JP3227148B2 - 免震用転動体及びこれを用いた免震装置 - Google Patents

免震用転動体及びこれを用いた免震装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、機械、電
算機、各種器物等における地震動に対する免震用転動体
及びこれを用いた免震装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発生した地震動によって建築物、
器物等の損壊を防止するために例えば下記各種の免震装
置が開発されている(建築物、器物等を被支持体とし、
基礎等を支持体として説明する)。 (イ) 被支持体と支持体間に各種積層ゴムを介在させ
た免震装置がある(社団法人 発明協会発行「発明」1
995年6月号記載)。 (ロ) 被支持体の荷重を支持して支持体に伝達する中
間体を設け、中間体を複数個のつる巻ばねにより所定方
向に振動可能に支持するか、又はこれにオイルダンパー
等のダンパーを併用した構造の免震装置がある。 (ハ) 支持体上に湾曲面の案内部材を取付け、被支持
体をリテーナーによって保持されたボールベアリング列
を介して案内部材上を転動可能な球体によって支持した
構造の免震装置がある。 (ニ) 本発明者によって開発された、支持体上の湾曲
面の下部案内部材と被支持体下の湾曲面の上部案内部材
との間に転動可能な円形断面棒状の転動体を挟み、転動
体両端の中央部と回動可能に支持体及び被支持体に連結
されたリンク機構を有する免震装置がある(特開平10
−8763号公報記載、)。 (ホ) 本発明者によって開発された、支持体上に湾曲
面をもった例えばレールの案内部材を取付け、被支持体
を軸線回りに転動可能な転動体によって支持する構造の
免震装置がある(特公平6−74609号公報記載)。
これらの免震装置を実際に使用する場合には、各免震装
置を支持体と被支持体間に被支持体の重量や形状に応じ
て複数個を並べたり重ねたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の技術の
うち、(イ)(ロ)の例では、被支持体の重量によって
免震性能が異なるため、重量が変わったとき積層ゴム、
ばね等を最適なものに合わせる必要があり、設計の自由
度が低い。一方、(ハ)(ニ)(ホ)の例では、転動体
を用いており、変位状態での復元力が被支持体の重量に
比例し、固有振動数は重量に無関係であり、長周期の地
震動に対しても効果的に免震を行なうことができ、設計
上の自由度が高いという特徴を有している。このうち
(ハ)(ニ)の例(以下ころタイプと略称する)は、転
動体として支持体側の下部案内部材と被支持体側の上部
案内部材との間にころ又は球を介在せしめて免震装置と
しているので、例えば阪神淡路大震災クラスの地震動に
対する免震装置としては、全ストロークは約500mm
として一本の案内部材全長として約250mmで、地震
動に安定的に対応するためには案内部材一対で合計長さ
約500mmに選定すればよく、案内部材の長さは短く
て済む。しかしながら、ころ又は球単独では積極的に減
衰力が生じないので別途減衰力の付加装置を備える必要
があり、更にころ又は球が脱落したり、上下に挟んだ凹
状面にデッドロック状態に陥ることがある。このため
(ニ)の例は特殊なリンク機構を設けてころの動きを制
約することにしており、更にダンパー若しくはばね等の
減衰装置又はころや球の動きを制約する特別な枠体等を
付加したものもある。一方(ホ)の例(以下車輪タイプ
と略称する)は、転動体として支持体と被支持体の間に
介在する一本のレールに転動可能な車軸回りに回動する
車輪を用いた免震装置としているので、車輪と車軸の摩
擦が減衰力として有効に作用するため、特別な減衰装置
を必要とせず構造が簡単であるが、レール全長は前記こ
ろタイプの案内部材の2倍すなわち阪神淡路大震災クラ
スの地震動に対し所要の全ストロークは約500mmと
して一本のレール全長は約500mmで、地震動に安定
的に対応するためには一対で合計長さ約1000mmに
選定する必要があり、前記ころタイプに比して装置が大
型化するという課題を有している。本発明は、前記ころ
タイプと同様の小型でありながら前記車輪タイプと同様
に摩擦を減衰力として有効に作用せしめることができ、
被支持体の重量変化に対し免震性能が変わらず、部品点
数が少なく組立てが簡単で現場施工、搬送も容易で、小
型で減衰力の付加装置を必要とせず、一般家庭品、OA
機器、医療機器、美術品等の器物の軽荷重用から、電算
機、機械、建築物、橋梁等の中乃至重荷重用まで、幅広
く適応できる免震用転動体及びこれを用いた免震装置を
得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、請求項1の発明にあっては、軸回りに回
動しつつ対向する上部及び下部案内部材に沿って転動可
能な免震用転動体であって、前記軸に対しプラス公差の
内径の中空部が軸芯に穿設され表面部が大径部と該大径
部に対し該公差の1/2を超える半径差をもった小径の
中径部とが組合わされて同心状円弧面に形成された舌片
状体の連結片部と、前記連結片部より前後広幅で軸芯を
共有し前記大径部と同径の内面部をもつ円筒状体の表面
部外周を該軸芯を含む面で2以上に分割し該分割左右端
部面を前記公差の1/2を超える高さだけ切除した形状
の断面扇形体のセグメント部とを含み、前記セグメント
部の内面部と前記連結片部の大径部とが前後中央部にお
いて連結された中間部材及び一方側にずれて連結された
端部材により転動ユニットが形成され、前記軸に複数の
前記転動ユニットから選択された各部材を順次向きをず
らして配置し前記中空部を挿通して組付け、前記各セグ
メント部の表面部外周が同一の円弧面を形成し、向合っ
ている前記セグメント部の左右端部間及び前記セグメン
ト部の内面部と前記連結片部の中径部側表面部間が常時
非接触に保持可能とされている免震用転動体により解決
した。請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の免
震用転動体において、(1)中間部材は共通軸芯に対し
外径Dの表面部と内径Dの内面部と前後側面部とをも
った略半円筒状断面扇形体で該軸芯を含む平面に対して
左右端部を高さh切除した形状のセグメント部と、前記
セグメント部より前後狭幅で軸径に対しプラス公差Cの
内径Dの中空部と外径Dの大径部と半径差tだけ小
径の外径Dの中径部とを組合わせた前後側面部と中径
部側表面部とをもって前記内面部の円弧面前後中央部か
ら突設された舌片状体の連結片部とを有し、(2)端部
材は共通軸芯に対し外径Dの表面部と内径Dの内面部
と一方側面部及び他方側面部をもった前記中間部材セグ
メント部前後幅の半分又はそれより僅かに大きい略半円
筒状断面扇形体で該軸芯を含む平面に対して左右端部を
高さh切除した形状のセグメント部と、内径Dの中空
部と外径Dの大径部と外径Dの中径部とを組合わせ
た前後側面部と中径部側表面部とをもって前記他方側面
部と面一に合わせて前記内面部の円弧面に沿って突設さ
れた舌片状体の連結片部とを有し、前記C<2h及びC
<2tの関係におかれ、前記軸の前後端末に前記端部材
及び中間に複数の前記中間部材を上下向きを交互に組付
け前記各中空部に前記軸を挿通した免震用転動体とする
ことができる。請求項3の発明にあっては、(1)中間
部材はセグメント部が前後幅Wの略半円筒状の断面扇
形体で、連結片部が前記Wの半分の前後幅Wをもっ
た舌片状体で、(2)端部材はセグメント部が前後幅W
の略半円筒状の断面扇形体で、連結片部が前記W
半分の前後幅Wをもった舌片状体である請求項2に記
載の免震用転動体とすることができる。請求項4の発明
にあっては、中間部材として端部材の一対を各セグメン
ト部と連結片部と面一に合わせた側面部側を背中合わせ
にして組合わせた請求項3に記載の免震用転動体とする
ことができる。請求項5の発明にあっては、請求項2に
記載の免震用転動体において、(1)中間部材はセグメ
ント部は前後幅Wの略半円筒状の断面扇形体で、連結
片部は基部と突出部とからなり、該基部は内径Dの中
空部の略半分より僅かに小さい円弧面と外径Dの大径
部と左右端部の軸芯側延長面上にある底面部と前後側面
部とをもち、前記Wから前後にそれぞれ幅Wだけ狭
幅にとられた断面扇形体であって、前記突出部は前記中
空部の略半分より僅かに大きい円弧面と前記Dより半
径差tだけ小さい外径Dの中径部の前後側面部及び表
面部とをもった前記Wの2倍の前後幅Wにとられた
舌片状体を有し、前記基部及び突出部は前記底面部を境
として結合されて前記セグメント部の内面部円弧面に沿
って前後幅中央部に固着され、(2)端部材はセグメン
ト部が前記Wの半分より僅かに大きい前後幅Wの略
半円筒状の断面扇形体で、連結片部は基部と突出部とか
らなり、該基部は内径Dの中空部の略半分より僅かに
小さい円弧面と外径Dの大径部と左右端部の軸芯側延
長面上にある底面部と一方及び他方側面部とをもち前記
から一方に幅Wだけ狭幅にとられた断面扇形体で
あって、前記突出部は前記中空部の略半分より僅かに大
きい円弧面と外径Dの中径部の一方及び他方側面部と
表面部とをもった前後幅Wにとられた舌片状体を有
し、前記基部及び突出部は前記底面部を境として結合さ
れて前記セグメント部の内面部の円弧面に沿って他方側
面部同士が面一に固着されている免震用転動体とするこ
とができる。
【0005】請求項6の発明にあっては、請求項1に記
載の免震用転動体において、端部材は第1端部材及び第
2端部材を含み、(1)中間部材は共通軸芯に対し外径
Dの表面部と内径Dの内面部と前後側面部とをもった
前後幅Wの断面扇形体で中心角を120度にとった該
軸芯を含む平面に対して左右端部を高さhだけ切除した
形状のセグメント部と、前記Wの1/3の前後幅W
10をもち軸径に対しプラス公差Cの内径Dの中空部
と外径Dの大径部と半径差tだけ小径の外径Dの中
径部とを同心状円弧面として組合わせ前後側面部と中径
部側表面部とをもった舌片状体の連結片部とを有し、前
記連結片部は前記内面部の円弧面前後中央部に沿って固
着され、(2)第1端部材は共通軸芯に対し外径Dの表
面部と内径Dの内面部と前後側面部をもった前記W
の2/3の前後幅W11の略半円筒状の断面扇形体で中
心角を120度にとった該軸芯を含む平面に対して左右
端部を高さhだけ切除した形状のセグメント部と、前記
10より狭い前後幅W12をもち内径Dの中空部と
外径Dの大径部と外径Dの中径部とを同心状円弧面
として組合わせた前後側面部と中径部側表面部とをもっ
た舌片状体の連結片部とを有し、前記連結片部は後側が
前側面部より距離W10で前側が距離W13の位置にお
いて前記内面部の円弧面に沿って固着され、(3)第2
端部材は共通軸芯に対し外径Dの表面部と内径Dの内
面部と前後側面部とをもった前後幅W10の断面扇形体
で中心角を120度にとった該軸芯を含む平面に対して
左右端部を高さhだけ切除した形状のセグメント部と、
前後幅W13をもち内径Dの中空部と外径Dの大径
部と外径Dの中径部とを同心状円弧面として組合わせ
た前後側面部と中径部側表面部とをもった舌片状体の連
結片部とを有し、前記連結片部は前記内面部の円弧面に
沿って一方の前記側面部同士が面一に固着され、前記C
<2h及びC<2tの関係におかれ、前記軸の一方端末
に前記第2端部材、第1端部材及び中間部材を、中間に
3個の前記中間部材の組を、他方端末に前記中間部材、
第1端部材及び第2端部材を各セグメント部を120度
づつ向きをずらして配置して組付け前記各中空部に挿通
した免震用転動体とすることができる。請求項7の発明
にあっては、連結片部の中径部を中間で切除し断面が略
U字形の形状をなす一対の舌片状体を大径部と連設して
開口部を設け、該開口部を通して中空部に軸が圧入可能
とした請求項1〜6のいずれかに記載の免震用転動体と
することができる。請求項8の発明にあっては、軸回り
に回動しつつ対向する上部及び下部案内部材に沿って転
動可能な免震用転動体であって、前記軸に対しプラス公
差の内径の中空部が軸芯に穿設された円筒状体の表面部
外周を該軸芯を含む面で2以上に分割し該分割左右端部
面を前記公差の1/2を超える高さだけ切除した形状の
断面扇形体で該表面部より小径円弧状の細幅溝部が該分
割数に合わせて前後に間隔をおいて配設されたセグメン
ト部と、軸芯に前記セグメント部と同径の中空部が穿設
され前記溝部に遊嵌され前記軸との公差の1/2を超え
る半径差だけ小径の表面部をもったリング状体の連結片
部とを含み、前記各溝部底の円弧面に沿って順次分割数
の前記連結片部を固着し各セグメント部を前記分割され
た角度づつ向きをずらして配置して転動ユニットを形成
し、前記軸に複数の前記転動ユニットを前記各中空部に
挿通して組付け、前記各セグメント部の表面部外周が同
一の円弧面を形成し、向合っている前記各セグメント部
の左右端部間及び前記各連結片部の表面部と溝部間の間
隙は常時非接触に保持可能とされている免震用転動体に
より解決した。請求項9の発明にあっては、請求項8に
記載の免震用転動体において、(1)軸に対しプラス公
差Cの内径Dの中空部が軸芯に穿設された円筒状体の
外径Dの外周を該軸芯を含む中心角120度の面で分割
した表面部と前後側面部をもった前後幅W14の断面扇
形体で前記Dより小さい内径Dで前後幅W15の細幅
溝部3本が間隔をおいて配設され、前記分割左右端部面
を高さhだけ切除した形状のセグメント部と、前記幅W
15に対しマイナス公差の前後幅にとられたリング状体
で内径Dの中空部と前記Dと半径差tだけ小径の外
径Dの同心円状の表面部と前後側面部とをもった連結
片部を有し、前記連結片部が前記後側溝部底の円弧面に
沿って固着された後側部材と、(2)前記後側部材の連
結片部を中央部溝部底の円弧面に沿って固着した中側部
材と、(3)前記後側部材の連結片部を前側溝部底の円
弧面に沿って固着した前側部材とを含み、前記C<2h
及びC<2tの関係におかれ、前記後側部材、中側部材
及び前側部材の各セグメント部を120度づつ向きをず
らして配置して転動ユニットを形成した免震用転動体と
することができる。請求項10の発明にあっては、軸に
別体の軸受けを装着し該軸受けと中空部とを摺動可能と
した請求項1〜9のいずれかに記載の免震用転動体とす
ることができる。請求項11の発明にあっては、各転動
ユニットの外周面に直接及び端部側面に直接又は弾性材
を介して切れ目を有しない薄肉材が被着されている請求
項1〜10のいずれかに記載の免震用転動体とすること
ができる。請求項12の発明にあっては、各セグメント
部の表面部の断面形状が正面視において一方方向を垂直
な他方向より短寸にとり一方方向及び他方向対称の湾曲
面に形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の免
震用転動体とすることができる。請求項13の発明にあ
っては、軸に別体の軸受けを装着し該軸受けと中空部と
を摺動可能とした請求項12に記載の免震用転動体とす
ることができる。
【0006】請求項14の発明にあっては、支持体と被
支持体間に介在して装着され、前記支持体側に固設され
振動域の中央部が最低部分をなす凹状の下部案内部材
と、前記被支持体側に固設され振動域の中央部が最高部
分をなす凹状の前記下部案内部材に向合わせて配設され
た上部案内部材と、前記各案内部材間に装着された請求
項1〜13のいずれかに記載の免震用転動体と、軸を固
着する支持部材とを備え、地震動により前記転動体の各
セグメント部及び連結片部が前記軸回りに回動しつつ前
記各案内部材に沿って転動し該軸は前記支持部材と共に
揺動して前記被支持体を一方向の免震可能とした免震装
置により解決した。請求項15の発明にあっては、支持
体と被支持体間に介在して装着され、前記支持体側に固
設された表面平坦な下部案内部材と、前記被支持体側に
固設され前記下部案内部材に向合わせて配設された表面
平坦な上部案内部材と、前記各案内部材間に装着された
請求項12又は13に記載の免震用転動体と、軸を固着
する支持部材とを備え、地震動により前記転動体のセグ
メント部及び連結片部が前記軸回りに半回転を超えない
範囲で回動しつつ前記各案内部材に沿って転動し該各軸
は前記支持部材と共に揺動して前記被支持体を一方向の
免震可能とした免震装置とすることができる。請求項1
6の発明にあっては、支持部材は一対の剛性材で基部の
上下左右対称位置4隅部に転動体の軸と平行な支軸を有
する回動自在な小車輪を有し、前記各基部中央部に前記
転動体の軸両端部が固着され、前記各小車輪は各案内部
材に沿って転動可能に装着され、地震動により転動体の
セグメント部及び連結片部が前記軸回りに回動しつつ前
記各案内部材に沿って転動し該軸は前記支持部材と共に
揺動可能とされている請求項14又は15に記載の免震
装置とすることができる。請求項17の発明にあって
は、支持部材は各一対の中部リンク、上部リンク及び下
部リンクを有し、中部リンク中央部に軸両端部が固着さ
れ該中部リンクの等距離上下端部にピンによって同じ長
さの上部リンク及び下部リンクが回動自在に連結され、
上部リンク上端部が上部案内部材の最高部分側面及び下
部リンク下端部が下部案内部材の最低部分側面にピンに
よって回動自在に連結され、地震動により転動体のセグ
メント部及び連結片部が前記軸回りに回動しつつ前記各
案内部材に沿って転動し該軸は前記支持部材と共に揺動
し、前記軸の軸芯は前記各案内部材のピン軸芯の中点に
常時維持可能とされている請求項14〜15のいずれか
に記載の免震装置とすることができる。請求項18の発
明にあっては、複数の転動体を間隔をおいて平行にお
き、少なくとも前記転動体の軸両端部が掛渡された支持
部材に固着され、地震動により前記転動体の各セグメン
ト部及び連結片部が前記各軸回りに回動しつつ各案内部
材に沿って転動し該各軸は前記支持部材と共に揺動可能
とされている請求項14〜16のいずれかに記載の免震
装置とすることができる。請求項19の発明にあって
は、下部案内部材は長手方向に離隔又は密接し複数区分
され該各区分の振動域の中央部が最低レベルであって両
端部に向って徐々に高くなる凹状の形状に形成され、上
部案内部材は長手方向に離隔又は密接し複数区分され該
各区分の振動域の中央部が最高レベルであって両端部に
向って徐々に低くなる凹状の形状に形成され、前記各区
分毎に転動体がそれぞれ装着されている請求項18に記
載の免震装置とすることができる。請求項20の発明に
あっては、各一対の中部リンク、上部リンク及び下部リ
ンクよりなるリンク部を有し、各区分毎に装着された転
動体の各軸が固着された剛性材の支持部材の一点がピン
によって前記中部リンク中央部に回動自在に連結され、
前記中部リンクの等距離上下端部にピンによって同じ長
さの上部リンク及び下部リンクが回動自在に連結され、
前記上部リンク上端部が上部案内部材側面において且つ
前記下部リンク下端部が下部案内部材側面においてそれ
ぞれ前記支持部材の一点の上下対称位置にピンによって
回動自在に連結され、地震動により前記転動体の各セグ
メント部及び連結片部が前記各軸回りに回動しつつ前記
各区分毎の各案内部材に沿って転動し該各軸は前記支持
部材と共に揺動し、前記支持部材の一点は前記各案内部
材のピン軸芯の中点に常時維持可能とされている請求項
18又は19に記載の免震装置とすることができる。請
求項21の発明にあっては、請求項13〜20のいずれ
かに記載の免震装置の一対を下部案内部材及び上部案内
部材の転動体の転動方向を互いに直角になるよう支持体
上に上下二段重ねして固着し、前記下段下部案内部材を
前記支持体側に固設し前記上段上部案内部材を被支持体
側に固設し、直交する二方向成分を含む地震動により前
記各セグメント部及び連結片部がそれぞれ各軸回りに回
動しつつ前記各案内部材に沿って転動し該各軸は支持部
材と共に揺動し、前記被支持体を多方向の免震可能とし
た免震装置とすることができる。
【0007】本発明の各構成要素のうち、共通するもの
について説明する。支持体としては、免震装置が固定で
きるものであればよく、例えば、床・基礎若しくはこれ
らの上の定着物・固着物又は構造物等がある。被支持体
としては、特に限定はなく例えば一般家庭品、OA機
器、医療機器、美術品等の軽量物から、戸建住宅、集合
住宅、ビル、電算機、機械・装置、橋梁等の中量又は重
量物が対象となる。案内部材としては、転動体が転動す
るため表面が凹状の形状をもった例えばレール状や面状
のもの等があり、材質としては、金属、堅木、硬質プラ
スチック、FRP、ガラス、セラミック等が用い得る
が、最も汎用されるのは炭素鋼又はステンレス鋼で、被
支持体の重量や使用条件によって材質及びサイズが選択
される。表面の凹状の形状は、特に限定はないが、所望
のばね常数を得るため鉛直切断面を地震非作動時の基準
状態で振動域の中央部が最低又は最高部分をなし通常対
称形状の例えば円弧、放物線、双曲線、直線等の単独又
は組み合わせで曲率一定又は可変としたものが用いら
れ、復元力の特性としては各種あるが例えば特公平6−
74609号公報記載の通りのものが用いられる。又転
動体の形状を変えてその組合わせによっては表面平坦と
する場合もある。ここで、振動域とは転動体が地震動に
より転動する領域をさし、振動域のいずれがの端部に続
いて外れた位置に地震動が発生しない場合予め転動体を
静止可能に支持する静止域例えばくぼみ等を設け、地震
動発生時に転動体が中央部に移動可能とする案内部材表
面の構成とすることもある。更に案内部材の両端部には
例えばゴム、ばね材、急斜面、急な湾曲面等よりなるス
トッパーを形成するのが好ましい。転動体、免震装置を
構成する中間部材、端部材、軸及び支持部材の材質とし
ては、金属、セラミック又は硬質プラスチック等が用い
得るが、最も汎用されるのは炭素鋼又はステンレス鋼で
ある。軽荷重には硬質プラスチックが用いられ、被支持
体の重量や使用条件によって材質及びサイズが選択され
る。又中間部材、端部材の外側表面及び側面を薄肉材例
えばアルミ、ステンレス鋼、プラスチック等で被覆する
ことにより内部への異物の侵入が防止できる。ここで、
中間部材、端部材は各構成要素を別々に製作して接着又
は溶着してもよいし、全体を一体に成形しても得られ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。ここで、断面の切断箇所を示す符号は各図
毎の範囲内のみで適用して用い、各構成要素については
各図中において複数個存在する場合は一部符号記載を省
略し、各例において共通する構成要素は同一符号を用い
詳細説明は省略する。又各図について、正面視において
上下、左右、前後として説明する。図1乃至4は、本発
明の転動体第1例の各構成部材又は組立て状態を示す。
図5乃至7は、本発明の転動体第2例の各構成部材又は
組立て状態を示す。図8乃至11は、本発明の転動体第
3例の各構成部材又は組立て状態を示す。図12乃至1
4は、本発明の転動体第4例の各構成部材又は組立て状
態を示す。図15は、本発明の転動体第1例の変形例
(第5例)とこれを用いた免震装置の第5例の各一部を
示す。図16及び17は、本発明の転動体を用いた免震
装置の第1例を示す。図18は、本発明の免震装置の第
2例を示す。図19は、本発明の免震装置の第3例を示
す。図20は、本発明の免震装置の第4例を示す。図2
1は、本発明の転動体及び従来例の荷重の掛かり方を模
式的に示す。図22は、本発明の転動体第1例の変形例
(第6例)を示す。図23は、本発明の転動体第1例の
変形例(第7例)を示す。図24は、本発明の転動体第
1例の変形例(第8例)を示す。先ず図1乃至14によ
り本発明の転動体の第1例乃至第4例を説明し、図16
乃至20により本発明の免震装置の第1例乃至第4例を
説明し、図15により本発明の転動体第1例の変形例
(第5例)及びこれを用いた免震装置の第5例を説明す
る。図22乃至24により本発明の転動体第1例の他の
変形例(第6例乃至第8例)を説明する。
【0009】図1乃至4に示す本発明の第1例の転動体
1は、中間部材11及び端部材12の転動ユニットと、
軸13の組合わせよりなっている。図2は転動体1の各
一個の(a)中間部材11、及び(b)端部材12を示
し、図1、3、4は各構成部材の組合わせを示してい
る。図1(a)は転動体1の前端及び中部側、図1
(b)は(a)の中部側に続く後端部側の一例、図1
(c)は(a)の中部側に続く後端部側の他例をそれぞ
れ示し、後端部側は図1(b)か(c)の例のいずれか
が選択され図1(a)の前端及び中部側と組合わされて
転動体1が形成される。図1(a)及び(b)、2
(a)において、中間部材11[図1においては「11
−1、11−2、11−3、11−4・・・・11−n
−1、11−n」として奇数のn個が記載されている]
は、セグメント部11Sと連結片部11Tとが結合され
て形成されている。セグメント部11Sは、共通の軸芯
Qに対し表面外径Dの表面部11aと外径Dより小さい
内径Dの内面部11bと前後側面部11fとをもった
前後幅Wの略半円筒状の断面扇形体で、軸芯Qを含む
平面に対して左右端部11dを僅かの高さhだけ切除し
た形状とされている。連結片部11Tは、前後幅W
1/2の前後幅Wの舌片状体で、軸芯Qを共通にした
内径Dの中空部11eと外径Dの大径部とこれより
僅かの半径差tだけ小さい外径Dの中径部とを同心状
円弧面として組合わせた前後側面部11cと中径部側表
面部11gとからなり、大径部と中径部の境界はセグメ
ント部11Sの左右端部11dを軸芯Q側にそれぞれ水
平に僅かに延長して段付きとされ、大径部側円弧面を内
面部11bの円弧面前後中央部に沿って(前後側面部1
1fからそれぞれに距離Wの1/2の位置に)接着若
しは溶着により固着するか又は一体に形成され、中径部
側表面部11gが突設されている。これにより、中間部
材11には正面視において、内面部11bと前後側面部
11cの前後対称位置に空間部が形成されている。
【0010】図1、2(b)において、端部材12(図
1においては前後端部の「端部材12−1、12−2」
として前後を逆向きにして記載されている)は、セグメ
ント部12Sと連結片部12Tとが結合されて形成され
ている。セグメント部12Sは、共通の軸芯Qに対し表
面外径Dの表面部12aと外径Dより小さい内径D
内面部12bと一方側面部12f及び他方側面部12g
[図1(a)、図2で前側12g、後側12fで示し、
図1(b)、(c)はその逆で示してある]をもった前
後幅Wが前記Wの1/2すなわちWと同じ略半円
筒状の断面扇形体で、軸芯Qを含む平面に対して左右端
部12dを僅かの高さhだけ切除した形状とされてい
る。連結片部12Tは、前後幅Wが前記Wの1/2
の舌片状体で、軸芯Qを共通にする内径Dの中空部1
2eと外径Dの大径部とこれより僅かの半径差tだけ
小さい外径Dの中径部とを同心状円弧面として組合わ
せた前後側面部12cと中径部側表面部12hとからな
り、大径部と中径部の境界はセグメント部12Sの左右
端部12dを軸芯Q側にそれぞれ水平に僅かに延長して
段付きとされ、各側面部12g及び12cを面一に合わ
せて大径部側円弧面を内面部12bの円弧面に沿って接
着若しは溶着により固着するか又は一体に形成され、中
径部側表面部12hが突設されている。これにより、端
部材12には正面視において、内面部12bと前側側面
部12cの前又は後側位置に空間部が形成されている。
以上纏めて、W=2W=2W=4Wの関係に取
られ、高さh及びt=(D−D)/2の値はそれぞ
れ通常0.05〜1.0mm程度の僅少値に取られる
が、hとtを必ずしも同値にとる必要はない。前記説明
においては中間部材の個数nが奇数であったが、図1
(c)に示す他例では個数nが偶数の場合で、端部材1
2が図1(b)の場合と上下逆で左右端部12dが上向
で直前の中間部材11−nの左右端部11dが下向きと
なるように配置されているだけでその他の構成は同じで
あり、詳細説明を省略する。又後述する転動体2におい
ても、同様に偶数又は奇数のいずれも選択可能である。
軸13は、中間部材11及び端部材12の中空部11e
及び12eが摺動可能な外径d(中空部11e及び12
eの内径Dに対してマイナス公差c)をもった円筒状
シャフトである。ここで、c=D−dで、c<2h及
びc<2tの関係におかれ、cは通常0.01〜0.2
mmに取られる。この関係は、後述する他の転動体にお
いても同様である。本例では軸13と中空部11e及び
12eは直接摺動可能とされているが、中空部11e及
び12eの内径Dを軸13の外径dに対して大き目に
とり隙間を設け軸13に別体の軸受けを装着して介在さ
せてもよい。別体の軸受けとしては、一般的な軸受け材
料が用い得るが無給油軸受けとするのが好ましく、ナイ
ロンや弗素樹脂等のプラスチック、含油材、固体潤滑材
等の減摩材を介在させてもよい。更に相互に接触を生じ
ても減摩作用が得られるように中空部11e、12eの
内面又は軸13の少なくとも表面に減摩材を被覆するこ
ととしてもよい。これは後述する転動体の他例において
も同様である。前記した径d、D、D、D及びD
は円形、円弧を問わず、相互関係明確化のため全て直径
で表示してあり、これは後述する転動体の他例において
も同様である。
【0011】図1、3、4により、転動体1の組立てに
ついて説明するが、図3、4は前記図1(a)及び
(b)の組合わせの例に対応して示し、図1(c)との
組合わせは詳細説明を省略する。図1、3において前端
側(図1では左側)より軸13を左端部に余裕を残して
矢印P方向に、「順次端部材12−1、中間部材11−
1・11−2・11−3・11−4・・・・11−n−
1・11−n、端部材12−2」の順に上下向きを交互
にして組付けながら各中空部11e及び12eに嵌着す
ることにより転動体1が組立てられる。すなわち、左端
の端部材12−1の下向き左右端部12dと中間部材1
1−1の上向き左右端部11dとが向合う位置にし、中
間部材11−1の前後対称位置の前側空間部(図1では
左側)と端部材12−1の後側空間部(図1では右側)
とが合わされて前側の大径部側面部11bと後側の中径
部表面部12h及び前側の中径部表面部11gと後側の
大径部表面部12bとがそれぞれ間隙tを置いて向合う
状態となり、端部材12−1は中間部材11−1の前後
幅Wの前半分に遊嵌され、軸13を中空部12e及び
11eに挿通することによって端部材12−1と中間部
材11−1の組立てが完了する。このとき図3(b)
(d)に示す通り、セグメント部11Sの表面部11a
及びセグメント部12Sの12aは軸芯Qを中心として
180度ずれた位置において同一円弧面上にあり、対向
する左右端部11d及び12dは軸芯Qを含む平面に対
して上下等間隔僅少値hで合計2hに保持され、向合っ
ているセグメント部11Sの内径Dの内面部11bと
連結片部12Tの外径Dの表面部12h間、セグメン
ト部12Sの内径Dの内面部12bと連結片部11T
の外径Dの表面部11g間及び隣合うセグメント部1
1Sの内面部11bと連結片部11Tの表面部11g間
の間隙は前記僅少値tに保持されている。次に、中間部
材11−1の後側空間部(図1では右側)に中間部材1
1−2の前側空間部(図1では左側)を中間部材11−
1と上下逆向きにして嵌着し、中間部材11−2の下向
き左右端部11dと中間部材11−1の上向き左右端部
11dとが間隔2hをおいて向合い、中間部材11−1
の中径部側の表面部11gの前後幅Wの後半分に中間
部材11−2のセグメント部11Sの内面部11bが間
隙tをおいて向合う状態となる。軸13を中間部材11
−1の中空部11eと中間部材11−2の中空部11e
とに挿通することによって中間部材11−1と中間部材
11−2の組立てが完了する。このとき中間部材11−
2の後側空間部は次の中間部材11−3との嵌着に備え
られる。爾後同様にして逐次中間部材を組立てる。図1
においては、「中間部材11−3・11−4・・・・1
1−n−1・11−n」は既に組立てられた状態で示さ
れているが、このように予め中間部材同士を上下逆向き
に嵌着して組立てておいてもよいが、上記した様に端部
材12−1側から順次中間部材を組立て、軸13を矢印
P方向に逐次挿通した方が予期せずに組立てた部分が崩
れることを防止でき好ましい。これは後述する他例の転
動体においても同様である。最後に図1(b)の例では
端部材12−2を前記端部材12−1と前後を逆向きに
して最後端の中間部材11−nと嵌着させた後、後端側
(図1では右側)に余裕を残して各中空部11e及び1
2eに軸13を挿通して転動体1の組立が完了する。一
方図1(c)の他例では、端部材12−2を前記端部材
12−1と前後上下を逆向きにして最後端の中間部材1
1−nと嵌着させた後、軸13を挿通して転動体1の組
立が完了する。組立て完了後は、図3に示す通り、軸1
3と中空部11e及び12eは直接又は別体の軸受けを
介して摺動され荷重が伝達可能とされているが、前記し
た通り端部材、中間部材とは対向する左右端部11d及
び12dは間隔2hにとられ、向合っている内面部11
bと表面部12h間、内面部12bと表面部11g間及
び内面部11bと表面部11g間の間隙は僅少値tにと
られておりいずれもこれらの部分には直接荷重が伝達さ
れることがない。図3中の軸13の両端部には、後述す
る免震装置の支持部材14が前側の各側面部11fと1
2g間及び後側の各側面部11fと12g間にそれぞれ
ワシャー14b、14bを介在せしめて軸13にキー1
4a、14aにより固着されているが詳細は免震装置の
箇所で説明する。ここでの固着はキー14aによらずノ
ック止め、ボルト止め、溶着等によってもよい。図4に
示すのは、図1、3について説明した組立て後の転動体
1を端部材、中間部材を前後方向に組立てたまま軸13
を引抜いた状態で展開したもので、各構成要素の相関関
係の理解を助けるためのものである。これによると、図
4(c)に示す通り上方には、前後両端に端部材12−
1、12−2が、中間に中間部材11−2・11−4・
・・・11−n−3・11−n−1が配設されている。
一方図4(a)に示す通り下方には、中間部材11−1
・11−3・・・・・11−n−2・11−nが前記上
方の隣接する中間部材に対し前後幅Wの1/2である
端部材12の前後幅W分だけ前後にピッチをずらした
位置に配設されていることが示されている。前記した各
左右端の間隔2h及び各セグメント部と連結片部間の間
隙tは、各構成要素の製作精度、取付精度、作動状態等
により厳密にこの値にとられているのでなく平均的にこ
の値をとることを意味しているが、前記したc<2h及
びc<2tの関係におかれているので、中空部11e及
び12eの内径Dに対してマイナス公差にある軸13
が片寄った場合でも、向合っている各セグメント部の左
右端部間及び各セグメント部の内面部と各連結片部の表
面部間は常時非接触に保持されこれらの部分には直接荷
重が伝達されることがない。この関係は、後述する他の
転動体においても同様である。
【0012】図5乃至7に示す本発明の第2例の転動体
2は、中間部材21及び端部材22の転動ユニットと、
軸13の組合わせよりなっている。図5は転動体2の各
一個の(a)中間部材21、及び(b)端部材22を示
し、図6、7は各構成部材の組合わせを示している。中
間部材21[図6においては「21−1、21−2、2
1−3、21−4・・・・21−n−2、21−n−
1、21−n(nは奇数)」としてn個が記載されてい
る]は、セグメント部21Sと連結片部21Tとが結合
されて形成されている。図5(a)においてセグメント
部21Sは、共通の軸芯Qに対し表面外径Dの表面部2
1aと外径Dより小さい内径Dの内面部21bと前後
側面部21fとをもった前後幅Wの略半円筒状の断面
扇形体で、軸芯Qを含む平面に対して左右端部21dを
僅かの高さhだけ切除した形状とされている。連結片部
21Tは、基部と突出部とからなり、基部は軸芯Qを共
通にした内径Dの中空部21eの略半分より僅かに小
さい部分をなす円弧面と外径Dの大径部と前記左右端
部21dの軸芯Q側にそれぞれ水平の延長面上にある底
面部と前後側面部21cとをもち、前後幅を前記幅W
から前後にそれぞれ後述する幅Wの1/2の前後幅W
だけ狭幅にとられた断面扇形体である。突出部は軸芯
Qを共通にした内径Dの中空部21eの略半分より僅
かに大きい部分をなす円弧面と外径Dの大径部より僅
かの半径差tだけ小さい外径Dの中径部の前後側面部
21g及び表面部21hとをもった前後幅Wより可な
り狭い前後幅Wにとられた断面扇形体である。基部と
突出部は左右端部21dの延長面上の底面部を境として
断面扇形体を向合わせに配置されてセグメント部21S
の内面部21bの円弧面に沿って前後幅中央部より垂直
方向に接着若しは溶着により固着するか又は一体に形成
され、突出部が舌状に突設され、正面視においてQを軸
芯とした内径Dの断面円形の中空部21eが形成され
ている。これにより、中間部材21には正面視において
前後内面部21bと前後側面部21cよって前後対称位
置に空間部が形成されている。
【0013】図5(b)、6において、端部材22(図
6においては端部材は「端部材22−1、22−2」と
して前後端末に2個が記載されている)は、セグメント
部22Sと連結片部22Tとが結合されて形成されてい
る。セグメント部22Sは、共通の軸芯Qに対し表面外
径Dの表面部22aと内径Dの内面部22bと一方側
面部22f及び他方側面部22g(図5では前側22
g、後側22fで示してある)をもった前後幅Wが前
記Wの1/2より僅かに大きい略半円筒状の断面扇形
体で、軸芯Qを含む平面に対して左右端部22dを僅か
の高さhだけ切除した形状とされている。連結片部22
Tは、基部と突出部とからなり、基部は軸芯Qを共通に
した内径Dの中空部22eの略半分より僅かに小さい
部分をなす円弧面と外径Dの大径部と前記左右端部2
2dの軸芯Q側にそれぞれ水平の延長面上にある底面部
と一方側面部22c及び他方側面部22j(図5では前
側22j、後側22cで示してある)とをもち、前後幅
から一方(後側)を前後幅Wだけ狭幅にとられた
断面扇形体である。突出部は軸芯Qを共通にした内径D
の中空部21eの略半分より僅かに大きい部分をなす
円弧面と外径Dの大径部より僅かの半径差tだけ小さ
い外径Dの中径部の一方(後側)側面部22i、他方
(前側)側面部22j及び表面部22hとをもった前記
連結片部21Tの突出部と同じ前後幅Wにとられた狭
幅の断面扇形体であるが、必ずしも前後幅Wに合わせ
る必要はなく前記幅Wより広くとればよい。基部と突
出部は左右端部22dの延長面上の底面部を境として断
面扇形体を向合わせに配置されてセグメント部22Sの
内面部22bの円弧面に沿って他方(前側)側面部22
g及び22jを面一となるようにして合わせて接着若し
は溶着により固着するか又は一体に形成され、中径部側
表面部22hが舌状に突設されている。これにより、端
部材22には正面視において、大径部側内面部22bと
後側面部22cの一方(後側)位置に空間部が形成され
ている。以上纏めて W+W=2W、2W=W
の関係に取られている。
【0014】図6、7により、転動体2の組立てについ
て説明する。前端側より軸13を前端部に余裕を残し
て、「順次端部材22−1 、中間部材21−1 ・21−
2 ・21−3 ・21−4 ・・・・21−n−2 ・21−
n−1・21−n、端部材22−2 」の順に上下向きを
交互にして組付けながら各中空部21e及び22eに嵌
着することにより転動体2が組立てられる。転動体2の
組立て手順は、前記転動体1と略同様であるので詳細説
明は省略するが、前端の端部材22−1 の左右端部22
dと中間部材21−1 の逆向きの左右端部21dとを向
合う位置にし、中間部材21−1 の前側空間部に端部材
22−1 の中径部の側面部22iを配設し、端部材22
−1 の大径部側内面部22bと側面部22cに形成され
た空間部に中間部材21−1 の突出部を配設し、中間部
材21−1 の後側空間部に中間部材21−2 の突出部を
配設し軸13を中空部22e及び21eに挿通し、同様
に逐次隣接する中間部材を組合わせ、後端部では端部材
22−2 を端部材22−1 と前後を逆向きとし直前の中
間部材21−nとを組立て端部材22−1 から中間部材
21−1 ・・・・21−n及び端部材22−2 に至る組
立てが完了する。このとき図6(b)(d)に示す通
り、各セグメント部の表面部21aと22a及び隣接す
る中間部材の表面部21a同士はそれぞれ軸芯Qを中心
として180度ずれた位置において同一円弧面上にあ
り、向合っている左右端部21dと22d及び中間部材
の左右端部21d同士は軸芯Qを含む平面に対して上下
等間隔僅少値hで合計2hに保持されている。また同時
に、向合っている内径D の内面部21bと外径D
の表面部22h間、内径D の内面部22bと外径D
の表面部21h間及び隣合うセグメント部21Sの
内面部21bと連結片部21Tの表面部21hの間の間
隙は前記僅少値tに保持されている。図7に示すのは、
図6について説明した組立て後の転動体2を端部材、中
間部材を前後方向に組立てたまま軸13を引抜いた状態
で展開したもので、各構成要素の相関関係の理解を助け
るためのものである。これによると、図7(c)に示す
のは、前後両端に端部材22−1 、22−2 が、中間に
中間部材21−2 ・21−4 ・・・・21−n−3 ・2
1−n−1 が配設されている。一方図7(a)に示すの
は、中間部材21−1 ・21−3 ・・・・・21−n−
2 ・21−nが配設されている。7(a)と(c)を対
比すると、中間部材の隣接する枝番例えば21−1 と2
1−2 ・・・21−n−3 と21−n−2 ・・・等は前
記幅Wの1/2だけ前後にピッチをずらした位置にお
かれ、端部材22−1 の前端末は中間部材21−1 に対
し及び端部材22−2 の後端末は中間部材21−nに対
しそれぞれ前記前後幅W の1/2すなわちW だけ
前後にずれておかれていることが示されている。
【0015】図8乃至11に示す本発明の第3例の転動
体3は、中間部材31、第1端部材32及び第2端部材
33の転動ユニットと、軸13の組合わせよりなってい
る。図8は転動体3の一個の中間部材31を示し、図9
は各一個の第1端部材32及び第2端部材33を示し、
図10、11各構成部材の組合わせを示している。図1
1では、後述する免震装置の支持部材14の後端部側は
図示省略してある。中間部材31[図10においては
「31−1、31−2、31−3、・・・・31−n−
3、31−n−2、31−n−1、31−n(nは3の
整数倍+1)」としてn個が記載されている]は、セグ
メント部31Sと連結片部31Tとが結合されて形成さ
れている。図8においてセグメント部31Sは、共通の
軸芯Qに対し表面外径Dの表面部31aと外径Dより小
さい内径Dの内面部31bと前後側面部31fとをも
った前後幅Wの断面扇形体で、図8(f)に示す様に
中心角α(本例では120度)にとった軸芯Qを含む水
平面に沿って左右端部31dを僅かの高さhだけ切除し
た形状とされている。連結片部31Tは、厚さWの1
/3の前後幅W10の舌片状体で、軸芯Qを共通にした
内径Dの中空部31eと外径Dの大径部とこれより
僅かの半径差tだけ小さい外径Dの中径部とを同心状
円弧面として組合わせた前後側面部31cと中径部側表
面部31gとからなり、大径部と中径部の境界はセグメ
ント部31Sの左右端部31dを軸芯Q側にそれぞれ僅
かに延長して段付きとされ、大径部側円弧面をセグメン
ト部31Sの内面31bの円弧面前後中央部に沿って
(前後側面部31fからそれぞれに距離W10の位置
に)接着若しは溶着により固着するか又は一体に形成さ
れ、中径部側表面部31gが舌状に突設されている。こ
れにより、中間部材31には正面視において、中径部側
内面部31bと前後側面部31cの前後対称位置に空間
部が形成されている。
【0016】図9(a)〜(d)において、第1端部材
32は、セグメント部32Sと連結片部32Tとが結合
されて形成されている。セグメント部32Sは、共通の
軸芯Qに対し表面外径Dの表面部32aと外径Dより小
さい内径Dの内面部32bと前後側面部32fとをも
った前記Wの2/3の前後幅W11の断面扇形体で、
図示省略するが図8(e)と同様に120度にとった軸
芯Qを含む水平面に沿って左右端部32dを僅かの高さ
hだけ切除した形状とされている。連結片部32Tは、
幅W10より狭い前後幅W12の舌片状体で、軸芯Qを
共通にした内径Dの中空部32eと外径Dの大径部
とこれより僅かの半径差tだけ小さい外径Dの中径部
とを同心状円弧面として組合わせた前後側面部32cと
中径部側表面部32gとからなり、大径部と中径部の境
界はセグメント部32Sの左右端部32dを軸芯Q側に
それぞれ僅かに延長して段付きとされ、大径部側円弧面
の位置は後側がセグメント部32Sの前側面部32fよ
り距離W10で前側が距離W13の位置において内面部
32bの円弧面沿って接着若しは溶着により固着するか
又は一体に形成され、中径部側表面部32gが舌状に突
設されている。図9(e)〜(h)において、第2端部
材33は、セグメント部33Sと連結片部33Tとが結
合されて形成されている。セグメント部33Sは、共通
の軸芯Qに対し表面外径Dの表面部33aと外径Dより
小さい内径Dの内面部33bと前後側面部33fとを
もった幅W11の1/2の前後幅W10の断面扇形体
で、図示省略するが図8(f)と同様に120度にとっ
た軸芯Qを含む水平面に沿って左右端部33dを僅かの
高さhだけ切除した形状とされている。連結片部33T
は、前後幅W13の舌片状体で、軸芯Qを共通にする内
径Dの中空部33eと外径Dの大径部とこれより僅
かの半径差tだけ小さい外径Dの中径部とを同心状円
弧面として組合わせた前後側面部33cと中径部側表面
部33gとからなり、大径部と中径部の境界はセグメン
ト部33Sの左右端部33dを軸芯Q側にそれぞれ僅か
に延長して段付きとされ、一方(前側)側面部33fと
33cは面一に合わせ他方(後側)側面部33fと33
cは前後距離W12にとられ、大径部側円弧面をセグメ
ント部32Sの内面33bの円弧面に沿って接着若しは
溶着により固着するか又は一体に形成され、中径部側表
面部33gが突設されている。以上纏めて W=W
10+W11=(3/2)W11=3W10、W10
12+W13の関係に取られている。
【0017】図10、11により、転動体3の組立てに
ついて説明する。図10(a)では前端側より軸13を
前端末部に余裕を残して、「順次第2端部材33−1、
第1端部材32−1、中間部材31−1・31−2・3
1−3・・・・31−n−3・31−n−2・31−n
−1・31−n、第1端部材32−2、第2端部材33
−2」の順に正面視においてセグメント部33S、32
S及び31Sが120度づつずれるように配置して組付
け各中空部33e、32e及び31eに嵌着することに
より転動体3が組立てられる。すなわち、前端部の第2
端部材33−1を面一の側面部33f及び33c側を前
向きにして左右の一方端部33dと第1端部材32−1
の左右の一方端部32dとが向合う位置にし、セグメン
ト部33Sの内面部33bと連結片部32Tの中径部側
表面部32gとが向合う位置にし軸13を中空部33
e、32eに挿通して、セグメント部33Sと32Sは
120度ずれて組立てられる。ついで中間部材31−1
のセグメント部31Sを32Sに対し120度ずらして
他方端部32dと一方端部31dとが向合う位置にし、
セグメント部32Sの内面部32bと連結片部31Tの
中径部側表面部31gとが向合う位置に配置して軸13
を中空部31eに挿通して組立てられる。爾後同様にし
て逐次後側に向けて中間部材31−2・31−3・・・
・31−n−1・31−n、第1端部材32−2、第2
端部材33−2を組付けて転動体3の組立が完了する。
後端部では第1端部材32−2、第2端部材33−2を
前記前端部の第2端部材33−1、第1端部材32−1
と前後を逆向きとし直前の中間部材11−nとを組立て
る。図10(a)では後端部には支持部材14が図示省
略してあるが、軸13の両端部には、支持部材14がワ
シャー14bを介在せしめてキー14aにより固着され
ている。このとき図10(b)に示す通り、各セグメン
ト部の表面部33a、32a、31aは軸芯Qを中心と
して120度づつずれて同一円弧面上にあり、対向する
各端部33d、32d、31dは軸芯Qを含む平面に対
して等間隔の前記僅少値hで合計2hに保持され、向合
っている各セグメント部の内径Dの内面部33b、3
2b、31bと各連結片部の外径Dの中径部の表面部
33g、32g、31g間の間隙はいずれも前記僅少値
tに保持されている。図11に示すのは、図10につい
て説明した組立て後の転動体3を第2端部材33、第1
端部材32、中間部材31を前後方向に組立てたまま軸
13を引抜いた状態で展開したもので、各構成要素の相
関関係の理解を助けるためのものである。これによる
と、図11(a)に示すのは、前後両端に第1端部材3
2−1と第2端部材33−2が、中間に中間部材31−
3・31−6・・・・11−n−4・11−n−1が配
設されている。図11(c)に示すのは、前後両端に第
2端部材33−1と第1端部材32−2が、中間に中間
部材31−2・31−5・・・・11−n−5・31−
n−2が配設されている。図11(e)に示すのは、前
端より中間部材31−1・31−4・・・・31−n−
6・31−n−3・31−nが配設されている。図11
(b)は(a)に示す前端第1端部材32−1の列、図
11(d)は(c)に示す前端第2端部材33−1の
列、図11(f)は(e)に示す前端中間部材31−1
の列として配置された状態を示し、組立て時には正面視
において各列の各セグメント部32S、33S、31S
は前端に揃って並べられ、各列の表面部33a、32
a、31aは120度づつずれてはいるものの軸芯Qを
中心として同一円弧面上に置かれている。ここで、図1
0(b)に断面で示す通り、図11(f)の列は上側
に、図11(d)の列は下側に、図11(b)の列は中
側にそれぞれ整列しておかれている。
【0018】図12乃至14に示す本発明の第4例の転
動体4は、前記した転動体1〜3と異なり端部材に相当
したものがなく、中間部材に相当したものとして前側部
材43、中側部材42及び後側部材41の転動ユニット
と、軸13の組合わせよりなっている。図12(a)は
転動体4の一個の後側部材41を示し、図12(b)は
一個の中側部材42を示し、図13、14は各構成部材
の組合わせを示している。各図において同一の構成要素
は同一符号を用い、前側部材43は後述する連結片部の
固着位置が異なるのみであり、詳細説明を省略する。前
側部材43、中側部材42及び後側部材41は、図13
においては「43−1 、42−1 、41−1 、43−2
、42−2 、41−2 ・・・・41−n−1、42−n
−1 、43−n−1 、41−n、42−n、43−n
(nは整数)」として各n個が組として記載されてい
る。図12(a)において、後側部材41はセグメント
部41Sと連結片部41Tとが結合されて形成されてい
る。セグメント部41Sは、共通の軸芯Qに対し表面外
径Dの表面部41aと内径D の中空部41eと前後
側面部41fとをもった前後幅W14の断面扇形体で、
内径D で前後幅W15の3本の細幅溝部41b
41b 、41b が前より刻込まれ、前後幅W14
中央部の溝部41b に対し前後距離W16をもった
前後位置に溝部41b 及び41b が配置され、図
14(f)に示す様に中心角α(本例では120度)に
とった軸芯Qを含む水平面に沿って左右端部41dを僅
かの高さhだけ切除した形状とされている。連結片部4
1Tは、前記前後幅W15に対しマイナス公差の前後幅
にとられたリング状体で、軸芯Qを共通にした内径D
の中空部41eと前記内径D より僅かの半径差tだ
け小さい外径D の同心円状の表面部41gと前後側
面部41cとを有し、後側の溝部41b 底の円弧面
に沿って遊嵌後接着若しは溶着により固着され、表面部
41gが舌状に突設されている。図示省略するが前側部
材43は、後側部材41において連結片部41Tに代え
て同一構成の連結片部43Tを用い前側の溝部41b
の円弧面に沿って遊嵌後固着することとした点が異な
るのみで、その他及びセグメント部43Sの構成は41
Sと同一であり詳細説明は省略する。図12(b)にお
いて中側部材42は、連結片部41Tと同一構成の連結
片部42Tを用いセグメント部41Sと同一構成のセグ
メント部42Sの中央部の溝部41b の円弧面に沿
って遊嵌後固着することとした点が異なるのみで、その
他詳細説明は省略する。
【0019】図13、14により、転動体4の組立てに
ついて説明する。図13(a)では前端側より軸13を
前端末部に余裕を残して、「順次前側部材43−1・中
側部材42−1・後側部材41−1の組、前側部材43
−2・中側部材42−2・後側部材41−2の組、・・
・・前側部材43−n−1・中側部材42−n−1・後
側部材41−n−1の組、前側部材43−n・中側部材
42−n・後側部材41−nの組(nは整数)」の順に
正面視においてセグメント部43S、42S及び41S
が120度づつずれて組付られ、軸13を各中空部41
eを通して嵌着することにより転動体4が組立てられ
る。すなわち、前端部の前側部材43−1、中側部材4
2−1、後側部材41−1を組としてセグメント部43
S、42S及び41Sを120度づつずらし、各左右端
部41dを向合う位置と、舌状に突設されている各連結
片部43T、42T及び41Tが3本の溝部41b
41b、41bに遊嵌されるが、前側部材43−1
では溝部41bに連結片部43Tを、中側部材42−
1では溝部41bに連結片部42Tを、後側部材41
−1では溝部41bに連結片部41Tがそれぞれ接着
又は溶着により固着されており、連結片部が固着されて
いない溝部には他の連結片部の表面部41g回りがそれ
ぞれ遊嵌され、各中空部41eに軸13を挿通して組立
てられる。爾後同様にして逐次後側に向けて前側部材、
中側部材及び後側部材を順次組として組立て転動体4の
組立が完了する。軸13の両端部には、支持部材14が
ワシャー14bを介在せしめてキー14aにより固着さ
れている。このとき図13に示す通り、各組のセグメン
ト部の表面部41aは軸芯Qを中心として120度づつ
ずれて同一円弧面上にあり、対向する各端部41dは1
20度づつずれた軸芯Qを含む平面に対して等間隔の前
記僅少値hで合計2hに保持されている。又向合ってい
る各セグメント部の内径Dの溝部41b、41
、41bと各連結片部の外径Dの表面部41g
間の間隙はいずれも前記僅少値tに保持されており、前
記溝部41b、41b、41bに固着されている
連結片部43T、42T、41T以外の連結片部は各溝
部に対して遊嵌状態におかれている。図14に示すの
は、図13について説明した組立て後の転動体4を前側
部材43、中側部材42、後側部材41をそれぞれ前後
方向に組立てたまま軸13を引抜いた状態で展開したも
ので、各構成要素の相関関係の理解を助けるためのもの
である。これによると、図14(a)に示すのは、前側
部材43が前後方向に順次配設され、図14(b)に示
すのは、中側部材42が前後方向に順次配設され、図1
4(c)に示すのは、後側部材41が前後方向に順次配
設され、前記転動体1〜4における端部材に相当したも
のは設けられておらず各セグメント部が角度α(本例で
は120度)づつずれて軸芯Qを中心として外径Dの同
一円弧面を形成していることがわかる。しかし転動体4
では、前側部材43、中側部材42、後側部材41が組
として組立てられ、前記転動体1〜3のように隣接する
組同士の組付けることがないので、後述する免震装置に
装着して使用した場合に正面視において各組のセグメン
ト部のずれが必ずしも一致しないことが起り得るが機能
上問題になることは全くない。
【0020】図15に示すのは本発明の第5例の転動体
1Aで、転動体1の変形例であって、中間部材11′及
び端部材12′の転動ユニットと、軸13の組合わせよ
りなっている。図15において、中間部材11′及び端
部材12′はそれぞれ枝番を付して表示してある。図1
5(b)において軸13の前端部[図15(a)では右
端側]にある端部材12′−1はセグメント部12′S
の表面部12′aの断面形状を図15(b)に示す正面
視において軸13の軸芯Qから垂直下方距離VのQ
を中心として半径R(直径Dの1/2)の円弧状表面と
し、端部材12′−1に隣接する中間部材11′−1は
セグメント部11′Sの表面部11′aの断面形状を図
15(b)に示す正面視において軸13の軸芯Qから垂
直上方距離VのQ点を中心として半径Rの円弧状表面
としてそれぞれ形成されている他は、前記転動体1の端
部材12及び中間部材11と同じ構成である。転動体1
Aは、更に後端部に向けて順次合わせてn個の中間部材
11′−1と同じ中間部材11′を11′−2、11′
−3、11′−4・・・と後端部の端部材12′−2
(図示省略)を組合わせて軸13を中空部12e及び1
1eに挿通して組立てられるが詳細説明は省略する。こ
こで、表面部11′a、12′aの断面形状は円弧状に
限定されず、正面視において一方方向(本例では上下方
向)が垂直な他方向(本例では左右方向)に対して寸詰
まりの断面略鍋底形で一方方向及び他方向対称の湾曲面
であればよく、例えば特公昭62−29583号公報記
載の指数渦線等とすることができる。又転動体1Aは転
動体2の変形例として、表面部21a、22aのみ断面
形状を転動体1Aと同様湾曲面に代えることもできる。
【0021】図22乃至24に示すのは、本発明の転動
体1の他の変形例の部分図で、転動体1と同様の構成要
素は同一符号を用い詳細説明は省略する。図22は、本
発明の第6例の転動体1Bで、転動体1と同様に軸13
前端部側[図22(a)では左側]より各転動ユニット
を「端部材12−1、中間部材11−1・11−2・1
1−3・・・・」の順に上下向きを交互にして組付けな
がら各中空部に嵌着して組立てられるが、各転動ユニッ
ト端部材12、中間部材の表面部11a、12aの外周
面に直接及び端部材12の側面部12gにゴム、軟質プ
ラスチック等の弾性材16を介して切れ目を有しない例
えばアルミ、ステンレス鋼、プラスチック等の薄肉材1
5によって被覆している。これは、薄肉材15により転
動体1Aを密封して埃やゴミ等の異物の内部への侵入を
防止するのに効果的である。又弾性材16により前後方
向へのずれの防止やスラスト吸収に効果的であるが、軽
加重の場合は弾性材16の介在は省略してもよい。又転
動体2〜4についてもこの変形例と同様の付加的構成を
とることが可能である。図23は、本発明の第7例の転
動体1Cで、転動体1と同様に軸13前端部側より各転
動ユニットを組付けるが、中間部材11として端部材1
2一対を用い、各セグメント部12Sと連結片部12T
の面一に合わせた側面部12g、12c側を背中合わせ
にして組合わせることにより前記した中間部材11と同
形の部材が得られ、軸13前端部側より「端部材12−
1・12−2+12−3・12−4+12−5・12−
6+12−7・・・12−n」の順に上下向きを交互に
して組付けながら各中空部に嵌着して組立てられる。本
例では中間部材11を端部材12と別に準備する必要が
ないので、部品点数を減らすメリットがある。しかし軽
荷重では端部材12一対をそのまま用いてもよいが、中
乃至重荷重では端部材12一対を固着する必要がありこ
の場合には転動体1で説明した一体の中間部材11を用
いた方が好ましい。図24は、本発明の第8例の転動体
1Dの中間部材16を示し、転動体1の中間部材11の
変形例である。中間部材16はセグメント部16Sと連
結片部16Tとが結合されて形成されている。セグメン
ト部16Sは前記セグメント部11Sと同様の構成であ
り同一符号を用い詳細説明は省略する。連結片部16T
は軸芯Qを共通にした内径Dの中空部16eと外径D
の大径部とこれより僅かの半径差tだけ小さい外径D
の中径部とを同心状円弧面として組合わせてあるが、
前記連結片部11Tと異なり、中径部を中間で切除し断
面が略U字形の一対の舌片状体の先端に丸みをもたせた
形状とした中径部側表面部16gと前後側面部16cと
からなり大径部に連設され、中径部側表面部16g間に
中空部16eとつながった軸13が圧入可能な開口部が
設けられている。この開口部の幅W17は軸13の外径
dより僅かに小さく、中間部材や端部材は強い外力を加
えれば軸13の軸芯と直角方向に着脱できる。又この開
口部に例えばビスなどにより障害物を設けることとして
もよい。通常開口部のみの場合は小型向けであり、障害
物を設ける場合は大型向けである。図示省略するが転動
体1Dの端部材もセグメント部12Sと同様に構成し、
連結片部は連結片部16Tと同様の断面が略U字形の一
対の舌片状体とし先端に丸みをもたせた形状に構成され
ている。又転動体1Dの組立ては図示省略するが、前記
転動体1と同様に軸13の前端より順次、端部材、複数
の中間部材・・・・、端部材の順に上下向きを交互にし
て組付けながら各中空部16eに嵌着することにより組
立てられ、軸13は一対の舌片状体の先端丸み部分をス
ライドさせて幅W17の開口部を通して中空部16eに
嵌着すればよいので軸13に挿通するのに比し組立て作
業が簡易に行え、組立後に中間部材や端部材に不具合が
発見された場合の分解が容易でメンテナンスに有利であ
るものの、軸13と中空部16eとの摺動部が少なくな
るので比較的軽荷重向けである。図24の変形例は、転
動体2、3、1A乃至1Cにおいても適用可能である。
【0022】前記転動体1乃至4、1A乃至1Dにおい
て説明した中間部材又は前側部材、中側部材、後側部材
の組の軸13に組付ける個数nは、免震装置の被支持体
に対する耐荷重性能が転動体の外径及び軸方向長さによ
って設定される所から、所望の耐荷重に応じて増減して
選定する。又前記各転動体において説明した直径d、
D、D、D、及びD、間隔t及びhの値は、便宜
上各転動体において同一として説明したが、各例毎にそ
れぞれ別個の値にとることができる。転動体3、4のセ
グメント部は、3分割したものを用いてあるが、2分割
又は3分割を超ることも可能であり、転動体4では溝部
及び連結片部の数を分割個数に合わせればよいが、細分
化すると使い勝手が劣り部品点数が増えコスト高となり
工作上精度が出しにくくなる等、一方2分割では各セグ
メント部にかかる力が集中しやすい等から前記した3分
割とするのが好ましい。一方転動体1Aは表面形状の特
殊性から2分割に限られる。又分割は等分割とするのが
部品点数が少なく、バランスがとれ好ましいが、必ずし
も厳密に等分割でなくとも使用可能である。各転動体の
各部材は材料により機械加工、モールド・押出し成形等
によりそれぞれ単体又は各部材を組合わせ接着、溶着等
により容易に得られるが、部品点数が少なくて済み、モ
ジュール化して所望の荷重に即応することができる。又
組立てが簡単で現場施工、搬送が容易という利点もあ
る。
【0023】以下図16乃至図20について本発明の免
震装置を説明する。これらはいずれも転動体1を用いた
例として示してあるが、転動体1は図の輻輳化を避ける
ため簡略化して構成の一部を省略して表示してあり、前
記した他の転動体も同様にそれぞれ使用可能である。図
16、17に示す本発明第1例の免震装置5は、ユニッ
トを直交する二段重ねとし、図16は基準状態にある場
合を示し、図17は地震発生時の状態にある場合を示
す。図16は左右方向Xの地震動に対する免震装置5の
上段ユニット及び前後方向Yの地震動に対する免震装置
5の下段ユニットを示している。上段ユニットの免震装
置5は支持体Gと被支持体H間に介在して装着され、転
動体1、下部案内部材51、上部案内部材52及び支持
部材53を有している。転動体1は前記構成で組立てら
れ、軸13両端部にキー14aが圧入可能なキー溝が刻
込まれている。下部案内部材51は、支持体G上に固設
され、平面視において方形で正面視において振動域の中
央部が最低部分であって両端部に向かって徐々に高くな
る凹状として例えば円弧面に形成されている。上部案内
部材52は、被支持体H下に固設され、平面視において
方形で正面視において振動域の中央部が最高部分であっ
て両端部に向かって徐々に低くなる凹状として例えば円
弧面に形成され、下部案内部材51上方に上部案内部材
52は円弧面を向合わせにして配設されている。ここ
で、免震装置5の一対を直交する二段重ねとした図16
においては、下段の上部案内部材52と上段の下部案内
部材51は一体物として示してあるが、別体の上部案内
部材52と下部案内部材51の平面部を背中合わせに固
着して用いることとしてもよい。支持部材53は一対が
用いられ、略方形の剛性材の基部53aの上下左右対称
位置の4隅部に切込み53bが刻設され、各切込み53
bの中央部に前後方向に貫通する4個の支軸として固定
軸53dに4個の回動自在な小車輪53cが遊嵌され、
基部53aの中央部に穿設された軸固着孔53eに転動
体1の軸13の端末が嵌着され該端末のキー溝にキー1
4aを圧入して転動体1が基部53aに固着可能とされ
ている。ここで、基部53aの形状は必ずしも方形に限
られず、4隅部の4個の小車輪53cが軸13と平行な
固定軸53d回りに回動自在であればよく、例えば切込
み53bを刻設せずに固定軸53dを基部53aより突
出させて片持ちとしこれに小車輪53cを装着すること
としてもよい。又、支軸として固定軸53dを可動軸に
代えて小車輪53cを固着し該可動軸を基部53aと回
動自在とする構成としてもよい。
【0024】免震装置5の一ユニットの組立ては、一対
の支持部材53を前後に平行状態におき軸固着孔53e
に軸13を嵌着しキー溝にキー14aを圧入して転動体
1の軸13両端部を基部53aに固着し、対向位置に配
設された下部案内部材51と上部案内部材52の間に転
動体1及び支持部材53を介在せしめ左右方向Xに転動
体1のセグメント部11S及び12Sが転動可能な様に
セットされる。軸13の両端と基部53aとの固着はキ
ー止めではなくノック止め、ボルト止め又は溶着等によ
ってもよい。図16の基準状態では、セグメント部11
S及び12Sの表面部11a及び12aと下部案内部材
51及び上部案内部材52との接触部分はそれぞれ下部
案内部材51の最低部分及び上部案内部材52の最高部
分と一致し正面視において該接触部分を結ぶ線は軸13
の軸芯を通る鉛直線を形成し、このとき小車輪53cの
固定軸53d軸芯は軸13の軸芯から上下左右等間隔の
位置にあって各小車輪53cはそれぞれ下部案内部材5
1及び上部案内部材52に沿って転動可能とされてい
る。下段ユニットの免震装置5は、前記した上段ユニッ
トのセグメント部11S、12Sの転動方向を前後方向
Yにおいた構成であり詳細説明を省略する。上記構成に
より、各中間部材11及び端部材12の各セグメント部
及び連結片部は一体で軸13回りに回動しつつ下部案内
部材51及び上部案内部材52に沿い上段は左右方向X
又は下段は前後方向Yに転動し、それと同時に支持部材
53に固着された軸13は支持部材53と共に下部案内
部材51及び上部案内部材52に沿う小車輪53cの転
動によって上段は左右方向Xに又は下段は前後方向Yに
揺動可能とされている。
【0025】図18に示す本発明第2例の免震装置6
は、基準状態にある場合で、左右方向Xの地震動に対す
る免震装置のユニットを示している。免震装置6は、支
持体Gと被支持体H間に介在して装着され、転動体1、
下部案内部材51、上部案内部材52、及び支持部材1
4を有している。下部案内部材51及び上部案内部材5
2は前記免震装置5と同様の構成であるが、転動体1は
左右に一対が用いられている。支持部材14は一対が用
いられ、略方形の剛性材で左右対称位置に一対の平行な
転動体1の軸13の両端部が溶着により固着されてい
る。ここで軸13と支持部材14との固着は溶着ではな
く前記免震装置5と同様の各態様があり、例えば図3、
6、10、13に示す転動体1〜4におけるように軸1
3の両端末に刻込まれたキー溝にキー14aを圧入する
こととしてもよい。支持部材14の形状は、方形に限定
されず各転動体1の軸13間に掛渡される大きさのもの
であればよい。免震装置6の組立ては、一対の転動体1
の軸13の両端末を支持部材14で固着する他は免震装
置5の一ユニットの組立てと同様である。上記構成によ
り、図18の基準状態では、各セグメント部11S及び
12Sの表面部11a及び12aと下部案内部材51及
び上部案内部材52との接触部分はそれぞれ下部案内部
材51の最低部分及び上部案内部材52の最高部分を結
ぶ鉛直面より左右等間隔の位置にあり、各中間部材11
及び端部材12の各セグメント部及び連結片部は一体で
軸13回りに回動しつつ下部案内部材51及び上部案内
部材52に沿い左右方向Xに転動可能で、支持部材14
に固着された各軸13は支持部材14と共に左右方向X
に揺動可能とされている。ここで図示省略するが、耐荷
重を増大するために中間部材11の数nを増加し、各軸
13を伸ばしグループ分けし僅かな間隔をおいてを直列
に配列し、各軸13の両端部及び隣接するグループ間に
支持部材14を各軸13間に掛渡して固着することとし
てもよい。
【0026】図19に示す本発明第3例の免震装置7
は、基準状態にある場合で、左右方向Xの地震動に対す
る免震装置のユニットを示している。免震装置7は、支
持体Gと被支持体H間に介在して装着され、転動体1、
下部案内部材51、上部案内部材52及び支持部材73
を有している。転動体1、下部案内部材51及び上部案
内部材52は前記免震装置5と同様の構成である。支持
部材73は、各一対の中部リンク73a、上部リンク7
3b及び下部リンク73cを有している。中部リンク7
3aは、中央部が軸13の両端部にキー14aによって
固着され、正面視において右下側より左上側に向かって
斜めに延びた等距離の上下端部にピン73d及び73e
によって同じ長さの上部リンク73b及び下部リンク7
3cが回動自在に連結されている。上部リンク73b
は、中部リンク73a上側のピン73d連結部から右上
側に伸びピン73fによって上部案内部材52の最高部
分の鉛直線上側面に回動自在に連結されている。下部リ
ンク73cは、中部リンク73a下側のピン73e連結
部から左下側に伸び、ピン73gによって下部案内部材
51の最低部分の鉛直線下側面に回動自在に連結されて
いる。軸13と中部リンク73aとの固着は、前記免震
装置の軸13と支持部材14と同様の各態様がある。免
震装置7の組立ては、軸13の両端に中部リンク73a
を固着し、ピン73f及び73gによって上部案内部材
52及び下部案内部材51に回動自在に連結する他は免
震装置5の組立てと同様である。上記構成により、各中
間部材11及び端部材12の各セグメント部及び連結片
部は一体で軸13回りに回動しつつ上部案内部材52及
び下部案内部材51に沿い左右方向Xに転動可能で、支
持部材の中部リンク73aに固着された軸13は中部リ
ンク73aと共に左右方向Xに揺動可能とされている。
図19の基準状態では、ピン73g、転動体1の軸13
及びピン73fの各軸芯は正面視において同一鉛直線上
におかれ、軸13の軸芯は基準状態及び左右方向Xの転
動時に係らず常時上部案内部材52のピン73f軸芯と
下部案内部材51のピン73g軸芯との中点に維持可能
とされている。
【0027】図20に示す本発明第4例の免震装置8
は、基準状態にある場合で、ユニットを直交する二段重
ねとし、左右方向Xの地震動に対する免震装置の下段ユ
ニット及び前後方向Yの地震動に対する免震装置の上段
ユニットを示している。免震装置8のユニットは、支持
体Gと被支持体H間に介在して装着され、転動体1、下
部案内部材81、上部案内部材82、支持部材83及び
リンク部84を有している。ここでの転動体1は、中間
部材11及び端部材12を組合わせて一ユニットとした
ものの3ユニットを一本の軸13に僅かな間隔をおいて
直列に配列したものを左右、前後に各一対用いている。
先ず下段ユニットについて、下部案内部材81は支持体
G上に固設され、正面視において二区分され振動域の中
央部が最低部分であって両端部に向かって徐々に高くな
る凹状として一対の同一形状の例えば円弧面の凹状部8
1a、81bが中央部の水平部81cを介して直列に連
設して形成され、平面視において方形をなしている。上
部案内部材82は、被支持体H下に固設され、正面視に
おいて二区分され振動域の中央部が最高部分であって両
端部に向かって徐々に低くなる凹状として一対の同一形
状の例えば円弧面の凹状部82a、82bが中央部の水
平部82cを介して直列に連設して形成され、平面視に
おいて方形をなし、下部案内部材81上方に上部案内部
材82が各円弧面を向合わせにして配設されている。こ
こで、免震装置8の一対を直交する二段重ねとした図2
0においては、下段の上部案内部材82と上段の下部案
内部材81は一体物として示してあるが、別体の上部案
内部材82と下部案内部材81の平面部を背中合わせに
固着して用いることとしてもよい。又水平部81c、8
2cは省略し、上部案内部材82及び下部案内部材81
の各区分を密接配置してもよいし、離隔位置に配置する
こともできる。又各区分の数は二区分に限定されず他の
複数としてもよいし、免震装置6と同様一区分であって
もよい。支持部材83は、上下段ユニットそれぞれに略
方形剛性材の4個を用い、左右対称位置に一対の転動体
1の軸13の両端部及び隣接する転動体1の3ユニット
間にそれぞれが固着されている。軸13と支持部材83
との固着は、前記免震装置の軸13と支持部材14と同
様の各態様がある。又支持部材83は、必ずしも方形で
なくてもよい。支持部材83の数は、転動体1のユニッ
ト数又は使用態様によって増減することができる。リン
ク部84は、前記免震装置7の支持部材73と同様の構
成で、各一対の中部リンク84a、上部リンク84b及
び下部リンク84cを有している。中部リンク84a
は、中央が支持部材83の中点にピン(図面輻輳のため
符号省略、以下同じ)によって回動自在に連結され、正
面視において斜めに延びた等距離の上下端部にピンによ
って同じ長さの上部リンク84b及び下部リンク84c
が回動自在に連結されている。上部リンク84bは、中
部リンク84a上側のピン連結部から斜め上側に伸びピ
ンによって上部案内部材82の水平部82cの中央鉛直
線上側面に回動自在に連結されている。又下部リンク8
4cは、中部リンク84a下側のピン連結部から斜め下
側に伸びピンによって下部案内部材81の水平部81c
の中央鉛直線下側面に回動自在に連結されている。ここ
で中部リンク84a中央部のピンは、支持部材83の中
点でなく支持部材83のいずれか一点とし、上部リンク
84b上端部が上部案内部材82側端面に又下部リンク
84c下端部が下部案内部材81側端面においてそれぞ
れ支持部材83の前記一点の上下対称位置に回動自在に
連結することとしてもよいが、前記支持部材83の中点
とするのがバランス上好ましい。免震装置8の組立て
は、予め軸13に3ユニットを直列に配列した間に支持
部材83を掛渡して固着したもの準備し、対向位置に配
設された下部案内部材81と上部案内部材82の間に一
対の転動体1を介在せしめ左右方向Xに転動可能な様に
セットされる。上段ユニットの免震装置8は、前記した
下段ユニットを本体部材31の転動方向を前後方向Yに
おいた構成であり詳細説明を省略する。上記構成によ
り、各セグメント部及び連結片部は軸13回りに回動し
つつ各下部案内部材81及び上部案内部材82に沿い下
段は左右方向Xに又は上段は前後方向Yに転動し、それ
と同時に支持部材83に固着された各軸13は下段は左
右方向Xに、又は上段は前後方向Yに支持部材83と共
に揺動可能とされている。又図20の基準状態では、上
部案内部材82のピン、中部リンク84a中央部のピン
及び下部案内部材81のピンの各軸芯は正面視において
同一鉛直線上におかれ、中部リンク84aの上側及び下
側ピンの各軸芯を通る鉛直線は中部リンク84a中央部
のピン軸芯の鉛直線からそれぞれ左右等間隔の位置にあ
る。この中部リンク84a中央部のピン軸芯は基準状態
及び左右方向X又は前後方向Yの転動時に係らず常時上
部案内部材82のピン軸芯と下部案内部材81のピン軸
芯との中点に維持可能とされている。ここで中部リンク
84a中央部のピンを支持部材83の中点でなく他の一
点とした場合には、その一点は各案内部材のピン軸芯の
中点に常時維持可能である。
【0028】図15に示す本発明第5例の免震装置9
は、左右方向Xの地震動に対する免震装置のユニット
で、図15(a)(b)は基準状態にある場合で、図1
5(c)は地震発生時の状態にある場合を示す。免震装
置9は、支持体Gと被支持体H間に介在して装着され、
転動体1A、下部案内部材91、上部案内部材92及び
支持部材14を有している。下部案内部材91は、支持
体G上に固設され、平面視において方形(図示省略)で
正面視において表面が平坦に形成されている。ここで、
支持体Gと下部案内部材91は一体化して示されている
が、それぞれ別体としてもよい。上部案内部材92は、
被支持体H下に固設され、平面視において方形(図示省
略)で正面視において表面が平坦に形成され、下部案内
部材91の上方に平担面を向合わせにして配設されてい
る。ここで、支持体Hと上部案内部材92は一体化して
示されているが、それぞれ別体としてもよい。支持部材
14は一対が軸13の両端に固着され、前記免震装置と
同様の各態様がある。上記構成により、各中間部材1
1′及び端部材12′の各セグメント部及び連結片部は
一体で軸13回りに下部案内部材91及び上部案内部材
92に沿い左右方向Xに転動し、それと同時に支持部材
14に固着された軸13は左右方向Xに揺動可能とされ
ている。ここで、下部案内部材91及び上部案内部材9
2は表面が平坦に形成されているが形状は必ずしもこれ
に限定されず湾曲面であってもよく、その形状は各セグ
メント部11′S、12′Sの表面部11′a、12′
aと組合わせて所望の免震特性が得られるように選定す
ればよいが、平坦との組合わせとするのがコスト、精度
の面から好ましい。
【0029】免震装置5〜8においては、左右方向X及
び前後方向Yの地震動に対する免震装置として上下段の
二段重ねとした免震装置5及び8は一方向向けとして一
段のみで用いてもよく、又左右方向Xの地震動に対する
免震装置として説明した免震装置6、7及び9は直交す
る上下段の二段重ねとして二方向向けとして用いてもよ
い。免震装置6の下部案内部材51及び上部案内部材5
2を、免震装置8の下部案内部材81及び上部案内部材
82と同様に凹状部の一対を直列に連設するか離隔位置
に配置した構成とすることもできる。免震装置5〜9に
おいては、各転動体は一個又は一対を組として用いてい
るが、複数個又は複数用いることにより耐荷重を増大す
ることができる。免震装置6の支持部材14に免震装置
5で説明した小車輪の組合わせ又は免震装置8のリンク
の構成を付加することにより、転動体1の転動を規制す
ることとしてもよい。
【0030】以下において、本発明の転動体及び免震装
置の作動について説明する。先ず図21について、各種
転動体を用いた従来例及び本発明の免震装置において被
支持体11側から支持体G側への荷重Lの伝わり方(反
力は省略)を模式的に矢印で示したものである。(d)
は、従来例のころタイプであって荷重Lは、上部案内部
材52→ころK→下部案内部材51へと直接伝えられ
る。このため、ころKの転動に対する減衰力は積極的に
は発生しない。(e)は、従来例の車輪タイプであって
荷重Lは、上部案内部材は使用しないので、被支持体H
→支持アームA→軸13→車輪S→下部案内部材51へ
と伝えられる。このため、車輪Sの転動に対する減衰力
が軸13と車輪Sとの摩擦により発生する。(a)は、
本発明の転動体1であって荷重Lは、図3も参照してそ
れぞれ対向する各セグメント部の左右端部11d、12
d間の間隔2hと、各連結片部の表面部11g、12h
と各セグメント部の内面部11b、12b間の間隙tの
存在によって伝達が遮断され、上部案内部材52→上側
のセグメント部表面部12a→軸13上面→軸13下面
→下側のセグメント部表面部11a→下部案内部材51
の経路を辿り、各連結片部の中空部11e、12e及び
軸13を介して伝えられる。このため、中間部材11、
端部材11の一体での転動に対する減衰力が軸13と中
空部11e、12eとの摩擦により発生する。転動体2
においても荷重Lの伝わり方はほぼ同様である。(b)
は、本発明の転動体3であって荷重Lは、図10も参照
してそれぞれ対向する各セグメント部の左右端部31
d、32d、33d間の間隔2hと、各連結片部の表面
部31g、32g、33gと各セグメント部の内面部3
1b、32b、33b間の間隙tの存在によって伝達が
遮断され、上部案内部材52→上側のセグメント部表面
部32a、33a上側境界→左右別れて軸13上面→軸
13下面→下側のセグメント部表面部32a→下部案内
部材51の経路を辿り、各連結片部の中空部31e、3
2e、33e及び軸13を介して伝えられ前記(a)と
同様に摩擦による減衰力が発生する。転動体4において
も荷重Lの伝わり方はほぼ同様である。(c)は(b)
で説明した転動体3が転動した場合であって荷重Lは、
上部案内部材52→上側のセグメント部表面部32a→
軸13上面→軸13下面→下側のセグメント部表面部3
3a→下部案内部材51の経路を辿り、各連結片部の中
空部及び軸13を介して伝えられ前記(a)と同様に摩
擦による減衰力が発生する。上記(a)乃至(c)の説
明においては、すべて間隔2h及び間隙tの存在を前提
としているが、この値は平均的な値であり実際の装置に
おいては変動しても前記した通り向き合う部分は常時非
接触に保持可能とされているので、荷重Lの伝わり方は
同様であり、軸13と中空部11e、12eとの摩擦は
有効に作用する。
【0031】次に、図16、17によって第1例の免震
装置5の作動を説明する。図16は上下二段で基準状
態、図17は上段のみの地震発生時を示してあり、先ず
簡略化して左右方向Xに対する上段のみについて説明す
る。地震動非作動時の図16(b)に示す基準状態で
は、各セグメント部11S、12Sの表面部11a、1
2aと下部案内部材51及び上部案内部材52との接触
部分はそれぞれ下部案内部材51の最低部分及び上部案
内部材52の最高部分にあり、各小車輪53cの固定軸
53d軸芯はその接触部分から左右等間隔の位置にあっ
て、被支持体Hは最低レベル位置において支持体G上方
に安定状態で静止している。左右方向Xの地震動が発生
し支持体Gが振動した場合には、図17に示す様に中間
部材11及び端部材12の各セグメント部及び連結片部
は一体で軸13回りに回動しつつ下部案内部材51及び
上部案内部材52に沿い左右方向Xに相対的に転動し、
軸13は支持部材53と共に下部案内部材51及び上部
案内部材52に沿う小車輪53cの転動によって左右方
向Xに揺動し、被支持体Hは僅かに上昇して最高レベル
位置に達し、被支持体Hは基準状態の最低レベル位置か
らの変位に応じた復元力をうけ振動を繰り返す。ここ
で、被支持体Hの荷重は図21(a)について前記した
通り、直接支持体Gに達せず必ず各連結片部の中空部と
軸13を経由するので相互の摩擦が減衰力として有効に
作用し、地震動を減衰し免震作用が働く。ここで図16
に示すのは、免震装置5の1ユニットを左右方向X及び
前後方向Yの直交する上下二段重ねとし、上段ユニット
は左右方向X及び下段ユニットは前後方向Yの免震作用
が働き、左右方向X及び前後方向Yの直交する二方向成
分を含む地震動に対しては合成されて相対的に転動しあ
らゆる方向に免震作用が働く。この免震装置5は、前記
従来の技術で「ころタイプ」の特徴として説明したと同
様に、例えば阪神淡路大震災クラスの地震動に対する免
震装置としては、全ストロークは約500mmとして一
本の案内部材全長として約250mmで、地震動に安定
的に対応するためには案内部材一対で合計全長約500
mmに選定すればよく、案内部材の長さは短くて済む上
に、従来の技術で「車輪タイプ」の特徴として説明しと
同様に、転動体が軸の摩擦が減衰力として有効に作用す
るため、特別な減衰装置を必要とせず、被支持体の重量
変化に対し免震性能が変わらず、小型で余分な減衰力の
付加装置を必要としない前記「ころタイプ」と「車輪タ
イプ」の特徴を合わせ持った免震装置であることを示し
ている。
【0032】第2例乃至第4例の免震装置6乃至8の作
動も概ね前記免震装置5と同様で、左右方向Xの地震動
が発生し支持体Gが振動した場合には、転動体1の各中
間部材11及び端部材12の各セグメント部及び連結片
部は一体で軸13回りに回動しつつ下部案内部材及び上
部案内部材に沿い左右方向Xに相対的に転動し、軸13
は支持部材と共に左右方向Xに揺動し、被支持体Hは僅
かに上昇して最高レベル位置に達し、被支持体Hは基準
状態の最低レベル位置からの変位に応じた復元力をうけ
振動を繰り返す。ここで、被支持体Hの荷重は図21
(a)について前記した通り、直接支持体Gに達せず必
ず各連結片部の中空部と軸13を経由するので相互の摩
擦が減衰力として有効に作用し、地震動を減衰し免震作
用が働く。特に免震装置6は、転動体1の一対が一体で
用いられるので被支持体の荷重が増えても転動体1の1
個当たりの耐荷重は軽減される。免震装置7は、リンク
を組合わせた支持部材73によって規制された軸13の
軸芯が常時上部案内部材52と下部案内部材51のピン
軸芯の中点位置に維持されるので、姿勢を安定的に作動
可能である。免震装置8は、免震装置6及び7の特徴を
合わせ持っている。一般的に免震装置5乃至8は転動体
1の数によって、通常免震装置5、7は比較的軽荷重向
けであり、免震装置6は比較的中荷重向けであり、免震
装置8は比較的重荷重向けに適している。又第1例乃至
第4例の免震装置5乃至8において、転動体1に代えて
転動体2乃至4のいずれかを用いた場合の作動も図21
(a)〜(c)に示した通り各連結片部の中空部と軸1
3の摩擦が減衰力として有効に作用し、地震動を減衰し
免震作用が働く。
【0033】本発明第1例の変形例転動体1Aを用いた
図15に示す本発明第5例の免震装置9は、前記した転
動体1を用いた場合と同様に、通常重荷重用に適してい
る。中間部材11′及び端部材12′の各セグメント部
及び連結片部は一体で軸13回りに半回転を超えない範
囲で回動しつつ表面平坦な下部案内部材91(又は支持
体G)及び上部案内部材92(又は被支持体H)に沿っ
て左右方向Xに転動し、それと同時に支持部材14に固
着された軸13は支持部材14と共に左右方向Xに揺動
可能とされ、各連結片部の中空部と軸13の摩擦が減衰
力として有効に作用し、地震動を減衰し免震作用が働
く。ここで、下部案内部材91及び上部案内部材92は
表面を平坦又はこれに近似した形状とすることができる
ので、案内部材の製造が容易で低コスト、高精度が計れ
る。
【0034】転動体の構成からみて、転動体1、2で
は、一対のセグメント部を組合わせて用い、通常表面全
周の約半分以下だけ転動するようにして使用されるので
外径Dが15cm〜30cmと大型で、主として比較的
重荷重向けである。一方転動体3、4では、3個のセグ
メント部を組合わせて用い、複数回の転動中に各セグメ
ント部にかかる力の方向が分散され転動し易くしてある
が、隣接するセグメント部の間隙を乗越えるときに騒音
が発生する場合があり、小型で比較的軽又は中荷重向け
である。転動体2及び4では、連結片部21T、22T
の突出部の前後幅W 及び連結片部41Tの前後幅W
15を例えば薄厚のワッシャー等の採用により他の転動
体に比し幅を小さくとることも可能であり、この幅を小
さくとれば相対的に軸13と摺動する21e、22e及
び41e部分が大きくとれ荷重伝達面積を広くすること
ができ耐荷重を増大させることができる。いずれの転動
体においても、各部材をモジュール化して量産して予め
準備しておき、各部材を軸13に挿通しながら順次組合
わせことにより他の連結部材を何等用いることなく、中
間部材等の個数nを加減して被支持体の荷重の変動に容
易に対応することができ、少ない部品点数、コスト、納
期の迅速化、組立て、搬送等の面から有利である。
【0035】
【発明の効果】本発明の免震用転動体によればころタイ
プと同様の小型でありながら車輪タイプと同様に摩擦を
減衰力として有効に作用せしめることができ、この転動
体を用いた免震装置は被支持体の重量変化に対し免震性
能が変わらず、減衰力の付加装置を必要とせず、簡易小
型の構造で十分な強度が得られ、一般家庭品、OA機
器、医療機器、美術品等の器物の軽荷重用から、省スペ
ース条件下の電算機、機械、建築物、橋梁等の中乃至重
荷重用まで、幅広い免震に適応可能である。又免震用転
動体は部品点数が少なく、組立てが簡単で現場施工、搬
送が容易であり、所望の荷重に即応できるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転動体第1例の各構成部材の分解概略
斜視図で、(a)は前端部側、(b)は後端部側の一
例、(c)は後端部側の他例である。
【図2】図1の転動体の(a)は中間部材で、aa)正
面図、ab)平面図、ac)底面図、ad)側面図、a
e)A・A断面図、af)C・C断面図、ag)B・B
断面図である。(b)は端部材で、ba)背面図、b
b)平面図、bc)底面図、bd)側面図、be)D・
D断面図、bf)F・F断面図、bg)E・E断面図で
ある。
【図3】図1、2の転動体の各構成部材を組立てた
(a)一部B・B断面図を含む側面図、(b)正面図、
(c)一部C・C断面図を含む平面図、(d)A・A断
面図である。
【図4】組立てた転動体第1例を軸を引抜いて展開し
た、(a)一部A・A断面図を含む平面図、(b)
(a)の正面図、(c)一部B・B断面図を含む平面
図、(d)(c)の正面図である。
【図5】本発明の転動体第2例の(a)は中間部材で、
aa)正面図、ab)平面図、ac)底面図、ad)側
面図、ae)A・A断面図、af)C・C断面図、a
g)B・B断面図である。(b)は端部材で、ba)背
面図、bb)平面図、bc)底面図、bd)側面図、b
e)D・D断面図、bf)F・F断面図、bg)E・E
断面図である。
【図6】図5の転動体の各構成部材を組立てた(a)一
部B・B断面図を含む側面図、(b)正面図、(c)一
部C・C断面図を含む平面図、(d)A・A断面図であ
る。
【図7】組立てた転動体第2例を軸を引抜いて展開し
た、(a)一部A・A断面図を含む平面図、(b)
(a)の正面図、(c)一部B・B断面図を含む平面
図、(d)(c)の正面図である。
【図8】本発明の転動体第3例の中間部材で、(a)正
面図、(b)平面図、(c)底面図、(d)側面図、
(e)A・A断面図、(f)B・B断面図である。
【図9】本発明の転動体第3例の、第1端部材で(a)
背面図、(b)平面図、(c)底面図、(d)A・A断
面図である。第2端部材で(e)背面図、(f)平面
図、(g)底面図、(h)B・B断面図である。
【図10】図8、9の転動体の各構成部材を組立てた
(a)一部B・B断面図を含む側面図、(b)A・A断
面図である。
【図11】組立てた転動体第3例を軸を引抜いて展開し
た、(a)一部A・A断面図を含む平面図、(b)
(a)の正面図、(c)一部B・B断面図を含む平面
図、(d)(c)の正面図、(e)一部C・C断面図を
含む平面図、(f)(e)の正面図である。
【図12】本発明の転動体第4例の、(a)は後側部材
で、aa)正面図、ab)A・A断面図、ac)底面
図、ad)B・B断面図、ae)側面図である。(b)
は中側部材で、ba)正面図、bb)C・C断面図、b
c)底面図、bd)D・D断面図、be)側面図であ
る。
【図13】図12の転動体の各構成部材を組立てた
(a)一部B・B断面図を含む側面図、(b)A・A
断面図、(c)A・A断面図、(d)A・A
断面図である。
【図14】組立てた転動体第4例を軸を引抜いて展開し
た、(a)A・A断面の平面図、(b)(a)の正面
図、(c)B・B断面の平面図、(d)(c)の正面
図、(e)C・C断面の平面図、(f)(e)の正面図
である。
【図15】本発明の転動体第1例の変形例(第5例)と
これを用いた免震装置の第5例の各一部で、(a)基準
状態の側面図、(b)(a)の正面図、(c)地震発生
時の状態を示す正面図である。
【図16】基準状態にある本発明の直交する転動体を用
い、二段重ねとした免震装置の第1例を示し(a)上段
の上部案内部材を除いた平面図、(b)正面図である。
【図17】図6(b)に示す免震装置一部の地震発生時
の状態を示す正面図である。
【図18】基準状態にある本発明の免震装置の第2例を
示し(a)左半分は上部案内部材を除いた平面図で右半
分はA・A線断面の平面図、(b)正面図である。
【図19】基準状態にある本発明の免震装置の第3例を
示し(a)平面図、(b)正面図である。
【図20】基準状態にある本発明の免震装置の第4例を
示し(a)上段の上部案内部材を除いた平面図、(b)
正面図である。
【図21】転動体の荷重の掛かり方を模式的に示し
(a)転動体第1例の正面図、(b)(c)転動体第3
例の正面図、(d)従来例ころタイプの正面図、(e)
従来例車輪タイプの正面図である。
【図22】本発明の転動体第1例の変形例(第6例)で
(a)B・B断面側面図、(b)正面図である。
【図23】本発明の転動体第1例の変形例(第7例)で
(a)B・B断面側面図、(b)正面図である。
【図24】本発明の転動体第1例の変形例(第8例)で
中間部材の(a)正面図、(b)底面図、(c)側面図
である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D、2、3、4 転動体 5、6、7、8、9 免震装置 11、11′、21、31 中間部材 11a、11′a、12a、12′a、21a、22
a、31a、41a、41g 表面部 11b、12b、21b、22b、31b 内面部 11c、12c、21c、22c、31c、31f、3
1g、41c、41f前後側面部 11d、12d、21d、22d、31d、41d 左
右端部 11e、12e、21e、22e、31e、41e 中
空部 11f、12f、12g、21f、22f、22g、2
2i、22j 前後側面部 11g、12h、21h、22h 中径部側表面部 11S、11′S、12S、12′S、21S、31
S、41S セグメント部 11T、12T、21T、31T、41T 連結片部 12、12′、22、32、33 端部材 13 軸 14、53、73、83 支持部材 15 薄肉材 16 弾性材 41 後側部材 41b 〜41b 溝部 42 中側部材 43 前側部材 51、81、91 下部案内部材 52、82、92 上部案内部材 53a 基部 53b 切込み 53c 小車輪 73a、84a 中部リンク 73b、84b 上部リンク 73c、84c 下部リンク 73d、73e、73f、73g ピン 84 リンク部 81a、81b 凹状部 81c、82c 水平部 α 中心角 d、D、D 、D 、D 外径、内径 h 高さ(間隔) t 半径差(間隙) G 支持体 H 被支持体 L 荷重 n 個数 Q 軸芯 W 〜W17 幅 X 左右方向 Y 前後方向

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸回りに回動しつつ対向する上部及び下
    部案内部材に沿って転動可能な免震用転動体であって、
    前記軸に対しプラス公差の内径の中空部が軸芯に穿設さ
    れ表面部が大径部と該大径部に対し該公差の1/2を超
    える半径差をもった小径の中径部とが組合わされて同心
    状円弧面に形成された舌片状体の連結片部と、前記連結
    片部より前後広幅で軸芯を共有し前記大径部と同径の内
    面部をもつ円筒状体の表面部外周を該軸芯を含む面で2
    以上に分割し該分割左右端部面を前記公差の1/2を超
    える高さだけ切除した形状の断面扇形体のセグメント部
    とを含み、前記セグメント部の内面部と前記連結片部の
    大径部とが前後中央部において連結された中間部材及び
    一方側にずれて連結された端部材により転動ユニットが
    形成され、前記軸に複数の前記転動ユニットから選択さ
    れた各部材を順次向きをずらして配置し前記中空部を挿
    通して組付け、前記各セグメント部の表面部外周が同一
    の円弧面を形成し、向合っている前記セグメント部の左
    右端部間及び前記セグメント部の内面部と前記連結片部
    の中径部側表面部間が常時非接触に保持可能とされてい
    ることを特徴とする免震用転動体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の免震用転動体におい
    て、(1)中間部材は共通軸芯に対し外径Dの表面部と
    内径Dの内面部と前後側面部とをもった略半円筒状断
    面扇形体で該軸芯を含む平面に対して左右端部を高さh
    切除した形状のセグメント部と、前記セグメント部より
    前後狭幅で軸径に対しプラス公差Cの内径Dの中空部
    と外径Dの大径部と半径差tだけ小径の外径Dの中
    径部とを組合わせた前後側面部と中径部側表面部とをも
    って前記内面部の円弧面前後中央部から突設された舌片
    状体の連結片部とを有し、(2)端部材は共通軸芯に対
    し外径Dの表面部と内径Dの内面部と一方側面部及び
    他方側面部をもった前記中間部材セグメント部前後幅の
    半分又はそれより僅かに大きい略半円筒状断面扇形体で
    該軸芯を含む平面に対して左右端部を高さh切除した形
    状のセグメント部と、内径Dの中空部と外径Dの大
    径部と外径Dの中径部とを組合わせた前後側面部と中
    径部側表面部とをもって前記他方側面部と面一に合わせ
    て前記内面部の円弧面に沿って突設された舌片状体の連
    結片部とを有し、前記C<2h及びC<2tの関係にお
    かれ、前記軸の前後端末に前記端部材及び中間に複数の
    前記中間部材を上下向きを交互に組付け前記各中空部に
    前記軸を挿通したことを特徴とする免震用転動体。
  3. 【請求項3】 (1)中間部材はセグメント部が前後幅
    の略半円筒状の断面扇形体で、連結片部が前記W
    の半分の前後幅Wをもった舌片状体で、(2)端部材
    はセグメント部が前後幅Wの略半円筒状の断面扇形体
    で、連結片部が前記Wの半分の前後幅Wをもった舌
    片状体であることを特徴とする請求項2に記載の免震用
    転動体。
  4. 【請求項4】 中間部材として端部材の一対を各セグメ
    ント部と連結片部と面一に合わせた側面部側を背中合わ
    せにして組合わせたことを特徴とする請求項3に記載の
    免震用転動体。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の免震用転動体におい
    て、(1)中間部材はセグメント部は前後幅Wの略半
    円筒状の断面扇形体で、連結片部は基部と突出部とから
    なり、該基部は内径Dの中空部の略半分より僅かに小
    さい円弧面と外径Dの大径部と左右端部の軸芯側延長
    面上にある底面部と前後側面部とをもち、前記Wから
    前後にそれぞれ幅Wだけ狭幅にとられた断面扇形体で
    あって、前記突出部は前記中空部の略半分より僅かに大
    きい円弧面と前記Dより半径差tだけ小さい外径D
    の中径部の前後側面部及び表面部とをもった前記W
    2倍の前後幅Wにとられた舌片状体を有し、前記基部
    及び突出部は前記底面部を境として結合されて前記セグ
    メント部の内面部円弧面に沿って前後幅中央部に固着さ
    れ、(2)端部材はセグメント部が前記Wの半分より
    僅かに大きい前後幅Wの略半円筒状の断面扇形体で、
    連結片部は基部と突出部とからなり、該基部は内径D
    の中空部の略半分より僅かに小さい円弧面と外径D
    大径部と左右端部の軸芯側延長面上にある底面部と一方
    及び他方側面部とをもち前記Wから一方に幅Wだけ
    狭幅にとられた断面扇形体であって、前記突出部は前記
    中空部の略半分より僅かに大きい円弧面と外径Dの中
    径部の一方及び他方側面部と表面部とをもった前後幅W
    にとられた舌片状体を有し、前記基部及び突出部は前
    記底面部を境として結合されて前記セグメント部の内面
    部の円弧面に沿って他方側面部同士が面一に固着されて
    いることを特徴とする免震用転動体。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の免震用転動体におい
    て、端部材は第1端部材及び第2端部材を含み、(1)
    中間部材は共通軸芯に対し外径Dの表面部と内径D
    内面部と前後側面部とをもった前後幅Wの断面扇形体
    で中心角を120度にとった該軸芯を含む平面に対して
    左右端部を高さhだけ切除した形状のセグメント部と、
    前記Wの1/3の前後幅W10をもち軸径に対しプラ
    ス公差Cの内径Dの中空部と外径Dの大径部と半径
    差tだけ小径の外径Dの中径部とを同心状円弧面とし
    て組合わせ前後側面部と中径部側表面部とをもった舌片
    状体の連結片部とを有し、前記連結片部は前記内面部の
    円弧面前後中央部に沿って固着され、(2)第1端部材
    は共通軸芯に対し外径Dの表面部と内径Dの内面部と
    前後側面部をもった前記Wの2/3の前後幅W11
    略半円筒状の断面扇形体で中心角を120度にとった該
    軸芯を含む平面に対して左右端部を高さhだけ切除した
    形状のセグメント部と、前記W10より狭い前後幅W
    12をもち内径Dの中空部と外径Dの大径部と外径
    の中径部とを同心状円弧面として組合わせた前後側
    面部と中径部側表面部とをもった舌片状体の連結片部と
    を有し、前記連結片部は後側が前側面部より距離W10
    で前側が距離W13の位置において前記内面部の円弧面
    に沿って固着され、(3)第2端部材は共通軸芯に対し
    外径Dの表面部と内径Dの内面部と前後側面部とをも
    った前後幅W10の断面扇形体で中心角を120度にと
    った該軸芯を含む平面に対して左右端部を高さhだけ切
    除した形状のセグメント部と、前後幅W13をもち内径
    の中空部と外径Dの大径部と外径Dの中径部と
    を同心状円弧面として組合わせた前後側面部と中径部側
    表面部とをもった舌片状体の連結片部とを有し、前記連
    結片部は前記内面部の円弧面に沿って一方の前記側面部
    同士が面一に固着され、前記C<2h及びC<2tの関
    係におかれ、前記軸の一方端末に前記第2端部材、第1
    端部材及び中間部材を、中間に3個の前記中間部材の組
    を、他方端末に前記中間部材、第1端部材及び第2端部
    材を各セグメント部を120度づつ向きをずらして配置
    して組付け前記各中空部に挿通したことを特徴とする免
    震用転動体。
  7. 【請求項7】 連結片部の中径部を中間で切除し断面が
    略U字形の形状をなす一対の舌片状体を大径部と連設し
    て開口部を設け、該開口部を通して中空部に軸が圧入可
    能としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の免震用転動体。
  8. 【請求項8】 軸回りに回動しつつ対向する上部及び下
    部案内部材に沿って転動可能な免震用転動体であって、
    前記軸に対しプラス公差の内径の中空部が軸芯に穿設さ
    れた円筒状体の表面部外周を該軸芯を含む面で2以上に
    分割し該分割左右端部面を前記公差の1/2を超える高
    さだけ切除した形状の断面扇形体で該表面部より小径円
    弧状の細幅溝部が該分割数に合わせて前後に間隔をおい
    て配設されたセグメント部と、軸芯に前記セグメント部
    と同径の中空部が穿設され前記溝部に遊嵌され前記軸と
    の公差の1/2を超える半径差だけ小径の表面部をもっ
    たリング状体の連結片部とを含み、前記各溝部底の円弧
    面に沿って順次分割数の前記連結片部を固着し各セグメ
    ント部を前記分割された角度づつ向きをずらして配置し
    て転動ユニットを形成し、前記軸に複数の前記転動ユニ
    ットを前記各中空部に挿通して組付け、前記各セグメン
    ト部の表面部外周が同一の円弧面を形成し、向合ってい
    る前記各セグメント部の左右端部間及び前記各連結片部
    の表面部と溝部間の間隙は常時非接触に保持可能とされ
    ていることを特徴とする免震用転動体。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の免震用転動体におい
    て、(1)軸に対しプラス公差Cの内径Dの中空部が
    軸芯に穿設された円筒状体の外径Dの外周を該軸芯を含
    む中心角120度の面で分割した表面部と前後側面部を
    もった前後幅W14の断面扇形体で前記Dより小さい内
    径Dで前後幅W15の細幅溝部3本が間隔をおいて配
    設され、前記分割左右端部面を高さhだけ切除した形状
    のセグメント部と、前記幅W15に対しマイナス公差の
    前後幅にとられたリング状体で内径Dの中空部と前記
    と半径差tだけ小径の外径Dの同心円状の表面部
    と前後側面部とをもった連結片部を有し、前記連結片部
    が前記後側溝部底の円弧面に沿って固着された後側部材
    と、(2)前記後側部材の連結片部を中央部溝部底の円
    弧面に沿って固着した中側部材と、(3)前記後側部材
    の連結片部を前側溝部底の円弧面に沿って固着した前側
    部材とを含み、前記C<2h及びC<2tの関係におか
    れ、前記後側部材、中側部材及び前側部材の各セグメン
    ト部を120度づつ向きをずらして配置して転動ユニッ
    トを形成したこと特徴とする免震用転動体。
  10. 【請求項10】 軸と中空部との間に別体の軸受け又は
    減摩材を介在させたことを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載の免震用転動体。
  11. 【請求項11】 各転動ユニットの外周面に直接及び端
    部側面に直接又は弾性材を介して切れ目を有しない薄肉
    材が被着されていることを特徴とする請求項1〜10の
    いずれかに記載の免震用転動体。
  12. 【請求項12】 各セグメント部の表面部の断面形状が
    正面視において一方方向を垂直な他方向より短寸にとり
    一方方向及び他方向対称の湾曲面に形成されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の免震用転
    動体。
  13. 【請求項13】 軸と中空部との間に別体の軸受け又は
    減摩材を介在させたことを特徴とする請求項12に記載
    の免震用転動体。
  14. 【請求項14】 支持体と被支持体間に介在して装着さ
    れ、前記支持体側に固設され振動域の中央部が最低部分
    をなす凹状の下部案内部材と、前記被支持体側に固設さ
    れ振動域の中央部が最高部分をなす凹状の前記下部案内
    部材に向合わせて配設された上部案内部材と、前記各案
    内部材間に装着された請求項1〜13のいずれかに記載
    の免震用転動体と、軸を固着する支持部材とを備え、地
    震動により前記転動体の各セグメント部及び連結片部が
    前記軸回りに回動しつつ前記各案内部材に沿って転動し
    該軸は前記支持部材と共に揺動して前記被支持体を一方
    向の免震可能としたことを特徴とする免震装置。
  15. 【請求項15】 支持体と被支持体間に介在して装着さ
    れ、前記支持体側に固設された表面平坦な下部案内部材
    と、前記被支持体側に固設され前記下部案内部材に向合
    わせて配設された表面平坦な上部案内部材と、前記各案
    内部材間に装着された請求項12又は13に記載の免震
    用転動体と、軸を固着する支持部材とを備え、地震動に
    より前記転動体のセグメント部及び連結片部が前記軸回
    りに半回転を超えない範囲で回動しつつ前記各案内部材
    に沿って転動し該各軸は前記支持部材と共に揺動して前
    記被支持体を一方向の免震可能としたことを特徴とする
    免震装置。
  16. 【請求項16】 支持部材は一対の剛性材で基部の上下
    左右対称位置4隅部に転動体の軸と平行な支軸を有する
    回動自在な小車輪を有し、前記各基部中央部に前記転動
    体の軸両端部が固着され、前記各小車輪は各案内部材に
    沿って転動可能に装着され、地震動により転動体のセグ
    メント部及び連結片部が前記軸回りに回動しつつ前記各
    案内部材に沿って転動し該軸は前記支持部材と共に揺動
    可能とされていることを特徴とする請求項14又は15
    に記載の免震装置。
  17. 【請求項17】 支持部材は各一対の中部リンク、上部
    リンク及び下部リンクを有し、中部リンク中央部に軸両
    端部が固着され該中部リンクの等距離上下端部にピンに
    よって同じ長さの上部リンク及び下部リンクが回動自在
    に連結され、上部リンク上端部が上部案内部材の最高部
    分側面及び下部リンク下端部が下部案内部材の最低部分
    側面にピンによって回動自在に連結され、地震動により
    転動体のセグメント部及び連結片部が前記軸回りに回動
    しつつ前記各案内部材に沿って転動し該軸は前記支持部
    材と共に揺動し、前記軸の軸芯は前記各案内部材のピン
    軸芯の中点に常時維持可能とされていることを特徴とす
    る請求項14〜15のいずれかに記載の免震装置。
  18. 【請求項18】 複数の転動体を間隔をおいて平行にお
    き、少なくとも前記転動体の軸両端部が掛渡された支持
    部材に固着され、地震動により前記転動体の各セグメン
    ト部及び連結片部が前記各軸回りに回動しつつ各案内部
    材に沿って転動し該各軸は前記支持部材と共に揺動可能
    とされていることを特徴とする請求項14〜16のいず
    れかに記載の免震装置。
  19. 【請求項19】 下部案内部材は長手方向に離隔又は密
    接し複数区分され該各区分の振動域の中央部が最低部分
    であって両端部に向って徐々に高くなる凹状の形状に形
    成され、上部案内部材は長手方向に離隔又は密接し複数
    区分され該各区分の振動域の中央部が最高部分であって
    両端部に向って徐々に低くなる凹状の形状に形成され、
    前記各区分毎に転動体がそれぞれ装着されていることを
    特徴とする請求項18に記載の免震装置。
  20. 【請求項20】 各一対の中部リンク、上部リンク及び
    下部リンクよりなるリンク部を有し、各区分毎に装着さ
    れた転動体の各軸が固着された剛性材の支持部材の一点
    がピンによって前記中部リンク中央部に回動自在に連結
    され、前記中部リンクの等距離上下端部にピンによって
    同じ長さの上部リンク及び下部リンクが回動自在に連結
    され、前記上部リンク上端部が上部案内部材側面におい
    て且つ前記下部リンク下端部が下部案内部材側面におい
    てそれぞれ前記支持部材の一点の上下対称位置にピンに
    よって回動自在に連結され、地震動により前記転動体の
    各セグメント部及び連結片部が前記各軸回りに回動しつ
    つ前記各区分毎の各案内部材に沿って転動し該各軸は前
    記支持部材と共に揺動し、前記支持部材の一点は前記各
    案内部材のピン軸芯の中点に常時維持可能とされている
    ことを特徴とする請求項18又は19に記載の免震装
    置。
  21. 【請求項21】 請求項13〜20のいずれかに記載の
    免震装置の一対を下部案内部材及び上部案内部材の転動
    体の転動方向を互いに直角になるよう支持体上に上下二
    段重ねして固着し、前記下段下部案内部材を前記支持体
    側に固設し前記上段上部案内部材を被支持体側に固設
    し、直交する二方向成分を含む地震動により前記各セグ
    メント部及び連結片部がそれぞれ各軸回りに回動しつつ
    前記各案内部材に沿って転動し該各軸は支持部材と共に
    揺動し、前記被支持体を多方向の免震可能としたことを
    特徴とする免震装置。
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