JP3236306U - 階段構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、人手でも簡単に組み立て構築することができ、様々な現場で簡易、短時間に施工できるとともに、十分な強度を保持でき、安全性の高い階段構造を提供する。【解決手段】踏面26を形成する踏板12と、踏板12の奥行側からL字状に立ち上がり接合された蹴上台14と、踏板12及び蹴上台14の側部に接合して組付けられる側板16と、を含む段ユニット18を上下に階段状に組み付け接続した階段構造であり、上段側の踏板12手前端部と蹴上台14とを貫通し連続して下段側の踏板12の一部又は全部に穿孔された縦穴部20と、該縦穴部20に挿通して上段側の踏板12と蹴上台14と下段側の踏板12を一体的に連結する挿通棒材22と、を含む縦連結手段24と、を備えた階段構造10から構成される。【選択図】図1
Description
本考案は、例えば、法面等の傾斜面を有する傾斜地盤やその他、様々な場所に階段を構築するのに利用できる組み立て式の階段構造に関する。
近時、大地震による大規模な津波被害の教訓とともに、今後も大地震が発生する危険性が高いことも示唆されていることから、津波災害に備えて、海岸沿いの地域や比較的海抜が低い地域では特に、津波が発生した際に人々が高台に避難するための避難用階段の整備が急がれている。また、既に避難階段が設置されている場所であっても、経年劣化や管理不備で避難用階段が損傷して安全かつスムーズに避難できない箇所もあり、補修修理や建て替え工事も進められている。一方、例えば、法面に設けられた擁壁や堤防等を管理、点検等の作業を行うためにそれらの傾斜面に、作業者が昇降するための点検用階段が設置されている。
従来、法面等に点検用や避難用の階段を設置する方法としては、例えば、特許文献1に示すように、アンカー筋を有する板状体やコンクリートブロックを利用して蹴上部を形成するとともに踏面に現場打ちコンクリートを打設して形成する方法、階段全体を現場打ちコンクリートによって形成する方法、踏面と蹴上部が一体化された階段ブロックを設置して形成する方法、等が知られている。
避難用階段を施工する現場は、人々の生活地域に近い場所に設けられることから、例えば、住宅地や各種施設等に近い傾斜面であったり、足場が悪い傾斜面であったりする等、様々な状況であり、重機等の利用が困難で人力で施工せざるを得ない場所も多い。よって、上記特許文献1のような従来の、階段全体または踏面を現場打ちコンクリートで階段を形成する方法や、比較的大型に形成される階段ブロックにより階段を形成する方法では、重機が利用できないことによりスムーズな施工が困難であったり煩雑化、長期化したり、施工自体が不可能となる問題があった。したがって、人力でも簡単に施工できる階段構造の開発が望まれている。また、従来の避難用や作業用の階段では、コンクリート等で形成された踏面が、雨や雪の際に濡れて滑りやすく、安全に避難できないおそれがあった。
本考案は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、例えば、人手でも簡単に組み立て構築することができ、様々な現場で簡易、短時間に施工できるとともに、十分な強度を保持でき、安全性の高い階段構造を提供することにある。
上記課題を解決するために本考案は、踏面26を形成する踏板12と、踏板12の奥行側からL字状に立ち上がり接合された蹴上台14と、踏板12及び蹴上台14の側部に接合して組付けられる側板16と、を含む段ユニット18を上下に階段状に組み付け接続した階段構造であり、上段側の踏板12手前端部と蹴上台14とを貫通し連続して下段側の踏板12の一部又は全部に穿孔された縦穴部20、20aと、該縦穴部20、20aに挿通して上段側の踏板12と蹴上台14と下段側の踏板12を一体的に連結する挿通棒材22、22aと、を含む縦連結手段24と、を備えた階段構造10から構成される。
また、踏板12は、一部又は全体がポーラスコンクリートで形成されたこととしてもよい。
また、縦穴部20の下段側の踏板部分に穿穴される穴部分(30)は、雌ねじ部が設けられ該踏板12に埋設されたインサートナット32からなり、挿通棒材22には、該インサートナット32の雌ねじ部と螺合連結される雄ねじ部が形成されたこととしてもよい。
また、縦穴部20aの下段側の踏板部分に穿穴される穴部分は、上下に貫通した貫通孔58からなり、挿通棒材22aは、下段側の踏板12の貫通孔58を含む縦穴部20aを貫通して地盤(G)まで挿通させる杭状体からなることとしてもよい。
また、側板16は、下段側の踏板12の上に載置された蹴上台14と上段側の踏板の上に載置された他の蹴上台14とに連結されて固定されることとしてもよい。
また、側板16は、上下に配置される側板同士の係合する部分に互いに嵌合する凹凸部(41、42)が設けられたこととしてもよい。
また、側板16の凹凸部は、下段側の側板16と嵌合される一端部側では下部側が切り欠き状に凹設された第1の凹凸部41が形成されるとともに、上段側の側板16と嵌合される他端部側では該上段側の側板の第1の凹凸部41と嵌合するように下部側を突設した第2の凹凸部42が形成されたこととしてもよい。
本考案の階段構造によれば、踏面を形成する踏板と、踏板の奥行側からL字状に立ち上がり接合された蹴上台と、踏板及び蹴上台の側部に接合して組付けられる側板と、を含む段ユニットを上下に階段状に組み付け接続した階段構造であり、上段側の踏板手前端部と蹴上台とを貫通し連続して下段側の踏板の一部又は全部に穿孔された縦穴部と、該縦穴部に挿通して上段側の踏板と蹴上台と下段側の踏板を一体的に連結する挿通棒材と、を含む縦連結手段と、を備えたことから、例えば、人手でも簡単に組み立て構築することができ、様々な現場で簡易、短時間に施工できるとともに、上下に並設される踏板と蹴上台どうしを縦連結により連結しているので階段に十分な強度を保持でき、高い安全性を確保できる。その結果、例えば、高台への避難用階段や法面等での作業用階段として実用的に利用することができる。
また、踏板は、一部又は全体がポーラスコンクリートで形成された構成とすることにより、例えば、踏面部分をポーラスコンクリートで形成すると雨水等が透水するので、踏板上に溜まらず、人が階段を昇降する際に滑りにくくなり、安全に昇降移動することができる。
また、縦穴部の下段側の踏板部分に穿穴される穴部分は、雌ねじ部が設けられ該踏板に埋設されたインサートナットからなり、挿通棒材には、該インサートナットの雌ねじ部と螺合連結される雄ねじ部が形成された構成とすることにより、踏板と蹴上台の縦連結を螺合連結により強固なものとして階段の強度を高く保持できる。また、施工作業を簡単に行える。
また、縦穴部の下段側の踏板部分に穿穴される穴部分は、上下に貫通した貫通孔からなり、挿通棒材は、下段側の踏板の貫通孔を含む縦穴部を貫通して地盤まで挿通させる杭状体からなる構成とすることにより、踏板と蹴上台の縦連結を地盤を利用して強固に安定的に固定でき、階段の強度を高く保持できる。また、施工作業を簡単に行える。
また、側板は、下段側の踏板の上に載置された蹴上台と上段側の踏板の上に載置された他の蹴上台とに連結されて固定される構成とすることにより、側板の連結を簡単な構造で具体的に実現できるとともに、側板を利用して上下の段ユニットどうしを連結し、階段の強度を高く保持できる。
また、側板は、上下に配置される側板同士の係合する部分に互いに嵌合する凹凸部が設けられた構成とすることにより、上下に接合される側板どうしを安定かつ確実に組み付けながらスムーズに階段を構築することができる。
また、側板の凹凸部は、下段側の側板と嵌合される一端部側では下部側が切り欠き状に凹設された第1の凹凸部が形成されるとともに、上段側の側板と嵌合される他端部側では該該上段側の側板の第1の凹凸部と嵌合するように下部側を突設した第2の凹凸部が形成された構成とすることにより、下の段ユニットから順次、組み付け施工していく際に、側板の配置及び嵌合作業を簡易かつスムーズに行うことができ、短時間で施工することができる。
以下、添付図面を参照しつつ本考案の階段構造の実施の形態について説明する。本考案の階段構造は、例えば、法面や高台、擁壁、堤防等の傾斜面に避難用や作業用の階段を構築するための階段装置である。図1ないし図5は、本考案に係る階段構造の一実施形態を示している。図1、図2、図3、図4、図5に示すように、本実施形態では、階段構造10は、踏板12と、蹴上台14と、側板16と、を含む段ユニット18を上下に階段状に組み付け接続され、さらに、上段側の踏板12(12U)と蹴上台14と下段側の踏板12(12L)に穿穴された縦穴部20と、該縦穴部20に挿通して上段側の踏板12(12U)と蹴上台14と下段側の踏板12(12L)を一体的に連結する挿通棒材22と、を含む縦連結手段24を備えている。本実施形態では、例えば、階段構造10は、法面等の傾斜地盤Gに構築される態様について説明する。
踏板12は、人が足を載せる踏面26を形成する板状の部材である。図1、図2、図3、図4に示すように、本実施形態では、踏板12は、例えば、予め工場等で形成したポーラスコンクリート製板材からなり、平面視矩形状に形成されている。本実施形態では、複数個(図1上、2個)の踏板12を左右方向に並設して一段の踏面26を形成して、ある程度広い階段幅を形成している。なお、一個又は3個以上の踏板12で一段の踏面を形成することとしてもよい。踏板12は、設置された際に階段の段鼻側となる手前端部より位置に上下に貫通した第1の貫通穴28が設けられている。さらに、踏板12には、奥行き側の位置に蹴上台14が設置されるが、該蹴上台14の設置位置に合わせて、上面側を開口した受穴部30を形成するとともに該受穴内部30内壁に雌ねじ部が設けられたインサートナット32が埋設されている。踏板12の第1の貫通孔28とインサートナット32は、後述のように階段状に組み付ける際に縦連結手段24の縦穴部20の一部を構成する要素となる。第1の貫通孔28は、例えば、踏面26が形成される上面側の径が大きく、上下中間位置から径が小さくなる段付き孔で形成されている。インサートナット32は、従来周知のものであり、例えば、踏板12を型枠形成する際に埋込み一体化されており、踏板12の上下方向中間位置までのくぼみ穴状の受穴部を形成している。なお、踏板12は、例えば、踏面を形成する一部分をポーラスコンクリートで形成し、他の部分をコンクリートで形成することとしてもよい。また、踏板をコンクリートやその他任意の強度が高い素材で形成することとしてもよい。本実施形態のように踏板12を、踏面26部分を含む全体がポーラスコンクリートで形成すると、例えば、雨が降った際に傾斜地盤G側に透水して、踏面に水が溜まることが無い結果、人が踏面26に足を置いた際に滑りにくく、安全に移動することができる。
蹴上台14は、踏板12の奥行側からL字状に立ち上がり接合されるとともに、該蹴上台の上端に上段側となる他の踏板を接合して、階段の蹴上げ高さを保持する蹴込み板状部材である。本実施形態では、蹴上台14は、例えば、予め工場で形成されたコンクリート二次製品からなる。図1、図2、図4に示すように、蹴上台14は、例えば、横長い直方体状のブロック体からなり、2つの踏板12を並設した際の横幅と同じ横幅すなわち、一つの踏板12の2倍の横長さに設けられている。蹴上台14には、踏板12の奥行側に載置された際に、上記踏板12の各インサートナット32の受穴部30に連通するように上下に貫通された第2の貫通孔34が設けられている。さらに、蹴上台14の上方には、上段側の踏板12の手前端部分が載置状に接合されるとともに、該踏板12の第1の貫通孔28と蹴上台14の第2の貫通孔38が連通するようになっている。図1、図2では、蹴上台14の前面と上段側の踏板12の前端面とが同一面となるように設置される。なお、蹴上台14の前面を上段側の踏板12の前端面よりも奥側に設定して蹴込みや鼻の出をも確保することとしてもよい。図4にも示すように、蹴上台14の左右側面には、側板連結用のインサートナット34が埋設されている。側板連結用のインサートナット34は、内側に向けて穿穴されるとともに穴内側に雌ねじ部が形成されており、互いに上下に離隔して各側面に2個ずつ埋め込まれて一体化されている。本実施形態では、上記踏板12の奥行長さ及び厚みと蹴上台14の高さによって設定される階段の勾配は、2割勾配の傾斜面に対応したサイズで設定されている。なお、踏板12や蹴上台14のサイズは、傾斜面や目的の階段の条件等に応じて、任意に設計してもよい。
なお、図8に示すように、下段側の踏板12と蹴上台14とを接続する際に、ガイドピン60を利用することとしてもよい。踏板12の奥行側に、該ガイドピン60の下半部が挿入されるガイド穴62を設けると同時に、蹴上台14の下面側に、該ガイドピン60の上半部が挿入されるガイド穴64を設けることとしてもよい。また、複数個の蹴上台14を左右方向に接合する構成としてもよい。この際、接合される蹴上台14どうしを接続板や介設部材等を含む任意の接続手段で接合することとしてもよい。
側板16は、踏板12及び蹴上台14の側部に接合して組付けられる階段の側板である。本実施形態では、側板16は、傾斜地盤Gに設置される際に踏板12及び蹴上台の左右両外側からの土圧に耐える土留板としても機能しうる。側板16は、例えば、予め工場で形成されたコンクリート二次製品からなる。図1、図2、図4に示すように、側板16は、板面を立てた状態で、該板面を踏板12と蹴上台14の左右両側面に当接して接合されている。側板16には、両端部に板面を左右に貫通するボルト孔38が穿孔されており、該ボルト孔38を蹴上台14の側面のインサートナット34に位置合わせしてボルト40により締結されて連結される。より詳細には、本実施形態では、側板16は、例えば、踏板12と蹴上台14によって構成される一段分のストロークに応じた長さで設けられており、傾斜地盤に沿った上下方向に長く接合される。側板16の一端側のボルト孔38は、下段側の踏板12(12L)に接合された蹴上台14に連結されるとともに、同側板16の他端側のボルト孔38は、上段側の踏板12に接合された蹴上台14に連結されて、上下2段の蹴上台14に跨って接合されて固定される。これにより連結強度が高く、安全性が高い階段構造を実現できる。側板16は、上下に配置される側板16同士の係合する部分に互いに嵌合する凹凸部41、42が設けられている。本実施形態では、側板16の下段側の側板と嵌合される一端部側では、下部側が切り欠き状に凹設されて凹部43が形成されるとともに上部側が突設して凸部44が形成された第1の凹凸部41が形成されている。一方、側板16の上段側の側板16と嵌合される他端部側では、上段側の踏板12の第1の凹凸部41と嵌合するように、下部側を突設して凸部45を形成するとともに上部側が切り欠き状に凹設して凹部46が形成された第2の凹凸部42が形成されている。上下に接合される側板16どうしにおいて、上段側に配置される側板の凹凸部で、上部側が突設して形成されるので、側板の接合作業を比較的簡単に安定して行うことができる。図2に示すように、階段の一段目(最下段)の側板16Mと、最上段の側板16Tは、
なお、側板16の互いに嵌合する凹凸部の形状は任意でもよいし、凹凸部を形成せずに接合する形状としてもよい。また、側板16は、踏板12の側部に接合することとしてもよい。また、踏板12、蹴上台14、側板16は、基本的にはコンクリート、金属、木材、合成樹脂等、その他任意の素材でもよいが、例えば、本実施形態のような法面等の傾斜地盤Gに設ける際には、コンクリート等が好適である。
なお、側板16の互いに嵌合する凹凸部の形状は任意でもよいし、凹凸部を形成せずに接合する形状としてもよい。また、側板16は、踏板12の側部に接合することとしてもよい。また、踏板12、蹴上台14、側板16は、基本的にはコンクリート、金属、木材、合成樹脂等、その他任意の素材でもよいが、例えば、本実施形態のような法面等の傾斜地盤Gに設ける際には、コンクリート等が好適である。
上述の踏板12と蹴上台14と側板16と組み付けることにより段ユニット18が構成されるが、階段状に組み付ける該段ユニット18どうしは縦連結手段24を介して連結される。縦連結手段24は、上段側の踏板12手前端部と、蹴上台14と、下段側の踏板12の奥行側と、を一体的に縦連結する連結手段である。縦連結手段24は、上段側の踏板手前端部と蹴上台とを貫通し連続して下段側の踏板の一部に穿孔された縦穴部20と、該縦穴部20に挿通して上段側の踏板12Uと蹴上台14と下段側の踏板12Lを一体的に連結する挿通棒材22と、を含む。図1、図2、図4に示すように、本実施形態では、縦穴部20は、上段側の踏板12U手前端部に上下に貫通された第1の貫通孔28と、蹴上台14に上下に貫通された第2の貫通孔34と、下段側の踏板12Lに埋設されたインサートナット32により形成される受穴部30と、で構成され、それらの穴が連続して直線状に連通している。挿通棒材22は、例えば、少なくとも先端の一部又は全部に雄ねじ部が形成された長ボルトからなる。挿通棒材22は、縦穴部20の上段側の踏板12Uの第1の貫通孔28と蹴上台14の第2の貫通孔34を挿通するとともに、先端を下段側の踏板12のインサートナット32に螺合連結される。長ボルトからなる挿通棒材22の頭部は、上段側の踏板12の第1の貫通孔28の径が拡大された上部部分に完全収納され内蔵される。このような縦連結手段24の構成により、ポーラスコンクリートで形成されている踏板12と蹴上台14とを簡単に組み付け連結して階段を施工することができる。
図2、図4に示すように、縦穴部20に挿通棒材22を挿通して連結した後、踏板12の第1の貫通孔28には、該挿通棒材22の頭部の上方に畜光部材48が内蔵される。蓄光部材48は、例えば、従来周知の蓄光石やその他蓄光素材からなり、該第1の貫通孔28の上部側の拡大された径と略同じ径の円盤形状に形成されており、第1の貫通孔に閉蓋状に上面を面一して収容される。これにより、昼間に太陽光により蓄光して、夜間には蓄光により踏板12を確認することができるので、夜間でも安全に利用することができる。また、蓄光部材48は、縦穴部20を構成する踏板12の第1の貫通孔28を利用して設置しているので、簡単な構造で蓄光手段を階段に設置することができる。なお、蓄光部材は、例えば、蹴上台14や側板16や後述の手すり54等に設けることとしてもよい。また、蓄光部材に替えて、例えば、光を反射する反射盤や反射材を踏板12や蹴上台14、側板16等に設けることとしてもよい。また、例えば、発光ダイオードや点滅灯の光源装置を踏板12や蹴上台14、側板16等に設け、日中に太陽電池により発電した電気を蓄電池に貯めて置き、夜間に光源装置を点灯させることとしてもよく、その他任意の構成としてもよい。
図2に示すように、本実施形態では、蹴上台14の背面側と傾斜地盤Gとの間には、砂利や土、栗石等の中詰材52が充填されて転圧されている。該中詰材52の上面側は蹴上台14の上端と同一面上に形成され、踏板12を略水平状に安定して載置させた状態で、該踏板の下面全体を支持している。
本実施形態では、図1、図3に示すように、上下に階段状に組み付け接続した段ユニット18の同じ構造のものを左右に所定の間隔をあけて並設して構築し、それらの2つの階段どうしの側板16の間に手すり54が設けられている。図6は、手すり54の下端側周辺の一部拡大図であり、支柱54Pと現場打ちコンクリート56を断面して見せた図である。図6にも示すように、手すり54は、支柱54Pの下端を側板16どうしの間に立設するとともに、該手すり54の下端部を現場打ちコンクリート56で固定されている。手すり54が設置される側板16どうしの間には、現場打ちコンクリート56を打設する間隔を保持するための間隔保持部材66が設置されている。間隔保持部材66は、鉄板等の金属板を略コ字板状に曲げて設けられており、コ字の対向する2つの板部分にボルトを通す貫通孔が穿孔されている。間隔保持部材66は、間隙をあけて対向配置された側板16どうしの間に、対向する2つの板部分を側板16の側面に密着させた状態で、側板16と蹴上台14とを螺合接続するボルト40を介して固定される。
なお、手すり54は、階段構造10の左右両側又は左右の一方側に設けることとしてもよい。例えば、図7は、階段構造10の片側に手すりを設置した他の実施例であり、手すりの下部周辺の平面図xを示している。階段構造の段ユニットの側板16の外側に、手すりの支柱54Pが立設される所定の間隙をあけて、該側板16と同じ構成の外ガイド側板68が対向配置されており、側板16と外ガイド側板68との間に現場打コンクリート56を打設して、手すり54が固定される。図7の例では、側板16と外ガイド側板68とは、同一の寸切ボルト40aを介して蹴上台14に接続されるとともに、数個のナット72により位置決めされた状態で固定されている。すなわち、寸切ボルト40aの先端は、蹴上台14の側面のインサートナット36に螺合連結されるとともに、該寸切りボルト40aと側板16外側のナット72により、側板16と蹴上台14とが接合される。そして、側板16から所定の間隔をあけた位置で寸切りボルト40aに2番目のナット72が螺合されており、側板16と外ガイド側板68との間隙が保持されるとともに、一番外側位置で寸切ボルト40aに螺合するナット72により外ガイド側板68が位置決め固定される。よって、寸切ボルト40aと複数のナット72により、側板16と外ガイド側板との間の手すり支柱を固定する現場打ちコンクリート56の間隙を保持する間隙保持部材70が構成されている。なお、手すりの構成は、上記した構成に限らず、例えば、傾斜地盤に直接立設固定してモルタルやコンクリートで固定する構成等、その他任意の構成でもよい。
本実施形態に係る階段構造10を施工する際には、例えば、階段を設置する現場の傾斜地盤Gを整地し、図5(a)に示すように、該傾斜地盤Gの下端に連なる水平基礎上に一段目の踏板12を設置する。この一段目の踏板12の第1の貫通孔28内に杭50又はアンカーを打ち込み、該踏板12を水平基礎に固定する。図5(b)に示すように、一段目の踏板12の奥行側に蹴上台14を設置し、踏板12のインサートナット32からなる受穴部30と蹴上台14の第2の貫通孔34と直線状に連通した状態で位置決めする。一段目の踏板12及び蹴上台14の側方に側板16Mを配置し、ボルトを介して蹴上台14の側面のインサートナット34に螺合連結して固定する。なお、一段目の側板は、下半部が水平基礎面に対応して水平に加工されている。次に、2段目の側方16を傾斜地盤Gの傾斜面に沿って立てて配置し、ボルト40を介して蹴上台14の側面のインサートナット34に螺合連結して固定する。次に、図5(c)に示すように、蹴上台14の背面側と傾斜地盤Gの傾斜面との間に土砂等の中詰材52を充填し、蹴上台14の上端面と面一となるように転圧して形成する。次に、図5(d)に示すように、二段目の踏板12を、第1の貫通孔28と蹴上台14の第2の貫通孔34とが互いに直線状に連通するように位置合わせしながら、蹴上台14の上端面及び中詰材52の上面に載置する。この際、二段目の踏板12手前端部の第1の貫通孔28と蹴上台14の第2の貫通孔34とを貫通し連続して一段目の踏板12の一部まで穿孔された縦穴部20が形成される。この縦穴部20に長ボルトからなる挿通棒材22を挿入し、一段目の踏板12のインサートナット32に螺合連結して、二段目の踏板12と蹴上台14と一段目の踏板12とが一体的に縦連結される。縦穴部20の上端部内に蓄光部材48を閉栓状に挿入する。次に、図5(b)同様に、二段目の踏板12の上に蹴上台14を載置し、側板16を蹴上台14の側方に連結し、図5(c)同様に中詰材52を充填して、図5(d)同様に中詰材52と蹴上台14の上端に踏板12を載置して、縦穴部20に挿通棒材22を挿通して縦連結する、といった工程を繰り返しながら、図1、図2のような所定の段数の階段構造10を構築していく。最上段部分では、踏板の上には蹴上台14が載置されず、側板16は、例えば、該側板の上辺が踏板12の踏面26と略同一の高さとなるように形成された形状の最上段用のものが配置される。このように、踏板12、蹴上台14、側板16、縦連結手段24等の各部材が比較的軽量に設けることができるので、人手でも傾斜地盤G等の種々の現場に搬送して、簡単に組み立てて施工することができる。さらに、縦連結手段24で上下の段ユニット18どうしを強固に連結するともに、側板16によっても上下の段ユニットの蹴上台16を連結しているので、全体的に強度が高い階段構造を構築できることから、避難用や作業用の階段として有効に実用できる。そのうえ、踏板12がポーラスコンクリートで形成されているので、透水性がよく、踏面に水が溜まらないことから、雨天時等でも利用者が踏面に足を載せた際に滑りにくく、安全に昇降移動することができる。本実施形態では、同じ構造の段ユニット18を上下に組み付け接続したものを左右に所定の間隔をあけて並設して構築し、それらの並設された2つの階段の側板16どうしの該間隙に手すり54が立設される。手すり54が設置される側板16どうしの対向間隙には、略コ字板状の間隔保持部材66が設置され、該間隔保持部材66は、側板16と蹴上台14とを連結しているボルト40を介して固定されている。該間隙保持部材66で該間隙を保持した状態で、側板16どうしの間隙内に現場打ちコンクリート56を打設して養生し、該手すりの支柱54Pの下端側を固定する。
次に、図9を参照しつつ、本発明の階段構造の第2の実施形態について説明する。上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。図9に示すように、本実施形態でも階段構造10-2は、上記実施形態同様に、踏板12と、蹴上台14と、側板16と、を含む段ユニット18を上下に階段状に組み付け接続され、さらに、上段側の踏板12と蹴上台14と下段側の踏板12に穿穴された縦穴部20aと、該縦穴部20に挿通して上段側の踏板12と蹴上台14と下段側の踏板12を一体的に連結する挿通棒材22aと、を含む縦連結手段24を備えている。本実施形態では、縦連結手段24の構成が上記実施形態と異なっており、縦穴部20a下段側の踏板部分に穿穴される穴部部分は、踏板の全部を穿穴するように上下に貫通した第3の貫通孔58からなる。すなわち、本実施形態では、縦穴部20aは、上段側の踏板12手前端部に上下に貫通された第1の貫通孔28と、蹴上台14に上下に貫通された第2の貫通孔34と、下段側の踏板12に埋設された第3の貫通孔58と、で構成され、それらの3つの貫通孔が連続して直線状に連通している。該縦穴部20aに挿通される挿通棒材22aは、下段側の踏板12の第3の貫通孔58を含む縦穴部20aを貫通して傾斜地盤Gまで挿通させる杭状体からなる。杭状体からなる挿通棒材22aは、杭やアンカー等の地盤に打ち込み等によって固定するものを含むものである。この実施形態でも上記実施形態同様の作用効果を奏するとともに、構成が簡単で低コストで製造できるとともに、地盤に安定して固定することができる。
以上説明した本考案の階段構造は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本考案の階段構造は、例えば、法面等の傾斜地盤に避難用や点検作業用の階段を設ける際や、その他様々な階段を構築する際に好適に利用できる。
10 階段構造
12 踏板
14 蹴上台
16 側板
18 段ユニット
20、20a 縦穴部
22、22a 挿通棒材
24 縦連結手段
26 踏面
32 インサートナット
41 第1凹凸部
42 第2凹凸部
58 貫通孔
12 踏板
14 蹴上台
16 側板
18 段ユニット
20、20a 縦穴部
22、22a 挿通棒材
24 縦連結手段
26 踏面
32 インサートナット
41 第1凹凸部
42 第2凹凸部
58 貫通孔
Claims (7)
- 踏面を形成する踏板と、
踏板の奥行側からL字状に立ち上がり接合された蹴上台と、
踏板及び蹴上台の側部に接合して組付けられる側板と、を含む段ユニットを上下に階段状に組み付け接続した階段構造であり、
上段側の踏板手前端部と蹴上台とを貫通し連続して下段側の踏板の一部又は全部に穿孔された縦穴部と、該縦穴部に挿通して上段側の踏板と蹴上台と下段側の踏板を一体的に連結する挿通棒材と、を含む縦連結手段と、
を備えたことを特徴とする階段構造。 - 踏板は、一部又は全体がポーラスコンクリートで形成されたことを特徴とする請求項1記載の階段構造。
- 縦穴部の下段側の踏板部分に穿穴される穴部分は、雌ねじ部が設けられ該踏板に埋設されたインサートナットからなり、
挿通棒材には、該インサートナットの雌ねじ部と螺合連結される雄ねじ部が形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の階段構造。 - 縦穴部の下段側の踏板部分に穿穴される穴部分は、上下に貫通した貫通孔からなり、
挿通棒材は、下段側の踏板の貫通孔を含む縦穴部を貫通して地盤まで挿通させる杭状体からなることを特徴とする請求項1又は2記載の階段構造。 - 側板は、下段側の踏板の上に載置された蹴上台と上段側の踏板の上に載置された他の蹴上台とに連結されて固定されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の階段構造。
- 側板は、上下に配置される側板同士の係合する部分に互いに嵌合する凹凸部が設けられたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の階段構造。
- 側板の凹凸部は、下段側の側板と嵌合される一端部側では下部側が切り欠き状に凹設された第1の凹凸部が形成されるとともに、上段側の側板と嵌合される他端部側では該上段側の側板の第1の凹凸部と嵌合するように下部側を突設した第2の凹凸部が形成されたことを特徴とする請求項6記載の階段構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20230127779A (ko) * | 2022-02-25 | 2023-09-01 | 주식회사 이엘산업 | 보행매트용 계단 |
-
2021
- 2021-12-08 JP JP2021004681U patent/JP3236306U/ja active Active
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