JP3231438U - 通い箱 - Google Patents

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貴史 大井
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Abstract

【課題】緩衝性を有し、圧縮永久歪が小さく、繰り返し使用に適した通い箱を提供する。【解決手段】底部21と側壁部22とから構成される合成樹脂成形体からなる箱部2と、箱部2の内側の少なくとも四隅近傍に設けられる熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなる緩衝部3とを有する通い箱1であり、箱部2の体積と緩衝部3の体積との比が50:50〜95:5であり、箱部2を構成する成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPaを超え、緩衝部3を構成する熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPa以下であり、該熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%圧縮永久歪が4%以下である。【選択図】図1

Description

本考案は、緩衝性を有し、圧縮永久歪が小さく、繰り返し使用に適した通い箱に関する。
従来、ガラスメーカー、カラーフィルターメーカー、デバイスメーカー等の相互間におけるガラス基板(完成パネルも含む)の搬送のために、樹脂発泡体で形成されたガラス基板搬送用ボックスが使用されている。
そのようなガラス基板搬送用ボックスとして、熱可塑性樹脂発泡体からなるボックス本体と、該ボックス本体の熱可塑性樹脂発泡体よりも見掛け密度が低い熱可塑性樹脂発泡体からなるガラス基板当接部(緩衝部)とを有するものがある(特許文献1)。
特開2007−314236号公報
しかしながら、特許文献1をはじめとする従来のガラス基板搬送用ボックスは、内容物の搬送時等において、該内容物によって緩衝部が圧縮された状態になることがある。そのような場合、ガラス基板搬送用ボックスを、繰り返し使用を前提とした通い箱として用いようとすると、緩衝部の形状が元に戻りにくく、緩衝部の交換が必要になることもあった。
そこで、本考案者らは、緩衝性を有し、圧縮永久歪が小さく、繰り返し使用に適した通い箱を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本考案を完成するに至った。
本考案に係る通い箱は、四角形の底部と該底部の周縁から立ち上がる側壁部とから構成される箱部と、前記箱部の内側の少なくとも四隅近傍に設けられる緩衝部とを有する通い箱であって、前記箱部が、合成樹脂成形体からなり、前記緩衝部が、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなり、前記箱部の体積と前記緩衝部の体積との比が50:50〜95:5であり、前記箱部を構成する成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPaを超えるものであり、前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPa以下であり、該熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%圧縮永久歪が4%以下である構成としてある。
本考案によれば、緩衝性を有し、圧縮永久歪が小さく、繰り返し使用に適した通い箱を提供することができる。
本考案に係る通い箱の第一実施形態を示す概略斜視図である。 本考案に係る通い箱の第二実施形態を示す概略斜視図である。 図2に示す通い箱が備える緩衝部の拡大図である。 第一実施形態に係る通い箱の製造方法を説明する図である。
以下、本考案の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
まず、本考案に係る通い箱の第一実施形態について、図1を参照して説明する。図1において、1は通い箱、2は箱部、3は緩衝部である。
箱部2は、四角形の底部21と底部21の周縁から立ち上がる4つの側壁部22とから構成される。
緩衝部3は、箱部2の内側の少なくとも四隅近傍に設けられればよい。箱部2の内側の四隅「近傍」というのは、箱部2の内側の4つの隅(互いに隣接する側壁部22の接合部)のそれぞれから300mm以内の領域を意味し、好ましくは100mm以内、より好ましくは50mm以内である。
緩衝部3は、箱部2の内側の少なくとも四隅(互いに隣接する側壁部22の接合部)に設けられていることが好ましい。
箱部2の内側の少なくとも四隅近傍に緩衝部3が設けられることによって、通い箱1は緩衝性に優れたものとなり、搬送中などに該通い箱1に衝撃が掛かったとしても緩衝部3によりその衝撃を緩和し、内容物を保護することができる。
緩衝部3は、箱部2の内側において、上述した四隅近傍から該四隅近傍以外の領域に跨るように設けられてもよく、本実施形態では、緩衝部3は、所定の厚みを有する板状部材からなり、箱部2の内側全面(底部21及び4つの側壁部22それぞれの内面)に積層するように設けられている。
緩衝部3と箱部2とは、単に箱部2の少なくとも四隅近傍に緩衝部3を載置するだけでも良いが、機械的に取り付ける方法、接着剤により接着する方法及び型内成形により一体成形する方法などにより配設されることが好ましい。積層接着性に優れることから箱部2と緩衝部3とは、一体成形により融着されていることがより好ましい。
箱部2は、合成樹脂成形体からなる。これにより、箱部2の剛性を保持したまま軽量化することができる。
合成樹脂成形体を構成する合成樹脂として、熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂として、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィンとポリスチレンとの複合樹脂(PO/PS複合樹脂)、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合樹脂等を挙げることができる。
これらの中では、成形加工性と得られる成形体の機械的強度とのバランスに優れるものが得られやすいことから、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、PO/PS複合樹脂が好ましく、これらの中でも、耐熱性と機械的強度に優れることから、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
合成樹脂成形体は、合成樹脂発泡成形体であることが好ましい。合成樹脂発泡成形体の形態としては、発泡粒子を型内に充填して加熱成形された発泡粒子成形体が好ましい。この発泡粒子成形体は、例えば樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を作製し、前記発泡性樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得て、前記発泡粒子を所定形状の金型内に充填し、加熱して発泡粒子を融着させて型内成形することで得ることができる。合成樹脂発泡成形体は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体であることが好ましい。
合成樹脂発泡成形体の見掛け密度は、10〜300kg/mであることが好ましい。
軽量性の観点から合成樹脂発泡成形体の見掛け密度は、200kg/m以下であることが好ましく、100kg/m以下であることがより好ましい。一方、機械的強度の観点から合成樹脂発泡成形体の見掛け密度は、30kg/m以上であることが好ましく、50kg/m以上であることがより好ましい。
合成樹脂発泡成形体の見掛け密度は、箱部2からサンプルを切り出し、サンプルの重量をサンプルの外形寸法から求められる体積にて除することにより求めることができる。
箱部2を構成する成形体の25%ひずみ時における圧縮応力は200kPaを超えるものであり、300kPa以上であることが好ましく、400kPa以上であることがより好ましい。上記を満足することにより、箱部2はより剛性に優れるものとなる。
箱部2を構成する成形体の25%ひずみ時における圧縮応力は、以下の方法により測定することができる。通い箱1を箱部2と緩衝部3とに切り分ける。箱部2が合成樹脂発泡成形体からなる場合、箱部2から、成形時に形成された表面のスキン(成形スキン)を除いたサンプル(縦50mm、横50mm、厚み25mm)を切り出し、このサンプルについて、JIS K6767:1999に準拠して、23℃における圧縮応力(試験速度:10mm/min)を測定し、得られた圧縮応力−歪曲線に基づき、25%歪の際の応力を読み取り、これを25%ひずみ時における圧縮応力とする。ただし、この25%ひずみ時における圧縮応力は、試験数を5とし、それらの測定値を算術平均することにより求められる。また、箱部2が合成樹脂発泡成形体以外からなる場合、箱部2を切り出さずに無作為に5か所について上記方法により25%ひずみ時における圧縮応力を測定し、算術平均することにより求められる。
緩衝部3は、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなる。これにより、緩衝部3は緩衝性に優れると共に圧縮永久歪が小さくなるためへたり難く、通い箱1を好適に繰り返し使用できる。特に熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体は、圧縮応力、圧縮永久歪等の物性に関して圧縮方向による依存性が低いため、繰り返し使用適性に優れる。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体を構成する熱可塑性エラストマー(TPE)として、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等を挙げることができる。これらのTPEは、単独で又は2種以上混合して用いられる。
前記TPOは、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンをハードセグメントとし、エチレン−プロピレンゴム(EPM)等のゴム成分をソフトセグメントとする熱可塑性エラストマーである。
TPOは、一般に、ポリオレフィンとゴム成分のブレンドタイプ、動的架橋タイプ、重合タイプに大別される。
具体的には、TPOとして、ポリプロピレン中にエチレン−プロピレンゴム(EPM)が分散した構造のもの、ポリプロピレン中に架橋又は部分架橋されたエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が分散した構造のもの、エチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体、ポリエチレンブロックとエチレン/α−オレフィン共重合体ブロックとのブロック共重合体等が例示できる。
前記TPSは、ポリスチレンをハードセグメントとし、共役ジエン重合体、該重合体の完全水素添加物又は部分水素添加物をソフトセグメントとする熱可塑性エラストマーである。
具体的には、TPSとして、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、SBSの完全水素添加物であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、SBSの部分水素添加物であるスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン(SBBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、SISの完全水素添加物であるしたスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)等が例示できる。
前記TPUは、長鎖ポリオールを含むソフトセグメントと、短鎖グリコール等の鎖延長剤とジイソシアネートとがウレタン結合で重合したハードセグメントとが、ブロック共重合した構造を有する熱可塑性エラストマーである。
前記TPCは、結晶性の芳香族ポリエステル等をハードブロックと、脂肪族ポリエステルやポリエーテル等のソフトブロックとがブロック共重合してなる熱可塑性エラストマーである。
前記TPAは、結晶性のポリアミドをハードブロックとし、脂肪族ポリエステルやポリエーテル等をソフトブロックとする熱可塑性エラストマーである。
箱部2を構成する熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合、緩衝部3の熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体を構成するTPEとして、TPOが好ましく用いられる。箱部2がポリプロピレン系樹脂を基材とする場合であっても、TPOを基材とする発泡粒子成形体Bは、箱部2と熱融着可能である。従って、成形型内で一体成形を行うことにより、一回の型内成形で箱部2と緩衝部3とを積層接着することもできる。これにより、生産性が向上する。
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)の中でも、発泡性に優れると共に、高温下での緩衝部の反りをより効果的に抑制できるという観点から、ポリエチレンブロックとエチレン/α−オレフィン共重合体ブロックとのブロック共重合体が好ましく用いられる。該ブロック共重合体は、ポリエチレンブロックをハードセグメントとし、エチレン/αオレフィン共重合体ブロックをソフトセグメントとする熱可塑性エラストマーである。
該ブロック共重合体を構成するポリエチレンブロックとしては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。ポリエチレンブロックに含まれるエチレン成分の割合は、ポリエチレンブロックの重量に対して、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上である、さらに好ましくは100重量%(エチレン単独重合体)である。
一方、該ブロック共重合体を構成するエチレン/α−オレフィン共重合体ブロックとしては、例えば、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体のブロック等が挙げられる。α−オレフィンは、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、より好ましくは1−オクテンである。エチレン/α−オレフィン共重合体ブロックに含まれるα−オレフィン成分の割合は、エチレン/α−オレフィン共重合体ブロックの重量に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上である。
前記ブロック共重合体におけるポリエチレンブロックに含まれるエチレン成分の割合、及びエチレン/α−オレフィン共重合体ブロックに含まれるα−オレフィン成分の割合を示差走査熱量測定(DSC)又は核磁気共鳴(NMR)により求めることができる。
該ブロック共重合体の具体例としては、例えば、特開2013−64137号公報に記載されているものが挙げられる。また市販されている、ブロック共重合体としては、例えば、ダウ・ケミカル社製の商品名「インフューズ(INFUSE(登録商標))」、三井化学社製の商品名「タフマー(TAFMER(登録商標))」等が挙げられる。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体を構成する基材は、TPEのほかに、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂)、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂からなるその他の樹脂を含むことができる。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体がTPE以外のその他の樹脂を含む場合、成形体の耐熱性を向上させる観点から、TPE100重量部に対して、その他の樹脂が10重量部以上含むことが好ましく、20重量部以上含むことがより好ましい。一方、成形体の柔軟性を維持する観点からは、TPE100重量部に対して、その他の樹脂が40重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましい。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体は、TPE及びその他の樹脂の他に、本考案の目的効果を阻害しない範囲において、各種添加剤を添加することができる。各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、金属不活性剤、導電性フィラー、気泡調整剤、染料、顔料等を挙げることができる。これらの添加剤の添加量は、合計でTPE(その他の樹脂を含む場合はTPEとその他の樹脂との合計)100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。なお、これらの添加剤は、通常、必要最小限の量で使用される。
前記気泡調整剤としては、例えば、ホウ酸亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、水酸化アルミニウム、シリカ、ゼオライト、カーボン、リン酸系核剤、フェノール系核剤、アミン系核剤、ポリフッ化エチレン系樹脂粉末等が例示される。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体は熱キシレン不溶分を含むことが好ましい。即ち、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体を構成するTPEは、架橋していることが好ましい。架橋したTPEを発泡粒子の基材とすることにより、発泡性や成形性を向上させることができる。架橋方法は、有機過酸化物などの架橋剤による方法、電子線による架橋方法のいずれであってもよく、発泡粒子の状態で架橋して架橋発泡粒子としても、架橋した粒子を発泡させて架橋発泡粒子としてもよい。
さらに、前述の発泡性及び型内成形性向上の観点や、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体を圧縮した際の形状回復性の観点から、該熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体中の熱キシレン不溶分の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。
一方、上記観点からは、熱キシレン不溶分の含有量の上限は特に限定されるものでないが、発泡粒子同士の融着性の観点からは、型内成形前の発泡粒子の熱キシレン不溶分の含有量は、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは55重量%以下である。なお、型内成形により熱キシレン不溶分の含有量は変化しないので、発泡粒子の熱キシレン不溶分の含有量と、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の熱キシレン不溶分の含有量とは実質的に同じ値となる。よって、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の熱キシレン不溶分の含有量の上限は、好ましくは70重量%、より好ましくは60重量%、さらに好ましくは55重量%である。
また、メルトフローレイトが比較的低いTPEを原料として用いる場合には、前記範囲内において熱キシレン不溶分の含有量を少なくすることが好ましい。一方、メルトフローレイトが比較的高いTPEを原料として用いる場合には、前記範囲において熱キシレン不溶分の含有量を多くすることが好ましい。
前記熱キシレン不溶分の含有量は、架橋剤の添加量の他に、密閉容器でTPEの粒子を架橋させる際の攪拌条件、昇温条件等によっても調節することができる。
なお、熱キシレン不溶分の含有量の測定を次のように行う。まず、試料約1gを秤量(秤量した試料質量をG1(g)とする。)してキシレン100g中で6時間煮沸した後、これを100メッシュの金網で速やかに濾過する。次いで金網上に残った沸騰キシレン不溶分を80℃の減圧乾燥機で8時間乾燥させてから不溶分の質量を秤量する(秤量した沸騰キシレン不溶分の質量をG2(g)とする。)。該含有量は、下記式によって求められる。
熱キシレン不溶分の含有量(%)=G2(g)÷G1(g)×100
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の見掛け密度は200kg/m以下であることが好ましく、100kg/m以下であることがより好ましく、50kg/m以下であることがさらに好ましい。上記範囲を満たす熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体は、軽量性に優れると共に柔軟性に優れることから好ましい。熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の見掛け密度の上限は10kg/m程度である。熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の見掛け密度は、緩衝部3からサンプルを切り出し、サンプルの重量をサンプルの外形寸法から求められる体積にて除することにより求めることができる。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力は、200kPa以下であり、100kPa以下であることが好ましく、50kPa以下であることがより好ましい。これにより、緩衝部3は緩衝性に優れる。一方、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力の下限は、特に制限されるものではないが10kPa程度である。
25%ひずみ時における圧縮応力は、以下の方法により測定される値である。
通い箱を箱部2と緩衝部3とに切り分け、緩衝部3の成形体から、成形時に形成されたスキン(成形スキン)を除いたサンプルを無作為に切り出す。これらのサンプルについてJIS K6767:1999に準拠して、23℃における圧縮応力(試験速度:10mm/min)を測定し、得られた圧縮応力−歪曲線に基づき、25%歪の際の応力を読み取ることにより求められる。
なお、緩衝部3のサンプルは、縦50mm、横50mm、厚み25mmの大きさとし、厚みが25mmに満たない場合には厚みが25mmとなるように積み重ねたものをサンプルとする。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%圧縮永久歪は4%以下であるこれにより、緩衝部3は元の形状に戻りやすいため、繰り返し使用に好適である。上記観点から、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%圧縮永久歪は2.5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
25%圧縮永久歪は、以下の方法により測定される値である。
通い箱を箱部2と緩衝部3とに切り分け、緩衝部3から、成形時に形成された表面のスキン(成形スキン)を除いて縦50mm、横50mm、厚みは表面のスキンを除いた厚みを切り出し、厚みが25mmに満たない場合には厚みが25mmとなるように積み重ねたものをサンプルとする。このサンプルについて、JIS K6767:1999に準拠して、温度23℃、相対湿度50%の環境下で25%圧縮した状態で22時間放置し、圧縮終了(治具解放してから)24時間後に厚みを測定し、サンプルの圧縮永久歪[%]を求める。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の静摩擦係数は1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.7以上であることがさらに好ましい。これにより、通い箱1の内容物が滑って動くことをより抑制する効果が得られやすくなる。
静摩擦係数は、JIS K7125:1999に準拠して測定することができる。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の反発弾性率は50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。これにより、通い箱1の内容物が固定され易くなる効果が得られる。
反発弾性率は、JIS K6255:2013に準拠して測定することができる。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)発泡粒子成形体からなり、該成形体の見掛け密度が10〜200kg/mであることが好ましい。この条件を満たす熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体は、より緩衝性に優れると共に繰り返し使用に好適な成形体となる。
見掛け密度は、上記記載の方法により測定される値である。
前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体を構成する熱可塑性エラストマー発泡粒子の平均粒子径が1〜4mmであり、前記緩衝部の平均厚みが5〜10mmであり、前記緩衝部の最小厚みが熱可塑性エラストマー発泡粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。
前記の発泡粒子の平均気泡径と緩衝部の平均厚みとの関係を満足すると、緩衝部3の断面において厚さ方向に1粒以上の熱可塑性エラストマー発泡粒子が存在し、緩衝部3が良好に形成されやすくなるため好ましい。また、熱可塑性エラストマー発泡粒子を型内成形することにより緩衝部3形成する場合に、前記の発泡粒子の平均気泡径と緩衝部の平均厚みとの関係を満足すると、緩衝部3となる箇所の端部まで熱可塑性エラストマー発泡粒子がしっかり充填されやすくなるため好ましい。なお、ここで言う発泡粒子の平均粒子径は、発泡粒子1個あたりの体積と同じ体積を有する仮想真球の直径を意味するものとする。また、前記緩衝部の平均厚みは、緩衝部の厚みを無作為に5か所以上測定し、それらの算術平均値から求めることができる。前記緩衝部の最小厚みは、通い箱1の箱部2と緩衝部3との界面から通い箱1の内面までの厚みの最小値をいう。
前記熱可塑性エラストマー発泡粒子の平均粒子径(mm)に対する前記緩衝部の平均厚み(mm)の比は、1を超えることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2以上であることがさらに好ましい。一方、上限は概ね5程度である。
箱部2の体積と緩衝部3の体積との比(箱部2の体積:緩衝部3の体積)は、50:50〜95:5である。これにより、緩衝部3による優れた緩衝性が発揮されると共に、箱部2と緩衝部3とを一体成形する場合において箱部2と緩衝部3との収縮率に差があるときでも反りや変形が好適に防止される。緩衝部3による緩衝性を高める観点からは、箱部2の体積と緩衝部3の体積との合計に対する緩衝部3の比率が7体積%以上であることが好ましく、9体積%以上であることがより好ましい。一方、箱部2と緩衝部3とを一体成形する場合において箱部2と緩衝部3との収縮率に差があるときでも反りや変形を好適に防止する観点からは、箱部2の体積と緩衝部3の体積との合計に対する緩衝部3の比率が30体積%以下であることが好ましく、25体積%以下であることがより好ましい。
箱部2と緩衝部3との体積比は、通い箱1を箱部2と緩衝部3とに切り分け、それぞれの外形寸法から体積を測定し、箱部2と緩衝部3との体積比を求める。
箱部2の底部21は、短辺の寸法Aと長辺の寸法Bとの比が、1:1.3〜1:2の長方形であることが好ましい。ここで、寸法A及び寸法Bは、それぞれ箱部2の内寸法に基づくものであり、緩衝部3は考慮しない。
また、箱部2の側壁部22の高さCは、該箱部2の底部21の短辺の寸法Aの1/3以下であることが好ましい。ここで、高さCは、箱部2の外寸法に基づくものであり、緩衝部3は考慮しない。
これらの条件を満たすことによって、通い箱1は、内容物として液晶ガラスを好適に収納できる。
箱部2の厚みは格別限定されるものではないが、平均厚みが30〜60mmであることが好ましい。底部21と側壁部22とで厚みは同一でも異なってもよい。
通い箱1の外形寸法における、短辺方向長さDは800〜1100mmであることが好ましく、長辺方向長さEは1400〜1700mmであることが好ましい。これにより、通い箱1は、内容物として液晶ガラスを好適に収納できる。
緩衝部3の平均厚みは、5〜10mmであることが好ましい。平均厚みが5mm以上であることによって、より優れた緩衝性が発揮される。また、平均厚みが10mm以下であることによって、箱部2と緩衝部3とを一体成形する場合において箱部2と緩衝部3との収縮率に差があるときでも、反りや変形がより好適に防止される。
以上の説明では、通い箱の箱部が合成樹脂発泡成形体からなる場合について主に示したが、これに限定されない。通い箱の箱部は、合成樹脂成形体からなるものであればよい。合成樹脂成形体としては、合成樹脂射出成形体、合成樹脂中空成形体、合成樹脂発泡成形体などが挙げられる。合成樹脂中空成形体としては、表皮が発泡したものであってもよく、表皮が非発泡であり中空部分の一部または全部に発泡体が充填されたものであってもよい。合成樹脂発泡成形体は、2枚以上の板状の押出発泡体をそれらの周縁同士で接着させて通い箱の形状としたものであってもよく、発泡粒子を型内成形したものであってもよい。上記の中でも軽量でありながらも剛性に優れたものが得られやすいため合成樹脂中空成形体及び/又は合成樹脂発泡成形体からなるものであることが好ましく、合成樹脂発泡成形体からなるものであることがより好ましく、合成樹脂発泡粒子成形体からなるものであることがさらに好ましい。
[第二実施形態]
次に、本考案に係る通い箱の第二実施形態について、図2及び図3を参照して説明する。
図2及び図3において、第一実施形態を示す図1と同符号は同構成を指している。特に断りのない限り、第一実施形態を示す図1についてした説明が援用され、第一実施形態と共通する構成については、重複する説明を省略する。
本実施形態において、緩衝部3は、箱部2の内側の四隅近傍のそれぞれに計4つ設けられている。緩衝部3のそれぞれは、断面がL字状の柱状体である。L字状に接合された2つの板状部材31、32のそれぞれは、互いに隣接する2つの側壁部22のそれぞれに積層されている。
緩衝部3の縦方向の寸法(一方の板状部材31の幅に相当)F及び横方向の寸法(他方の板状部材32の幅に相当)Gは、同一でも異なってもよく、例えば100mm以上であることが好ましく、より好ましくは200mm以上である。一方、400mm以下であることが好ましく、300mm以下であることがより好ましい。
緩衝部3を構成する一方の板状部材31の厚みH及び他方の板状部材32の厚みIは、同一でも異なってもよい。緩衝部3の平均厚みは、優れた緩衝性を発揮させる観点から50mm以上であることが好ましく、70mm以上であることがより好ましい。一方、通い箱1の収容量を多くする観点からは200mm以下であることが好ましく、150mm以下であることがより好ましい。
緩衝部3の高さJは、図1を参照して説明した箱部2の側壁部22の内面側の高さと同じか、それよりも小さく設定することができる。緩衝部3の高さJは、10mm以上とすることが好ましく、より好ましくは30mm以上である。一方、緩衝部3の高さJは、100mm以下とすることが好ましく、より好ましくは70mm以下である。
上述した第二実施形態において、箱部2の底部21の内面の一部又は全面にさらなる緩衝部3(図示省略)を設けることも好ましいことである。
以上の通り、本考案に係る通い箱1は、四角形の底部21と該底部21の周縁から立ち上がる側壁部22とから構成される箱部2と、箱部2の内側の少なくとも四隅近傍に設けられる緩衝部3とを有する通い箱1であって、箱部2が、合成樹脂成形体からなり、緩衝部3が、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなり、箱部2の体積と緩衝部3の体積との比が50:50〜95:5であり、箱部2を構成する成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPaを超えるものであり、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPa以下であり、該熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%圧縮永久歪が4%以下である。
このような本考案によれば、緩衝性を有し、圧縮永久歪が小さく、繰り返し使用に適する通い箱1を提供することができる。
なお、本明細書において、「x〜y」は「x以上、y以下」の数値範囲を表すものとする。数値範囲に関して記載された上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
以下に本考案の実施例を説明するが、本考案はこれらの実施例により限定されない。
1.材料
実施例、比較例において、以下に示す材料を用いた。
尚、以下に示す「平均粒子径」は、原料段階の値ではなく、成形後の成形体について後述する測定方法によって測定した値である。
(1)箱部用
A1:合成樹脂発泡粒子(JSP社製「ピーブロック(登録商標)」、平均粒子径3.0mm、基材樹脂:ポリプロピレン−エチレンランダム共重合体)
(2)緩衝部用
B1:熱可塑性エラストマー発泡粒子(ダウ・ケミカル社製のTPO「INFUSE9530」、平均粒子径3.0mm、見掛け密度30kg/m、基材エラストマー:ポリエチレンブロックとエチレン−オクテンランダム共重合ブロックとを有するブロック共重合体)
B2:熱可塑性エラストマー発泡粒子(ダウ・ケミカル社製のTPO「INFUSE9530」、平均粒子径2.1mm、見掛け密度40kg/m
B3:熱可塑性エラストマー発泡粒子(ダウ・ケミカル社製のTPO「INFUSE9530」、平均粒子径2.2mm、見掛け密度82kg/m
B4:熱可塑性エラストマー発泡粒子(ダウ・ケミカル社製のTPO「INFUSE9530」、平均粒子径2.5mm、見掛け密度150kg/m
B5:熱可塑性エラストマー発泡粒子(ダウ・ケミカル社製のTPO「INFUSE9530」、平均粒子径3.0mm、見掛け密度30kg/m
B6:熱可塑性エラストマー発泡粒子(ダウ・ケミカル社製のTPO「INFUSE9530」、平均粒子径3.0mm、見掛け密度30kg/m
B7:熱可塑性エラストマー発泡粒子(ダウ・ケミカル社製のTPO「INFUSE9530(ポリエチレンブロックとエチレン−オクテンランダム共重合ブロックとを有するブロック共重合体)」80質量%、東ソー社製の高密度ポリエチレン系樹脂「ニポロンハード1200」20質量%の混合原料の発泡粒子、平均粒子径3.0mm、見掛け密度30kg/m
B8:熱可塑性エラストマー発泡粒子(三井化学社製のTPO「タフマーDF140」、平均粒子径2.2mm、基材エラストマー:エチレン−ブテンランダム共重合体)
B9:熱可塑性樹脂発泡粒子(JSP社製「ピーブロック(登録商標)」、平均粒子径3.0mm、基材樹脂:ポリプロピレン−エチレンランダム共重合体)
B10:熱可塑性樹脂発泡粒子(JSP社製「エルブロック(登録商標)」、平均粒子径3.6mm、基材樹脂:直鎖状低密度ポリエチレン)
(3)接着剤
C1:セメダイン社製「SX−PPK1000」
2.通い箱の製造
(実施例1)
(1)箱部の成形
図4(a)に示すように、金型(雌金型4及び雄金型5)を備えた型内発泡成形機を用意した。この雌金型4と雄金型5とは、型締めした状態において、金型4、5間に、外寸法(縦883mm×横1487mm×高さ104mm)、内寸法(縦773mm×横1377mm×高さ52mm)である角型箱状のキャビティが形成される。
この金型4、5のキャビティ内に合成樹脂発泡粒子A1を充填し、スチーム加熱による型内成形を行って角型箱状の発泡粒子成形体(箱部2)を得た。加熱方法は両面の型のドレン弁(図示省略)を開放した状態でスチームを5秒間供給して予備加熱(排気工程)を行った後、移動側型よりスチームを供給し、次いで固定側型よりスチームを供給した後、成形加熱スチーム圧力(成形圧力=成形蒸気圧)まで加熱した。加熱終了後、放圧し、発泡粒子成形体(箱部2)の発泡力による表面圧力が0.04MPa(ゲージ圧)に低下するまで水冷した。
なお、得られた発泡粒子成形体(箱部2)は、見掛け密度が66.6kg/m、25%ひずみ時の圧縮応力が507kPaであった。
(2)緩衝部の成形
図4(b)に示すように、金型4、5のうちの雄金型5を、寸法が6mm小さい雄金型6に変更し、この金型4、6内に上記「(1)箱部の成形」にて得られた直後の発泡粒子成形体(箱部2)を入れ、該箱部2の内面に6mmのキャビティを設けた状態とした。
次いで、図4(c)に示すように、金型4、6のキャビティ内に熱可塑性エラストマー発泡粒子B1を充填し、スチーム加熱による型内成形を行って、箱部2の内面に緩衝部3を一体成形した。
次いで、図4(d)に示すように、金型4、6を開け、通い箱1を得た。得られた通い箱1は、箱部2と該箱部2内の内側全面に設けられた緩衝部3とを有する。
以上のようにして得られた通い箱1の寸法について、再び図1を参照して説明する。
箱部2の底部21は、短辺の寸法Aが773mm、長辺の寸法Bが1377mm(短辺の寸法Aと長辺の寸法Bとの比が1:1.8)の長方形である。また、箱部2の側壁部22の高さCは104mmである。かかる箱部2の側壁部22の高さCは、該箱部2の底部21の短辺の寸法Aの0.13倍である。ここで、寸法A及び寸法Bは、それぞれ箱部2の内寸法に基づくものであり、緩衝部3は考慮しない。また、高さCは、箱部2の外寸法に基づくものである。
箱部2の外形寸法(通い箱1の外形寸法に相当)における、短辺方向長さDは883mmであり、長辺方向長さEは1487mmであり、高さは104mmである。
箱部2の厚みは、底部21の板厚が52mm、側壁部22の板厚が55mmである。
緩衝部3は、上記箱部2の内側全面に6mmの厚みで形成されている。
(実施例2)
実施例1において、熱可塑性エラストマー発泡粒子B1に代えて、熱可塑性エラストマー発泡粒子B2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通い箱を得た。
(実施例3)
実施例1において、熱可塑性エラストマー発泡粒子B1に代えて、熱可塑性エラストマー発泡粒子B3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通い箱を得た。
(実施例4)
実施例1において、熱可塑性エラストマー発泡粒子B1に代えて、熱可塑性エラストマー発泡粒子B4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通い箱を得た。
(実施例5)
箱部として、実施例1と同様にして得た箱部を、温度60℃に調整されたオーブン内に12時間載置することにより乾燥及び養生して用いた。
緩衝部として、熱可塑性エラストマー発泡粒子B5を型内成形して得た成形体から厚みが6mmとなるようにスライスした緩衝部を用いた。この緩衝部の片面に接着剤C1を塗り、箱部の内側全面に接着し、通い箱を得た。
(実施例6)
箱部として、実施例1と同様にして得た箱部を、温度60℃に調整されたオーブン内に12時間載置することにより乾燥及び養生して用いた。
緩衝部として、熱可塑性エラストマー発泡粒子B6を型内成形して得た成形体から、2辺の長さが等しいL字状の緩衝部を4つ切り出した。4つの緩衝部それぞれの寸法は、図3を参照して説明した一方の板状部材31の幅Fが250mm、他方の板状部材32の幅Gが250mm、一方の板状部材31の厚みHが115mm、他方の板状部材32の厚みIが115mm、高さJが52mmである。これら緩衝部における箱部と接する面に接着剤C1を塗り、箱部の四隅に接着し、通い箱を得た。
(実施例7)
実施例1において、熱可塑性エラストマー発泡粒子B1に代えて、熱可塑性エラストマー発泡粒子B7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通い箱を得た。
(実施例8)
実施例1において、熱可塑性エラストマー発泡粒子B1に代えて、熱可塑性エラストマー発泡粒子B8を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通い箱を得た。
(比較例1)
実施例1において、熱可塑性エラストマー発泡粒子B1に代えて、熱可塑性樹脂発泡粒子B9を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通い箱を得た。
(比較例2)
実施例1において、熱可塑性エラストマー発泡粒子B1に代えて、熱可塑性樹脂発泡粒子B10を用いたこと以外は実施例1と同様にして、通い箱を得た。
3.測定方法
実施例及び比較例の各通い箱を構成する箱部及び緩衝部について、以下の測定を行った。
(1)平均粒子径
成形体から発泡粒子を1粒ずつばらばらにし、それらの合計の質量W1を測定した。次に温度23℃の水の入ったメスシリンダーに質量W1の発泡粒子を金網を使用して沈めた。そして、金網の体積を考慮して、水位上昇分より読みとられる発泡粒子の容積V[L]を測定した。容積Vをメスシリンダーに投入した発泡粒子の数で割算して、発泡粒子1個当たりの体積を求め、求めた体積と同じ体積を有する仮想真球の直径を発泡粒子の平均粒子径[mm]とした。
(2)見掛け密度
通い箱を箱部(合成樹脂発泡成形体)と緩衝部(熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体)とに切り分けた。それぞれの成形体から、成形時に形成されたスキン(成形スキン)を除いてサンプルを切り出した。それぞれのサンプルの外形寸法よりサンプルの見掛け体積Hを求めた。それぞれのサンプルの重量W2を測定し、重量W2をサンプルの見掛け体積Hで割算した値をそれぞれの成形体の見掛け密度[kg/m]とした。
(3)体積比
通い箱を箱部(合成樹脂発泡成形体)と緩衝部(熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体)とに切り分けた。それぞれの成形体の外形寸法から体積を測定し、箱部2と緩衝部3との体積比を求めた。
(4)25%ひずみ時における圧縮応力
通い箱を箱部(合成樹脂発泡成形体)と緩衝部(熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体)とに切り分けた。それぞれの成形体から、成形時に形成されたスキン(成形スキン)を除いて無作為にサンプルを切り出した。これらのサンプルについてJIS K6767:1999に準拠して、23℃における圧縮応力(試験速度:10mm/min)を測定し、得られた圧縮応力−歪曲線に基づき、25%歪の際の応力を読み取ることにより求めた。
箱部のサンプルを使用した25%ひずみ時における圧縮応力は、各サンプルにおける厚み方向、縦方向及び横方向の3方向における25%ひずみ時における圧縮応力の平均値とし、5つのサンプルについて上記測定を行いその平均値をそれぞれ採用した。なお、箱部のサンプルは、縦50mm、横50mm、厚み25mmの大きさとした。
緩衝部のサンプルを使用した25%ひずみ時における圧縮応力は、各サンプルにおける厚み方向における25%ひずみ時における圧縮応力とし、5つのサンプルについて上記測定を行いその平均値をそれぞれ採用した。なお、緩衝部のサンプルは、縦50mm、横50mmとし、実施例6以外の実施例、比較例では、厚みが25mmとなるように積み重ねて測定した。
(5)25%圧縮永久歪
通い箱を箱部(合成樹脂発泡成形体)と緩衝部(熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体)とに切り分けた。緩衝部から、成形時に形成された表面のスキン(成形スキン)を除いて無作為に縦50mm、横50mm、厚みは表面のスキンを除いた厚みを切り出した。実施例6以外の実施例、比較例では、厚みが25mmとなるように積み重ねてサンプルとした。このサンプルについて、JIS K6767:1999に準拠して、温度23℃、相対湿度50%の環境下で25%圧縮した状態で22時間放置し、圧縮終了(治具解放してから)24時間後に厚みを測定し、サンプルの圧縮永久歪[%]を求めた。なお、この圧縮永久歪[%]は、5つのサンプルについて上記測定を行いその平均値を採用した。
(6)静摩擦係数
通い箱を箱部(合成樹脂発泡成形体)と緩衝部(熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体)とに切り分けた。緩衝部から、成形時に形成されたスキン(成形スキン)が付いたサンプル(63mm×63mm×5mm厚さ)を切り出した。このサンプルについて、JIS K7125:1999に準拠し、試験速度500mm/分、試験距離80mmとし静摩擦係数[−]を測定した。滑り相手材料は塗装鋼板とした。滑り相手材料と接するサンプル面をスキン付きとした。上記試験を5つのサンプルについて行い、その算術平均した値を静摩擦係数とした。
(7)反発弾性率
JIS K6255:2013に準拠し、測定装置としてショブ式反発弾性試験機「RT−90」(高分子計器株式会社製)を用い、相対湿度50%、23℃の条件下で発泡粒子成形体の反発弾性率を測定した。まず、通い箱を箱部(合成樹脂発泡成形体)と緩衝部(熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体)とに切り分けた。緩衝部から、成形時に形成されたスキン(成形スキン)が付いたサンプル片を切り出した。実施例6以外の実施例、比較例では、このサンプル片を厚さが25mmとなるように積層し、両面テープで固定してサンプルとした。このサンプルを、振子の先端に接触する面がスキン面となるように両面テープで装置に固定し、ハンマー直径15mm、アーム重さ0.25kgの振子を、持ち上げ角度90±1°の位置から振り下ろした。そして、厚さ方向からサンプルの成形表皮面に振子を接触させ、振子の跳ね返り高さh(mm)を測定した。跳ね返り高さh(mm)を振子の落下高さH(mm)で除して、反発弾性率を算出した。
4.評価方法
実施例及び比較例の各通い箱について、以下の評価を行った。
(1)緩衝性
下記評価基準にて緩衝性を評価した。
[評価基準]
A:緩衝部を構成する熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が100kPa以下である。
B:前記圧縮応力が100kPaを超え200kPa以下である。
C:前記圧縮応力が200kPaを超える。
(2)繰り返し使用適性
下記評価基準にて繰り返し使用適性を評価した。
[評価基準]
A:緩衝部を構成する熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%圧縮永久歪が3%以下である。
B:前記25%圧縮永久歪が3%を超え6%以下である。
C:前記25%圧縮永久歪が6%を超える。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0003231438
本考案は、液晶ガラス等のガラスや自動車部品をはじめとする各種の部材を収納する用途に広く利用することができる通い箱を提供する。
1:通い箱
2:箱部
21:底部
22側壁部
3:緩衝部
31、32:板状部材

Claims (13)

  1. 四角形の底部と該底部の周縁から立ち上がる側壁部とから構成される箱部と、
    前記箱部の内側の少なくとも四隅近傍に設けられる緩衝部と
    を有する通い箱であって、
    前記箱部が、合成樹脂成形体からなり、
    前記緩衝部が、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなり、
    前記箱部の体積と前記緩衝部の体積との比が50:50〜95:5であり、
    前記箱部を構成する成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPaを超えるものであり、
    前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が200kPa以下であり、該熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%圧縮永久歪が4%以下であることを特徴とする通い箱。
  2. 前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の25%ひずみ時における圧縮応力が10〜100kPaであることを特徴とする請求項1に記載の通い箱。
  3. 前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の静摩擦係数が1.5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の通い箱。
  4. 前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の反発弾性率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の通い箱。
  5. 前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体が、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなり、該オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の見掛け密度が10〜200kg/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の通い箱。
  6. 前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体の熱キシレン不溶分が10〜60重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の通い箱。
  7. 前記緩衝部が、前記箱部の内側全面に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の通い箱。
  8. 前記熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体を構成する熱可塑性エラストマー発泡粒子の平均粒子径が1〜4mmであり、前記緩衝部の平均厚みが5〜10mmであり、前記緩衝部の最小厚みが熱可塑性エラストマー発泡粒子の平均粒子径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の通い箱。
  9. 前記緩衝部と前記箱部とが一体成形により融着されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の通い箱。
  10. 前記箱部の前記合成樹脂成形体が、合成樹脂発泡成形体であり、該合成樹脂発泡成形体の見掛け密度が10〜300kg/mであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の通い箱。
  11. 前記合成樹脂発泡成形体が、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体であることを特徴とする請求項10に記載の通い箱。
  12. 前記箱部の前記底部が、短辺の寸法と長辺の寸法との比が、1:1.3〜1:2の長方形であり、前記箱部の前記側壁部の高さが、該箱部の底部の短辺寸法の1/3以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の通い箱。
  13. 前記通い箱の外形寸法における、短辺方向長さが800〜1100mmであり、長辺方向長さが1400〜1700mmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の通い箱。
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