JP3238884B2 - 除塵機用バ−スクリ−ンの中間受桁取付装置 - Google Patents

除塵機用バ−スクリ−ンの中間受桁取付装置

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JP3238884B2 JP17762197A JP17762197A JP3238884B2 JP 3238884 B2 JP3238884 B2 JP 3238884B2 JP 17762197 A JP17762197 A JP 17762197A JP 17762197 A JP17762197 A JP 17762197A JP 3238884 B2 JP3238884 B2 JP 3238884B2
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隆 石川
清嗣 三木
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丸誠重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除塵機用バ−スク
リ−ンの中間受桁取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、除塵機用バ−スクリ−ンは平鋼
を垂直状に一定間隔に並べて格子形にしたもので、した
がって、各スクリ−ンバ−は矩形断面になっており、希
に通水抵抗を下げる目的で、円形断面(パイプ体)のも
のや平鋼両端部を丸形にしたものもある(例えば、実公
昭60−33142号公報、特開平7−113210号
公報参照)。
【0003】一方、かかるバ−スクリ−ンでは、並べた
スクリ−ンバ−を下流側で支える中間受桁が設けられ、
バ−スクリ−ンを補強しており、これは、ごく一般的に
はフランジとウエブとからなるH形鋼が用いられ、ま
た、希にT形鋼が用いられている(例えば、実公昭59
−23777号公報参照)。
【0004】かかるH形鋼やT形鋼を用いた中間受桁
は、フランジがあるため組立結合には便利である上、材
料的にも安価であるものの、通水抵抗については配慮さ
れていない。
【0005】そこで本発明者らは、中間受桁における通
水抵抗、すなわち水路中における中間受桁による損失水
頭について、鋭意分析して開発を試みた。
【0006】すなわち、図3の従来例に示すように2つ
のフランジ51,52および、これらを連結するウエブ
53からなるH形鋼を用いた中間受桁54について分析
した。なお、55は矩形断面のスクリ−ンバ−、56は
固着用ボルト、57はデスタンスピ−スを示す。
【0007】先ず、一般論について述べる。水路にスク
リ−ン(格子)を設置すると、それによる損失水頭h
は、周知のごとく、
【0008】
【数1】
【0009】 で表される。ここで、f=スクリ−ンバ−の種類による
係数 v=流速 g=重力の加速度 このfは、周知のKirschmerの実験式
【0010】
【数2】
【0011】 で表される。ここで、s=スクリ−ンバ−の巾 b=スクリ−ンバ−の間隔 θ=格子全体の傾き角 β=形状係数で、スクリ−ンバ−の断面形状によって決
まる。
【0012】したがって、スクリ−ンの前後で発生する
損失水頭hは、スクリ−ンバ−55の形状係数βに比例
する。このスクリ−ンバ−55の断面形状を翼形とすれ
ば、矩形断面の平鋼が3.4に対し、0.17でしかな
い。
【0013】そのため、翼形断面のスクリ−ンバ−であ
れば、矩形断面のスクリ−ンバ−に比べ1対3.3とな
って損失水頭下げることができる、とされる。
【0014】ところが、以上の分析はスクリ−ンバ−で
あって、中間受桁54についてはなされていない。すな
わち、図3に示すように、矢印のように流れる水路にお
いて、H形鋼を用いた中間受桁54では、特に、水路の
流速vが大になると(例えば、取水用の4m3 /se
c)、2つのフランジ51,52の両端において図示の
ような4つの渦58,58…が発生し、この中間受桁5
4によって形成される投影高さc以上の損失水頭が生じ
る。
【0015】そこで本出願人は、図2に示すような中間
受桁30を用い、この損失水頭を可及的に下げる提案を
行い実施した。なお、図2(A)は全体図、図2(B)
は(A)の水平断面要部図である。
【0016】すなわち、図2に示すスクリ−ンバ−31
を備えた除塵機用バ−スクリ−ンは、水路巾3000m
mに設置されるもので、スクリ−ンバ−31の長さ約4
000mm、巾75mm、厚さ9mmの寸法になってい
る。
【0017】また、多数のスクリ−ンバ−31,31…
はSUS製デスタンスピ−ス32,32…によって、約
50mmの間隔を保って立設される。勿論、これらのデ
スタンスピ−ス32には貫通ロッドが挿通される。
【0018】これらのスクリ−ンバ−31の下流側に
は、上下2段の中間受桁30,30が横設される。
【0019】そして、この中間受桁30を特に円形ない
し楕円形断面(通常の円形パイプを変形したもの)に形
成し、通水抵抗を下げている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
楕円形断面の中間受桁30では、これとスクリ−ンバ−
31とを結合するブラケット33によって、通水抵抗の
少ない楕円形断面の中間受桁30でありながら、通水抵
抗を大きくする、という問題があった。
【0021】すなわち、このブラケット33は山形鋼3
4で構成し、この山形鋼34の長寸部34aを中間受桁
30の周面に溶着し、短寸部34bをボルト35によっ
て固着している。
【0022】そのため、短寸部34bやボルト35によ
って流れが乱され、しかも塵埃を引っ掛け易く、その結
果、通水抵抗が大きくなる、という問題があった。
【0023】そこで本発明は、かかる問題を解決するこ
とを主たる目的とし、かつ、中間受桁を強固に構成する
ことを副たる目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、1)除塵機用バ−ス
クリ−ンのスクリ−ンバ−の下流側に固着する中間受桁
において、該中間受桁を、鋼製円形パイプ体を若干偏平
した大径部と小径部とからなる断面翼形の中空体とし、
前記スクリ−ンバ−と中間受桁とを結合するため、該中
空体における、前記バ−スクリ−ンと略直交する方向の
水平状中心部に、該スクリ−ンバ−間のデスタンスピ−
スにその先端を溶着したアイボルトを、前記大径部を該
スクリ−ンバ−に当接して挿通することにより、ブラケ
ットをなくして、該バ−スクリ−ンと中間受桁とを結合
する前記アイボルトにも除去困難な塵埃を引掛けないよ
うにしたことを特徴とする除塵機用バ−スクリ−ンの中
間受桁取付装置にあり、また、2)前記中空体の水平状
中心部にガイドパイプを貫通して固着し、該ガイドパイ
プに、前記スクリ−ンバ−と中間受桁とを結合するアイ
ボルトを挿通して断面翼形の座屈変形を防止した請求項
1に記載の除塵機用バ−スクリ−ンの中間受桁取付装置
にある。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、添付図面に示す実施の
形態例により詳細に述べる。
【0026】図1は本発明の実施の形態例の要部断面図
(従来例の図2(A)の要部に相当するもの)であっ
て、この実施の形態例の中間受桁1を用いた除塵機用バ
−スクリ−ンは、水力・原子力発電所の海水取水路に好
都合に用いられ、このスクリ−ンバ−2は図2で示した
スクリ−ンバ−31と同じ寸法になっている。
【0027】図1において、中間受桁1は、量産化され
た鋼製円形パイプ体を、パイプ全体を異形にする成形法
により若干扁平成形した大径部1aと、小径部1bとか
らなる翼形の形状で、その水平状(スクリ−ンバ−2に
略直交する方向をいう)の中心に沿って貫通孔3がドリ
ルによって開口され、この貫通孔3にSUS製ガイドパ
イプ4を溶着している。
【0028】なお、パイプ全体を異形にする成形法は、
量産化されたパイプ体の外周を複数のロ−ラ群で絞り、
これらのロ−ラ群を数段通すことにより簡単に成形で
き、ひいては、安価な中間受桁1を提供できる。勿論、
ダイスとポンチで成形してもよい。
【0029】一方、多数の鋼板製スクリ−ンバ−(両端
部を丸形にしてもよい)2の各間にはSUS製デスタン
スピ−ス5が介在しているが、このデスタンスピ−ス5
の一つに長寸のSUS製ボルト6の先端を溶着してアイ
ボルト6Aを構成している。すなわち、このボルト6
は、スクリ−ンバ−2と中間受桁1とを結合する。
【0030】このアイボルト6Aを前記ガイドパイプ4
に挿通して、その突出部のネジ7にナット8を螺着し
て、スクリ−ンバ−2にその大径部1aを当接して中間
受桁1を結合している。
【0031】したがって、この中間受桁1には、従来の
ような通水抵抗を発生させるブラケットがないので、通
水抵抗を下げ、ひいては、損失水頭を小ならしめる。
【0032】その上、ガイドパイプ4にアイボルト6A
を挿通するので、スクリ−ンバ−2と中間受桁1との組
立結合を容易にし、また、アイボルト6Aをナット8で
締付け、その締付力を上げても、ガイドパイプ4の支持
によって翼形断面の座屈変形を防止し、しかも、ボルト
6が翼形断面の長径、すなわち中間受桁1の水平状中心
を貫通しているので、中間受桁1に対して偏心荷重によ
る捩りモ−メントを発生させることがない。勿論、構造
簡単で製作容易となるためコストアップはない。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、断面翼形でもって形成
される中空体の中間受桁であるので、通水抵抗を下げる
のは勿論、その中空体に、スクリ−ンバ−と中間受桁と
を結合する、デスタンスピ−スに溶着したアイボルトを
挿通したので、構造簡単となって、この結合装置にも除
去作業困難な塵埃の引掛けもなく、また、損失水頭を小
ならしめて、通水抵抗を発生させない。その上、中空体
の、バ−スクリ−ンと略直交する方向の水平状中心部に
アイボルトを挿通するので、中間受桁の位置決めや結合
作業に偏心等による面倒さがない。
【0034】請求項2によれば、ガイドパイプを貫通し
て固着したので、アイボルトの締め過ぎによる翼形断面
の中空体の座屈変形を防止する。
【0035】そして、もともと通水抵抗の高いバ−スク
リ−ンにおいて、通水抵抗を減少させるので、すなわ
ち、発生させないので、不測の事態、例えば、所期の取
水量の不足を招いたり、バ−スクリ−ン前後の異常水位
差を発生させたりせず、除塵機用バ−スクリ−ンの信頼
性を更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の要部断面図である。
【図2】従来例である。
【図3】他の従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
1…中間受桁、2…スクリ−ンバ−、4…ガイドパイ
プ、6…ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 5/08 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除塵機用バ−スクリ−ンのスクリ−ンバ
    −の下流側に固着する中間受桁において、 該中間受桁を、鋼製円形パイプ体を若干偏平した大径部
    と小径部とからなる断面翼形の中空体とし、前記スクリ
    −ンバ−と中間受桁とを結合するため、該中空体におけ
    る、前記バ−スクリ−ンと略直交する方向の水平状中心
    部に、該スクリ−ンバ−間のデスタンスピ−スにその先
    端を溶着したアイボルトを、前記大径部を該スクリ−ン
    バ−に当接して挿通することにより、ブラケットをなく
    して、該バ−スクリ−ンと中間受桁とを結合する前記ア
    イボルトにも除去困難な塵埃を引掛けないようにしたこ
    とを特徴とする除塵機用バ−スクリ−ンの中間受桁取付
    装置。
  2. 【請求項2】 前記中空体の水平状中心部にガイドパイ
    プを貫通して固着し、該ガイドパイプに、前記スクリ−
    ンバ−と中間受桁とを結合するアイボルトを挿通して断
    面翼形の座屈変形を防止した請求項1に記載の除塵機用
    バ−スクリ−ンの中間受桁取付装置。
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