JP3229095U - 履物 - Google Patents

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昭二郎 鈴木
昭二郎 鈴木
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Abstract

【課題】材料コストを増加させることなく簡易に生産でき、高い耐久性を具備する履物を提供する。【解決手段】履物100は、複数枚の内貼用補強部(内貼用補強ゴム部)30の外表面に、胴体部(胴体ゴム部)40が接着されて製造される。接着作業が上から一気に連続的に行え、生産性が良い。【選択図】図1

Description

本考案は長靴等の履物に関する。
従来のゴム長靴等の履物は、特許文献1に記載の如く、胴体ゴム部の外表面に複数枚の外貼用補強ゴム部を接着して構成されている。
外貼用補強ゴム部は、例えば甲補強ゴム部、踵側補強ゴム部、爪先側補強ゴム部である。
特開2012-85685号公報
特許文献1に記載の履物には、以下の問題点がある。
(1)使用者の足全体を覆うことになる胴体ゴム部の外表面の各所に、足の甲、踵、爪先等の各部に対応することになる各外貼用補強ゴム部の各ゴム片のそれぞれを圧着ローラ、プレス機等で圧着し、加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)し、履物を構成している。従って、当該履物の生産段階で、胴体ゴム部に対する各外貼用補強ゴム部の接着作業、又は1つの外貼用補強ゴム部の上に対する他の外貼用補強ゴム部の接着作業を、一気に連続的に行なうものにならず、生産性が悪い。しかも作業結果にバラつきが出易く製品品質を均一化することが難しい。
(2)履物における胴体ゴム部の外表面に各外貼用補強ゴム部が接着されていて、各外貼用補強ゴム部の胴体ゴム部又は他の外貼用補強ゴム部に対する接着境界部が、外部環境にさらされてその接着強度を脆化し易い。従って、当該履物の使用段階で、各外貼用補強ゴム部が剥離し易く、胴体ゴム部に対する補強機能を損なって、当該履物の耐久性を損なうおそれがある。
(3)履物における胴体ゴム部と各外貼用補強ゴム部とがそれらの接着境界部に形成する段差部、及び各外貼用補強ゴム部同士がそれらの接着境界部に形成する段差部が、外界に臨んで露呈するものになる。
この場合、当該履物の生産段階で、履物の外周部に艶出し液や艶消し液をかけるとき、それらの艶出し液や艶消し液の流れが上記段差部において乱れ、その乱れの跡が履物の外周部に残ってその仕上がり品質を損なうおそれがある。
また、当該履物の使用段階では、胴体ゴム部の外側に付着した汚れが上記段差部に滞溜し、ゴム劣化因子(酸やアルカリ物質、微生物の酵素分解反応等)となって、それらの胴体ゴム部又は各外貼用補強ゴム部を構成するゴム素材の経時劣化を著しく早める。このことは、それらのゴム部の損傷、破断を招いて当該履物の耐久性を損なう。
(4)使用者の足がその足首の関節、又は爪先の関節まわりで屈曲し、履物の胴体ゴム部及び各外貼用補強ゴム部がそれらの各関節の動きに対応して当該履物の外側に向けて凹み状をなす如くに折れ曲がるとき(図10(A))、履物の各外貼用補強ゴム部よりも内側に位置する胴体ゴム部では、図10(C)に示す如く、その曲げ変形の曲率が大きくなり、ひいてはその伸び変形量が過大になって大きな曲げ負荷に起因する大きな応力集中を生ずる。このことは、胴体ゴム部の損傷、破断を招いて当該履物の耐久性を損なう。
(5)上述(2)乃至(4)の如くに履物の耐久性が損なわれるときには、履物が長靴(雨靴)であれば、使用者の不適切な使用及び保管状況とも相まって、水漏れ等の機能不具合を早期に引き起こし易い。
本考案の課題は、材料コストを増加させることなく簡易に生産でき、高い耐久性を具備する履物を提供することにある。
請求項1に係る考案は、複数枚の内貼用補強部の外表面に、胴体部が接着されてなる履物である。
請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案において更に、少なくとも1つの内貼用補強部が、他の内貼用補強部の少なくとも一部分の上に重なり接着されてなるようにしたものである。
請求項3に係る考案は、請求項1又は2に係る考案において更に、胴体部が、複数枚の内貼用補強部の外表面に圧着ローラ、又はプレス機により圧着されてなるようにしたものである。
請求項4に係る考案は、請求項1乃至3のいずれかに係る考案において更に、複数枚の内貼用補強部が、裏布側補強部、甲補強部、踵側補強部、爪先側補強部及び胴体側補強部の少なくとも1つを含むようにしたものである。
請求項5に係る考案は、請求項1乃至4のいずれかに係る考案において更に、内貼用補強部と胴体部がゴムからなるようにしたものである。
(請求項1、5)
(a)使用者の足の甲、踵、爪先等の各部に対応することになる各内貼用補強部を構成する各ゴム片等の外表面に、使用者の足全体を覆うことになる胴体部を接着し、履物を構成するものになる。従って、当該履物の生産段階で、各内貼用補強部に対する胴体部の接着作業を、胴体部の上から一気に連続的に行なうものになり、履物の生産性が良い。しかも作業結果にバラつきが発生しにくく製品品質を均一化することができる。
(b)履物における各内貼用補強部の外表面に胴体部が接着されていて、各内貼用補強部の胴体部又は他の内貼用補強部に対する接着境界部が外部環境にさらされることがなく、その接着強度を長期安定的に維持し易い。従って、当該履物の使用段階で、各内貼用補強部が剥離し難く、胴体部に対する補強効果を損なうことなく、当該履物の耐久性を向上できる。
(c)履物における各内貼用補強部同士がそれらの接着境界部に形成する段差部、及び各内貼用補強部と胴体部がそれらの接着境界部に形成する段差部を、胴体部の外界に臨む部位に露呈するところがない。
この場合、当該履物の生産段階で、履物の外周部に艶出し液や艶消し液に浸してから、乾燥する際、それらの艶出し液や艶消し液の流れは胴体部の段差のない外面をスムースに伝わり流れる。艶出し液や艶消し液の上記流れが上記段差部の影響下で乱れる如くがなく、履物の仕上がり品質を損なうおそれがない。
また、当該履物の使用段階で、胴体部の外側に付着した汚れは、胴体部の段差のない外面をスムースに落下して滞溜し難く、ゴム劣化因子(酸やアルカリ物質、微生物の酵素分解反応等)となることなく、それらの胴体部を構成するゴム素材の経時劣化を早めるところがない。このことは、胴体部及び内貼用補強部の損傷、破断を招くことなく履物の耐久性を向上する。
(d)使用者の足がその足首の関節、又は爪先の関節まわりで屈曲し、履物の胴体部及び各内貼用補強部がそれらの各関節の動きに対応して当該履物の外側に向けて凹み状をなす如くに折れ曲がるとき(図10(A))、履物の各内貼用補強部よりも外側に位置する胴体部は、図10(B)に示す如く、その曲げ変形の曲率が小さく、ひいてはその伸び変形量が過大になることなく、大きな曲げ負荷に起因する大きな応力集中を生ずることがない。このことは、胴体部の損傷、破断を招くことなく履物の耐久性を向上する。
(e)上述(b)乃至(d)の如くに履物の耐久性が向上する結果、履物が長靴(雨靴)であるとき、その水漏れ等の機能不具合を早期に引き起す如くを回避できる。
(請求項2)
(f)履物における少なくとも1つの内貼用補強部が、他の内貼用補強部の少なくとも一部分の上に重なり接着されることにより、各内貼用補強部が胴体部に及ぼす補強作用が相隣る内貼用補強部の境界領域で空白になることを防止し、履物の耐久性を向上できる。
また、使用者の足の屈曲に伴ない、相隣る内貼用補強部の境界領域で重なり接着されずに相対する各内貼用補強部のそれぞれが折れ曲がるときには、それらの各内貼用補強部のエッジが胴体部に大きな応力集中を生じさせて当該胴体部を破断させるおそれがある。ところが、相隣る内貼用補強部が重なり接着されていれば、各内貼用補強部のそれぞれが折れ曲がるときにも、胴体部に上述の大きな応力集中を生じさせず、履物の耐久性を向上できる。
(請求項3)
(g)履物における胴体部が、複数枚の内貼用補強部の外表面に圧着ローラにより圧着されるとき、圧着ローラは、各内貼用補強部が形成している段差部に影響されずに、胴体部の段差のない外面を一気に連続的に転動してスムースに圧着動作する。これにより、胴体部と各内貼用補強部との接着品質を簡易に向上でき、履物の生産性を向上できる。しかも作業結果にバラつきが発生しにくく製品品質を均一化することができる。
(請求項4)
(h)履物は、複数枚の内貼用補強部が、裏布側補強部、甲補強部、踵側補強部、爪先側補強部及び胴体側補強部の少なくとも1つを含むものを採用できる。
図1は第1実施形態の履物を示す模式側面図である。 図2は第1実施形態の履物を示す模式断面図である。 図3は第1実施形態における各内貼用補強ゴム部を示す模式側面図である。 図4は第2実施形態の履物を示す模式側面図である。 図5は第2実施形態の履物を示す模式断面図である。 図6は第2実施形態における各内貼用補強部を示す模式側面図である。 図7は第3実施形態の履物を示す模式側面図である。 図8は第3実施形態の履物を示す模式断面図である。 図9は第3実施形態における各内貼用補強部を示す模式側面図である。 図10は使用者の足の屈曲に伴う履物の折れ曲がり状態を示し、(A)は外観図、(B)は本考案例における各ゴム部の伸びの変化を示す模式断面図、(C)は比較例における各ゴム部の伸びの変化を示す模式断面図である。
図1乃至図3に示した第1実施形態に係る長靴100は、ゴム製長靴であり、裏布10、複数枚の内貼用補強ゴム部30、胴体ゴム部40、ゴム製背当てテープ41、ゴム製中底51、ゴム製本底52、ゴム製防水テープ60を有して構成されている。
本実施形態において、複数枚の内貼用補強ゴム部30は、裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32及び踵側補強ゴム部33からなるものとされている。
図1は、使用者の足全体を覆うことになる胴体ゴム部40の内側に設けられていて外観に表れない内貼用補強ゴム部30(裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33)の輪郭を破線で示している。
図2は、胴体ゴム部40の内側に設けられている裏布10、内貼用補強ゴム部30(裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33)、ゴム製中底51の断面を示している。
尚、本明細書における履物100の説明において、「前」とは履物100の爪先対応部側をいい、「後」とは履物100の踵対応部側をいう。また、「上」とは履物100の履口側をいい、「下」は履物100の底側をいう。
また、本明細書において、未加硫又は半加硫のゴム素材に施される圧着は加硫接着(加硫圧着)である。
履物100において、複数枚の内貼用補強ゴム部30は、他の内貼用補強ゴム部30の少なくとも一部の上に重なり接着される。即ち、爪先側補強ゴム部32と踵側補強ゴム部33は裏布側補強ゴム部31の上に重なり接着され、踵側補強ゴム部33の前端部は爪先側補強ゴム部32の後端部の上に重なり接着される。
以下、履物100の製造手順について説明する。
(1)長靴用金型に袋状の裏布10を嵌装固定し、その表面にゴム糊を塗布しておく。
(2)上述(1)における裏布10の底面に未加硫の中底51を積層接着する。
(3)上述(1)における裏布10の外表面に未加硫の裏布側補強ゴム部31を接着する。本実施形態の裏布側補強ゴム部31は、図3(A)に示す如く、裏布10の足首対応部の全周域から踵対応部を経て足の裏対応部の外周域までに渡る概ね筒状をなすものとされている。この裏布側補強ゴム部31は裏布10の外表面に接着されるとともに、その下周縁を上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(4)上述(3)の裏布側補強ゴム部31の爪先対応部の外表面に、図3(B)に示す如く、未加硫の爪先側補強ゴム部32を圧着ローラ、プレス等により圧着する。この爪先側補強ゴム部32の下周縁は上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(5)上述(3)の裏布側補強ゴム部31の踵対応部の外表面に、図3(C)に示す如く、未加硫の踵側補強ゴム部33を圧着ローラ、プレス機等により圧着する。この踵側補強ゴム部33の下周縁は上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
このとき、踵側補強ゴム部33の前寄り端部は上述(4)の爪先側補強ゴム部32の後寄り端部の上に重なり、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(6)上述(1)、(3)、(4)、(5)の裏布10、裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33の外表面に、未加硫の胴体ゴム部40を圧着ローラ、プレス機(バキュームプレス等)等により圧着する。この胴体ゴム部40の下周縁は上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
胴体ゴム部40は広幅板状をなし、長靴用金型の周囲に巻付けられる。金型の背部にまで巻き回された胴体ゴム部40の両側縁部は、未加硫の背当てテープ41で接着し、圧着ローラ、プレス機等の圧着工程と加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)され、互いに接合される。
(7)半加硫の本底52を上述(2)の中底51の下面、及び上述(6)の胴体ゴム部40の下周縁に圧着ローラ、プレス機(昇降プレス等)等で圧着し、加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(8)上述(6)の胴体ゴム部40と上述(7)の本底52の環状をなす突合せ境界部まわりに、未加硫の防水テープ60を巻付け、この防水テープ60を圧着ローラ、プレス機(上下挟み込みプレス等)等により胴体ゴム部40及び本底52に圧着し、履物100の半製品を得る。
尚、半製品としての履物100の外表面には艶出し液又は艶消し液が塗布される。
(9)最後に、上述(8)の半製品の履物100を加硫缶に装入し、その全てのゴム素材(内貼用補強ゴム部30、胴体ゴム部40、背当てテープ41、中底51、本底52、防水テープ60)を加硫して最終製品としての履物100を得る。
従って、本実施形態の履物100によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)使用者の足の爪先、踵等の各部に対応することになる各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)を構成する各ゴム片等の外表面に、使用者の足全体を覆うことになる胴体ゴム部40を接着し、履物100を構成するものになる。従って、当該履物100の生産段階で、各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)に対する胴体ゴム部40の接着作業を、胴体ゴム部40の上から一気に連続的に行なうものになり、履物100の生産性が良い。しかも作業結果にバラつきが発生しにくく製品品質を均一化することができる。
(b)履物100における各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)の外表面に胴体ゴム部40が接着されていて、各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)の胴体ゴム部40又は他の内貼用補強ゴム部30(31、32、33)に対する接着境界部が外部環境にさらされることがなく、その接着強度を長期安定的に維持し易い。従って、当該履物100の使用段階で、各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)が剥離し難く、胴体ゴム部40に対する補強効果を損なうことなく、当該履物100の耐久性を向上できる。
(c)履物100における各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)同士がそれらの接着境界部に形成する段差部、及び各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)と胴体ゴム部40がそれらの接着境界部に形成する段差部を、胴体ゴム部40の外界に臨む部位に露呈するところがない。
この場合、当該履物100の生産段階で、履物100の外周部に艶出し液や艶消し液に浸してから乾燥する際、それらの艶出し液や艶消し液の流れは胴体ゴム部40の段差のない外面をスムースに伝わり流れる。艶出し液や艶消し液の上記流れが上記段差部の影響下で乱れる如くがなく、履物100の仕上がり品質を損なうおそれがない。
また、当該履物100の使用段階で、胴体ゴム部40の外側に付着した汚れは、胴体ゴム部40の段差のない外面をスムースに落下して滞溜し難く、ゴム劣化因子(酸やアルカリ物質、微生物の酵素分解反応等)となることなく、それらの胴体ゴム部40を構成するゴム素材の経時劣化を早めるところがない。このことは、胴体ゴム部40及び内貼用補強ゴム部30(31、32、33)の損傷、破断を招くことなく履物100の耐久性を向上する。
(d)使用者の足がその足首の関節、又は爪先の関節まわりで屈曲し、履物100の胴体ゴム部40及び各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)がそれらの各関節の動きに対応して当該履物100の外側に向けて凹み状をなす如くに折れ曲がるとき(図10(A))、履物100の各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)よりも外側に位置する胴体ゴム部40は、図10(B)に示す如く、その曲げ変形の曲率が小さく、ひいてはその伸び変形量が過大になることなく、大きな曲げ負荷に起因する大きな応力集中を生ずることがない。このことは、胴体ゴム部40の損傷、破断を招くことなく履物100の耐久性を向上する。
(e)上述(b)乃至(d)の如くに履物100の耐久性が向上する結果、履物100が長靴(雨靴)であるとき、その水漏れ等の機能不具合を早期に引き起す如くを回避できる。
(f)履物100における少なくとも1つの内貼用補強ゴム部30が、他の内貼用補強ゴム部30の少なくとも一部分の上に重なり接着されることにより、各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)が胴体ゴム部40に及ぼす補強作用が相隣る内貼用補強ゴム部30(31、32、33)の境界領域で空白になることを防止し、履物100の耐久性を向上できる。
また、使用者の足の屈曲に伴ない、相隣る内貼用補強ゴム部30(31、32、33)の境界領域で重なり接着されずに相対する各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)のそれぞれが折れ曲がるときには、それらの各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)のエッジが胴体ゴム部40に大きな応力集中を生じさせて当該胴体ゴム部40を破断させるおそれがある。ところが、相隣る内貼用補強ゴム部30(31、32、33)が重なり接着されていれば、各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)のそれぞれが折れ曲がるときにも、胴体ゴム部40に上述の大きな応力集中を生じさせず、履物100の耐久性を向上できる。
(g)履物100における胴体ゴム部40が、複数枚の内貼用補強ゴム部30(31、32、33)の外表面に圧着ローラにより圧着されるとき、圧着ローラは、各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)が形成している段差部に影響されずに、胴体ゴム部40の段差のない外面を一気に連続的に転動してスムースに圧着動作する。これにより、胴体ゴム部40と各内貼用補強ゴム部30(31、32、33)との接着品質を簡易に向上でき、履物100の生産性を向上できる。
(h)履物100は、複数枚の内貼用補強ゴム部30(31、32、33)として、裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33を採用できる。
図4乃至図6に示した第2実施形態に係る履物200が第1実施形態に係る履物100と異なる点は、複数枚の内貼用補強ゴム部30として、裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33に加えて甲補強ゴム部34を採用したことにある。
以下、履物200の製造手順について説明する。
(1)長靴用金型に袋状の裏布10を嵌装固定し、その表面にゴム糊を塗布しておく。
(2)上述(1)における裏布10の底面に未加硫の中底51を積層接着する。
(3)上述(1)における裏布10の外表面に未加硫の裏布側補強ゴム部31を接着する。本実施形態の裏布側補強ゴム部31は、図6(A)に示す如く、裏布10の足首対応部の前部側全域から甲対応部を経て足の裏対応部の後部領域を除く範囲までに渡るものとされている。この裏布側補強ゴム部31は裏布10の外表面に接着されるとともに、その下周縁を上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(4)上述(3)の裏布側補強ゴム部31の甲対応部の外表面に、図6(B)に示す如く、未加硫の甲補強ゴム部34を圧着ローラ、プレス機等により圧着する。
(5)上述(1)の裏布10、及び上述(3)の裏布側補強ゴム部31の外表面に未加硫の踵側補強ゴム部33を圧着する。本実施形態の踵側補強ゴム部33は、図6(C)に示す如く、裏布10の踵対応部に接着され、更に裏布側補強ゴム部31の後寄り端部に重なるように延在され、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該裏布側補強ゴム部31に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。この踵側補強ゴム部33の下周縁は上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(6)上述(3)の裏布側補強ゴム部31、上述(4)の甲補強ゴム部34、及び上述(5)の踵側補強ゴム部33の外表面に、未加硫の爪先側補強ゴム部32を接着する。本実施形態の爪先側補強ゴム部32は、図6(D)に示す如く、裏布側補強ゴム部31、甲補強ゴム部34及び踵側補強ゴム部33の各下端側の一部に重なり、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、それらの各ゴム片に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。この爪先側補強ゴム部32の下周縁は上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(7)未加硫の胴体ゴム部40が、履物100における前述(6)と同様にして、上述(1)、(3)、(4)、(5)、(6)の裏布10、裏布側補強ゴム部31、甲補強ゴム部34、踵側補強ゴム部33、爪先側補強ゴム部32の外表面に設けられる。
(8)半加硫の本底52が、履物100における前述(7)と同様にして、上述(2)の中底51の下面、及び上述(7)の胴体ゴム部40の下周縁に設けられる。
(9)未加硫の防水テープ60が、履物100における前述(8)と同様にして、上述(7)の胴体ゴム部40及び上述(8)の本底52の突合せ境界部まわりに設けられ、履物200の半製品を得る。
(10)最後に、上述(9)の半製品の履物200を、履物100における前述(9)と同様にして加硫缶に装入し、加硫工程を経て最終製品としての履物200を得る。
従って、履物200にあっても、履物100におけると同様の作用効果を奏する。
図7乃至図9に示した第3実施形態に係る履物300が第1実施形態に係る履物100と異なる点は、複数枚の内貼用補強ゴム部30として、爪先側補強ゴム部32及び踵側補強ゴム部33に加えて胴体側補強ゴム部35を採用したことにある。
以下、履物300の製造手順について説明する。
(1)長靴用金型に袋状の裏布10を嵌装固定し、その表面にゴム糊を塗布しておく。
(2)上述(1)における裏布10の底面に未加硫の中底51を積層接着する。
(3)上述(1)における裏布10の外表面に未加硫の踵側補強ゴム部33を接着する。本実施形態の踵側補強ゴム部33は、図9(A)に示す如く、裏布10の踵対応部の外表面に接着されるとともに、その下周縁を上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(4)上述(1)の裏布10の爪先対応部、上述(3)の踵側補強ゴム部33の前寄り端部の外表面に未加硫の爪先側補強ゴム部32を接着する。本実施形態の爪先側補強ゴム部32は、図9(B)に示す如く、裏布10、踵側補強ゴム部33の各下端側の一部に重なり、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、それらの各ゴム片に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。この爪先側補強ゴム部32の下周縁は上述(2)の中底51の周縁に吊込まれ、圧着ローラ、プレス機等により圧着され、該中底51の周縁に加硫工程を経て加硫接着(加硫圧着)される。
(5)未加硫の胴体ゴム部40の裏面に予め胴体側補強ゴム部35を重ねていたものが、履物100における前述(6)と同様にして、上述(1)、(3)、(4)の裏布10、踵側補強ゴム部33、爪先側補強ゴム部32の外表面に設けられる。
(6)半加硫の本底52が、履物100における前述(7)と同様にして、上述(2)の中底51の下面、及び上述(5)の胴体ゴム部40の下周縁に設けられる。
(7)未加硫の防水テープ60が、履物100における前述(8)と同様にして、上述(5)の胴体ゴム部40及び上述(6)の本底52の突合せ境界部まわりに設けられ、履物300の半製品を得る。
(8)最後に、上述(7)の半製品の履物300を、履物100における前述(9)と同様にして加硫缶に装入し、加硫工程を経て最終製品としての履物300を得る。
従って、履物300にあっても、履物100におけると同様の作用効果を奏する。
以上、本考案の実施例を図面により詳述したが、本考案の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本考案に含まれる。例えば、本考案の実施において、複数枚をなす各内貼用補強部は、前述した裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33、甲補強ゴム部34、胴体側補強ゴム部35の実施態様に限らず、足の各部に対応するものを多様に採用できるし、それらの重なり接着態様も多様に変更できる。
尚、本考案に係る履物の製造段階で、裏布10に対するゴム(裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33、甲補強ゴム部34、胴体側補強ゴム部35、胴体ゴム部40)との接着は、それらの間にラテックス糊、及び天然ゴム糊とガソリンを混ぜたものを介装することが好ましい。また、各ゴム(裏布側補強ゴム部31、爪先側補強ゴム部32、踵側補強ゴム部33、甲補強ゴム部34、胴体側補強ゴム部35、胴体ゴム部40)の相互の接着は、それらの間に天然ゴム糊とガソリンを混ぜたものを介装することが好ましい。
また、本考案に係る履物において、内貼用補強部及び/又は胴体部の素材は、ゴムに限らず、PVC、PU、EVA、天然皮革、天然繊維、化学繊維(再生繊維、半合成繊維、合成繊維、無機繊維)等の多様なものを採用できる。
また、本考案は、長靴(雨靴)に限らず、セーフティーシューズ、運動靴、作業靴、革靴、サンダル、子供靴、介護シューズ、登山靴、ハイキングシューズ、防寒靴、ルームシューズ、加硫靴、ウォーキングシューズ、ガーデンシューズ、ガーデンブーツ等の多様な履物に適用できる。
本考案によれば、材料コストを増加させることなく簡易に生産でき、高い耐久性を具備する履物を提供することができる。
100、200、300 履物
30 内貼用補強ゴム部(内貼用補強部)
31 裏布側補強ゴム部
32 爪先側補強ゴム部
33 踵側補強ゴム部
34 甲補強ゴム部
35 胴体側補強ゴム部
40 胴体ゴム部(胴体部)

Claims (5)

  1. 複数枚の内貼用補強部の外表面に、胴体部が接着されてなる履物。
  2. 少なくとも1つの内貼用補強部が、他の内貼用補強部の少なくとも一部分の上に重なり接着されてなる請求項1に記載の履物。
  3. 胴体部が、複数枚の内貼用補強部の外表面に圧着ローラ、又はプレス機により圧着されてなる請求項1又は2に記載の履物。
  4. 複数枚の内貼用補強部が、裏布側補強部、甲補強部、踵側補強部、爪先側補強部及び胴体側補強部の少なくとも1つを含む請求項1乃至3のいずれかに記載の履物。
  5. 内貼用補強部と胴体部がゴムからなる請求項1乃至4のいずれかに記載の履物。
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