JP3238637U - 保護具 - Google Patents
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Abstract
Description
本考案は、保護具に関し、特に頭部に装着される保護具に関する。
一般的に、頭部に装着される保護具、例えば、ヘルメット、ゴーグル、シールド等は、前方部分が円弧状になっている。高速で移動する競技者用の保護具においても同様である。特許文献1に記載されているように、例えば、オートバイによるモータースポーツ用のヘルメットは、前方部分が円弧状である。
とりわけ、高速で移動しスピード等を競う競技では、空気中を移動する際に生じ得る抗力を低減することが好ましい。しかしながら、上記ヘルメット等の保護具は、前方部分が円弧状になっているため、空気が淀み、その分だけ抗力が大きくなる。
本考案は、上記課題の少なくとも一つを解決し、空気によって生じ得る抗力をより低減し得る保護具を提供することを目的とする。
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本考案の一態様に係る保護具は、頭部に装着される保護具であって、前方部分に、外方に突出する先端角部を有し、前記先端角部は、先端が、頭部を左右に分割する分割面上にある。
前記保護具は、ヘルメットであり、前記先端角部は、前記ヘルメットのシールド部に設けられているようにすることができる。
前記保護具は、ヘルメットであり、前記先端角部は、前記ヘルメットの帽部の前頭部及び顎部の少なくとも一方に設けられているようにすることができる。
前記保護具は、ゴーグルまたはシールドであり、前記先端角部は、前記ゴーグルまたは前記シールドの前方部分に設けられているようにすることができる。
前記分割面に直交する横断面における前記先端角部は、120°以下に形成されているようにすることができる。
前記分割面に直交する横断面における前記先端角部は、60°以上に形成されているようにすることができる。
前記分割面に直交する横断面における前記先端角部は、90°以上で120°以下に形成されているようにすることができる。
前記先端角部は、前記先端の内側の両目の間の位置に壁部を有するようにすることができる。
本考案によれば、空気による抗力をより低減し得る保護具を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本考案に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、一実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
図1は、本考案の一実施形態に係る保護具を説明するための斜視図で、前方左方で観察したものである。
本考案に係る保護具1は、頭部に装着される保護具であって、前方部分に、外方に突出する先端角部を有し、当該先端角部は、先端が、頭部を左右に分割する分割面上にある。
以下では、保護具1の一例としてヘルメットを図示して、具体的な構成について説明する。
保護具1は、一例として、帽部100と、帽部100の前方開口部分に設けられるシールド部200とを備える。図示の帽部100は、顎の前方に位置する顎部(チンガード)を有するタイプ(フルフェイス型等)であるが、顎部のないタイプ(オープンフェイス型等)であってもよい。顎部が可動になっていてもよい。帽部100の形状や材質は特に限定されず、公知技術が適宜用いられる。
シールド部200は、透光性を有する硬質の合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)等で形成される。図示のシールド部200は、帽部100の前方開口部分全体を表側で覆うものであるが、一部を覆うものでもよい。シールド部200は、前方開口部分を裏側で覆うものでもよい。シールド部200は、上記顎部のないタイプ等に用いられ、その前方開口部分を覆うものでもよい。一例として、シールド部200は、主として、眼部の前方を覆うように形成される。一例として、シールド部200は、主として、眼部以下の部分(眼部及びその下の部分)の前方を覆うように形成される。シールド部200は、眼部以外の部分のみを覆うように形成されてもよい。シールド部200は、可動に構成されてもよい。
保護具1は、図示のように、シールド部200に、外方に突出する先端角部210が設けられる。なお、本願では、外方は保護具1の頭部を収容する内部から外部に向かう方向を指し、内方はその反対方向を指す。
図6は、従来の保護具A1を説明するための斜視図で、前方左方で観察したものである。図示のように、従来の保護具A1(ヘルメット)は、前方部分が円弧状に形成され、帽部A100及びシールド部A200のいずれにおいても先端角部は設けられていない。本願保護具1は、従来の保護具A1が備えていない先端角部を有することで、空気の淀み点の発生を防ぐことができ、抗力を低減できる。
図2は、本考案の一実施形態に係る保護具の先端角部を説明するための模式図で、(a)全体図、(b)一部拡大図である。図示の破線部分Bは保護具1が装着される頭部を示し、一点鎖線Cは頭部を左右に分割する分割面を示す。一例として、分割面Cは頭部を左右に等分する矢状面であり、本図において、保護具1は、矢状面である分割面Cに直交する横断面で示されている。
先端角部210は、横断面において角状に前方に突出し、角を形成する左方の第1部211と右方の第2部212により所定の先端角度αをなしている。第1部211及び第2部212は、平面状に形成され、横断面において直線状になっている。シールド部200は、先端角部210以外の部分は好ましくは図示のように円弧状に形成されるが、他の形状であってもよい。
先端角部210は、第1部211と第2部212が交わる先端213が、分割面C上にある。先端角部210は、先端213が分割面Cにおいて上下連なり、全体的に観察すると、図1に図示のように稜線状になる。なお、図2に示す前後方向及び左右方向と直交する方向が上下方向である。
先端角部210は、分割面Cに直交する横断面において、先端角度αが例えば120°以下となるように形成される。先端角部210は、先端角度αが、好ましくは、横断面において60°以上となるように形成される。
図3は、保護具モデルの抗力の測定値を示す図である。
図3(a)では、保護具モデルを横断面で示している。モデルM1は、図6に図示のような従来のヘルメットを模したモデルで、横断面が略楕円形状である。モデルM2は、モデルM1に、先端角度αが120°の先端角部210を付け加えたような形状のモデルである。モデルM3は、モデルM1に、先端角度αが90°の先端角部210を付け加えたような形状のモデルである。
図3(b)では、上記モデルで測定された抗力[gf(グラム重)]を表で示している。
図3(c)では、上記抗力を棒グラフで示している。
図示の測定値によれば、モデルM1と比較した場合、先端角度αが120°のモデルM2は抗力を17.8%減少させることができ、先端角度αが90°のメデルM3は抗力を27.7%減少させることができる。
この結果により、先端角部210を設けて空気の淀み点の発生を防ぐことによって抗力を低減できることが分かる。
また、図示の測定値によれば、先端角度αが120°のモデルM2に対して、先端角度αが90°のメデルM3のほうが、さらに抗力を12%減少させることができる。この結果により、先端角部210は、先端角度αがより小さいほうがより抗力を低減できることが分かる。
このような抗力低減効果と頭部の形状など他の要素を総合的に考慮すると、先端角部210は、先端角度αが90°以上で120°以下に形成されることがより好ましい。
以上本考案の先端角部について説明したが、本考案は、空気中を高速移動するあらゆる物体の空気抵抗を軽減することに利用できる。上記した頭部に装着される保護具、より具体的にはヘルメットのシールド部は、好適な一例である。このようなヘルメットは、高速で移動する競技に用いることができ、例えば、リュージュ、ボブスレー、スキー、自転車、レースカー、ボート、オートバイ等の競技に用いることが考えられる。
本考案は、ヘルメットのシールド部だけでなく、帽部にも適用し得る。高速で移動する競技は、競技によって競技者の姿勢も異なる。競技者が顔を下向きにする場合も多く、保護具1が図1のような前傾姿勢となることも多い。そのため、ヘルメットの前頭部にも先端角部を設けることが好ましい。抗力をより低減するために、ヘルメットの前方部分全体に先端角部を設けることがより好ましい。
図4は、本考案の一実施形態に係る保護具を説明するための斜視図である。
図示の保護具1は、シールド部200に先端角部210が設けられるとともに、帽部100の前頭部に先端角部110が設けられ、帽部100の顎部に先端角部120が設けられている。先端角部110及び先端角部120は、上記の先端角部210と同様に構成され、同様な効果を奏する。先端角部110、先端角部210及び先端角部120は、稜線が分割面上にあり、図示のように、恰も稜線が連なっているように構成される。
先端角部110、先端角部210及び先端角部120は、先端が外側において曲率半径2.5mm以上の丸みが付けられてもよい。
先端角部は、帽部100の前頭部および顎部のうちの一方にのみ設けられてもよい。先端角部は、シールド部200には設けられておらず、帽部にのみ設けられてよい。
保護具1であるヘルメットがシールド部200を有しないタイプ(半帽ヘルメットやストリート系スモールジェット型等)である場合、先端角部は、帽部にのみ設けられる。
本考案が適用される保護具は、ゴーグルやシールドであってもよい。なお、本願では、シールドのうち、主として眼部を保護するものをゴーグルという。
ゴーグルやシールドに、上記シールド部200と同様に先端角部210を前方部分に設けることで、同様な抗力低減効果が得られる。このようなゴーグルやシールドは、単体で頭部に装着して使用されてもよいし、シールド部を備えていないヘルメットとともに装着して使用されてもよい。
なお、上記の頭部を左右に分割する分割面Cは、矢状面に限らない。競技に応じて、競技者の姿勢に応じて、分割面Cを適宜設定し得る。一例として、分割面Cは、左右の中心よりも左方に寄らせたものである。一例として、分割面Cは、左右の中心よりも右方に寄らせたものである。分割面Cは、水平面に対して所定の角度をなす傾斜面でもよい。言い換えれば、上記稜線は、所定の角度で斜めに形成されてもよい。
<変形例1>
図5は、本考案の一実施形態に係る保護具の先端角部を説明するための模式図である。一例として、図5(b)に示すように、先端角部210は、先端213の内側に壁部214を有する。
図5は、本考案の一実施形態に係る保護具の先端角部を説明するための模式図である。一例として、図5(b)に示すように、先端角部210は、先端213の内側に壁部214を有する。
図5(a)に示すように、先端角部210は、第1部211及び第2部212が平面状であるため、一方を介して内部に入射した外光が他方の裏面で反射され目に入射して、外の明るい景色が映り込んで視界を邪魔することがあり得る。
そこで、図5(b)に示すように、第1部211及び第2部212における一方から入射した外光の、他方による反射を遮断するための壁部214を、先端213の内側に設けることで、上記の映り込みを防止する。
壁部214は、上記の映り込みを防止できるものであればよく、材質や形状、大きさは特に限定されないが、目や顔面と干渉しない大きさや形状で、柔軟性のある材質が望ましい。壁部214は、例えば、図示のように、横断面において前後に延びる所定の奥行を有する板状である。壁部214の上下方向の長さは、目の位置ないし映り込みが生じ得る範囲に対応して設定される。一例として、壁部214にウレタンフォーム(スポンジ)が用いられ、両目の間の位置に対応して設けられる。
以上、本考案の実施形態の例を説明したが、本考案は、上記以外の用具や器具に適用されてもよい。本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
本考案は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は、本考案を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本考案が、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1・・・保護具、100・・・帽部、110・・・先端角部、120・・・先端角部、200・・・シールド部、210・・・先端角部、211・・・第1部、212・・・第2部、213・・・先端、214・・・壁部。
Claims (8)
- 頭部に装着される保護具であって、
前方部分に、外方に突出する先端角部を有し、
前記先端角部は、先端が、頭部を左右に分割する分割面上にある
ことを特徴とする保護具。 - 請求項1に記載の保護具であって、
前記保護具は、ヘルメットであり、
前記先端角部は、前記ヘルメットのシールド部に設けられている
ことを特徴とする保護具。 - 請求項1に記載の保護具であって、
前記保護具は、ヘルメットであり、
前記先端角部は、前記ヘルメットの帽部の前頭部及び顎部の少なくとも一方に設けられている
ことを特徴とする保護具。 - 請求項1に記載の保護具であって、
前記保護具は、ゴーグルまたはシールドであり、
前記先端角部は、前記ゴーグルまたは前記シールドの前方部分に設けられている
ことを特徴とする保護具。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の保護具であって、
前記分割面に直交する横断面における前記先端角部は、120°以下に形成されている
ことを特徴とする保護具。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の保護具であって、
前記分割面に直交する横断面における前記先端角部は、60°以上に形成されている
ことを特徴とする保護具。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の保護具であって、
前記分割面に直交する横断面における前記先端角部は、90°以上で120°以下に形成されている
ことを特徴とする保護具。 - 請求項2または4に記載の保護具であって、
前記先端角部は、前記先端の内側の両目の間の位置に壁部を有する
ことを特徴とする保護具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022001939U JP3238637U (ja) | 2022-06-10 | 2022-06-10 | 保護具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022001939U JP3238637U (ja) | 2022-06-10 | 2022-06-10 | 保護具 |
Publications (1)
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JP3238637U true JP3238637U (ja) | 2022-08-05 |
Family
ID=82655481
Family Applications (1)
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JP2022001939U Active JP3238637U (ja) | 2022-06-10 | 2022-06-10 | 保護具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3238637U (ja) |
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2022
- 2022-06-10 JP JP2022001939U patent/JP3238637U/ja active Active
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