JP3227462B2 - 均一ヒドロゲルコポリマーの製法 - Google Patents

均一ヒドロゲルコポリマーの製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロゲル膜として、
それを介して水性媒質中の活性化合物が拡散する場合に
有用である均一ヒドロゲルコポリマーの製造方法に関す
る。一つの態様において、本発明は、生体植込み材料の
ような、それに含まれた薬剤をヒドロゲルコポリマー膜
を介して予め決定された速度で生体環境へ拡散させる薬
剤送出装置で用いるのに特に適応可能である、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)およびそれと共
重合性の少なくとも1種類のエチレン性不飽和親水性モ
ノマーの水不溶性で水膨潤性の均一ヒドロゲルコポリマ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン性不飽和親水性モノマーを、追
加のエチレン性不飽和疎水性モノマーと一緒に/を含ま
ずに重合してヒドロゲルポリマーを製造することができ
ることは文献で周知である。文献は、更に、薬剤などの
活性化合物がヒドロゲル膜を介して送出環境へ拡散する
ことを実証する研究で充実している。
【0003】米国特許第3,767,790号明細書
に、1種類または複数種類の微生物、例えば細菌または
酵母を親水性ポリマーに閉じ込めることができる粉末、
錠剤、丸剤またはカプセル剤の形態で、それらの微生物
が活動することができる環境中に放出するための製品の
製法が開示されている。メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル単独のまたはアクリルアミド若しくはビニルピロリ
ドンとの組合わせの水膨潤性ポリマーは、その特許で開
示された多数のポリマーマトリックスを例示するもので
ある米国特許第3,808,686号明細書に、義歯に
用いて義歯による口臭を除去するための、水不溶性で有
機溶媒可溶性の親水性ポリマーの有機溶液の製法が開示
されている。開示された多数のポリマーの中には、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチルのホモポリマーおよびア
クリル酸2−ヒドロキシエチルのホモポリマー;アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸メチルの
コポリマー;メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび
ビニルピロリドンのコポリマー;等がある。その特許権
所有者は、水溶性着香剤または芳香が加えられるエチル
アルコールなどの適当な無毒性揮発性溶媒中にポリマー
を溶解させることを開示している。
【0004】米国特許第3,780,003号明細書
に、メタクリル酸ヒドロキシアルキルまたはアクリル酸
ヒドロキシアルキルと、メタクリル酸アルコキシアルキ
ルまたはアクリル酸アルコキシアルキルとのコポリマー
の透湿性薄膜およびコーティングが開示されている。例
として、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよびアク
リル酸メトキシエチルのコポリマー;メタクリル酸2−
ヒドロキシエチルおよびアクリル酸エトキシエチルのコ
ポリマー;並びにアクリル酸ヒドロキシエチルおよびメ
タクリル酸エトキシエチルのコポリマーが挙げられる。
薄膜およびコーティングとしてのポリマーは、接着剤、
医療用および手術用分野で有用である。
【0005】米国特許第4,298,002号明細書
に、生物学的活性組織を含んでいてそれを放出するため
の室および装置の製造において有用な親水性材料が開示
されている。代表的なポリマーとして、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチルおよびモノマー、例えばN−ビニル
ピロリドン、アクリルアミド等に架橋剤として二メタク
リ酸エチレングリコールを加えた混合物から製造される
ものが挙げられる。
【0006】米国特許第3,660,563号明細書
に、芳香、薬剤、石鹸等を閉じ込めて含んでいる水溶性
ポリマーが開示されている。アクリル酸ヒドロキシ(C
〜C)アルキルまたはメタクリル酸ヒドロキシ(C
〜C)アルキルおよびエチレン性不飽和共重合性モ
ノマーのポリマーが開示されている。共重合性モノマー
は、水溶性コポリマーを製造するのに十分な量で用いら
れる。
【0007】米国特許第4,303,066号明細書
に、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒド
ロキシアルキル、ビニルピロリドンおよび/またはメタ
クリル酸アルコキシアルキルの、水膨潤性、水不溶性、
アルコール膨潤性の粒状ポリマーが開示されている。粒
状のホモポリマーまたはコポリマーは、バーンドレッシ
ング(burn dressing)の成形に有用な二
包装システムで用いられる。
【0008】米国特許第3,641,237号明細書
に、水溶性または水浸出性薬剤のための優れた拡散バリ
ヤーを有する親水性ポリマー性薄膜の製法が開示されて
いる。その薄膜は、少なくとも1種類のメタクリル酸ア
ルコキシアルキルまたはアクリル酸アルコキシアルキル
を、少量のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルまたはア
クリル酸ヒドロキシプロピルと一緒に/を含まずに重合
することによって製造される。
【0009】米国特許第4,517,138号明細書
に、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルをアクリルアミ
ドと一緒に/を含まずに有する混合物を回転注型するこ
とによって製造されたヒドロゲルコンタクトレンズの製
法が開示されている。
【0010】ある種の製剤を投与する場合、長期間の薬
剤送出は、一定の血清濃度が得られ且つ患者の協力が得
やすいという点で効果的であることが分かっていた。薬
剤送出装置からの活性物質の放出を遅らせることも、送
出環境の配置による即時放出の結果、植込み部位で薬剤
の許容し得ない高い初期濃度を生じることがあるという
点で望ましい。
【0011】潜在的な生物医学的用途(ある種の薬剤送
出装置での可能な用途など)のために合成ヒドロゲルを
試験することで、拡散の機序に関する様々な理論が生じ
た。リー(Lee)、ジョン(John)およびアンド
レード(Andrade)は、ポリHEMAと略記され
ることが多いポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル)を用いるモデルとして、ヒドロゲル中に3種類の水
が存在することを提唱した[Nature of Wa
ter in Synthetic Hydrogel
s,J.Colloid & Interface S
ci.,51(2):225〜231(1975)]。
「Z水」と称されるヒドロゲル含水率の最初の20%
は、ポリマーマトリックスに結合していることが示され
た。次の、界面または「Y水」と称される含水率10〜
12%は、ポリマーマトリックスによって部分的に影響
を受ける。ゲルによって吸収された更に別の水分はいず
れもポリマーマトリックスによって比較的影響されない
ものであり、それをバルクまたは「X水」と称する。
【0012】リーらのモデルは、キム(Kim)、カー
ディナル(Cardinal)、ウィスニウスキー(W
isniewski)およびゼントナー(Zentne
r)によって発展された[Solute Permea
tion ThroughHydrogel Memb
ranes;Hydrophilic vs.Hydr
ophobic Solutes,ACS Sympo
sium Series(Water in Poly
mers),127(20:347〜359(198
0)]。それらの結論は、ヒドロゲル膜を介する親水性
溶質の拡散係数は分子の大きさおよび含水率に依存する
ということであった。すなわち、純粋なポリHEMA中
および低モル%の二メタクリル酸エチレングリコールと
架橋したポリHEMA中での透過はその細孔機構によ
る、すなわち、バルク型の水によるものであった。疎水
性溶質は、細孔機構および分配機構双方によって、すな
わち、それぞれバルク型水を介して並びに界面型水およ
び結合型水を介して拡散することが示された。
【0013】ウッド(Wood)、アトウッド(Att
wood)およびコレット(Collet)は、ヒドロ
ゲル中の小型の疎水性分子であるサリチル酸(溶質)の
拡散モデルを記載した[The Influence
of Gel Formulation on the
Diffusion of SalicylicAc
id in PolyHEMA Hydrogels,
J.Pharm.Pharmacol.,34:1〜4
(1982)]。放射性標識したサリチル酸は、HEM
Aモノマー溶液に加えられ且つ現場で重合された。得ら
れたゲルの含水率が測定された。拡散は、試料ゲルと接
触して配置されたゲルへの溶質の移行量を定量すること
によって測定された。拡散は、主として、水和性液体に
よる更に多量の(31%を越える)水和でのポリマーの
細孔を介して生じることが結論づけられた。31%未満
の水和量では、拡散は、ポリマーセグメント内の溶質の
溶解によって生じることが示された。すなわち、架橋剤
の濃度には、拡散に対する有意の効果が全くなかった。
これは、水和%に比例する細孔度の変化に相関した。細
孔度および拡散の相互作用についてのもう一つの論述に
ついては、ウィスニウスキーおよびキム[J.Memb
rane Sci.,6:299〜308(198
0)]を参照されたい。
【0014】微孔質膜(ヒドロゲルを含むもの)は、例
えば、ネス(Ness)による米国特許第3,416,
530号明細書、同第3,618,604号明細書およ
び同第3,828,777号明細書;クリメント(Kl
iment)らによる米国特許第3,551,556号
明細書;ミューラー(Mueller)らによる米国特
許第4,548,990号明細書に記載の、植込み材
料、眼用挿入物、コートされた子宮内装置等を含むこの
種の装置のための速度制限バリヤーとして用いられた。
【0015】ザファロニ(Zaffaaroni)によ
る米国特許第3,993,072号明細書、同第3,9
48,254号明細書および同第3,854,380号
明細書に、薬剤を含有し且つポリマー性膜から成形され
た壁で取り囲まれた固体内マトリックスを含む薬剤送出
装置が開示されている(米国特許第3,993,072
号明細書および同第3,948,254号明細書の特許
では、細孔に薬剤放出速度調節基剤を含んでいる微孔質
膜を必要とする)。
【0016】いくつかの持効性放出装置が、ポリペプチ
ドなどの親水性高分子の送出用に開示された。例えば、
チャーチル(Churchill)らによる「連続放出
処方(Continuous Release For
mulations)」と称する欧州特許出願公開第
0,092,918号明細書に、例えば、黄体形成ホル
モン放出ホルモン、成長ホルモンおよび成長ホルモン放
出因子を、疎水性成分が生分解性であり且つ親水性成分
が生分解性であってもよいしまたは生分解性でなくても
よい疎水性/親水性非架橋コポリマーから連続的に放出
することが記載されている。組成物は、水性の生理学的
種類の環境に置かれた場合にヒドロゲルを形成するため
の水を吸収することができると記載されている。
【0017】サンダーズ(Sanders)およびドム
(Domb)の名義で1987年11月25日公開の欧
州特許出願公開第0246653号明細書に、薬学的に
許容し得る担体と、前記の担体と混合される分子量が少
なくとも1000の高分子、例えば黄体形成ホルモン放
出ホルモンポリペプチドおよびその類似物と、薬剤およ
び担体を取り囲みまたは包み込む非生分解性のヒドロゲ
ル速度制限膜とを含む薬剤送出装置が開示されている。
特許出願人は、親水性モノマー50〜100モル%、疎
水性モノマー0〜50モル%および架橋剤0〜10モル
%から製造された架橋ポリマーおよび非架橋ポリマーの
比率を変更して、用いられる高分子組成物に対する膜を
製造することができることを開示している。特許出願人
は、「例えば、非架橋親水性ホモポリマーは、最大の細
孔度および膨潤する最大の能力を有すると予想される
が、最終的には溶解する傾向があると考えられる。架橋
剤を加えることは、ヒドロゲルをある程度更に硬質にし
且つヒドロゲルの膨潤性を制限し、それによって間隙空
間の膨脹を制限すると考えられる。疎水性コモノマーを
加えることにより、その制限がなお一層増大すると考え
られる。」と記載している。特許出願人の実施例で、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルの架橋および非架橋ホ
モポリマー;並びにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル
およびメタクリル酸メチルのコポリマーの製法が開示さ
れている。
【0018】デビッドソン(Davidson)、ド
ム、サンダースおよびマックレー(McRae)は、ポ
リHZMAおよびHEMA/メタクリル酸メチルコポリ
マーのヒドロゲル膜を、LHRHの類似物の調節送出用
に用いることができることを開示している。シリコーン
油中に分散した過剰のLHRH類似物(RS−4994
7)を含んでいる架橋ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル)の円筒形植込み装置が数頭のビーグル犬に1
年間植え込まれた。若干の装置は、ヒドロゲルポリマー
の機械的強度が低いために、その1年間の間完全なまま
で残らなかったが、しかしながら、完全なままで残って
いるこのような装置の内、雌のビーグル犬の発情が抑制
されたものがあった[Hydrogels for C
ontrolled Release of Pept
ides,Proceed.Intern.Symp.
Cont.Rel.Bioact.Mater.,1
5,(1988),Controlled Relea
se Society,Inc.]。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エチレン性
不飽和親水性モノマーAおよびそれと共重合性のエチレ
ン性不飽和親水性モノマーBを含む混合物を付加重合す
ることによって生成された、予め決定された平衡含水率
(以下、「EWC」と称することが多い)を有する均一
親水性コポリマーを製造する方法であって、前記のコポ
リマーがヒドロゲル膜として、それを介して水性媒質中
の選択された活性化合物が予め決定された速度で拡散す
る場合に有用であり、 a.モノマーAのヒドロゲルホモポリマー(「ホモポリ
マーA」)およびモノマーBのヒドロゲルホモポリマー
(「ホモポリマーB」)のEWC値を決定し; b.モノマーAおよびモノマーBの混合物の均一ヒドロ
ゲルコポリマー(「コポリマーAB」)のEWC値対前
記のコポリマーABの化学組成の関係を決定し; c.
目標のEWC値を選択し且つこの目標のEWC値を有す
る均一コポリマーABの化学組成を決定し; d.前記のモノマーAおよび前記のモノマーBを、目標
のEWC値を有する前記の均一コポリマーABを生じる
のに十分な量で含んでいる重合性混合物を生成し; e.前記の重合性混合物に、ヒドロゲル膜として、それ
を介して水性媒質中の選択された活性化合物が予め決定
された速度で拡散する場合に用いるための目標のEWC
値を有する前記の均一コポリマーABを生成するのに十
分な時間重合条件を施すこと;を特徴とする前記の方法
に関する。
【0020】最も好ましい態様において、本発明は、本
明細書中に記載した用途のための、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル(「HEMA」)およびメタクリル酸ヒ
ドロキシプロピル(「HPMA」)の均一親水性コポリ
マーを製造する方法に関する。 したがって、目的とし
ては、EWC値が予め決定された均一親水性コポリマー
ABを、薬剤などの選択された活性化合物が、このよう
なコポリマーABから二次加工されたヒドロゲル膜を介
して持続され予め決定された速度で拡散することを可能
にするように注文通りに製造することである。ヒドロゲ
ルコポリマーマトリックスは、親水性の反復単位から本
質的に成り、約20〜25〜約70〜75重量%の範囲
のEWC値でのコポリマー−水の界面自由エネルギーは
低い。ヒドロゲル植込み材料の形態のこの種のコポリマ
ーは、優れた生体適合性およびカルシウム沈着に対する
十分な耐性を示し、したがって、好ましい。
【0021】種々の濃度の架橋剤、例えば二メタクリル
酸エチレングリコール(「EGDMA」)を用いて架橋
ヒドロゲルポリHEMAを製造することが知られてい
る。かつて論及されたEPO公開第0246653号明
細書に、EWC値が、非架橋ポリHEMAのための3
9.1重量%〜5モル%のEGDMAで架橋したポリH
EMAのための22.8重量%である一連の非架橋およ
び架橋ホモポリマーが開示されている。EGDMAなど
の架橋剤の濃度を上昇させることを必要とする方法によ
っておよび/またはメタクリル酸メチルなどのエチレン
性不飽和疎水性コモノマーを重合反応混合物に加えるこ
とによってHEMAのヒドロゲルポリマーのEWC値を
低下させると、HEMAのヒドロゲルポリマーに望まし
くない疎水性セグメントが混入する。HEMAのホモポ
リマー中のEGDMA架橋結合を漸進的に増加させる
と、ホモポリマーの脆性が増大し且つ柔軟性が低下す
る。これらのHEMAのホモポリマーは、HEMAおよ
びEGDMAの不均一コポリマーであることが更に適切
に考慮される。
【0022】HEMA、疎水性コモノマーおよび架橋剤
の混合物の重合により不均一コポリマー(極性に関し
て)を生じる。この特徴は、EGDMAなどの無極性架
橋剤を重合反応混合物中で用いる場合、それが、ポリマ
ー生成中に、得られたコポリマーの無極性疎水性領域で
濃縮してその架橋密度勾配を生じがちであるので、特に
望ましくない。構造が不均一であるコポリマーは、疎水
性セグメントでの過架橋および疎水性セグメントでの架
橋不足を特徴とし、それによって、弱く且つ脆い性質を
ポリマーに与える。更に、不均一架橋コポリマーの界面
自由エネルギー値は、僅かに架橋したポリHEMAに配
分された値よりも著しく大きい。
【0023】一つの実施態様において、本発明は、予め
決定された平衡含水率値を有する同心コアを備えた一様
な、均一の、水不溶性、水膨潤性コポリマーの円筒形製
品を製造する方法であって、前記の製品が、エチレン性
不飽和親水性モノマーAおよびそれと共重合性のエチレ
ン性不飽和モノマーBを含む混合物の付加重合によって
生成され、前記のコポリマーの製品が、送出装置から送
出環境への活性物質の持効性放出のための送出装置にお
いて有用であり、 a.モノマーAおよびモノマーBを、予め決定された平
衡含水率値を有する均一コポリマーABを生成するのに
十分な量で含んでいる重合性液体混合物を生成し; b.予め決定された量の前記の重合性液体混合物を重合
カラムの開口端に導入し; c.前記の重合カラムを、地面に対してほぼ平行に保持
されたその軸線の回りに、前記の重合性液体混合物を半
径方向外側に移動させて、前記のカラム内の予め決定さ
れた中空円筒液体形状にするのに十分な速度で回転さ
せ; d.重合カラムを重合反応条件下で保持して、予め決定
された液体形状の前記の重合性混合物を予め決定された
固体中空円筒形状に変換し;そして e.予め決定された平衡含水率値を有し且つ円筒形のコ
アまたは容器と、内部および外部円筒面が平滑で前記の
両面の間の厚みが一様であることを更に特徴とするコポ
リマーの円筒形製品を回収すること;を特徴とする前記
の方法に関する。
【0024】一つの態様において、本発明は、一様な円
筒形コポリマーのカートリッジであって、予め決定され
たEWC値と、その外部および内部円筒面の間の実質的
に一様な厚み(Do−Di=定数値であり、但し、Do
はカートリッジの外径を表わし且つDiはカートリッジ
の内径を表わす)と、カートリッジ全体に一様にまたは
均一に分布した細孔形成物質とを特徴とする前記のカー
トリッジを製造する方法に関する。本発明のこの態様に
おいて、モノマーA、モノマーBおよび細孔形成物質の
一様なまたは均一の重合性液体混合物を、目標のEWC
値を有する均一コポリマーを生じるのに十分な量で用い
て製造する。
【0025】別の態様において、本発明は、本明細書中
で開示した任意の方法によって製造された予め決定され
たEWC値を有する均一コポリマーキセロゲルまたは同
ヒドロゲル;このようなコポリマーから造形された製
品;このようなコポリマーを用いる装置または構造を製
造する方法;およびその装置または構造それ自体に関す
る。
【0026】本発明のもう一つの態様は、薬剤などの送
出装置からの活性物質の遅効性/持効性放出のための送
出装置を製造するための方法であって、 a.活性物質および、場合により、薬学的に許容し得る
担体を、前述した円筒形コポリマー成形体のコア(容
器)中に、送出環境中への前記の活性物質の持効性放出
を延長させるために十分な量で導入し; b.重合性液体材料を前記のコア中に、活性物質を覆う
かまたは円筒成形体の上部までコアを実質的に若しくは
完全に満たすのに十分な量で更に導入し、前記の重合性
液体材料のその重合された状態での平衡含水率値は円筒
成形体の平衡含水率値を上回り;そして c.前記の重合性材料を重合して、水膨潤性、水不溶性
ポリマーのプラグ(層)でコア開口部を効果的に密封す
ること;を特徴とする前記の方法に関する。
【0027】もう一つの態様において、本発明は、送出
環境への活性物質の遅効性/持効性放出のための薬剤送
出装置それ自体に関する。その装置は、本明細書中に記
載したキセロゲルまたはヒドロゲルの親水性コポリマー
のカートリッジ;カートリッジの開口端を密封し、それ
によって密閉されたコアを画成する親水性密封手段;送
出環境中に長時間にわたって連続的に放出されるのに十
分な量でコア中に含まれた活性物質(および場合によ
り、薬学的に許容し得る担体);水膨潤性、水不溶性、
平滑で、刻み目のない(unscored)外部および
内部円筒面並びに予め決定されたEWC値を特徴とする
前記のカートリッジ;そして水膨潤性、水不溶性および
前記のカートリッジの平衡含水率値を上回る平衡含水率
値を特徴とする前記の親水性密封手段を含む。
【0028】本発明のもう一つの態様は、前述した薬剤
送出装置を動物に、好ましくは、皮下に植え込むための
キットに関する。送出装置は、分解生成物が生体全体に
分散されないし、しかも活性化合物が比較的調節された
方法で送出環境中に放出されるので、長期間の植込みで
扱いやすい。非生分解性である装置は完全なまま残り、
しかも回収可能であり;放射性物質を装置の二次加工で
用いるかまたは容器中に含んで位置づけを容易にするこ
とができる。円筒形コアを画成する、好ましくは、先端
が丸くされたまたは弾丸様に造形された小型のロッドの
形態で、薬剤送出装置は、本明細書中で予想される1種
類または複数種類の用途に応じた滅菌済みキットとし
て、適当な皮下注射器様器具またはトロカールに収容す
ることができる。 本発明の更に別の態様は、円筒形薬
剤送出装置を、円形の穿孔によって動物の生体内に導入
して、前記の生体内への薬剤の持効性放出を与えるため
の方法であって、処置される生体の部分を選択し;生体
の生組織に、例えばトロカール様または皮下注射用針/
注射器様器具のカニューレを介して薬剤送出装置を植込
み;前記の送出装置は、親水性の速度制限円筒形プラス
チック製品の容器に密封された薬剤および場合により、
薬学的に許容し得る担体を含み;そして前記のカニュー
レを前記の生体から除去することを含む前記の方法に関
する。
【0029】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の一
つまたはそれ以上の目的は、本明細書中で記載した発明
を実施することによって得られるものである。
【0030】本発明の一つの目的は、円筒形コア、平滑
な刻み目のない円筒面、前記の両面の間の厚みの一様性
および予め決定されたEWC値を特徴とする優れた機械
的特性を有する円筒形プラスチック製品を遠心注型する
方法を提供することである。本発明のもう一つの目的
は、改良された表面特性およびインビボでの無機質化に
対する耐性を特徴とする、中に含まれている活性物質の
遅効性/持効性放出のための薬剤送出装置を提供するこ
とである。
【0031】本発明の更に別の目的は、予め決定された
EWC値を特徴とする中空円筒形製品の容器に含まれた
活性化合物(および場合により、薬学的に許容し得る担
体)を含み且つその一端が特有の漏れ防止用クロージャ
ー手段で密封された薬剤送出装置を提供することであ
る。
【0032】本発明の更にもう一つの目的は、薬剤送出
装置がその予め決定されたEWC値に対して水和したも
のおよび前記の装置を動物生体の選択された部分の皮下
に植え込むための注入装置を含む使い捨ての滅菌済みキ
ットを提供することである。本発明のもう一つの目的
は、特有の重合性システムを反応させて、予め決定され
た形状の均一親水性カートリッジを現場で成形した後、
後硬化およびアニールの操作を行って、優れた機械的結
着性を有する比較的応力の残留していないカートリッジ
を生じることを特徴とする、簡単で、促進的で、そして
原価効率の良い遠心注型法によって薬剤送出装置を二次
加工する場合に有用な予め決定されたEWC値および正
確な寸法を有する再現性のある親水性カートリッジを提
供することである。
【0033】本発明の別の目的は、予め決定された量の
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよび第二の親水性
モノマー、例えばメタクリル酸ヒドロキシプロピルを含
むモノマー性混合物を重合して、実質的に均一のポリマ
ー(特に、極性に関して)を生成することを含む方法に
よる薬剤送出装置において有用な予め決定された平衡含
水率値を特に特徴とし、予め決定されたEWC値を有
し、有害な無極性の疎水性領域を欠損し、そして機械的
強度および弾性が改良された膜として、特に、カートリ
ッジとして有用なキセロゲルまたはヒドロゲルの二次加
工品を提供することである。
【0034】本発明の更に別の目的は、薬学的に許容し
得る量の薬剤の生体環境に対する遅効性/持効性放出の
ための薬剤送出植込み材料で有用な目標のEWC値が予
め決定された親水性カートリッジを提供することであ
る。
【0035】本発明の更にもう一つの目的は、EWC値
が予め決定され且つ1種類または複数種類の水溶性の細
孔形成物質を均一に分散させて含んだ薄い一様な親水性
カートリッジであって、前記のカートリッジが薬剤送出
植込み材料において有用であり、前記の1種類または複
数種類の物質が水性媒質中に溶解するかまたは浸出する
ことによって除去されて、それによって前記のカートリ
ッジに多孔質構造を与える前記のカートリッジを提供す
ることである。
【0036】これらのおよび他の目的は、本明細書を考
慮することによって当業者に明らかになるものである。
【0037】好ましくは、重合反応は、重合カラム、例
えば、種々の材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ンおよびポリスチレンなどのプラスチック;ガラス;等
から二次加工された適当な中空チューブ中で行う。カラ
ムの内部の横断面積の形状は円形で且つ同一の直径であ
る。好ましい実施態様において、カラムは、カラムの重
合区域への放射線の透過をほとんど妨害しない材料から
二次加工される。パイレックス(Pyrex)などの
ガラスは、放射線を、1種類または複数種類の開始剤お
よび/または他の1種類または複数種類の触媒と一緒に
/を含まずに用いる場合の重合カラムに好ましい材料で
ある。
【0038】新規な親水性製品の製造において有用な液
体重合性材料として、様々な重合性、親水性、エチレン
性不飽和化合物、特に、親水性モノマー、例えば、アク
リル酸またはメタクリル酸と、エステル化可能なヒドロ
キシル基および少なくとも1個の追加のヒドロキシル基
を有するポリヒドロキシ化合物とのモノエステル、例え
ば、メタクリル酸およびアクリル酸のモノアルキレンポ
リオールおよびポリアルキレンポリオール、例えば、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸ジエチレングリコール、ア
クリル酸ジエチレングリコール、メタクリル酸プロピレ
ングリコール、アクリル酸プロピレングリコール、メタ
クリル酸ジプロピレングリコール、アクリル酸ジプロピ
レングリコール、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸
グリシジル、メタクリル酸グリセリル、アクリル酸グリ
セリル等;2−アルケンアミド、例えば、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等;N−アルキルおよびN,N−
ジアルキル置換アクリルアミドおよびメタクリルアミ
ド、例えば、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジ
メチルメタクリルアミド等;N−ビニルピロリドン;ア
ルキル置換N−ビニルピロリドン、例えば、メチル置換
N−ビニルピロリドン;N−ビニルカプロラクタム;ア
ルキル置換N−ビニルカプロラクタタム、例えば、N−
ビニル−2−メチルカプロラクタム、N−ビニル−3,
5−ジメチルカプロラクタム等が挙げられる。
【0039】親水性モノマーの混合物を重合反応で用い
る。モノマーの種類および比率を選択して、予想される
用途または利用法に望ましいEWC値を水和した場合に
有する均一ポリマー、好ましくは架橋均一ポリマーを生
成する。この値は、種々のモノマー比率を用いる一連の
コポリマー、例えば種々の比率のHEMAおよびHPM
Aの混合物を製造し、そのコポリマーのEWC値を確認
し、そしてHPMA/HEMAコポリマー中のHPMA
単位%(またはHEMA%)対コポリマーのEWC重量
%の関係をプロットすることによって予め決定すること
ができる。図6を参照されたい。円筒形植込み材料の形
態で造形され且つそれらのコアにLHRH−13を含む
コポリマーは水和することができ、次に、インビトロで
の溶離速度(μg/2cm/日)対各コポリマーのEW
C値の間の関係が決定される。図6aを参照されたい。
【0040】いくつかの場合において、ある種の親水性
モノマー性混合物の重合の結果、様々な程度に水性媒質
中で溶解する均一親水性コポリマーが生じることがあ
る。このような場合、少量の、例えば最大3%までの共
重合性ポリエチレン性不飽和架橋剤をモノマー性混合物
に含んで、水不溶性でしかも水膨潤性でもある均一架橋
コポリマーを得ることができる。HEMAの僅かに架橋
したホモポリマーのEWC値は約38%である。HEM
AおよびHPMAの架橋コポリマーのEWC値は38%
未満である。一方、HEMAおよびアクリルアミドの架
橋コポリマーは、38重量%以上、例えば約75重量%
およびそれ以上までのEWC値を示す。したがって、例
えば薬剤、すなわち、特定の用途のヒドロゲル送出シス
テムに必要とされる活性化合物の有用なまたは効果的な
溶離速度に応じて、当業者は、本明細書中に開示された
方法を行うことによって、必要な速度で薬剤を溶離する
コポリマーヒドロゲル膜を注文通りに製造することがで
きる。好ましいコポリマーはHEMA単位約25〜70
重量%および第二のエチレン性モノマーの単位約75〜
30重量%を含み且つ約25〜75重量%の範囲の予め
決定されたEWC値を有する。極めて好ましい均一コポ
リマーは、HPMA約30〜約75重量%、HEMA約
70〜約25重量%および少量のポリエチレン性不飽和
架橋剤、例えば三メタクリル酸トリメチロールプロパン
(「TMPTMA])を含む親水性モノマー性混合物か
ら製造されたものである。
【0041】本発明の種々の態様として、均一ポリマー
構造が、前記に記載した親水性モノマーの混合物を重合
することによって形成される均一親水性カートリッジ;
および送出システムにおいてその均一ポリマーカートリ
ッジを用いる新規な薬剤送出装置が挙げられる。親水性
モノマーおよび疎水性モノマーの混合物の重合により、
不均一ポリマーが生じる。疎水性セグメントがポリマー
中に存在する場合、界面自由エネルギーは増大し、それ
によって、動物に植込み後のタンパク質吸着および無機
質化が増大する。ポリHEMAのヒドロゲルの界面自由
エネルギーは0に近いことが測定された。界面自由エネ
ルギーの解釈により、厳密に親水性の成分のヒドロゲル
は、生体組織と生体適合性であると確信される。僅かに
架橋したポリHEMAは、(比較的少量の重合した架橋
剤が含まれることを無視すると)比較的固定された特性
または価値を有する均一の親水性「ホモポリマー」であ
る。「ホモポリマー」であるポリHEMAに対して更に
別の特性または性質を与えるようにそれを変更する技術
は困難で、時間を浪費し、そして不規則な性状の挙動を
生じることが多い。一方、HEMAと、種々の量の1種
類または複数種類の他の重合性親水性コモノマーとの混
合物を重合して、(予め決定された)注文通りの性質を
有する予測可能な均一の親水性コポリマーを生じること
ができる。
【0042】一つの実施態様において、細孔形成材料
は、重合性親水性材料と一緒に含まれることができる。
細孔成形体は液体または固体であり且つ反応基剤中に一
様に分布しているかまたは分散していることができる。
細孔成形体は有機または無機であることができ且つ抽出
または浸出によって親水性ポリマーの化学変化を全く伴
わずに、得られた親水性カートリッジから抽出すること
ができる。粒状形態の細孔成形体の寸法は、親水性ポリ
マーで望まれる多孔度に応じて、0.1ミクロン未満〜
数ミクロンであることができる。代表的な細孔成形体と
して、塩化ナトリウム、リン酸カリウム、硝酸カルシウ
ム、単糖類、多糖類等が挙げられる。
【0043】重合性反応基剤中に含まれることができる
有用な架橋剤として、例えば、少なくとも2個の重合性
エチレン部位を有するポリエチレン性不飽和化合物、例
えば、二、三および四エチレン性不飽和化合物、特に、
二不飽和架橋性化合物を含む/含まない三不飽和架橋
剤、例えば、ジビニルベンゼン、二メタクリル酸エチレ
ングリコール、二アクリル酸エチレングリコール、二メ
タクリル酸プロピレングリコール、二アクリル酸プロピ
レングリコール;および以下のポリオール、すなわち、
トリエタノールアミン、グリセロール、ペンタエリトリ
トール、1,1,1−トリメチルプロパンの二、三およ
び四アクリル酸エステルまたは同メタクリル酸エステ
ル;等が挙げられる。
【0044】重合反応は、バルクでまたは不活性溶媒を
用いて行うことができる。適当な溶媒として、水;有機
溶媒、例えば水溶性低級脂肪族一価アルコール並びに同
多価アルコール、例えばグリコール、グリセリン、ジオ
キサン等;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0045】重合性エチレン性不飽和化合物の触媒反応
において有用な化合物として、ビニル重合で一般的に用
いられる種類の遊離基化合物および/または開始剤、例
えば有機過酸化物、過炭酸塩、過酸化水素およびアルカ
リ金属硫酸塩が挙げられる。代表例として、クメンヒド
ロ過酸化物、t−ブチルヒドロ過酸化物、過酸化ベンゾ
イル、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキ
シ二炭酸塩、過酸化水素、2,4−ジクロロベンゾイル
過酸化物、過酸化アセチル、ジ−n−プロピルペルオキ
シ二炭酸塩、ジ−t−ブチル過酸化物、ジ−第二ブチル
ペルオキシ二炭酸塩、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム
および硫酸ナトリウムが挙げられる。好ましい触媒は、
適度な低温度、例えば約20℃〜80℃で効果的である
もの、例えば、過オクタン酸第三ブチル、過酸化ベンゾ
イルおよびジ(第二ブチル)ペルオキシ二炭酸塩であ
る。
【0046】通常のレドックス重合触媒を用いることも
できる。レドックス開始の利点は、反応が低温度、例え
ば0℃〜50℃で適度な速度で生じることである。遊離
基を生じる多数の還元体−酸化体の対が当該技術分野で
知られている。例として、重硫酸ナトリウムと過硫酸ア
ンモニウム、チオ硫酸ナトリウムと過硫酸カリウム等が
挙げられる。
【0047】好ましくは、エチレン性化合物の重合は、
放射線、例えば、紫外線、X線、γ線、マイクロ波また
は他の周知の形態の放射線を用いて行うことができる。
紫外線硬化に好ましい触媒は、ベンゾインメチルエーテ
ルである。
【0048】触媒および/または開始剤および/または
放射線を触媒的有効量で用いて重合反応を最適にする。
【0049】更に別の態様において、乾燥環境中で適当
に貯蔵された親水性カートリッジを薬剤送出装置の二次
加工において用いる。予め決定された量の活性化合物そ
のままをまたは不活性の無毒性材料との混合物として若
しくは無毒性基剤、例えば医療用等級のシリコーン油中
の懸濁液としてカートリッジに導入してコアを不完全に
満たす。活性化合物の上部を、好ましくは、不活性材料
の層、例えばテフロンテープで覆う。次に、その覆いの
上側のコア中の空隙を密封して、カートリッジ内へまた
は外への漏れを防止する。好ましくは、これを、十分に
重合性の材料をその空隙に導入して不活性材料の層を被
覆するかまたは空隙を実質的に若しくは完全に満たした
後、重合反応を行って、カートリッジの開口部を密封す
る水膨脹性で水不溶性のポリマーのプラグを形成するこ
とによって行うことができる。最大限の水和による親水
性ポリマープラグの平衡含水率値は親水性カートリッジ
の平衡含水率値を上回るものである。1種類または複数
種類のエチレン性不飽和モノマーおよび望ましくは、1
種類または複数種類の架橋剤を含む重合性材料を用い
て、カートリッジの内面に接合されたポリマープラグを
得ることができる。
【0050】例として、カートリッジのEWC値が約3
8重量%未満である、例えばカートリッジがHEMAお
よびHPMA単位から本質的に成る場合、親水性ポリマ
ープラグは架橋ポリHEMAであることができる。カー
トリッジのEWC値が38重量%より大きい、例えばカ
ートリッジがHEMAおよびアクリルアミドから本質的
に成る場合、親水性ポリマープラグは架橋ポリアクリル
アミドであることができる。
【0051】一つの実施態様において、カートリッジの
密閉クロージャーは、下記に例示の方法で得ることがで
きる。活性化合物または用いるならばテフロンテープの
上側のコアの内部表面積を適当なリーマーを用いて注意
深くリーマー仕上げすることによって清浄にし且つ僅か
に拡大する。次に、リーマーで拡大した表面積を、十分
な量の一価または多価アルコール、例えば、エタノール
などのC〜Cアルコールを用いて清浄にし、それに
よってその表面を僅かに膨潤させる。この方法は重合性
親水性材料が処理された表面に浸透するのを促進させ
る。細い針−注射器を用いて、少量の重合性材料(望ま
しくは、開始剤と一緒に)を、コアが上部まで充填され
るまでカートリッジに注入する。好ましくは、重合性材
料は、カートリッジの二次加工で用いられたのと同様の
組成物から成るものである。活性化合物および重合性材
料を充填したカートリッジは、その縦軸を地面に対して
垂直にして、旋盤などの適当な機械上で、比較的低速
度、例えば100〜200rpmで、周囲の室温で回転
させ、同時に、紫外線などの放射線に数分間、例えば5
〜10分間暴露した。薬剤などの活性化合物が紫外線に
対して感受性である場合、アルミニウム箔などの適当な
シールドを用いて活性化合物を紫外線から防護すること
ができる。後硬化操作は、薬剤に対して有害でない温度
で行う。コア開口部を密閉する親水性ポリマーのプラグ
が得られる。本明細書中の操作例から明らかであるよう
に、プラグおよびカートリッジ内面の間の密封はカート
リッジ壁よりも強固である。
【0052】本発明は、その態様および実施態様を例示
している添付の図面を一緒に考慮した場合に、本開示か
ら更に明らかになるものである。
【0053】図1について論及すると、平滑な刻み目の
ない表面の同心の円筒形コア11を有する重合カラム1
0が開示され、それは、例えば、親水性モノマー、架橋
剤、触媒および開始剤を含む予め決定された量の重合性
親水性液体混合物12を含む。除去しうるデルリン(D
erlin)プラグ13は、ヘッド手段14およびス
テム手段16を含む。コア11内部に摩擦装着して収容
されるステム手段16は、カラム10の一方の開口部を
密封する。ヘッド手段14は、中空部分17に収容され
且つコレットチャック18で固定されるように適合され
る。旋盤などの可変調節速度の電動機を備えた適当な機
械(図示されていない)をコレットチャック18に連結
させて、カラムをその縦軸A−A′の回りに水平回転さ
せる。スピンドルプラグアセンブリー20は、外部プラ
グ21、軸受シールド22および内部プラグ23を含み
且つ多機能性である。内部プラグ23は、玉軸受24の
内レース内部にぴったりと収容され、それは更に、図示
されていない固定手段によって適当な関係で保持され
る。外部プラグ21は、カラムの開口部19で摩擦装着
して収容されるように適合される。軸受シールド22は
玉軸受24の保護シールドとして機能する。玉軸受24
の外レースは、左右の位置を定め且つ外部プラグ21の
開口部19での差込みおよび取出しに適合された旋盤ス
ライドバー(図示されていない)のチャックコレット2
6で固定される。
【0054】重合反応混合物12および開口部19によ
って画成されたカラムの空隙に、図示されていない注射
器針を用いて窒素を静かにパージする。パージ後、外部
プラグ21を開口部19に挿入することによってカラム
10を密封する。カラムはその縦軸を地面に平行にし
て、例えば2150rpmの速度で且つ周囲の室温(約
22℃)で、重合性液体をその内部円筒面へと半径方向
外側に移動させるように十分に回転させ、それによって
前記の液体の予め決定された中空円筒(予め決定された
液体カートリッジ形状)を成形し、同時に固定する。次
に、(図示されていない)紫外線を、造形された重合性
液体が、同心のコアを有する予め決定された円筒形製品
に重合されるまでそれに照射する。
【0055】図2について論及すると、重合カラム10
の内面は固体ポリマー性カートリッジ31の外面に接触
しており、それは外部円筒面および平滑な刻み目のない
内部円筒面32を有し、それらは実質的に一様な壁厚み
を画成する、すなわち、D−D=Kであり、式中、
はカートリッジの外径であり、Dはカートリッジ
の内径であり、そしてKは定数である。基材33での内
面の形状は僅かに卵形である。余分の基材33は切断す
ることによって除去することができ、その外面を研磨し
て弾丸形デザインにする。
【0056】図3に、本発明の薬剤送出装置30の一つ
の形態を示す。カートリッジ31を卵形様基材33(ト
リミングおよび研磨後)と一緒に示し、薬剤34がその
コア中に包装されている。カートリッジ30の外部およ
び内部円筒面は平滑で且つ刻み目がない。テフロンカバ
ー36は、薬剤34を親水性プラグ37から分離し、液
体材料から現場で生成され且つ重合して固体親水性プラ
グ37になる。プラグ37の平衡含水率およびそれによ
るその膨潤性は、カートリッジ31の平衡含水率よりも
大きく、したがって、水和による密閉シールを形成す
る。接触したカートリッジ壁39の一部分を含むプラグ
37の外面38は、トリミングおよび研磨によって卵形
に造形された。
【0057】図4について論及すると、新規な水和薬剤
送出装置を動物に植え込むための一つの形態を示す。薬
剤送出装置30を動物に注入するために、望ましくは金
属から二次加工された針−注射器型器具であるトロカー
ル40は、ロッド42をスライド可能に収容するための
コアを有する円形バレル41、保持プレート43および
ねじ込み可能な(使い捨ての)46番の針を入れるため
にねじ切りされた末端44を含む。水和した状態での薬
剤送出装置30は円形室47に置かれる。中空針開口部
48を有する針部材46は、トロカール40の本体に入
れるために開口部48の反対の末端でねじ切りされる。
ハンドル49での手動による十分な一定の前進加圧によ
り、ロッド42で、薬剤送出装置30を室47から中空
針開口部48を介して予め選択された生体環境中へと押
し出す。
【0058】図5において、一端に中空針開口部52を
有し且つそのもう一方の端に保持プレート53を有する
バレル55並びにバレル55のコア内部にスライド可能
に収容されるロッド56から成る単純化された使い捨て
のプラスチックトロカール型装置50を示す。トロカー
ル40および50は、薬剤を動物に注射するのに一般的
に用いられる任意の材料から二次加工することができ
る。動物のあらかじめ決定された部位に穿孔した後、十
分な一定の前進手動圧力をハンドル57に加えることに
より、ロッド56で(バレルのコア中に含まれた)薬剤
送出装置30を、針開口部52を介して生体環境中に押
出す。或いは、バレル55が、保持プレート53に外部
からの手動圧力を加えることによって生体部位から引っ
込められ、同時に十分な保持圧力によってその最初に固
定された位置にロッド56を保持することができる。バ
レル55が徐々に引っ込められると、薬剤送出装置30
が針開口部52を介して生体中に埋め込まれることにな
る。
【0059】好ましい態様での新規な薬剤送出装置は、
動物、例えばヒト、ヒツジ、イヌ、ネコ、シチメンチョ
ウ、ウシ等に対する活性物質の遅効性/持効性放出およ
び速効性/持効性放出において極めて有用である。「遅
効性/持効性放出」は、活性物質の放出を送出環境に配
置された後まで遅らせた後、その物質を更に後で持続し
て、好ましくはゼロオーダーで放出することとして定義
される。「速効性/持効性放出」は、活性物質が送出環
境に置かれた直後またはその後まもなく放出を開始した
後、活性物質が持続して放出されることとして定義され
る。本発明の他の用途として、工業用、農業用および家
庭用環境での調節された送出が挙げられる。
【0060】好ましい態様において、本発明の薬剤送出
装置は、小型の円筒形植込み材料であって、そのコア内
部に本明細書中で論述した高分子組成物のような活性物
質および場合により、薬学的に許容し得る担体を含むも
のである。植込み材料の(内面と外面との間の)膜の厚
みは実質的に一様であり、含まれた物質の放出のための
速度制限バリヤーとして役立つ。このような植込み材料
を可塑化しまたは水和し且つ再造形して、種々の医療用
用途で用いるための他の幾何学的造形品にすることがで
きる。キセロゲルのような親水性植込み材料は容易に水
を吸収する。水和した状態でのそれをヒドロゲルと称す
る。どちらの形態でも、それは生体適合性で且つ宿主に
対して無毒性および非生分解性である。当然ながら、そ
れは水膨潤性で且つ水不溶性である。ヒドロゲルがその
最大量に水和した場合、そのヒドロゲルの含水率を「平
衡含水率」と称する。ヒドロゲルの含水率%(任意の水
和状態)を、下記のように決定する。
【0061】
【数1】 円筒形装置の製造において、いくつかの因子を考察す
る。放出プロフィール(遅延時間、放出速度および期
間)を決定し、親水性ポリマー性材料を同定し、そして
(速度制限膜として)それを介する活性物質の拡散率を
測定する。所定の活性物質についての速度制限膜の水和
プロフィールは、選択されたポリマーの薄膜を製造し且
つそれについて、当該技術分野で周知のように二室垂直
ガラスセルを用いる拡散試験を行うことによって決定す
ることができる。
【0062】拡散開始時の拡散係数および含水率(すな
わち、拡散がほとんど生じないものより下位の、以下
「%H」と称する)を決定する。一連の膜を種々のポ
リマーから製造する。次に、それらの膜をそれらの容量
に対して水和させ且つそれらの平衡含水率を測定する。
完全に水和した膜を二室の垂直ガラスセルに入れて、種
々の含水率での膜材料を介する高分子組成物の拡散を測
定し且つプロットする。拡散が検出されない(すなわ
ち、活性物質が受容セルに全く拡散しない)ことによっ
て最も水和した膜の平衡含水率が、試験されるシステム
の%Hである。これは透過度対平衡含水率の曲線をプ
ロットすることによって得ることができる。透過度の成
績(拡散係数)は、フィックスの拡散の第一法則にした
がって、方程式、
【数2】 [式中、dQ/dtは膜材料を介するフラックス(μg
/時)であり;それは時間に対して漸増する輸送の曲線
の直線部分の勾配として測定され;Aは、膜の面積(c
)であり;Pは、膜の透過係数(cm/時)また
はDKであり、但し、Dは、膜の拡散率(cm
時)であり且つKは膜/供与側溶液の分配係数であ
り;1は実験の最後に測定される膜の厚みであり(c
m);そしてCは供与側溶液の濃度(μg/cm
である]を用いることによって得られる。
【0063】次に、放出遅延プロフィールを決定する。
別の一連のポリマー性膜を、架橋剤およびモノマーの量
を再度変更して製造することができる。次に、これらの
膜を水和させるが、部分的にのみ、すなわち、%H
り少ないかまたは等しい含水率まで水和させる。部分的
に水和した膜を二室垂直ガラスセルに入れて、膜を介す
る活性化合物の拡散を時間に対して測定し且つプロット
する。供与セルおよび受容セル用緩衝液は、部分的に水
和した膜に接触し且つそれらを、それらが送出環境中で
水和するのとほぼ同じ速度で更に水和させるように選択
することができる。拡散試験の開始、すなわち、活性物
質の供与セルへの添加および受容セルでの活性物質の薬
学的有効濃度の検出の間の時間が、そのポリマーおよび
初期水和%の組合わせでの放出遅延時間である。
【0064】円筒形装置の物理的次元を決定するため
に、送出される活性物質の全量を決定しなければならな
い。これは所望の日用量および送出期間を有する製品で
ある。円筒形装置の円筒容器(コア)の容量は、πr
hに等しく、式中、rは容器の半径であり且つhは
その高さである。円筒からの定常状態の放出についての
式は、 [dQ/dt]=[2πhDK]/[ln(r/r)] (式中、rは円筒装置の外半径であり;Cは供与側
溶液、すなわち、担体中の薬剤濃度である)である。定
常状態の放出は、Cが飽和で保持される場合に得られ
る。したがって、所望の持効性放出に必要な膜の厚み
は、r−rである。 本発明の一つの態様は、水性
送出環境中への活性物質の治療量の遅効性/持効性放出
を可能にする送出装置に関する。本明細書中で用いる
「活性物質」(「活性化合物」)という表現は、広義
に、送出装置から送出されて有益且つ有用な効果を生じ
ることができる任意の化合物またはその混合物を含む。
活性物質は、固体形態であれ液体形態であれ、それらが
注文通りのヒドロゲル膜を介して送出環境中に送出され
ることを可能にさせる水性システム中で十分に溶解性ま
たは混和性である。本明細書中で用いる「高分子薬剤」
などの「薬剤」という表現には、動物において限局性ま
たは全身性の効果を生じる任意の生理学的または薬学的
活性物質を含む。送出することができる活性薬剤とし
て、中枢神経系に作用する無機および有機薬剤、精神的
エネルガイザ(energizers)、トランキライ
ザ、鎮痙薬、筋弛緩薬、抗パーキンソン病薬、抗炎症
薬、麻酔薬、抗痙攣性薬、筋収縮薬、抗菌性薬、抗マラ
リア性薬、ホルモン剤、交感神経作用薬、心臓血管薬、
利尿薬、駆虫性薬等が挙げられる。
【0065】本明細書中で用いる「高分子薬剤」という
表現は、薬剤、すなわち、特定の生体器官または機能の
活性に影響を及ぼす、分子量が25,000まで、更に
好ましくは、1,000より大きい、なお好ましくは、
約1,000〜約25,000である物質を含むという
意味である。ある種の薬剤、例えば、ステロイド、同化
剤およびインスリンは、凝集する性質の結果として溶解
性を低下させることを特徴とする。適当な薬剤として、
制限されないが、内分泌薬、化学療法薬、抗生物質、抗
薬剤耽溺薬、腫瘍治療薬、抗真菌性薬、抗肺機能損傷薬
(antipulmonary disfunctio
n agents)、中枢神経系に影響を及ぼす酵素お
よび高分子タンパク質が挙げられる。好ましい高分子薬
剤として、天然のおよび組換え体の生物活性タンパク質
およびそれらの類似物、例えば、(1)成長ホルモンお
よびそれらの類似物、(2)インスリンおよびインスリ
ン様成長因子、例えばソマトメジンおよびそれらの類似
物および(3)プロラクチンなどの下垂体に誘導される
他のホルモンおよびそれらの類似物が挙げられる。ホル
モン性活性ポリペプチドは、ある種の生体器官の活性に
対する特異的調節作用を有するこのようなペプチドであ
る。通常、それらは内分泌腺によって分泌される。しか
しながら、内分泌腺によって分泌されないある種のペプ
チドは、生体器官に対して特異的調節作用を示し、した
がって、ホルモン性活性化合物として更に分類される。
天然に存在するホルモン性活性ポリペプチドおよび天然
に存在するホルモンの薬学的に許容し得る塩の合成によ
って製造された類似物並びにそれらの元の化合物と同種
の活性を保持するそれらの合成類似物も、本発明におい
て有用である。
【0066】ホルモン性活性ポリペプチドは、種々の群
のタンパク質を含むが、それらの機能的特異性ゆえに、
便宜上、それらは生理的作用によって別個の分類に類別
される。通常、各タンパク質群は、1種類の特異的生理
学的機能を、その機能に直接影響を及ぼす1個または複
数の器官とのみ相互作用することによって調節する。例
えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)活
性ポリペプチドは、脳下垂体前葉に作用して、生殖器官
の活性に影響を及ぼすホルモンの放出をもたらす。成長
ホルモンは肝臓に作用して、骨格の成長に関与するペプ
チド因子であるソマトメジンを肝臓から放出させる。サ
イモシンおよび胸腺の活性ペプチドは、自己免疫系と相
互作用して、病気と戦う生体の免疫系の能力を増大させ
る。天然に存在する黄体形成ホルモン放出ホルモンポリ
ペプチドおよびその合成類似物は、新規な送出装置で用
いるのに特に興味深いものである。
【0067】天然に存在するLH−RHペプチドは、脳
の視床下部領域で産生され且つ脳下垂体前葉に作用して
黄体形成ホルモン(「LH」)および卵胞刺激ホルモン
(「FSH」)の放出をもたらし、それらが順次に、生
殖腺に作用してステロイドホルモンの合成を刺激し且つ
配偶子成熟を刺激することによって哺乳動物の生殖周期
を調節する。LH−RHの規則的放出は、それによっ
て、哺乳動物の生殖周期を調節する。更に、LH−RH
は、胎盤での作用、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(「HC
G」)を放出する作用および生殖腺に対する直接の作用
を有する。
【0068】LH−RHの作動薬類似物は、2種類の作
用機序によって受胎能の調節に有用である。低用量のL
H−RH類似物は排卵を刺激することができ且つ視床下
部によるおよび排卵による不妊症の治療で有用である。
更に、それらは性機能不全症状および不能症に並びに精
子形成および雄のアンドロゲン産生を刺激することに用
いることができる。
【0069】逆説的に、一層多量の極めて強力且つ長期
永続的なLH−RHの類似物は反対の作用を有し、雌の
排卵を阻害し且つ雄の精子形成を抑制する。これらの作
用に関係するのは、雄および雌の副器官重量の減少など
の生殖腺起源の性ステロイドの正常の循環濃度の抑制で
ある。家畜において、この逆説的作用は、飼料1回分の
場合に重量増加を促進し、妊娠中の動物の流産を刺激
し、そして一般的には、化学的不妊として作用する。L
H−RHおよびその類似物の逆説的に高い用量の作用に
ついての完全なリストは米国特許第4,234,571
号明細書に記載されている。
【0070】アンタゴニストと称されるLH−RH類似
物の群も存在する。これらのポリペプチドはLH−RH
作動薬によって示される逆説的作用を有するが、低用量
水準では天然に存在するLH−RHに相対する。このよ
うな化合物は本発明の範囲内に含まれる。
【0071】天然のLH−RHペプチドは、(アキラル
アミノ酸であるグリシンを除き、L立体配置を有する)
天然に存在するアミノ酸から成る親水性デカペプチドで
ある。その配列は下記、すなわち、(ピロ)Glu−H
is−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Ar
g−Pro−Gly−NHである。
【0072】本明細書中で問題のもう一つの群のホルモ
ン性活性ポリペプチドは、哺乳動物の成長ホルモンであ
る。成長ホルモンは、概して、適切に投与された場合に
哺乳動物の成長を刺激する任意の物質であると考えるこ
とができる。本明細書中で問題の化合物は、脳下垂体前
葉によって分泌されるこのようなポリペプチドであり、
タンパク質、炭水化物および脂質の代謝に影響を及ぼし
且つ骨格および内臓の成長速度を調節する。一般的に
は、成長ホルモンは、分子量が22,000および2
4,000ドルトンの間である種特異性ポリペプチドで
ある。ヒトおよびウシなどのいくつかの種において、成
長ホルモンは、乳汁産生ホルモンのある種の活性を有す
る。
【0073】最近まで、ヒト成長ホルモン(「hG
H」)の入手可能性は、ヒトの死体の下垂体から抽出す
ることができるものに制限されていた。しかしながら、
近年、組換え体DNA技術により、相対的にかなりの量
の細菌から生物学的に活性のhGHを製造することが可
能になった。
【0074】更に考えられるのは、胸腺の活性を実証す
るアミノ酸10〜13個を有する短鎖ペプチドである。
動物に投与された場合に、生物の免疫系の病気と戦う能
力を増大させる多数の物質が知られている。これらの物
質の中には、ミオバクテリアの粗抽出物、グリコペプチ
ドおよびそれらから誘導されるグリコペプチドの変化体
並びに胸腺によって分泌される一群のホルモンである
「サイモシン」がある。本発明の高分子組成物は、望ま
れる作用に応じて、遅効性/持効性放出組成物中に種々
の量で存在するものである。
【0075】合成LH−RHペプチドを用いる不妊症の
治療には、低濃度の薬剤を必要とするが、受胎能の低減
および関連した効果には、天然に存在するLH−RHの
活性に相対して多量の薬剤を必要とする。LH−RH作
動薬による受胎能調節には、薬剤を、被験動物が約0.
01〜100μg/kg(体重)/日、好ましくは0.
1〜5.0μg/kg(体重)/日で与えられるような
速度で放出することが望ましい。
【0076】正常の成長に作用するのに必要なヒト成長
ホルモンの量は、正確には定義されなかった。体重に基
づいて約0.1〜10.0単位(慣例によって、例え
ば、タンパク質1mg当り約1.4単位存在する場合の
特定のホルモン製剤の生物学的活性に基づいて定義され
る)/日の量で投与されたhGHは、hGHを欠損して
いる子供において増大した直線状の成長をもたらす。デ
ィー・ルードマン(D.Rudman)ら、[J.Cl
in.Endocrine Metabolism
:92〜99(1979)]による最近の研究で、h
GHが欠損していることが知られていて、しかも彼らの
年齢群よりも身長が低く且つ平均成長速度が小さい子供
において、hGHを0.3〜3.0単位/日投与するこ
とによって増大された直線状の成長が開始されることが
実証された。
【0077】ウシ、ヒツジまたはウマの成長ホルモン
は、5〜100mg/日の間のいずれかの量の一日基準
で投与することができる。投与量は、成長ホルモンの活
性、種および被験動物の体格に応じて変更することがで
きる。
【0078】胸腺ペプチドは、約10ng/kg/日〜
約20mg/kg/日、好ましくは、約100ng/k
g/日〜約50mg/kg/日の範囲で投与することが
できる。平均の(70kg)成人被験者用の代わりの条
件で表わすと、これは700ng/日〜1.4g/日、
好ましくは、7mg/日〜350mg/日であった。
【0079】用いられる活性物質の量は、所望の日用量
のみならず、投与量が維持されるべき日数にもよるもの
である。この量は経験的に計算することができるので、
装置で用いる場合、送出される実際の投与量も、材料お
よび担体との任意の相互作用の関数である。
【0080】様々な実施態様において、新規な薬剤送出
装置には、懸濁媒質、溶媒、水性系および固体支持体ま
たは固体マトリックスの形態であってもよい薬学的に許
容し得る担体を含むことができる。
【0081】担体として有用な懸濁媒質および溶媒とし
て、例えば、油、例えばシリコーン油(特に、医療用等
級)、コーン油、ヒマシ油、ピーナッツ油およびゴマ
油;ヒマシ油1モル当りエチレンオキシドを約30〜3
5モル混合しているヒマシ油およびエチレンオキシドの
縮合物;低分子量脂肪酸の液体グリセリルトリエステ
ル;低級アルカノール;グリコール;ポリアルキレング
リコールが挙げられる。
【0082】水性系として、例えば、滅菌水、生理食塩
水、デキストロース、水または生理食塩水中デキストロ
ース等が挙げられる。水性系中に電解質が存在すると、
その中での高分子薬剤の溶解性が低下する傾向がある。
【0083】固体支持体または固体マトリックスとし
て、例えば、デンプン、ゼラチン、糖類(例えば、グル
コース)、天然ガム(例えば、アラビアゴム、アルギン
酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース)等が挙げ
られる。
【0084】担体には、更に、防腐剤、安定剤、湿潤
剤、乳化剤等を含むことができる。
【0085】本発明の実施において有用な水和性液体
は、典型的に、活性化合物が放出される環境を刺激する
液体、例えば、体液、滅菌水、涙液、生理的食塩水溶
液、リン酸緩衝液等である。水以外の液体は水和性液体
として有用であるが、親水性膜が水和される程度を、そ
の「含水率」と称する。
【0086】1種類または複数種類の発明の装置の結果
として、長期間にわたる高分子薬剤の持効性放出を生じ
る。この期間は、所望の投与養生法に応じて、数日間〜
数年間、例えば、1週間〜3年間であってもよい。好ま
しくは、放出時間は約1週間〜18か月間以上であり、
この時間因子が、選択された速度解除膜、その連続細孔
構造、選択された活性化合物、その活性化合物の液体媒
質中での溶解性および当業者に周知の他の事情に応じて
変更可能であることは理解される。
【0087】実施例2〜20において、親水性カートリ
ッジは、重合性材料をチューブ状金型で回転注型するこ
とによって製造した。チューブの内半径は約1.2〜
1.3mmであった。チューブを、地面に対して平衡に
保持されたその縦軸の回りに回転させた。回転速度は2
150rpm程度であるが、更に大きいかまたは更に小
さい速度を用いることができ、例えば100rpmまた
はそれ未満〜2500rpm以上であった。チューブは
ポリエチレンまたはポリプロピレンから二次加工され
た。回転するチューブ内の重合性混合物が予め決定され
た形状に安定化された場合、次に、1フィート未満の距
離での紫外線を回転するチューブに数分間、例えば約7
分間照射して混合物を重合し、造形品にした。造形品を
下記のように硬化させ且つアニールを行った。
【0088】熱硬化:65℃で60分間、 後硬化:95℃で30分間、 アニール:115℃で30分間行い、約25℃まで徐々
に冷却する。
【0089】カートリッジの閉鎖端を弾丸様輪郭に造形
し且つ研磨した後、平滑な刻み目のない円筒面を有する
小型の円筒形目的物が得られた。カートリッジの寸法は
下記、すなわち、内半径0.8mm;外半径1.3m
m;長さ25mmであった。
【0090】好ましい実施態様において、小型の薬剤送
出装置を被験動物の皮下に穿孔によって植え込むことが
できる。この種の装置は、長さ10〜30mmまたはそ
れ未満(例えば、6〜9mm)、外径2〜2.5mmま
たはそれ未満(例えば、1.5〜1.9mm)および内
径1〜1.2mmまたはそれ未満(例えば、0.6〜
0.9mm)を特徴とする。カートリッジの寸法は、特
に、関係した医療用用途に応じて、前述した範囲外であ
ることができる。被験動物、例えば、ヒツジ、雌ウシ、
ヤギ、ウシおよび大型動物は、概して、更に大きい寸法
の薬剤送出装置の穿孔による植込みに耐えることができ
る。植込みは他の手段、例えば開放手術によって行うこ
とができる。
【0091】長さが、例えば最大25cm以上までの平
滑で刻み目のない円筒形目的物を、本明細書中の指示に
したがって、更に製造することができる。無毒性の生体
適合性材料で水和した状態または可塑化した状態のこの
種の目的物は、ペッサリー、外科手術上の植込み材料等
として用いるための環形状などの所望の形状に成形する
ことができる。
【0092】「コポリマーAB」または「モノマーA単
位およびモノマーB単位から本質的に成るコポリマーA
B」という表現によって、モノマーAおよびモノマーB
の付加共重合は前記のモノマーの重合性エチレン結合を
介してもたらされたことを意味する。例として、モノマ
ーAがメタクリル酸2−ヒドロキシエチルであり且つモ
ノマーBがN−メチルアクリルアミドである場合、コポ
リマーABは、反復単位モノマーA、すなわち、
【化1】 および反復単位モノマーB、すなわち、
【化2】 を含む。
【0093】「%」または「百分率」という用語を、H
EMA50%/HPMA49.5%/TMPTMA0.
5%またはEWC%のように本明細書中で用いる場合は
いずれも、その意味は「重量%」である。
【0094】前後関係で特に断らない限り、「コポリマ
ー」という用語には、少なくとも2種類のエチレン性不
飽和モノマーの混合物を重合することによって製造され
たポリマーを含む。
【0095】1個または複数個の「HEMA単位」とい
う用語によって、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
(「HEMA」)を含む親水性材料を重合することによ
って得られたポリマーにおいて反復する構造、
【化3】 を意味する。
【0096】1個または複数個の「HPMA単位」とい
う用語によって、メタクリル酸ヒドロキシプロピル
(「HPMA」)を含む親水性材料を重合することによ
って得られた構造、
【化4】 を意味する。
【0097】
【実施例1】メタクリル酸2−ヒドロキシエチル90
%、メタクリル酸メチル5%および二メタクリル酸エチ
レグリコール5%を含むモノマー性混合物を製造した。
モノマーはいずれも、真空蒸留によって予め精製され
た。得られた混合物に対して、ベンゾインメチルエーテ
ル0.2%を加え且つ溶解するまで撹拌した。混合物
を、その全体に窒素を10分間通気することによって脱
酸素化した。早期重合を避けるために、混合物を光から
防護した。ポリプロピレンチューブ(長さ65mmおよ
びD2.5mm)の一端をシリコーンシーラントで栓
をし;チューブのもう一方の端を前記の混合物の少量を
注入することによって作られたプラグで密封し、それを
紫外線ランプ下で5分間硬化させた。前記の混合物を充
填した注射器を用いて、シリコーンプラグに穿刺し、チ
ューブにその混合物を、上部から約10mmの高さまで
充填した。チューブを旋盤コレットに挿入し且つ約22
00rpmで回転させた(地面に対して平衡の回転
軸)。回転するチューブによって生じた遠心力によっ
て、混合物を半径方向外側へ移動させて予め決定された
中空円筒液状造形品(すなわち、重合性液体混合物の中
空チューブ)にした。次に、回転するチューブを紫外線
に7分間暴露して、「液状チューブ」を重合して固体親
水性チューブ(カートリッジ)にした。ポリプロピレン
チューブ内のカートリッジを65℃で14時間、続いて
105℃で更に40分間後硬化させ、そして116℃で
40分間アニールした後、22℃まで徐々に冷却した。
【0098】カートリッジをチューブから押出し、欠陥
について検査し、そして30mmの長さに切断した。反
復する親水性および疎水性単位を特徴とする架橋した均
一のHEMA90%/MMA5%/EDGMA5%コポ
リマーから二次加工された正確な寸法のプラスチックカ
ートリッジが得られた。カートリッジの重量を記録し
た。次に、それに、LHRH−13(黄体形成ホルモン
放出ホルモン)をしっかりと詰めることによって20m
mの高さまで充填した。充填されたカートリッジを再度
秤量してLHRH−13の重量を決定した。薬剤の上部
を四角いテフロンテープで覆った。カートリッジの残り
の空隙に前述のモノマー性混合物を充填した。LHRH
−13を含むカートリッジの部分をアルミニウム泊で覆
った。次に、カートリッジを旋盤に入れ且つ紫外線ラン
プ下で5分間徐々に回転させて(地面に対して平行なカ
ートリッジの軸を回転する)、混合物の重合を行った。
ポリマープラグの後硬化は、カートリッジを50℃で1
8時間保持することによって行った。最終製品は薬剤送
出装置であった。
【0099】ポリマーカートリッジの平衡含水率は、2
8%であると決定された。次に、薬剤送出装置に、pH
7に調整され且つアジ化ナトリウム200ppmと一緒
に保存された生理食塩水溶液(10ml/装置)中での
溶離試験を施した。試料を振とう水浴中37℃でインキ
ュベートした。溶離剤を、マイクロボンダパク(μBo
ndapak)C18カラム上の高速液体クロマトグラ
フィーによって7日間隔で分析した。装置からのLHR
H−13の溶離速度を、1年間にわたって平均約13μ
g/日に決定した。
【0100】
【実施例2〜20】図1の論及で記載した一般的な方法
を行って、数種類の均一親水性カートリッジを、長さ4
8mmおよび内径(D)2.6mmを有するポリエチ
レンチューブを用いて製造した。チューブの両端にデル
リン(Delrin)プラグで栓をした。250μl
の注射器を用いて、重合性材料140μlを各チューブ
の開口端に導入した。チューブの残りの空隙に注射針を
用いて静かに窒素をパージした。前記に記載の「レヴィ
ン(Levin)」旋盤上に配置し、固定し、そして密
封した各チューブを、地面に平行なその縦軸で、重合性
材料が安定化されてチューブ内の予め決定された中空円
筒液状形状を成形するまで2150rpmで回転させ
た。次に、紫外線を回転するチューブに7分間照射する
ことによって、中空円筒液状形状を重合させて固体形状
にする。得られた造形ポリマーに、65℃で60分間の
熱硬化、95℃で30分間の後硬化および115℃で3
0分間のアニール処理を施した後、周囲温度(25℃)
まで徐々に冷却した。カートリッジの平衡含水率などの
関連データを以下の表Iに示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【実施例21〜31】 A.11種類のカートリッジを、HEMAおよび/また
はHPMAおよび架橋剤を含む重合性モノマー性混合物
から製造した。平衡含水率値(周囲温度、約25℃で)
を各カートリッジについて決定した。関連データを以下
の表IIに示す。
【表2】 図6に関して、平衡含水率(EWC)(y軸)およびH
EMA/HPMAコポリマー)中のHEMA単位(重量
%)(x軸)の間の比例関係をグラフで表わす。勾配m
は、架橋ポリHEMAおよび架橋ポリHPMAの座標
(図6)(またはこの比例関係を有する任意の2種類以
上のHEMA/HOMAコポリマーの座標)を用いて、
関係式、
【数3】 から決定され、勾配mは上記の式から計算された。
【0103】
【数4】 直線の一般式、y=mx+bに関して、変数yはEWC
(平衡含水率)値を表わし、変数xはHEMA単位重量
%を表わし、そして定数bは22.9(ポリHPMAの
EWC値)で置き替えられる。結果は以下のようにな
る。
【0104】
【数5】 架橋HEMA/HOMAコポリマーの目標のEWC値が
30.2重量%である場合、コポリマーを製造してHE
MA50単位、HPMA49.5単位およびTMPTM
A0.5単位を有するポリマー組成物を生成する。予め
決定されたEWC値25.8%が望ましい場合、HEM
A約20%、HPMA79.5%およびTMPTMA
0.5%の共重合性混合物を用いて、この予め決定され
たEWC値を有するヒドロゲルカートリッジを生成す
る。
【0105】ポリマー鎖中にHPMA単位約30〜75
重量%およびHEMA単位約70〜25重量%を含み且
つ約26〜約33重量%の範囲の予め決定されたEWC
値を有する架橋均一HEMA/HPMAコポリマーは、
薬剤送出装置で用いるための、特に、LHRHおよびL
HRH−13で代表されるその類似物の送出環境への持
効性放出のための生体適合性、非生分解性、無毒性ヒド
ロゲル材料として特に好ましい。均一コポリマーの界面
自由エネルギー値は極めて低く、1種類または複数種類
の発明の種々の態様の実施において、このようなコポリ
マーから二次加工された生体植込み材料は、その植込み
材料上の厚い繊維状被膜の欠損によって実証されたよう
に、生体環境に生物学的に適合性である。前述した好ま
しい範囲外の均一コポリマー、例えばHPMA90〜1
0%/HEMA10〜90%コポリマーも有用である。
【0106】
【実施例32〜38】ポリHEMAのプラグで密封され
た数種類の送出装置(円筒形植込み材料)から約37℃
で保持された水性媒質中へのLHRH−13およびLH
RH−40のインビトロでの放出速度を決定した。ポリ
HEMAプラグの平衡含水率値は37.5%(約25℃
で)であった。水性媒質(「シンク」)を7日毎に監視
し、植込み材料から放出されたLHRHの量を計算し
て、一日当りの基準での平均速度が得られた。LHRH
放出データ全部を、標準植込み材料の長さ10mmに規
格化した。植込み材料の二次加工で用いられたカートリ
ッジを、種々の前の実施例で記載の方法で製造した。カ
ートリッジおよび植込み材料の相関関係を以下に示す。
【表3】 図6aに関して、ヒドロゲル植込み材料のEWC%(x
軸)およびインビトロでの放出速度(RR)μg/2c
m/日(y軸)の間の関係を示す。曲線の概して直線の
部分を決定し且つその勾配mを式、
【数6】 [式中、y−yはΔy(放出速度)を表わし且つx−
はΔx(EWC)を表わす]から決定した。例え
ば、下記の式となる。
【0107】
【数7】 式IからのEWCの値を式IVのEWC値の代わりに用
いると、式V、
【数8】 となり、HEMA単位重量%の解を与えるには、式V
I、 VI:HEMA重量%=0.5(RR)+17.40 となる。
【0108】式VIは、図6Aに示した曲線の最も直線
状の部分での10〜100μg/2cm/日の放出速度
内で最も有用である。
【0109】本明細書中で開示した方法を行うことによ
って、当業者は、予め決定された平衡含水率(EWC)
を有する均一コポリマーを製造することができる。順次
に、EWCに関するコポリマーの組成(モノマーA単位
およびモノマーB単位)を決定し、当技術者は、順に、
薬剤を予め決定した速度で拡散することができる本明細
書中で記載の薬剤送出装置などの拡散装置中でヒドロゲ
ルを用いることができる。
【0110】
【実施例39】初期平衡含水率が30.2%のHEMA
50%/HPMA49.5%/TMPTMA0.5%架
橋ポリマーに、増加線量(メガラドで)のγ線照射を8
時間にわたって施した。図14に、ポリマーの平衡含水
率%が照射線量の増加にしたがって比例関係で増加した
ことを示す。試験データにより、2.5メガラドを照射
されたヒドロゲル植込み材料からのLHRH−13の放
出速度は、1.0メガラドを同じ時間にわたって照射さ
れたヒドロゲル植込み材料から得られた放出速度よりも
大きいことが確証された。
【0111】
【実施例40〜43】前記に記載のLHRH−13を充
填した植込み材料Aおよび植込み材料Bとして設計され
た数種類の円筒形送出装置を、ラットにおいて精巣およ
び副生殖腺の抑制上の効果を確認する試験用に製造し
た。植込み材料Aは、HEMA50%/HPMA49.
5%/TMPTMA0.5%から、植込み材料BはHE
MA40%/HPMA59.5%/TMPTMA0.5
%から二次加工される。植込み材料Aを、一群のラット
に植込み且つ植込み材料Bを第二の群のラットに植込ん
だ。周期的に、指定した頭数のラットを屠殺し且つその
睾丸、副睾丸、前立腺側葉および精嚢を秤量した。植込
み材料AおよびB双方から放出されたLHRH−13の
量は、睾丸および副生殖腺並びに重量を抑制するのに十
分であった。いずれの場合にも、その重量抑制は対照で
の抑制を上回った。
【0112】図15〜18で、ラットの体重100g当
りの睾丸、副睾丸、前立腺側葉および精嚢それぞれのm
gでの重量を日数に対するグラフで示す。ラットを、お
よそ30日、60日、120日および215日の間隔で
屠殺した。
【0113】ラットから植込み材料を除去したところ、
若干の植込み材料で、ほぼカルシウムであると認められ
たわずかな無機質化が見られた。
【0114】
【実施例44】4種類の異なる配合物から二次加工され
たカートリッジを製造した。データを表IVに示す。
【0115】
【表4】 1セット5個のカートリッジ(円筒壁厚み0.5mm)
を、前記に記載した4種類の配合物それぞれから製造し
た。カートリッジ全体の寸法は同一であった。各セット
の5個のカートリッジに対して、ポリ(Poly)B
TM−411と、ダイナポール・カンパニー(Dyna
pol Co.)によって製造され且つシグマ・アルド
リッジ(Sigma Aldridge)によって販売
されたカタログ番号86172〜3番の固体親水性青色
染料と、不活性充填剤としてのスウィート・アンド・ロ
ー・ブランド(Sweet and Low Bra
nd)糖代用品とを加えた。カートリッジを、前記に記
載した架橋ポリHEMAのプラグで密封した。次に、各
植込み材料を、0.9重量%生理食塩水溶液が入ってい
る分離容器中、室温で水和させた。
【0116】溶液中の青色染料はその分子の大きさがヒ
ドロゲル膜の透過性を越えているので、その膜を介して
拡散することはできなかった。
【0117】各配合物から成る5種類の植込み材料のコ
アは顕著に膨潤した。第三日までに、配合物1の5個の
植込み材料の円筒壁が破裂した。第四日までに、配合物
2の5個の植込み材料の円筒壁が破裂した。第五日まで
に、配合物3の5個の植込み材料の円筒壁が破裂した。
配合物4の植込み材料に関しては、第七日目になお損な
われなかった2個の植込み材料が残り、他の3個の植込
み材料の円筒壁は第六日目破裂した。破裂効果は、染料
が円筒壁を介して生理食塩水溶液中に滲出することによ
って明らかであった。いずれの場合にも、ポリマープラ
グの界面およびカートリッジの内面での漏れおよび破裂
は生じなかった。引張強さ、モジュラスおよび弾性など
の全体の機械的性質は、配合物3および配合物4の植込
み材料で顕著に優れていた。この現象は、用いられる一
層低濃度のトリエチレン性不飽和架橋剤に起因すると考
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、一端が開口し且つもう一方の端がデル
リンプラグで閉鎖された重合カラム(チューブ)の部
分断面の側面図であり、その内部に重合性材料を入れた
後、そのかラムを適当な機械上に水平に取付け且つ回転
させる。図1aは、スピンドルプラグアセンブリー20
の断面を引き伸ばした側面図である。
【図2】図2は、適当な旋盤に水平に取り付けられた重
合カラムの部分側面図であり、予め決定された寸法の回
転注型された親水性カートリッジをそのコア内部に含ん
でいる。
【図3】図3は、円筒形親水性成形体中に含まれた薬剤
および薬学的に許容し得る担体を含む薬剤送出装置の部
分断面の拡大側面図である。
【図4】図4は、動物の予め選択された部位に埋め込む
ための円筒形薬剤送出装置を含む金属製トロカールの部
分断面の側面図である。
【図5】図5は、動物の予め選択された生体部分に穿孔
によって皮下に埋め込むための、薬剤送出装置をバレル
内部に含む使い捨てのプラスチック針様器具の部分断面
の側面図である。
【図6】図6は、架橋HEMA/HPMAポリマーの最
大限の水和状態での平衡含水率対メタクリル酸3−ヒド
ロキシプロピル(「HPMA」)単位の含有重量%の間
の比例関係を示すグラフである。図6aは、種々の架橋
親水性HEMA/HPMAポリマーの円筒形植込み材料
を介するLHRHのインビトロでの放出速度(μg/2
cm/日)を、HEMA/HPMAポリマーの平衡含水
率に対して示すグラフである。
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】図7〜13において、黄体形成ホルモン放出
ホルモンの7日間中の平均した放出速度を、植込み材料
の標準容器長さを20mmに規格化した。図7は、平衡
含水率での架橋親水性ポリHPMAポリマーの円筒形植
込み材料を介するLHRH13についてのインビトロで
の放出プロフィールを日数での時間に対して示す(μg
/2cm/日)グラフである。縦座標軸(y軸)の目盛
りは、LHRH−13の極めて低い放出速度を調整する
ために4倍に拡大された。LHRH−13は、[DHi
s(imBzl)ProNHEt−GnRH]と同定
された黄体形成ホルモン放出ホルモンポリペプチドであ
る。図8は、平衡含水率での架橋親水性HEMA35%
/HPMA64.5%ポリマーの円筒形植込み材料を介
するLHRH−13についてのインビトロでの放出プロ
フィールを日数での時間に対して示す(μg/2cm/
日)グラフである。図9は、平衡含水率での架橋親水性
HEMA40%/HPMA59.5%ポリマーの円筒形
植込み材料を介するLHRH−13についてのインビト
ロでの放出プロフィールを日数での時間に対して示す
(μg/2cm/日)グラフである。図10は、平衡含
水率での架橋親水性HEMA50%/HPMA49.5
%ポリマーの円筒形植込み材料を介するLHRH−13
についてのインビトロでの放出プロフィールを日数での
時間に対して示す(μg/2cm/日)グラフである。
図11は、平衡含水率での架橋親水性HEMA60%
/HPMA39.5%ポリマーの円筒形植込み材料を介
するLHRH−13についてのインビトロでの放出プロ
フィールを日数での時間に対して示す(μg/2cm/
日)グラフである。 図12は、平衡含水率での架橋親
水性HEMA70%/HPMA29.5%ポリマーの円
筒形植込み材料を介するLHRH−13についてのイン
ビトロでの放出プロフィールを日数での時間に対して示
す(μg/2cm/日)グラフである。 図13は、平
衡含水率での架橋親水性ポリHEMAポリマーの円筒形
植込み材料を介するLHRH−40についてのインビト
ロでの放出プロフィールを日数での時間に対して示す
(μg/2cm/日)グラフである。
【図14】図14は、8時間にわたる増加線量(メガラ
ドで)の放射線照射による架橋親水性HEMA50%/
HPMA49.5%ポリマーの円筒形植込み材料の平衡
含水率の増加を示すグラである。
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】図15〜18は、ラットにおける、架橋HE
MA/HPMAポリマーから二次加工された円筒形送出
装置からのLHRH−13のインビトロでの放出並びに
睾丸および副生殖腺の抑制効果を示すグラフである。植
込み材料Aのヒドロゲルポリマーは、HEMA50%/
HPMA49.5%/TMPTMA0.5%ポリマーで
あり且つ植込み材料Bのヒドロゲルポリマーは、HEM
A40%/HPMA59.5%/TMPTMA0.5%
ポリマーである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハリー・クアント アメリカ合衆国ニュージャージー州ノー ス・ミドルタウン,エセックス・ストリ ート 29 (56)参考文献 特開 昭58−191714(JP,A) 特開 昭63−22031(JP,A) 特開 昭61−27216(JP,A) 特開 昭60−67435(JP,A) 特開 平3−47134(JP,A) 特開 平2−8206(JP,A) 特開 昭62−185010(JP,A) 米国特許3641237(US,A) 米国特許4298002(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/02 - 39/12 C08F 20/00 - 20/12 C08F 220/00 - 220/12 A61K 9/00 A61J 3/08 A61M 31/00 WPI/L(QUESTEL)

Claims (39)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和親水性モノマーAおよ
    びそれと共重合性のエチレン性不飽和親水性モノマーB
    を含む混合物の付加重合によって生成された予め決定さ
    れた平衡含水率(EWC)値を有する生体適合性コポリ
    マーを遠心注型する方法であって、前記のコポリマーが
    ヒドロゲル膜として、それを介して水性媒質中の選択さ
    れた活性化合物を予め決定された速度で拡散させる場合
    に有用であり、 a.モノマーAのヒドロゲルホモポリマー(ホモポリマ
    ーA)およびモノマーBのヒドロゲルホモポリマー(ホ
    モポリマーB)のEWC値を決定し; b.モノマーAおよびモノマーBの混合物の均一ヒドロ
    ゲルコポリマー(コポリマーAB)のEWC値対前記の
    コポリマーABの化学組成の関係を決定し; c.目標のEWC値を選択し且つこの目標のEWC値を
    有する均一コポリマーABの化学組成を決定し; d.前記のモノマーAおよび前記のモノマーBを、目標
    のEWC値を有する前記の均一コポリマーABを生じる
    のに十分な量で含む重合性液体混合物を生成し;そして e.前記の重合性混合物に、ヒドロゲル膜として、それ
    を介して水性媒質中の選択された活性化合物を予め決定
    された速度で拡散させる場合に用いるための目標のEW
    C値を有する前記の均一コポリマーABを生成するのに
    十分な時間重合条件を施すこと; を特徴とする前記の方法。
  2. 【請求項2】 前記の親水性モノマーAがメタクリル酸
    2−ヒドロキシエチルであり、前記の均一コポリマーA
    Bがメタクリル酸2−ヒドロキシエチル単位約25〜7
    0重量%およびモノマーB単位約75〜30重量%から
    本質的に成り、そしてコポリマーの予め決定されたEW
    C値が約25重量%〜約75重量%の範囲内である請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記のモノマーB単位がメタクリル酸ヒ
    ドロキシルプロピル単位であり且つコポリマーの予め決
    定されたEWC値が約26〜33重量%の範囲内である
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記のコポリマーABを、 a.平滑な一様の円筒面の円筒形コアを有する細長い重
    合区域を回転させ、前記のコアは、予め決定された量の
    モノマーAおよびモノマーBの前記の重合性液体混合物
    並びに回転サイクル中に前記の液体材料の損失を防止す
    るためのクロージャー装置を含み; b.回転する細長い区域の軸線を地面に対して平行に保
    持し且つ前記の重合性液体材料が半径方向外側に移動し
    て、前記の区域内で予め決定された円筒形液体カートリ
    ッジ形状をとるようにさせるのに十分な速度で回転を行
    い; c.細長い区域を重合条件下で保持して前記の予め決定
    された重合性液体カートリッジ形状を予め決定された固
    体親水性プラスチックカートリッジ形状に変換し;そし
    て d.モノマーA単位およびモノマーB単位から本質的に
    成る、生体適合性、非分解性、水膨潤性、水不溶性の均
    一コポリマーABを、平滑な刻み目のない外部および内
    部円筒面の間の厚みが一様な円筒カートリッジの形で回
    収すること; を特徴とする遠心注型によって製造する請求項2に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記の親水性モノマーAがメタクリル酸
    2−ヒドロキシエチルであり、前記の均一コポリマーA
    Bがメタクリル酸2−ヒドロキシエチル単位約25〜7
    0重量%およびモノマーB単位約75〜30重量%から
    本質的に成り、そしてコポリマーの予め決定されたEW
    C値が約25重量%〜約75重量%の範囲内である請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記のモノマーB単位がメタクリル酸ヒ
    ドロキシルプロピル単位であり且つコポリマーの予め決
    定されたEWC値が約26〜33重量%の範囲内である
    請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記の均一コポリマーABがキセロゲル
    である請求項2に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記の均一コポリマーABがヒドロゲル
    である請求項2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 送出装置から送出環境への活性物質の持
    効性のための送出装置を製造する方法であって、 a.活性物質および場合により、薬学的に許容し得る担
    体を、請求項2に記載のコポリマーABから遠心注型に
    よって成形された生体適合性、非生分解性、水膨潤性、
    水不溶性の円筒形プラスチックカートリッジの円筒形容
    器中に、送出環境への活性物質の持効性を延長させるの
    に十分な量で導入し; b.重合性親水性液体材料を、前記の容器の残部に、そ
    の容器を実質的にまたは完全に満たす量で導入し、前記
    の重合性液体材料のその重合された状態での平衡含水率
    値が前記のプラスチックカートリッジの平衡含水率値を
    上回り、この場合、両者の値は共通の水性環境におい
    て、それらの最大の水和値として測定され; c.前記の重合性液体材料を重合して、水膨潤性の水不
    溶性ポリマーのプラグによって容器の開口部を効果的に
    密封して、送出環境での活性物質の予測可能な放出を与
    える送出装置を成形し;そして d.前記の重合性液体材料を後硬化すること; を特徴とする前記の方法。
  10. 【請求項10】 ポリマーのプラグから遠位の送出装置
    の外側部分に造形操作を施して、それに平滑な弾丸様形
    状を与える請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記の活性物質が薬剤である請求項9
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記の薬剤が天然のおよび組換え体の
    生物活性タンパク質並びにそれらの類似物を含む請求項
    11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記の薬剤がホルモン活性ポリペプチ
    ドまたはその類似物である請求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記の薬剤が黄体形成ホルモン放出ホ
    ルモンポリペプチドまたはその類似物である請求項11
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記の薬剤が哺乳動物の成長ホルモン
    または哺乳動物の成長ホルモン放出ホルモンである請求
    項11に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記のプラスチックカートリッジがキ
    セロゲルである請求項9に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記のプラスチックカートリッジがヒ
    ドロゲルである請求項9に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記の重合性液体混合物が水溶性細孔
    形成物質を含有する請求項2に記載の方法。
  19. 【請求項19】 穿孔によって動物に植え込むことがで
    きる薬剤送出装置において容器を画成し且つ速度制限バ
    リヤーとして有用なコポリマーABの生体適合性、非生
    分解性、水膨潤性、水不溶性の親水性カートリッジであ
    って、当該カートリッジは、その閉鎖端および閉鎖端か
    ら遠位の開口端での弾丸様円筒形、平滑な刻み目のない
    内部および外部円筒面、前記の両表面の間の一様な厚み
    を特徴とし、前記のコポリマーABがメタクリル酸2−
    ヒドロキシエチル(モノマーA)単位約25〜70重量
    %およびモノマーB単位約75〜30重量%から本質的
    に成り、そして予め決定されたEWC値が約25重量%
    〜約75重量%の範囲内にある前記の製品としてのカー
    トリッジ。
  20. 【請求項20】 前記のモノマーB単位がメタクリル酸
    ヒドロキシプロピル単位である請求項19に記載のカー
    トリッジ。
  21. 【請求項21】 プラスチックカートリッジがキセロゲ
    ルの状態である請求項20に記載のカートリッジ。
  22. 【請求項22】 プラスチックカートリッジがヒドロゲ
    ルの状態である請求項20に記載のカートリッジ。
  23. 【請求項23】 カートリッジの開口端に近接した内部
    円筒表面部位に僅かに刻み目があって、次に、それを1
    価アルコールまたは多価アルコールで処理して、それに
    対する重合性エチレン性不飽和モノマーのグラフト重合
    を促進させた請求項19に記載のカートリッジ。
  24. 【請求項24】 送出環境への活性物質の持効性ための
    送出装置であって、 a.請求項19に定義のコポリマーABの生体適合性、
    非生分解性、水膨潤性、水不溶性の親水性カートリッ
    ジ; b.平衡含水率値がカートリッジそれ自体の値よりも大
    きい生体適合性、非生分解性、水膨潤性、水不溶性の親
    水性ポリマーのプラグを含むカートリッジの開口端の閉
    鎖用のシーラント手段;および c.送出環境への長時間にわたる予測可能な持効性放出
    を与えるのに十分な量でそのカートリッジの容器に含ま
    れた活性物質; を含む前記の送出装置。
  25. 【請求項25】 前記の活性物質が薬剤である請求項2
    4に記載の送出装置。
  26. 【請求項26】 前記のプラスチックカートリッジおよ
    び前記のシーラント手段がキセロゲルの状態である請求
    項24に記載の送出装置。
  27. 【請求項27】 前記のプラスチックカートリッジおよ
    び前記のシーラント手段がヒドロゲルの状態である請求
    項24に記載の送出装置。
  28. 【請求項28】 前記の活性物質が天然のおよび組換え
    体の生物活性タンパク質並びにそれらの類似物を含む請
    求項24に記載の送出装置。
  29. 【請求項29】 前記の活性物質がホルモン活性ポリペ
    プチドまたはその類似物である請求項28に記載の送出
    装置。
  30. 【請求項30】 前記の活性物質が黄体形成ホルモン放
    出ホルモンポリペプチドまたはその類似物である請求項
    29に記載の送出装置。
  31. 【請求項31】 前記の活性物質が哺乳動物の成長ホル
    モンまたは哺乳動物の成長ホルモン放出ホルモンである
    請求項24に記載の送出装置。
  32. 【請求項32】 前記の送出装置が、活性物質と混合し
    た薬学的に許容し得る担体を含む請求項30に記載の送
    出装置。
  33. 【請求項33】 小型の円筒形送出装置を、そこからの
    活性物質の持効性放出のためにヒト以外の動物に植え込
    む方法であって、 a.動物の皮膚の予め選択された部位に、中空針および
    請求項24に記載の送出装置を含む器具を用いて穿孔
    し; b.前記の送出装置を前記の中空針を介して注入し且つ
    それを予め選択された部位の皮下に埋め込み;そして c.前記の針を動物から引き抜くこと; を特徴とする前記の方法。
  34. 【請求項34】 前記の活性物質が天然のおよび組換え
    体の生物活性タンパク質またはその類似物を含む請求項
    33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記の活性物質が黄体形成ホルモン放
    出ホルモンポリペプチドまたはその類似物である請求項
    34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 送出装置がキセロゲル状態のカートリ
    ッジを含む請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 送出装置が水和状態のカートリッジを
    含む請求項35に記載の方法。
  38. 【請求項38】 薬剤送出装置を、そこからの薬剤の持
    効性放出のために動物に穿孔することによって植え込む
    のに有用なキットであって、 a.請求項24に記載の薬剤送出装置; b.前記の薬剤送出装置を動物の送出環境へ押出す送出
    手段;および c.前記の送出装置と前記の送出手段を滅菌済み水性環
    境で収容する容器手段; を含む前記のキット。
  39. 【請求項39】 前記の送出手段が、一端に針様の開口
    部を有している内径が一様の小型硬質中空チューブおよ
    び前記のチューブの内面とスライド可能に連結する入れ
    子式の固体硬質ロッドを含み、前記の薬剤送出装置が、
    この装置を前記のチューブからスライド可能に押し出す
    ためのロッドの一端に近接した前記のチューブ内部に配
    置された請求項38に記載のキット。
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