、つば部12を任意の形状に変形させて着用したりすることも可能である。
本実施形態の帽子10では、上述のように、少なくともつば部12に、特定の樹脂シートSを含む。そのため、帽子10を持ち歩く際等には、つば部12を体温等によって温めることで、つば部12が一時的に軟化する。そして、例えば図2Bに示すように、任意の形状に折り畳むことが可能であり、非常に小さく折り畳むことも可能である。なお、上記樹脂シートSは、温度が低くなると、弾性率が高くなる。したがって、例えば折り畳んだ状態で温度を低くすると、当該形状で保持される。また、使用する際には、再度温めることで、元の形状に戻すことが可能であり、このとき折りジワ等も生じ難い。さらに、帽子10の使用時には、使用者の好みに応じて、つば部12を任意の形状に変形させて着用したりすることも可能である。
<その他の実施形態>
本開示のその他の実施形態に係る帽子について、図3A~図3Cを参照しながら説明する。図3Aは、当該帽子20の概略斜視図であり、図3Bは、当該帽子20を折り畳んだときの概略図であり、図3Cは、当該帽子10の底面側の概略斜視図であり、図3Dは、図3AのB-B線における断面図である。なお、図3A~図3Cには、一般的にハットと称される種類の帽子を一例として示している。ただし、本実施形態の帽子20は、本体部21を有していればよく、その例には、各種キャップ、バイザー、図3に示す以外のハット、ハンチング、ベレー等が含まれるが、これらに限定されない。
本開示のその他の実施形態に係る帽子について、図3A~図3Cを参照しながら説明する。図3Aは、当該帽子20の概略斜視図であり、図3Bは、当該帽子20を折り畳んだときの概略図であり、図3Cは、当該帽子10の底面側の概略斜視図であり、図3Dは、図3AのB-B線における断面図である。なお、図3A~図3Cには、一般的にハットと称される種類の帽子を一例として示している。ただし、本実施形態の帽子20は、本体部21を有していればよく、その例には、各種キャップ、バイザー、図3に示す以外のハット、ハンチング、ベレー等が含まれるが、これらに限定されない。
本実施形態では、本体部21が、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートSを含む。
本実施形態では、本体部21がサイドクラウンおよびトップクラウンから構成されており、サイドクラウンおよびトップクラウンの両方に、樹脂シートSが含まれている。ただし、サイドクラウンおよびトップクラウンのうち、いずれか一方のみに樹脂シートSが含まれていてもよい。また、例えば、キャップのように、本体部21が複数のパネルを組み合わせた構造である場合等には、一部のパネルのみ樹脂シートSが含まれていてもよく、全てのパネルに樹脂シートSがそれぞれ含まれていてもよい。また、例えばベレーのように、本体部21が略一つの部材で構成される場合には、所望の領域にのみ樹脂シートSが含まれていてもよい。
本体部21が含む樹脂シートSの厚みは、本体部11の形状に応じて適宜選択されるが、本実施形態では0.1mm以上30mm以下が好ましく、0.2mm以上10mm以下がより好ましく、0.3mm以上5mm以下がさらに好ましい。樹脂シートSの厚みが当該範囲であると、本体部21の形状安定性が良好になりやすい。一方で、樹脂シートSの厚みが上記範囲であると、帽子20を折り畳んだりするとき等に、樹脂シートS全体に熱が伝わりやすく、本体部21を容易に変形させやすくなる。なお、このような樹脂シートSを構成する樹脂の種類は、上記特定を満たすことが可能であれば特に制限されず、上述の実施形態で説明した樹脂と同様である。
樹脂シートSの構造は特に制限されず、通常、平板状のシートであるが、一部に立体的な形状を含んでいてもよい。さらに、当該樹脂シートSは、一様に樹脂を含み、凹凸や孔、隙間等を有さないシートであってもよいが、発泡シート、有孔シート、メッシュ状シート、不織布、および織布からなる群から選ばれるいずれかのシートであることが好ましい。樹脂シートSがこのようなシートであると帽子20を軽量化できるだけでなく、通気性が良好になりやすい。特に、当該樹脂シートSの通気量が、1cc/cm2・sec以上であることが好ましく、通気量が当該範囲であると、着用感が良好になりやすい。
ここで、本実施形態の本体部21では、図3Dの拡大断面図に示すように、樹脂シートSの一方の面に生地Fが積層されている。つまり、本体部21が二層で構成されており、樹脂シートSが、帽子20の内側に配置されている。ただし、上述の実施形態のように、樹脂シートSの両面に生地Fがそれぞれ積層されていてもよい。つまり、本体部21が三層で構成されていてもよく、樹脂シートSが帽子20の外側に露出した領域があってもよい。また、帽子20の種類によっては、本体部21が樹脂シートSのみで構成されていてもよい。
ここで、樹脂シートSと生地Fとの積層方法は特に制限されず、上述の実施形態で説明したように、融着や、ホットメルトフィルム、接着剤塗布等によって、樹脂シートSと生地Fとが貼り合わせられていてもよい。また、樹脂シートSと生地Fとが縫い合わせられていてもよい。また、生地Fの種類は特に制限されないが、樹脂シートSの形状変化に合わせて、伸縮可能であることが好ましい。したがって、上述の実施形態で説明した引張応力および圧迫圧力を有する生地が好ましい。
本実施形態では、帽子20の本体部21以外の構造は特に制限されず、本体部20のみから構成されていてもよいが、例えば図3Aおよび図3Cに示すように、本体部21の他に、つば部22や、巻き部24、帯25、すべり23等を有していてもよい。
本実施形態の帽子20がつば部22を有する場合、つば部22の部材や形状は特に制限されないが、つば部22の一部領域、もしくはすべての領域に上記樹脂シートSを含むことが特に好ましい。つば部22が樹脂シートSを含むと、上記本体部21だけでなく、つば部22も、体温等によって温めて容易に変形させることが可能となる。したがって、例えば図3Bに示すように、帽子を非常にコンパクトに畳むことが可能となる。樹脂シートSを含むつば部22については、上述の第1実施形態で説明した帽子10のつば部12と同様である。
また、本実施形態においても、すべり23が、上記樹脂シートSを含んでいてもよい。すべり23が上記樹脂シートSを含むと、使用者が帽子10を着用した際、使用者の頭部の温度によってすべり23が軟化し、使用者の頭部の形状に沿って変形する。したがって、帽子20の着用感が非常に良好になるという利点がある。すべり23が樹脂シートSを含む場合、当該すべり23は、樹脂シートSのみで構成されていてもよく、樹脂シートSと生地Fとの積層体で構成されていてもよい。すべり23が、上記樹脂シートSと生地Fとの積層体で構成される場合には、生地Fが使用者の頭部に接触するように配置することが好ましい。これにより、帽子20の着用感が良好になりやすい。
さらに、巻き部24および帯25のいずれか一方、もしくは両方が、上記樹脂シートSを含んでいてもよい。この場合も、巻き部24や帯25は、樹脂シートSのみで構成されていてもよく、樹脂シートSと生地Fとの積層体で構成されていてもよい。巻き部24や帯25が樹脂シートSを含むと、使用者が帽子20を着用した際に、使用者の頭部の温度によって巻き部24や帯25が軟化し、使用者の頭部の形状に沿って変形する。したがって、帽子20の着用感が非常に良好になる。
(効果)
本実施形態の帽子20では、少なくとも本体部21に、上述の樹脂シートSを含む。そのため、上述のように、帽子20を持ち歩く際等には、本体部21を体温等によって温めることで、本体部21が一時的に軟化する。そして、例えば図3Bに示すように、任意の形状に折り畳むことが可能であり、非常に小さく折りたたむことも可能である。なお、上記樹脂シートは、温度が低くなると、弾性率が高まるため、例えば折り畳んだ状態で保持させることが可能である。また、使用する際には、再度温めることで、所望の形状に戻すことが可能であり、折りジワ等も生じ難い。さらに、本体部21が、上記樹脂シートSを有すると、帽子20を着用中、使用者の体温によって、常に本体部21が柔らかい状態となるため、着用感が非常に良好になる。
本実施形態の帽子20では、少なくとも本体部21に、上述の樹脂シートSを含む。そのため、上述のように、帽子20を持ち歩く際等には、本体部21を体温等によって温めることで、本体部21が一時的に軟化する。そして、例えば図3Bに示すように、任意の形状に折り畳むことが可能であり、非常に小さく折りたたむことも可能である。なお、上記樹脂シートは、温度が低くなると、弾性率が高まるため、例えば折り畳んだ状態で保持させることが可能である。また、使用する際には、再度温めることで、所望の形状に戻すことが可能であり、折りジワ等も生じ難い。さらに、本体部21が、上記樹脂シートSを有すると、帽子20を着用中、使用者の体温によって、常に本体部21が柔らかい状態となるため、着用感が非常に良好になる。
<変形例>
本開示は、これまでに説明した実施形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、実施形態を変形したものや、異なる実施形態の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
本開示は、これまでに説明した実施形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、実施形態を変形したものや、異なる実施形態の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、上記の説明では、つば部、もしくは本体部が特定の樹脂シートを含むことを説明した。ただし、本考案の帽子は、例えば、図4に示すように、本体部とつば部とが明確に分かれていない帽子30等であってもよい。この場合、上述の本体部およびつば部に相当する、一体部37が、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートを含んでいればよい。当該一体部37は、樹脂シートと生地との積層体で構成されていてもよく、樹脂シートのみで構成されていてもよい。また当該変形例においても、帽子30の巻き部34やすべり(図示せず)等が、上記樹脂シートを含んでいてもよい。
上述の帽子は、使用者の好みに合わせて容易に変形可能であり、かつ容易に折り畳むことができる。したがって、当該帽子は、幅広い用途に適用可能である。
10、20、30、110 帽子
11、21、111 本体部
12、22、112 つば部
13、23 すべり
24、34 巻き部
25 帯
37 一体部
11、21、111 本体部
12、22、112 つば部
13、23 すべり
24、34 巻き部
25 帯
37 一体部
Claims (1)
- 使用者の頭部の一部または全体を覆う本体部と、
前記本体部に取り付けられたつば部と、
を有し、
前記つば部は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値が10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である樹脂シートを含む、
帽子。
Priority Applications (1)
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JP2022002240U JP3238968U (ja) | 2022-07-06 | 2022-07-06 | 帽子 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3238968U (ja) |
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2022
- 2022-07-06 JP JP2022002240U patent/JP3238968U/ja active Active
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