JP3236803U - 高力ボルト摩擦接合構造、ユニットトラス接合体、及びユニットトラス接合体の連結構造 - Google Patents

高力ボルト摩擦接合構造、ユニットトラス接合体、及びユニットトラス接合体の連結構造 Download PDF

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Abstract

【課題】高力ボルトを用いてリップ溝形鋼同士を材軸方向に接合する際、接合部のフランジ面の不陸を防止し、接合作業の負担を抑制することができる高力ボルト摩擦接合構造、ユニットトラス接合体、及びユニットトラス接合体の連結構造を提供する。【解決手段】高力ボルト摩擦接合構造10は、材軸方向Xの端面を互いに対向させて配置された一組のリップ溝形鋼12と、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブに接触する板状部を有する接合部材14と、接合部材14の板状部14Aと一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブのみとを貫通する高力ボルト16と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、高力ボルト摩擦接合構造、ユニットトラス接合体、及びユニットトラス接合体の連結構造に関する。
従来、建築現場で薄板軽量形鋼構造の屋根を建築する場合、屋根を下側から支持するトラス部材として、複数の構造部材をユニット化することによって製造されたユニットトラスを用いることが知られている。なお、薄板軽量形鋼構造を構成する主要部材の板厚は、2.3mm未満の形鋼である。また、主要部材の形鋼は、施工性の観点からリップ溝形鋼である場合が多い。
例えば、ユニットトラスは、建築現場とは別の製造工場等において予め製造され、建築現場に搬入された後、建築現場で壁部材の上に配置される。ユニットトラスを予め製造することによって、構造部材を建築現場でユニット化する手間が不要になるため、建築現場で生じる施工を簡略化できる。
ここで、屋根の長さ(スパン)が、建築現場に搬入可能なトラックの荷台に積載可能な荷物の最大長さを超える場合、最大長さ以内に収まる長さのユニットトラスを複数製造し、製造された複数のユニットトラス同士を現場で接合する作業が必要になる。例えば、梁の材軸方向の全長が15mの屋根を支持するユニットトラスの場合、材軸方向の長さが7mのユニットトラスと、材軸方向の長さが8mのユニットトラスとがそれぞれ製造され、建築現場で接合される。
以下、本明細書では、ユニットトラス同士が材軸方向に接合された構造体を「ユニットトラス接合体」と称する。更に、ユニットトラス接合体同士が水平面内で材軸方向に直交する並列方向に接合された構造体を「ユニットトラス接合体の連結構造」と称する。
薄板軽量形鋼構造のユニットトラスを接合する方法として、ドリリングタッピンねじ(以下「ドリルねじ」とも称する。)を用いた接合方法が、施工作業の容易さ等の理由から、一般に採用される場合が多い。しかし、トラックの荷台に積載可能ではあっても、通常、ユニットトラスの長さは、比較的長い。このため、ユニットトラス同士が接合されたユニットトラス接合体の接合部には、地震時や強風時に、比較的大きな応力が作用する。接合要素としてドリルねじが接合部に用いられる場合、作用する応力に対応するため、1ヶ所の接合部あたり、例えば100本を超える本数のドリルねじが必要となる場合がある。
ドリルねじ以外の接合要素を用いて建築部材同士を接合する方法として、高力ボルトを用いた摩擦接合方法が知られている。高力ボルト摩擦接合では、接合要素としての高力ボルトで複数の部材が締結されると共に、接合部では、締結された部材間で生じる摩擦力によって応力が伝達される。
高力ボルト摩擦接合の場合、通常、高力ボルト1本あたりの許容耐力が、ドリルねじの許容耐力より大きい。このため、接合部に用いられる接合要素をドリルねじから高力ボルトに置き換えることで、必要とされる接合要素の個数を削減可能であり、結果、長スパンのユニットトラス接合体を得るために、建築現場でユニットトラス同士を接合する作業を省力化できる。
高力ボルト摩擦接合に関する技術として、例えば特許文献1には、母材がリップ溝形鋼ではないが、建築構造又は土木構造の骨組部材としての中空H形断面部材(以下、「中空H形鋼」とも称する。)の継手構造が開示されている。中空H形鋼は、互いに間を空けて平行に延びる2つのウェブを有する。
また、2つのウェブの間隙には中空部が形成され、中空部内には板状のウェブ添接部材が配置される。ウェブ添接部材は、接合される中空H形鋼のそれぞれの中空部内に亘って延びる。特許文献1では、材軸方向で隣接する中空H形鋼が、ウェブ添接部材を介して高力ボルトによって締結されることによって、外観上の意匠性の向上を図ることと、継手部の接合部の曲げ耐力の向上を図ることとが可能であるとされている。
また、特許文献2には、高力ボルトは用いられないが、複数の建物ユニットが隣接して据え付けられたユニット建物において、断面がC字状の溝形鋼である天井梁同士を、ユニット建物の間取り障害等を伴うことなく、ボルトを用いて接合する技術が開示されている。天井梁の溝形鋼は、水平面内で材軸方向に直交する方法に並べられ、隣接する溝形鋼のウェブの板面同士が、隙間を空けて対向する。隣接して並べられた天井梁の間隙には、断面がT字状の補強用形鋼が、T字の垂直部分が差し込まれた状態で配置される。補強用形鋼のT字の水平部分は、互いに隣接する溝形鋼のフランジの外面に接触する。特許文献2では、隣接する溝形鋼のウェブの板面同士が、補強用形鋼を介してボルトによって締結される。
特開2007-270609号公報 特開2006-028912号公報
ここで、通常、高力ボルトにおける頭部の高さ及び幅の寸法は、一般的なドリルねじと比べて大きい。このため、高力ボルト摩擦接合構造が用いられる場合、接合部において接合面の面外方向に突出する高力ボルトの頭部の存在が、建築物の施工作業に干渉する懸念が生じる。
例えば、一組のユニットトラスのそれぞれの上弦材のリップ溝形鋼を材軸方向で接合する際、それぞれの上側フランジにおいて高力ボルトが締結される場合を考える。高力ボルトの頭部が上側フランジの外面上に突出すると、接合部において、それぞれの上側フランジの外面に不陸が形成される。上側フランジの外面に不陸が形成されたままの状態では、上側フランジの外面上に、例えば屋根材等の仕上げ材の建築部材を直接設置することが難しくなる。不陸を回避して建築部材を設置するためには、例えば、上側フランジの外面上に別の介在部材を取り付ける方法が考えられるが、追加作業が発生するため、全体的に施工作業の負担が大きくなる。
また、特許文献1の技術は、中空H形鋼を材軸方向に端面を対向させた状態で接合する技術であるため、ユニットトラスで多用されるリップ溝形鋼同士を、材軸方向に端面を対向させた状態で接合する場合に、そのまま適用することは難しい。また、特許文献1では、接合作業の際、2つのウェブ間のそれぞれの中空部にウェブ添接部材を所定の位置まで差し込み、2つのウェブのそれぞれのボルト貫通用の孔とウェブ添接部材のボルト貫通用の孔とをすべて揃えてボルト締めする必要がある。しかし、ボルト締めの位置合わせのためウェブ添接部材を中空部内で移動させる際、作業者は、ウェブ側から中空部に手を差し込むことが不可能であるため、中空H形鋼の材軸方向の端部側の開口部から手を差し込む必要が生じる。中空H形鋼の材軸方向の長さは、数m等、比較的長いため、端部側の開口部から人間の手を差し込んで、接合部の位置までウェブ添接部材を送り込む作業には、困難が伴う。
また、特許文献2は、隣接する天井梁の溝形鋼同士を、水平面内で材軸方向に直交する方向に並べて接合する技術であって、材軸方向に沿って接合する技術ではない。このため、薄板軽量形鋼構造のユニットトラスで多用されるリップ溝形鋼同士を、材軸方向に端面を対向させた状態で接合する場合には、特許文献2の技術をそのまま適用することは難しい。
本開示は、上記の問題に鑑み、高力ボルトを用いてリップ溝形鋼同士を材軸方向に接合する際、接合部のフランジ面の不陸を防止し、接合作業の負担を抑制することができる高力ボルト摩擦接合構造、ユニットトラス接合体、及びユニットトラス接合体の連結構造を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る高力ボルト摩擦接合構造は、材軸方向の端面を互いに対向させて配置された一組のリップ溝形鋼と、一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブに接触する板状部を有する接合部材と、接合部材の板状部と一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブのみとを貫通する高力ボルトと、を有する。
本開示の一態様では、高力ボルトは、接合部材の板状部と一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブのみとを貫通する。このため、一組のリップ溝形鋼のそれぞれのフランジの上には、いずれも、高力ボルトの頭部が突出しない。結果、一組のリップ溝形鋼のそれぞれのフランジ面を面一に揃え易いので、接合部のフランジ面の不陸を防止できる。
また、接合作業では、材軸方向に隣接する一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブの両方に対して、接合部材の板状部が重ねられる。ここで、リップ溝形鋼のウェブの表面は、リップ間の開口部の内側となる内面であっても、或いは、開口部の外側となる外面であっても、外部に露出している。
結果、外部からウェブの表面を視認し易いので、例えばボルト締めのため、ウェブの表面上に接合部材を接触させる位置を合わせる作業の際、隣接するそれぞれのウェブの表面上の所望の位置に接合部材を移動させ易い。このため、例えば、一組の中空H形鋼の中空部の内側に接合部材を差し込んで一組の中空H形鋼同士を接合する作業と比べ、接合作業の負担を抑制できる。
本開示の他の態様に係るユニットトラス接合体は、上弦材と、上弦材の下側に上弦材と離れて設けられた下弦材と、上弦材と下弦材とを連結する斜材と、をそれぞれ備えるユニットトラス同士が材軸方向に接合されたユニットトラス接合体であって、材軸方向に互いに対向する一組の上弦材が、前記一組のリップ溝形鋼である、又は、材軸方向に互いに対向する一組の下弦材が、前記一組のリップ溝形鋼であり、一組の上弦材又は一組の下弦材と、前記接合部材と、前記高力ボルトとによって、上記一態様に係る高力ボルト摩擦接合構造が形成された接合部を有する。
本開示の他の態様では、ユニットトラス接合体の接合部に、上記一態様に係る高力ボルト摩擦接合構造が形成されるため、建築現場で、接合部の一組のリップ溝形鋼のフランジの外面上の不陸を防止できる。
本開示の更に他の態様に係るユニットトラス接合体の連結構造は、上記他の態様に係るユニットトラス接合体が、複数、水平面内で材軸方向に直交する並列方向に沿って連結される。
本開示の更に他の態様では、ユニットトラス接合体単独の場合より、大きな屋根材を上側に設置できる。
本開示によれば、高力ボルトを用いてリップ溝形鋼同士を材軸方向に接合する際、接合部のフランジ面の不陸を防止し、接合作業の負担を抑制することができる高力ボルト摩擦接合構造、ユニットトラス接合体、及びユニットトラス接合体の連結構造を提供できる。
本開示の実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造をウェブの外面側から見て説明する斜視図である。 本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造を説明する平面図である。 本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造をウェブの内面が表れるリップ間の開口部側から見て説明する正面図である。 本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造を説明する側面図である。 本実施形態の第1変形例に係る高力ボルト摩擦接合構造をウェブの内面側から見て説明する斜視図である。 本実施形態の第2変形例に係る高力ボルト摩擦接合構造を説明する側面図である。 図7(A)は、本実施形態の第3変形例に係る高力ボルト摩擦接合構造を説明する側面図であり、図7(B)は、図7(A)に例示された高力ボルト摩擦接合構造をウェブの内面側から見て説明する正面図である。 図8(A)は、第1比較例に係る高力ボルト摩擦接合構造を説明する側面図であり、図8(B)は、図8(A)に例示された高力ボルト摩擦接合構造をウェブの外面側から見て説明する背面図である。 本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造を有するユニットトラス接合体、及び、ユニットトラス接合体の連結構造を説明する斜視図である。 本実施形態に係るユニットトラス接合体の連結構造を説明する側面図である。 本実施形態に係るユニットトラス接合体の連結構造の接合部の他の例を説明する側面図である。 図12(A)は、本実施形態に係るユニットトラス接合体の連結構造の接合部の他の例を説明する側面図であり、図12(B)は、図12(A)に例示された接合部の平面図である。 図13(A)は本実施形態に係るユニットトラス接合体の連結構造の接合部の他の例を説明する側面図であり、図13(B)は、図13(A)に例示された接合部の平面図である。 本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造の接合部の耐力及び作業性・施工性を、断面形状の型及び変形モードに応じて説明する図である。 接合部における荷重と変位との関係を、本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造の3つの変形モードと、接合部材を有さないリップ溝形鋼とについて説明する図である。 図14中の変形モード(a)を有する解析モデルを説明する図である。 図14中の変形モード(b)を有する解析モデルを説明する図である。 図14中の変形モード(c)を有する解析モデルを説明する図である。 接合部の塑性化の位置と要因とを本実施形態の3つの変形モードに応じて説明する図である。 接合部材の弱軸方向断面2次モーメントと耐力の解析結果との関係を説明するグラフである。 本実施形態の第4変形例に係る高力ボルト摩擦接合構造を説明する側面図である。
以下に本開示の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。ただし、図面における厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
<高力ボルト摩擦接合構造>
まず、本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造10を、図1~図8を参照して説明する。高力ボルト摩擦接合構造10は、図1に示すように、母材としての一組のリップ溝形鋼12と、接合部材14と、高力ボルト16と、を有する。
(母材のリップ溝形鋼)
一組のリップ溝形鋼12の形状及び寸法は、互いに同じである。このため、一組のリップ溝形鋼12の断面形状は、互いに同じである。図2に示すように、一組のリップ溝形鋼12は、材軸方向Xの端面を互いに対向させて配置される。なお「対向させて配置される」とは、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれの端面が接触している状態と、一組のリップ溝形鋼12が数mm程度以内の僅かな間隔で離れた状態との両方を含む。
図2中には、一組のリップ溝形鋼12が互いに同じ寸法及び形状を有すると共に材軸方向Xに沿って数mm程度以内の僅かな間隔で離れた状態で接合された場合が例示されている。高力ボルト摩擦接合構造10の全体の材軸方向Xの長さLは、それぞれのリップ溝形鋼12の材軸方向Xの長さlの2つ分と、間隔との和である。
また、図2中では、接合部材14がそれぞれのリップ溝形鋼12の外面と接触する接触面の面積は、互いに同じである。すなわち、接合部材14の材軸方向Xの長さlは、高力ボルト摩擦接合構造10の全体の材軸方向Xの長さLの中心の位置で、2等分される。なお、本開示では、接合部材14がそれぞれのリップ溝形鋼12の外面と接触する接触面の面積は、異なってもよい。
また、図示を省略するが、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブには、接合部材14と同軸で高力ボルト16が差し込まれるための貫通孔が、所定の位置に設けられる。また、母材のリップ溝形鋼12は、めっき鋼板で形成される。ただし、本開示では、母材のめっき処理の有無は限定されない。
本実施形態では、母材のリップ溝形鋼12として例えば、2.3mm又は1.6mmの板厚を有するリップ溝形鋼12を使用できる。
(高力ボルト)
高力ボルト16は、図3及び図4に示すように、接合部材14の板状部14Aと、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブのみとを貫通する。本開示では、高力ボルトは、高力六角ボルトであってもよいし、トルシア形高力ボルトであってもよい。また、高力ボルトに溶融亜鉛めっき処理が施されていてもいなくてもよい。
(接合部材)
接合部材14は、図4に示すように、溝形鋼である。材軸方向Xに直交する水平面で切断された接合部材14の断面形状は、C字状である。接合部材14は、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブに接触する板状部14Aを有する。具体的には、接合部材14の溝形鋼のウェブが、板状部14Aとして働く。
本実施形態では、接合部材14の溝形鋼のウェブの外面は、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブの外面に接触する。ここで「ウェブの外面」とは、溝形鋼におけるウェブの表面のうち、フランジ側と反対側の表面を意味する。また、「ウェブの内面」とは、溝形鋼におけるウェブの表面のうち、フランジ側の表面を意味する。すなわち、ウェブの内面は、溝形鋼において、ウェブと一対のフランジとの間に形成される開口部に面する。
図示を省略するが、板状部14Aには、母材のリップ溝形鋼12のウェブと同軸で高力ボルト16が差し込まれるための貫通孔が、所定の位置に設けられる。接合部材14は、一組のリップ溝形鋼12を材軸方向Xに沿って接合する添板として機能する。
なお、本開示では、接合部材の形状は、溝形鋼に限定されず、リップ溝形鋼であってもよい。接合部材14がリップ溝形鋼である場合、接合部材14のリップ溝形鋼の断面形状と、母材の一組のリップ溝形鋼12の断面形状とが、いずれも同じであってよい。
また、本実施形態では、接合部材14の溝形鋼は、母材のリップ溝形鋼12と同様に、めっき鋼板で形成される。ただし、本開示では、接合部材のめっき処理の有無は、限定されない。
(第1変形例)
図1~図4中に例示された本実施形態では、接合部材14が一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブの外面に接触していた。しかし、本開示では、これに限定されず、例えば、図5に示すように、接合部材14は、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブの内面に接触してもよい。
ここで、母材のリップ溝形鋼12のウェブの内面は、リップの板面が正面に表れる側の開口部に露出する。このため、第1変形例では、接合部材14をウェブの内面に配置する場合、接合部材14を開口部側からウェブの内面に向かって直接差し込むだけで済む。また、母材のリップ溝形鋼12の材軸方向X全体に亘って開口部が形成されるので、リップ溝形鋼12の材軸方向Xの端部側から接合部材14を開口部に差し込むと共に、接合部材14を接合部の位置までスライドさせ易い。
(第2変形例)
また、図6に示すように、本開示では、溝形鋼の接合部材14が母材のリップ溝形鋼12の開口部の内側に配置される場合、接合部材14のフランジが、母材のフランジの内面に接触してもよい。図6中に例示された高力ボルト摩擦接合構造10であっても、高力ボルト16は、接合部材14の板状部14Aとしての溝形鋼のウェブと、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブのみとを接合する。このため、高力ボルト16の頭部が母材のリップ溝形鋼12のフランジの外面上に突出しない。
第2変形例では、接合部材14の板状部14Aであるウェブの高さを高くするだけで、接合部材14の断面積を容易に大きくできる。すなわち、接合部の耐力を稼ぎ易い。また、断面積が大きくされた分、接合部材14の溝形鋼の板厚を薄くできるので、一枚の鋼板を折り曲げて接合部材14を形成する際、曲げ加工が容易になる。
また、第2変形例では、接合部材14のウェブ高さが、母材のリップ溝形鋼12の開口部の開口幅(図6中の上下の一対のリップの間隔)より長い。このため、例えば、接合作業中、ボルト締めの前の段階で開口部の内側に接合部材14が配置された状態であっても、接合部材14が、母材のリップ溝形鋼12の開口部から抜け難い。結果、建築現場での、接合部材14の落下等を防止できるので、安全性を確保し易い。なお、接合作業の際には、ボルト締めに先立ち、接合部材14を、母材のリップ溝形鋼12の材軸方向Xの端部側から開口部に予め挿入すればよい。
(第3変形例)
また、図7に示すように、本開示では、接合部材14の形状は、溝形鋼に限定されず、1枚の板状部材であってもよい。第3変形例のように、接合部材14が1枚の板状部材であっても、高力ボルト16は、接合部材14の板状部14Aと、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブのみとを接合する。このため、高力ボルト16の頭部が母材のリップ溝形鋼12のフランジの外面上に突出しない。
図7中のリップ溝形鋼12は、F値500N/mmの1枚の鋼板を用いて折り曲げ成形される。リップ溝形鋼12のウェブ高さは89mm、フランジ幅は44.5mm、リップ長さは15mm、及び、板厚は2.2mmである。また、対向配置された一組のリップ溝形鋼12の材軸方向Xの間には、約5mmの隙間が形成される。
また、接合部材14は、F値235N/mmの1枚の鋼板を用いて折り曲げ成形される。接合部材14の材軸方向Xの長さは、525mmである。接合部材14の高さ(リップ溝形鋼12ウェブ高さ方向に沿った長さ)は、58mmであり、板厚は、16mmである。また、高力ボルト16は、溶融亜鉛めっき高力六角ボルト(F8T,M16)である。図7中では、12本の高力ボルト16が用いられた高力ボルト摩擦接合構造10が例示されている。
一方、図8中には、第1比較例に係るドリルねじ接合構造10Zの接合部が例示されている。第1比較例に係るドリルねじ接合構造10Zの接合部で、図7中に例示された高力ボルト摩擦接合構造10と同等の耐力が、ドリルねじ16Zを用いて実現される。第1比較例では、12本の高力ボルト16の代わりに、約120本のドリルねじ16Zで置き換える必要が生じる。ドリルねじ16Zの径は、φ4.8である。
図8中の一組の母材のリップ溝形鋼12の形状及び寸法は、図7中の一組の母材のリップ溝形鋼12の形状及び寸法と同様である。また、第1比較例では、接合部材14Zとして、溝形鋼を使用した。接合部材14Zは、F500の1枚の鋼板を用いて折り曲げ成形される。接合部材14Zの材軸方向Xの長さは、445mmである。接合部材14Zの溝形鋼のウェブ高さは96mm、フランジ幅は47.5mm、及び、板厚は3.0mmである。
高力ボルト16とドリルねじ16Zとの間の置き換え計算ではいずれも、接合部の短期耐力が、母材の短期耐力を超えるように設計した。具体的には、母材のリップ溝形鋼12の短期許容耐力Pyを、断面積Aと基準強度Fとの積(Py=A×F)によって、191.6kNで算出した。
そして、図8中の第1比較例に係るドリルねじ接合構造10Zについて、ドリルねじ16Zの1本あたりの耐力R1を、「薄板軽量形鋼構造建築物設計の手引き」(日本鉄鋼連盟、建築研究所)に記載の計算式に基づき、3.28kNで設定した。そして、短期許容耐力Pyをドリルねじ16Zの1本あたりの耐力R1で除して(Py/R1)、58.4[本]の値を得た。得た値に基づき、必要なドリルねじ16Zの本数を、片側のリップ溝形鋼12の1本あたり、60本で算出した。
また、図7中の高力ボルト摩擦接合構造10について、高力ボルト16の1本あたりの短期耐力R2を、すべり係数が0.4であるとの前提を用いて、34.1で設定した。そして、短期許容耐力Pyを高力ボルト16の1本あたりの短期耐力R2で除して(Py/R2)、5.6[本]の値を得た。得た値に基づき、必要な高力ボルト16の本数を、片側のリップ溝形鋼12の1本あたり、6本で算出した。
<ユニットトラス接合体>
次に、本実施形態に係るユニットトラス接合体100を、図9を参照して説明する。図9に示すように、ユニットトラス接合体100は、ユニットトラス20同士が、材軸方向Xに接合された建築構造物である。ユニットトラス接合体100は、材軸方向Xに沿った一定の屋根スパンを空けて配置された一対の壁材30の上側に架け渡される。
ユニットトラス20は、上弦材と、上弦材の下側に上弦材と離れて設けられた下弦材と、上弦材と下弦材とを連結する斜材と、を有する弦トラスをそれぞれ備える。本実施形態では、1つのユニットトラス20は、2つの弦トラスを有する。2つの弦トラスは、水平面内で材軸方向Xに直交する並列方向Yに間隔を空けて配置されると共に、並列方向Yに沿って延びる連結部材によって互いに連結される。
本実施形態では、上記の高力ボルト摩擦接合構造10で説明した、一組のリップ溝形鋼12が、接合される一組のユニットトラス20において材軸方向Xに互いに対向する一組の上弦材に対応して用いられる。また、一組のリップ溝形鋼12が、材軸方向Xに互いに対向する一組の下弦材にも対応して用いられる。換言すると、上弦材同士の接合部と下弦材同士の接合部との両方に、一組のリップ溝形鋼12と接合部材14と高力ボルト16と、によって、本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造10が形成される。
なお、本開示では、高力ボルト摩擦接合構造10が形成される位置は、これに限定されず、上弦材同士のみに形成されてもよいし、或いは、下弦材同士のみに形成されてもよい。すなわち、本開示では、対向する一組の上弦材、及び、対向する一組の下弦材のうち少なくとも一方に、高力ボルト摩擦接合構造10が形成されればよい。
ただし、ユニットトラス接合体100の上弦材の上側全体には、屋根材等の仕上げ材が設置される場合が多い。このため、接合部の上弦材のリップ溝形鋼12の上側フランジに不陸がないように、対向する一組の上弦材に高力ボルト摩擦接合構造10が形成されることが、仕上げ材を設置する施工の観点から好ましい。
<ユニットトラス接合体の連結構造>
次に、本実施形態に係るユニットトラス接合体の連結構造110を、図10~図13を参照して説明する。図10に示すように、ユニットトラス接合体の連結構造110は、複数のユニットトラス接合体100が、並列方向Yに沿って連結されることによって形成される。なお、図10中には、2つのユニットトラス接合体100が、板状の連結部材40によって連結された場合が例示されているが、本開示では、これに限定されず、例えば3つ等、2つ以上の任意の個数のユニットトラス接合体100が連結されてよい。
具体的な連結方法としては、例えば、連結部材40を、並列方向Yで隣接する上弦材の上側フランジの外面に跨って配置し、それぞれの上側フランジに固定できる。連結部材40の上には、仕上げ材としての屋根材等を設置できる。なお、本開示では、連結部材は、上弦材の上側フランジの外面以外の位置に取り付けられてもよい。例えば、連結部材は、並列方向Yで隣接する上弦材のウェブ同士に取り付けられてもよいし、或いは、隣接する上弦材の下側フランジ同士に取り付けられてもよい。また、連結部材は、下弦材に取り付けられてもよい。
なお、図10中では、並列方向Yで隣接する上弦材同士の接合部の構成として、母材のリップ溝形鋼12の開口部同士が対向する場合が例示されていた。また、接合部材14がそれぞれの母材において、隣接するリップ溝形鋼12側の端面Eから外側(端面Eを挟んで接合部材14が配置されている開口部と反対側)に突出しない場合が例示されていた。しかし、本開示では、並列方向Yで隣接するユニットトラス接合体100に接合部材14が干渉しない接合部の構成は、これに限定されない。
例えば、図11に示すように、並列方向Yに沿って、母材のリップ溝形鋼12の開口部同士が対向すると共に、接合部材14の溝形鋼のウェブが、それぞれの母材のリップ溝形鋼12のウェブの外面に接合されてもよい。なお、図11中では、見易さのため、高力ボルト16の図示を省略する。
なお、本開示では、図12(A)及び図13(A)に示すように、並列方向Yで隣接するユニットトラス接合体100のそれぞれの接合部材14は、同じ高さで、隣接するリップ溝形鋼12側の端面Eから外側に突出してもよい。なお、図12及び図13中では、見易さのため、高力ボルト16の図示を省略する。
図12(B)及び図13(B)に示すように、接合部材14が端面Eから外側に突出する場合、それぞれの接合部材14は、突出部が隣接するユニットトラス接合体100に干渉しないように、材軸方向Xにずれて配置される。図12(B)中には、平面視で、接合部材14の溝形鋼のフランジが矩形状である場合が例示されてもいる。また、図13(B)中には、平面視で、接合部材14の溝形鋼のフランジが5角形状である場合が例示されている。図13(B)の場合、図13(A)の場合に比べて材軸方向Xの突出部の幅が小さいため、接合位置をずらす長さを短くできる。
次に、本実施形態に係る高力ボルト摩擦接合構造10の実施例を、図14~図20を参照して説明する。本実施例では、高力ボルト摩擦接合構造10の接合部の解析モデルを複数設定した。
解析モデルは、図14に示すように、高力ボルト摩擦接合構造10の接合部の断面形状に基づき、タイプA~タイプEの5つのタイプに大きく分類される。タイプA、タイプB及びタイプCの接合部材14は、母材のリップ溝形鋼12のウェブの内面上に配置される。タイプAの接合部材14は、1枚の板状部材であると共に、タイプB及びタイプCのそれぞれの接合部材14は、溝形鋼である。
また、タイプD及びタイプEの接合部材14は、母材のリップ溝形鋼12の開口部の外面上に配置される。タイプDの接合部材14は、1枚の板状部材であると共に、タイプEの接合部材14は、溝形鋼である。タイプA~タイプEの5つの接合部材14のそれぞれの断面積は、同じである、すなわち、単位長さ当たりの接合部材14の重量は、いずれも同じであるように、それぞれの断面形状における各部分の寸法を設定した。
また、タイプBの接合部材14の図心は、母材のリップ溝形鋼12の図心より、リップ溝形鋼12のウェブ側(図14中の右側)に位置する。タイプCの接合部材14の図心は、母材のリップ溝形鋼12の図心より、リップ溝形鋼12のウェブと反対側(図14中の左側)に位置する。
そして、図14中の上段に例示された、タイプA~タイプEの5つのタイプに応じた高力ボルト摩擦接合構造10の解析モデルを設定した。解析モデルでは、母材である一組のリップ溝形鋼12の形状及び寸法は、互いに同じであるように設定した。すなわち、一組のリップ溝形鋼12の断面形状は、互いに同じである。
また、図14中の中段では、耐力に関し、接合部材14の曲げ剛性と、「耐力/剛性」とについての評価が、A~Dの4段階で示されている。「耐力/剛性」は、換言すると、断面2次モーメントが同等である場合に得られる耐力を意味する。評価は、4段階中で「A」が最も高く、「D」に向かうに従って低くなる。曲げ剛性については、タイプCの接合部材14が最も高いが、「耐力/剛性」は、タイプBが最も高い。耐力については、後で具体的に説明する。
また、図14中の下段では、作業性及び施工性に関し、フランジ面の不陸と、摩擦面処理についての作業性と、「重量/剛性」についての作業性と、隣接するユニットトラスへの干渉についての評価が、A~Dの4段階で示されている。「重量/剛性」は、換言すると、断面2次モーメントが同等である場合の重量を意味する。評価の意味は、耐力の場合と同様である。摩擦面処理についての作業性は、接合部材14が母材のリップ溝形鋼12のウェブの外面に接合されるタイプD及びタイプEの評価が、作業者が開口部に手を差し込む必要が生じないため、タイプA~タイプCの評価より高い。
また、表1中に、高力ボルト摩擦接合構造10の接合部の耐力を、母材のリップ溝形鋼12の各部分の寸法及び形状、並びに、接合部材14の各部分の寸法及び形状を異ならせつつ、解析によって測定した結果を示す。
Figure 0003236803000002
表1中のケース1-1からケース1-5までの7つのケースと、ケース3と、ケース4-1からケース4-5までの5つのケースとは、溝形鋼の接合部材14がリップ溝形鋼12のウェブの外面に接合する、図14中のタイプEに属する。ケース1-1からケース1-5までの7つのケースと、ケース4-1からケース4-5までの5つのケースとは、リップを有さない溝形鋼であると共に、ケース3はリップを有するリップ溝形鋼である。
また、表1中のケース2-1からケース2-5-3までの7つのケースは、溝形鋼の接合部材14がリップ溝形鋼12のウェブの内面に接合する、図14中のタイプB又はタイプCに属する。ケース2-1からケース2-3までの3つケースは、図14中のタイプBに属する。また、ケース2-4からケース2-5-3までの4つのケースは、図14中のタイプCに属する。また、表1中のケースのうち最上段に位置するケース0は、接合部材14が用いられない1本のリップ溝形鋼の場合であり、図14中のいずれのタイプにも属さない。
耐力の解析に際し、高力ボルト摩擦接合構造10の材軸方向Xの両端部の境界条件として、一端側については、材軸方向X、並列方向Y及び垂直方向の変位をいずれも拘束すると共に、材軸方向Xを中心軸とする回転は自由であるように設定した。また、他端側については、材軸方向X以外の、並列方向Y及び垂直方向の変位を拘束すると共に、材軸方向Xに強制変位するように設定した。すなわち、リップ溝形鋼12がユニットトラスの上弦材又は下弦材として採用された場合の変位を仮定した。また、他端側の材軸方向Xを中心軸とする回転は自由であるように設定した。
また、解析では、母材のリップ溝形鋼12と接合部材14との間で、すべりは生じないように設定した。リップ溝形鋼12は、高強度鋼板として、降伏強度を500MPaに設定した。また、接合部材14の降伏強度を235MPaに設定した。また、表1中に記載された耐力の値は、図15に示すように、弾性限界時点での荷重である。図15中には、3つのケースの軌跡のそれぞれの弾性限界時点での荷重の値が例示されている。
また、図15中の1点鎖線の軌跡は、表1中のケース0に係る解析モデルの軌跡である。ケース0に係る解析モデルでは、接合部材14が設けられることなく、材軸方向Xの長さLを有する1本のリップ溝形鋼が用いられる。ケース0のリップ溝形鋼の材軸方向Xの長さL以外の解析条件については、実施例のリップ溝形鋼12の解析条件と同様である。図15に示すように、3つの実施例はいずれも、ケース0に比べ、大きな耐力を有することが分かる。
また、表1中のケース1-3-1、ケース1-3-2、及びケース1-3-3では、接合部材14の長さlのみを変化させて、それぞれの耐力を解析した。ケース1-3-2の接合部材14の長さlは、ケース1-3-1の接合部材14の長さlの約1.78倍である。また、ケース1-3-3の接合部材14の長さlは、ケース1-3-2の接合部材14の長さlの約1.43倍である。
しかし、ケース1-3-1とケース1-3-2とのそれぞれの耐力は、57kNであると共に、ケース1-3-3の耐力は、58kNである。すなわち、3つのケースの耐力は、ほぼ同じである。このため、接合部材14がウェブの外面に接合される場合、得られる耐力に対する接合部材14の長さlの影響は、比較的小さいことが分かる。
同様に、表1中のケース2-5-1、ケース2-5-2、及びケース2-5-3でも、接合部材14の長さlのみを変化させて、それぞれの耐力を解析した。ケース2-5-2の接合部材14の長さlは、ケース2-5-1の接合部材14の長さlの約1.78倍である。また、ケース2-5-3の接合部材14の長さlは、ケース2-5-2の接合部材14の長さlの約1.43倍である。
しかし、ケース2-5-1の耐力は、141kNである。また、ケース2-5-2の耐力は、139kNである。また、ケース2-5-3の耐力は、140kNである。すなわち、3つのケースの耐力は、ほぼ同じである。このため、接合部材14がウェブの内面に接合される場合であっても、得られる耐力に対する接合部材14の長さlの影響は、比較的小さいことが分かる。
(変形状態)
ここで、接合部の変形状態について具体的に説明する。図14に示すように、タイプA及びタイプBの接合部材14は、同じ変形モード(a)を有する。また、タイプCの接合部材14は、変形モード(b)を有する。また、タイプD及びタイプEの接合部材14は、同じ変形モード(c)を有する。
図16中には、変形モード(a)を有するタイプBの接合部材14が用いられた高力ボルト摩擦接合構造10が例示されている。また、図17中には、変形モード(b)を有するタイプCの接合部材14が用いられた高力ボルト摩擦接合構造10が例示されている。図18中には、変形モード(c)を有するタイプEの接合部材14が用いられた高力ボルト摩擦接合構造10が例示されている。なお、図16~図18のそれぞれのコンター図中では、他の部分より濃い色が付された領域である程、基準位置からのY方向の変位量が大きいことを意味する。
図16(A)に示すように、タイプBでは、溝形鋼の接合部材14が、母材のリップ溝形鋼12のウェブの内面上に配置されると共に、接合部材14の図心は、リップ溝形鋼12の図心よりリップ溝形鋼12のウェブ側に位置する。そして、図16(B)に示すように、高力ボルト摩擦接合構造10の材軸方向Xの中央部の接合部の変形量が最も大きい。接合部は、母材のリップ溝形鋼12のウェブが、引張方向に変形、すなわち、リップ側からウェブ側に突出するように変形する。
また、図17(A)に示すように、タイプCでは、溝形鋼の接合部材14が、母材のリップ溝形鋼12のウェブの内面上に配置されると共に、接合部材14の図心は、リップ溝形鋼12の図心よりリップ溝形鋼12のウェブと反対側に位置する。そして、図17(B)に示すように、高力ボルト摩擦接合構造10の材軸方向Xの中央部の接合部の変形量が最も大きい。ただし、タイプBの場合とは逆に、接合部は、母材のリップ溝形鋼12のウェブが、圧縮方向に変形、すなわち、ウェブ側からリップ側に突出するように変形する。
また、図18(A)に示すように、タイプEでは、溝形鋼の接合部材14が、母材のリップ溝形鋼12のウェブの外面上に配置される。そして、図18(B)に示すように、高力ボルト摩擦接合構造10の材軸方向Xの中央部の接合部の変形量が最も大きい。接合部は、母材のリップ溝形鋼12のウェブが、引張方向に変形、すなわち、リップ側からウェブ側に突出するように変形する。
(接合部の塑性化の位置と要因)
次に、タイプB、タイプC及びタイプEのそれぞれの変形モードにおける接合部材14の塑性化の位置と要因について、図19を参照して説明する。なお、図19中では、説明の便宜上、圧縮応力が生じる領域に斜線のパターンが付されると共に、引張応力が生じる領域に点状のパターンが付されている。
図19に示すように、変形モード(a)を有するタイプBでは、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とに、材軸方向Xの圧縮による圧縮応力が生じる。一方、接合部材14に加えられる変形モード(a)の曲げによる応力に起因して、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とに、引張応力が生じる。また、フランジのウェブと反対側の領域に、圧縮応力が生じる。
結果、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とでは、圧縮応力と引張応力とが互いに打ち消し合う。このため、タイプBでは、接合部材14の塑性化の主な要因は、接合部材14の曲げによる応力であると共に、塑性化の位置は、フランジのウェブと反対側の領域である。
また、変形モード(b)を有するタイプCでは、タイプBの場合と同様に、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とに、材軸方向Xに加えられる圧縮に起因した圧縮応力が生じる。一方、接合部材14に加えられる変形モード(b)の曲げによる応力に起因して、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とに、圧縮応力が生じる。また、フランジのウェブと反対側の領域に、引張応力が生じる。
結果、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とでは、2つの圧縮応力が重なる。このため、タイプCでは、接合部材14の塑性化の主な要因は、接合部材14の材軸方向Xの圧縮による応力と、曲げによる応力との両方であると共に、塑性化の位置は、ウェブとフランジのウェブ側の領域とである。
また、変形モード(c)を有するタイプEでは、タイプB及びタイプCの場合と同様に、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とに、材軸方向Xに加えられる圧縮に起因した圧縮応力が生じる。一方、接合部材14に加えられる変形モード(c)の曲げによる応力に起因して、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とに、タイプCの場合と同様に、圧縮応力が生じる。また、フランジのウェブと反対側の領域に、引張応力が生じる。
結果、接合部材14のウェブとフランジのウェブ側の領域とでは、2つの圧縮応力が重なる。このため、タイプEでは、タイプCの場合と同様に、接合部材14の塑性化の主な要因は、接合部材14の材軸方向Xの圧縮による応力と、曲げによる応力との両方であると共に、塑性化の位置は、ウェブとフランジのウェブ側の領域とである。
図20中のグラフには、表1中のそれぞれのケースの耐力の値と断面2次モーメントの値とがプロットされると共に、変形モード毎にグループ分けされた状態が例示されている。また、図20中には、4つのケースのそれぞれについて計算された近似直線が描かれている。
変形モード(a)のケースの近似直線と変形モード(c)の2つのケースの近似直線とから分かるように、接合部材14の断面2次モーメントが同等である場合、変形モード(a)の方が、変形モード(c)に比べて大きな耐力を得ることができる。変形モード(a)と変形モード(c)とは、接合部材14の変形状態は同じであるが、変形モード(a)では、接合部材14がウェブの内面に接合される。
このため、変形モード(a)の場合、母材と接合部材14との偏心距離が、接合部材14がウェブの外面に接合される変形モード(c)より小さくなる。結果、偏心により接合部に作用する曲げモーメントが小さくなるため、変形モード(a)の方が、変形モード(c)に比べて大きな耐力を得ることができる。
以上より、接合部材14の断面2次モーメントが同等である場合、接合部材14を母材のリップ溝形鋼12のウェブの外面に接合するより、内面に接合する方が、接合部の耐力を大きくし易い。
(作用効果)
本実施形態では、高力ボルト16は、接合部材14の板状部14Aと一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブのみとを貫通する。このため、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのフランジの上には、いずれも、高力ボルト16の頭部が突出しない。結果、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのフランジ面を面一に揃え易いので、接合部のフランジ面の不陸を防止できる。
また、接合作業では、材軸方向Xに隣接する一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブの両方に対して、接合部材14の板状部14Aが重ねられる。ここで、リップ溝形鋼12のウェブの表面は、リップ間の開口部の内側となる内面であっても、或いは、開口部の外側となる外面であっても、外部に露出している。
結果、外部からウェブの表面を視認し易いので、例えばボルト締めのため、ウェブの表面上に接合部材14を接触させる位置を合わせる作業の際、隣接するそれぞれのウェブの表面上の所望の位置に接合部材14を移動させ易い。このため、例えば、一組の中空H形鋼の中空部の内側に接合部材14を差し込んで一組の中空H形鋼同士を接合する作業と比べ、接合作業の負担を抑制できる。
なお、本開示では、図7に示すように、接合部材14は、溝形鋼でなく、1枚の板状部材であってもよい。接合部材14が1枚の板状部材であっても、材軸方向Xの長さを、接合部材14が溝形鋼である場合よりも長く設定することや、材軸方向Xの長さに応じて高力ボルト16の個数を設定することによって、接合部における局所的な応力集中を防止できる。
また、本実施形態では、接合部材14の弱軸方向(ウェブの板面の面外方向)の曲げ剛性が高められるので、接合部材14が板状部材である場合と比べ、高力ボルト接合によってウェブと接合部材14との接合部に生じる偏心曲げに対する抵抗力を高めることができる。
また、接合部材14が1枚の板状部材である場合、板厚を大きく確保することによって断面積を大きくすれば、曲げ剛性を高めることが可能であるが、板厚が大きくなる分、接合部材14の重量が重くなる。接合部材14の重量が重くなると、接合部材14の取り扱いに手間がかかるため、建築現場での接合作業の負担が大きくなり、結果、接合作業の作業性が低下する。
接合部材14が溝形鋼である場合、接合部材14が1枚の板状部材である場合と比べ、板厚を小さくしても、同等の断面2次モーメントを確保し易い。このため、接合部材14の重量を抑制でき、結果、接合部材14が1枚の板状部材である場合と比べ、建築現場での接合作業の負担を軽減できる。
また、高力ボルト16は、接合部材14の溝形鋼のウェブと、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブのみとを貫通する。換言すると、接合部材14の溝形鋼のフランジと、一組のリップ溝形鋼12のフランジとは平行に延びる。結果、作業者が開口部から接合位置に手を差し込み易いので、接合作業が容易になる。
ここで、例えば、母材が中空H形鋼である場合、中空H形鋼は、材軸方向Xに直交する垂直面で切断された断面中、フランジ幅方向の中心を通る垂直線に対して、対称的な構造を有する。このため、母材の断面の構造が対称的である場合、母材の断面の構造が非対称的である場合と比べ、ウェブ同士のみを接合しても、接合部に生じる偏心曲げが接合部の耐力低下に及ぼす影響は小さい。
一方、本実施形態では、断面の構造が非対称的であるリップ溝形鋼12が、母材として用いられるため、母材が中空H形鋼等、断面の構造が対称的である場合に比べ、接合部に生じる偏心曲げが接合部の耐力低下に及ぼす影響は大きい。しかし、接合部材14として溝形鋼が用いられるため、接合部の弱軸曲げ性能が高められる。また、接合部において局所的な応力集中を防止するように、接合部材14の材軸方向Xの長さや高力ボルト16の個数等が設定される。このため、ウェブ同士のみが接合されても、接合部の耐力低下を効果的に抑制できるばかりか、接合部の無い部材に比べて耐力を向上させることもでき、接合部材14による部材の補強構造を実現することができる。
また、本実施形態では、接合部材14が母材のリップ溝形鋼12のウェブの外面、すなわち、いわゆる背面に配置されることによって、接合部材14の溝形鋼のフランジが、母材のリップ側に突出しない。接合部材14がリップ溝形鋼12のウェブの内面に配置される場合、母材の一対のリップに挟まれた開口部内に手を差し込む必要が生じる。しかし、接合部材14がウェブの外面に配置されることにより、開口部内に手を差し込む必要が生じない。このため、接合作業の施工性が高い。また、高力ボルト接合の際に求められる、母材における接合部材14との接触面に対する摩擦面処理を施し易い。
また、図14に示すように、断面積が同じであれば、接合部材14が一組のリップ溝形鋼12のそれぞれのウェブの内面に配置される場合、接合部材14がウェブの外面に配置される場合と比べ、耐力を高めることができる。
また、図14及び図20に示すように、断面積が同じであれば、接合部材14の溝形鋼の図心が、母材であるリップ溝形鋼12の図心よりリップ側に位置する場合、リップ溝形鋼12の図心よりウェブ側に位置する場合と比べ、耐力をより高めることができる。
また、本実施形態では、ユニットトラス接合体100を構成するために用いられる高力ボルト摩擦接合構造10において、一組のリップ溝形鋼12のそれぞれの断面形状と接合部材14の断面形状とは、いずれも同じである。このため、ユニットトラス接合体100を構成する部材の種類を全体的に軽減できる。
また、本実施形態では、一組のリップ溝形鋼12と接合部材14とは、いずれもめっき鋼板で形成される。このため、薬剤塗布による摩擦面処理が可能となり、一組のリップ溝形鋼12を接合部材14を用いて接合するだけで、めっき層を有する高力ボルト摩擦接合構造10を得ることができる。結果、母材のリップ溝形鋼12や接合部材14のそれぞれについての摩擦面処理の負担を軽減できる。
また、本実施形態に係るユニットトラス接合体100では、接合部に高力ボルト摩擦接合構造10が形成される。このため、建築現場で、接合部の一組のリップ溝形鋼12のフランジの外面上の不陸を防止できる。
また、本実施形態に係るユニットトラス接合体100では、高力ボルト摩擦接合構造10が一組の上弦材の接合部に形成される。このため、上弦材のリップ溝形鋼12のフランジの外面上の不陸を防止できるので、フランジの上に屋根材等の建築部材を設置し易い。
また、本実施形態に係るユニットトラス接合体の連結構造110では、ユニットトラス接合体100が、複数、水平面内で材軸方向Xに直交する並列方向Yに沿って連結されるので、ユニットトラス接合体100単独の場合より、大きな屋根材を上側に設置できる。
また、本実施形態に係るユニットトラス接合体の連結構造110では、図11に示すように、隣り合うユニットトラス接合体のリップ溝形鋼12は、並列方向Yに沿ってリップ側同士が向かい合う。また、それぞれの接合部材14は、リップ溝形鋼12のそれぞれのウェブの外面に接触すると共に同じ高さに形成される。しかし、同じ高さに形成された接合部材14は、接合部のリップ溝形鋼12において並列方向Yで隣接するリップ溝形鋼12側の端面Eから、並列方向Yで隣接するリップ溝形鋼12と反対側に位置する。すなわち、並列方向Yで隣接するリップ溝形鋼12側に突出しない。このため、ユニットトラス接合体100の接合部材14が、並列方向Yで隣接するユニットトラス接合体100に干渉することを回避できる。
また、並列方向Yで隣接するユニットトラス接合体100のそれぞれの接合部材14が、同じ高さに形成され、かつ、接合部のリップ溝形鋼12において並列方向Yで隣接するリップ溝形鋼12側の端面Eから、並列方向で隣接するリップ溝形鋼側に突出してもよい。図12及び図13に示すように、外側に突出したそれぞれの接合部材14が、材軸方向Xにおいてずれて配置されることによって、並列方向Yにおいて、隣接するユニットトラス接合体100の間隔が拡がることを抑制できる。結果、接合部材14の形状及び寸法に限定されることなく、隣接するユニットトラス接合体100の間隔を設計可能になるので、施工に支障が生じない。
<その他の実施形態>
本開示は、上記の実施形態によって説明されたが、この説明は、本開示を限定するものではない。本開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。
(第4変形例)
例えば、本開示では、接合部材14の溝形鋼の断面形状は、C字状に限定されない。例えば、図21に示すように、接合部材14がZ字状の断面を有するZ形鋼であってもよい。図21中に例示された第4変形例に係るZ形鋼の接合部材14の場合、Zの下側に棒状部分に対応する下側のフランジの上面が、母材の下側フランジの下面に接触する。
第4変形例に係るZ形鋼の接合部材14の場合であっても、母材のリップ溝形鋼12のウェブ同士のみが接続されると共に、母材のリップ溝形鋼12のフランジからは、高力ボルト16は突出しない。第4変形例に係るZ形鋼の接合部材14の場合であっても、母材のリップ溝形鋼12の上側フランジの上面と、接合部材14のZ形鋼の上側フランジの上面とに、不陸は形成されない。
また、第4変形例に係るZ形鋼の接合部材14の場合、母材の図心と接合部材14の図心との位置関係は、図14中のタイプEの場合における母材の図心と接合部材14の図心との位置関係と同様である。このため、接合構造に対して、材軸方向Xに沿った強制変位を加えると、タイプEの変形モードと同様の変形モードが生じる。結果、Z形鋼の接合部材14が用いられた接合構造によれば、接合部材14の曲げ剛性に応じて溝形鋼の接合部材14と同様の効果を得ることができる。
また、図1~図21中に示された構成を部分的に組み合わせて、本開示を構成することもできる。本開示は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本開示の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の考案特定事項によってのみ定められるものである。
10 高力ボルト摩擦接合構造
10Z ドリルねじ接合構造
12 リップ溝形鋼
14 接合部材
14A 板状部
14Z 接合部材
16 高力ボルト
16Z ドリルねじ
20 ユニットトラス
30 壁材
40 連結部材
100 ユニットトラス接合体
110 ユニットトラス接合体の連結構造
E 端面
X 材軸方向
Y 並列方向

Claims (12)

  1. 材軸方向の端面を互いに対向させて配置された一組のリップ溝形鋼と、
    一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブに接触する板状部を有する接合部材と、
    前記接合部材の板状部と一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブのみとを貫通する高力ボルトと、
    を有する高力ボルト摩擦接合構造。
  2. 前記接合部材は、溝形鋼であり、
    前記高力ボルトは、前記板状部としての前記接合部材の溝形鋼のウェブと、一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブのみとを貫通する、
    請求項1に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
  3. 前記接合部材は、一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブの外面に接触する、
    請求項1又は2に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
  4. 前記接合部材は、一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブの内面に接触する、
    請求項1又は2に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
  5. 一組のリップ溝形鋼の断面形状は互いに同じであり、
    前記接合部材は、溝形鋼であり、
    断面中で、前記接合部材の図心は、リップ溝形鋼の図心よりリップ溝形鋼のリップ側に位置する、
    請求項4に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
  6. 前記接合部材は、一組のリップ溝形鋼のそれぞれのウェブの外面に接触し、
    一組のリップ溝形鋼のそれぞれの断面形状と前記接合部材の断面形状とは、いずれも同じである、
    請求項1に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
  7. 一組のリップ溝形鋼と前記接合部材とは、いずれもめっき鋼板で形成される、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の高力ボルト摩擦接合構造。
  8. 上弦材と、上弦材の下側に上弦材と離れて設けられた下弦材と、上弦材と下弦材とを連結する斜材と、をそれぞれ備えるユニットトラス同士が材軸方向に接合されたユニットトラス接合体であって、
    材軸方向に互いに対向する一組の上弦材が、前記一組のリップ溝形鋼である、又は、材軸方向に互いに対向する一組の下弦材が、前記一組のリップ溝形鋼であり、
    一組の上弦材又は一組の下弦材と、前記接合部材と、前記高力ボルトとによって、請求項1~7のいずれか一項に記載の高力ボルト摩擦接合構造が形成された接合部を有するユニットトラス接合体。
  9. 高力ボルト摩擦接合構造が、一組の上弦材の接合部に形成される、
    請求項8に記載のユニットトラス接合体。
  10. 請求項8又は9に記載のユニットトラス接合体が、複数、水平面内で材軸方向に直交する並列方向に沿って連結された、
    ユニットトラス接合体の連結構造。
  11. 請求項3、請求項6、及び、請求項3又は請求項6を引用する請求項7のいずれか一項に記載の高力ボルト摩擦接合構造が形成された接合部を有する請求項10に記載のユニットトラス接合体の連結構造であって、
    並列方向で隣接する前記ユニットトラス接合体のそれぞれの前記接合部材は、同じ高さに形成され、
    それぞれの前記接合部材は、接合部のリップ溝形鋼において並列方向で隣接するリップ溝形鋼側の端面から、並列方向で隣接するリップ溝形鋼と反対側に位置する、
    ユニットトラス接合体の連結構造。
  12. 請求項4、請求項5、及び、請求項4又は請求項5を引用する請求項7のいずれか一項に記載の高力ボルト摩擦接合構造が形成された接合部を有する請求項10に記載のユニットトラス接合体の連結構造であって、
    並列方向で隣接する前記ユニットトラス接合体のそれぞれの前記接合部材は、同じ高さに形成され、
    それぞれの前記接合部材は、接合部のリップ溝形鋼において並列方向で隣接するリップ溝形鋼側の端面から、並列方向で隣接するリップ溝形鋼側に突出し、
    突出したそれぞれの接合部材は、材軸方向においてずれて配置される、
    ユニットトラス接合体の連結構造。
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