JP3228934U - 水素含有ガス放出ユニット及びこれに用いる水素放出手段本体 - Google Patents

Abstract

【課題】ユーザの目的に沿った種々の方法で特定部位に水素を投与（摂取）可能な水素含有ガス放出ユニットを提供する。【解決手段】水素含有ガス放出ユニットは、電気分解による携帯式水素供給装置１００と、一端を携帯式水素供給装置の放出部に流体的に連結して放出部から放出される水素含有ガスを他端まで伝搬する可撓性を有する管状のカニューレ１２０と、ユーザの特定部位に水素含有ガスを放出する水素放出手段本体１３０とを備える。水素放出手段本体は、カニューレの他端に流体的に連結する受入口と使用時にユーザの特定部位方向に向いた１つ以上の放出口と、受入口から放出口まで水素含有ガスを案内する中空内部の案内流路とを有する。【選択図】図５

Description

本考案は、ユーザの目的に沿った種々の方法で特定部位に水素を投与（摂取）可能な水素含有ガス放出ユニット及びこれに用いる水素放出手段本体に関するものである。

近年、人間の臨床実験で水素の有効性が注目され、医療応用における種々の研究が盛んに行われている。人体への水素の投与法には、静脈投与、水溶液の経口投与、気体吸入（経鼻口吸引）等があり、体内へ取込む手法は幅広い。特に活性酸素が身体に発生しやすい、運動時や、飲食時、喫煙時、紫外線・汚染環境下での滞在時、睡眠不足、長時間労働等の高いストレスを受けた時等の種々の状態における老化の防止や美容・健康促進のために、水素を身体に取り入れることが推奨される。

このような状況の中、日常的に水素を吸引可能な装置の提供者である発明者は、血中への水素供給が直接的である水素の「常用吸引」による生体反応に注目し、を種々治験しており、例えば、脳ストレス低減、身体機能への顕著な影響が認められるという実証結果や（特許文献１）、軽度認知障害（ＭＣＩ）が疑われる者の生活機能の改善及び認知機能が予防・改善が認められるという実証結果を提供してきた。

また、美容業界においても従来より水素摂取が注目されており、例えば本考案者らは水素の吸引投与によって美容分野での注目部位である皮膚状態について種々治験し、反復して良好な結果を生じさせることが可能な水素吸引装置を実証・開発した（国際出願ＰＣＴ／ＪＰ２０２０／０１２５１９等）。

このような事情に鑑みて、本考案者らは携帯して自由に持ち運べるように充電式で小型かつ安価であり、水素の日常吸引に適した電気分解式の携帯型水素発生装置を提供している（特許文献３）。

さらに、近年、水素ガスは吸引のみならず人体各種部位に投与することにより良好な効果を得始めており、発明者その他研究者の治験により種々提供されている現状がある。この傾向は、加速的になることは明らかであり、近い将来的に日常の各種作業・行為中に水素を手軽に摂取し得るツールが社会提供されることが望まれることも予想される。

その一方、上記携帯型水素発生装置（特許文献２等）は、水素吸引を前提とした装置であり、日常水素吸引に関しては理想的な装置であるが、吸引以外の水素投与に関しては改良の余地があった。

国際公開ＷＯ２０１８／１５１１０７号公報 国際公開ＷＯ２０１８／０４７８８９号公報

本考案は、以上の事情に鑑みて創作されたものであり、種々の日常的シチュエーションで水素を吸引のみならずユーザの目的に沿った種々の方法で特定部位に手軽・継続的・日常的に摂取（投与）することができる水素含有ガス放出ユニット及びこれに用いる水素放出手段本体を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本考案の水素含有ガス放出ユニットは、
電池と、該電池から電力供給を制御する制御基板と、該制御基板により電池からの電力の通電又は遮電がされる一対の陽陰電極が内部に挿入され、電気分解により水素を発生可能な電解液を貯水可能な少なくとも１つ以上の電解槽と、少なくとも１つ以上の前記電解槽から放出された水素を外気と混合して放出部まで案内可能な混合部と、を有する携帯式水素供給装置と、
一端を該携帯式水素供給装置の放出部に流体的に連結して放出部から放出される水素含有ガスを他端まで伝搬する可撓性を有する管状のカニューレと、
ユーザの特定部位に水素含有ガスを放出する水素放出手段本体とを備え、
該水素放出手段本体は、前記該カニューレの他端に流体的に連結する受入口と使用時にユーザの特定部位方向に向いた１つ以上の放出口と、該受入口から該放出口まで水素含有ガスを案内する中空内部の案内流路とを有する、水素含有ガス放出ユニット。

また本考案の水素含有ガス放出ユニットに用いる水素放出手段本体は、
電池と、該電池から電力供給を制御する制御基板と、該制御基板により電池からの電力の通電又は遮電がされる一対の陽陰電極が内部に挿入され、電気分解により水素を発生可能な電解液を貯水可能な少なくとも１つ以上の電解槽と、少なくとも１つ以上の前記電解槽から放出された水素を外気と混合して放出部まで案内可能な混合部と、を有する携帯式水素供給装置の抄出口から放出される水素含有ガスを、該放出部に流体的に連結する可撓性を有する管状のカニューレを介して内部に受入する水素放出手段本体であって、
該水素放出手段は、前記該カニューレに流体的に連結する受入口と使用時にユーザの特定部位方向に向いた１つ以上の放出口と、該受入口から該放出口まで水素含有ガスを案内する中空内部の案内流路とを有する。

本考案の水素含有ガス放出ユニット及びこれに用いる水素放出手段本体では、電気分解式の携帯式水素供給装置の放出口から放出される水素含有ガスをカニューレを介してユーザが所望する特定部位に直接放出させ、特定部位から水素摂取させることができる。したがって、経口・経鼻の水素吸引のみならず、種々の日常的シチュエーションで特定部位からの水素摂取による集中的な効果を所望するユーザの目的に沿って水素を手軽・継続的・日常的に摂取（投与）することができる。とりわけ本水素含有ガス放出ユニットに専用の水素放出手段を準備することで、１つの携帯式水素供給装置を所有すれば摂取目的に応じた専用の水素放出手段を取り替えることができ、多種多様な水素投与ニーズに容易に対応できる点でも有利である。

また、前記水素放出手段は、ユーザに両耳に引っ掛ける耳掛け部と、該耳掛け部を両端それぞれに装着して鼻口を前面から覆う内部に前記案内流路を有するマスク本体部と備え、
前記マスク本体部は、前記カニューレからの水素含有ガスを前記マスク本体部の内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを案内流路を介して鼻口に放出する鼻口側の表面に形成された複数の孔の放出口と、を有しても良い。

本水素放出手段本体は、マスク型水素放出手段本体であり、携帯式水素供給装置１００からの水素含有ガスをカニューレを介してマスク本体部の放出口から鼻口に放出する。この本水素放出手段本体によれば、近年、抗ウィルス対策等として常用されるマスクから水素摂取を行うことができ、マスク着用時に抗ウィルス対策のみならず本人の健康増進を図ることもできる。特に水素の抗ウィルス効果が検証されてきている今日、非常に有用であり、公衆衛生上のニーズも大きいものと言える。

また、他の例の水素放出手段は、ユーザが手に持つ把持部と、該把持部に一体連結して頭髪をブラッシングする複数のブラシを有するブラシ本体部と備え、前記把持部とブラシ本体部とは内部に互いに流体的に連結する案内流路を有し、
前記把持部の端部には、前記カニューレからの水素含有ガスを前記案内流路に導入する受入口を有し、前記受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して頭髪又は毛髪に放出する前記複数のブラシの先端及び／又は根元近傍に形成された複数の孔の放出口と、を有する。

さらに他の例の水素放出手段は、ユーザの頭部に被るヘッドキャップ型に形成され、内部に前記案内流路を有し、
その縁部に前記カニューレからの水素含有ガスを内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを案内流路を介して頭髪又は頭皮に放出する頭部側の表面に形成された放出口と、を有する。

本水素放出手段本体は、ヘアブラシ型、ヘッドキャップ型の水素放出手段本体であり、酸化力が強く頭髪・頭皮に悪影響を与える「悪玉活性酸素」に対して、ブラッシングしながら又は頭に被った状態で頭髪に水素を直接投与して活性酸素を除去することができる。

また、前記水素放出手段は、ユーザの頭部に載置する略シート状の枕型に形成され、内部に横方向又は縦方向にわたって往復する前記案内流路を有し、
側部に前記カニューレからの水素含有ガスを内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して頭部に放出する頭部を載置する上表面に形成された放出口と、を有しても良い。

また、前記水素放出手段は、内部が空洞であって外部から内部に出入り自在な開口を有する収容部を形成し、該収容部の外郭の内部に前記案内流路を有し、
前記収容部は前記カニューレからの水素含有ガスを内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して内部に放出する外郭の内壁に形成された放出口と、を有する場合もある。

水素を摂取することで日中に高まった交感神経活動が抑制され、自律神経活動のバランスが整い、夕方以降の副交感神経活動への移行が円滑になることで良質な睡眠が得られる。水素摂取は自律神経系に作用し、副交感神経を優位に、加えて交感神経を劣位に向かわせる効果が確認されている。本枕型水素放出手段本体やペットハウス型（収容部型）水素放出手段本体では、水素含有ガスをシート状から発生させ、けい皮吸収並びに鼻腔からの自然呼吸で自然に水素摂取することができる。

また、前記水素放出手段は、ユーザの顔面を前面から覆う内部に前記案内流路を有するフェイスマスク本体部を有し、
前記カニューレからの水素含有ガスを前記マスク本体部の内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを案内流路を介して顔面に放出する顔面側の表面に形成された複数の孔の放出口と、を有することもできる。

本フェイスマスク型水素放出手段本体は、フェイスマスクの内壁から顔面に水素含有ガスを放出することで肌の弾力に必要なコラーゲンやエラスチンを破壊する「悪玉活性酸素」を除去することができ、皮膚細胞に水分や酸素、栄養分を隅々まで伝搬し、肌にハリを与え所謂リフトアップ効果、メラニン抑制効果のほか血流が改善、くすみが取れ美白効果を期待することができる。

また前記水素放出手段は、ユーザが手に持って電動で振動又は回転する動作部が突出する把持部と、該動作部と連結することで把持部と連結し、動作部の振動又は回転により振動又は回転するブラシ部を用いてブラッシングするブラシ本体部と備え、前記把持部とブラシ本体部とは内部に互いに流体的に連結する案内流路を有し、
前記把持部の端部には、前記カニューレからの水素含有ガスを前記案内流路に導入する受入口を有し、前記受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して歯列方向に放出する前記複数のブラシ本体部に形成された複数の孔の放出口と、を有しても良い。

歯周病のメカニズムは、最初に歯周ポケットの奥に入り込んだ細菌に対して体の免疫細胞が防御反応を示して炎症を起こすものであり、「活性酸素」は免疫細胞が細菌と抗する働きを有する。その一方、活性酸素は同時に免疫細胞自身も破壊し、炎症で過剰に分泌されたると歯根膜や骨が浸食される原因となることが知られている。近年、免疫細胞が炎症を起こすことによって、過剰に分泌された活性酸素は歯を支えている歯根膜細胞や骨が溶かす作用があることが明らかになっており、本歯ブラシ型水素放出手段本体で歯磨きのあとの水素ガスによるブラッシングマッサージをすることで歯周病の予防に大きな効果を奏する。

さらに他の例として、前記水素放出手段は、睡眠時無呼吸症候群用の酸素発生装置から酸素を案内する管状の酸素導入管と、該酸素導入管と流体的に連結させるアタッチメントとを有し、
前記アタッチメントには、前記カニューレからの水素含有ガスを前記案内流路に導入する受入口を有し、前記受入口から導入された水素含有ガスをアタッチメント内の案内流路を介して前記酸素導入管内に放出する放出口と、を有する。

本無呼吸症候群用の呼吸器型水素放出手段本体の場合、カニューレを無呼吸症候群用の酸素呼吸器（ＣＰＡＰ：シーパップ）からの酸素放出管に流体的に接続するアタッチメントを設けている。無呼吸症候群用の酸素呼吸器（ＣＰＡＰ：シーパップ）は、鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかける方法であり、睡眠時無呼吸症候群（SAS）のもっとも重要な治療法となっている。この治療法に本呼吸器型水素放出手段本体を用いて水素を付加させることにより一層の睡眠効果を促すこととなる。

本考案によれば、種々の日常的シチュエーションで水素を吸引のみならずユーザの目的に沿った種々の方法で特定部位に手軽・継続的・日常的に摂取（投与）することができる水素含有ガス放出ユニット及びこれに用いる水素放出手段本体が提供される。

携帯式水素供給装置の実例の写真斜視図を示している。 図１の携帯式水素供給装置の電池の例を示している。 携帯式水素供給装置の蓋部材（混合部）を開放した様子の写真斜視図を示している。 水素放出手段本体として専用のマスク型水素放出手段本体が例示されている。 図４の他の水素放出手段本体例として、（ａ）に専用のヘアブラシ型水素放出手段本体、（ｂ）に専用のペットハウス型水素放出手段本体、（ｃ）に専用のヘッドキャップ型水素放出手段本体、（ｄ）に専用のフェイスマスク型水素放出手段本体、（ｅ）に専用の歯ブラシ型水素放出手段本体、（ｆ）に専用の枕型水素放出手段本体、（ｇ）に専用の無呼吸症候群用の呼吸器型水素放出手段本体が例示されている。 図５の水素放出手段本体例の写真図である。 図５の水素放出手段本体例の写真図である。 本携帯式水素供給装置を模式的に表すブロック図が示されている。 本携帯式水素供給装置の各電解槽及びその周辺部の各部材について例示する組立分解図を示している。

本考案の水素含有ガス放出ユニット及びこれに用いる水素放出手段本体の実施形態例について図１〜図９を参照しつつ以下、説明する。

本考案の水素含有ガス放出ユニットは概ね、水素含有ガスを生成・放出する携帯式水素供給装置１００と、ユーザが把持等して所望する特定部位に向けて水素含有ガスを放出させる水素放出手段本体１３０と、携帯式水素供給装置１００から水素放出手段本体１３０まで水素含有ガスを伝搬する管状のカニューレ１２０とで構成されている。

≪携帯式水素供給装置の例示≫
まず、携帯式水素供給装置１００について例示説明する。図８には、本携帯式水素供給装置１００を模式的に表すブロック図が示されている。図９は携帯式水素供給装置１００の各電解槽３０及びその周辺部の各部材について例示する組立分解図を示している。

図８に示すように、本携帯式水素供給装置１００は、電池１０４、ＬＥＤ１１６、制御手段１１７、電解槽１０３、蓋部材（混合部）１４、放出部１０８で概ね構成されている。まず、電池１０４はリチウムイオン等の充電式バッテリであり、電解槽１０３、１０３´は縦置き（図９の上下方向）に複数並列して設けている。図８では電解槽１０３、１０３´が２つで例示しているが図２〜図３の携帯式水素供給装置１００の場合、４つ設けている。

電解槽１０３（１０３´には一対の陽陰電極８ａ、８ｂ（８ａ´、８ｂ´）が内部に挿入・配置されている。陽陰電極８ａ、８ｂ（８ａ´、８ｂ´）は、１つの制御手段（制御基板）１１７を介して電池１０４からの電力が供給され、動作状態を表示するＬＥＤ１１６は電池１０４に接続されている。制御基板１１７には、電極制御回路１１７ａと、ヒータ制御回路１１７ｂと、ＬＥＤ制御回路１１７ｃ、電力供給手段（電力供給回路）１１７ｄ、とが備えられている。

また、ユーザが指で操作手段（操作ボタン）１１８を操作すると、これに応じて電極制御回路１１７ａが電解槽１０３内の一対の電極８ａ、８ｂ（８ａ´、８ｂ´）への通電・遮断を制御し、電力供給手段１１７ｄにより電池１０４から供給される電力量を可変して電極８ａ、８ｂ（８ａ´、８ｂ´）に電力を供給する。一対の電極８ａ、８ｂ（８ａ´、８ｂ´）に電力が供給されると電解槽１０３、１０３´内に貯留する電解液（例えば、クエン酸ナトリウム水溶液）を電気分解し、陽電極８ａ（８ａ´）側に酸素が発生し、陰電極８ｂ（８ｂ´）側に水素が発生する。

陰電極８ｂ（８ｂ´）から発生した水素は、電解槽１０３（１０３´）上部に装着された透過装置１１４を介して蓋部材（混合部）２に流入する。また、陽電極８ｂ（８ｂ´）から発生した酸素は、後述するように蓋部材２に流入する場合、ベントされる場合がある。

電解槽１０３（１０３´）で発生した水素含有ガスは、蓋部材（混合部）１４に設けた放出部１０８から外部に放出される。このとき透過装置１１４から放出された水素が蓋部材（混合部）１４内を流れ、蓋部材（混合部）１４内の案内流路（放出部１０８までの内壁との隙間）を通過して蓋部材（混合部）１４に設けた流入口や隙間からの外気と混合して外部に放出される。

次に、図９を参照しつつ、電解槽１０３内やこれに装着される透過装置１１４等の構成部品について説明する。図９に示すように電解槽１０３は、電解槽本体１と電解槽蓋部３とで構成される（電解槽蓋部３は透過装置の一部としても機能する）。電解槽本体１は、上下方向に延びた電解液の貯水用容器であり、下方が上方よりも縮径する形状を有し、互いに内部で流体的に接続する一体形成体である。電解槽本体１は上方の開口から注水可能になっており、開口上部に貫通孔を設けた板状のセパレータ５を挿入し、電解槽蓋部３を取り付けることで閉鎖される。電解槽蓋部３は上下に貫通するケースであり、下方の裾部の拡径し、上部が縮径する２段階形状を有する。電解槽蓋部３は下方をロックレバー７によりセパレータ５と固定することで底部をなしている。また、電解槽蓋部３の上部の開口を後述する透過装置の第一部材２を受容するために座グリ形状を形成している。

また、電解槽本体１は、下方が上方より縮径しているため内部に溜まっている水溶液が電気分解され貯水量が減った場合であっても一対の陽陰電極８の大部分が電解液に浸される程度に電解液が貯留する。これにより電解槽本体１の上部の空気層は減り、電気分解性能は確保されるが、その一方、セパレータ５の存在を加味しても電解液の液面がギリギリまで上がっており、電気分解により粘性が高まった場合に空気層や電解槽蓋部３内に電気分解で発生した泡が侵入・滞留することとなる。

陽陰電極（メッシュ電極）８は、２枚一対に上方に向かって長手に並列配置され、それぞれ陽陰極を形成し、電池１０４からの電力が供給される。また、陽陰電極８は電解槽本体１の縮径部と拡径部とに対応するように上部が下部より大きくなっている。陽陰電極８の下端は、端子基板２４に起立させ電気的に接続できるように棒形状のチタン電極９が連結されている。陽陰電極８を起立させた状態で陽陰電極８と端子基板２４とを遮水するために端子基板２４上に装着するソケット２５（シリコン等の樹脂製）とチタン電極９の周囲に取り付けるＯリング１０、１１（シリコン等の樹脂製：以下、Ｏリングは同様）とが設けられている。

また、電解槽蓋部３の上部には透過装置（透過装置１１４に相当）が取り付けられる。詳細にはまず、電解槽蓋部３の上部に第１透過部材２が装着される。第１透過部材２は、電解槽蓋部３と上下に嵌合するようにその下部が縮径して下方に突出し、上部が上方に大きく開口している。第１透過部材２の縮径部は底部が閉鎖されて上部の開口に繋がっており、液溜まりになるように形成されている。また、第１透過部材２の上部の拡径部は、前述の縮径部側の液溜まりの開口と繋がっており、電解槽蓋部３の開口と流体的に連結する貫通孔を有し、その貫通孔の下端が電解槽蓋部３の開口を座グリとして挿入・連結される。このとき第１透過部材２の貫通孔と電解槽蓋部３の開口との間には水漏れ防止のＯリング２３が配設される。

また、前記第１透過部材２の貫通孔には透過膜押さえ６により第１透過膜１２が配設され、貫通孔を閉鎖している。この第１透過膜２は微小孔で内圧を調整しながら気体を透過させ液体を遮断する選択透過性を有する樹脂多孔膜であり、ここでは四フッ化エチレン樹脂多孔膜（日東電工株式会社製「ＴＥＭＩＳＨ」）を使用している（後述する第２透過膜１２も同様）。第１段階としてこの第１透過膜１２により、電解槽蓋部３の内部まで到達した電解液の泡が遮断される。ただし、電解槽本体１内部の内圧が上昇して第１透過膜１２が伸びて微小孔が拡大して泡状の電解液を透過させたり、気体化した電解液が透過して第１透過部材２内に電解液が侵入する可能性もある。その一方、第１透過膜１２の孔径を小さくし過ぎて水素透過速度まで減退することも望ましくない。したがって、第１透過部材２にはある程度、電解液侵入を看過し、前述する第１透過部材２の縮径部を液溜まりとして電解液を貯留させることとしている。

さらに、第１透過部材２の上部に第２透過部材４が装着される。第２透過部材４は図示されていないが下方に開口し、第１透過部材２の上方の開口と合致して内部空間を構成する。第２透過部材４の上部には前述した電解槽蓋部３の貫通孔、第１透過部材２の貫通孔を覗く位置に貫通孔が形成されている。貫通孔には第１透過部材２の透過膜（第１透過膜１２）の場合と同様に第２透過膜１２で閉鎖され、Ｏリング２２で封止している。この第２透過膜１２も同様に気体を透過させ液体を遮断する選択透過性を有する樹脂多孔膜であり、ここでは四フッ化エチレン樹脂多孔膜を使用している。

前述する第１段階で電解槽内の電解液の侵入は概ね遮断されているが第２段階として第２透過膜１２により、さらに電解液が外部に放出されることを防止している。第１段階としての第１透過膜では電解液の完全な遮断よりも気体のスムーズな透過を優先しため第１透過部材２と第２透過部材４との間の空間の内圧が上昇することはなく、同質の選択性多孔樹脂膜によりスムーズな水素ガス等の透過を可能にしつつ電解液のさらなる遮断も達成している。なお、第２透過部材４には第１透過部材２の液溜まりに貯留した電解液をドレンするための孔が設けられ、その孔はパッキン２１を介してネジ１３で封鎖される。ドレン時にはネジ１３を取り外して電解液の廃棄を可能にしている。

第２透過部材４の上部には、図８に示すように複数の電解槽１０３、１０３´をまとめる１つの外気との混合部としての蓋部材１４が上方から取り付けられる。図示しないが蓋部材１４の上部には放出部１０８部以外に外気を取り入れるためのバルブ等で開閉可能な貫通孔が設けられることもある。そして、蓋部材１４は、電解槽本体１、電解槽蓋部３、第１透過部材２、第２透過部材４を順に通過した水素ガスが内部を流れて放出部１０８まで到達過程で蓋部材１４内の隙間を通過し、外気と混合されて放出部１０８から外部に水素含有ガスを放出する。

図１には、携帯式水素供給装置１００の実例の写真斜視図、図２には図１の携帯式水素供給装置１００の電池１０４の例、図３には図１の携帯式水素供給装置１００の蓋部材１４を開放した様子の写真斜視図が示されている。

図１に示すように携帯式水素供給装置１００は、片手に持ち歩けるサイズでありながら８つの電解槽１０３を内設し、水素酸素混合ガス（水素６７％、酸素３３％）を発生し、うち水素発生量は５０ｃｃ／分である。この蓋部の放出部１０８から外気と混合した水素含有ガスが放出される。放出部１０８は図２に示すように可撓性を有する管状のカニューレ１２０の一端に接続される。

また、携帯式水素供給装置１００の電池１０４は図１及び図（ａ）に示すように内部に装備するリチウムイオン等の充電式バッテリ１０４以外に外部バッテリの場合もある。例えば図２（ｂ）（ｄ）に示すように携帯式水素供給装置１００の底部に充電式バッテリ１２２や大容量の充電式バッテリ１２６を装備することもできる。また、携帯式水素供給装置１００の底部に端子を設け、充電台に設置することで内部の充電式バッテリ１０４を充電しながら同時に電源から電力を得ることも可能である。

さらに、図３では携帯式水素供給装置１００は水素含有ガス及び外気の混合部としての蓋部材１４を開放すると電解槽１０３（図は上方視であり電解槽上部の透過装置１１４、１１４´（透過膜１２）が表れている）が２つ挿入され、挿入スぺースが４つ分存在することがわかる。

≪水素含有ガス放出ユニット及び水素放出手段本体≫
本考案の水素含有ガス放出ユニットは概ね、上述した水素含有ガスを生成・放出する携帯式水素供給装置１００と、ユーザが把持等して所望する特定部位に向けて水素含有ガスを放出させる水素放出手段本体１３０と、携帯式水素供給装置１００から水素放出手段本体１３０まで水素含有ガスを伝搬する管状のカニューレ１２０とで構成されるが、図４〜図７は、各種水素放出手段本体１３０が例示されている。

図４では、水素放出手段本体として専用のマスク型水素放出手段本体１３０ｈが例示されている。具体的には、腰に巻かれた専用のポーチ（図示）に収容された携帯式水素供給装置１００からｂの水素含有ガスをカニューレ１２０を介してマスク型水素放出手段本体１３０ｈの放出口から鼻口に放出している。このマスク型水素放出手段本体１３０ｈの場合、カニューレ１２０は、両耳に引っ掛けるマスク紐の連結部近傍（マスクの両端近傍）に受入口を設けており、マスク型水素放出手段本体１３０ｈの裏面（顔面側）に設けた多数孔の放出口から水素含有ガスを経口、経鼻摂取させている。

図５ではその他の水素放出手段本体例として、（ａ）に専用のヘアブラシ型水素放出手段本体１３０ａ、（ｂ）に専用のペットハウス型水素放出手段本体１３０ｂ、（ｃ）に専用のヘッドキャップ型水素放出手段本体１３０ｃ、（ｄ）に専用のフェイスマスク型水素放出手段本体１３０ｄ、（ｅ）に専用の歯ブラシ型水素放出手段本体１３０ｅ、（ｆ）に専用の枕型水素放出手段本体１３０ｆ、（ｇ）に専用の無呼吸症候群用の呼吸器型水素放出手段本体１３０ｇが例示されている。

より具体的には、図５（ａ）のヘアブラシ型水素放出手段本体１３０ａや図５（ｃ）のヘッドキャップ型水素放出手段本体１３０ｃは、それぞれ図６（ａ）の左右に写真図例が示されている。「悪玉活性酸素」は酸化が非常に強力で、髪に色をつけるメラノサイト( 色素細胞) や毛髪をつくり出す毛母細胞を傷つけ、髪を白くしたり髪が生えてくる機能を低下させ、薄毛・白髪を引き起こすと言われており、又、「悪玉活性酸素」は、紫外線・ストレス・喫煙などの刺激、カラーリング・パーマなどの施術でも大量に発生し、髪、頭皮にダメージを与えると言われている。これに対してこの水素放出手段本体１３０ａ、１３０ｃではブラッシングしながら又は頭に被った状態で頭髪に水素を直接投与でき、活性酸素を除去することで髪を守ることが可能となる。

その他、図５（ａ）のヘアブラシ型水素放出手段本体１３０ａはペットの毛髪のトリミング用にも有利である（図７（ｃ）参照）。近年、ペットフードの添加物や運動不足によるストレスが起因となって活性酸素が発生しやすい環境になりつつあり、ヘアブラシ型水素放出手段本体１３０ａでペットの毛髪に水素を供給することで悪玉活性酸素を除去して、毛根の老化の原因を取り除き、毛がしっかり立つようになる。さらに加齢で増える毛のシワを伸ばすことでハリやコシが復活する。

また、図５（ｆ）の枕型水素放出手段本体１３０ｆや図５（ｂ）のペットハウス型水素放出手段本体１３０ｂは、それぞれ図７（ａ）の左右に写真図例が示されている。水素を摂取することで日中に高まった交感神経活動が抑制され、自律神経活動のバランスが整い、夕方以降の副交感神経活動への移行が円滑になることで良質な睡眠が得られる。水素摂取は自律神経系に作用し、副交感神経を優位に、加えて交感神経を劣位に向かわせる効果が確認されている。本枕型水素放出手段本体１３０ｆやペットハウス型水素放出手段本体１３０ｂでは、水素含有ガスをシート状から発生させ、けい皮吸収並びに鼻腔からの自然呼吸で自然に水素摂取することができる。

また、図５（ｄ）のフェイスマスク型水素放出手段本体１３０ｄは、図６（ｂ）に写真図例が示されている。フェイスマスクの内壁から顔面に水素含有ガスを放出することで肌の弾力に必要なコラーゲンやエラスチンを破壊する「悪玉活性酸素」を除去することができ、皮膚細胞に水分や酸素、栄養分を隅々まで伝搬し、肌にハリを与え所謂リフトアップ効果、メラニン抑制効果のほか血流が改善、くすみが取れ美白効果を期待することができる。

また、図５（ｅ）の歯ブラシ型水素放出手段本体１３０ｅは、図６（ｃ）に写真図例が示されている。歯周病のメカニズムは、最初に歯周ポケットの奥に入り込んだ細菌に対して体の免疫細胞が防御反応を示して炎症を起こすものであり、「活性酸素」は免疫細胞が細菌と抗する働きを有する。その一方、活性酸素は同時に免疫細胞自身も破壊し、炎症で過剰に分泌されると歯根膜や骨が浸食される原因となることが知られている。近年、免疫細胞が炎症を起こすことによって、過剰に分泌された活性酸素は歯を支えている歯根膜細胞や骨が溶かす作用があることが明らかになっており、本歯ブラシ型水素放出手段本体１３０ｅで歯磨きのあとの水素ガスによるブラッシングマッサージをすることで歯周病の予防に大きな効果を奏する。

また、図５（ｇ）の無呼吸症候群用の呼吸器型水素放出手段本体１３０ｇは、図７（ｂ）に写真図例が示されている。この呼吸器型水素放出手段本体１３０ｇの場合、カニューレ１２０を無呼吸症候群用の酸素呼吸器（ＣＰＡＰ：シーパップ）からの酸素放出管に流体的に接続するアタッチメントを設けている。無呼吸症候群用の酸素呼吸器（ＣＰＡＰ：シーパップ）は、鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかける方法であり、睡眠時無呼吸症候群（SAS）のもっとも重要な治療法となっている。この治療法に本呼吸器型水素放出手段本体１３０ｇを用いて水素を付加させることにより一層の睡眠効果を促すこととなる。

なお、図４〜図７の水素放出手段本体１３０の例では示されていないが他にユーザの目元を覆うゴーグル型（アイマスク型も含む）を考えられる。

以上、本考案における水素含有ガス放出ユニット及びこれに用いる水素放出手段本体についての実施形態およびその概念及び周辺技術について説明してきたが本考案はこれに限定されるものではなく実用新案登録請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。

８ 陽陰電極
８ａ 陽電極
８ｂ 陰電極
１４ 蓋部材（混合部）
１００ 携帯式水素供給装置
１０３ 電解槽
１０４ 電池
１０８ 放出部
１１６ ＬＥＤ
１１７ 制御基板（制御手段）
１２０ カニューレ
１３０ 水素放出手段

Claims (10)

1. 電池と、該電池から電力供給を制御する制御基板と、該制御基板により電池からの電力の通電又は遮電がされる一対の陽陰電極が内部に挿入され、電気分解により水素を発生可能な電解液を貯水可能な少なくとも１つ以上の電解槽と、少なくとも１つ以上の前記電解槽から放出された水素を外気と混合して放出部まで案内可能な混合部と、を有する携帯式水素供給装置と、
   一端を該携帯式水素供給装置の放出部に流体的に連結して放出部から放出される水素含有ガスを他端まで伝搬する可撓性を有する管状のカニューレと、
   ユーザの特定部位に水素含有ガスを放出する水素放出手段本体とを備え、
   該水素放出手段本体は、前記該カニューレの他端に流体的に連結する受入口と使用時にユーザの特定部位方向に向いた１つ以上の放出口と、該受入口から該放出口まで水素含有ガスを案内する中空内部の案内流路とを有する、水素含有ガス放出ユニット。
2. 電池と、該電池から電力供給を制御する制御基板と、該制御基板により電池からの電力の通電又は遮電がされる一対の陽陰電極が内部に挿入され、電気分解により水素を発生可能な電解液を貯水可能な少なくとも１つ以上の電解槽と、少なくとも１つ以上の前記電解槽から放出された水素を外気と混合して放出部まで案内可能な混合部と、を有する携帯式水素供給装置の抄出口から放出される水素含有ガスを、該放出部に流体的に連結する可撓性を有する管状のカニューレを介して内部に受入する水素放出手段本体であって、
   該水素放出手段は、前記該カニューレに流体的に連結する受入口と使用時にユーザの特定部位方向に向いた１つ以上の放出口と、該受入口から該放出口まで水素含有ガスを案内する中空内部の案内流路とを有する、水素放出手段本体。
3. 前記水素放出手段は、ユーザに両耳に引っ掛ける耳掛け部と、該耳掛け部を両端それぞれに装着して鼻口を前面から覆う内部に前記案内流路を有するマスク本体部と備え、
   前記マスク本体部は、前記カニューレからの水素含有ガスを前記マスク本体部の内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを案内流路を介して鼻口に放出する鼻口側の表面に形成された複数の孔の放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。
4. 前記水素放出手段は、ユーザが手に持つ把持部と、該把持部に一体連結して頭髪をブラッシングする複数のブラシを有するブラシ本体部と備え、前記把持部とブラシ本体部とは内部に互いに流体的に連結する案内流路を有し、
   前記把持部の端部には、前記カニューレからの水素含有ガスを前記案内流路に導入する受入口を有し、前記受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して頭髪又は毛髪に放出する前記複数のブラシの先端及び／又は根元近傍に形成された複数の孔の放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。
5. 前記水素放出手段は、ユーザの頭部に被るヘッドキャップ型に形成され、内部に前記案内流路を有し、
   その縁部に前記カニューレからの水素含有ガスを内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを案内流路を介して頭髪又は頭皮に放出する頭部側の表面に形成された放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。
6. 前記水素放出手段は、ユーザの頭部に載置する略シート状の枕型に形成され、内部に横方向又は縦方向にわたって往復する前記案内流路を有し、
   側部に前記カニューレからの水素含有ガスを内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して頭部に放出する頭部を載置する上表面に形成された放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。
7. 前記水素放出手段は、内部が空洞であって外部から内部に出入り自在な開口を有する収容部を形成し、該収容部の外郭の内部に前記案内流路を有し、
   前記収容部は前記カニューレからの水素含有ガスを内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して内部に放出する外郭の内壁に形成された放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。
8. 前記水素放出手段は、ユーザの顔面を前面から覆う内部に前記案内流路を有するフェイスマスク本体部を有し、
   前記カニューレからの水素含有ガスを前記マスク本体部の内部の前記案内流路に導入する受入口と、該受入口から導入された水素含有ガスを案内流路を介して顔面に放出する顔面側の表面に形成された複数の孔の放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。
9. 前記水素放出手段は、ユーザが手に持って電動で振動又は回転する動作部が突出する把持部と、該動作部と連結することで把持部と連結し、動作部の振動又は回転により振動又は回転するブラシ部を用いてブラッシングするブラシ本体部と備え、前記把持部とブラシ本体部とは内部に互いに流体的に連結する案内流路を有し、
   前記把持部の端部には、前記カニューレからの水素含有ガスを前記案内流路に導入する受入口を有し、前記受入口から導入された水素含有ガスを前記案内流路を介して歯列方向に放出する前記複数のブラシ本体部に形成された複数の孔の放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。
10. 前記水素放出手段は、睡眠時無呼吸症候群用の酸素発生装置から酸素を案内する管状の酸素導入管と、該酸素導入管と流体的に連結させるアタッチメントとを有し、
    前記アタッチメントには、前記カニューレからの水素含有ガスを前記案内流路に導入する受入口を有し、前記受入口から導入された水素含有ガスをアタッチメント内の案内流路を介して前記酸素導入管内に放出する放出口と、を有する請求項２に記載の水素放出手段本体。