JP3228528U - 籠の回収システム - Google Patents
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Abstract
【課題】籠を容易に回収できる籠の回収システムを提供すること。【解決手段】基端側がフロート9に固定されるロープ5と、そのロープ5の先端側に接続され内部に所定の充填物3が充填される籠2と、を備える人工漁礁1における籠2の回収システムである。水中102(水底部101)に設置された設置状態からの籠2の回収時に、ロープ5の基端側が引っ掛けられる滑車7を備えるので、籠2の回収時にロープ5の基端側が牽引された場合に、滑車7の回転によってロープ5を案内することができる。よって、籠2を容易に回収できる。【選択図】図2
Description
本考案は、籠の回収システムに関し、特に、籠を容易に回収できる籠の回収システムに関する。
所定の充填物(例えば、木炭や貝殻等)を充填した籠を海底等の水中に設置することにより、人工漁礁を形成する技術が知られている。例えば、特許文献1には、籠に取り付けられたロープによって籠を回収する技術が記載されている。この技術によれば、籠を回収して内部の充填物を取り換えることにより、籠を繰り返し利用できる。
この種の人工漁礁において、籠を容易に回収できる技術が求められている。
本考案は、上記の要求に応えるためになされたものであり、籠を容易に回収できる籠の回収システムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本考案の籠の回収システムは、一端側が沿岸部または浮体に固定される索状体と、その索状体の他端側に接続され内部に所定の充填物が充填される籠と、その籠に接続され前記籠を水中の所定位置に留めるためのアンカーと、を備え、前記籠が、内外へ水を通過させる複数の開口部を有する人工漁礁におけるものであり、水中に設置された設置状態からの前記籠の回収時に、前記索状体の一端側が引っ掛けられる第1プーリーを備え、前記籠の回収時に前記索状体の一端側が牽引された場合に、前記第1プーリーの回転によって前記索状体が案内される。
請求項1記載の籠の回収システムによれば、次の効果を奏する。水中に設置された設置状態からの籠の回収時に、索状体の一端側が引っ掛けられる第1プーリーを備えるので、籠の回収時に索状体の一端側が牽引された場合に、第1プーリーの回転によって索状体を案内することができる。よって、籠を容易に回収できるという効果がある。
請求項2記載の籠の回収システムによれば、請求項1記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。内部に充填物を保持可能な袋体を備え、その袋体が籠に収容されるので、袋体に充填物が保持された状態で籠を回収した場合には、籠から袋体を取り出すことで多数の充填物をまとめて回収できる。よって、充填物の取り換えを容易にできるという効果がある。また、袋体は、内外へ水を通過させる複数の開口部を有しているため、袋体の内部の充填物に水中の藻類を付着させることができる。よって、袋体に保持された状態の充填物を籠に充填した場合であっても、籠の周囲に漁場を形成できるという効果がある。
請求項3記載の籠の回収システムによれば、請求項2記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。袋体の開口部の開口寸法は、充填物の外形寸法よりも小さく設定されるので、袋体の開口部から充填物が流れ出ることを抑制できる。よって、充填物が籠の内部に留まり易くなるので、籠の周囲に漁場が形成され易くなるという効果がある。
請求項4記載の籠の回収システムによれば、請求項3記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。袋体の開口部の開口寸法は、5mm以上100mm以下に設定されるので、その開口寸法よりも大きい外形寸法の充填物を袋体で保持することにより、充填物が籠の内部に留まり易くなる。よって、籠の周囲に漁場が形成され易くなるという効果がある。
請求項5記載の籠の回収システムによれば、請求項3又は4に記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。袋体は、生分解性樹脂を用いて形成されるので、籠が水中に設置されてから所定時間が経過すると、袋体が水中の微生物によって分解される。籠の開口部の開口寸法は、充填物の外形寸法よりも大きく設定されるので、袋体が分解した場合には、袋体に保持されていた充填物が籠の開口部から水中に放出される。
よって、水中に設置されてから所定時間が経過した後に籠を回収することにより、その籠の内部の充填物は、水中に放出されて水底部に堆積する。所定時間が経過して藻類が多く付着した充填物を水底部に堆積させることにより、籠の回収後においても、その籠が設置されていた場所に漁場を形成できるという効果がある。
請求項6記載の籠の回収システムによれば、請求項5記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。籠の開口部の開口寸法は、袋体の開口部の開口寸法よりも大きく設定される。これにより、袋体の開口部の開口寸法よりも大きく、且つ、籠の開口部の開口寸法よりも小さい外形寸法の充填物を袋体で保持することにより、袋体が分解するまでの間は、充填物が籠の内部に留まり易くなる一方、袋体が分解した場合には、充填物の大半(又は全て)を籠の外部に放出させることができるという効果がある。
請求項7記載の籠の回収システムによれば、請求項6記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。籠は、水底部から浮いた状態で水中に設置されるので、籠から充填物が放出された場合には、索状体と、沿岸部または浮体との接続部分に加わる荷重が低減する。これにより、例えば、その荷重をセンサ等で計測することにより、袋体が分解されて充填物が籠から放出されたこと、即ち、籠が空になったことを容易に判別できるという効果がある。
請求項8記載の籠の回収システムによれば、請求項1から7のいずれかに記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。籠に固定される第2プーリーを備え、索状体の他端側は、設置状態において第2プーリーに引っ掛けられた状態で沿岸部または浮体に固定されるので、籠の回収時に索状体の一端側を牽引することにより、第2プーリーを動滑車として機能させることができる。よって、籠の回収時に必要となる力を低減できるという効果がある。
請求項9記載の籠の回収システムによれば、請求項1から8のいずれかに記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。索状体の一端側は、設置状態において第1プーリーに引っ掛けられた状態で沿岸部または浮体に固定されるので、籠の回収時に索状体を第1プーリーに引っ掛ける作業を不要にできる。即ち、籠の回収時には、沿岸部または浮体に対する固定状態を解除した索状体を牽引するだけで良いため、籠を容易に回収できるという効果がある。
請求項10記載の籠の回収システムによれば、請求項9記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。沿岸部または浮体に設置され第1プーリーが固定される固定手段を備え、索状体の一端側は、設置状態において第1プーリーに引っ掛けられた状態で固定手段に固定される。これにより、第1プーリーを沿岸部または浮体に固定するための機能と、索状体の一端側を沿岸部または浮体に固定するための機能とを固定手段に兼用させることができるという効果がある。
請求項11記載の籠の回収システムによれば、請求項1から10のいずれかに記載の籠の回収システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。籠には、充填物として木炭が充填されるので、木炭に含まれるミネラルにより、貝類の生育に適した土壌が水底部に形成され易くなる。よって、貝類や、貝類を餌にする魚類が集まり易くなるので、漁場が形成され易くなるという効果がある。
以下、本考案の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本考案の第1実施形態における人工漁礁1の全体構成について説明する。
図1(a)は、第1実施形態における人工漁礁1を構成する籠2の正面斜視図であり、図1(b)は、充填物3が充填される様子を示す籠2の正面斜視図である。図2(a)は、籠2を水底部101に設置する様子を示す人工漁礁1の模式図であり、図2(b)は、籠2が水底部101に設置された状態を示す人工漁礁1の模式図であり、図2(c)は、籠2を水底部101から回収する様子を示す人工漁礁1の模式図である。なお、図面を簡素化するために、図1では、籠2の網目22の図示を一部省略しており、図2では、人工漁礁1を模式的に図示している。
図1及び図2に示すように、人工漁礁1は、充填物3を充填した籠2を海100の水底部101に設置し、籠2の周囲に漁場を形成するための漁礁である。充填物3が充填される籠2を水底部101に設置することで充填物3に藻類(海藻)が付着し、その藻類を餌とする魚類や貝類が集まることにより、籠2の周囲に漁場が形成される。
籠2は、上面が開放される直方体状の本体部20と(図1参照)、その本体部20の上面の開閉部分を開閉する矩形の開閉部21と、を備え、金網を用いて形成される。開閉部21は、図示しない蝶番によって本体部20の上面の開放部分に軸支されており、その蝶番の軸回りに開閉部21が回転することにより、本体部20の開放部分が開閉される。また、本体部20に対する開閉部21の閉塞状態は、図示しない錠前によってロック可能に構成されている。
籠2に充填される複数の充填物3は、粒径(外形寸法)が30mm以上の木炭(塊炭)である。充填物3は袋体4によって保持され、その袋体4が籠2の本体部20に収容されることにより、籠2に充填物3が充填される。袋体4は、柔軟性を有する生分解性樹脂を用いて形成される網袋であり、袋体4の図示しない口から充填物3が詰め込まれ、その袋体4の口を閉じる(例えば、袋体4の口を縛る)ことで袋体4の内部に充填物3が保持される。
袋体4の網目40の開口寸法L1は、充填物3の粒径よりも小さく(本実施形態では、20mmに)設定されており、袋体4の網目40から充填物3が流れ落ち難くなっている。一方、籠2の本体部20や開閉部21の網目22の開口寸法L2は、充填物3の粒径よりも大きく(本実施形態では、60mmに)設定されている。これは、生分解性樹脂製の袋体4が分解された際に、充填物3を籠2から放出させるためであるが(図2(c)参照)、詳細については後述する。
籠2の上面(開閉部21)にはU字状の吊金具23が固定されており、この吊金具23にロープ5が取り付けられることにより、水底部101への籠2の設置や水底部101からの籠2の回収が行われる。この籠2の設置や回収方法(籠の回収システム)について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、籠2を水底部101に設置するための船舶Sには、L字状の支柱6と、その支柱6に固定される滑車7と、その滑車7に引っ掛けられたロープ5を牽引するためのウインチ8と、が設けられる。
船舶Sの端部に設けられた支柱6に滑車7が吊り下げされ、この滑車7にロープ5の基端側(一端側)が引っ掛けられた状態でウインチ8に巻回される。よって、ロープ5の先端側(他端側)に籠2を接続し、ロープ5を引き出すようにしてウインチ8を回転させることにより、ロープ5が滑車7に案内されながら籠2が水中102を降下する(図2(a)参照)。
籠2が水底部101まで降下した後、ロープ5の基端側をウインチ8から取り外してフロート9に接続し、そのフロート9を海100に投げ入れることで籠2の設置が完了する(図2(b)参照)。フロート9は、籠2の設置位置を示すためのブイ(浮標)である。この設置状態においては、籠2に接続されるアンカー10によって籠2の移動が制限されており、籠2が水底部101の所定位置(設置場所)に留められる。
籠2の内部には、袋体4(図1参照)に保持された充填物3が充填されているが、籠2の網目22と同様、袋体4にも内外へ水を通過させる複数の網目40が形成されている。よって、籠2の網目22及び袋体4の網目40に海水が通過可能となっているため、袋体4に保持された充填物3に藻類を付着させることができる。よって、籠2を水底部101に設置後、所定時間(充填物3に付着した藻類の生育に十分な時間)が経過すると、その藻類(海藻)を餌にする魚介類が籠2の周囲に集まるため、籠2の周囲に良好な漁場を形成できる。
籠2が水底部101に設置された設置状態においては、ロープ5の基端側がフロート9の固定されているため、籠2を回収する際には、フロート9から取り外したロープ5の基端側を船舶S上のウインチ8によって牽引する(図2(c)参照)。この際、船舶Sには滑車7が設けられているため、その滑車7に引っ掛けたロープ5をウインチ8で牽引することにより、その牽引されるロープ5を滑車7によって案内できる。また、ウインチ8ではなく、人力でロープ5を牽引する場合においても、その牽引されるロープ5を滑車7で案内できる。このように、船舶Sに滑車7を設け、その滑車7に引っ掛けたロープ5の基端側をウインチ8や人力で牽引することにより、籠2を容易に回収できる。
ここで、上述した通り、籠2の内部には袋体4に保持された充填物3が充填されているが、その袋体4が生分解性樹脂を用いて形成されているため、籠2を水底部101に設置してから所定時間が経過すると袋体4が水中102の微生物によって分解される。この場合、籠2の網目22の開口寸法L2(図1参照)は、充填物3の粒径(外形寸法)よりも大きく設定されるので、袋体4が分解した場合には、袋体4に保持されていた充填物3が籠2の網目22から外部に放出される。
よって、籠2を水底部101に設置した状態から回収した場合、籠2から水中102に放出された充填物3が水底部101に堆積するようになっている(図2(c)参照)。籠2を水底部101に設置してから所定時間後の充填物3には藻類(海藻)が付着しているため、その藻類が付着した充填物3が水底部101に堆積することにより、籠2を回収した後においても、その籠2が設置されていた場所(堆積した充填物3の周囲)に漁場を形成できる。
このように、本実施形態では、充填物3に付着した藻類が十分に生育するまでの間(以下、「藻類の生育時間」と記載する)、籠2の内部に充填物3を留めておく一方、藻類の生育時間の経過後は、籠2から充填物3を放出させるように構成されている。つまり、充填物3を保持する袋体4は、藻類の生育時間が経過するまでの間、籠2から充填物3が流れ出ないようにするためのものである。
この場合、袋体4の網目40の開口寸法L1(図1参照)が充填物3の粒径よりも多少大きい場合であっても、ある程度は充填物3の流出は防止できる。しかし、本実施形態では、藻類の生育時間が経過するまでの間は籠2の内部に充填物3を確実に留めておくために、袋体4の網目40の開口寸法L1が充填物3の粒径(外形寸法)よりも小さく設定されている。これにより、藻類の生育時間中に充填物3が袋体4の網目40から流れ出ることを抑制できるので、充填物3に付着した藻類を十分に生育させた上で、充填物3を籠2の外部に放出することができる。よって、籠2を回収した後においても、水底部101に堆積した充填物3の周囲に良好な漁場を形成できる。
なお、袋体4の網目40の開口寸法L1は、充填物3の粒径よりも小さいことが好ましいが、例えば、5mm以上100mm以下に設定すれば良い。その網目40の開口寸法L1よりも大きい粒径の充填物3を袋体4で保持すれば、籠2の内部に充填物3が留まり易くなる。
一方、藻類の生育時間の経過後に籠2を回収する際には、全ての充填物3を籠2の外部に放出することが好ましいため、籠2の網目22の開口寸法L2(図1参照)は、袋体4の網目40の開口寸法L1(即ち、充填物3の外形寸法)よりも大きく設定されている。これにより、袋体4の分解後に籠2を回収した場合には、藻類が付着した充填物3の大半(又は全て)を籠2の外部に放出させることができる。よって、水底部101に堆積した充填物3の周囲に良好な漁場を形成できる。
また、木炭からなる充填物3が水底部101に堆積するため、木炭に含まれるミネラルにより、貝類の生育に適した土壌が水底部101に形成され易くなる。よって、その貝類や、貝類を餌にする魚類が集まり易くなるので、水底部101に堆積した充填物3の周囲に漁場が形成され易くなる。
なお、籠2の回収は、袋体4が分解される前、即ち、袋体4に充填物3が保持された状態で行っても良い。袋体4に充填物3が保持された状態で籠2を回収した場合には、籠2から袋体4を取り出すことで多数の充填物3をまとめて回収できる。また、回収した籠2は、再度充填物3を充填して回収前と同じ場所に設置しても良いし、回収前とは異なる場所に設置しても良い。いずれの場合においても籠2を繰り返し利用することができる。また、籠2を設置する場合、滑車7やウインチ8を用いることなく、籠2を海100に投げ入れても良い。
次いで、図3を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態の人工漁礁1(籠の回収システム)では、水底部101に設置される設置状態において籠2がフロート9に接続される場合を説明した。これに対して第2実施形態の人工漁礁201(籠の回収システム)では、かかる設置状態において籠2が海100の沿岸部103に接続される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図3(a)は、籠2を水中102に設置する様子を示す人工漁礁201の模式図であり、図3(b)は、籠2が水中102に設置された状態を示す人工漁礁201の模式図であり、図3(c)は、籠2が水中102に設置されてから所定時間が経過した状態を示す人工漁礁201の模式図である。なお、図面を簡素化するために、図3では、人工漁礁201を模式的に図示している。
図3に示すように、第2実施形態の人工漁礁201(籠の回収システム)は、充填物3を充填した籠2が海100の水中102に浮いた状態で設置される。このように、籠2を水中102に浮いた状態で設置することにより、その設置高さでの生育に適した魚類が籠2の周囲に集まり易くなる。
籠2の上面には滑車224が固定され、ロープ5の先端側は、滑車224に引っ掛けられた状態で沿岸部103に固定される。沿岸部103は、海100に形成される防波堤である。
沿岸部103の端部に設けられた支柱6には滑車7が吊り下げされ、籠2を水中に設置する際には(図2(a)参照)、滑車7にロープ5の基端側が引っ掛けられた状態でウインチ(図示せず)に巻回される。よって、ロープ5を引き出すようにしてウインチを回転させることにより、ロープ5の先端側に接続された籠2が降下して水中102に設置される。
この場合、籠2の上面には滑車224が固定され、ロープ5の先端側が滑車224に引っ掛けられた状態で沿岸部103に固定されているため、滑車224を動滑車として機能させることができる。よって、ロープ5を支えながら籠2を降下させる(籠2をゆっくりと降下させる)場合や、ロープ5を牽引して籠2の回収する場合に必要となる力を低減できる。よって、例えば、人力で籠2の設置や回収を行う場合に、それらの作業における労力を低減できる。
籠2を水中102に設置後、ロープ5の基端側をウインチ(図示せず)から取り外して支柱6に固定することで籠2の設置が完了する(図2(b)参照)。このように、ロープ5の基端側を滑車7に引っ掛けた状態で支柱6に固定することにより、籠2の回収時にロープ5を滑車7に引っ掛ける作業を不要にできる。即ち、籠2の回収時には、支柱6に対する固定状態を解除したロープ5を牽引するだけで良いため、籠2を容易に回収できる。
更に、ロープ5の基端側を滑車7に引っ掛けた状態で支柱6に固定することにより、滑車7を沿岸部103に固定するための機能と、ロープ5の基端側を沿岸部103に固定するための機能とを支柱6に兼用させることができる。
また、上述した第1実施形態と同様、籠2の網目22の開口寸法L2(図1参照)は、充填物3の粒径(外形寸法)よりも大きく設定されているため、籠2を水中102に設置してから藻類の生育時間が経過すると、袋体4(図1参照)が微生物によって分解されて充填物3が籠2の外部に放出される(図3(c)参照)。本実施形態では、籠2が水中102に浮いた状態で設置されるため、袋体4が分解されると、籠2から放出された充填物3が水底部101に向けて降下する。これにより、藻類が付着した充填物3を水底部101に堆積させることができるので、その堆積した充填物3の周囲に漁場を形成できる。
更に、籠2が水中102に浮いた状態で設置されているため、籠2から充填物3が放出された場合には、ロープ5の両端側と沿岸部103(支柱6や滑車7)との接続部分に加わる荷重が低減する。これにより、例えば、その荷重を計測する(荷重の変化を監視する)センサ等を設けることにより、袋体4が分解されて充填物3が籠2から放出されたこと、即ち、籠2が空になったことを容易に判別できる。よって、水中102に潜って籠2の状態を確認することなく、籠2を回収するタイミングであるか否かを容易に判断できる。
以上、上記実施形態に基づき本考案を説明したが、本考案は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態では、籠2の設置場所として海100を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、川、湖または干潟に籠2を設置しても良い。干潟に籠2を設置した場合には、干潮時に陸地となった水底部に籠2が露出するので、籠2を回収すべき時期であるか否かを容易に判別できる。
上記各実施形態では、籠2が設置される沿岸部103の一例として防波堤を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、沿岸部103の他の例として、堤防や岩場が例示される。即ち、沿岸部103とは、水域沿いに位置する場所であって、籠2の設置や回収作業を行うことができる場所である。
上記各実施形態では、籠2が金網を用いて形成される網籠である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属製のフレームを用いて籠2を形成しても良い。即ち、籠2は、少なくとも籠2の内外に水が通過可能な開口部を有し、且つ、充填物3を保持できる枠体であれば良い。
上記各実施形態では、籠2に充填される充填物3の一例として木炭を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、充填物3は、貝殻、木材またはコンクリート等、公知の人工漁礁に用いられる充填物であっても良い。
上記各実施形態では、籠2の網目22の開口寸法L2が、袋体4の網目40の開口寸法L1(充填物3の外形寸法)よりも大きい場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、籠2の網目22の開口寸法L2は、袋体4の網目40の開口寸法L1(充填物3の外形寸法)と同一、又はそれより小さく設定しても良い。
なお、籠2や袋体4の網目22,40の開口寸法L1,L2とは、網目22,40(開口部)の内周に内接するように描いた円のうち、最大となる円の直径である。また、充填物3の外形寸法とは、充填物3の表面に外接するように描いた円のうち、最小となる円の直径であり、例えば、充填物3が細長い円柱状であれば、その円柱の直径が充填物3の外形寸法である。
上記各実施形態では、袋体4に保持された充填物3を籠2に充填する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、袋体4を省略し、充填物3を籠2に直接充填しても良い。
上記各実施形態では、袋体4の網目40の開口寸法L1が充填物3の外形寸法よりも小さい場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、袋体4の網目40の開口寸法L1は、充填物3の外形寸法と同一、又はそれより大きく設定しても良い。即ち、袋体4の網目40の開口寸法L1は、充填物3の形状に応じて適宜設定すれば良く、袋体4によって多数の充填物3を保持できる(袋体4の外部に充填物3が流出しない)程度の寸法に設定すれば良い。
上記各実施形態では、袋体4が生分解性樹脂を用いて形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、袋体4は、生分解性樹脂以外の材料であって、実質的に微生物によって分解されない材料(例えば、合成樹脂製の繊維、植物性の繊維または金属製の網等)を用いて形成しても良い。微生物によって分解されない材料を用いて袋体4を形成した場合には、袋体4に充填物3が保持された状態で籠2を回収できるので、籠2から袋体4を取り出すことで多数の充填物3をまとめて回収できる。よって、充填物3の取り換えを容易にできる。
上記各実施形態では、袋体4が網袋である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、袋体4は、少なくとも袋体4の内外に水が通過可能な開口部を有し、且つ、充填物3を保持できる袋状であれば良い。
上記各実施形態では、籠2に接続される索状体の一例としてロープ5を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、鎖等、他の索状体を籠2に接続する構成でも良い。
上記各実施形態では、籠2の回収時にロープ5を案内する第1プーリーとして、滑車7(それ自体が動力を持たず、ロープ5に従動するもの)を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1プーリーの他の例として、公知のガイドローラーや、回転可能な動力を有するプーリーが例示される。
上記各実施形態では、滑車7が支柱6(固定手段)に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、滑車7を支柱6に着脱可能に構成することは当然可能である。よって、例えば、上記第1実施形態において、支柱6から取り外した滑車7をフロート9に固定する構成でも良い。この構成の場合には、ロープ5の基端側を滑車7に引っ掛けた(巻き付けた)状態で固定すれば良い。また、上記第2実施形態において滑車7を支柱6に着脱可能とする場合には、設置状態においてロープ5の基端側を滑車7から取り外して支柱6(沿岸部103)に固定する構成でも良い。
上記各実施形態では、滑車7が固定される固定手段としてL字状の支柱6を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。ロープ5を案内可能な状態で滑車7を固定できるものであれば、固定手段は公知の構成を採用できる。
上記第1実施形態では、ロープ5の基端側が接続される浮体として、ブイからなるフロート9を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、メガフロートのような人の足場となり得るフロートにロープ5を接続する構成でも良い。この構成の場合には、第2実施形態と同様、滑車7を固定するための支柱6(固定手段)をフロートに設け、ロープ5の基端側を滑車7に引っ掛けた状態で支柱6に固定しても良い。
1,201 人工漁礁
2 籠
22 網目(開口部)
224 滑車(第2プーリー)
3 充填物
4 袋体
40 網目(開口部)
5 ロープ(索状体)
6 支柱(固定手段)
7 滑車(第1プーリー)
9 フロート(浮体)
10 アンカー
101 水底部
102 水中
103 沿岸部
L1 袋体の網目(開口部)の開口寸法
L2 籠の網目(開口部)の開口寸法
2 籠
22 網目(開口部)
224 滑車(第2プーリー)
3 充填物
4 袋体
40 網目(開口部)
5 ロープ(索状体)
6 支柱(固定手段)
7 滑車(第1プーリー)
9 フロート(浮体)
10 アンカー
101 水底部
102 水中
103 沿岸部
L1 袋体の網目(開口部)の開口寸法
L2 籠の網目(開口部)の開口寸法
Claims (11)
- 一端側が沿岸部または浮体に固定される索状体と、その索状体の他端側に接続され内部に所定の充填物が充填される籠と、その籠に接続され前記籠を水中の所定位置に留めるためのアンカーと、を備え、前記籠が、内外へ水を通過させる複数の開口部を有する人工漁礁における籠の回収システムにおいて、
水中に設置された設置状態からの前記籠の回収時に、前記索状体の一端側が引っ掛けられる第1プーリーを備え、
前記籠の回収時に前記索状体の一端側が牽引された場合に、前記第1プーリーの回転によって前記索状体が案内されることを特徴とする籠の回収システム。 - 内外へ水を通過させる複数の開口部を有し内部に前記充填物を保持可能な袋体を備え、
前記袋体が前記籠に収容されることを特徴とする請求項1記載の籠の回収システム。 - 前記袋体の開口部の開口寸法は、前記充填物の外形寸法よりも小さく設定されることを特徴とする請求項2記載の籠の回収システム。
- 前記袋体の開口部の開口寸法は、5mm以上100mm以下に設定されることを特徴とする請求項3記載の籠の回収システム。
- 前記袋体は、生分解性樹脂を用いて形成され、
前記籠の開口部の開口寸法は、前記充填物の外形寸法よりも大きく設定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の籠の回収システム。 - 前記籠の開口部の開口寸法は、前記袋体の開口部の開口寸法よりも大きく設定されることを特徴とする請求項5記載の籠の回収システム。
- 前記籠は、水底部から浮いた状態で水中に設置されることを特徴とする請求項6記載の籠の回収システム。
- 前記籠に固定される第2プーリーを備え、
前記索状体の他端側は、前記設置状態において前記第2プーリーに引っ掛けられた状態で前記沿岸部または前記浮体に固定されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の籠の回収システム。 - 前記索状体の一端側は、前記設置状態において前記第1プーリーに引っ掛けられた状態で前記沿岸部または前記浮体に固定されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の籠の回収システム。
- 前記沿岸部または前記浮体に設置され前記第1プーリーが固定される固定手段を備え、
前記索状体の一端側は、前記設置状態において前記第1プーリーに引っ掛けられた状態で前記固定手段に固定されることを特徴とする請求項9記載の籠の回収システム。 - 前記籠には、前記充填物として木炭が充填されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の籠の回収システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020003492U JP3228528U (ja) | 2020-08-18 | 2020-08-18 | 籠の回収システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020003492U JP3228528U (ja) | 2020-08-18 | 2020-08-18 | 籠の回収システム |
Publications (1)
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JP3228528U true JP3228528U (ja) | 2020-10-29 |
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ID=72916058
Family Applications (1)
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JP2020003492U Active JP3228528U (ja) | 2020-08-18 | 2020-08-18 | 籠の回収システム |
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JP (1) | JP3228528U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117158388A (zh) * | 2023-10-09 | 2023-12-05 | 珠江水利委员会珠江水利科学研究院 | 针对齐氏罗非鱼的饵料诱捕方法 |
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2020
- 2020-08-18 JP JP2020003492U patent/JP3228528U/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117158388A (zh) * | 2023-10-09 | 2023-12-05 | 珠江水利委员会珠江水利科学研究院 | 针对齐氏罗非鱼的饵料诱捕方法 |
CN117158388B (zh) * | 2023-10-09 | 2024-05-10 | 珠江水利委员会珠江水利科学研究院 | 针对齐氏罗非鱼的饵料诱捕方法 |
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