JP3237245U - 粉体仕込装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成により、粉体の静電気除去と、静電気除去後の粉体の監視を行う粉体仕込装置を提供する。【解決手段】粉体仕込装置20は、開口部2aを有するタンク2と、開口部2aからタンク2内に投入される粉体の静電気を除去する除電装置4と、静電気が除去された粉体の電位を計測する電位監視装置5と、電位を表示する表示装置6と、電位が規定値を超えた場合に警報を発する警報装置7と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、粉体仕込装置に関する。
粉体の取り扱い時、即ち、粉体の充填、投入、吸引などを行う時においては、粉体同士の摩擦により粉体が帯電し、火事、爆発などの静電気災害が誘発されるおそれがある。特に体積固有抵抗値の高い粉体は、容易に帯電する傾向があり、より厳密な静電気災害の防止対策が必要となる。
たとえば、溶剤の入ったタンクに体積固有抵抗値の高い粉体を仕込む場合、仕込口(出口)の小さいシューターを介してフレキシブルコンテナバッグからタンク内に粉体を投入して仕込速度を抑制することにより、静電気による発火を防止している。また、タンク内への窒素封入により酸素濃度を規定値以下に維持することにより、静電気による発火を防止している場合もある。
また、静電気災害の他の対策として、静電気そのものを除去することが考えられる。特許文献1は、半導体製品等の物品に対して、静電気除去に必要な電荷量及び気流量で静電気イオンを吹き付けて静電気を除去し、静電気除去後に自動的に停止する静電気検出機能を備える静電気除去装置及び静電気の検出を含む静電気除去方法を開示している。
上記装置及び方法においては、静電気センサにより検出された物品の静電気値に応じて、回路コントローラがイオン発生回路を制御してイオン放電プローブに検出された静電気値と反対極性のイオンのみを発生させる。また回路コントローラは、気流制御回路を制御して気流発生器に適正な強さの気流を発生させて反対極性のイオンを物品に吹送し、物品の静電気を除去する。さらに、静電気センサにより静電気値が検出されないとき、回路コントローラは、イオン発生回路及び気流発生器を制御して動作を停止させる。
特開2017-157366号公報
従来のシューターを用いる方法においては、粉体がシューターに詰まり、作業性が悪化し、作業時間が長くなる傾向があった。また、窒素封入を用いる方法においては、タンク内への窒素封入粉体の体積固有抵抗値に応じてタンク内の酸素濃度をセンサで測定して管理しているが、実際に発生している静電気による発火の危険性を必ずしも把握することができるものではなかった。
特許文献1に記載の装置は、静電気センサが検出した物品の静電気値に応じて、回路コントローラなどが物品の静電気を除去する。このため、装置が複雑化し、コスト増加などの弊害を招き得る。
本考案は、簡易な構成により、粉体の静電気除去と、静電気除去後の粉体の監視を行うことが可能な粉体仕込装置を提供する。
本考案の粉体仕込装置は、開口部を有するタンクと、前記開口部から前記タンク内に投入される粉体の静電気を除去する除電装置と、静電気が除去された粉体の電位を計測する電位監視装置と、前記電位を表示する表示装置と、前記電位が規定値を超えた場合に警報を発する警報装置と、を備える。
粉体仕込装置は、たとえば、前記開口部の端部または前記開口部の上方おいて、前記タンクに固定された固定部材を更に備え、前記除電装置が前記固定部材に固定される。
粉体仕込装置は、たとえば、前記固定部材は、前記開口部に向かって傾斜する傾斜面を有し、前記除電装置が、前記傾斜面に取り付けられる。
粉体仕込装置は、たとえば、前記開口部に前記粉体を投入するためのシューターを更に備える。
粉体仕込装置は、たとえば、前記タンク内に配置された撹拌機を更に備える。
本考案によれば、簡易な構成により、粉体の静電気除去と、静電気除去後の粉体の監視を行うことができる。
図1は、本考案の実施形態に係る粉体仕込装置の概念図である。 図2は、実施形態に係る粉体仕込装置の上部分の図である。 図3は、実施形態に係る粉体仕込装置のタンクの開口部および固定部材を示す図である。 図4は、実施形態に係る粉体仕込装置の上部分の図であり、(A)は粉体仕込装置を上方から見た斜視図、(B)は(A)における破線領域内の一部を異なる角度から視た拡大図である。 図5は、除電装置を示す図であり、(A)は除電装置の全体構成を示す図、(B)は(A)における破線領域内の一部を示す拡大図である。 図6は、電位監視装置を示す図であり、(A)は電位監視装置と、電位監視装置を覆うカバーを分解した状態を示す図、(B)はカバー内に電位監視装置を組み込んだ状態を示す図である。 図7は、タンクの内部を示す図である。 図8は、表示装置および警報装置を示す図である。 図9は、消防法における防爆ゾーンの分類を概念的に示す上面図である。
本考案に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本考案の実施形態に係る粉体仕込装置の概念図である。粉体仕込装置20は、塗料を製造するための装置であり、粉体の静電気を除去し、静電気災害を防止するための機能が備わる。本実施形態の粉体仕込装置20は、タンク2と、除電装置4と、電位監視装置5と、表示装置6と、警報装置7と、を備える。
タンク2は塗料などを貯留し、上面に粉体を導入するための開口部2aを有する。作業者は開口部2aから粉体を投入することができる。
除電装置4は、開口部2aからタンク2内に投入される粉体の静電気を除去する。除電装置4は、後述する放電針に高電圧を印加してコロナ放電を起こさせ、放電針近傍の空気をイオン化する。これにより、イオン化した空気が放出され、帯電物(粉体)と接触し、電荷の相殺、すなわち除電が行われる。
本実施形態においては、長尺状の固定部材3が、開口部2aの端部または開口部2aの上方において、タンク2に固定され、除電装置4が固定部材3に固定されている。
除電装置4は、イオンを放出し、放出したイオンにより粉体の表面に発生した静電気を打ち消すことができる。除電装置4は、粉体の仕込速度が規定速度より大きい場合であっても粉体の帯電量を小さくすることができる。すなわち、本明細書での「静電気の除去」は、粉体の帯電量をゼロにすることのみならず、粉体の帯電量が所定値以下となるように帯電量を大幅に減少させることも含む。除電装置4は、一般的な静電気の除去装置を用いることができる。
図2は、粉体仕込装置20の上部分の図である。粉体仕込装置20は、タンク2の上部分のみが地面から露出し、下部分は地中に埋め込まれている。図3は、タンク2の開口部2aおよび固定部材3を示す図である。図3では、除電装置4の図示が省略されている。後述する電位監視装置5及び電位監視装置5を覆うカバー13(図6参照)を固定するための治具11が、開口部2aの周縁に設けられている。
図4は、粉体仕込装置20の上部分の図であり、(A)は粉体仕込装置20を上方から見た斜視図、(B)は(A)における破線領域内の一部を異なる角度から視た拡大図である。図3および図4に示すように、固定部材3は、長尺状の部材であり、タンク2の開口部2aの端部または開口部2aの上方において、タンク2の上面に固定されている。固定部材3の断面は、多角形の形状、特に本実施形態では三角形の形状を呈している。そして、三角形の断面の一辺である傾斜面3aが、タンク2の開口部2aに向かって傾斜しており、除電装置4は傾斜面3aに取り付けられる。
図5は、除電装置4を示す図であり、(A)は除電装置4の全体構成を示す図、(B)は(A)における破線領域内の一部を示す拡大図である。除電装置4は、固定部材3と同様に長手方向に延びる長尺状の部材であり、放電針4aと気体排出パイプ4bとを有する。放電針4aは長手方向に延びるイオン排出口を有し、気体排出パイプ4bは気体、たとえば窒素を排出する気体排出口を有しており、この気体排出孔は長手方向に所定の距離をおいて複数個設けられている。窒素の流圧を、たとえば0.2MPa以上に設定することにより、イオンを拡散するための十分な流量を確保することができる。また、除電装置4が粉体に近いほど除電能力が発揮されるため、粉体までの除電距離を一定距離に設定することが望ましく、固定部材3の位置もこの観点から決定される。
また、除電装置4はタンク2の開口部2aに向かって傾斜した傾斜面3aに取り付けられているため、放電針4aのイオン排出口と、気体排出パイプ4bの気体排出口は、それぞれタンク2の開口部2aに向かって開口している。よって、除電装置4は、開口部2aに向けて効率よくイオン(および窒素)を放出し、効率よく粉体の除電を行うことができる。
図6は、電位監視装置5を示す図であり、(A)は電位監視装置5と、電位監視装置5を覆うカバー13を分解した状態を示す図、(B)はカバー13内に電位監視装置5を組み込んだ状態を示す図である。電位監視装置5は、センサ内の検出電極が帯電物である粉体から静電誘電を受け、検出電極の電位から帯電電位を算出する。本例では、電位監視装置5は、静電気が除去された粉体の電位(帯電電位)を計測する。電位監視装置5は、一般的な電位の監視装置を用いることができる。電位監視装置5は、開口部2aまたは後述するシューター8までの距離が一定の状態を維持するように固定されている。電位監視装置5は、たとえば粉体にイオンが当たる場所の近傍に設置され、除電の効果を監視する。
図6(B)の状態では、電位監視装置5はカバー13の先端から露出しており、この露出した部分から粉体の電位を計測することができる。センサはこの露出部分に設けられているが、露出部分に設けられた気体排出口5aから気体、たとえば窒素を排出する構成になっており、粉体が電位監視装置5の内部に進入するのを防いでいる。図3および図4(B)に示すように、電位監視装置5およびカバー13は、開口部2aの周縁に設けられた治具11に取り付けられる。
図7は、タンク2の内部を示す図である。粉体仕込装置20は、タンク2内に配置された撹拌機15を更に備える。撹拌機15は、投入された粉体を攪拌しながら、タンク2の底部に貯留された塗料などに導く。
図8は、表示装置6および警報装置7を示す図である。表示装置6は電位監視装置5に接続される。表示装置6は、電位監視装置5により計測された粉体の電位を数値、グラフなどの形式で表示する、液晶表示装置などの画面を有する。これにより、粉体の電位が可視化され、作業者は、静電気除去後の粉体の監視を行うことができる。作業者は可視化された値に応じて、必要な措置をとることができる。
警報装置7は電位監視装置5に接続され、電位監視装置5により計測された粉体の電位が規定値(たとえば20kV)を超えた場合に警報を発する。警報装置7はブザーのように警告音を発する装置であってもよいし、警告用の光、サインなどを表示する装置であってもよい。作業者は、警報装置7の警告に基づき、粉体供給の停止などの措置をとることができる。電位の測定結果は記録装置などに記録し、記録結果を参照して他の装置に利用することができる。
図8に示すように、本実施形態においては、表示装置6および警報装置7が、電位測定装置9に収められている。表示装置6は、防爆のため、電位測定装置9の筐体の中でエアパージされている。また、除電装置4に電気的に接続された除電装置制御ユニット10が、電位測定装置9の上に配置されており、除電装置4を制御する。
図1に示す通り、本実施形態の粉体仕込装置20は、開口部2aに粉体を投入するためのシューター8を更に備えている。シューター8は、固定部材3の上面であって開口部2aの周囲に取り付けられ、粉体の飛び散りを防止することができる。
図9は、消防法における防爆ゾーンの分類を概念的に示す上面図である。本例ではタンク2の内部の領域がゾーン0に分類され、タンク2からの距離が0.9mまでの領域がゾーン1に分類され、タンク2からの距離が0.9m~1.5mの領域がゾーン2に分類される。ゾーン0は、可燃性物質を含む爆発性雰囲気が連続的に、長時間又は頻繁に存在する区域、ゾーン1は、爆発性雰囲気が通常運転中でも時々生成する可能性がある区域、ゾーン2は、爆発性雰囲気が通常運転中に生成する可能性がなく生成しても短時間しか持続しない区域を示す。
本実施形態の粉体仕込装置20においては、電位監視装置5のセンサ部分がゾーン0に配置され、除電装置4がゾーン1に配置される。電位監視装置5、除電装置4、及び除電装置制御ユニット10には、各ゾーンに応じた防爆対応がなされているので、本実施形態の粉体仕込装置20は高い安全性を確保することが可能であり、法律の規定をクリアすることが容易である。
本実施形態の粉体仕込装置20は、静電気を除去する除電装置4と粉体の電位を計測する電位監視装置5を組み合わせて使用するものである。粉体仕込装置20によれば、粉体の仕込速度を上げた場合であっても、危険な静電気量が付与されることを抑制し、作業性の向上や安全性を担保したまま作業時間を短縮することが可能となる。また、粉体の静電気量を可視化することが可能となり、粉体仕込み時の危険性の度合いを判断する手法を確立することができる。
尚、本考案は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本考案を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
2 タンク
2a 開口部
3 固定部材
4 除電装置
5 電位監視装置
6 表示装置
7 警報装置
8 シューター
15 撹拌機
20 粉体仕込装置

Claims (5)

  1. 開口部を有するタンクと、
    前記開口部から前記タンク内に投入される粉体の静電気を除去する除電装置と、
    静電気が除去された粉体の電位を計測する電位監視装置と、
    前記電位を表示する表示装置と、
    前記電位が規定値を超えた場合に警報を発する警報装置と、
    を備える粉体仕込装置。
  2. 前記開口部の端部または前記開口部の上方おいて、前記タンクに固定された固定部材を更に備え、
    前記除電装置が前記固定部材に固定される、
    請求項1に記載の粉体仕込装置。
  3. 前記固定部材は、前記開口部に向かって傾斜する傾斜面を有し、
    前記除電装置が、前記傾斜面に取り付けられる、
    請求項2に記載の粉体仕込装置。
  4. 前記開口部に前記粉体を投入するためのシューターを更に備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の粉体仕込装置。
  5. 前記タンク内に配置された撹拌機を更に備える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の粉体仕込装置。
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