JP3230152U - 籾殻燃料コージェネレーション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】稲作農業において余剰な廃棄物として大量に発生する籾殻を、その発生地域内で最大限に利活用できる籾殻燃料コージェネレーション装置を提供する。【解決手段】籾殻燃料コージェネレーション装置1は、籾殻供給装置2、燃焼炉3、スターリングエンジン発電機4、熱交換器5、燻炭排出装置6、蓄電池7を備える。籾殻の燃焼熱により発電をし、温風や温水を得て、地域の農業用ハウス等での農業生産に用いる。併せて、燃焼後の残滓となる籾殻の燻炭は、稲作農業やハウス栽培の肥料として再生利用される。【選択図】図1

Description

籾殻を燃料とし、主として農村地域における資源循環型のコージェネレーション装置に関するものである。
籾殻を燃料とする発電装置や発電方法については、これまでにも幾つかの提案がなされてきている。
特許文献1の技術は、燻すことに比べて燃やすことが難しいとされる籾殻について、燃焼テーブル下部に空気穴を設けて酸素の供給を行うことで、その燃焼を促進しようとするものである。
特許文献2の技術は、燃焼装置の内部に、籾殻燃料の収納部・その供給手段・空気供給手段・燃焼滓の排出通路等を備え、燃料の供給から燃焼を経て、燃料滓の排出までを連続的に実施するための装置等である。
籾殻以外のバイオマス燃料に関する燃焼装置に関しては、特許文献3の技術が提案されているが、特許文献2の技術と同様に燃焼炉及びバーナーと、そしてバイオマスチップ及び空気の供給装置とを兼ね備えて連続燃焼を行わせるバイオマス燃焼装置となっている。
また、特許文献4においては、バイオマス燃料ストーブによるスターリングエンジン発電と、太陽光発電とを組み合わせたハイブリッド型の発電装置が提案されている。これは、ストーブによる屋内の暖房のほか、両発電によって発生した電気をバッテリーに蓄電して照明や調理等に利用することができるバイオマス燃料ストーブ発電装置に関する技術である。
特開2014−81187号公報 特開2018−28427号公報 特開2016−99023号公報 特開2014−239592号公報
日本人の主食である米の外皮である籾殻は、我が国の稲作農業における余剰な廃棄物として日々大量に発生しているものである。この籾殻をそれが発生する農村地域内で地産地消可能な天然資源とし、これを最大限に有効活用できるコージェネレーション装置を実現することが本考案の課題である。これにより、地域内での資源とエネルギーの循環性を高め、過度に外部資源等に依存しない自立性に優れた地域農業サイクルを実現することに貢献しようとするものである。
特許文献1から特許文献3までの技術に関しては、燃料の燃焼効率の改善と連続的な燃焼の実現に力点が置かれたものである。一方、籾殻燃料やバイオマス燃料、更にはそれらの燃焼滓の有効活用や、その安全な取り扱いに関しては、未だ不十分な状態に留まっているように思われた。
一方、特許文献4の技術に関しては、稲作農業で大量発生する籾殻燃料の有用性や効果的な活用については着目されておらず、一般的なバイオマス燃料を用いた専ら住居等での屋内暖房用ストーブ、そして、その廃熱と太陽光とを併用した発電装置としての位置付けがなされている。そのため、非常に有用な再生資源となり得る籾殻燻炭の製造については全く意図されていないように、地域の農業生産を支援するための地域循環型で自立型のコージェネレーション装置とはなっていない。
本考案に係る籾殻燃料コージェネレーション装置は、籾殻供給装置、燃焼炉、スターリングエンジン発電機、熱交換器、燻炭排出装置及び蓄電池を備えたものである。但し、コージェネレーション装置としての基本的機能に関しては、蓄電池は必ずしも必要不可欠なものではないが、その機能向上に大きく寄与する構成要素となる。
この燃焼炉で燃焼させる燃料は、稲作農業において大量に発生し、通常は余剰な廃棄物とされて処分されることが多い籾殻である。この籾殻燃料コージェネレーション装置では、その籾殻を燃焼炉で連続的に燃焼させて、その燃焼熱によってスターリングエンジンを稼働する。そして、その運動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行う。同時に、燃焼炉に連接される熱交換器において、排気ガスの廃熱から熱エネルギーを回収して温風や温水を得る。更に、燃焼後の籾殻残滓も燻炭排出装置によって燃焼炉から回収され、良質の有機肥料として農業生産サイクル内で再活用される。
また、この籾殻燃料コージェネレーション装置の具体的な構成等に関しては、大凡次のようなものになる。
籾殻供給装置は、籾殻燃料の投入口及び排出口を有している。そして、その内部が中空である籾殻貯蔵庫と、その籾殻貯蔵庫の排出口から燃焼炉へと籾殻燃料を移送するための籾殻運搬具とを備えている。
移送された籾殻をその内部で燃焼させて熱エネルギーを得るための燃焼炉は、籾殻燃料が燃焼して生じる籾殻燻炭の排出口を有している。一方、籾殻燃料の投入部も当然に存在する。但し、炉内に籾殻燃料を移送する籾殻搬入装置が、燃焼炉の壁面にあるその投入口を貫入して設置されるために、通常はこの投入口は閉塞されている。
そして、この燃焼炉には、籾殻運搬具が移送した籾殻燃料を一時的に保管するための籾殻収納部が備わっている。この籾殻収納部には籾殻燃料の投入口と排出口とがあり、その内部は中空となっている。また、その一端が前記の籾殻収納部の排出口にあり、他端が燃焼炉の側壁を貫入して炉内にあり、籾殻燃料をこの籾殻収納部から燃焼炉に移送する前記の籾殻搬入装置も燃焼炉に付属する装置として設置されている。
次に、燃焼炉は、籾殻を効率的かつ効果的に燃焼させるための装置として次のようなものを具備している。
一つは回転燃焼台である。これは燃焼炉の底部から鉛直上方に延びて軸回転が可能な中空の管と、その上端に設置されて管とともに回転する中空で円盤状の平たい部位とで構成される燃焼台である。その円盤の上面は大凡平滑であるが、中心点から全円周方向の外縁側に向けてごく僅かな下向きの傾斜を設けてある。また、その上面には、内部の中空部に通じて空気穴となる複数の貫通孔があり、この円盤と直立する管の中空部は相互に通じ合っている状態である。そして、籾殻搬入装置により投入された籾殻燃料をその円盤の上面に載せた状態で、回転燃焼台は中空管を中心軸とした回転運動を行う。
そして、もう一つの籾殻燃焼のための装置は、回転燃焼台上の籾殻燃料を加熱して燃焼させるためのバーナー等の燃焼装置である。
更に、籾殻燃料や未燃ガスを効果的に燃焼させるため、炉外の外気を炉内に燃焼用空気として導入するための装置を備えている。これには二種類の装置があり、その一つは、燃焼用一次空気を回転燃焼台の貫通孔から炉内に供給する一次空気導入装置である。もう一つは、炉外からの燃焼用二次空気を燃焼炉の内壁上部から炉内に供給する二次空気導入装置である。これらの空気導入装置はそれぞれに、一次送風機とそれに繋がる一次送風管、二次送風機とそれに繋がる二次送風管を有するが、本装置の仕様によっては、一次送風機と二次送風機については同一の機器としても良い。
スターリングエンジン発電機は、籾殻の燃焼で得られた高熱と冷却水との間で生じる温度差によってスターリングエンジンを稼働し、その運動エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電を行うものである。
本装置における熱交換器は、籾殻の燃焼による高温の排気ガスで水や空気を加熱して温水及び温風とし、その温水を外部に供給する温水供給装置、又は、温風を外部に供給する温風供給装置の少なくともいずれかを備えたものである。すなわち、この籾殻燃料コージェネレーション装置は、温水又は温風の少なくともいずれかを供給することが可能なものとなるが、これら両供給装置を併設することは当然に可能なものである。
このようにして、籾殻の燃焼による熱エネルギーは複数の手段と経路で回収されて、電気・温水・温風として供給されて、農作業時や作物の生育管理等に活用される。
燻炭排出装置は、燃焼後に回転燃焼台から落下した籾殻燻炭を燃焼炉底部の排出口から取り出し、これを回収するための装置である。その排出口から燃焼炉の外部に燻炭を掃き出すための回転翼と、炉外に排出された燻炭を貯蔵箇所まで移送する燻炭運搬具とを備えている。なお、安全対策の一つとして、この燻炭運搬具には高温状態の燻炭を冷却するための装置も付加される。そして、回収された籾殻燻炭は、地域の農業生産活動において、良質の再生肥料として無駄にされることなく活用される。
蓄電池は、スターリングエンジン発電機により発電された電気を蓄え、その一部はスターリングエンジン発電機の始動用動力の電源としても利用される。当然ながら、蓄電池に蓄えられた電気は、農作業など様々な用途において使用することができる。
稲作農業において多量に発生し、多くの場合は余剰廃棄物とされる籾殻を地域の農業サイクルにおいて有効に活用できるものとなる。
籾殻燃料は、燃焼温度や空気供給量の適正な管理下において燃焼するため、有害なダイオキシン類等の発生も抑制される。そして、燃焼後に回収される籾殻燃料の燻炭は、無害かつ良質な有機肥料として地域の農業サイクルに再投入される。
石油燃料を用いる一般の火力発電に比べ、良質なバイオマス燃料である籾殻を用いた発電は、燃料自体がカーボンニュートラルな特性を有し、スターリングエンジンも燃焼熱と冷却水との温度差を動力源として稼働するものであるため、環境に与える負荷も非常に小さなものとなる。そのため、本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置は、二酸化炭素の排出削減にも持続的に貢献することが可能で自然環境にも優しく、農村地域に最適な地域循環型の資源・エネルギーシステムを構築することができる。
更に、本装置に蓄電池を付加することで、より長時間の自立運転も可能となり、通常時の使用のみならず、非常用の防災システムとしても活用することができるため、地域防災システムの一部にもなり得る装置である。
籾殻燃料コージェネレーション装置の全体構成を示す。 籾殻供給装置の構成を示す。 燃焼炉の構成を示す。 連接部材による接続状況を示す。 回転燃焼台の構成を示す。 スターリングエンジン発電機の構成を示す。 熱交換器の構成を示す。 燻炭排出装置の構成を示す。
以下、本考案について、図を用いながら説明をする。
図1は、籾殻燃料コージェネレーション装置1の全体的な構成について、その概要を図示したものである。
この籾殻燃料コージェネレーション装置1は、籾殻供給装置2、燃焼炉3、スターリングエンジン発電機4、熱交換器5、燻炭排出装置6及び蓄電池7という複数の装置が組み合わされた構成となっている。
まず始めに、それら各装置の概要について説明を行う。
図2に籾殻供給装置2を示す。
この籾殻供給装置2は、それを構成する部位の機能によって大きく二分することができる。すなわち、燃料となる籾殻を備蓄する籾殻貯蔵庫2−1と、その籾殻貯蔵庫2−1に蓄えられた籾殻を燃焼炉3へ移送する籾殻運搬具2−2とである。
籾殻貯蔵庫2−1は、籾殻を投入するための開口部、すなわち燃料の投入口が、その一部に設けられた中空の保管容器である。なお、図2においてはその投入口を視認することができないが、図上端の上面部に開口部として存在している。図2とは一部で形状が異なるものだが、図4の籾殻貯蔵庫2−1において、その投入口を視認することができる。このように、この籾殻貯蔵庫2−1の外形状については、図2や図4の形態以外にも様々なものであり得る。例えば、球形タンク状の籾殻貯蔵庫2−1であっても良い。
一方、それが有する内部構造の一例としては、下端部に籾殻を排出するための開口部を設け、使用者が投入した籾殻が、その自重によって漸次下方に沈み込むように移動する構造とすることが簡易である。そして、その下端部から排出される籾殻燃料が、必要に応じて籾殻運搬具2−2によって燃焼炉3に移送され、炉内に連続的に供給される仕組みとする。そのため、そのような籾殻貯蔵庫2−1では、籾殻が底部の排出口へ自然に流動するように、その内部の形状については、逆円錐型又は逆角錐型となる底開式で漏斗状のホッパー型とされることも多い。そのようなことから、図2には、下端に向けて外周部が漸次絞り込まれた形状となるホッパー型の籾殻貯蔵庫2−1を表示している。また、燃料の投入口に開閉式の蓋を設けるか否かなどの構成の細部に関しては、籾殻燃料コージェネレーション装置1を設置する目的や環境等、例えば屋外か屋内かなどの状況に応じて任意に選択すれば良い。
また、籾殻貯蔵庫2−1の大きさについては、籾殻燃料コージェネレーション装置1の仕様に応じて適宜に変更することができる。例えば、農業用ビニールハウス内の片隅に格納する比較的小型の装置とする場合などには、籾殻貯蔵庫2−1の横幅及び奥行きをともに1メートルとし、投入口から排出口までの深さも同じく1メートルとする。そして、籾殻貯蔵庫2−1の全高に関しては、燃焼炉3との高低差や位置関係を考慮しながら適宜に決定する。
このように、籾殻貯蔵庫2−1の外形状や大きさ、そして、その内部構造については、その機能を果たし得る限りにおいて、籾殻燃料コージェネレーション装置1の設計目的に応じて検討すべき事柄となり、前記の例以外にも柔軟に検討を行って、その仕様を決定し得るものである。
籾殻運搬具2−2は、籾殻貯蔵庫2−1と燃焼炉3との間を繋ぎ、これらの間で籾殻燃料の移送を行う装置である。すなわち、籾殻燃料コージェネレーション装置1の連続的な運転を可能とするため、籾殻貯蔵庫2−1に備蓄された籾殻燃料を燃焼炉3に継続的に投入するため、籾殻貯蔵庫2−1内の籾殻をその外部に順次に運び出す。
その籾殻運搬具2−2の形状は、籾殻貯蔵庫2−1及び燃焼炉3の大きさ、それらの間の距離や高低差などの位置関係に対応して、ある程度の長さを持つ長尺状の移送管を備えたものとなることが多い。図2において、籾殻貯蔵庫2−1の中央下端から左斜め上方に延びる部位が、その移送管である。但し、移送管の取り回しに関しては、必ずしも図2のような直線的な配置のみに限定すべきものでもない。籾殻燃料コージェネレーション装置1を全体として、よりコンパクト化するためには、移送管の配置等に更なる工夫を凝らす余地はある。
そして、この籾殻運搬具2−2の大きさや外形状の一例としては、移送管の長さを1.2メートル、その太さは縦横ともに0.15メートルの円管状とする。その内部には移送手段が設けられ、移送される籾殻はその内部を通過することとなるため、移送管の内部は中空となる。そして、その移送管内に設けられる籾殻燃料の移送手段としては、移動式ベルトや回転式スクリューを用いたコンベア装置を採用することが可能である。そして、移送管の後端側(籾殻燃料の流れに従い、その上流側を「前」、下流側を「後」という。以下同じ。)には、そのコンベア装置によって移送管内を運ばれた籾殻が、順次、外部に排出されるように下向きの開口部が設けられている。
なお、図2の籾殻運搬具2−2では、移送管の前端は、籾殻燃料の排出口である籾殻貯蔵庫2−1の底部に連接されている。このような底開式ホッパー型の籾殻貯蔵庫2−1である場合、籾殻の投入口は前述のように上端部となり、籾殻の排出口、すなわち籾殻運搬具2−2によって籾殻を取り出す位置は、図2の中央下端部となる。しかし、その他の形式の籾殻貯蔵庫2−1や籾殻運搬具2−2とする場合には、籾殻燃料の投入口や排出口をその他の位置に設けることがあり得るものである。
また、籾殻貯蔵庫2−1、籾殻運搬具2−2とも、加工の容易性などから、その素材については、比較的軽量な金属等を用いることが多い。しかし、籾殻運搬具2−2の移送管やコンベア装置をともに柔軟性や可撓性を備えた素材とし、籾殻供給装置2の取り回しやその利便性を向上させることも可能である。
次に燃焼炉3であるが、図3にその概要を示している。
図1及び図2のように、移送管の開口部から下向きに排出されて落下した籾殻は、図3に示した燃焼炉3が備える籾殻収納部3−1に一時的に格納される。その後、その前側を籾殻収納部3−1に連接し、その後側を燃焼炉3内に貫入させた籾殻搬入装置3−2により、籾殻収納部3−1内の籾殻は順次に移送されて炉内に投入される。
なお、籾殻燃料コージェネレーション装置1の安全対策の一つとして、可燃物である籾殻を大量に備蓄し得る籾殻供給装置2と、その内部で籾殻が燃えて高熱を発する燃焼炉3とは、図1のように、これらが互いに接することなく隔離するように配置されている。すなわち、図2の籾殻運搬具2−2と、図3の籾殻収納部3−1との間には、接点が全く存在しないように設置されている。
また、不燃性と断熱性とを兼ね備えた素材からなり、籾殻は通過することが不可能な大きさの網目構造を有する連接部材によって、籾殻運搬具2−2と籾殻収納部3−1とを分離可能な状態で接続することも考えられる。その接続状況の一例を示したものが図4である。これによって、籾殻運搬具2−2から投下される籾殻が、急な突風などによって籾殻収納部3−1の外へ飛ばされて漏れ落ちることや、籾殻以外の不純物がそれらの間から籾殻収納部3−1内に紛れ込むことを、未然に防止できるものとなる。
そして、燃焼炉3で発生する火炎や燃焼熱は、空間的又は連接部材による隔離によって遮断され、燃焼炉3の籾殻収納部3−1などから、籾殻供給装置2の籾殻運搬具2−2へと伝わることはない。そのため、籾殻貯蔵庫2−1内の籾殻が延焼するような、予期せぬ火災事故が発生し難い構成となっている。
図3の燃焼炉3は、その内部に燃焼空間を有する一般的な焼却炉としての内形状を有するものである。一方、その外形状については、図3に示したものに限定すべきものではない。そして、燃焼炉3の機能としては、籾殻燃料を炉内で連続的に燃焼させて、熱エネルギーを得るものであり、籾殻燃料コージェネレーション装置1の主要な構成機関の一つとなっている。
この燃焼炉3は、籾殻供給装置2から移送された燃焼工程前の籾殻を一時的に格納する籾殻収納部3−1、その籾殻を燃焼炉3内に順次に投入する籾殻搬入装置3−2、炉内で籾殻を燃焼させるための回転燃焼台3−3と燃焼装置3−4、その燃焼効率を向上させる一次空気導入装置3−5と二次空気導入装置3−6を備えている。
籾殻収納部3−1は、籾殻供給装置2から移送される籾殻燃料を、燃焼炉3に投入されるまでの間、一時的に収納するものである。その形状は、籾殻運搬具2−2の移送管から落下する籾殻を格納するため、上部に開口部を備えた中空の保管容器である。
その大きさは、燃焼炉3への籾殻燃料の時間当たりの供給量などを考慮して適宜に決められるが、備蓄か一時保管かという、それらの目的の違いから、籾殻貯蔵庫2−1程の大きな容量を必要とするものではない。また、その外形状や内部構造については、籾殻貯蔵庫2−1と同様にホッパー型としても良いし、より簡素な缶状の籾殻収納部3−1としても良い。
籾殻搬入装置3−2は、籾殻収納部3−1で一時保管されている燃焼工程前の籾殻燃料を、燃焼炉3の内部に搬入するための装置である。その前端は籾殻収納部3−1の排出口と連接され、その後端は燃焼炉3の側壁を貫入して炉内に至るように配置される。なお、燃焼炉3に投入される籾殻燃料の供給量については、燃焼炉3の燃焼状態、例えば燃焼温度を熱電対により計測して常時監視し、その変動に応じて籾殻搬入装置3−2の移送手段による運搬速度を制御するなどして、その分量が適時に増減される。
そして、その籾殻燃料の移送手段の構成に関しては、籾殻運搬具2−2と同様に、ベルトコンベアやスクリューコンベアなどを利用することが可能である。また、その他の方法としては、図3では水平に固定された籾殻搬入装置3−2を、例えばこれを上下に可動的な構成とし、その傾斜角の変動によって、炉内に投入される籾殻の分量を調整するような仕組みとしても良い。
なお、本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置1では、その移送手段に主としてスクリューコンベア装置を採用する。これはスクリュー回転軸のベアリング等を炉外に設置することが可能なため、高温対策としても適したものであり、本装置の耐久性向上に大きく寄与できる理由による。また、その構造もシンプルであり、回転軸の制御も容易であることも、その利点の一つである。
回転燃焼台3−3と燃焼装置3−4は、ともに炉内に投入された籾殻燃料を加熱して燃焼させるための装置である。
籾殻搬入装置3−2によって運ばれた籾殻は、燃焼炉3の内部に順次に投入される。この時、籾殻搬入装置3−2の後端が、図3のように炉内の回転燃焼台3−3の上面に届くように配置されている。そのため、投入された籾殻燃料は、籾殻搬入装置3−2の後端下方で回転を続ける回転燃焼台3−3の円盤上に円弧状に広がり、その一部のみに偏り過ぎて堆積することはない。そして、この回転燃焼台3−3の円盤上面の近傍が、炉内で籾殻自体が燃焼するための主たる燃焼エリアとなる。
回転燃焼台3−3の構成としては、燃焼炉3の底面から炉内の鉛直上方に延びて回転可能で、内部が中空な直管の上端に、上面が大凡平滑ではあるが中心点から全円周方向の外縁側に向けて、例えば1から10度程度のごく僅かな下向きの傾斜を持つ円盤が、その全ての外縁部が水平を保つように設置されている。そして、その下の中空管が軸回転することによって、その上部の円盤も、盤上に投下された籾殻を載せたままの状態において、同じく回転運動を行うこととなる。
図5は、回転燃焼台3−3を横から見たものである。
簡略化した図3や図8と細部の表示が一部で異なるが、その上部は、僅かな傾斜があるものの大凡平坦で円滑な上面を持った円盤状の台となっている。そして、これを上方から見下ろすと円形の外形をなすものである。その内部は中空となっており、上面には中空の内部に貫通して空気穴となる複数の貫通孔が均等に配されており、これは同じく中空である下方の直管まで通じている。図5には、貫通孔が列を成すように、その上面に多数配置されている状況を図示している。
なお、燃焼炉3を構成する各装置や部品等の素材に関しては、この回転燃焼台3−3を含め、高温下での耐久性等が非常に重要であるため、耐熱合金やセラミックなどの耐火・耐熱性の素材を適宜に選択して用いることが多くなる。
燃焼装置3−4は、回転燃焼台3−3の台上に投下された籾殻燃料に着火するためのバーナー等の加熱器である。そして、回転燃焼台3−3上の籾殻燃料への加熱が十分に及び、これに適切に着火して燃焼が行われ得る最適な位置に、燃焼装置3−4は配置される。
ここで、炉内に連続的に供給される籾殻の燃焼を促進させるため、燃焼に必要不可欠となる酸素が、炉外から炉内に適切に供給されることが重要である。
一次空気導入装置3−5は、そのための燃焼用一次空気を炉外から炉内に取り入れるためのものである。この一次空気導入装置3−5は、モーター等の動力で稼働する空気供給ブロワー等の一次送風機によって炉内に空気を送り込む。そして、その一次送風機に繋がる一次送風管を備え、その送風口は、燃焼炉3の底部から鉛直上方に突出するように配置された回転燃焼台3−3の中空な直管に接続されている。そのため、燃焼用一次空気は、回転燃焼台3−3の上面に均等に設けられて円盤内部の中空部まで通じた複数の貫通孔から、その上方に向けて排出されて炉内に供給される。
このように、燃焼炉3に連続的に投入される籾殻燃料は、回転燃焼台3−3上に大凡均等に落下して、燃焼装置3−4で加熱されて燃え上がり、回転燃焼台3−3上の貫通孔から供給される燃焼用一次空気によって良好な燃焼状態が維持される。
なお、一次空気導入装置3−5により炉内に導入される燃焼用一次空気に関しても、空気供給ブロワーの回転数を調整するなどして送風量の制御が行われるため、その供給量は適宜に増減される。また同時に、燃焼用一次空気の供給量の制御については、これを減ずることで炉内の内部圧力が低減されるものであるため、後に述べる炉内の内圧調整においても有効な効果を有するものとなる。
なお、本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置1では、籾殻燃料の適正な燃焼のため、回転燃焼台3−3の回転速度も制御される。籾殻搬入装置3−2によって炉内に移送され、回転燃焼台3−3の上に円弧状に広がった籾殻は、回転燃焼台3−3の上で燃焼する。この時、台の中心から全円周方向に向かう緩やかな下向きの傾斜と、制御された台の回転運動によって生じる遠心力、台上面の貫通孔から炉内上向きに吹き出す燃焼用一次空気により、燃焼後の籾殻は徐々に外周方向に移動して、順次に回転燃焼台3−3から零れ落ちるようにして炉内の下方に落下する。
燃焼炉3の内部は、これまで説明してきたように、回転燃焼台3−3の近傍は籾殻燃料そのものが主として燃焼する空間となり、これを一次燃焼エリアと考えることができる。図3に示すAの部位がこの一次燃焼エリアである。
その上方となるBの部位には、籾殻の一次燃焼によって生じた未燃ガスが滞留するガス化エリアがあり、更にその上方で燃焼炉3の上部となるCの部位を、その未燃ガスを完全燃焼させるための二次燃焼エリアと考えることができる。
すなわち、回転燃焼台3−3の上面で籾殻が燃焼して未燃ガスが発生する。ガス化エリアに滞留する未燃ガスは、更にその上方の燃焼エリアにおいて、一次燃焼の火炎や燃焼熱と、燃焼炉3の上部内壁の全周囲方向から供給される燃焼用二次空気とで励起される二次燃焼によって燃え尽きる。
このとき、不完全燃焼による有害ガスや黒鉛等を発生させないため、燃焼エリアにおける一酸化炭素濃度を計測器によって測定し、二次空気導入装置3−6によって供給する燃焼用二次空気の量を制御する。なお、この制御に関しては、使用者が目視しながら手動操作することも可能であり、燃焼実験等で得られた数値等に基づき自動制御とすることも可能である。
二次空気導入装置3−6は、未燃ガスを二次燃焼させるために必要となる燃焼用二次空気を、炉外から二次燃焼エリアに供給するためのものである。これも、一次空気導入装置3−5と同じように、空気供給ブロワー等の二次送風機やそれに繋がれて外気を炉内に導入する二次送風管などによって構成される。
本装置の燃焼炉3では、安全対策の一つとして、炉内にロックウール等の断熱素材による内壁を設けることで、炉内から外壁への熱伝導を抑制している。そして、二次燃焼エリアに対して燃焼用二次空気を直接かつ隈無く導入するために、二次送風管の配管については、これを燃焼炉3の内壁に内蔵させて、その排気口についても、炉内上部の二次燃焼エリア、すなわち図3でCの部位を取り巻くようにして内壁全周に均等に配置する。
この内壁から燃焼炉3内に継続的に供給される燃焼用二次空気は、高温に熱せられながらも、炉外に排気ガスとして放出されて入れ替わる。そして、内壁の近傍には、燃焼用二次空気の層が新たに形成され続ける。そのため、断熱内壁と外壁とによる燃焼炉3の二層構造に、その内壁近傍に常時流入して入れ替わる新規な空気の層を加えて、高温の熱伝導を遮断して燃焼熱の炉外への拡散を防ぐ目的にも寄与することとなる。
また、このように断熱内壁と外壁との二層構造に燃焼用二次空気層を加え、これを燃焼熱の遮断対策の一つとするほか、炉内の内圧上昇という問題点に関しては、センサによる常時監視に基づく安全対策が施される。すなわち、その内圧が予め設定された上限値を超えて更に上昇しようとする状況にある場合には、排気用ブロワーが起動するなどして、炉内の余剰な空気や燃焼ガスを炉外に強制的に排気して内圧が過剰に上昇しないように制御される。
なお、本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置1では、この排気用ブロワーの設置箇所の例として、熱交換器5のガス排出部にこれを配置している。その理由は、燃焼炉3から排出される高温の排気ガスを、熱交換器5による熱エネルギーの回収後の冷却が行われた状態において、外部に排出するためである。
このように、炉内の内圧調整に関しては、燃焼用一次空気と燃焼用二次空気の炉外から炉内への供給の制御と、排気用ブロワーの吸引力の調整による炉内から炉外への燃焼ガス等の排出の制御、すなわち、入口での空気供給量と出口でのガス排出量の同時制御によって行われるものである。
本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置1では、燃焼炉3での籾殻燃料の一次燃焼と、それから発生した未燃ガスの二次燃焼とによって、効率的に高熱を発生させることが可能なものとなっている。そして、これで得られた熱エネルギーについては、以下のように、スターリングエンジン発電機4による発電利用と、熱交換器5による廃熱からの熱回収利用が行われる。
この燃焼炉3の上部には、燃焼によって生じる高温排気ガスの排出口が設けられている。なお、図3の燃焼炉3で、その上部から左方に延びる配管が接続されている部位がその排出口である。その高温ガスの熱エネルギーは、熱交換器5によって温水や温風として回収される。そして、同じく燃焼炉3の上部には、燃焼熱を均等に拡散してスターリングエンジン発電機4に効果的に熱伝導させるためのサイクロン構造を有する熱伝導部3−7が設けられている。なお、このサイクロン構造とは、漏斗状や円筒状をしたサイクロン本体の円周方向からその内部に向けて、燃焼によって生じる火炎や高温ガスを渦を巻くようにして流入させるものである。これにより、炉内の火炎や高温ガスは上部で満遍なく拡散して広範囲に熱伝導が実現されることとなる。
一方で、本装置の安全対策の一つとして、燃焼炉3には同じくサイクロン構造を備えた集塵装置3−8が配置されている。火炎で舞い上がった微細な燃焼灰などは、この集塵装置3−8で一箇所に集約された後に取り出されて適正に処理される。そして、この集塵装置3−8のフィルターによって清浄化された高温の排気ガスのみが熱交換器5に送られる構造となっている。
また、燃焼炉3の下部には、籾殻燻炭の排出口が設けられている。図3では、燃焼炉3の左下方がその排出口の位置となっている。そして、回転燃焼台3−3上で燃焼した後に底部に落下して、更に炉外に回収された後の籾殻燃料については、籾殻の燻炭肥料として農業生産において再利用がなされることとなる。
スターリングエンジン発電機4は、図6のように、燃焼炉3の上方に設置される。
そして、籾殻の燃焼で得られた熱エネルギーは、燃焼炉3の上部に設置されるスターリングエンジン発電機4の下部にある熱供給部4−1を介して、その内部に熱伝達されて、スターリングエンジン発電機4に内蔵されたシリンダを加熱するために用いられる。
この時、燃焼炉3の炉内上部には、その内部で火炎や高温ガスが渦を巻くようにして燃焼熱を均等に拡散するサイクロン構造を備えた熱伝導部3−7が、スターリングエンジン発電機4の熱供給部4−1に相対するようにして設置され、効率的で効果的な熱伝導が実現されるものとなっていた。なお、図6では、スターリングエンジン発電機4の熱供給部4−1を図中に明示するため、便宜上の理由から燃焼炉3の熱伝導部3−7については図示を省略している。
また、シリンダ等のスターリングエンジン発電機4の内部構造も図示を省略している。
このようにして、スターリングエンジン発電機4の内部では、一方の加熱されたシリンダ内で気体が膨張し、他方の冷却されたシリンダ内で気体が収縮する。これが交互に繰り返されるため、それらの圧力差によって、持続的なピストン運動がそのシリンダ内に惹起されることとなる。そして、その運動の力学的エネルギーを電気エネルギーに変換することによって連続的な発電を行うものである。
この温度差を持続的に引き起こすため、籾殻の燃焼による熱エネルギーが燃焼炉3からスターリングエンジン発電機4に対して継続的に供給される。同時に、スターリングエンジン発電機4の内部に配設された導水管からは、冷却水が供給される。図6の上部で左右に延びる入水管と出水管がその導水管の一部を成す。
スターリングエンジン発電機4は、石油燃料等を使用した外燃機関とは異なり、温度差による気体の膨張と収縮による運動エネルギーを電気エネルギーに変換して電気を得るための装置である。そのため、本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置1にとっては、籾殻燃料のカーボンニュートラルな特性と、スターリングエンジン発電機4のカーボンフリーな特性との相乗効果から、農村地域及び地球環境の維持に関して非常に有用な装置であると考えられる。
また、スターリングエンジン発電機4の起動時には、ピストンと連動するフライホイールに対して、ピストン運動を開始させるための初動的な回転力を付与する必要がある。しかし、スターリングエンジン発電機4が始動した後には、熱源である燃焼炉3からの継続的な熱エネルギーの供給と、循環する冷却水とによる高低の温度差が繰り返して生み出されるため、外部からの電気の供給等を必要としない自立的な発電が連続的に行われるものとなる。
なお、10kw未満のスターリングエンジン発電機4は、我が国において一般用電気工作物に分類されており、市場では複数の製品が供給されている。本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置1においては、7kwのスターリングエンジン発電機4を搭載する仕様として、実用化のための実証試験を実施してきたところである。
熱交換器5は、燃焼炉3から排出される高温の排気ガスから熱エネルギーを回収するための装置である。具体的な機能としては、図7のように、燃焼炉3から排出されて集塵装置3−8で浄化された高温ガスから、この熱交換器5によって回収した熱エネルギーを用いて水や空気を暖めるものである。そして、温水供給装置5−1や温風供給装置5−2によって、その温水や温風を外部に供給するための装置である。
本考案の籾殻燃料コージェネレーション装置1においては、ダイオキシン類等が発生しない適正温度に制御しつつ籾殻燃料を燃焼させるため、基本的に燃焼炉3から排出される高温ガスには有害物質が含まれない。しかし、この排気ガスには、火炎によって舞い上がる微小な燃焼灰が含まれる可能性があるため、サイクロン構造とフィルターを有する集塵装置3−8を用いて焼却灰の確実な回収を行うものである。
そのようにして、集塵装置3−8で清浄化された高温ガスからは、熱交換器5において熱エネルギーの回収がなされる。そして、熱交換器5で回収された熱エネルギーによって加温された水や空気は、配管やバルブ等の設備によって構成される温水供給装置5−1や温風供給装置5−2を経由して外部に温水や温風として供給されて利用される。併せて、浄化されて冷却された排気ガスは外部に放出されることとなる。
なお、籾殻燃料コージェネレーション装置1については、その仕様により、温水供給装置5−1と温風供給装置5−2とを両方兼ね備え、温水と温風を同時に、又は、これらを選択的に利用できる装置とすることができる。この場合、それらの装置に操作上で必要となる弁やスイッチ等の設備を設けて、温水や温風の供給の開始や停止などを適宜に行えるものとする。また、より簡素な別仕様として、温水供給装置5−1と温風供給装置5−2のいずれか一方のみを選択的に備えるものとしても構わない。
燻炭排出装置6の構成を図8に示す。
この燻炭排出装置6は、燃焼後に回転燃焼台3−3から燃焼炉3の底部に落下して堆積した籾殻の燻炭を掻き集めて集積し、燃焼炉3の底部に設けられた排出口から取り出して農業用肥料として回収するものである。
そのため、底部に散らばった籾殻燻炭をまとめて回収するため、燃焼炉3の底部に堆積した燻炭を掃き出すようにして炉内を回転して、燻炭を排出口まで移動させることが可能なように調整された回転翼6−1を備えている。
この回転翼6−1は、図5や図8のように、回転燃焼台3−3の直管の下方に設置されており、回転燃焼台3−3とともに回転する。そのため、回転燃焼台3−3の回転速度が増して遠心力も増大することで、落下する籾殻燃料の燃焼滓、すなわち籾殻燻炭の底部での堆積量も増加することとなる。そのような場合、より多くの籾殻燻炭を効率的に炉外に排出するために、この回転翼6−1も回転燃焼台3−3に同調して、その回転数を増す必要があるためである。
このようにして燃焼炉3の排出口から掃き出された籾殻燻炭は、籾殻搬出装置6−2によって燃焼炉3の外へと運ばれて一箇所に集積される。この時、排出された籾殻燻炭は未だ高温な状態にあることが多いため、籾殻搬出装置6−2には冷却用噴霧装置などの安全装置が付加されることが多い。
この籾殻搬出装置6−2については、籾殻供給装置2の籾殻運搬具2−2や、燃焼炉3の籾殻搬入装置3−2のように、籾殻を運搬するための中空管内にベルトコンベアやスクリューコンベアなどを内蔵する仕組みとすることができる。
蓄電池7は、スターリングエンジン発電機4で発生させた電気を備蓄するためのバッテリーである。発電した電気については農作業や農業施設の維持管理などにそのまま利用することができるが、余剰となる電気を蓄えて必要な時にこれを使用できることにより、本装置は更に有用なものとなる。
このようにして蓄えられた電気は、後日の農作業時などで使用できるほか、籾殻供給装置2など各装置の稼働用電力や、スターリングエンジン発電機4の起動時にフライホイールに回転力を付与して、それに連動するピストンに初動運動を惹起させるための始動時の駆動力としても用いることも可能である。
また、災害等の発生によって外部からの電力供給が遮断された非常時などにおいても、蓄電池7に蓄えられた電気を利用して籾殻燃料コージェネレーション装置1を起動することにより、その後に得られる電気や温水等は施設維持や災害対応など様々な用途において使用できることとなる。
次に、この籾殻燃料コージェネレーション装置1の使用方法とその動作について、順を追って簡潔に説明する。
籾殻燃料コージェネレーション装置1の使用者は、まず始めに籾殻供給装置2の籾殻貯蔵庫2−1に籾殻燃料を投入する。これは籾殻燃料の備蓄を兼ねるものであるので、この籾殻貯蔵庫2−1内の籾殻燃料によって、当面の持続的な運転が可能となる。そして以後は、燃焼炉3の燃焼状況や籾殻貯蔵庫2−1内の籾殻燃料の残存量に応じて、適時に追加の補充を行えば良い。
そして、使用者が籾殻燃料コージェネレーション装置1のスイッチを押すなどして装置を始動させることで、籾殻貯蔵庫2−1の籾殻燃料の排出口、例えば、ホッパー型の籾殻貯蔵庫2−1の場合は、その底部に連接されている籾殻運搬具2−2が起動する。そして、籾殻貯蔵庫2−1内の籾殻燃料は、籾殻運搬具2−2の移送管中をスクリューコンベア等によって自動的に燃焼炉3に向けて移送される。なお、これらの初期動作において必要となる電気は、外部から給電されるもののほか、前述のように、蓄電池7に蓄えられた電気を利用することも可能である。
その後、籾殻運搬具2−2で移送された籾殻燃料は、籾殻供給装置2との間で熱伝導などが遮断されるように配置した燃焼炉3の籾殻収納部3−1に向けて、籾殻運搬具2−2の下向き開口部から順次に投下される。
籾殻運搬具2−2によって移送されて、燃焼炉3の籾殻収納部3−1に一時保管された籾殻燃料は、その一端が籾殻収納部3−1に連接され、他端を燃焼炉3の側壁からその内部に貫入させた籾殻搬入装置3−2によって、燃焼炉3内に順次に投入される。なお、この籾殻搬入装置3−2についても、籾殻供給装置2と同様に、使用者による起動用スイッチ等の操作によって、その搬入作業の開始や停止などが指示されるが、籾殻供給装置2の起動に連動して、それと同時にその動作が開始されるように設定することも可能である。
籾殻搬入装置3−2によって燃焼炉3に搬入された籾殻燃料は、燃焼炉3の底部から鉛直上方に延びる回転燃焼台3−3の大凡平滑な上面に順次に投下される。この時、回転燃焼台3−3の内部には、一次空気導入装置3−5によって炉外からの燃焼用一次空気が連続的に供給されており、回転燃焼台3−3は投下された籾殻燃料を上に載せた状態で回転運動を続けている。
そのため、籾殻搬入装置3−2から連続的に炉内に投入される籾殻燃料は、回転燃焼台3−3上の一箇所のみに偏在することはなく、円弧状になりながらも大凡満遍なくその台上に堆積する。なお、回転燃焼台3−3や一次空気導入装置3−5の動作に必要となる動力に関しても、スターリングエンジン発電機4で発生する電気や、蓄電池7に蓄えられた電気を活用することが可能である。
そして、回転燃焼台3−3上の籾殻燃料には、バーナー等の燃焼装置3−4から炎や熱が加えられる。併せて、回転燃焼台3−3の上面に均等に配された貫通孔からは、一次空気導入装置3−5から送り込まれた籾殻燃料の燃焼を促進させるための燃焼用一次空気が台の上方に向けて排出されて、炉内への外気の供給が行われる。
籾殻搬入装置3−2によって炉内に連続的に供給される籾殻燃料は、回転燃焼台3−3の台上やその近傍である一次燃焼エリアにおいて持続的に一次燃焼をするが、同時に未燃ガスも発生する。そして、燃焼後の籾殻燃料は、台上面は大凡平滑であるが外縁側に向けて僅かに下がるように設けられた傾斜角と、回転による遠心力と、上向きに排出される空気とによって、順次に回転燃焼台3−3の外側へと移動し、やがては台上から落下して燃焼炉3の底面に堆積する。
籾殻燃料の一次燃焼により発生して炉内に滞留する未燃ガスについても、一次燃焼エリアの更に上方、すなわち炉内上部の二次燃焼エリアにおいて、持続的な二次燃焼が行われる。この時、二次空気導入装置3−6によって炉外から供給される燃焼用二次空気が、炉内上部の内壁から二次燃焼エリアに向けて排出されるため、未燃ガスも完全に燃焼することとなり、籾殻燃料からの熱エネルギーの回収がより効果的に実現できるものとなる。
燃焼炉3の内部においては、籾殻燃料と未燃ガスの燃焼による火炎と高温のガス、そして燃焼熱は炉内の上方へ向かう。炉内上部には、燃焼炉3の上に設置されたスターリングエンジン発電機4の熱供給部4−1に相対するように、サイクロン構造を有する熱伝導部3−7が設けられており、スターリングエンジン発電機4への効果的かつ効率的な熱伝導が実現できるものとなっている。
燃焼炉3からスターリングエンジン発電機4に継続的に供給される熱エネルギーと、スターリングエンジン発電機4の内部を循環する冷却水とにより、スターリングエンジン発電機4の稼働に必要となる高低の温度差は、籾殻燃料の燃焼が続く限りにおいて維持される。この高低の温度差が、スターリングエンジン発電機4のシリンダ内において、一方では空気の膨張を、他方では空気の収縮を引き起こし、それらが交互に繰り返されるため、ピストンの運動エネルギーを持続的に得ることができる。そして更に、その運動エネルギーを電気エネルギーに変換することで、継続的な発電が行われるものとなる。
なお、冷却水の循環に関しては、装置内で完全循環をさせる閉鎖型のもの、外部から適時に給水を行う非閉鎖型のものなど、使用者のニーズや本装置が使用される環境等に応じて、様々に異なる仕様を選択することが可能である。
また、スターリングエンジン発電機4の起動に関しても、蓄電池7に蓄えられた電気を用いてフライホイールを回転させることで初動的なピストン運動を惹起することが可能である。そのため、外部からの電気や水の供給等を必要としない自立型のコージェネレーション装置を実現することも可能である。
そして、籾殻燃料の燃焼による熱エネルギーは、熱交換器5による温水や温風の製造にも活用される。使用者は、籾殻燃料コージェネレーション装置1の仕様によっては、温水と温風を同時に利用することも可能となる。
このように、これまで稲作農業において大量に発生してきた籾殻については、これまでは余剰な廃棄物となることが多かったが、今後は非常に有用な天然資源となり得ることとなる。
そして、この籾殻燃料コージェネレーション装置1により得られた電力は、農機具の動力源や、農業用ビニールハウス内での農作業や照明等に使用することができる。また、これで得られた温水や温風も、農作業時やビニールハウス内の暖房等に利用できるとともに、配管を通じて農地内を循環させることにより、農地の凍結防止や冷害対策などに活用することも可能である。
更には、農業用途以外にも、災害など非常時における地域の防災インフラとして本装置を活用することも考えられる。
そして、燃焼後の籾殻燻炭についても、稲作やビニールハウス内での農産物の栽培において、有害物を含まない良質で天然の有機肥料として再生利用することが可能である。
このようなことから、この籾殻燃料コージェネレーション装置1は、農村地域における資源とエネルギーの総合管理装置として、その中核的な存在となり得る可能性を有するものである。
1 籾殻燃料コージェネレーション装置
2 籾殻供給装置
2−1 籾殻貯蔵庫
2−2 籾殻運搬具
3 燃焼炉
3−1 籾殻収納部
3−2 籾殻搬入装置
3−3 回転燃焼台
3−4 燃焼装置
3−5 一次空気導入装置
3−6 二次空気導入装置
3−7 熱伝導部
3−8 集塵装置
4 スターリングエンジン発電機
4−1 熱供給部
5 熱交換器
5−1 温水供給装置
5−2 温風供給装置
6 燻炭排出装置
6−1 回転翼
6−2 燻炭運搬具
7 蓄電池

Claims (6)

  1. コージェネレーション装置であって、このコージェネレーション装置は、籾殻を燃料とし、籾殻供給装置と、燃焼炉と、スターリングエンジン発電機と、熱交換器と、燻炭排出装置とを有し、
    前記籾殻供給装置は、中空で籾殻の投入口及び排出口を有する籾殻貯蔵庫と、その排出口から前記燃焼炉へ籾殻を移送する籾殻運搬具とを備え、
    前記燃焼炉は燃焼後の籾殻燻炭の排出口を有し、中空で籾殻の投入口及び排出口を有して前記籾殻運搬具が移送した籾殻を保管する籾殻収納部と、一端が前記籾殻収納部の前記排出口にあり、他端は前記燃焼炉の側壁の投入口を貫入して炉内にあり、前記籾殻収納部から前記燃焼炉に籾殻を移送する籾殻搬入装置と、前記燃焼炉の底部から鉛直上方に直立して回転可能に設置される中空の管とその管の上部に設置されて空気穴となる複数の貫通孔を有する上面は平滑で中空の円盤とからなり、その円盤の上面に前記籾殻搬入装置によって移送される籾殻を載せて、前記管を中心軸として前記円盤を回転させる回転燃焼台と、前記回転燃焼台の上で回転する籾殻を加熱燃焼させる燃焼装置と、一次送風機とそれに繋がる一次送風管を有し、前記一次送風機によって前記一次送風管から前記回転燃焼台の前記管及び前記円盤の中空部を経て前記貫通孔まで外気を送ることで前記燃焼炉の内部に燃焼用一次空気を導入する一次空気導入装置と、二次送風機とそれに繋がる二次送風管を有し、前記二次送風機によって前記燃焼炉の内壁上部の全周囲に均等に配した前記二次送風管の排気口まで外気を送ることで前記燃焼炉の内部に燃焼用二次空気を導入する二次空気導入装置とを備え、
    前記スターリングエンジン発電機は、前記燃焼炉から供給される燃焼熱と冷却水との温度差により稼働することで発電をし、
    前記熱交換器は、前記燃焼炉から供給される燃焼熱により水及び空気を加熱して温水及び温風とし、その温水を外部に供給する温水供給装置及びその温風を外部に供給する温風供給装置の少なくともいずれかの装置を備え、
    前記燻炭排出装置は、前記回転燃焼台から落下して前記燃焼炉の底部に堆積する籾殻燻炭を前記燃焼炉の前記排出口から外部に排出するための回転翼と、その回転翼によって排出された籾殻燻炭を移送する燻炭運搬具とを備え、
    籾殻の燃焼熱によって、前記スターリングエンジン発電機による発電、前記熱交換器による前記温水及び前記温風のうち少なくともいずれかの供給、前記燻炭排出装置による籾殻燻炭の取り出しが可能であることを特徴とする籾殻燃料コージェネレーション装置。
  2. 前記回転燃焼台の前記上面が、その上面の中心点から全円周方向の外縁側に向けてごく僅かな下向きの傾斜を有することを特徴とする請求項1に記載の籾殻燃料コージェネレーション装置。
  3. 前記回転翼が、前記回転燃焼台と同調して回転することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の籾殻燃料コージェネレーション装置。
  4. 前記燃焼炉の側壁が断熱素材からなる内壁と外壁の二層構造をなし、その内壁に前記二次空気導入装置の前記二次送風管を内蔵させたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の籾殻燃料コージェネレーション装置。
  5. 前記スターリングエンジン発電機により発電された電気を蓄え、その一部を前記スターリングエンジン発電機の始動用動力として供するための蓄電池を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の籾殻燃料コージェネレーション装置。
  6. 前記籾殻供給装置の前記籾殻運搬具と、前記燃焼炉の前記籾殻収納部とを、籾殻が透過不可能な網目構造を有する断熱素材からなる連接部材によって接続可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の籾殻燃料コージェネレーション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115253983A (zh) * 2022-08-30 2022-11-01 安徽国泰化工有限公司 一种曼海姆炉法制造硫酸钾的无返料设备及工艺

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