JP3236786U - マスク - Google Patents
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Abstract
【課題】使用された芳香剤による香りを効率よくマスク着用者に作用させるマスクを提供する。【解決手段】マスクが顔面被覆部2と耳掛け部3とを有し、顔面被覆部2が少なくとも2枚の通気性シートを含む。マスクは、その全体が香り付けされていて、かつ、その全体では香りの強さの分布に偏りがある。マスクには、高親水性の部位と低親水性の部位とがあって、香りの強さの分布における偏りは、高親水性の部位における香りが低親水性の部位における香りよりも強い。【選択図】図1
Description
本考案は、マスクに関し、より詳しくは芳香剤を含有するマスクに関する。
防じん等を目的に着用される簡易な構造のマスクは周知である。また、このようなマスクであって、顔面被覆部に芳香剤を含有するマスクは公知でもあり、周知でもある。
例えば、特許文献1に記載のマスクは、芳香剤としてメントールを含有するものであって、メントールがメントール徐放化保持体に保持されている。メントールが、風邪、鼻炎等による、くしゃみ、鼻汁、鼻づまりの予防、改善に有用であることは、よく知られており、芳香剤料としてもよく知られている。保持体は、微多孔性の中空繊維からなる繊維状物質の綿状物、布、不織布等の面状体である。
また、特許文献2には、香料含有不織布シートを有するマスクが開示されている。この香料含有不織布シートは、香料を含有するマイクロカプセルを含んでいる。マイクロカプセルは、手でたたいたり、もんだりするように外力を加えることによって容易に破壊し、香りを放つことができるもので、その香りはマスク着用者の鼻腔粘膜を刺激することができる。
芳香剤であるメントールを徐放化保持体に保持させる前記従来技術には、マスクに含有させる芳香剤の分布状態に基づいて芳香剤を効率よくマスク着用者に作用させることまでの開示はない。
また、香料を含有するマイクロカプセルを含んだ不織布で通気部が形成されているマスクでは、それを着用するまでの間に芳香成分が揮散することを防ぐことはできるが、その通気部に対する外力の加え方、例えば不織布の表面積のうちのどの程度の面積に対して力を加えればよいのかというようなことによって、放たれる芳香の度合いは変化することがある。また、そのようなマイクロカプセルが使用されているマスクであることを知らずにそのマスクを着用した場合には、芳香を感じ取ることができない、ということがある。
そこで、本考案では、マスクに使用された芳香剤による香りの分布状態に着目して、その芳香剤による香りを効率よくマスク着用者に作用させることを課題にしている。
前記課題を解決するために、本考案が対象とするのは、顔面被覆部と耳掛け部とを有し、前記顔面被覆部が互いに重なり合う少なくとも2枚の通気性シートを含むマスクである。
かかるマスクにおいて、本考案が特徴とするところは、前記顔面被覆部と前記耳掛け部とを有する前記マスクの全体が芳香剤による香り付けをされていて、かつ、前記全体では前記香り付けによる香りの強さの分布に偏りがあること、にある。
かかるマスクにおいて、本考案が特徴とするところは、前記顔面被覆部と前記耳掛け部とを有する前記マスクの全体が芳香剤による香り付けをされていて、かつ、前記全体では前記香り付けによる香りの強さの分布に偏りがあること、にある。
本考案の実施態様の一つにおいて、前記マスクには、高親水性の部位と低親水性の部位とがあって、前記香りの強さの分布における偏りは、前記高親水性の部位における前記香りが前記低親水性の部位における前記香りよりも強い。
本考案の実施態様の他の一つにおいて、前記高親水性の部位が前記顔面被覆部であり、前記低親水性の部位が前記耳掛け部である。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記高親水性の部位が記耳掛け部であり、前記低親水性の部位が前記顔面被覆部である。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記顔面被覆部には、前記高親水性の部位と前記低親水性の部位とがある。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記顔面被覆部は、通気性の内面シートと通気性の外面シートとを含む複数枚の通気性シートの積層体であって、前記内面シートは、前記顔面被覆部の最内側面を形成しているものであって、前記マスク着用者の顔面と対向する位置にあり、前記外面シートは、前記顔面被覆部の最外側面を形成するものであり、前記内面シートと前記外面シートとのうちのいずれか一方が前記高親水性の部位であり、もう一方が前記低親水性の部位である。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記顔面被覆部は、前記内面シートと前記外面シートとのうちのいずれか一方のシートに親水性のインクを使用した印刷部が形成され、前記印刷部が形成された前記一方のシートが前記高親水性部位である。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記高親水性の部位となる前記通気性シートは、親水化処理された熱可塑性合成繊維を含んでいる。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記香りの強さの分布の偏りは、前記マスクを構成している部位のうちで、単位面積当たりの質量の高い部位において前記香りの強さが強く、単位面積当たりの質量の低い部位において前記香りの強さが低い態様である。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記単位面積当たりの質量の高い部位と前記単位面積当たりの質量の低い部位とが前記顔面被覆部にあって、前記顔面被覆部における前記少なくとも2枚の通気性シートのうちの1枚は、単位面積当たりの質量の高い通気性シートであり、前記通気性シートのうちのもう1枚は前記単位面積当たりの質量の低いシートである。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記顔面被覆部は、前記通気性シートの重なり合う枚数の多い部位と少ない部位とがあって、前記多い部位が、前記単位面積当たりの質量の前記高い部位となり、前記少ない部位が前記低い部位となる。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記顔面被覆部が少なくとも3枚の通気性シートの積層体であって、前記積層体における前記内面シートの前記香りの強さが前記積層体におけるその他の通気性シートの前記香りの強さよりも強い。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記マスクが前記マスクの着用者の顔面における縦方向と横方向とに対応する縦方向と横方向とを有し、前記顔面被覆部には、前記縦方向において山折り部と谷折り部とが並ぶことによって、前記横方向へ延びる少なくとも一条の襞が形成されているものであり、前記顔面被覆部では前記襞における襞かげの部分と襞かげ以外の部分との間において前記香りの強さの分布に偏りがある。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記マスクは、1枚または複数枚がガスバリア性の袋に密封された状態で前記マスクの最終的需要者に供給されるものである。
本考案に係るマスクは、芳香剤によってマスクの全体が香り付けされているとともに、その香りの強さの分布に偏りを持たせたから、着用したマスクが顔面に対して動くと、香りの強い部分と香りの弱い部分とを通過した外気が交互にマスク着用者の嗅覚を刺激して、マスク着用者は香りの存在を容易に知覚することができる。
図面は、本開示に係る本考案の特定の実施の形態を示し、考案の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本考案に係るマスクの一例であるマスクの部分破斜視図。
本考案に係るマスクの他の一例であるマスクの部分破断平面図。
図2におけるIII-III線切断面を示すマスクの斜視図。
図2のマスクの着用状態を例示する図。
本考案に係るマスクのさらに他の一例であるマスクの斜視図。
個袋に封入されているときの図1のマスクを示す図。
添付の図面を参照して、本考案に係るマスクの詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1は、本考案に係るマスクの一例であるマスク1の部分破断斜視図である。マスク1は、マスク着用者(図示せず)の鼻孔と口許とを覆うことができ、少なくとも一部分が通気性である顔面被覆部2と、顔面被覆部2と一体を成していてマスク着用者の左右の耳のそれぞれに掛けまわすことのできる一対の耳掛け部3とを有する。顔面被覆部2はまた、マスク着用者の顔面と対向する内面2aとその反対面である外面2bとを有するとともに、顔面の横方向と上下方向とに対応して互いに直交して延びる横方向Xと縦方向Y、およびこれら両方向X,Yに直交する前後方向Zを有する。さらに、顔面被覆部2は、内面2aと外面2bとが広がる方向である面方向Sを有する。マスク1において、内面2aから外面2bに向かう方向とその反対方向とは、顔面被覆部2の厚さ方向である。
かかるマスク1は、実質的な意味において鏡面対称を成す右半体21と左半体22とを有し、これら両半体21,22がマスク1の横方向Xの寸法を二等分する中心線Cに一致して縦方向Yへ湾曲しながら延びる接合線30において溶着または接着により接合され、一体化している。なお、ここでいう「実質的」とは、微少な形状や構造を除き、形状がほぼ一致しているという程度の意味である。マスク1はまた、接合線30が、前後方向Zの前方に向かって凸となるように湾曲している。右半体21と左半体22のそれぞれの顔面被覆部2における後端部31では、顔面被覆部2の内面2aに対して多数の溶着スポット31を介して耳掛け部3が取り付けられている。右半体21と左半体22それぞれの頂辺部34には、塑性変形可能な金属薄片がノーズクリップ35として取り付けられている。ノーズクリップ35は、カバーシート36によって被覆され、これら両者35,36は接着または溶着により顔面被覆部2の頂部34に固定されている。
右半体21と左半体22とにおいて、顔面被覆部2を形成している内面シート6と外面シート7とには、ポリエチレンやポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の熱可塑性合成繊維であって、繊度1-5dtxのものを使用したスパンボンド不織布やメルトブローン不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布(SMS不織布)等の不織布が、好ましくは10-50g/m2の坪量で使用される。内面シート6と外面シート7とは、いずれもフィルター層として使用することができるが、いずれか一方をフィルター層とし、もう一方を保形層とするように使い分けることができる。また、内面シート6と外面シート7との間には、追加的なフィルター層や保形層として作用する中間層を介在させることができる。その中間層としては、10-30g/m2の坪量を有するメルトブローン不織布等の不織布を少なくとも1枚または複数枚重ね合わせて使用することができる。
右半体21と左半体22とにつながる耳掛け部3の一例では、熱可塑性エラストマーによって形成された弾性糸を含む熱可塑性合成繊維の不織布が使用されている。
このように構成されているマスク1は、マスク1を形成しいている顔面被覆部2と耳掛け部3とを有するマスク1の全体に対して芳香剤を使用することによる香り付けが施されている。また、本考案において使用する芳香剤は、その種類が特に限定されるものではなく、例えばメントールやカモミール、ユーカリ、ラベンダー、オレンジ等の精油によって代表される香料成分であり、これらの香料成分は、例えばアルコールやアセトン等を溶媒とする溶液の状態で適用される。マスク1に香り付けをするには、その溶液をマスク1の全体またはマスク1として組み立てる前のマスク1の個々の構成部材に対してスプレーすること、マスク1の全体またはマスク1として組み立てる前の個々の構成部材をその溶液に浸漬すること、その溶液の蒸発成分が充満している室内にマスク1の全体またはマスク1の構成部材を所要時間放置すること等の処理方法を採用することができる。また、マスク1の個々の構成部材の連続体、例えば内面シート6を得るための不織布の連続体や耳掛け部3を得るための不織布の連続体等を予め香り付けしておいてから、それらの連続体を使用してマスク1を組み立てることもできる。香り付けするためのこれらの方法では、溶液における芳香成分の濃度や処理時間等を調整することによって、香り付けした後の香りの強さを調整することができる。なお、マスク1において、香り付けした部位の香りの強さを測定する方法は、後記のとおりである
このようにして香り付けするマスク1の一例においては、マスク1の顔面被覆部2と耳掛け部3とに、例えばメントールを30-100g/m2の割合で含有させて、マスク1を着用したときの口許や鼻孔の周辺においてメントールの芳香を感じ取るようにすることができる。また、このようにマスク1の全体を香り付けするときに、耳掛け部3が含有するメントールの量を特に多くしておくと、そのマスク1を着用したときには、鼻孔を介してメントールの芳香を感じ取ることができることに加えて、耳の周囲では、メントールが昇華するときに生じる冷感、清涼感を経験することができる。さらにはまた、このマスク1をポリエチレンフィルム製の個袋を一例とするガスバリア性の個袋に入れて密封しておくと、耳掛け部3が含有する多量のメントールが昇華し、個袋に充満することによって、メントール含有量の少ない顔面被覆部2においてメントールの芳香の強さが低下したり、消失したりする速度を低く抑えることを期待することができるようになる。したがって、顔面被覆部2と耳掛け部3とを有するマスク1の全体が香り付けされている。
本考案においてはまた、本考案に固有の態様でマスク1における芳香剤の分布に偏りが生じるように、マスク1の製造工程や使用材料を調整する。その一例は本考案の一実施例であって、図1のマスク1を以下のように処理する。まず、内面シート6として坪量が15-35g/m2のポリプロピレンとポリエチレンとのエアースルー不織布を使用し、外面シート7として坪量が15-35g/m2のポリエチレンのスパンボンド不織布を使用し、さらに内面シート6と外面シート7との間に坪量が7-15g/m2のポリエチレンのメルトブローン不織布を中間シートして介在させ、これら3枚の通気性シートである不織布の積層体によって右半体21と左半体22とのそれぞれを形成する。ただし、このマスク1の内面シート6は、マスク1に組み込む前に界面活性剤で処理することにより、親水化しておいたものである。このマスク1は、さらに、以下のように処理する。すなわち、マスク1を、右半体21と左半体22とが内面シート6を内側にして重なり合うように顔面被覆部2を二つ折りにして、芳香剤として柑橘系の精油の香気が充満している密閉容器内に入れ、23℃で48時間放置する。その放置後に得られる香り付けしたマスク1について、柑橘系の香りの強さを顔面被覆部2の各部位において測定したところ、香りの強さは、右半体21および左半体22それぞれの中央の部位40における内面シート6では580-600であったのに対し、部位40における外面シート7では550-560であった。また、香りの強さの測定値の記録はないが、内面シート6は、中間シートよりも香りの強さが強かった。この測定結果から、マスク1においては、香り付けしたときの香りの強さの分布に偏りがあり、ポリエチレンテレフタレートの如き疎水性の繊維よりも、その繊維を親水化したものである親水性繊維において、または低親水性の繊維や部位よりも高親水性の繊維や部位において、香りが強くなる傾向にあると考えられた。このように作用する親水性繊維や高親水性の部位は、疎水性繊維や疎水性の部位を界面活性剤で処理することにより得ることができる。また、香りの強さの分布に偏りを持たせるための高親水性の部位と低親水性の部位とは、マスク1の全体を対象に考えてもよいし、顔面被覆部2だけを対象に考えてもよい。マスク1の全体を対象に考える場合には、高親水性の部位が顔面被覆部2であって、低親水性の部位が耳掛け部3である場合と、高親水性の部位が耳掛け部3であって、低親水性の部位が顔面被覆部2である場合とがある。
また、このように香り付けしたマスク1では、接合線30と接合線30の少なくとも片側2-3mmの範囲を含む部位41において、右半体21と左半体22との内面シート6と外面シート7と中間シート(図示せず)とが重なり合い、すなわち6枚のシートが重なり合い、3枚のシートが重なり合う右半体21および左半体22それぞれの通気性である中央の部位40と比較して、香りの強さが強くなっていた。また、右半体21と耳掛け部3とが重なる部位42および左半体22と耳掛け部3とが重なる部位43とのそれぞれもまた、中央の部位40と比較して、香りの強さが強くなっていた。部位41や部位42,43は、中央の部位40と比較して、重なり合うシートの枚数が多く、単位面積当たりの質量、すなわち坪量が大きい部位であって、これら部位40-43における互いの芳香の強さの比較から、熱可塑性合成繊維の不織布で形成されている場合の顔面被覆部2とその周辺部位では、単位面積当たりの質量が高いほど、すなわち、坪量が高いほど、香り付けしたときの香りの強さが強くなる傾向にある、といえた。このような傾向については、顔面被覆部2を形成している通気性シートの部分だけで見た場合でも、通気性シートの一つである中間シートを含んでいて坪量の高い部位は、中間シートを含んでいない坪量の低い部位に比べて、香りの強さが強くなる傾向にあるといえた。これら香りの強さが強い部位は、芳香剤を多く含有している部位であって、マスク1の個袋における保存期間が長くなったときや、マスク1の着用時間が長くなったとき等においてもマスク着用者に香りを感じさせるのに役立つ。換言すると、香りの強さの持続性という面において、坪量の大きい部位は、芳香剤を多く含有し、マスク1の保存期間や着用時間を長くすることに役立つことになる。
本考案に係るマスクは、このように作用し得るものであり、そのマスクの具体例である図示例のマスク1は、その作用を以下のような態様で具体化することができる。
その態様の一例では、顔面被覆部2と耳掛け部3とを含むマスク1の全体が香り付けされている。この一例においてはまた、顔面被覆部2と耳掛け部3とが少なくともそれらの一部分において香りの強さが異なるようにマスク1が作られる。他の一例においては、顔面被覆部2の内部において香りの強さの分布に偏りが生じるようにマスク1が作られる。この場合の顔面被覆部2においては、内面シート6、外面シート7およびこれらシート6,7の間に追加的に挿入される場合の追加のシートが織布又は不織布であって、これらシートのうちの全部のシートまたは一部のシートが香り付けされていて、シートどうしの間、または1枚のシートにおいて、坪量が高いほど香りの強さが強く、坪量が低いほど香りの強さが弱くなるような香りの強さの分布に偏りが生じるように作られる。また、このときの香りの強さの比較は、シートどうしの間においての比較ではなく、顔面被覆部2における内面4と外面5との所要部位における香りの強さ比較、内面2aの各部位どうしでの強さの比較、外面2bの各部位どうしの強さの比較、であってもよい。
このようにマスク1においての香りの強さの分布に偏りを持たせるには、香り付けに当たって、マスク1の構成部材ごとに香り付けの条件を変えて、その偏りを持たせることができる他に、マスク1の部位に応じて親水性の程度や坪量の大きさを変化させることによって香りの分布に偏りを持たせることができる。例えば、顔面被覆部2は、高親水性の部位と、低親水性の部位とが共存するように作ることができる。また、顔面被覆部2における複数の通気性シートのうちの1枚が高親水性シートであり、複数の通気性シートのうちの他の1枚が低親水性シートであることによって、顔面被覆部2における高親水性の部位と低親水性の部位とが提供されていてもよい。高親水性の部位は、低親水性の部位を界面活性剤で処理することによって得ることができる。
マスク1の香りの強さの分布に偏りを持たせる手段の他の一つとして、マスク1の部位に応じて単位面積当たりの質量である坪量を変化させておいてから香り付けするという手段がある。坪量をそのように変化させるには、坪量の高い部位と坪量の低い部位とを有する通気性不織布を使用してもよいが、坪量を高くしたい部位において通気性シートを折り重ね、重ねた部分を、互いに分離することがないように、溶着や接着によって一体化してもよい。また、複数枚の通気性シートを互いに重ね合わせるとともに、互いに分離することがないように、図1の接合線30とそれに隣接する部位を参考にして、溶着や接着によって一体化してもよい。
なお、別体に作られた右半体21と左半体22とを図示例の如くに湾曲した接合線30によって一体化してあるマスク1では、右半体21と左半体22とを横方向Xへ展開させようとしても平坦になることはなく、図1に例示の如く、横方向Xと縦方向Yとにおいて湾曲した立体的な状態にとどまる。このように立体的な状態にあるマスク1は、着用者の顔面(図示せず)の立体的な形状に隙間を作ることなくフィットすることが可能であるとともに、着用者の鼻頭や口許との間に空間を作ることも可能であることから、当該技術分野においては、立体マスクと呼ばれることもある。
マスク1において、芳香の強さの比較ための芳香の強さの測定には、測定器として新コスモス電機(株)(NEW-COSMOS ELECTRIC COMPANY CO.,LTD.)製のORDER LEVEL INDICATOR,XP-329mを使用して、以下の要領で芳香の強さを測定した。まず、被検体であるマスクからは、芳香域20および非芳香域25から芳香の強さ測定用試料として、それら試料に共通する適宜サイズの試片、例えば15×30mmの試片を切り取った。その試片を25℃の測定室に置いた測定器におけるセンサー部の前方に、センサー部から10mmまたは20mmの離間距離をとってセットした。このときの離間距離は、想定されるマスクの着用状態や芳香の強さに応じて選択することができる距離である。その測定器と試片とを密閉用のチャック付きで透明なプラスチック製の袋に入れてそのチャックを閉じ、その後3分経過してから、測定器のスイッチをオンにして測定を開始した。開始してから5分経過後に、検出された芳香のレベルを求めて、そのレベルを芳香の強さとした。
図2,3,4は、図1におけるマスク1とは異なる実施態様にあるマスク101の部分破断平面図と、図2のマスク101のIII-III線に沿う切断面を示すためのマスク101の断面斜視図と、着用状態にあるマスク101の側面図である。
図2,3において、マスク101は、図1のマスク1とほぼ同じ素材を使用して作られた顔面被覆部2と耳掛け部3とを有しているから、マスク1と共通する部位については図1の参照符号と同じ参照符号が使用されている。ただし、マスク101は、マスク1と異なり、顔面被覆部2に複数条の襞(ひだ)70が形成されている、いわゆる襞つきマスクである。襞70は、重なり合う内面シート6と外面シート7とを一体にして、横方向Xへ延びる第1折曲線50において外面シート7が谷折りとなり、第2折曲線60において外面シート7が山折りとなるように折曲することによって得られる。また、図3から明らかなように、内面シート6は、第1折曲線50において山折りとなり、第2折曲線60において谷折りとなっている。なお、図2,3では、複数の第1折曲線50を個別に認識できるように、51,52,53・・・の参照符号が付してある。第2折曲線60もまた、個別に認識できるように、61,62,62・・・の参照符号が付してある。さらに、図3では、ひだ70の形状の認識を容易にするために、ひだ70が縦方向Yにおいてやや開いた状で示されており、図4の着用状態にあるマスク101では、ひだ70が縦方向Yにおいてほぼ伸びきってしまう程度にまで開いた状態にある。
この実施態様において、製造直後のマスク101は、図2に例示の如き状態にあるもので、ひだ70が折り畳まれて閉じた状態にあって、ひだ70においてV字形または逆V字形を画く内面シート6どうし、および外面シート7どうしが重なり合い、前後方向Zからは見えない部分71(隠蔽部分71ともいう。図3参照)と、内面シート6どうし、及び外面シート7どうしが重なり合うことなく、前後方向Zから見える部分72(露出部分72ともいう。図2,3参照)とが生じる。このように閉じた状態にあるマスク101では、それに香り付けをするために、例えば芳香剤の溶液を内面シート6および/または外面シート7に向かって吹き付けると、芳香剤はひだ70における隠蔽部分71の内面シート6および/または外面シート7には吹き付けられることがない。したがって、芳香剤の溶液における溶媒を蒸発させた後のマスク101では、横方向Xへ延びていて芳香剤の存在によって香り付けされている芳香域と芳香剤の存在しない非芳香域とが内面シート6および/または外面シート7の縦方向Yにおいて交互に並ぶようになる。芳香域は露出部分72に相当し、非芳香域は隠蔽部分71に相当している。図3では、内面シート6と外面シート7とに芳香域と非芳香域とに相当する露出部分72と隠蔽部分71とが形成される場合が例示され、図4では、そのようにして形成される場合の外面シート7における露出部分72と隠蔽部分71とが模式的に示されている。このような状態にあるマスク101では、露出部分72と隠蔽部分71との間において香りの強さの分布に偏りが生じ、顔面被覆部2の内面2aおよび/または外面2b(図3参照)が放つ香りは、それらの面方向Sにおいて強弱の差が生じるようにまだらになっている。そのマスク101を着用して静止していると、図4の着用者100はすぐに香りを感知することができても、時間の経過とともにその香りを感知することができなくなったり、感知する程度が弱くなったりすることがある。そこで、マスク101をつまんで変形させたり、着用者100の顔面から少しだけ浮かせたりすることによってマスク101を通過した外気が着用者100の顔面に向かって流れるようにすると、芳香域である露出部分72と香りがないか香りが弱い非芳香域である隠蔽部分71とが交互に鼻孔の前方で動くとともに、それらの部分71,72を通過する外気も交互に着用者100の嗅覚を刺激するので、着用者100が感じる香りの強さも変化し、その変化に伴って着用者100は芳香剤による香りを感じ易くなる。なお、詳細な説明は省略するが、耳掛け部3は、顔面被覆部2と一体となる工程の前後いずれかにおいて香り付けされている。
図5は、本考案の実施態様の他の一例を示すマスク201の斜視図である。マスク201の一例では、マスク201が図1のマスク1と同じ性状のシート材料を使用して作られていて、マスク1と同じ外形を有している。ただし、マスク201は、マスク1と異なり、顔面被覆部2における疎水性の外面シート7の外面に親水性インクを使用して、星形の模様10が印刷されている。したがって、マスク201は、内面シート6自体と外面シート7における星形の模様10の部分とが親水性の部分であって、その他の部分は疎水性である。このマスク201は、マスク1と同様に芳香剤蒸気が充満している容器に入れて香り付けをすることができる。香り付けしたマスク201では、内面シート6の全体と外面シート7の星形の模様10の部位とにおいて強い香りの存在を認識することができる。
この場合のマスク201では、内面シート6における芳香が、マスク1の場合と同様に、マスク着用者に向かって作用し、外面シート7の星形の模様10の部位における芳香は、マスク201の着用者に対して作用することも可能であるが、マスク201の着用者の対話の相手方に対して作用することも可能である。外面シート7に対して使用した親水性インクは、内面シート6に対して使用して適宜の模様を画くこともできる。
マスク201はまた、星形の模様10の印刷に使用した親水性インクをマスク201の疎水性である場合の内面シート6に対して使用して、その内面シート6が部分的に親水化しているものであってもよい。このような場合の親水性インクは、マスク201の全体に対して、それを部分的に親水性にしたり、マスク201のうちの顔面被覆部2に対して、それを部分的に親水性にしたりすることができるものであって、マスク201の香り付けに際して、香りの強さの分布に偏りを作るための材料にすることができる。
図6は、図1のマスク1が需要者に供給されるときの態様を例示するマスク個包装体90の部分破断斜視図である。マスク1は、例えば透明なポリエチレンフィルム等のガスバリア性を有するフィルムでできた袋91に密封状態となるように封入されているものであるが、図では、袋91が部分的に破断された状態にある。このように封入されているマスク1の一例は、耳掛け部3における芳香剤の香りが顔面被覆部2における芳香剤の香りよりも強いというような香りの強さの分布に偏りを持つもので、図示例の如き個包装体90としたときのそのマスク1は、図1のマスク1と同様に作用するものであることに加えて、耳掛け部3から揮散する芳香剤の成分が、袋91に充満することによって、顔面被覆部2においての芳香剤の成分の揮散を抑制するように作用することがある。このように袋91に封入されている態様のマスク1もまた本考案に係るマスクの一例である。
1 マスク
2 被覆部
2a 内面
2b 外面
3 耳掛け部
6 内面シート
7 外面シート
20 芳香域
21 右半体
22 左半体
25 非芳香域
28 微芳香域
30 接合線
31 溶着スポット
34 頂部
35 ノーズクリップ
60 襞
61 隠蔽部分
62 露出部分
70 包装体
71 袋
101 マスク
201 マスク
S 面方向
X 横方向
Y 縦方向
Z 前後方向
2 被覆部
2a 内面
2b 外面
3 耳掛け部
6 内面シート
7 外面シート
20 芳香域
21 右半体
22 左半体
25 非芳香域
28 微芳香域
30 接合線
31 溶着スポット
34 頂部
35 ノーズクリップ
60 襞
61 隠蔽部分
62 露出部分
70 包装体
71 袋
101 マスク
201 マスク
S 面方向
X 横方向
Y 縦方向
Z 前後方向
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記単位面積当たりの質量の高い部位と前記単位面積当たりの質量の低い部位とが前記顔面被覆部にあって、前記顔面被覆部における前記少なくとも2枚の通気性シートのうちの1枚は、前記単位面積当たりの質量の高い通気性シートであり、前記通気性シートのうちのもう1枚は前記単位面積当たりの質量の低いシートである。
図面は、本開示に係る本考案の特定の実施の形態を示し、考案の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本考案に係るマスクの一例であるマスクの部分破断斜視図。
本考案に係るマスクの他の一例であるマスクの部分破断平面図。
図2におけるIII-III線切断面を示すマスクの斜視図。
図2のマスクの着用状態を例示する図。
本考案に係るマスクのさらに他の一例であるマスクの斜視図。
個袋に封入されているときの図1のマスクを示す図。
かかるマスク1は、実質的な意味において鏡面対称を成す右半体21と左半体22とを有し、これら両半体21,22がマスク1の横方向Xの寸法を二等分する中心線Cに一致して縦方向Yへ湾曲しながら延びる接合線30において溶着または接着により接合され、一体化している。なお、ここでいう「実質的」とは、微少な形状や構造を除き、形状がほぼ一致しているという程度の意味である。マスク1はまた、接合線30が、前後方向Zの前方に向かって凸となるように湾曲している。右半体21と左半体22のそれぞれの顔面被覆部2における後端部32では、顔面被覆部2の内面2aに対して多数の溶着スポット31を介して耳掛け部3が取り付けられている。右半体21と左半体22それぞれの頂部34には、塑性変形可能な金属薄片がノーズクリップ35として取り付けられている。ノーズクリップ35は、カバーシート36によって被覆され、これら両者35,36は接着または溶着により顔面被覆部2の頂部34に固定されている。
その態様の一例では、顔面被覆部2と耳掛け部3とを含むマスク1の全体が香り付けされている。この一例においてはまた、顔面被覆部2と耳掛け部3とが少なくともそれらの一部分において香りの強さが異なるようにマスク1が作られる。他の一例においては、顔面被覆部2の内部において香りの強さの分布に偏りが生じるようにマスク1が作られる。この場合の顔面被覆部2においては、内面シート6、外面シート7およびこれらシート6,7の間に追加的に挿入される場合の追加のシートが織布又は不織布であって、これらシートのうちの全部のシートまたは一部のシートが香り付けされていて、シートどうしの間、または1枚のシートにおいて、坪量が高いほど香りの強さが強く、坪量が低いほど香りの強さが弱くなるような香りの強さの分布に偏りが生じるように作られる。また、このときの香りの強さの比較は、シートどうしの間においての比較ではなく、顔面被覆部2における内面2aと外面2bとの所要部位における香りの強さ比較、内面2aの各部位どうしでの強さの比較、外面2bの各部位どうしの強さの比較、であってもよい。
マスク1において、芳香の強さの比較ための芳香の強さの測定には、測定器として新コスモス電機(株)(NEW COSMOS ELECTRIC COMPANY CO.,LTD.)製のODOR LEVEL INDICATOR,XP-329mを使用して、以下の要領で芳香の強さを測定した。まず、被検体であるマスクからは、香りの強さが強い芳香域および香りの強さが弱い非芳香域から芳香の強さ測定用試料として、それら試料に共通する適宜サイズの試片、例えば15×30mmの試片を切り取った。その試片を25℃の測定室に置いた測定器におけるセンサー部の前方に、センサー部から10mmまたは20mmの離間距離をとってセットした。このときの離間距離は、想定されるマスクの着用状態や芳香の強さに応じて選択することができる距離である。その測定器と試片とを密閉用のチャック付きで透明なプラスチック製の袋に入れてそのチャックを閉じ、その後3分経過してから、測定器のスイッチをオンにして測定を開始した。開始してから5分経過後に、検出された芳香のレベルを求めて、そのレベルを芳香の強さとした。
図2,3において、マスク101は、図1のマスク1とほぼ同じ素材を使用して作られた顔面被覆部2と耳掛け部3とを有しているから、マスク1と共通する部位については図1の参照符号と同じ参照符号が使用されている。ただし、マスク101は、マスク1と異なり、顔面被覆部2に複数条の襞(ひだ)70が形成されている、いわゆる襞つきマスクである。襞70は、重なり合う内面シート6と外面シート7とを一体にして、横方向Xへ延びる第1折曲線50において外面シート7が谷折りとなり、第2折曲線60において外面シート7が山折りとなるように折曲することによって得られる。また、図3から明らかなように、内面シート6は、第1折曲線50において山折りとなり、第2折曲線60において谷折りとなっている。なお、図2,3では、複数の第1折曲線50を個別に認識できるように、51,52,53・・・の参照符号が付してある。第2折曲線60もまた、個別に認識できるように、61,62,63・・・の参照符号が付してある。さらに、図3では、ひだ70の形状の認識を容易にするために、ひだ70が縦方向Yにおいてやや開いた状で示されており、図4の着用状態にあるマスク101では、ひだ70が縦方向Yにおいてほぼ伸びきってしまう程度にまで開いた状態にある。
この実施態様において、製造直後のマスク101は、図2に例示の如き状態にあるもので、ひだ70が折り畳まれて閉じた状態にあって、ひだ70においてV字形または逆V字形を画く内面シート6どうし、および外面シート7どうしが重なり合い、前後方向Zからは見えない襞かげの部分となる部分71(隠蔽部分71ともいう。図3参照)と、内面シート6どうし、及び外面シート7どうしが重なり合うことのない襞かげ以外の部分となる、前後方向Zから見える部分72(露出部分72ともいう。図2,3参照)とが生じる。このように閉じた状態にあるマスク101では、それに香り付けをするために、例えば芳香剤の溶液を内面シート6および/または外面シート7に向かって吹き付けると、芳香剤はひだ70における隠蔽部分71の内面シート6および/または外面シート7には吹き付けられることがない。したがって、芳香剤の溶液における溶媒を蒸発させた後のマスク101では、横方向Xへ延びていて芳香剤の存在によって香り付けされている芳香域と芳香剤の存在しない非芳香域とが内面シート6および/または外面シート7の縦方向Yにおいて交互に並ぶようになる。芳香域は露出部分72に相当し、非芳香域は隠蔽部分71に相当している。図3では、内面シート6と外面シート7とに芳香域と非芳香域とに相当する露出部分72と隠蔽部分71とが形成される場合が例示され、図4では、そのようにして形成される場合の外面シート7における露出部分72と隠蔽部分71とが模式的に示されている。このような状態にあるマスク101では、露出部分72と隠蔽部分71との間において香りの強さの分布に偏りが生じ、顔面被覆部2の内面2aおよび/または外面2b(図3参照)が放つ香りは、それらの面方向Sにおいて強弱の差が生じるようにまだらになっている。そのマスク101を着用して静止していると、図4の着用者100はすぐに香りを感知することができても、時間の経過とともにその香りを感知することができなくなったり、感知する程度が弱くなったりすることがある。そこで、マスク101をつまんで変形させたり、着用者100の顔面から少しだけ浮かせたりすることによってマスク101を通過した外気が着用者100の顔面に向かって流れるようにすると、芳香域である露出部分72と香りがないか香りが弱い非芳香域である隠蔽部分71とが交互に鼻孔の前方で動くとともに、それらの部分71,72を通過する外気も交互に着用者100の嗅覚を刺激するので、着用者100が感じる香りの強さも変化し、その変化に伴って着用者100は芳香剤による香りを感じ易くなる。なお、詳細な説明は省略するが、耳掛け部3は、顔面被覆部2と一体となる工程の前後いずれかにおいて香り付けされている。
図6は、図1のマスク1が需要者に供給されるときの態様を例示するマスク個包装体90の部分破断斜視図である。マスク1は、例えば透明なポリエチレンフィルム等のガスバリア性フィルムでできていてシールライン92を有する袋91に密封状態となるように封入されているものであるが、図では、袋91が部分的に破断された状態にある。このように封入されているマスク1の一例は、耳掛け部3における芳香剤の香りが顔面被覆部2における芳香剤の香りよりも強いというような香りの強さの分布に偏りを持つもので、図示例の如き個包装体90としたときのそのマスク1は、図1のマスク1と同様に作用するものであることに加えて、耳掛け部3から揮散する芳香剤の成分が、袋91に充満することによって、顔面被覆部2においての芳香剤の成分の揮散を抑制するように作用することがある。このように袋91に封入されている態様のマスク1もまた本考案に係るマスクの一例である。
1 マスク
2 被覆部
2a 内面
2b 外面
3 耳掛け部
6 内面シート
7 外面シート
21 右半体
22 左半体
30 接合線
31 溶着スポット
34 頂部
35 ノーズクリップ
61 隠蔽部分
62 露出部分
70 襞
71 襞かげの部分
72 襞かげ以外の部分
90 個包装体
91 袋
101 マスク
201 マスク
S 面方向
X 横方向
Y 縦方向
Z 前後方向
2 被覆部
2a 内面
2b 外面
3 耳掛け部
6 内面シート
7 外面シート
21 右半体
22 左半体
30 接合線
31 溶着スポット
34 頂部
35 ノーズクリップ
61 隠蔽部分
62 露出部分
70 襞
71 襞かげの部分
72 襞かげ以外の部分
90 個包装体
91 袋
101 マスク
201 マスク
S 面方向
X 横方向
Y 縦方向
Z 前後方向
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記顔面被覆部は、通気性の内面シートと通気性の外面シートとを含む複数枚の通気性シートの積層体であって、前記内面シートは、前記顔面被覆部の最内側面を形成しているものであって、前記マスクの着用者の顔面と対向する位置にあり、前記外面シートは、前記顔面被覆部の最外側面を形成するものであり、前記内面シートと前記外面シートとのうちのいずれか一方が前記高親水性の部位であり、もう一方が前記低親水性の部位である。
本考案の実施態様のさらに他の一つにおいて、前記顔面被覆部は、前記内面シートと前記外面シートとのうちのいずれか一方のシートに親水性のインクを使用した印刷部が形成され、前記印刷部が形成された前記一方のシートが前記高親水性の部位である。
Claims (14)
- 顔面被覆部と耳掛け部とを有し、前記顔面被覆部が互いに重なり合う少なくとも2枚の通気性シートを含むマスクであって、
前記顔面被覆部と前記耳掛け部とを有する前記マスクの全体が芳香剤による香り付けをされていて、かつ、前記全体では前記香り付けによる香りの強さの分布に偏りがあることを特徴とする前記マスク。 - 前記マスクには、高親水性の部位と低親水性の部位とがあって、前記香りの強さの分布における偏りは、前記高親水性の部位における前記香りが前記低親水性の部位における前記香りよりも強い請求項1記載のマスク。
- 前記高親水性の部位が前記顔面被覆部であり、前記低親水性の部位が前記耳掛け部である請求項2記載のマスク。
- 前記高親水性の部位が記耳掛け部であり、前記低親水性の部位が前記顔面被覆部である請求項2記載のマスク。
- 前記顔面被覆部には、前記高親水性の部位と前記低親水性の部位とがある請求項2記載のマスク。
- 前記顔面被覆部は、通気性の内面シートと通気性の外面シートとを含む複数枚の通気性シートの積層体であって、前記内面シートは、前記顔面被覆部の最内側面を形成しているものであって、前記マスク着用者の顔面と対向する位置にあり、前記外面シートは、前記顔面被覆部の最外側面を形成するものであり、前記内面シートと前記外面シートとのうちのいずれか一方が前記高親水性の部位であり、もう一方が前記低親水性の部位である請求項5記載のマスク。
- 前記顔面被覆部は、前記内面シートと前記外面シートとのうちのいずれか一方のシートに親水性のインクを使用した印刷部が形成され、前記印刷部が形成された前記一方のシートが前記高親水性部位である請求項6記載のマスク。
- 前記高親水性の部位となる前記通気性シートは、親水化処理された熱可塑性合成繊維を含んでいる請求項6または7記載のマスク。
- 前記香りの強さの分布の偏りは、前記マスクを構成している部位のうちで、単位面積当たりの質量の高い部位において前記香りの強さが強く、単位面積当たりの質量の低い部位において前記香りの強さが低い態様である請求項1記載のマスク。
- 前記単位面積当たりの質量の高い部位と前記単位面積当たりの質量の低い部位とが前記顔面被覆部にあって、前記顔面被覆部における前記少なくとも2枚の通気性シートのうちの1枚は、単位面積当たりの質量の高い通気性シートであり、前記通気性シートのうちのもう1枚は前記単位面積当たりの質量の低いシートである請求項9記載のマスク。
- 前記顔面被覆部は、前記通気性シートの重なり合う枚数の多い部位と少ない部位とがあって、前記多い部位が、前記単位面積当たりの質量の前記高い部位となり、前記少ない部位が前記低い部位となる請求項9-10のいずれかに記載のマスク
- 前記顔面被覆部が少なくとも3枚の通気性シートの積層体であって、前記積層体における前記内面シートの前記香りの強さが前記積層体におけるその他の通気性シートの前記香りの強さよりも強い請求項1記載のマスク。
- 前記マスクが前記マスクの着用者の顔面における縦方向と横方向とに対応する縦方向と横方向とを有し、前記顔面被覆部には、前記縦方向において山折り部と谷折り部とが並ぶことによって、前記横方向へ延びる少なくとも一条の襞が形成されているものであり、前記顔面被覆部では前記襞における襞かげの部分と襞かげ以外の部分との間において前記香りの強さの分布に偏りがある請求項1記載のマスク。
- 前記マスクは、1枚または複数枚がガスバリア性の袋に密封された状態で前記マスクの最終的需要者に供給されるものである請求項1-13のいずれかに記載のマスク。
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