JP3230323B2 - 不揮発性記憶装置の制御方法 - Google Patents

不揮発性記憶装置の制御方法

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JP3230323B2
JP3230323B2 JP6220893A JP6220893A JP3230323B2 JP 3230323 B2 JP3230323 B2 JP 3230323B2 JP 6220893 A JP6220893 A JP 6220893A JP 6220893 A JP6220893 A JP 6220893A JP 3230323 B2 JP3230323 B2 JP 3230323B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不揮発性記憶装置の制御
方法に係わり、特にメモリセルをそれぞれ構成する複数
の記憶素子を同時に電気的に消去する不揮発性記憶装置
のデータ消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気的に書換えの出来る不揮発性記憶装
置(EEPROM)のうち、複数の記憶素子(EEPR
OM素子)を電気的に同時に一括して消去できる機能を
有するフラッシュメモリについては、例えばIEEE
JOURNAL OF SOLID−STATE CI
RCUITS,VOL.23,NO.5,OCTOBE
R 1988 PP.1157−1163にVirgi
l Niles Kynett等により「An In−
System Reprogrammable32k×
8 CMOS FLASH MEMORY」と題する論
文で紹介されている。
【0003】このフラッシュ型の記憶装置の基本単位で
あるメモリセルを構成する記憶素子は、個別に消去する
EEPROM素子と同様、図8に示すようなスタックゲ
ート型の構造となっている。
【0004】すなわち、P型シリコン基板1の表面にN
型ソースおよびドレイン領域7,6が形成され、両領域
間のチャンネル領域8上からソースおよびドレイン領域
の端部9上にかけて膜厚約10nm(ナノメータ)の第
1のゲート絶縁膜2が形成され、第1のゲート絶縁膜2
上には多結晶シリコンより成る浮遊ゲート電極3、さら
に浮遊ゲート電極3上には膜厚約25nmの第2のゲー
ト絶縁膜4が形成され、第2のゲート絶縁膜4上には制
御ゲート電極5が形成されている。従来のこのタイプの
メモリセルの動作を簡単に説明する。
【0005】メモリセルの書き込み(データの記憶)
は、ドレイン領域6に例えば+7Vのドレイン電圧Vd
を印加し、半導体基板1およびにソース領域7にそれぞ
れ0V(接地電位)のソース電圧Vs および基板電圧V
sub を印加し、さらに制御ゲート電極5に例えば+12
Vのゲート電圧Vcgを印加する。浮遊ゲート電極3は外
部の電源とは接続していないので、その電位は第1のゲ
ート絶縁膜2および第2のゲート絶縁膜4により形成さ
れる静電容量比により、制御ゲート電極,ソース領域,
ドレイン領域および半導体基板の電位から一義的に決定
される。通常、浮遊ゲート電極の電位をドレインの電位
と同程度に設定すると、ソース領域とドレイン領域間を
流れる電流により発生するホットな電子(第1のゲート
絶縁膜の絶縁エネルギーを上回るエネルギーを持つ電
子)が浮遊ゲート電極に注入される量が最大になるた
め、上述したような各電位が設定されることが多い。そ
の結果、電子が浮遊ゲート電極に注入され、浮遊ゲート
電極の電位を負のレベルにまで押し下げるため、メモリ
セルのしきい値電圧、すなわち制御ゲート電極からみた
しきい値電圧はは正の方向にシフトする。通常は、メモ
リセルのしきい値は、約+7Vに設定される。
【0006】一方、メモリセルの消去(データの消去)
とは、上に述べたように注入された電子を浮遊ゲート電
極から引き抜くことをいい、例えばソース電圧Vs を+
12Vにし、基板電圧Vsub およびゲート電圧Vcgをそ
れぞれ0V(接地電位)に設定し、ドレイン領域6はオ
ープン状態とすることにより行われる。
【0007】上述した様に、各部の電位により浮遊ゲー
ト電極3の電位は決まるが、データが書き込まれた状態
は、浮遊ゲート電極が負電位になっているため、その分
の電位差がさらにかかり、ソース領域7と浮遊ゲート電
極3の間の第1のゲート絶縁膜2には、かなり強い電界
(上で示す各部の電位によれば10MV/cm以上)が
印加されることになる。このような強い電界のもとでは
第1のゲート絶縁膜中に、量子力学的なトンネル効果に
基いたFowler−Nordheimトンネル電流
(以下、FN電流と略す)が流れることが解っている。
その効果を利用して浮遊ゲート電極3からソース領域7
へ電子を引き抜くことでメモリセルの消去が行われる。
【0008】ここで、浮遊ゲート電極に電子を注入して
メモリセルのしきい値電圧を正方向にシフトさせた状態
を‘書き込み’、一方浮遊ゲート電極から電子を引き抜
きメモリセルのしきい値電圧を正方向にシフトさせた状
態を‘消去’と定義したが、書き込み及び消去の状態
は、メモリセルの異なった2種類の状態を表していれば
よいので、必ずしもこの表現に限られるわけではないの
はいうまでもない。
【0009】この様にして、メモリセルの書き込み及び
消去が行われるが、フラッシュメモリの場合、書き込み
は上で述べた方法をとるのに対し、消去に際しては、あ
る大きさのメモリセルアレイ(メモリセルをマトリック
ス状に配列したもの)のソース領域を共通に接続した状
態で、ソース領域に電圧Vs を同時に印加して行う。そ
の結果、一括して消去することが出来、記憶装置の記憶
容量が大きくなった場合にも消去時間を短縮することが
出来る。
【0010】しかし、このような従来のフラッシュメモ
リにおいて、同時消去を行なった複数のメモリセル相互
間で消去後のしきい値電圧が大きくバラツク、すなわち
複数のメモリセルごとに消去後のしきい値電圧の差が大
きいという問題があった。
【0011】その理由は、浮遊ゲート電極3からソース
領域7へ電子を引き抜くFN電流値は、印加された電圧
と、第1のゲート絶縁膜2の膜厚やソース領域7の端部
9と浮遊ゲート電極3との間の重なり領域の面積などの
物理的な条件とによって決定されるが、複数のメモリセ
ルの間ではこれらの物理的な条件が少しずつ異なってく
るのは製造上不可避であり、このため、複数のメモリセ
ルを同時に消去する場合、複数のメモリセル間でFN電
流値は必然的に一定とならないからであり、浮遊ゲート
電極3からソース領域7へ引き抜く電子量の複数のメモ
リセル間での偏差が許容範囲を越えてしまうからであ
る。
【0012】図9は、その様なフラッシュメモリの消去
後のしきい値電圧の偏差を測定した結果である。フラッ
シュメモリの消去しきい値電圧のバラツキは正規分布に
近い形を示し、その上限値と下限値との幅Zは大体2V
程度の広がりを持っていると考えられる。すなわち、あ
る規模のメモリセルアレイ、例えば256キロビット
(32キロバイト)のメモリセル(EEPROM素子)
を同時に消去する場合、最も消去の早いメモリセルと最
も消去の遅いメモリセルの間では、消去しきい値電圧
(Vth)に2V程度の差が生じる事になる。このような
消去しきい値電圧(Vth)の差を考慮すれば、フラッシ
ュメモリの様にある規模のメモリセルアレイを同時に消
去するものでは、消去しきい値電圧は、最も消去の早い
メモリセルのしきい値電圧が0V以下になる前に全体の
消去を止めなければならない。その訳は、言うまでもな
くあるメモリセルのしきい値電圧が0V以下になってし
まえば、そのメモリセルに接続しているビット線(列
線)は電位を上げることが出来ず、そのビット線(列
線)に接続する全てのメモリセルは書き込むことも、読
み出すことも出来なくなってしまうからである。
【0013】このように、最も消去の早いメモリセルの
しきい値電圧が0V以下になる前に全体の消去を止める
とすれば、上で述べた消去しきい値電圧のバラツキを考
慮すると、その時、最も消去の遅いメモリセルの消去し
きい値電圧が2V以上になるのは避けられない。実際に
は、最も消去の早いメモリセルのしきい値電圧を0Vで
はなく0.5Vから1V程度の余裕をみて設定するた
め、逆に消去の遅いメモリセルの消去しきい値電圧は
2.5Vから3V程度に設定するのが普通である。従っ
て、書き込み/読み出しの際のワード線(行線)の電位
は、その最も消去の遅いメモリセルの消去しきい値電圧
よりも低く設定することは出来なくなる。このことは、
従来の書き込み/読み出し電圧を2.5Vから3V以下
には下げる事が出来ないことを意味する。しかし、それ
では他の半導体装置が使用電圧を下げるという技術の流
れの中で、フラッシュメモリだけが低電圧化に対応でき
ないことになり、このために従来様々な方法でメモリセ
ルの消去しきい値電圧の偏差を小さくする努力がなされ
てきた。
【0014】このような消去しきい値電圧の偏差に対し
て、製造プロセスを改良し上記物理的パラメータを各素
子間でなるべく一定にすればよいが、製造プロセスの改
良にも種々の制約があり消去しきい値電圧のバラツキを
所望する値に小さくするには限度がある。
【0015】このために、IEDM91 pp.307
−310にSeiji YAMADA等が「A SEL
F−CONVERGENCE ERASING FOR
ASIMPLE STACKED GATE FLA
SH EEPROM」と題する論文で、一度一括消去し
た後、消去しきい値電圧のバラツキを電気的に抑制する
方法を提案している。以下この従来の方法を図10およ
び先に説明した図8を援用して説明する。
【0016】図10は、浮遊ゲート電極3が正に帯電し
た時のゲート電流(浮遊ゲート電極に入出する電流)と
浮遊ゲート電極の電位の関係図である。ソース−ドレイ
ン領域間電圧VDSと浮遊ゲート電極の電位Vfgの関係が
DS>Vfgの場合、ソース−ドレイン領域間電流に起因
したホットキャリヤが浮遊ゲート電極3へ注入されるこ
とでゲート電流が発生する。ホットキャリヤの種類は、
浮遊ゲート電極3の電位で決まり、図10において、浮
遊ゲート電極の低電位側から領域(CEIA−HH)が
アバランシェ現象に起因するホットホールが注入する領
域であり、領域(CEIA−HE)がアバランシェ現象
に起因するホット電子注入する領域であり、領域(CH
E)がチャンネルホット電子が注入する領域である。浮
遊ゲート電極3の電位が図中に示したVfg * (ゲート電
流の原因としてアバランシェ現象に起因するホットホー
ルと、同現象に起因するホット電子との切り替わるVfg
の値)になった場合、浮遊ゲート電極3にはホットキャ
リヤが注入されなくなり、かつその前後の電位ではキャ
リヤ電荷の種類(すなわち電荷の正負)が変化する。
【0017】この結果、例えば浮遊ゲート電極3の電位
がVfg * 以上で、かつVDS>Vfgの関係が満たされた場
合、アバランシェ現象によりホット電子が浮遊ゲート電
極へ注入され、この注入が浮遊ゲート電極の電位を下
げ、さらに浮遊ゲート電極3の電位の低下はホット電子
の注入量を減少させるというフィードバック機構が浮遊
ゲート電極の電位とホット電子の注入量との間に形成さ
れ、最終的に浮遊ゲート電極3の電位は、Vfg * に収束
する。
【0018】この従来技術においてデータ消去する際の
各電極への電圧印加のタイミング・ダイアグラムを図1
1に示す。まずドレイン領域6へのドレイン電圧Vd
0Vに設定し、制御ゲート電極5に−13Vのゲート電
圧Vcgを0.1秒印加し、ソース領域7に+0.5Vの
ソース電圧Vs を印加することによりFN電流により浮
遊ゲート電極3に蓄積していた電子を排除し(引き抜
き)、次に、制御ゲート電圧Vcgを0Vに設定し、ソー
ス領域7に+0.5Vの電圧パルスVs を0.5秒印加
する。この処置により浮遊ゲート電極3の電位とアバラ
ンシェによるホットキャリヤ注入量との間のフィードバ
ック機構が働き、各メモリセルの浮遊ゲート電極の電位
を収束する。この結果、データ消去後の制御ゲート電極
からみたしきい値電圧も一定値に収束し、そのバラツキ
を抑制する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の不揮発性記憶装置のデータ消去方法においては
消去しきい値電圧のバラツキを抑制する手段としてアバ
ランシェ現象を用いるため、ソース領域やドレイン領域
がアバランシェ現象に伴うホットなキャリヤの注入によ
りダメージを受け、その結果これら領域と半導体基板間
の接合耐圧が低下するという問題がある。また、アバラ
ンシェ現象に伴いホットなキャリヤの注入はドレイン領
域とゲート絶縁膜の重なり領域においても注入されゲー
ト絶縁膜の劣化につながる。
【0020】さらに、消去後のしきい値電圧をそろえる
際には、浮遊ゲート電極へ流れ込む電子に加え、アバラ
ンシェ現象を発生させるためのソース−ドレイン領域間
電流が必要であるため、消去しきい値電圧をそろえる処
理を行うことで、より多くの電力が消費されてしまう。
【0021】したがって本発明の目的は、複数の記憶素
子を電気的に同時に消去するに際し、ソースおよびドレ
イン領域やゲート絶縁膜に損傷を与えること無く、また
多くの電力を消費すること無く、複数の記憶素子間の消
去後のしきい値電圧のバラツキを抑制することができる
不揮発性記憶装置の制御方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、半導体
基板に位置する第1導電型の不純物領域と、前記不純物
領域に形成された第2導電型のソースおよびドレイン領
域と、前記ソースおよびドレイン領域間の前記不純物領
域の部分からなるチャンネル領域と、前記チャンネル領
域上から前記ソースおよびドレイン領域の端部上にかけ
て形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート
絶縁膜上に形成された浮遊ゲート電極と、前記浮遊ゲー
ト電極上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2
のゲート絶縁膜上に形成された制御ゲート電極とを各々
が有する複数の記憶素子の記憶内容をそれら記憶素子が
所定の消去しきい値電圧をもつように電気的に同時に消
去する方法において、前記ソース領域と前記制御ゲート
電極間に第1の電圧の電気パルスを印加して前記第1の
ゲート絶縁膜を流れる第1のFowler−Nordh
eimトンネル電流により前記複数の記憶素子を過剰に
消去し、これにより前記複数の記憶素子のしきい値電圧
の分布の中心値が前記所定の消去しきい値電圧値を通り
越した深い消去状態とし、しかる後、前記不純物領域と
前記制御ゲート電極間に第2の電圧の電気パルスを印加
して前記第1のゲート絶縁膜を前記第1のFowler
−Nordheimトンネル電流とは逆方向に流れる第
2のFowler−Nordheimトンネル電流によ
り、前記複数の記憶素子のしきい値電圧の分布の中心値
を前記所定の消去しきい値電圧値にあわせるようにした
不揮発性記憶装置の制御方法にある。
【0023】 本発明の他の特徴は、半導体基板に位置
するP型の不純物領域と、前記不純物領域に形成された
N型のソースおよびドレイン領域と、前記ソースおよび
ドレイン領域間の前記不純物領域の部分からなるチャン
ネル領域と、前記チャンネル領域上から前記ソースおよ
びドレイン領域の端部上にかけて形成された第1のゲー
ト絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された浮
遊ゲート電極と、前記浮遊ゲート電極上に形成された第
2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成
された制御ゲート電極とを各々が有する複数の記憶素子
の記憶内容をそれら記憶素子が所定の消去しきい値電圧
をもつように電気的に同時に消去する方法において、前
記ソース領域に印加する電圧に対して負の電圧の電気パ
ルスを前記制御ゲート電極に印加し、これによるFow
ler−Nordheimトンネル効果で前記浮遊ゲー
ト電極から前記ソース領域に前記第1のゲート絶縁膜を
通して電子を放出する第1の消去ステップと、しかる
後、前記不純物領域に印加する電圧に対して正の電圧の
電気パルスを前記制御ゲート電極に印加し、これによる
Fowler−Nordheimトンネル効果で前記チ
ャンネル領域から前記浮遊ゲート電極に電子を戻す第2
の消去ステップとを有し、前記第1の消去ステップによ
り前記複数の記憶素子のしきい値電圧の分布の中心値を
前記所定の消去しきい値電圧の値より低くし、前記第2
の消去ステップにより前記複数の記憶素子のしきい値電
圧の分布の中心値を前記所定の消去しきい値電圧値にあ
わせるようにした不揮発性記憶装置の制御方法にある。
【0024】
【実施例】以下図面を参照して本発明を説明する。
【0025】本発明の実施例における不揮発性記憶装置
は図1に示すように、単結晶シリコン基板20の中央部
にメモリ回路部MCが配置され、周辺部にROW DE
CODERやCOLUMN DECODERを含む周辺
回路PCが配置されている。メモリ回路部MCにはPウ
エル領域11が形成され、この一つの大きな面積のP型
ウエル領域11にビット単位のメモリセルをそれぞれ構
成する記憶素子としてEEPROM素子10がマトリッ
クス状に配列形成されている。すなわち1個のEEPR
OM素子で1個のメモリセルを構成して1ビットとなっ
ている。それぞれのEEPROM素子10のソース領域
Sは周辺回路PCから延在するソース線SLに接続さ
れ、ドレイン領域Dは周辺回路PC内のCOLUMN
DECODERに結合しているビット線BLに接続さ
れ、制御ゲート電極CGは周辺回路PC内のROW D
ECODERに結合しているワード線WLに接続されて
いる。また、P型ウエル領域11は接続線23により周
辺回路PCに接続されている。
【0026】図2にEEPROM素子10の断面を示
す。単結晶シリコン基板20の主面22から内部にN型
ウエル領域21に取り囲まれたP型ウエル領域11が形
成され、N型ウエル領域21には例えば+5VのVcc
圧が印加され両ウエル領域間のPN接合は常に逆方向バ
イアスの状態となっている。P型ウエル領域11内に主
面22からN型ソース領域17およびN型ドレイン領域
16が形成され、その間のP型ウエル領域11の部分が
チャンネル領域18となる。チャンネル領域18上から
N型ソースおよびドレイン領域の端部19上にかけて膜
厚が8乃至11nmのシリコン酸化膜から成る第1のゲ
ート絶縁膜12が形成され、その上に多結晶シリコンの
浮遊ゲート電極13が形成され、その上にシリコン酸化
膜−シリコン窒化膜−シリコン酸化膜の複合膜からなる
膜厚15乃至30nmの第2の絶縁膜14が形成され、
その上に多結晶シリコンの制御ゲート電極15が形成さ
れてスタックゲートを構成している。そして、ソース領
域17にはソース線SLからソース電圧Vs が印加さ
れ、ドレイン領域16にはビット線BLからドレイン電
圧Vcdが印加され、制御ゲート電極15にはワード線W
Lからゲート電圧Vcgが印加される。また、P型ウエル
領域11には接続線23からウエルの電圧、すなわちE
EPROM素子からみての基板電圧Vsub が印加され
る。
【0027】本発明が対象としているフラッシュメモリ
では512バイト以上の単位、すなわち4096個以上
のEEPROM素子単位(メモリセル単位)で一括同時
に電気的に消去する。したがって例えば32キロバイト
(256キロビット)のメモリセルを同時に消去する場
合には複数のソース線SLに同一のVs が印加され、複
数のビット線BLに同一のVd が印加され、複数のワー
ド線WLに同一のVcgが印加される。
【0028】したがって図3に示す実施例の消去動作に
おける各電圧はそれぞれの線を通して複数のEEPRO
M素子に同時に印加される。
【0029】例えば書き込まれてしきい値電圧が+7V
となっているEEPROM素子群を含む多数のEEPR
OM素子を一括消去して、チャンネル長、チャンネル幅
等の素子条件や回路条件から定められる消去後のしきい
値電圧、すなわち所定の消去しきい値電圧を+1.3V
にする場合を実施例で説明する。
【0030】本発明の消去方法は図3に示すように、第
1および第2の消去ステップから構成される。
【0031】まず第1の消去ステップにおいて、ドレイ
ン領域16に印加するVd を0V(接地電位)に設定
し、同様にP型ウエル領域11に印加するVsub も0V
に設定する。そして制御ゲート電極15に−14VのV
cgを、ソース領域17に+5VのVs を0.1秒間印加
する。この電気パルスの期間、ソース領域17に対し制
御ゲート電極15は−19ボルトの負電位となるから、
浮遊ゲート電極13に蓄積していた電子はFowler
−Nordheimトンネル効果により第1のゲート絶
縁膜12を流れるFN電流となってソース領域17に放
出される。本発明ではこの第1の消去ステップで第1の
ゲート絶縁膜12を流れる第1のFN電流により前記複
数の記憶素子を同時にかつ過剰に消去し浮遊ゲート電極
13に正孔が蓄積され、これによりしきい値電圧の分布
の中心値が予め設定した所定の消去しきい値電圧値より
低い値となり、大部分の複数のEEPROM素子のしき
い値電圧が所定の消去しきい値電圧値より低い値とな
り、なかにはしきい値電圧が負となる素子も存在する。
ここで、過剰消去の状態について本実施例によれば、複
数のEEPROM素子のうち過剰消去後のしきい値電圧
の最も高い値を、最終的な消去しきい値電圧の許容最大
値より一時的に低く保つことを特徴とする。すなわち、
第1の消去ステップにより、所定しきい値電圧である+
1.3Vを通り過ぎ、これより低い+0.5Vに複数の
EEPROM素子のしきい値電圧の分布の中心値がくる
ようにする。
【0032】次に第2の消去ステップを行なう。このス
テップにおいて、Vd およびVsubを0Vに維持し、さ
らにソース電圧Vs も0Vに設定する。そして制御ゲー
ト電極15に+14Vのゲート電圧Vcgを0.1秒間印
加する。この電気パルスの期間、0Vが印加されている
P型ウエル領域11に対して制御ゲート電極15は+1
4ボルトの正電位となるからチャンネル領域18から浮
遊ゲート電極13に電子が、Fowler−Nordh
eimトンネル効果により第1のゲート絶縁膜12を流
れるFN電流となって、所定の消去しきい値電圧(+
1.3V)に分布の中心値がなるように戻される。そし
てこの第2の消去ステップにより複数のEEPROM素
子のしきい値電圧の所定の値を中心としたバラツキは抑
制され、第1の消去ステップ後のバラツキ幅より小にな
る。
【0033】その理由を図4(A),(B)のエネルギ
ーバンドダイアグラムを参照して説明する。まず、第2
の消去ステップにおいて制御ゲート電極15に+14
V、0.1秒の電圧パルスを印加した直後は図4(A)
に示すように、浮遊ゲート電極13には正孔が蓄積して
いるので、浮遊ゲート電極13のエネルギ−バンドは、
制御ゲート電極15とチャンネル領域18(P型ウエル
領域11)との間に印加された14Vの電圧を容量分割
することで決まるエネルギー準位からずれている。
【0034】この状態で、浮遊ゲート電極13とチャン
ネル領域18との間に第1のゲート絶縁膜12を介して
FN電流が発生し、浮遊ゲート電極13にチャンネル領
域18から電子が注入される。この結果、浮遊ゲート電
極の電位は低下し、さらに浮遊ゲート電極の電位の低下
はFN電流の減少、すなわち浮遊ゲート電極への注入量
を減少させるというフィードバック機構が浮遊ゲート電
極への電子注入量と浮遊ゲート電極の電位との間に形成
される。このフィードバック機構により、最終的には浮
遊ゲート電極13のエネルギーバンドは、図4(B)に
示すように、浮遊ゲート電極へ電子が注入されなくなっ
た状態に落ち着く。この結果、浮遊ゲートの電位は一定
値に収束し、制御ゲート電極15からみたしきい値電圧
も一定値に収束し、しきい値電圧のバラツキが抑制され
る。
【0035】図5に本実施例における第1の消去ステッ
プ後のしきい値電圧の分布100と第2の消去ステップ
後のしきい値電圧の分布200とを示す。256キロビ
ットのメモリセルを構成する256k個のEEPROM
素子を同時に電気的消去をした場合、第1の消去ステッ
プ後のしきい値電圧は分布曲線100で示すように+
0.5Vを中心に2V(±1V)のバラツキ幅Xで分布
しているが、正電圧を制御ゲート電極に印加して浮遊ゲ
ート電極に電子を戻す第2のステップ後のしきい値電圧
は分布曲線200で示すように所定のしきい値電圧の+
1.3Vを中心に0.9V(±0.45V)に抑制され
たバラツキ幅Yで分布する消去しきい値電圧となる。
【0036】次に図6を参照して本発明の消去動作の第
2の消去ステップについてさらにくわしく説明する。同
図において、横軸は第2の消去ステップを行う前のしき
い値電圧Vth1 を示し、縦軸は第2の消去ステップを行
った後のしきい値電圧Vth2を示している。例えば第2
の消去ステップ前のしきい値電圧Vth1 の範囲が図5の
分布曲線100のように−0.5V乃至+1.5Vの2
Vの幅Xの場合、制御ゲート電極に+14Vを0.1秒
印加する第2のステップによりしきい値電圧は、第2の
ステップ自体においてメモリセル間の偏差で生じる上限
曲線310と下限曲線320との間の領域に位置され
る。
【0037】すなわち、第2の消去ステップ前のしきい
値電圧が最大の+1.5VのEEPROM素子の第2の
消去ステップ後のしきい値電圧はs点(+1.75V)
とt点(+1.5V)の範囲内の値となり、一方第2の
消去ステップ前のしきい値電圧が最小の−0.5VのE
EPROM素子の第2の消去ステップ後のしきい値電圧
はm点(+1.6V)とn点(+0.85V)の範囲内
の値となり、結局第2の消去ステップ後のしきい値電圧
th2 、すなわちフラッシュメモリの消去しきい値電圧
は+0.85V乃至+1.75Vの0.9Vの範囲Yに
抑制される。
【0038】この実施例では第2の消去ステップで制御
ゲート電極に+14Vを0.1秒印加したが、浮遊ゲー
ト電極に戻される電子の総量が一定ならばよいわけで、
例えば電圧が+12Vの場合は1秒間印加し、電圧が+
16Vの場合は0.01秒間印加することで同様の効果
が得られる。しかし印加する電圧が高すぎたり印加時間
が長すぎて過剰の電子量が浮遊ゲート電極に戻されると
曲線400で示されるように所定のしきい値電圧より高
い値で収束し不都合な特性となる。この曲線400でも
上限、下限曲線が存在するが、いずれにせよ所定の消去
しきい値電圧が得られないからこのような条件は用いな
い。逆に印加する電圧が低くすぎたり印加時間が短すぎ
て浮遊ゲート電極に戻される電子量が不足であると曲線
500で示されるように負のしきい値電圧を有するメモ
リセルが存在することとなりやはり不都合である。
【0039】現実のフラッシュメモリにおいて、チャン
ネル領域に対して+12V乃至+16Vの範囲のゲート
電圧Vcgと0.01秒乃至1秒の範囲の印加時間とを最
適に組み合せて、チャンネル長やチャンネル幅等の素子
条件や回路条件から定められる所定のしきい値電圧とな
るようにこの第2のステップにおいて電子を浮遊ゲート
電極に戻すのが好ましい。
【0040】図7は、図3の第2の消去ステップにおけ
る印加電圧を変更した場合を示すタイミングチャートで
ある。すなわちこの実施例では図3の第1の消去ステッ
プと同じ第1の消去ステップを行った後、この実施例の
第2の消去ステップとしてはドレイン電圧Vd およびソ
ース電圧Vs を0Vにするが、制御ゲート電極15に+
9Vのゲート電圧Vcgを0.1秒間印加しその間、P型
ウエル領域11には接続線23により周辺回路から−5
VのVsub を印加する。この実施例でも0.1秒の電気
パルスの期間、チャンネル領域18に対して制御ゲート
電極15は+14Vの正電位となるからチャンネル領域
18から浮遊ゲート電極13に電子が、Fowler−
Nordheimトンネル効果により第1のゲート絶縁
膜12を流れるFN電流となって、所定の消去しきい値
電圧となるように戻され、先の実施例と同様の効果が得
られる。またこの実施例ではVsub を負電圧とした分だ
けVcgの正電圧を低くすることができ装置の低電圧化が
実現できる。
【0041】また上記実施例はNチャンネルのEEPR
OM素子について説明したが、PチャンネルのEEPR
OM素子の場合は実施例のP型とN型とをたがいに置き
換え、電圧の極性を逆にすればよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数のメモリセルをそれぞれ構成するEEPROM素子を
Fowler−Nordheimトンネル効果によるF
N電流で一括して過剰に消去した後、やはりFowle
r−Nordheimトンネル効果によるFN電流を用
いた浮遊ゲート電極への電子注入量と浮遊ゲ−ト電極の
電位との間のフィードバック機構を利用して一括して所
定のしきい値電圧に戻すようにしたので、フラッシュメ
モリにおいて消去しきい値電圧を所定の値にバラツキを
小にしてそろえることができる。
【0043】またこのバラツキを抑制して所定のしきい
値電圧とするステップに、アバランシェ現象に起因する
ホットキャリヤを用いないで、FN電流を用いたのでソ
ースおよびドレイン領域やゲート絶縁膜に損傷を与えて
接合耐圧を低下させたりリーク電流を増加させるような
不都合を生じることは無い。またこのステップで発生す
る電流はFN電流として浮遊ゲート電極に流れ込む電子
のみであるから消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の不揮発性記憶装置の概略を示
す図である。
【図2】本発明の実施例におけるメモリセルを構成する
記憶素子としてのEEPROM素子を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例において各電極へそれぞれ印加
する電圧のタイミングチャートである。
【図4】本発明の原理を説明するエネルギーバンド・ダ
イヤグラムである。
【図5】本発明の実施例による消去後のしきい値電圧の
バラツキを示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるしきい値電圧の状態を
示す図である。
【図7】本発明の他の実施例において各電極へそれぞれ
印加する電圧のタイミングチャートである。
【図8】従来技術のEEPROM素子を示す断面図であ
る。
【図9】フラッシュメモリの従来技術による消去後のし
きい値電圧のバラツキを示す図である。
【図10】フラッシュメモリにおいて、消去しきい値電
圧のバラツキを抑制する従来技術を説明する図である。
【図11】図10に示す従来技術において各電極へそれ
ぞれ印加する電圧のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 P型半導体基板 2,12 第1のゲート絶縁膜 3,13 浮遊ゲート電極 4,14 第2のゲート絶縁膜 5,15 制御ゲート電極 6,16 N型ドレイン領域 7,17 N型ソース領域 8,18 チャンネル領域 9,19 ソース、ドレイン領域の端部 10 EEPROM素子 11 P型ウェル領域 20 シリコン基板 21 N型ウェル領域 22 主面 23 接続線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−153999(JP,A) 特開 昭60−182173(JP,A) 日経マイクロデバイス 1993年1月号 p.64−65 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 G11C 16/02 H01L 27/115 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に位置する第1導電型の不純
    物領域と、前記不純物領域に形成された第2導電型のソ
    ースおよびドレイン領域と、前記ソースおよびドレイン
    領域間の前記不純物領域の部分からなるチャンネル領域
    と、前記チャンネル領域上から前記ソースおよびドレイ
    ン領域の端部上にかけて形成された第1のゲート絶縁膜
    と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された浮遊ゲート
    電極と、前記浮遊ゲート電極上に形成された第2のゲー
    ト絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された制
    御ゲート電極とを各々が有する複数の記憶素子の記憶内
    容をそれら記憶素子が所定の消去しきい値電圧をもつよ
    うに電気的に同時に消去する方法において、 前記ソース領域と前記制御ゲート電極間に第1の電圧の
    電気パルスを印加して前記第1のゲート絶縁膜を流れる
    第1のFowler−Nordheimトンネル電流に
    より前記複数の記憶素子を過剰に消去し、これにより前
    記複数の記憶素子のしきい値電圧の分布の中心値が前記
    所定の消去しきい値電圧値を通り越した深い消去状態と
    し、しかる後、前記不純物領域と前記制御ゲート電極間
    に第2の電圧の電気パルスを印加して前記第1のゲート
    絶縁膜を前記第1のFowler−Nordheimト
    ンネル電流とは逆方向に流れる第2のFowler−N
    ordheimトンネル電流により、前記複数の記憶素
    子のしきい値電圧の分布の中心値を前記所定の消去しき
    い値電圧値にあわせるようにすることを特徴とする不揮
    発性記憶装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記第1導電型の不純物領域はP型ウェ
    ル領域であり、前記第2導電型のソースおよびドレイン
    領域はN型ソース領域およびN型ドレイン領域であり、
    前記第1の電圧の印加により前記N型ソース領域に印加
    される電圧に対して前記制御ゲート電極に負電圧が印加
    されこれによる前記第1のFowler−Nordhe
    imトンネル電流は前記浮遊ゲート電極から前記ソース
    領域に放出される電子による電流であり、前記第2の電
    圧の印加により前記不純物領域に印加される電圧に対し
    て前記制御ゲート電極に正電圧が印加されこれによる前
    記第2のFowler−Nordheimトンネル電流
    は前記チャンネル領域から前記浮遊ゲート電極に導入さ
    れる電子による電流であることを特徴とする請求項1に
    記載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の電圧の絶対値は前記第1の電
    圧の絶対値より小であることを特徴とする請求項1もし
    くは請求項2に記載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の電圧は12ボルト乃至16ボ
    ルトであり、その印加時間は0.01秒乃至1秒である
    ことを特徴とする請求項2に記載の不揮発性記憶装置の
    制御方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板は単結晶シリコン基板で
    あり、前記浮遊ゲート電極は多結晶シリコンから構成さ
    れ、前記第1のゲート絶縁膜はシリコン酸化膜から構成
    されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2
    に記載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は8nm
    乃至11nmであることを特徴とする請求項5に記載の
    不揮発性記憶装置の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の電圧を印加する際に、前記ソ
    ースおよびドレイン領域に印加される電圧と同電圧を前
    記不純物領域に印加することを特徴とする請求項2に記
    載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の電圧を印加する際に、前記ソ
    ースおよびドレイン領域に印加される電圧より負方向の
    電圧を前記不純物領域に印加することを特徴とする請求
    2に記載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記P型ウェル領域はN型領域により囲
    まれており、前記N型領域は常に前記P型ウェル領域よ
    り高い電位となっていることを特徴とする請求項2に記
    載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 前記同時に消去される記憶素子の数は
    512バイト以上であることを特徴とする請求項1もし
    くは請求項2に記載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  11. 【請求項11】 半導体基板に位置するP型の不純物領
    域と、前記不純物領域に形成されたN型のソースおよび
    ドレイン領域と、前記ソースおよびドレイン領域間の前
    記不純物領域の部分からなるチャンネル領域と、前記チ
    ャンネル領域上から前記ソースおよびドレイン領域の端
    部上にかけて形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第
    1のゲート絶縁膜上に形成された浮遊ゲート電極と、前
    記浮遊ゲート電極上に形成された第2のゲート絶縁膜
    と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された制御ゲート
    電極とを各々が有する複数の記憶素子の記憶内容をそれ
    ら記憶素子が所定の消去しきい値電圧をもつように電気
    的に同時に消去する方法において、 前記ソース領域に印加する電圧に対して負の電圧の電気
    パルスを前記制御ゲート電極に印加し、これによるFo
    wler−Nordheimトンネル効果で前記浮遊ゲ
    ート電極から前記ソース領域に前記第1のゲート絶縁膜
    を通して電子を放出する第1の消去ステップと、 しかる後、前記不純物領域に印加する電圧に対して正の
    電圧の電気パルスを前記制御ゲート電極に印加し、これ
    によるFowler−Nordheimトンネル効果で
    前記チャンネル領域から前記浮遊ゲート電極に電子を戻
    す第2の消去ステップとを有し、 前記第1の消去ステップにより前記複数の記憶素子のし
    きい値電圧の分布の中心値を前記所定の消去しきい値電
    圧の値より低くし、前記第2の消去ステップにより前記
    複数の記憶素子のしきい値電圧の分布の中心値を前記所
    定の消去しきい値電圧値にあわせるようにすることを特
    徴とする不揮発性記憶装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の消去ステップにおける正の
    電圧の絶対値は前記第1の消去ステップにおける負の電
    圧の絶対値より小であることを特徴とする請求項11に
    記載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の消去ステップにおける正の
    電圧は12ボルト乃至16ボルトであり、その印加時間
    は0.01秒乃至1秒であることを特徴とする請求項1
    1に記載の不揮発性記憶装置の制御方法。
  14. 【請求項14】 前記第2の消去ステップにおける正の
    電圧を印加する際に、前記ソースおよびドレイン領域に
    印加する電圧と同電圧を前記不純物領域に印加すること
    を特徴とする請求項11に記載の不揮発性記憶装置の制
    御方法。
  15. 【請求項15】 前記第2の消去ステップにおける正の
    電圧を印加する際に、前記ソースおよびドレイン領域に
    印加する電圧に対して負の電圧を前記不純物領域に印加
    することを特徴とする請求項11に記載の不揮発性記憶
    装置の制御方法。
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