JP3237860B2 - 溶液から所望の分子を分離および濃縮する方法 - Google Patents
溶液から所望の分子を分離および濃縮する方法Info
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Description
ガス、アミノ酸、陰イオンその他をこれらの分子がこれ
らよりずっと高い濃度で溶液中に存在している他の分子
と混合された溶液から分離および濃縮する方法に関す
る。詳しくは本発明は前述の溶液を陽イオン−配位子−
マトリックスを詰めた充てんカラムを流過させることに
より、無機マトリックスに共有結合した配位子分子と錯
体を形成した陽イオンと所望のイオンまたは分子を生成
させた後、カラムにこの溶液の体積よりも遥かに少ない
体積の受容液を通すことによって前記分子が結合した陽
イオンまたは陽イオン結合配位子錯体を分解させて受容
液中に溶解している前記所望のイオン又は分子を分離お
よび濃縮させることによって溶液中の他のイオンとの混
合物から前記の分子を分離する方法に関する。このよう
にして分離された濃縮イオンまたは分子は公知の方法に
よって分析および/または回収される。便宜上、「所望
の分子」という用語は明細書全体を通じて、分子と陰イ
オンの両方を包含するように使用される。
の分子を供給水、有機溶媒、廃溶液および工業的な溶液
や流れから回収および/または分離する有効な方法は現
代技術において切実に要求されている。これらの分子は
大抵は遥かに高い濃度で他の分子を含有している溶液中
に低い濃度で存在している。同様に、公知の方法を利用
して効果的な分析を行うことができるように、これらの
分子を濃縮することが必要である。したがって、このよ
うな分子を選択的に回収および濃縮するための方法に対
する切実な要求がある。水などの溶媒中に溶質として存
在する多くの陽イオンは遊離の陽イオンとしてか、ある
いは溶質としての配位子によって錯体化されているが、
H2 Oまたは他の弱く配位した配位子によって、あるい
はイオン対によって当初保持されている結合部位におい
てさらに錯体化する能力を有することは知られている。
これらの陽イオンまたは陽イオン−配位子錯体は、H2
Oまたは弱く配位した配位子が外れるときに他の強く結
合する配位子溶質と選択的に強い結合を形成する能力を
有するという特徴がある。例えば、1975年、198
2年、1989年のニューヨークのプレナムプレス発行
のスミス等による「臨界安定度定数」第6巻と、198
5年ニューヨークのマーセルデッカー発行のバード等に
よる「水溶液における標準電位」を参照して頂きたい。
しかしながら、研究者達はさらに選択的に錯体を形成す
る能力を有するこれらの陽イオン−配位子錯体を、分離
システム中での陽イオン−配位子錯体の挙動が溶質とし
ての陽イオン−配位子錯体の挙動と比較して変化しない
ような分離システムに効果的に取入れることは現在まで
出来なかった。また、研究者達は陽イオン−配位子錯体
が繰返し分離に利用するための分離システム中に残留す
るようなシステムも開発してはいない。
合体保持体(supports)に結合してきたが、保持体に結合
した配位子は水性溶質としての類似の未結合の配位子と
比較して保持体に結合した配位子の特性は実質的に異っ
ている。この主題に関する概説的な論文は“応用化学に
関する重要な報告”シリーズの第19巻の第4章(16
7〜223頁)に見出され、A.ワルシャウスキーによ
る「キレートイオン交換体」と題するものである。スト
リート等による編集、ジョン・ワイリー&サンズ、11
987。これらの有機配位子は疎水性保持体に結合する
と、配位子分子の特性を実質的に変化させる。ゴードン
&ブリーチが1986年に出版したD.E.レイデンの
編集による“シラン、表面及び界面シンポジウム、スノ
ーマス、1985”の1〜25頁におけるE.P.プル
ーデマンによる「シリル化表面のためのシラン化合物」
と、1982年プレナムプレス出版のE.P.プルーデ
マンによる「シランカップリング剤」(1〜235頁)
にはシラン化合物と結合した多くの異なる種類の有機物
質が列記されており、それらの物質の特性の一部につい
て論じられている。1985年12月12日付発行のカ
ナダ特許第1,196,618号「溶液からの金属抽出
およびこのプロセスのために使用される不動態化キレー
ト剤」におけるE.P.プルーデマンその他は、特許文
献においてシリカゲル上に不動態化されて水溶液から金
属陽イオンを錯体化するのに利用できる他の配位子を報
告してきた。しかしながら、固体の保持体に金属陽イオ
ンを錯体化させるために固体材料に共有結合した配位分
子を利用し、引続いてガス、アミノ酸、陰イオンその他
の分子に関して特定の分離を行うために金属陽イオンの
追加的配位部位を利用することは現在まで報告されなか
った。
通のイオン交換床を利用した後、結合した陽イオンを効
果的な分離に利用することにおいてはある程度の成功を
収めた。Analytica Chimica Actaの1985年170巻
の311〜317頁のグヨン等による「液体クロマトグ
ラフィーに利用される銅(CuII)変性シリカゲルの二
相平衡定数の測定」などの論文にはシリカゲルなどの親
水性保持体を使用したこのような努力が記載されてい
る。1985年1月21日に公開された日本特許公開7
5 05,302(Cl.16AO)「オレフィン系化
合物の分離」においてスズキ等は分離を行うためにポリ
スチレンなどの疎水性保持体よりなるイオン交換樹脂に
結合した金属を使用する実例を報告している。しかしな
がら、シリカゲルなどの固体保持体に共有結合した結合
配位子を利用すること、および分離を行うために錯体化
した陽イオンを含むことは現在のところ報告されていな
い。イオン交換床よりは結合配位子を使用することによ
って陽イオンを樹脂に保持するときの安定性および選択
性が向上するとともに遥かに多様な分離を行うことがで
きる。
(1)百万分率(ppm)から10億分率(ppb)の
極めて低い濃度で分子濃度を測定するために、(2)飲
料水および塩水などの溶液から低水準の有毒分子を分離
するために、そして(3)低濃度で溶液中に存在する有
用な分子を回収するために特別の要求が存在している。
例えば、魚が生存するための塩水中のアンモニアの許容
量は約1〜2ppmである。このような水準のこれらの
分子を分析するための現在の方法は不正確および/また
は非常に時間がかかるものである。その上、現在の方法
を利用するときには分子の分離は選択的でなくてコスト
が高く装置集約的である。工業において固体に保持され
た配位子に結合した陽イオンの利用が役に立つ機会を提
供する現在の要求(ニーズ)には、CrO4 2-(クロム
酸イオン)などの有毒陰イオンの分離、超高純度塩の調
製(ハロゲン化物の分離)、超高純度ガスの調製(O2
その他の分離)、アミノ酸およびアミンその他の分離な
どが包含される。したがって、シリカゲルやチタンを結
合させたシリカゲルなどの無機保持体に結合した配位子
と陽イオンの錯体を形成させる分子錯体化特性を利用す
るための手段の開発は、分析および/または回収の目的
のために特定の分子を繰返し分離および濃縮することに
とって最も重要なことになる。本発明の方法はこの技術
を完成させたものである。
砂、シリカゲル、ガラス、ガラス繊維、アルミナ、酸化
ニッケル、ジルコニアまたはチタニアなどの無機保持体
にスペーサー基およびケイ素原子を介して共有結合して
いる配位子(ligand)と錯体を形成した適当な陽
イオンよりなる陽イオン−配位子−マトリックスを利用
するものである。この陽イオン−配位子−マトリックス
は下記の式1で示される。
と反応してキレートを形成することが知られている有機
分子よりなる配位子であり、マトリックスは下記の式を
有する一員である。
を有するスペーサー基であって水性の環境において機能
するのに十分な親水性であるという官能性を有し、固体
の保持体表面から配位子−陽イオン(−L−M)を分離
してL−Mと分離される所望の分子との間の相互作用を
できるだけ大きくする。Siはケイ素であり、X,Yお
よびZはそれぞれCl,Br,I、O−アルキル基、ア
ルキル基、またはO−親水性無機固体保持体よりなる群
から選ばれた一員であり、親水性無機固体保持体はシリ
カ、ジルコニア、チタニア、アルミナ、酸化ニッケルま
たは任意の他の類似の親水性無機保持体材料よりなる群
から選ばれた一員であって、X,YおよびZのうちの少
なくとも一つはO−親水性無機固体保持体でなければな
らない。ここで「O−」は酸素を示す。アルキル基また
はO−アルキル基は、置換または未置換、直鎖または有
岐鎖の1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはア
ルコキシ基を意味する。置換とはCl,Br,I,NO
2などの基による置換を意味する。X,YおよびZがO
−親水性無機固体保持体以外のものであるとき、それら
は機能的に脱離基、すなわちケイ素原子に結合した基で
あってO−親水性固体保持体材料と反応するときに脱離
するか、O−固体保持体によって置換される基として分
類される。だから、これらの基はケイ素を含むスペーサ
ー基を親水性固体保持体と反応させた後に残された官能
基であり、陽イオン−配位子−マトリックスと所望の分
子との間の相互作用には直接的な機能を有しない。固体
保持体材料と反応して下記の式を有するマトリックスを
形成するケイ素を含むスペーサー基として代表的なもの
は、ジエチル(トリエトキシシリルプロピル)マロネー
ト、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−〔(3−トリ
メトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン三酢酸、
P−(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランなどである。
から分離したくない分子と所望の分子との混合物を含有
する原溶液からの低濃度で存在するガス、陰イオン、ア
ミノ酸その他の所望の分子あるいは所望の分子の基に対
する高度の選択性とその分離によって特徴づけられる。
いわゆる所望しない分子は分離すべき所望の分子よりも
遥かに高い濃度で存在する可能性がある。分離は原溶液
が流されるカラムなどの分離装置中で行われる。所望の
分子を選択的に分離および濃縮する方法は、所望の分子
が低濃度で存在する場合でも大きな体積の溶液から選択
的に、しかも定量的に所望の分子を陽イオン−配位子−
マトリックス系の陽イオン部分と錯体化させる能力を特
徴とする。それから所望の分子は、選択的である必要は
ないが陽イオン−配位子−マトリックスから分子を定量
的に分離するような可溶化剤を含む少ない体積の受容相
を流すことによって、分離カラムから所望の分子が回収
される。濃縮された溶液中の所望の金属イオンの分析は
原子吸光分析法などの公知の方法によって行われる。受
容相からの所望の金属イオンの回収は公知の技法によっ
て容易に行われる。本発明はまた、陽イオンおよび任意
の他の必要な試薬を含む溶液を結合配位子マトリックス
を含有するカラムに流すか、または混合容器中で陽イオ
ンを含む溶液と結合配位子−マトリックス材料を混合す
ることによって、陽イオンを結合配位子−マトリックス
に錯体化させる方法を包含している。結合配位子−マト
リックスを製造するための方法は、ブラッドシヤウ等に
よって1988年7月13日に出願された同時係属出願
07/218,156号に開示および請求されて以来、
記述されているが、本発明の一部ではない。前記の出願
は、“トリアルコキシシランに共有結合した中間体とし
ての硫黄を含む炭化水素Aと、この中間体がさらにシリ
カに共有結合したものB、所望のイオンと化合物Bとの
錯体を形成させることによって他のイオンと共存する所
望のイオンの溶液から所望のイオンを分離および濃縮す
る方法、受容液との錯体を分解させることおよびこの錯
体からイオンを回収すること”と題するものであり、参
考のために本明細書に取入れられている。
がそれより遥かに高い濃度で存在している他の分子と混
合されている原溶液から所望の分子、たとえばガス、ア
ミノ酸、陰イオンその他を分離および濃縮することに関
するものである。このことはこのような原溶液を陽イオ
ン−配位子−マトリックスを詰めた充てんカラムを流過
させて所望の分子をこのマトリックスの陽イオン部分に
吸引および結合させることによって所望の分子と式1に
示される陽イオン−配位子−マトリックスとの錯体を形
成させ、次に原溶液の体積よりも遥かに少ない体積の受
容液をカラムを通過させて分子結合陽イオンあるいは陽
イオン結合配位子錯体を分解させて受容液中で所望のイ
オンを分離および濃縮することによって行われる。この
ようにして受容液中で濃縮された状態で陽イオン−配位
子−マトリックスから定量的に分離された所望の分子
は、次に分析されおよび/または濃縮された所望の分子
が回収される。分析および受容液からの回収は公知の方
法によって行われる。陽イオン−配位子−マトリックス
の調製は陽イオンおよび任意の他の必要な試薬を含む溶
液をマトリックスに結合した配位子を詰めたカラムを通
過させるか、あるいは混合容器中で陽イオンを含む溶液
とマトリックスに結合した配位子物質を混合するととに
よって行われる
る陽イオンに対して有効な配位部位をすべて利用するこ
となしに使用される陽イオンと錯体を形成することが分
っている配位子か、陽イオンのイオン対相互作用が維持
される任意の配位子であればよい。陽イオン分子と、他
の配位子によって錯体化されていない陽イオンか、ある
いは固体保持体に結合されていない配位子によって錯体
化された陽イオンとのこのような錯体形成に関する出版
物としては、ニューヨークのプレナムプレスの1975
年、1982年および1989年のスミス等による「臨
界安定性定数」第6巻、およびニューヨーク、1985
年のバード等による「水溶液における標準電位」があ
る。代表的な配位子−陽イオンの組合せの実例は以下に
述べる実施例中に示されている。
は一般に、アミノ酸、アミン、ピリジン、チオール、フ
ェナントロリン、ヒドロオキサミド酸、オキシム、アミ
ド、チオエーテルおよびこれらの組合せよりなる群から
選ばれたものである。
3+,Cr3+,Hg2+,Pd2+,Pt2+,Pd4+,P
t4+,Rn3+,Ir3+,Ru3+,Co2+,Ni2+,Cu
2+,Zn2+,Cd2+,Pb2+,Mn2+,Fe3+,F
e2+,Au3+,Au+,Ag+,Cu+,MoO2 2+,Tl
3+,Tl+,Bi3+,CH3Hg+,Al3+,Ga3+,C
e3+,UO 2 2+,またはLa3+およびこれらの組合せよ
りなる群から選ばれたものである。
は実例として示したものに過ぎず、マトリックスに結合
し、所望の分子に結合する機能を有する任意の他の配位
子および陽イオンは本発明の範囲内のものと考えられ
る。
ている多成分分子原溶液の複数の他の所望しない分子か
ら低濃度で存在する所望の分子または所望の分子又は基
を選択的に、しかも定量的に分離および濃縮する方法
は、多成分分子原溶液を所望の分子を陽イオン−配位子
−マトリックスと錯体化させる式1で示される陽イオン
−配位子−マトリックスと接触させること、それから濃
縮された状態で所望の分子を溶解させる受容液を使用し
て陽イオン−分子あるいは陽イオンが結合した錯体を分
解させて、前記の受容液から所望の分子を公知の手段に
よって分析および/または回収することができる。
化剤や還元剤および/または、金属の溶解のために必要
な錯体化剤を含む溶液をマトリックスに結合した配位子
分子を含むカラムを流過させるか、あるいは混合容器中
で陽イオンを含む溶液と配位子−マトリックスを混合す
ることによって、陽イオンは配位子−マトリックスに結
合される。
従って所望の分子を吸引するように機能する。
子および陽イオンを表わし、DMは分離される所望の分
子を表わす。
と、これらの分子は次には式3または式4のいずれかに
従って比較的少ない体積の受容液を使用することによっ
て分離される。
は、大きな体積の多成分分子原溶液を分離カラム中の式
1の陽イオン−配位子−マトリックスと接触させ、この
カラムにまず混合物を流して少なくとも一つの所望の分
子と前記の式2によって示されるような陽イオン−配位
子−マトリックスと錯体化させ、次にカラムに比較的少
ない体積の受容液、例えば塩酸または硝酸の希釈水溶液
を流して、化学的または熱的手段によって錯体を分解さ
せ、所望の分子を溶解して濃縮した状態でカラムから取
出すことによってこの方法を実施することを含んでい
る。濃縮の程度または量は原溶液中の所望の分子の濃度
と処理すべき原溶液の体積によって左右されることは明
らかである。利用される特定の受容液も一つの要因であ
る。一般に、受容液中の所望の分子の濃度は原溶液中の
濃度よりも50〜1,000,000倍高い。カラムの
代りに他の同等の装置を使用することができ、例えばス
ラリーがろ過され、受容液で洗浄されて錯体が分解され
所望の分子が回収される。それから所望の分子は公知の
方法によって分析され、および/または公知の技法によ
って受容相から回収される。
ラムなどの接触装置中に式1の陽イオン−配位子−マト
リックスを置くことを含んでいる。所望の分子と所望し
ない分子との混合物を含む比較的大きい体積の原溶液が
陽イオン−配位子−マトリックスに接触するようにカラ
ムを通過させられる。所望の分子は、陽イオンに関連す
る効果的な配位部位をまだ有している陽イオン−配位子
−マトリックスと錯体化する。所望の分子と固体の陽イ
オン−配位子−マトリックスとの錯体形成によって、所
望の分子が原溶液混合物の残余の部分から分離され、原
溶液混合物の残余の部分はカラムから流出される。それ
から少ない体積の受容液がカラムを通過させられる。受
容液は錯体を分解させて固体の配位子−マトリックスか
ら分離した所望の分子を溶解させることによって錯体か
ら所望の分子を分離させる能力を有する。溶解した所望
の分子は受容液中で濃縮された状態でカラムから取出さ
れる。それから所望の分子は原子吸光分析法などの公知
の方法によって分析されおよび/または公知の技法によ
って受容液から回収される。このように、所望の分子を
含む原溶液を陽イオン−配位子−マトリックスと接触さ
せ錯体を形成させた後、原溶液を陽イオン−配位子−マ
トリックスとの接触から分離させてから(即ち原溶液を
カラムから流出させてから)、陽イオン−配位子−マト
リックスを受容液に接触させ所望の分子を受容液中に回
収するような分離方法を本明細書中では「非クロマトグ
ラフィー分離(non−chromatographi
c separation)」と呼ぶ。
(additional coordination sites)を有し配位子に結
合した陽イオンに対して強い親和性を有する所望の分子
としては、溶媒和されたガス、アミノ酸、陰イオン、ア
ミンおよび中性液体およびガス以外の溶質がある。以下
に、これらの分類のそれぞれについて、特定の所望の分
子(または陰イオン)と、これら所望の分子が強い親和
性を有する、配位子に結合可能な陽イオンとを列挙す
る。
以上の列記は、包括的なものではなく、(1)陽イオン
に結合した配位子に結合される好ましい分子の種類を示
すこと、および(2)配位子に結合することができ、し
かも前述のようにして所望の分子をまだ吸引および結合
することができる代表的な陽イオンを詳細に例示するた
めのものに過ぎない。
なしに陽イオンを錯体化させる機能を有する配位子は無
機保持体マトリックスに共有結合していなければならな
い。配位子−マトリックスの組合せを形成することがこ
の技術で開示されているが、本発明の完全な実施態様を
説明するために、配位子−マトリックス化合物の調製を
説明する方法が含まれている。
ン中に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(236g,1モル)が60g(1モル)の配位子エチ
レンジアミンに添加された。この混合物が室温において
24時間かくはんされた後、固体保持体材料として2.
5kgの60〜200メッシュのシリカゲルが、かくは
んされた溶液に添加された。それから温度は55〜88
℃まで上昇されて、さらに24時間加熱された。最終生
成物はろ過によって収集され乾燥されてマトリックス−
配位子錯体が得られた。マトリックスは3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン・スペーサー基のトリメ
トキシシラン末端とシリカゲル保持体との反応によって
生成し、スペーサー基の3−グリシドキシプロピル末端
にエチレンジアミン配位子が共有結合される。
の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを47
2g(2モル)含有する7リットルのトルエンに94g
(1モル)の配位子エチレンジチオール(ethanedithio
l) とナトリウムメトキシド(sodium methoxide)(触媒
量)が添加された。混合物は50〜70℃まで24時間
で加熱され、2.5kgの60〜200メッシュのシリ
カゲルが添加されて溶液はさらに24時間かくはんされ
た。生成物はろ過によって収集され、使用前に乾燥され
た。マトリックスはスペーサー基の2−グリシドキシプ
ロピル末端に配位子としてエチレンジチオエーテル、エ
タンジチオールが結合した実質的に実施例1で生成した
ものと同じものである。
ラアミンが配位子としてエチレンジアミンの代りに使用
された以外は実施例1と同じである。
酸であるL−チロシンが使用され、以下の操作によって
スペーサー基を介してシリカゲルに結合された。機械式
かくはん機を備えた三つ口の500ml丸底フラスコ中
で2.5g(13.8ミリモル)のL−チロシンがメタ
ノール中のナトリウムメトキシド27.6ミリモルと反
応させられた。チロシンが溶解した後、3.42g(1
3.8ミリモル)の3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランがスペーサーとして添加され、混合物は一晩
中反応させられた。一晩中かくはんした後、34.5g
の60〜200メッシュのシリカゲルが250mlのト
ルエンとともに添加され、混合物は再び還流近くまで1
晩加熱された。生成物はろ過によって収集され、次に洗
浄および風乾された。
調製
に対する好ましい親和性を有する陽イオンと錯体を形成
させなければならない。
いる。ある場合には、前記のことは結合した配位子−マ
トリックス物質に適切な陽イオンの溶液を混合するか、
または結合した配位子−マトリックス物質を収容したカ
ラムに陽イオンの溶液を通過させることによって容易に
行うことができる。しかしながら、ある場合には陽イオ
ンの溶解性を維持するために他の反応剤、例えば酸化・
還元剤および/または錯体化剤を陽イオンを含む溶液に
添加しなければならない。結合した配位子との錯体が生
成するまで陽イオンの特定の酸化状態が不安定なときに
は、酸化・還元剤が必要である。ガス状の酸素および過
酸化水素は使用される代表的な反応剤である。ある場合
には陽イオンを可溶化するために可溶化錯体化剤を使用
しなければならない。これらの錯体化剤は可溶化が起る
ために陽イオンと十分に強い錯体を形成しなければなら
ないが、結合した配位子−陽イオンの錯体形成が妨げら
れるような強い錯体を形成してはいけない。錯体化剤と
して使用される通常の反応剤の代表的なものはエチレン
ジアミン四酢酸(EDTA)、アンモニア、過剰の塩化
物イオン(Cl- )などである。
調製は以下の実施例において例示される。
の配位子−マトリックスと反応する錯体形成陽イオンで
ある。実施例2に記載されたスペーサーを介してシリカ
ゲルに結合した固体の配位子−マトリックス材料エタン
ジチア(チオエーテル)〔ethanedithia(thioether) 〕
を入れたカラムに1モルの硝酸中に0.001モルのP
d(NO3 )2 を溶解した溶液を通過させる。固体材料
は白色から淡いオレンジ色に変り、固体から分離した後
のPdを含む溶液の分析(原子吸光分析)の結果は固体
材料1g当り0.34ミリモルのPdを含むものに相当
するのに十分なPdが分離されていた。このことは分析
誤差の範囲内でシリカゲルに結合しているエタンジチア
(ethanedithia)の量と同等であった。そうでなければ、
カラムを使用する代りに溶液および固体配位子−マトリ
ックス材料がビーカー中で混合させることもできる。
の配位子−マトリックスと反応する錯体形成陽イオンで
ある。1〜2%のH2 O2 (過酸化水素)を含む0.0
1モルのCoCl2 水溶液が実施例3に記載されたスペ
ーサーを介してシリカゲルに結合したテトラアミンより
なる固体の配位子−マトリックス材料を入れた(あるい
はビーカー中で混合された)カラムを通過させられる。
固体材料は当初の白色から褐色に変り、さらに紫色に変
る。これらの色は結合したアミンを含む配位子に最初に
Co2+が結合し次にCo2+の酸化が起ってCo3+に変化
することを示している。固体から分離された後の溶液を
原子吸光分析法により分析した結果、溶液から分離され
たCoの量は固体材料1g当り0.40ミリモルのCo
と同等であった。この結果は分析誤差の範囲内で固体材
料に結合した配位子の量と同等であった。
テトラアミンではなくて実施例1のエチレンジアミン配
位子を使用して実施例6の操作が繰返された。材料の最
終の色が赤褐色であり配位子およびコバルトの結合能力
は0.33ミリモル/gであった以外は同様の結果が得
られた。
の配位子−マトリックスと反応する錯体形成陽イオンで
ある。実施例4に示されたシリカゲルにスペーサーを介
して共有結合したL−チロシン配位子を含む固体材料が
カラムに入れられ、0.1モルのMgCl2 中に0.0
01モルのCuCl2 を入れた溶液がカラムを通過させ
られた。固体材料は白色から暗青色に変り、固体から分
離した後のCuを含む溶液の分析(原子吸光分析)結果
は固体材料1g当り0.18ミリモルのCuを含むもの
に相当するのに十分なCuが分離されていた。この結果
は分析誤差の範囲内でスペーサー・シリカゲルマトリッ
クスに結合したチロシン配位子の量と同等であった。
の配位子−マトリックスと反応する錯体形成陽イオンで
ある。実施例4に示されたシリカゲルにスペーサーを介
して共有結合したL−チロシンを含む固体材料がカラム
の中に入れられて、0.1モルのMg(NO3 )2 中に
0.001モルのHg(NO3 )2 を含む溶液がカラム
を通過させられた。固体から分離された後のHgを含む
溶液を分析(原子吸光分析)した結果、固体材料1g当
り0.18ミリモルのHgを含むものと同等の十分なH
gが分離されていた。この結果は分析誤差の範囲内でシ
リカゲルに結合したチロシン配位子の量と同等であっ
た。
よる所望の分子の分離
/または分離するために陽イオン−配位子−マトリック
ス化合物がどのようにして利用されるかを説明してい
る。式1の無機のマトリックス材料を含む陽イオン錯体
形成結合配位子がカラムの中に入れられる。遥かに高い
濃度で存在する他の分子の混合物中に少なくとも一つの
所望の分子を含む水溶液がカラムを通過させられる。溶
液の流量はカラムの頂部のポンプによって圧力を加える
こと、または受け容器に真空を作用させることによって
増加される。溶液がカラムを通過した後、これよりずっ
と少ない体積の回収溶液、すなわちアンモニアのような
ある錯体形成分子をプロトン化して、金属と錯体化され
た状態からアンモニアを遊離させる酸の水溶液がカラム
を通過させられる。この受容液は濃縮された形で引続い
て分析および/または回収するための所望の分子だけを
含んでいる。適当な受容液はpH調節剤、すなわち酸ま
たは塩基、あるいは式3に示される結合陽イオン−配位
子−マトリックス材料から所望の分子を分離して錯体化
するか、金属陽イオンと式4に示される固体に保持され
た配位子から分離された所望の分子を錯体化するよう
な、錯体化剤であればよい。適当な受容液の代表的な実
例は塩酸、硝酸、硫酸、リン酸および酢酸などの酸、水
酸化アンモニウム、水酸化ナトリウムなどのpH11以
下に維持された塩基、EDTA(エチレンジアミン四酢
酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、チオ尿素、ある種の
アミノ酸、例えばグリシン、その他の錯体化剤、例えば
ピリジンなどである。
得られた錯体化された金属を含む無機保持体結合配位子
による分子の分離および回収についての以下の実施例は
説明として示されるものである。これらの実施例は例示
のためだけのものであり、式1の材料を使用して可能な
分子の多くの分離についての包括的なものではない。
るスペーサー・シリカゲルマトリックスに結合したテト
ラアミン配位子と錯体を形成したCo3+陽イオン2gが
直径1.9cm、長さ2.3cmのカラム中に入れられ
た。0.1モルのMgCl2 に約10ppmのNH3 を
含む溶液500mlが流量を増加させるために真空ポン
プを使用して100トールにおいてカラムを通過させら
れた。1モルの塩酸の水溶液10mlが受容液としてカ
ラムを通過させられた。比色法により回収溶液を分析し
たところ500mlの溶液中に当初存在していたNH3
分子の99%以上がNH4 + イオンとして回収溶液10
ml中に存在していた。
ルマトリックスに結合したエチレンジアミン配位子含有
物と錯体を形成したCo3+陽イオン2gが使用された以
外は実施例10の操作が繰返された。やはり回収溶液中
には原溶液中のNH3 の99%以上が含まれていた。
たスペーサー・シリカゲルマトリックスに結合したエチ
レンジチア配位子と錯体を形成したPd2+陽イオン2g
が実施例10に記載されているようにカラム中に入れら
れた。約0.001モルのI- と0.001モルのCl
- を含む溶液500mlが流量を増加させるために真空
ポンプを使用して100トールにおいてカラムを通過さ
せられた。カラムを50mlのH2 Oで洗浄した後、2
モルのNH4 OHまたは1モルのHNO3 よりなる水性
受容液10mlがカラムを通過させられてPd2+とI-
の両方が分離された。比色分析法による回収溶液の分析
結果は500mlの溶液中に最初に存在したI- 分子の
97%以上とカラムに結合したPd2+の同様の%が10
mlの回収溶液中に回収されたことを示した。残留した
Pd2+およびI- は10mlの1モルNaCNをカラム
に流すことによって標準的な分析誤差の範囲内で回収さ
れた。これらの二つの回収溶液のどちらからもCl- は
検出されなかった。Pd2+は原子吸光分析法を利用して
分析された。
の操作が繰返された。やはり実験誤差の範囲内でCl-
およびBr- の定量的な分離が実現された。
たスペーサー・シリカゲルマトリックスに結合されたL
−チロシン配位子と錯体を形成したHg2+陽イオン2g
が実施例10に記載されたカラムに入れられた。0.0
01モルのラセミ・メチオニンと0.001モルのラセ
ミ・グリシンよりなる500mlの溶液が流量を増加さ
せるために真空ポンプを使用して100トールにおいて
カラムを通過させられた。50mlのH2 Oでカラムを
洗浄した後、3モルのHClよりなる水性受容液10m
lがカラムを通過させられてHg2+とアミノ酸の両方が
分離された。充てん溶液と回収溶液の両方のクロマトグ
ラフ分析の結果は回収溶液中のグリシンのアミノ酸純度
は検出範囲内で99%以上であり、また結合グリシンは
全部が回収されたがメチオニンは全部が結合しないで充
てん段階中にカラムを通過した。
明のマトリックス−L−M、すなわち無機マトリックス
に結合した配位子を含む炭化水素の金属陽イオンとの錯
体であって、追加的配位部位あるいはイオン対能力を有
するものがガス、陰イオン、アミノ酸などの分子をこれ
らの分子とその他の分子との混合物から分離および濃縮
するために有用な材料を提供することが理解されるであ
ろう。そして所望の分子はこれらの材料の科学において
公知の標準的な技術によって濃縮された回収溶液から分
析および/または回収することができる。
縮する方法は式1に示すような特定のシリカゲル結合配
位子を含む錯体化陽イオンを参考にして記述され説明さ
れてきたが、追加的配位部位を有するこのような結合配
位子を含む錯体化陽イオンの類似のものはすべて特許請
求の範囲に規定された本発明の方法の範囲内に入るもの
である。
Claims (12)
- 【請求項1】 原溶液から所望の分子を分離および濃
縮する方法であって、 ケイ素原子を介して無機固体保持体に結合した有機スペ
ーサーよりなるマトリックスに共有結合した配位子分子
と錯体を形成した陽イオンよりなる固体陽イオン−配位
子−マトリックスであって、前記陽イオンは前記所望の
分子と前記固体陽イオン−配位子−マトリックスの陽イ
オン部分との間に錯体を形成するように前記所望の分子
に対する親和性を有する該固体陽イオン−配位子−マト
リックスに、第1の体積を有する前記原溶液を接触させ
る過程と、 所望の分子と錯体を形成した前記陽イオン−配位子−マ
トリックスとの接触から前記原溶液を分離させる過程
と、 前記所望の分子と錯体を形成した前記固体陽イオン−配
位子−マトリックスに前記所望の分子を溶解可能な比較
的少ない体積の受容液を接触させて、前記錯体を分解さ
せ前記の比較的少ない体積の受容液中で濃縮された状態
で所望の分子を回収する過程とを含み、 前記固体陽イオン−配位子−マトリックスは、マトリッ
クス−L−Mなる式を有し、この式においてMは金属陽
イオン、Lは金属陽イオンと反応してキレートを形成す
ることが知られている有機分子よりなる配位子であり、
マトリックスは下記の式を有する一員であって、 【化1】 この式においてBは1〜10個の炭素原子を有する親水
性スペーサー基、Siはケイ素原子であり、X,Yおよ
びZはそれぞれCl,Br,I、1〜6個の炭素原子を
有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有する置換
アルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基、1〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基および
O−親水性無機固体保持体よりなる群から選ばれた一員
であり、X,YおよびZのうちの少なくとも一つはO−
親水性無機固体保持体であり、 前記O−親水性無機固体保持体はシリカ、ジルコニア、
チタニア、アルミナ、酸化ニッケルまたは任意の他の類
似の親水性無機保持体材料よりなる群から選ばれた一員
であり、 前記所望の分子は酸素、アンモニア、二酸化硫黄、三酸
化硫黄、亜酸化窒素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、
エテンおよびプロペンよりなる群から選ばれた溶媒和ガ
スであり、前記式におけるMはFe2+,Co2+,C
u2+,Ni2+,Pd2+,Hg2+,Co3+,A
g+,Cu+,Cd2+,Fe3+,Pb2+,Fe
2+,Pt2+,Pt4+,MoO2 2+またはZn
2+およびこれらの混合物よりなる群から選ばれた陽イ
オンであることを特徴とする方法。 - 【請求項2】 溶媒和ガスがアンモニアであり前記式
におけるMがCu2+,Ni2+,Pd2+,H
g2+,またはCo3+およびこれらの混合物よりなる
群から選ばれた陽イオンであることを特徴とする請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 Lがトリエチレンテトラアミンまたは
エチレンジアミンであり、MがCo3+であることを特
徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 原溶液から所望の分子を分離および濃
縮する方法であって、 ケイ素原子を介して無機固体保持体に結合した有機スペ
ーサーよりなるマトリックスに共有結合した配位子分子
と錯体を形成した陽イオンよりなる固体陽イオン−配位
子−マトリックスであって、前記陽イオンは前記所望の
分子と前記固体陽イオン−配位子−マトリックスの陽イ
オン部分との間に錯体を形成するように前記所望の分子
に対する親和性を有する該固体陽イオン−配位子−マト
リックスに、第1の体積を有する前記原溶液を接触させ
る過程と、 所望の分子と錯体を形成した前記陽イオン−配位子−マ
トリックスとの接触から前記原溶液を分離させる過程
と、 前記所望の分子と錯体を形成した前記固体陽イオン−配
位子−マトリックスに前記所望の分子を溶解可能な比較
的少ない体積の受容液を接触させて、前記錯体を分解さ
せ前記の比較的少ない体積の受容液中で濃縮された状態
で所望の分子を回収する過程とを含み、 前記固体陽イオン−配位子−マトリックスは、マトリッ
クス−L−Mなる式を有し、この式においてMは金属陽
イオン、Lは金属陽イオンと反応してキレートを形成す
ることが知られている有機分子よりなる配位子であり、
マトリックスは下記の式を有する一員であって、 【化2】 この式においてBは1〜10個の炭素原子を有する親水
性スペーサー基、Siはケイ素原子であり、X,Yおよ
びZはそれぞれCl,Br,I、1〜6個の炭素原子を
有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有する置換
アルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基、1〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基および
O−親水性無機固体保持体よりなる群から選ばれた一員
であり、X,YおよびZのうちの少なくとも一つはO−
親水性無機固体保持体であり、 前記O−親水性無機固体保持体はシリカ、ジルコニア、
チタニア、アルミナ、酸化ニッケルまたは任意の他の類
似の親水性無機保持体材料よりなる群から選ばれた一員
であり、 前記所望の分子はCl−,Br−,SO4 2−,SO3
2−,CrO4 2−,SCN−,SeCN−,N
O2 −,PO4 3−,S2O3 2−,HS−,S2−,
酢酸塩イオンおよび、くえん酸塩イオンよりなる群から
選ばれた陰イオンであり、MはPd2+,Ag+,Hg
2+,Cu+,Tl3+,Bi3+,CH3Hg+,C
d2+,Fe3+,Pb2+,Tl+,Cu2+,Au
+,Al3+,Ga3+,Ni2+,Au3+,Ce
3+,UO2 2+,またはLa3+およびこれらの混合
物よりなる群から選ばれた陽イオンであることを特徴と
する方法。 - 【請求項5】 陰イオンがヨウ素イオンであり、Mが
Pd2+,Ag+,Hg2+,Cu+,Tl3+,Bi
3+,CH3Hg+またはCd2+およびこれらの混合
物よりなる群から選ばれた陽イオンであることを特徴と
する請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 LがエタンジチアでありMがPd2+
であることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の
方法。 - 【請求項7】 原溶液から所望の分子を分離および濃
縮する方法であって、 ケイ素原子を介して無機固体保持体に結合した有機スペ
ーサーよりなるマトリックスに共有結合した配位子分子
と錯体を形成した陽イオンよりなる固体陽イオン−配位
子−マトリックスであって、前記陽イオンは前記所望の
分子と前記固体陽イオン−配位子−マトリックスの陽イ
オン部分との間に錯体を形成するように前記所望の分子
に対する親和性を有する該固体陽イオン−配位子−マト
リックスに、第1の体積を有する前記原溶液を接触させ
る過程と、 所望の分子と錯体を形成した前記陽イオン−配位子−マ
トリックスとの接触から前記原溶液を分離させる過程
と、 前記所望の分子と錯体を形成した前記固体陽イオン−配
位子−マトリックスに前記所望の分子を溶解可能な比較
的少ない体積の受容液を接触させて、前記錯体を分解さ
せ前記の比較的少ない体積の受容液中で濃縮された状態
で所望の分子を回収する過程とを含み、 前記固体陽イオン−配位子−マトリックスは、マトリッ
クス−L−Mなる式を有し、この式においてMは金属陽
イオン、Lは金属陽イオンと反応してキレートを形成す
ることが知られている有機分子よりなる配位子であり、
マトリックスは下記の式を有する一員であって、 【化3】 この式においてBは1〜10個の炭素原子を有する親水
性スペーサー基、Siはケイ素原子であり、X,Yおよ
びZはそれぞれCl,Br,I、1〜6個の炭素原子を
有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有する置換
アルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基、1〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基および
O−親水性無機固体保持体よりなる群から選ばれた一員
であり、X,YおよびZのうちの少なくとも一つはO−
親水性無機固体保持体であり、 前記O−親水性無機固体保持体はシリカ、ジルコニア、
チタニア、アルミナ、酸化ニッケルまたは任意の他の類
似の親水性無機保持体材料よりなる群から選ばれた一員
であり、 前記所望の分子はグリシンであり、LはL−チロシンで
あり、MはHg2+であることを特徴とする方法。 - 【請求項8】 所望の分子を非クロマトグラフィー分
離するためのマトリックス−L−Mなる式を有する固体
陽イオン−配位子−マトリックス化合物であって、Mは
金属陽イオン、Lは金属陽イオンと反応してキレートを
形成することが知られている有機分子よりなる配位子で
あり、マトリックスは下記の式を有する一員であって、 【化4】 この式においてBは1〜10個の炭素原子を有する親水
性スペーサー基、Siはケイ素原子であり、X,Yおよ
びZはそれぞれCl,Br,I、1〜6個の炭素原子を
有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有する置換
アルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基、1〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基および
O−親水性無機固体保持体よりなる群から選ばれた一員
であり、X,Y,Zの少なくとも一つはO−親水性無機
固体保持体であり、 前記O−親水性無機固体保持体はシリカ、ジルコニア、
チタニア、アルミナ、酸化ニッケルまたは任意の他の類
似の親水性無機保持体材料よりなる群から選ばれた一員
であり、 前記所望の分子は酸素、アンモニア、二酸化硫黄、三酸
化硫黄、亜酸化窒素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、
エテンおよびプロペンよりなる群から選ばれた溶媒和ガ
スであり、前記式におけるMはFe2+,Co2+,C
u2+,Ni2+,Pd2+,Hg2+,Co3+,A
g+,Cu+,Cd2+,Fe3+,Pb2+,Fe
2+,Pt2+,Pt4+,MoO2 2+またはZn
2+およびこれらの混合物よりなる群から選ばれた陽イ
オンであることを特徴とする化合物。 - 【請求項9】 Lはアミン、ピリジン、アミノ酸、チ
オール、フェナントロリン、ヒドロオキサミド酸、オキ
シム、アミド、チオエーテルおよびこれらの組合せより
なる群から選ばれた配位子であることを特徴とする請求
項8に記載の化合物。 - 【請求項10】 マトリックスが、O−親水性無機固
体保持体材料と、ジエチル(トリエトキシシリルプロピ
ル)マロネート、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
〔(3−トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジア
ミン三酢酸、P−(クロロメチル)フェニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ブロモプロ
ピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランおよびこれらの組合せよりなる群から
選ばれたケイ素を含むスペーサー基との反応生成物であ
ることを特徴とする請求項9に記載の化合物。 - 【請求項11】 所望の分子を非クロマトグラフィー
分離するためのマトリックス−L−Mなる式を有する固
体陽イオン−配位子−マトリックス化合物であって、M
は金属陽イオン、Lは金属陽イオンと反応してキレート
を形成することが知られている有機分子よりなる配位子
であり、マトリックスは下記の式を有する一員であっ
て、 【化5】 この式においてBは1〜10個の炭素原子を有する親水
性スペーサー基、Siはケイ素原子であり、X,Yおよ
びZはそれぞれCl,Br,I、1〜6個の炭素原子を
有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有する置換
アルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基、1〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基および
O−親水性無機固体保持体よりなる群から選ばれた一員
であり、X,Y,Zの少なくとも一つはO−親水性無機
固体保持体であり、 前記O−親水性無機固体保持体はシリカ、ジルコニア、
チタニア、アルミナ、酸化ニッケルまたは任意の他の類
似の親水性無機保持体材料よりなる群から選ばれた一員
であり、 前記所望の分子はCl−,Br−,SO4 2−,SO3
2−,CrO4 2−,SCN−,SeCN−,N
O2 −,PO4 3−,S2O3 2−,HS−,S2−,
酢酸塩イオンおよび、くえん酸塩イオンよりなる群から
選ばれた陰イオンであり、MはPd2+,Ag+,Hg
2+,Cu+,Tl3+,Bi3+,CH3Hg+,C
d2+,Fe3+,Pb2+,Tl+,Cu2+,Au
+,Al3+,Ga3+,Ni2+,Au3+,Ce
3+,UO2 2+,またはLa3+およびこれらの混合
物よりなる群から選ばれた陽イオンであることを特徴と
する化合物。 - 【請求項12】 所望の分子を非クロマトグラフィー
分離するためのマトリックス−L−Mなる式を有する固
体陽イオン−配位子−マトリックス化合物であって、M
は金属陽イオン、Lは金属陽イオンと反応してキレート
を形成することが知られている有機分子よりなる配位子
であり、マトリックスは下記の式を有する一員であっ
て、 【化6】 この式においてBは1〜10個の炭素原子を有する親水
性スペーサー基、Siはケイ素原子であり、X,Yおよ
びZはそれぞれCl,Br,I、1〜6個の炭素原子を
有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有する置換
アルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基、1〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基および
O−親水性無機固体保持体よりなる群から選ばれた一員
であり、X,Y,Zの少なくとも一つはO−親水性無機
固体保持体であり、 前記O−親水性無機固体保持体はシリカ、ジルコニア、
チタニア、アルミナ、酸化ニッケルまたは任意の他の類
似の親水性無機保持体材料よりなる群から選ばれた一員
であり、 前記所望の分子はグリシンであり、LはL−チロシンで
あり、MはHg2+であることを特徴とする化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3515391A JP3237860B2 (ja) | 1991-02-05 | 1991-02-05 | 溶液から所望の分子を分離および濃縮する方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3515391A JP3237860B2 (ja) | 1991-02-05 | 1991-02-05 | 溶液から所望の分子を分離および濃縮する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04260448A JPH04260448A (ja) | 1992-09-16 |
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ID=12433950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3515391A Expired - Fee Related JP3237860B2 (ja) | 1991-02-05 | 1991-02-05 | 溶液から所望の分子を分離および濃縮する方法 |
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JP (1) | JP3237860B2 (ja) |
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- 1991-02-05 JP JP3515391A patent/JP3237860B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
---|
Journal of Chromatography,(Netherlands),1986,371,p.335−352 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04260448A (ja) | 1992-09-16 |
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