JP3229029B2 - X線検出器およびセラミックシンチレータの検査方法 - Google Patents

X線検出器およびセラミックシンチレータの検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線断層像診断装置
(X線CT)などに使用されるX線検出器、およびこれ
に用いられるシンチレータとその検査法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用X線CTでは、通常、数百〜数千
の素子数を持つX線検出器が使用され、従来、キセノン
ガスの電離電流を測定する電離箱方式の検出器が多く用
いられていた。近年はこれに代わって、小型軽量化や振
動に対する信頼性向上の点から、CdWO4 などの単結
晶シンチレータとフォトダイオードで構成された固体検
出器が使用されるようになっている。
【0003】X線CTの画質を大きく左右するのが検出
器の感度であり、中でもシンチレータの感度、すなわち
X線から光への変換効率が高いことがX線CTの画質を
向上させる上で有効である。一般式(Gd1-x Prx
2 2 SあるいはGd2 2S:Prで表されるセラミ
ックス(多結晶焼結体)からなるシンチレータは、特開
昭58−204088号あるいは特開昭62−2750
72号に示されるように、感度が高くX線CTなどのX
線検出器に好適である。
【0004】しかしながら、前記Gd2 2 S:Prセ
ラミックシンチレータでは大線量のX線を照射すると感
度が低下する現象が見られる。感度低下(劣化)が大き
いシンチレータをX線CTの検出器に用いた場合、CT
の画像にアーチファクトが現れやすくなる。また、数百
〜数千の素子数を持つX線CT検出器において、それぞ
れの素子の劣化が均一でない場合、例えば検出器全体と
しては劣化が少なくても、その中に劣化の大きな素子が
僅かでも存在する場合にも、やはりアーチファクトが現
れやすくなる。劣化そのものは、特開平2−21258
6号および特開平3−243686号に示すように熱処
理や不純物のコントロールによりある程度低減すること
が可能である。けれども、X線CTの検出器に用いる場
合には前記劣化をさらに低減してアーチファクトの問題
が生じないようにする必要がある。さらに、特開昭62
−275072号に示されるような熱間静水圧プレス法
で製造したGd2 2 S:Prセラミックス塊では、場
所による特性の不均一性が不可避的に生じてしまう。こ
のため、劣化の程度にもばらつきが生じ、このセラミッ
クス塊から数百〜数千個のシンチレータを切り出した場
合、その中には劣化の大きいシンチレータも混入してし
まう。その結果、これらのシンチレータを用いて検出器
を構成した場合、素子毎の劣化の程度は均一ではなく、
この検出器を用いて得られたCT画像はアーチファクト
が多くなるという問題があった。
【0005】また、シンチレータの劣化の程度にばらつ
きがある場合には、その中から劣化が少なくその程度の
そろったシンチレータを選別すれば良いが、有効な検査
方法がない。すなわち、劣化の程度(度合)を直接測定
するには大線量のX線照射の前後でのシンチレータの発
光強度変化を測定すればよい。しかしながら、前記発光
強度変化は通常1〜5%と小さく、かつシンチレータと
その発光強度を測定するための受光器との光学的な結合
の仕方によってデータが影響を受けやすく、したがって
測定誤差が生じ易くなる。その結果、劣化度合を高い精
度で測定することが困難になるため、劣化が少なくかつ
その度合の揃ったたシンチレータを有効に選別できない
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、Gd2
2 S:Prセラミックシンチレータは感度が高くX線
CTなどのX線検出器に好適であるが、劣化の問題があ
り、しかも劣化度合のばらつきが大きいという問題があ
った。また、劣化が少なくその度合の揃ったシンチレー
タを選別するための有効な検査方法がないという問題が
あった。
【0007】本発明の目的は、X線劣化が少く均一なG
2 2 S:Prセラミックシンチレータを用いたX線
検出器を提供しようとするものである。本発明の別の目
的は、セラミックシンチレータの劣化度合を高精度で測
定することが可能な検査法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るX線検出器
は、シンチレータとフォトダイオードとを光学的に結合
させたX線検出素子を複数個備えたX線検出器におい
て、前記複数個のX線検出素子を構成する全てのシンチ
レータは、一般式 (Gd1-x Prx 2 2 S (ただし、xは0.0001≦x≦0.005の範囲の
値)で表される希土類オキシ硫化物多結晶焼結体からな
り、かつ液体窒素温度で波長254nm、1W/m2
紫外線を20分間照射した後、15±5K/分の昇温速
度でシンチレータの熱ルミネッセンスを測定したとき、
グロー曲線の410±20Kのピークの140±10K
のピークに対する比が0.01以下であり、かつ210
±15Kのピークの140±10Kのピークに対する比
が0.7以下であることを特徴とするものである。
【0011】本発明に係るシンチレータの検査方法は、
一般式 (Gd1-x Prx 2 2 S (ただし、xは0.0001≦x≦0.005の範囲の
値)で表される希土類オキシ硫化物多結晶焼結体からな
るシンチレータに対して、液体窒素温度で波長254n
mの紫外線を照射した後に、前記シンチレータの熱ルミ
ネッセンスを測定し、グロー曲線の410K付近のピー
クおよび210K付近のピークの140K付近のピーク
に対する比の値によって良・不良を選別することを特徴
とするものである。
【0012】
【0013】前記一般式中のPrの濃度、すなわち(G
1-x Prx 2 2 Sにおけるxの範囲は、0.00
01〜0.005であることが必要である。この理由
は、前記xの値が前記範囲を逸脱すると発光効率が低下
し、したがって検出器の感度が低下するからである。
【0014】前記一般式(Gd1-x Prx 2 2 Sで
表される希土類オキシ硫化物において、Gdの一部を他
の希土類元素、例えばY、La、Ceなどで置き換えて
も同様の性能を有するセラミックシンチレータが得られ
る。
【0015】前記熱ルミネッセンスの測定は、例えば図
1に示す構造の測定装置が用いられる。すなわち、図1
中の1はシンチレータの試料2を保持するための試料ホ
ルダである。前記ホルダ1は、石英ガラス容器3内に前
記試料2と共に収納されている。前記容器3内には、前
記試料2を冷却するための液体窒素が収容されている。
前記ホルダ1の上部には、前記試料2を加熱するための
ヒータ4が内蔵されている。前記ヒータ4は、温度コン
トローラ5に接続されている。前起容器3の上部には、
熱電対6が前記ホルダ1の上部側面に接触するように取
り付けられている。前記熱電対6は、デジタル温度計7
に接続されている。前記温度コントローラ5は、前記デ
ジタル温度計7に接続されている。前記石英ガラス容器
3の外部には、光電子増倍管8が前記試料2と対向する
ように配置されている。なお、前記光電子増倍管8の代
わりにフォトダイオードなどの受光素子を用いてもよ
い。前記光電子増倍管8は、電流計9に接続されてい
る。前記電流計9は、例えばパーソナルコンピュータ1
0に接続されている。前記デジタル温度計7は、パーソ
ナルコンピュータ10に接続されている。さらに、前記
石英ガラス容器3の外部には図示しない紫外線ランプが
前記試料2と対向するように配置されている。
【0016】このような図1に示す構成の測定装置にお
いて、前記ホルダ1に保持されたシンチレータの試料2
を液体窒素により冷却した状態で図示しない紫外線ラン
プから波長254nm、1W/m2 の紫外線を20分間
照射する。その後、ヒータ4により前記試料2を15±
5K/分の速度で昇温し、前記試料2の熱ルミネッセン
スを光電子増倍管8で受光し、電流計9で電流値として
測定し、さらにパーソナルコンピュータ10で前記電流
値に基づいてグロー曲線として処理する。なお、前記ヒ
ータ4による前記試料2の昇温は前記パーソナルコンピ
ュータ10、前記熱電対6による試料2の温度測定信号
が入力されるデジタル温度計7および温度コントローラ
5によって制御される。
【0017】なお、本発明において照射紫外線強度や昇
温速度などの熱ルミネッセンス測定条件とピーク温度お
よびピーク比との関係はある条件での値を測定するため
のものであり、測定条件が変動すればピーク温度やピー
ク比などの値も変動するのは当然である。たとえば、昇
温速度が変化すればピーク位置やピーク比は変化し、照
射紫外線強度が変化してもピーク比は変化する。したが
って、熱ルミネッセンスの測定条件が前述した条件と異
なるものであっても、本質的にX線劣化に関係のあるグ
ロー曲線のピークとそれ以外のピークとの比をとり、そ
の比によってシンチレータを選別する検査方法およびこ
のようにして選別したシンチレータを用いたX線検出器
は本発明と同一であると見なすことができる。
【0018】
【作用】前述したようにGd2 2 S:Prセラミック
シンチレータは高感度のX線検出器を提供するが、X線
照射により感度が低下するという劣化の問題がある。さ
らに、セラミックスの製造に伴う不均一性があるため
に、たとえ同一のセラミックス塊内においても劣化程度
のばらつきは不可避であった。X線劣化が少く均一なX
線検出器を得るためには、セラミックス塊から切出した
Gd2 2 S:Prセラミックシンチレータの中から劣
化が少なくその度合の揃ったセラミックシンチレータを
選別すればよい。しかしながら、従来は精度良く選別す
るための有効な検査方法がなく、したがって、X線劣化
が少く均一なX線検出器は得られなかった。
【0019】本発明者らはGd2 2 S:Prセラミッ
クシンチレータにおいて、熱ルミネッセンスを測定した
場合、特定のピークと他のピークとの比が特定の値以下
になるときに劣化度合が少ないセラミックシンチレータ
が得られることを見出した。
【0020】さらに、前記グロー曲線の特定のピークと
他のピークとの比を特定の値以下に押えることにより、
劣化が少なくその度合の揃ったGd2 2 S:Prセラ
ミックシンチレータを選別することができることを見出
だした。
【0021】すなわち、前述した図1の測定装置により
液体窒素温度に冷却したGd2 2S:Prセラミック
シンチレータに対して波長254nm、1W/m2 の紫
外線を20分間照射した後、15±5K/min.の昇
温速度でシンチレータの熱ルミネッセンスを測定する
と、図2および図3に示すようなグロー曲線が得られ
る。
【0022】図2に示すように410K付近のピークの
140K付近のピークに対する比が0.01以下で、か
つ210K付近のピークの140K付近のピークに対す
る比が0.7以下であるシンチレータのみを選別し、こ
れらをフォトダイオードアレイの受光面上に接着するこ
とにより、感度が高くかつX線劣化が少く均一なX線検
出器が得られることを見出した。
【0023】これに対し、図3に示すように210K付
近のピークの140K付近のピークに対する比が0.7
を越えるか、または410K付近のピークの140K付
近のピークに対する比が0.01を越える場合にはX線
照射による劣化が大きく、このシンチレータを用いた検
出器ではCT画像にアーチファクトが多くなるなどの実
用上の問題がある。
【0024】以上説明した本発明は、次のような原理に
基づいてなされたものである。すなわち、セラミックシ
ンチレータからの熱ルミネッセンスを測定することによ
り得られるグロー曲線のピークは、蛍光体中にトラップ
準位が存在することを示している。特に、Gd2
2 S:Prセラミックスにおけるグロー曲線の410K
付近のピークは、X線照射による劣化と深い関わりを持
つトラップ準位に由来している。しかも、前述した図2
のGd2 2 S:Prセラミックスのグロー曲線と、図
4に示すように原料として用いた蛍光体粉のグロー曲線
とを対比すると、著しく異なっており、劣化と深い関わ
りを持つトラップ準位が焼結工程を経ることによって新
たに生成するとがわかる。また、210K付近のピーク
はGd2 2S:Prセラミックスの結晶性に関わりを
持つピークであると思われ、これが大きい場合には結晶
性の悪さに起因すると思われる劣化や感度低下が起こ
る。
【0025】このように本発明は、熱ルミネッセンス測
定によりGd2 2 S:Prセラミックシンチレータの
劣化と関わりを持つトラップ準位の密度を測定でき、そ
れによってX線照射による劣化の程度およびそのばらつ
きも推測できるという原理を用いている。すなわち、X
線劣化による発光強度の変化そのものを測定しようとす
る場合には変化分がわずかであるため測定誤差が大きい
ので、その代わりに劣化を引き起こす原因となるトラッ
プ準位の密度を測定することによってX線劣化による発
光強度変化を推測しようというものである。
【0026】したがって、本発明によればX線劣化の少
ないGd2 2 S:Prセラミックシンチレータ、およ
びX線劣化が少く均一なGd2 2 S:Prセラミック
シンチレータを用いたX線検出器を提供できる。また、
本発明によればセラミックシンチレータの劣化度合を高
精度で測定することが可能な検査法を提供できる。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を説明する。 比較例1
【0028】Pr濃度が0.1mol%で、リン酸イオ
ン70ppm、Na8ppmの不純物を含む平均粒径
4.5μmのGd2 2 S:Pr蛍光体粉を原料とし、
特開昭62−275072号に開示されたようなTaカ
プセルを用いたHIP法により1500℃、1500k
g重/cm2 (147MPa)の条件で、直径が約60
mm、高さが約60mmの円柱状のGd2 2 S:Pr
セラミックス塊を作製した。つづいて、前記セラミック
ス塊から幅1mm、厚み2mm、長さ30mmのシンチ
レータ試料を約1000本切り出した。
【0029】次いで、前記約1000本のシンチレータ
試料の中から100本のシンチレータ試料を無作為に選
び、シリコンフォトダイオードアレイ上にグリスを用い
て装着してX線検出器を作製した。次に、このX線検出
器に管電圧120kVp、線量0.35C/kgのX線
を照射して強制的に劣化を引き起こした。Gd2
2S:Prセラミックシンチレータの代わりに同一形状
のCdWO4 単結晶シンチレータを用いたX線検出器の
感度を基準にした相対感度を測定し、X線照射前に対す
る照射後の相対感度の比を求めた。その値は、最大9
9.8%から最小92.1%の間に分布しており、その
平均値は97.6%であった。
【0030】前記100本のシンチレータ試料の中から
前記値が97.0%〜99.0%の範囲にあるものを4
8本選びシリコンフォトダイオードアレイに接着して素
子数48のX線検出器を作製した。このX線検出器の前
記CdWO4 単結晶シンチレータを用いたX線検出器に
対する相対感度の平均値は、1.7倍であった。また、
同一条件のX線照射前後での48素子の相対感度の比を
求めたところ、平均値は97.8%であった。しかしな
がら、前記検査方法では誤差が大きいために、作製した
X線検出器で測定した実際の値は最大99.2%から最
小95.9%の間に分布しており、後述する実施例1に
比べてばらつきが大きいものであった。 実施例1
【0031】比較例1で作製した約1000本のシンチ
レータ試料の中から100本の試料を無作為に選び、液
体窒素温度で波長254nm、1W/m2 の紫外線を2
0分間照射した後、前述した図1の熱ルミネッセンスの
測定装置を用いて17K/分の昇温速度でシンチレータ
の熱ルミネッセンスを測定した。その結果、グロー曲線
の210±15Kのピークの140±10Kのピークに
対する比は最大でも0.12であり、すべて0.7以下
であったが、グロー曲線の410±20Kのピークの1
40±10Kのピークに対する比は0.01を越えるも
のもあった。このようなシンチレータ試料の中からグロ
ー曲線の410±20Kのピークの140±10Kのピ
ークに対する比が0.01以下であるものを選別したと
ころ、その数は87本であった。
【0032】前記87本のシンチレータ試料の中から4
8本の試料を無作為に選び、シリコンフォトダイオード
アレイに接着して素子数48のX線検出器を作製した。
この検出器のCdWO4 X線検出器に対する相対感度の
平均値は1.7倍であり、選別を行わないものとの差は
なかった。一方、比較例1と同一条件のX線照射前後で
の48素子の相対感度の比は最大99.2%から最小9
6.8%の間に分布しており、ばらつきが小さくなっ
た。また、相対感度の比の平均値は97.9%であり、
選別を行わないものより劣化が少なくなっていた。 実施例2
【0033】Pr濃度が0.1mol%であり、リン酸
イオン250ppm、Na11ppmの不純物を含む平
均粒径4.2μmのGd2 2 S:Pr蛍光体粉を原料
とし、特開昭62−275072号に示されるようなT
aカプセルを用いたHIP法により1280℃、200
0kg重/cm2 (196MPa)の条件で、直径約6
0mm、高さ約60mmの円柱状のGd2 2 S:Pr
セラミックス塊を作製した。つづいて、前記セラミック
ス塊から幅1mm、厚み2mm、長さ30mmのシンチ
レータ試料を約1000本切り出した。
【0034】次いで、前記約1000本のシンチレータ
試料の中から100本の試料を無作為に選んで、実施例
1と同様の方法で熱ルミネッセンスを測定した。その結
果、グロー曲線の410±20Kのピークの140±1
0Kのピークに対する比を求めたところ、最大のもので
も0.0042であり、100本の試料すべてが0.0
1以下であった。また、グロー曲線の210±15Kの
ピークの140±10Kのピークに対する比を求めたと
ころ、最大のものでも0.65であり、100本の試料
すべてが0.7以下であった。
【0035】前記100本のシンチレータ試料の中から
48本の試料を無作為に選び、シリコンフォトダイオー
ドアレイに接着して素子数48のX線検出器を作製し
た。この検出器のCdWO4 X線検出器に対する相対感
度の平均値は1.5倍であり、比較例1と同一の条件の
X線照射前後での48素子の相対感度の比は99.8〜
98.8%の間に分布しており、平均値は99.5%と
劣化は少なかった。 比較例2
【0036】Pr濃度が0.1mol%で、リン酸イオ
ン170ppm、Na13ppmの不純物を含む平均粒
径4.3μmのGd2 2 S:Pr蛍光体粉を原料と
し、比較例1と同様な条件でGd2 2 S:Prセラミ
ックス塊を作製した。つづいて、前記セラミックス塊か
ら幅1mm、厚み2mm、長さ30mmのシンチレータ
試料を切り出し、その中から48本の試料を無作為に選
んで、実施例1と同様の方法で熱ルミネッセンスを測定
した。
【0037】その結果、グロー曲線の410±20Kの
ピークの140±10Kのピークに対する比は最大のも
のでも0.008であり、すべて0.01以下であった
が、グロー曲線の210±15Kのピークの140±1
0Kのピークに対する比は1.9〜3.1の間に分布し
ていた。
【0038】このようなシンチレータ試料をシリコンフ
ォトダイオード上にグリスを用いて接着して素子数48
のX線検出器を作製した。この検出器のCdWO4 X線
検出器に対する相対感度の平均値は1.8であったが、
比較例1と同一条件のX線照射前後での48素子の相対
感度の比は96.2〜91.8%の間に分布しており、
平均値は93.8%で劣化が大きかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればX
線劣化の少ないGd2 2 S:Prセラミックシンチレ
ータ、およびX線劣化が少く均一なGd2 2 S:Pr
セラミックシンチレータを用いたX線CT等に好適なX
線検出器を提供できる。また、本発明のシンチレータの
検査方法を用いることにより前記シンチレータおよびX
線検出器を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱ルネッセンスの測定装置を示す概略図。
【図2】劣化の少ないGd2 2 S:Prセラミックシ
ンチレータのグロー曲線を示す図。
【図3】劣化の大きなGd2 2 S:Prセラミックシ
ンチレータのグロー曲線を示す図。
【図4】セラミックスの原料として用いたGd2
2 S:Pr蛍光粉体のグロー曲線を示す図。
【符号の説明】
1…試料ホルダ、2…シンチレータ試料、3…石英ガラ
ス製容器、4…ヒータ、8…光電子増倍管、10…パー
ソナルコンピュータ。
フロントページの続き (72)発明者 横田 和人 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (56)参考文献 特開 昭58−204088(JP,A) 特開 昭62−275072(JP,A) 特開 平2−212586(JP,A) 特開 平3−243686(JP,A) 特開 平3−192187(JP,A) 特開 昭56−47773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/20 - 1/28 C09K 11/84 G01M 11/00 - 11/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンチレータとフォトダイオードとを光
    学的に結合させたX線検出素子を複数個備えたX線検出
    器において、前記複数個のX線検出素子を構成する全ての シンチレー
    タは、一般式 (Gd1-x Prx 2 2 S (ただし、xは0.0001≦x≦0.005の範囲の
    値)で表される希土類オキシ硫化物多結晶焼結体からな
    り、かつ液体窒素温度で波長254nm、1W/m2
    紫外線を20分間照射した後、15±5K/分の昇温速
    度でシンチレータの熱ルミネッセンスを測定したとき、
    グロー曲線の410±20Kのピークの140±10K
    のピークに対する比が0.01以下であり、かつ210
    ±15Kのピークの140±10Kのピークに対する比
    が0.7以下であることを特徴とするX線検出器。
  2. 【請求項2】 一般式 (Gd1-x Prx 2 2 S (ただし、xは0.0001≦x≦0.005の範囲の
    値)で表される希土類オキシ硫化物多結晶焼結体からな
    るシンチレータに対して、液体窒素温度で波長254n
    mの紫外線を照射した後に、前記シンチレータの熱ルミ
    ネッセンスを測定し、グロー曲線の410K付近のピー
    クおよび210K付近のピークの140K付近のピーク
    に対する比の値によって良・不良を選別することを特徴
    とするシンチレータの検査方法。
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