JP3230781B2 - 共振器分散測定方法および装置 - Google Patents

共振器分散測定方法および装置

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JP3230781B2 JP19964893A JP19964893A JP3230781B2 JP 3230781 B2 JP3230781 B2 JP 3230781B2 JP 19964893 A JP19964893 A JP 19964893A JP 19964893 A JP19964893 A JP 19964893A JP 3230781 B2 JP3230781 B2 JP 3230781B2
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    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J9/00Measuring optical phase difference; Determining degree of coherence; Measuring optical wavelength
    • G01J9/02Measuring optical phase difference; Determining degree of coherence; Measuring optical wavelength by interferometric methods

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は時間幅がピコ秒以下の光
パルスを発生する超短光パルスレーザの開発および調整
に利用する。特に、このようなレーザの共振器の波長分
散を測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ピコ秒以下の時間幅の光パルスの
発生技術の開発が盛んに進められている。その結果、時
間幅の短いパルスの発生または伝達に際しては、その発
生または伝達に使用する光学部品、またはその光学部品
の集合体である光学路の波長分散特性がパルスの形状に
大きく影響することが明らかになってきた。例えば、波
長分散特性が急激に変化するような光学路を短い光パル
スが通過すると、波形の変形現象が生じる。また、波長
分散特性が急激に変化する光学部品を用いたのでは、時
間幅の短い光パルスの発生自体がそもそも困難となる。
特に、超短光パルスレーザの共振器内の光学部品におい
ては、光が共振器中を巡回することに伴い波形の変形が
多数回蓄積されるので、波長分散特性を高精度に制御す
ることが必要である。このような事情から、レーザ共振
器の波長分散特性を高精度に測定する必要が生じてい
る。
【0003】レーザ共振器の波長分散を測定するひとつ
の方法として、共振器内の個々の光学部品の波長分散を
高精度に測定し、それらの総和として共振器の波長分散
を見積もる方法が考えられる。このような個別素子に対
する分散測定方法として、例えば特開平2−13454
3号公報(特願昭63−287566)、「分散測定方
法およびその装置」には、白色光を用いる干渉計の一方
の腕に被測定素子を挿入し、遅延時間差を変えて生じる
干渉波形を記録し、記録した波形をフーリエ変換して得
られる周波数領域での位相情報から被測定素子の波長分
散を求める技術が開示されている。また、導波路型素子
については、特開平3−216530号公報(特願昭2
−11813)、「導波路分散測定方法および装置」
に、特開平2−134543号公報に開示された白色光
干渉計の両腕中に光結合光学系を設置して、導波路への
光の入出射のための光結合光学系の波長分散を相殺した
測定器が開示されている。
【0004】しかし、レーザ共振器内部品には、波長分
散特性が素子への光の入射方向または位置に大きく依存
するものがある。例えばオプティクス・レター(Optics
Letter) 誌第9巻150−152頁1984年に述べら
れているプリズム対では、光入出射角がブリュースタ角
となるように頂角を形成した二つの二等辺プリズムを、
その底辺が互いに平行になるように配置することによっ
て、群遅延時間が波長に対して増大する異常分散特性が
生成されている。このとき、生成される分散量は、プリ
ズム内でガラスを通過する光路長、したがってプリズム
への光の入射位置に非常に大きく依存する。このような
場合、個別素子の波長分散を測定するときの入射条件
と、実際にその素子をレーザ共振器中で使用していると
きの入射条件とを完全に同一に設定することは事実上期
待できず、共振器の波長分散の見積上で大きな曖昧さを
残すこととなる。さらに、最低でも三個異常が必要な共
振器内部の個々について測定を行うことは、労力の点で
も時間的損失の点でも問題である。
【0005】これに対して、レーザ共振器そのものの波
長分散(これを本明細書では特に「共振器分散」とい
う)を測定する技術も提案されている。そのような従来
例を以下に説明する。
【0006】図7は第一の従来例を示す図であり、オプ
ティクス・レター誌第17巻514−516頁1992
年において、チタンサファイアレーザ共振器の波長分散
の測定に利用された共振器波長分散測定方法を示す。
【0007】この従来例方法において、被測定レーザ共
振器701は、レーザ媒質702、波長選択素子70
3、端面全反射鏡704および出力結合鏡705により
構成され、連続励起装置706によりレーザ媒質702
を励起することにより、被測定レーザ共振器701がパ
ルス発振を行う。連続励起装置706としては、連続発
振レーザ光源、連続点灯ランプ、あるいは連続電流注入
源が用いられる。被測定レーザ共振器701の発振波長
λは、その内部の波長選択素子703により制御され
る。
【0008】被測定レーザ共振器701の出力は、出力
結合鏡705から、出力パルス列707として光検出器
708に入射し、電気信号パルス列に変換される。この
電気信号パルス列が周波数計数器709に供給され、そ
のパルス列のパルス繰り返し周波数f(λ)が測定され
る。この測定を波長選択素子703によって発振波長λ
を順次変化させながら繰り返すことにより、各波長に対
するパルス繰り返し周波数f(λ)を求める。
【0009】ここで、繰り返し周波数f(λ)は、被測
定レーザ共振器701の共振器光学長Tを用いて、 f(λ)=c/T …(1) と表される。ここで、cは真空中の光速度である。共振
器群遅延時間τd は、共振器光学長の波長微分を含む式
で次のように表される。
【0010】
【数1】 これを繰り返し周波数を含む式に書き換えると、次の式
が得られる。
【0011】
【数2】 共振器の分散特性とは、共振器群遅延時間τd の波長λ
による変化であり、第3式が、この従来例方法において
共振器分散特性を測定する原理を表す基本式となってい
る。
【0012】図8は第二の従来例を示す図であり、特願
平4−206781、「共振器分散測定方法およびその
装置」(本件出願時未公開)に開示された共振器波長分
散測定方法を示す図である。
【0013】この方法では、被測定レーザ共振器801
が発振しきい値以下に励起される。このとき、被測定レ
ーザ共振器801から出射する蛍光(増幅された自然放
出光)が測定に使用される。この蛍光は、必要に応じ
て、光束の平行度を高める光学手段、例えば光ファイバ
を通過して、平行光束となる。
【0014】この平行光束は、キューブビームスプリッ
タ802によって第一および第二の光束に分岐され、第
一の光束は固定鏡803で反射して再びキューブビーム
スプリッタ802に戻る第一の光路をたどり、第二の光
束は可動鏡804で反射して再びキューブビームスプリ
ッタ802に戻る第二の光路をたどる。キューブビーム
スプリッタ802に戻った第一および第二の光束を合波
し、それにより生じる干渉光の強度を光検出器805に
より電圧値に変換して測定する。
【0015】ここで、第一の光路と第二の光路との間の
相対的光路長差L1 が被測定レーザ共振器801の共振
器長の零以外の整数倍となる付近で可動鏡804の位置
を第二の光路に平行に一方向に移動させ、相対的光路長
差Lが一定量変化するごとに、光検出器805の出力電
圧値を時系列的に波形記憶装置806に記録する。こう
して波形記憶装置806に記憶されたデータを計算機8
07によってフーリエ変換する。ここで得られる周波数
領域での位置情報から、被測定レーザ共振器801の波
長分散特性が求められる。
【0016】一般に、共振器内を角周波数ωの光が一周
する際に光電場が受ける変化を、共振器伝達関数と呼ば
れる複素数t(ω)によって表す。共振器伝達関数の絶
対値は電場強度の変化に対応し、その位相は電場の位相
の変化に対応する。
【0017】ここで、被測定レーザ共振器801の共振
器長の零以外の整数N倍となる付近で測定したときに光
検出器805から波形記憶装置806に記憶された電圧
値を、相対的光路長差を光速度で除した遅延時間τの関
数としてSN (τ)と表す。キューブビームスプリッタ
802、固定鏡803および可動鏡804で構成される
測定用干渉計において両腕の間の位相平衡が無視できる
とき、信号SN (τ)のフーリエ変換が、 F〔SN(τ)〕=tN(ω)U(ω) …(4) で表される。ここで、Fはフーリエ変換を表し、U
(ω)は光スペクトルを表す。
【0018】光スペクトルは常に正の実数である。した
がって、第4式の複素数としての位相は、常にt(ω)
の位相、すなわち共振器内を一周する際に光電場が受け
る位相の変化φ(ω)のみを反映する。すなわち、 arg(F〔SN(τ)〕)=Nφ(ω) …(5) となる。ここで得られた位相変化φ(ω)から、共振器
群遅延時間τd が、 τd(ω) =dφ(ω)/dω …(6) により求められる。したがって、第5式が第二の従来例
方法による共振器分散特定測定の原理を示す基本式とな
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の共振器分散方法には以下の問題がある。
【0020】まず第一の従来例方法では、第一の問題と
して、被測定レーザ共振器を連続励起装置によって励起
し、その状態においてパルス発振を行っている必要があ
るという問題がある。この要求条件は、種々のレーザ装
置を考慮すると、常に満たされるわけではない。
【0021】レーザにおいてパルス発振を実現する方法
には、少なくとも、強制モード同期、複合モード同期お
よび受動モード同期の三つの方法が考えられる。このう
ち強制モード同期と複合モード同期では、レーザの共振
器周回時間に等しい時間間隔で繰り返す変調信号もしく
は励起パルスを外部から印加する。この場合、得られる
パルス発振の繰り返し周期は、外部から印加した繰り返
し信号に常に厳密に一致し、発振波長に依存するわけで
はない。したがって、強制モード同期または複合モード
同期のレーザ共振器については、従来の共振器分散測定
方法では測定することができない。
【0022】第一の従来例方法における第二の問題は、
被測定レーザ共振器が、その内部に、発振波長を制御す
る波長選択素子を備えていることが必要なことである。
【0023】一般にレーザ装置においては、レーザ媒質
の利得の波長依存性と共振器内損失の波長依存性の兼ね
合いで決まる一定の波長で発振が行われる。いま、測定
しようとする共振器の分散特性は、第3式にみられるよ
うに、繰り返し周波数の波長微分を含む量であるがゆえ
に、最低でも二つの異なる発振波長で繰り返し周波数を
測定することが不可欠である。したがって、共振器内の
波長選択素子を用いて、強制的に発振波長を変化させる
必要がある。
【0024】ある種のレーザ媒質、例えば半導体におい
ては、利得の波長依存性が励起強度または温度といった
動作条件によって変化することが知られており、それら
条件を変えることによって発振波長を変化させることが
考えられるかもしれない。しかし、そのようなレーザ媒
質の動作条件の変化は、必然的にそのレーザ媒質の分散
特性の変化を伴ってしまうので、動作条件を変えること
は許されない。一定の動作条件の下での共振器分散特性
がここでの測定対象だからである。したがって、波長選
択素子が被測定レーザ共振器内に設置されていることが
必須であり、しかも、ここでの測定の目的から、波長の
選択に伴う素子自身の分散特性の変化が無視できるほど
小さい波長選択素子が必要である。
【0025】ところが、超短光パルスレーザにおいて、
共振器内の波長選択素子は多かれ少なかれ発生されるパ
ルスの幅の拡大を引き起こすので、そのような素子は用
いられないことが多い。その場合に、共振器分散の測定
の目的だけに一時的に波長選択素子を設置するのは、利
便性を欠き、しかも、波長選択素子を設置しない通常の
使用状態での共振器の分散を求めるために、個別素子に
対する分散測定方法を用いてその波長選択素子の分散特
性を測定する必要も生じる。さらに、例えばモノリシッ
クモード同期半導体レーザのように、レーザ製造後に共
振器内に波長選択素子を追加設置することがそもそも不
可能な場合がある。
【0026】これらの第一および第二の問題は、測定対
象を制限するものである。この制限に加え、第一の従来
例方法では、使用する光検出器が共振器周回時間に十分
に応答できる必要がある。この要求条件は、共振器が長
い例えば1.5m長のレーザ、すなわち共振器周回時間
が10ナノ秒程度の場合には、市販のPIN光検出器で
容易に満足できる。実際、上述の文献でも、長共振器レ
ーザについての測定が行われている。しかし、短共振器
レーザ、例えば素子長が300μm程度の半導体レーザ
では、共振器周回時間が約7ピコ秒と短く、それに応答
する光検出器が現在のところ存在しない。したがって、
このような短共振器レーザについては、第一の従来例方
法では測定不可能である。同様の光束応答性が光検出器
の後段に配置される周波数計数器に対しても要求され、
この点も短共振器レーザ測定に多大の困難をきたす。
【0027】このように、第一の従来例方法は、測定対
象のレーザ共振器に、(1)連続状態におけるパルス発
振、かつ(2)分散特性の変化の非常に小さい波長選択
素子による発振波長制御という極めて強い条件を要求
し、測定対象として適するレーザ共振器が極めて限定さ
れている。さらに、使用する光検出器および周波数計数
器が共振器周回時間に十分に応答する必要があるため、
短共振器レーザ測定が困難である。
【0028】これらの第一の従来例方法の問題点は、第
二の従来例方法において原理的には解決されている。す
なわち、第二の従来例方法においては、被測定レーザ共
振器は発振しきい値以下に励起され、レーザ発振を行わ
ないので、発振容態の制限、発振波長の選択性といった
問題は解消される。
【0029】さらに、第二の従来例方法においては、干
渉計を使用し、この干渉計により、、二つの腕の間の相
対的光路長差すなわち遅延時間差を通じて、高精度の時
間軸を生成できる。この光路長差の精度は簡単な系でも
1μm、干渉測距法を用いれば数nmとなる。これは遅
延時間差精度にして3ないし0.02フェムト秒に相当
する。このような測定の時間応答性は、この遅延時間精
度によって決まり、干渉計からの出射光を受光する光検
出器の時間応答性は測定の時間応答性とは全く無関係で
ある。これにより、いかに短い共振器であっても測定が
可能になった。したがって、第二の従来例方法では、光
検出器や電子回路の応答時間による制限といった問題も
解消される。
【0030】しかしながら、第二の従来例方法は、被測
定レーザ共振器の光学長が測定中に一定に保持されるこ
とを前提としている。もし、被測定レーザ共振器の光学
長が変動していると、測定用干渉計の相対的光路長差を
いかに高精度に校正したとしても、検出された干渉信号
をフーリエ変換したときに、第4式に示した結果は得ら
れない。これは、第4式に関与する相対的光路長差が、
被測定レーザ共振器の光学長を起点として定義されてい
るため、光学長の変動が相対的光路長差の誤差と等価な
ためである。
【0031】いま、光速度をcとし、干渉計の相対的光
路長差の刻みcΔτごとに干渉信号を採取したとする。
このとき、フーリエ変換の結果は、周知のサンプリング
定理により、ω=0からω=π/Δτまでのフーリエ成
分に分解される。ここで表された角周波数の上端ωNYQ
は、よく知られたナイキスト周波数を角周波数の形に表
したものである。この上端ωNYQ は、被測定レーザ共振
器から発生する光の短波長端λL に対応する光の角周波
数ωL =2πc/λL よりも大きいこと、すなわちω
NYQ >ωL が必要である。これは、離散データのフーリ
エ変換に伴い折り返し(エイリアシング:aliasing)、
すなわち源信号中にナイキスト周波数を越える周波数成
分が存在するとその周波数成分が折り返されてナイキス
ト周波数以下の部分と重なってしまう現象、を防ぐため
である。この条件を光路長差刻みcΔτに換算すると、 cΔτ<λL /2 …(7) という条件が導かれる。第7式により、例えば被測定レ
ーザ共振器からの蛍光の短波長端が800nmである場
合、少なくとも400nmよりも細かい光路長差の刻み
で測定を行うことが必要であることがわかる。このため
には、最低でも数十nmの精度で相対的光路長差を校正
することが不可欠である。
【0032】すでに述べたように、被測定レーザ共振器
の光学長の変動は相対的光路長差の変化と等価なので、
被測定レーザ共振器の光学長の変動は高々数十nmの程
度に留まることが必要である。
【0033】例えば素子長が300μm程度の半導体レ
ーザの共振器光学長は約2mmであり、素子温度の1度
の変化に付随して150nmの光学長変動が生じる。し
たがって、この場合、光学長の変動を第二の従来例方法
の許容値に抑えるためには、0.1度のオーダの温度制
御が必要である。この程度の温度制御は現在の技術で容
易に達成されるので、第二の従来例方法を用いて、素子
長が300μmの半導体レーザ共振器の分散が実際に測
定されている。
【0034】ここで許容される温度変動の幅は、共振器
光学長に反比例する。したがって、同じ半導体レーザで
も、例えばモノリシックモード同期半導体レーザのよう
に3mm程度が典型的素子長である場合には、必要な温
度制御は0.01度のオーダとなる。このようなレベル
の温度制御を行うには高価な装置が必要となり、この方
法によりモノリシックモード同期半導体レーザの共振器
分散を測定することは容易ではない。
【0035】これら半導体レーザはすべて固体素子であ
り、共振器光学長変動が小さい部類に属する。レーザ媒
質を挟んで鏡などの共振器内部品を配置して構成される
一般のレーザ共振器では、共振器内の光路の過半におい
て光が空気中を伝播する。ここで、空気の流れは不可避
であり、それによって共振器光学長変動が引き起こされ
る。また、鏡などの共振器内部品を保持する機構は、環
境からの振動によって常に揺れている。その揺れは共振
器内部品に伝わり、その結果、共振器光学長が変動する
ことになる。これら一般のレーザ共振器での共振器光学
長変動の経験的値はおおむね500nmであり、共振器
の長さにはほとんど依存しない。これは、共振器光学長
の変動の大部分が、レーザ共振器の外周に位置する鏡の
揺れによって引き起こされていることを示唆している。
この共振器光学長変動は、第二の従来例方法の許容する
値を一桁以上超過しており、したがって、この従来例方
法を用いてこれら一般のレーザ共振器を測定することは
全く不可能である。
【0036】このように、第二の従来例方法では、測定
対象のレーザ共振器の光学長変動が非常に小さいという
条件が必要であり、それが適用可能なレーザ共振器は、
事実上、半導体の短共振器に限定されている。
【0037】本発明は、これらの課題を解決し、汎用性
のある共振器分散測定方法を提供することを目的とす
る。特に、連続励起、変調信号印加もしくはパルス励起
などの被測定レーザ共振器にパルス発振を行わせる手段
の種類によらず、また被測定レーザ共振器内の波長選択
素子の有無にもよらず、さらには測定可能な被測定レー
ザ共振器の長さが光検出器や電子回路の応答時間により
制御されることなく、なおかつ被測定レーザ共振器の光
学長変動の影響を受けることのない共振器分散測定方法
を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点は共
振器分散測定方法であり、測定対象のレーザ共振器から
の出射光を第一および第二の光束に分岐し、この第一お
よび第二の光束をそれぞれ第一および第二の光路に伝播
させ、この第一および第二の光路をそれぞれ伝播した二
つの光を合波して干渉させることにより第一の干渉光を
生成し、第二の光路の光路長を第一の光路との相対的光
路長差がレーザ共振器の共振器長の非零の整数N倍とな
る近傍で変化させながら第一の干渉光を測定し、測定さ
れた光強度波形をフーリエ変換して得られた周波数領域
での位相情報から上記レーザ共振器の波長分散を求める
共振器分散測定方法において、測定対象のレーザ共振器
からの出射光をさらに第三および第四の光束に分岐し、
この第三の光束を光路長が可変の第三の光路に伝播さ
せ、第四の光束を光路長が固定の第四の光路に伝播さ
せ、第三の光路を伝播した光と第四の光路を伝播した光
とを合波して干渉させることにより第二の干渉光を生成
し、この第二の干渉光の強度が一定に保たれるように第
三の光路の光路長を制御し、この第三の光路の光路長に
対応して第一の光路の光路長を調整することを特徴とす
る。
【0039】第一の光路と第二の光路との相対的光路長
差だけでなく、第三の光路と第四の光路との相対的光路
長差についても、レーザ共振器のN倍となる近傍で変化
させることがよい。
【0040】整数Nとは異なる整数Mに対しても同様に
第一の干渉光の測定を行い、この二つの整数M、Nにつ
いての測定光強度波形をそれぞれフーリエ変換して得ら
れた周波数領域での位相情報の差異から波長分散を求め
ることもできる。このとき、整数Mは零でもよい。
【0041】本発明の第二の観点はこの測定方法を実施
するための装置であり、一つのビームスプリッタと二つ
の端面鏡とにより構成され実質的に平行な光束を二つの
光束に分岐して互いに別の光路に伝播させた後に再び合
波して干渉させる第一のマイケルソン干渉計と、この第
一のマイケルソン干渉計の二つの光路の相対的光路長差
を順次変化させたときにその第一のマイケルソン干渉計
から出射される干渉光の強度をその相対的光路長差の変
化に対応させて測定する測定手段と、測定された光強度
波形をフーリエ変換して得られる周波数領域での位相情
報から波長分散特性を求める演算手段とを備えた共振器
分散測定装置において、ビームスプリッタおよび一方の
端面鏡を第一のマイケルソン干渉計と共有する第二のマ
イケルソン干渉計と、測定対象のレーザ共振器からの光
束を第一のマイケルソン干渉計と第二のマイケルソン干
渉計とに平行に入射する入射手段と、第二のマイケルソ
ン干渉計から出射される干渉光の強度が一定となるよう
に上記一方の端面鏡の位置を調整する帰還手段とを備
え、第一のマイケルソン干渉計における上記一方の端面
鏡とは別の端面鏡は、その位置が第二のマイケルソン干
渉計における上記一方の端面鏡とは別の端面鏡の位置を
基準として移動可能に形成されたことを特徴とする。
【0042】共振器長がほぼ同じレーザ共振器を測定対
象とする場合には、第一および第二のマイケルソン干渉
計の各々の二つの光路の相対的光路長差を測定対象のレ
ーザ共振器の共振器長の非零の整数N倍の近傍にあらか
じめ設定しておくことができる。
【0043】入射手段は測定対象のレーザ共振器から出
射された光束の平行度を高める光学手段を含むことがよ
い。
【0044】演算手段は、同一の測定対象に対して測定
された二つの光強度波形をそれぞれフーリエ変換して得
られる周波数領域での位相情報差から波長分散特性を求
める手段を含むこともできる。
【0045】
【作用】被測定共振器の発生する光束について、必要に
応じてその平行度を高めた後に、それぞれの相対的光路
長差が被測定レーザ共振器の共振器長の整数倍となる付
近に設定されかつビームスプリッタと一つの端面鏡とを
共有する二つのマイケルソン干渉計に同時に入射し、こ
の一つの端面鏡には微動装置を装着して第一のマイケル
ソン干渉計(以下「測定用マイケルソン干渉計」とい
う)によって生じた干渉光の強度を光検出器によって電
圧値に変換して測定する。このとき、第二のマイケルソ
ン干渉計(以下「補正用マイケルソン干渉計」という)
によって生じた干渉光の強度が一定に保たれるように微
動装置を駆動し、測定用マイケルソン干渉計の相対的光
路長差が補正用マイケルソン干渉計の相対的光路長差に
対して一定変化をするごとに光検出器の出力電圧値を逐
一時系列的に記録し、この記憶データをフーリエ変換し
て得られる周波数領域での位相情報から、被測定レーザ
共振器の波長分散特性を測定する。これにより、被測定
レーザ共振器にパルス発振を行わせる手段によらず、ま
た被測定レーザ共振器内の波長選択素子の有無にもよら
ず、さらに被測定レーザ共振器長が光検出器や電子回路
の応答時間に依存せず、なおかつ被測定レーザ共振器の
光学長変動の影響を受けることなく、汎用的に共振器分
散特性を測定することが可能となる。
【0046】被測定レーザ共振器からの光束をマイケル
ソン干渉計に入射し、干渉波形のフーリエ変換から被測
定レーザ共振器の波長分散を求めるという原理について
は、本発明は上述した第二の従来例方法と同一である。
しかし、被測定レーザ共振器の光学長が変動した場合に
も正確な干渉波形が採取できるように構成されている点
は、上述した第二の従来例方法と異なる。したがって、
この点についてさらに説明する。
【0047】本願発明者は、上述した第二の従来例方法
の問題点が何に起因するのかについて検討した。その結
果、干渉波形のフーリエ変換から被測定レーザ共振器の
波長分散を求めるためには、干渉波形を被測定レーザ共
振器の光学長を基準とした光路長差に対して採取する必
要があるにもかかわらず、従来例方法では干渉波形が絶
対的な光路長差に対して採取されていることが判明し
た。すなわち、被測定レーザ共振器の光学長が変動すれ
ば、干渉波形の光路長差をそれに応じて変移しなければ
ならないが、従来例方法ではこれが行われていないので
ある。
【0048】ここで本願発明者は、被測定レーザ共振器
の光学長を常時監視し、被測定レーザ共振器の光学長の
変動に応じて、干渉波形の採取に係る光路長差を自動的
に補正する本発明に至った。この被測定レーザ共振器の
光学長の監視のために、干渉波形の採取を行う干渉計と
は別個の干渉計を付加する。また、光路長差の自動補正
のために、二つの干渉計がビームスプリッタと一つの端
面鏡とを共有し、被測定レーザ共振器の光学長変動に追
随してこの端面鏡を微動装置により移動させる構成を用
いる。
【0049】
【実施例】図1は本発明第一実施例の共振器分散測定装
置を示す図であり、本発明を実施するための基本的な構
成を示す。
【0050】この実施例装置は、一つのビームスプリッ
タと二つの端面鏡とにより構成され実質的に平行な光束
を二つの光束に分岐して互いに別の光路に伝播させた後
に再び合波して干渉させる第一のマイケルソン干渉計
(測定用マイケルソン干渉計)としてキューブビームス
プリッタ104、微動鏡105および可動鏡106を備
え、この測定用マイケルソン干渉計の二つの光路の相対
的光路長差を順次変化させたときにその測定用マイケル
ソン干渉計から出射される干渉光の強度をその相対的光
路長差の変化に対応させて測定する測定手段として光検
出器107および波形記憶装置108を備え、測定され
た光強度波形をフーリエ変換して得られる周波数領域で
の位相情報から波長分散特性を求める演算手段として計
算機109を備える。
【0051】ここで本実施例の特徴とするところは、キ
ューブビームスプリッタ104および微動鏡105を測
定用マイケルソン干渉計と共有し固定鏡110を備えた
第二のマイケルソン干渉計(補正用マイケルソン干渉
計)を備え、被測定レーザ共振器101からの光束を測
定用マイケルソン干渉計と補正用マイケルソン干渉計と
に平行に入射する入射手段としてビームスプリッタ10
2および反射鏡103を備え、補正用マイケルソン干渉
計から出射される干渉光の強度が一定となるように微動
鏡105の位置を調整する帰還手段として光検出器11
1、帰還回路112および微動装置113を備え、測定
用マイケルソン干渉計の可動鏡106は、その位置が補
正用マイケルソン干渉計における固定鏡110の位置を
基準として移動可能に形成されたことにある。固定鏡1
10は、ひとつのレーザ共振器に対する測定中は固定さ
れるが、共振器長の異なるレーザ共振器を測定する場合
には移動できる。
【0052】被測定レーザ共振器101の発生した平行
光束は、ビームスプリッタ102によって二つの光束に
分岐され、反射鏡103によって二つの光束の伝播方向
が互いに平行に設定される。
【0053】この二つの光束の一方は測定用マイケルソ
ン干渉計に入射し、キューブビームスプリッタ104に
より二つに分岐される。ここで分岐された光束の一方は
微動鏡105により反射され、他方は可動鏡106によ
り反射されてキューブビームスプリッタ104に入射
し、そこで合波される。この合波光が光検出器107に
入射し、光強度波形が測定される。
【0054】ビームスプリッタ102により分岐された
二つの光束の他方は、補正用マイケルソン干渉計に入射
し、キューブビームスプリッタ104により二つに分岐
される。ここで分岐された二つの光束の一方は微動鏡1
05により反射され、他方は固定鏡110により反射さ
れてキューブブームスプリッタ104に入射し、そこで
合波される。この合波光が光検出器111に入射する。
【0055】微動鏡105の基準位置114に対して測
定用および補正用マイケルソン干渉計の二つの腕の光路
長が等しくなる可動鏡106および固定鏡110の位置
を微動鏡対照位置115とすると、測定用マイケルソン
干渉計の相対的光路長差は、この微動鏡対照位置115
に対して可動鏡106が後退していることによる光路長
差L1 と、微動鏡105の変位による光路長差変化L3
との和である。同様に、補正用マイケルソン干渉計の相
対的光路長差は、固定鏡110が微動鏡対照位置115
から後退していることによる光路長差L2 と、微動鏡1
05の変位による光路長差変化L3 との和である。これ
らの相対的光路長差が被測定レーザ共振器101の光学
長Tの整数N倍の近傍のとき、相対的光路長差または被
測定レーザ共振器101の光学長が基準光学長Tが変化
すると、二つの光検出器107、111のそれぞれの出
力信号に、光の干渉現象に起因する振動が現れる。
【0056】ここで、補正用マイケルソン干渉計は、被
測定レーザ共振器101の光学長T+ΔTを監視するた
めに設置されている。この補正用マイケルソン干渉計に
付随する光検出器111の出力信号は、帰還回路112
によって、微動鏡105を保持する微動装置113に帰
還される。これにより、被測定レーザ共振器101の光
学長変動ΔTに対して、微動鏡105により光路長変化
3 =NΔTが生じ、補正用マイケルソン干渉計の相対
的光路長差が常に被測定レーザ共振器101の光学長T
+ΔTのN倍に追随して変化する。同時に、測定用マイ
ケルソン干渉計の相対的光路長差についても、被測定レ
ーザ共振器101の光学長のN倍に応じて変位する。こ
の状態で、測定用マイケルソン干渉計の可動鏡106を
移動させることにより光路長差L1 を変化させ、光検出
器107の出力信号を波形記憶装置108に逐一記憶す
る。
【0057】この後、波形記憶装置108に記憶された
信号波形を計算機109によりフーリエ解析する。この
解析の結果として得られた光の角周波数ごとの位相、す
なわちフーリエ成分の位相が、被測定レーザ共振器10
1の整数N周回分の位相特性Nφ(ω)を与える。こう
して得られた位相変化φ(ω)から、第6式によって共
振器群遅延時間τd が求まる。
【0058】以上の演算は、測定用マイケルソン干渉計
の両腕の間の位相不平衡が無視できるとき、すなわち上
述した第4式および第5式が成り立つことを前提として
いる。この位相不平衡が無視できない場合、干渉信号S
N (τ)のフーリエ変換を表す上述の第4式は、 F〔SN(τ)〕=tN(ω)tbias(ω)U(ω) …(8) と変更される。第4式と同様に、Fはフーリエ変換、S
N (τ)は干渉信号、t(ω)は共振器伝達関数、U
(ω)は光スペクトルであり、ここでは位相不平衡を表
す複素数値関数tbias(ω)が付加されている。したが
って第8式の複素数としての位相には、tbias(ω)の
位相、すなわち測定用マイケルソン干渉計の両腕の間の
位相不平衡が混入し、t(ω)の位相、すなわち被測定
レーザ共振器101内を一周する際に光電場が受ける位
相の変化φ(ω)を分離して取り出すことができない。
【0059】この問題は、整数Nによる測定に加え、こ
の整数Nとは異なる整数Mに対して同様の干渉信号測定
を行い、この二つの整数M、Nについての測定光強度波
形をそれぞれフーリエ変換して得られた周波数領域での
位相情報の差異から波長分散を求めること、具体的には
フーリエ変換の比をとることにより解決される。この場
合、Mは零であってもよい。整数Nに対する干渉信号S
N (τ)のフーリエ変換と、整数Mに対する干渉信号S
M (τ)のフーリエ変換との比は、次のように表され
る。
【0060】
【数3】 ここで、第8式に現れていた位相不平衡tbias(ω)
は、光スペクトルU(ω)とともに完全に消去されてい
る。第9式に示した比の位相が、被測定レーザ共振器1
01の整数N−M周回分の位相特性〔N−M〕φ(ω)
を与える。この位相変化φ(ω)から、第6式によっ
て、共振器群遅延時間τd が求まる。
【0061】一方、第9式の比の大きさは、被測定レー
ザ共振器101の整数N−M周回分の電場強度の変化、
すなわち電場利得のN−M乗、g(N-M) (ω) を与え
る。この電場利得g(ω)から、パワー利得G(ω)
が、 G(ω)=g2 (ω) によって求まる。このように、二つの整数N、Mに対し
てそれぞれ干渉信号を測定すれば、測定用マイケルソン
干渉計の両腕の間の位相不平衡の影響を相殺できるのみ
ならず、被測定レーザ共振器101の利得をも付随的に
求めることができる。この処理の流れを図2に示す。
【0062】図3は微動鏡105の動作を示す図であ
る。図1に示した実施例においては、補正用マイケルソ
ン干渉計によって監視される被測定レーザ共振器101
の光学長の変化に応じて、干渉波形を測定するための測
定用マイケルソン干渉計の相対的光路長差を自動的に補
正する構成が本質的に重要である。これは、この二つの
マイケルソン干渉計に共有されている微動鏡105によ
り実現される。この動作について説明する。図3におい
て、左のグラフは、被測定レーザ共振器101の光学長
変動ΔTに対する補正用マイケルソン干渉計に付随する
光検出器111の出力信号の変化を表す。右のグラフ
は、測定用マイケルソン干渉計に付随する光検出器10
7の出力信号を表す。右のグラフにおいて、横軸は、測
定用マイケルソン干渉計の可動鏡106側の光路長差L
1 を光速度で除して得られる遅延時間τを表す。左右の
グラフにおいて、上段は帰還回路112を停止させた場
合、すなわち微動鏡105が基準位置114に固定され
ている場合の出力信号を表す。同じく下段は、帰還回路
112が動作し、微動鏡105の変位が生じる場合の出
力信号を表す。
【0063】帰還回路112が停止している場合には、
被測定レーザ共振器101の光学長変動ΔTが起きる
と、光検出器111の出力信号が図3左上のグラフに示
される正弦波状の変化を呈する。同時に、遅延時間τの
関数としての光検出器107の出力信号、すなわち干渉
信号は、右上のグラフに示されるように平行移動する。
ここで、右上のグラフ中、実線が光学長変動ΔT=0の
場合の干渉信号を表し、破線が正の光学長変動ΔTが起
きた場合の干渉信号を表す。このように、干渉信号は光
学長変動ΔTに伴って右側に移動する。
【0064】被測定レーザ共振器101の光学長変動Δ
Tは、予測不能なランダム現象である。共振器分散測定
装置の動作中、干渉信号は遅延時間を変えながら時系列
的に採取される。この採取中に、光学長変動ΔTによっ
てそれぞれの瞬間に干渉信号がランダムに平行移動する
と、採取された干渉信号は、遅延時間に対してある箇所
では圧縮され、他の箇所では伸長される。その結果、歪
んだ干渉信号しか得られず、これをフーリエ変換しても
被測定レーザ共振器101の波長分散を求めることはで
きない。これが、まさに本発明の解決しようとする課題
であった。
【0065】本実施例では、帰還回路112において、
光検出器111の出力信号電圧が左上のグラフ中に黒丸
を付した値、すなわち基準電圧値に固定されるように、
微動装置113を駆動して微動鏡105を変位させる。
具体的には、帰還回路112は、設定された基準電圧値
と光検出器111の出力信号電圧との差をとり、その差
を積分回路と増幅器を通して微動装置113に供給す
る。このとき、光検出器111の出力信号電圧が基準電
圧値よりも小さい場合には、微動鏡105が前進する方
向に微動装置113を駆動する。
【0066】この基準電圧値は、光検出器111の正弦
波状の出力信号の平均値近傍に設定することが望まし
い。これは、その付近で被測定レーザ共振器101の光
学長変動ΔTに伴う光検出器111の出力信号の変化が
最も大きく、換言すれば、帰還回路112の帰還感度が
最大になるからである。基準電圧値を光検出器111の
出力信号の極大または極小付近に設定すると、帰還感度
が零に近くなり、所望の帰還動作は達成できない。
【0067】この帰還回路112が動作している場合に
は、被測定レーザ共振器101の光学長変動ΔTが起き
ても、光検出器111の出力信号は、図3左下のグラフ
に示されるように、基準電圧値に固定される。この場
合、遅延時間τの関数としての干渉信号には、図3右下
のグラフに示されるように、被測定レーザ共振器101
の光学長変動ΔTに伴う平行移動が現れることはない。
これは、微動鏡105の変位によって、測定用マイケル
ソン干渉計の相対的光路長差が、被測定レーザ共振器Δ
Tにみあう分だけ自動的に移動されるからである。
【0068】被測定レーザ共振器101の光学長変動Δ
Tに伴う干渉信号の平行移動が生じない結果、干渉信号
の時系列的な採取中に、ランダムに光学長変動ΔTが起
こっても干渉信号は平行移動することがない。その結
果、歪みのない干渉信号が得られ、これをフーリエ変換
して被測定レーザ共振器101の波長分散を求めること
ができるのである。
【0069】すでに第7式で説明したように、干渉信号
のフーリエ変換によって波長分散を求めるためには、最
低でも数十nmの精度で測定用マイケルソン干渉計の相
対的光路長差を校正することが必要である。この相対的
光路長差は、可動鏡106による光路長差L1 と、微動
鏡105の変位による光路長差変化L3 との和であっ
た。被測定レーザ共振器101の光学長変動ΔTに対し
て光路長差変化L3 を高精度に追随させる方法について
これまで説明してきた。続いて、光路長差L1 の校正方
法について説明する。この校正のためには、図1に示し
た構成において、補正用マイケルソン干渉計の固定鏡1
10の位置を基準とし、そこからの測定用マイケルソン
干渉計の可動鏡106の変位を高精度に測定することが
必要である。
【0070】高精度の可動鏡変位測定を実現するために
は、以下の方法が考えられる。
【0071】第一の方法は、すでに広く用いられている
2周波He−Ne安定化レーザを利用する方法である。
この方法ではすでに5〜10nmの位置分解能が達成さ
れているので、この技術を利用すれば、本発明の必要と
する精度の可動鏡変位測定を実現できる。ただ、この測
長方法に必要な2周波He−Ne安定化レーザは、通常
のHe−Neレーザに比べて極めて高価なので、むしろ
次に説明する第二の方法が経済的に有利である。
【0072】第二の方法は、長さの基準光源として、直
線偏光の単色レーザ光源、例えば通常のHe−Neレー
ザを用いる方法である。固定鏡110と可動鏡106と
のそれぞれを端面鏡とする第三の干渉計を構成し、これ
に直線偏光の単色レーザ光を入射する。この干渉計の一
方の腕でこの直線偏光を円偏光に変換し、生じた干渉光
を偏光を分離して測定する。これによって、互いに90
度の位相差を有する二つの干渉信号が得られる。この二
つの干渉信号を用いれば、基準光源の波長の50分の1
以上の測長分解能が容易に達成される。
【0073】この他に、単一の干渉信号を位相ロックル
ープ(PLL)により信号処理しても高い分解能を得る
ことができる。ただし、この方法では、干渉計の掃引速
度について、それ以外の方法に比べて高い均一性が要求
される。
【0074】固定鏡110に対する可動鏡106の変位
を測定する方法としては、これらの三つの方法以外の方
法を用いることもできる。例えば、それぞれの鏡に取り
付けた透過型回折格子の間のモアレ縞の変化を観測する
方法を使用しても本発明を同様に実施できる。
【0075】図4は本発明第二実施例の共振器分散測定
装置を示す図であり、本発明を実施するための具体的な
構成を示す。
【0076】この実施例では、被測定レーザ共振器10
1とビームスプリッタ102との間に、被測定レーザ共
振器101からの光束の平行度を高めるために、単一モ
ード光ファイバ402と、その両端に設けられた結合レ
ンズ401、403とを備える。微動装置113として
は、圧電素子(PZT)を用いる。帰還回路112は、
補正用マイケルソン干渉計を出射した光を受光する光検
出器111の出力信号が、設定された基準電圧値に等し
くなるように圧電素子を駆動する。
【0077】本実施例で0.8〜1.0μm波長帯のチ
タンサファイアレーザ共振器の波長分散を測定する場合
には、測定用マイケルソン干渉計の出射光を受光する光
検出器107および補正用の光検出器111として、ゲ
ルマニウム光検出器を用いることがよい。また、このよ
うなチタンサファイアレーザを発振しきい値以下に励起
すると、共振器から発生する螢光(増幅された自然放出
光)の波長はおおむね0.8〜1.0μmに位置するの
で、この短波長端、800nmに対して上述の第7式を
満足して折り返し現象を防ぐためには、400nm未満
の光路長差の刻みで、光検出器107の出力信号すなわ
ち干渉信号の測定を行えばよい。
【0078】この光路長差刻みを高精度に達成するため
の測長方法として、この例では上述した第二の方法を採
用している。可動鏡変位測定のための第三のマイケルソ
ン干渉計が、ビームスプリッタ412、可動鏡106お
よび固定鏡110により構成される。この第三のマイケ
ルソン干渉計に、単色レーザ光源411から直線偏光を
入射する。この単色レーザ光源411としては、波長6
32.8nmで発振するHe−Neレーザを用いる。こ
の単色レーザ光源411からのレーザ光は、紙面に45
度方向に直線偏光している。第三のマイケルソン干渉計
の一方の腕、この例では可動鏡106側の腕には、単色
レーザ光源411からの光の進路を可動鏡106に直入
射する方向に曲げる反射鏡413と、8分の1波長板4
14とが設けられる。単色レーザ光源411からの光
は、この腕において、8分の1波長板414を通過し、
可動鏡106により反射されて再び逆方向に8分の1波
長板414を通過する。この往復分の通過の結果、4分
の1波長板を通過したと等価な効果が生じ、直線偏光が
円偏光に変換される。
【0079】第三のマイケルソン干渉計から出射する波
長632.8nmの干渉光は、反射鏡415を経て偏光
ビームスプリッタ416に入射し、紙面に垂直な偏光成
分と紙面に平行な成分とに分離され、個別の光検出器4
17、418により、各成分の光強度が電圧値に変換さ
れる。この互いに90度の位相差をもつ二つの干渉電圧
信号は、トリガ発生器419に入力される。トリガ発生
器419では、この二つの電圧信号から、光路長差L1
が632.8nmの半分、すなわち316.4nm変化
するごとに、トリガ信号として一つの電圧パルスを発生
する。このトリガ信号により、波形記憶装置108は、
その電圧パルスが発生した時点の光検出器107の出力
電圧値を順次記憶する。波形記憶装置108に記憶され
た電圧信号時系列、すなわち干渉信号は、計算機109
により読み出され、フーリエ変換が施される。
【0080】図5および図6に測定結果の一例を示す。
図5は光検出器107の出力に得られた干渉波形を示
し、図6はその干渉波形に上述した第9式の演算を施し
て求めた波長分散特性および利得特性を示す。
【0081】図5において、信号S0 (τ)は、光路長
差L1 が零の近傍、すなわち可動鏡106および固定鏡
110の位置が微動鏡対照位置115に一致する近傍で
採取された干渉信号である。また、信号S1 (τ)は、
光路長差L1 が被測定レーザ共振器の共振器長に一致す
る近傍で採取された干渉信号である。ここで、両者を対
照比較して、干渉信号S1 (τ)が干渉信号S0 (τ)
に比較して著しく拡がっているのは、まさに被測定レー
ザ共振器の波長分散特性の影響に他ならない。なお、こ
れらの信号に現れている振動周期は、750号データを
間引いて表示したことによる見かけ上のもので、真の光
振動を表すものではない。
【0082】光路長差L1 が零の近傍のときの干渉信号
0 (τ)は、被測定レーザ共振器101の共振器長に
依存せず、可動鏡106および固定鏡110を常に同じ
位置に配置して得られる。これに対し、干渉信号S
1 (τ)は、光路長差L1 が被測定レーザ共振器101
の共振器長に一致する近傍に表れるので、被測定レーザ
共振器101に応じて、可動鏡106および固定鏡11
0を配置する適当な位置を見い出す必要がある。
【0083】半導体レーザのように短共振器の場合に
は、干渉信号S0 (τ)の現れる位置として微動鏡対照
位置115に一致する可動鏡106および固定鏡110
の位置を見い出し、続いて可動鏡106および固定鏡1
10をその位置から後退させていって干渉信号S
1 (τ)の現れる位置を見い出す方法が有効である。こ
れらの鏡を後退させる替わりに、微動鏡105を前進さ
せていっても同じ効果が得られる。固定鏡110の位置
を見い出す操作中は、帰還回路112の動作を停止させ
ることが望ましい。これは、帰還回路112が動作して
いると、固定鏡110または微動鏡105の移動に伴っ
て干渉信号が観測されにくいからである。
【0084】数cmを越える長共振器長の場合には、こ
れらの鏡の移動機構の移動範囲の制限があるため、この
方法は現実的ではない。そこで、例えば以下の方法を用
いる。すなわち、共振器内の光学部品の厚みおよび屈折
率データ、さらにそれらの間の間隔から、あらかじめ被
測定レーザ共振器101の共振器長を算定しておき、可
動鏡106および固定鏡110を算定された共振器長だ
け微動鏡対照位置115から後退させて仮設定してお
く。次に、その位置の周りで可動鏡106の位置を前後
させながら測定用の光検出器107の出力電圧値を観測
し、干渉信号S1(τ)の現れる位置を見い出す。同様
に、仮設定位置の周りで固定鏡110の位置を前後させ
ながら、補正用の光検出器111の出力電圧値を観測
し、干渉信号S1 (τ)の現れる位置を見い出す。ここ
で、可動鏡106および固定鏡110の仮設定後に微動
鏡105を前後させても同じ効果が得られる。上の場合
と同様に、固定鏡110の位置を見い出す操作中は、帰
還回路112を停止することが望ましい。本測定例のチ
タンサファイアレーザの場合には、この方法によって干
渉信号S1 (τ)の現れる位置を容易に見い出すことが
できた。すなわち、共振器内の鏡の間隔とチタンサファ
イアロッドの長さおよび屈折率データとから算定された
共振器長118.4cmに対応する位置に、可動鏡10
6および固定鏡110を仮設定し、この仮設定された位
置の周り2mm以内に干渉信号S1 (τ)の現れる位置
が見い出された。
【0085】被測定レーザ共振器101をしきい値以上
に励起してパルス発振が実現する場合には、そのパルス
列のパルス繰り返し周期から、上述した第1式によって
共振器長を算定できる。この算定値にしたがって、可動
鏡106および固定鏡110の位置を仮設定し、その後
は上述と同様にして干渉信号S1 (τ)の現れる位置を
見い出す。
【0086】図4に示した実施例の全体的な動作につい
てさらに詳しく説明する。
【0087】まず、干渉信号S1 (τ)の現れる固定鏡
110の位置を見い出した後、帰還回路112の基準電
圧値を光検出器111の出力電圧値の平均値付近に設定
し、帰還動作、すなわち微動鏡105に装着された微動
装置(圧電素子)113の駆動を開始する。
【0088】次いで、可動鏡106を干渉信号S
1 (τ)の観測される位置からその信号が十分に消失す
る位置まで前進させる。ここで、波形記憶装置108の
記憶を消去して、データ書き込み位置を波形記憶装置1
08の先頭番地にリセットする。次に可動鏡106を緩
慢に後退させると、光路長差L1 が316.4nm変化
するごとに波形記憶装置108にトリガ電圧信号が供給
され、光検出器107の出力電圧信号値が波形記憶装置
108に記憶されていく。
【0089】ここで、「緩慢に」とは、トリガ発生器4
19から発生されるトリガ信号の繰り返しに対し、波形
記憶装置108のアナログ・ディジタル変換および書き
込み動作が追従できる程度の掃引速度で、という意味で
ある。例えば、波形記憶装置108のアナログ・ディジ
タル変換および書き込み速度が20kHzの場合は、最
大可能な干渉計光路長差変化速度が20000〔/秒〕
×316.4〔nm〕=6.328〔mm/秒〕とな
り、可動鏡106の最大可能移動速度は、この半分の
3.164mm/秒である。ここで半分とするのは、可
動鏡106の表面で光が折り返すため、可動鏡106の
移動量の二倍が光路長変化になるからである。
【0090】また、測定に必要な遅延時間差変化範囲
は、発生する螢光(増幅された自然放出光)の波長範囲
における被測定レーザ共振器101の群遅延時間の変化
量の二倍程度である。例えば図6に例示したチタンサフ
ァイアレーザ共振器では、0.8〜10μmの螢光波長
範囲内で、群遅延時間の全変化量は高々1.0ピコ秒程
度であり、したがって必要な遅延時間差変化範囲は2ピ
コ秒程度となる。このことは、図5において干渉信号S
1 (τ)の観測される遅延時間範囲が2ピコ秒を越えな
いことからも確認される。
【0091】実際の測定では、余裕をみて4.4ピコ秒
の遅延時間差変化範囲にわたり掃引を行った。この遅延
時間差変化範囲を光路長変化範囲に換算すると0.66
mmであり、この範囲を可動鏡106の最大可能移動速
度をもって掃引すると、信号測定に要する時間はわずか
0.1秒程度となる。余裕をもって掃引を遅めにしても
1秒以内には信号測定が完了する。なお、この掃引のた
めの移動機構としては、公知のものを利用できる。本例
では、安価な直流モータにより駆動される、鋼球ガイド
付直進ステージを用いた。また、このときに採取したデ
ータ点数は4016点であり、このデータのフーリエ変
換の計算は、計算機109として汎用の32ビットパー
ソナルコンピュータを用いて、2〜3秒で実行できた。
【0092】本測定例では、干渉信号S1 (τ)に加え
て、干渉信号S0 (τ)の測定を行った。この干渉信号
0 (τ)の測定手順は、可動鏡106および固定鏡1
10を微動鏡対照位置115近傍に設置することを除い
て、上述した干渉信号S1 (τ)の測定手順と同一であ
る。信号測定の所要時間、およびデータのフーリエ変換
の計算時間も同等である。
【0093】第9式にしたがって、干渉信号S1 (τ)
のフーリエ変換と干渉信号S0 (τ)のフーリエ変換と
の比を計算し、被測定レーザ共振器の共振器伝達関数t
(ω)を求めた、この共振器伝達関数の位相φ(ω)か
ら、第6式によって群遅延時間を計算した。また、共振
器伝達関数の大きさから、相対パワー利得を計算した。
この比の計算と、共振器伝達関数の位相および大きさの
計算、表示とは、上述した計算機を用いて1秒以内に完
了した。
【0094】こうして得られた波長分散特性および利得
特性の例を図6に示す。以上の測定において、信号測定
および計算の所要時間は、全体でも10秒程度におさま
る。これに、可動鏡106および固定鏡110を移動し
て干渉波形の現れる位置を見い出す操作に要する時間と
して2分を加えても、測定の総所要時間は3分を越えな
い。こうして、迅速な共振器波長分散測定が実現され
た。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の共振器分
散測定方法は、被測定レーザ共振器にパルス発振を行わ
せる手段の種類によらず、また被測定レーザ共振器内の
波長選択素子の有無にもよらず、さらには測定可能な被
測定レーザ共振器の長さが光検出器や電子回路の応答時
間により制限されることがなく、なおかつ被測定レーザ
共振器の光学長変動の影響を受けることなく、汎用的に
共振器分散特性を測定できる。本発明は、超短光パルス
レーザの開発時の試験だけでなく、製造後の試験および
調整や、試験現場での試験および調整にも利用でき、工
業的にも大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の共振器分散測定装置の構成
を示す図。
【図2】光路長差を変えた干渉信号の測定結果に対する
処理の流れを示す図。
【図3】微動鏡の動作を示す図。
【図4】本発明第二実施例の共振器分散測定装置の構成
を示す図。
【図5】チタンサファイアレーザ共振器について共振器
分散を測定した結果を示す図であり、干渉波形の測定結
果を示す図。
【図6】図5に示した干渉波形に演算を施して求められ
たは波長分散特性および利得特性を示す図。
【図7】第一の従来例を示す図。
【図8】第二の従来例を示す図。
【符号の説明】
101 被測定レーザ共振器 102 ビームスプリッタ 103 反射鏡 104 キューブビームスプリッタ 105 微動鏡 106 可動鏡 107、111 光検出器 108 波形記憶装置 109 計算機 110 固定鏡 112 帰還回路 113 微動装置 114 基準位置 115 微動鏡対照位置 401、403 結合レンズ 402 単一モード光ファイバ 411 単色レーザ光源 412 ビームスプリッタ 413、415 反射鏡 414 8分の1波長板 416 偏光ビームスプリッタ 417、418 光検出器 419 トリガ発生器 701 被測定レーザ共振器 702 レーザ媒質 703 波長選択素子 704 端面全反射鏡 705 出力結合鏡 706 連続励起装置 707 出力パルス列 708 光検出器 709 周波数計数器 801 被測定レーザ共振器 802 キューブビームスプリッタ 803 固定鏡 804 可動鏡 805 光検出器 806 波形記憶装置 807 計算機 810 固定鏡対照位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象のレーザ共振器からの出射光を
    第一および第二の光束に分岐し、 この第一および第二の光束をそれぞれ第一および第二の
    光路に伝播させ、 この第一および第二の光路をそれぞれ伝播した二つの光
    を合波して干渉させることにより第一の干渉光を生成
    し、 上記第二の光路の光路長を上記第一の光路との相対的光
    路長差が上記レーザ共振器の共振器長の非零の整数N倍
    となる近傍で変化させながら上記第一の干渉光を測定
    し、 測定された光強度波形をフーリエ変換して得られた周波
    数領域での位相情報から上記レーザ共振器の波長分散を
    求める共振器分散測定方法において、 上記レーザ共振器からの出射光をさらに第三および第四
    の光束に分岐し、 この第三の光束を光路長が可変の第三の光路に伝播さ
    せ、 上記第四の光束を光路長が固定の第四の光路に伝播さ
    せ、 上記第三の光路を伝播した光と上記第四の光路を伝播し
    た光とを合波して干渉させることにより第二の干渉光を
    生成し、 この第二の干渉光の強度が一定に保たれるように上記第
    三の光路の光路長を制御し、 この第三の光路の光路長に対応して上記第一の光路の光
    路長を調整することを特徴とする共振器分散測定方法。
  2. 【請求項2】 上記第三の光路と上記第四の光路との相
    対的光路長差を上記レーザ共振器の上記整数N倍となる
    近傍で変化させる請求項1記載の共振器分散測定方法。
  3. 【請求項3】 上記整数Nとは異なる整数Mに対して、
    上記第二の光路の光路長を上記第一の光路との相対的光
    路長差が上記レーザ共振器の共振器長のM倍となる近傍
    で変化させながら上記第一の干渉光を測定し、 この二つの整数M、Nについての測定光強度波形をそれ
    ぞれフーリエ変換して得られた周波数領域での位相情報
    の差異から波長分散を求める請求項1または2記載の共
    振器分散測定方法。
  4. 【請求項4】 一つのビームスプリッタと二つの端面鏡
    とにより構成され実質的に平行な光束を二つの光束に分
    岐して互いに別の光路に伝播させた後に再び合波して干
    渉させる第一のマイケルソン干渉計と、 この第一のマイケルソン干渉計の二つの光路の相対的光
    路長差を順次変化させたときにその第一のマイケルソン
    干渉計から出射される干渉光の強度をその相対的光路長
    差の変化に対応させて測定する測定手段と、 測定された光強度波形をフーリエ変換して得られる周波
    数領域での位相情報から波長分散特性を求める演算手段
    とを備えた共振器分散測定装置において、 ビームスプリッタおよび一方の端面鏡を上記第一のマイ
    ケルソン干渉計と共有する第二のマイケルソン干渉計
    と、 測定対象のレーザ共振器からの光束を上記第一のマイケ
    ルソン干渉計と上記第二のマイケルソン干渉計とに平行
    に入射する入射手段と、 上記第二のマイケルソン干渉計から出射される干渉光の
    強度が一定となるように上記一方の端面鏡の位置を調整
    する帰還手段とを備え、 上記第一のマイケルソン干渉計における上記一方の端面
    鏡とは別の端面鏡は、その位置が上記第二のマイケルソ
    ン干渉計における上記一方の端面鏡とは別の端面鏡の位
    置を基準として移動可能に形成されたことを特徴とする
    共振器分散測定装置。
  5. 【請求項5】 上記第一および第二のマイケルソン干渉
    計の各々の二つの光路の相対的光路長差が、測定対象の
    レーザ共振器の共振器長の非零の整数N倍の近傍に設定
    された請求項4記載の共振器分散測定装置。
  6. 【請求項6】 入射手段は測定対象のレーザ共振器から
    出射された光束の平行度を高める光学手段を含む請求項
    4または5記載の共振器分散測定装置。
  7. 【請求項7】 上記演算手段は、同一の測定対象に対し
    て測定された二つの光強度波形をそれぞれフーリエ変換
    して得られる周波数領域での位相情報差から波長分散特
    性を求める手段を含む請求項4ないし6のいずれか記載
    の共振器分散測定装置。
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