JP3226712U - 屋根材の接続構造および屋根材 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1嵌合部および第2嵌合部の位置が垂木の位置に対して横方向にずれることを抑制することができる、屋根材の接続構造および屋根材を提供する。【解決手段】屋根材の接続構造10は、第1屋根材12aを構成する第1屋根板部14aと一体に形成された第1嵌合部16と、第2屋根材12bを構成する第2屋根板部14bと一体に形成された第2嵌合部18とを備えている。第1嵌合部16は、第1壁部20と、第2壁部22と、これらの下端部どうしを繋ぐ繋ぎ部24とを有している。これにより、第1嵌合部16は、上方に向けて開かれた断面U字状に形成されている。第2嵌合部18は、第1嵌合部16の第1壁部20および第2壁部22を受け入れるように、下方に向けて開かれた断面逆U字状に形成されている。第1嵌合部16の繋ぎ部24は、固定部34を有しており、この固定部34がビス等の固定具32を介して垂木30a等の固定対象物30に固定される。【選択図】図1
Description
本考案は、建物の屋根を構成する2つの屋根材を互いに接続するための屋根材の接続構造および屋根材に関する。
従来の屋根材の一例が特許文献1に記載されている。この屋根材は、板状の本体部と、本体部の一方の側縁に形成された第1凸部と、本体部の他方の側縁に形成された第2凸部とを備えている。また、本体部の一方の側縁における第1凸部よりも外側には、屋根材を固定対象物に固定するための板状の固定部が設けられている。2つの屋根材を互いに接続するとき、作業者は、まず、一方の屋根材の固定部をビスなどの固定具を用いて固定対象物(例えば、垂木および野地板等)に固定し、その後、一方の屋根材の第1凸部に他方の屋根材の第2凸部を上方から嵌合していた。
しかしながら、特許文献1に記載された屋根材では、固定部が本体部の一方の側縁における第1凸部よりも外側に設けられていたので、固定部を固定対象物としての垂木に固定したときには、第1凸部および第2凸部の位置が垂木の位置に対して横方向(上下方向に対して直交する方向)にずれることになり、第1凸部および第2凸部の安定性が低いとともに外観上の見栄えもよくないという問題があった。
本考案は上記問題に対処するためになされたものであり、第1嵌合部および第2嵌合部の位置が垂木の位置に対して横方向にずれることを抑制することができる、屋根材の接続構造および屋根材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案に係る屋根材の接続構造の特徴は、第1屋根材を構成する第1屋根板部の幅方向側縁に沿って前記第1屋根板部と一体に形成された第1嵌合部と、第2屋根材を構成する第2屋根板部の幅方向側縁に沿って前記第2屋根板部と一体に形成され、前記第1嵌合部に嵌合される第2嵌合部とを備え、前記第1嵌合部は、前記第1屋根板部の上面から上方に突出する第1壁部と、前記第1壁部から離間して設けられた第2壁部と、これらの下端部どうしを繋ぐ繋ぎ部とを有して、上方に向けて開かれた断面U字状に形成されており、前記第2嵌合部は、前記第1壁部および前記第2壁部を受け入れるように、下方に向けて開かれた断面逆U字状に形成されており、前記繋ぎ部は、固定具を介して固定対象物に固定される固定部を有していることにある。
この構成では、第1嵌合部の繋ぎ部に固定部が設けられているので、固定部を垂木に固定するときには、第1嵌合部および第2嵌合部の位置が垂木の位置に対して横方向にずれることを抑制することができる。これにより、見栄えをよくすることができるとともに、第1嵌合部および第2嵌合部を垂木によって強固に支持することができる。また、第1嵌合部が、第1壁部と第2壁部と繋ぎ部とを有するU字状に形成されており、繋ぎ部は、固定具を介して固定対象物に固定される固定部を有している。つまり、固定部は、第1嵌合部の幅方向中央部に設けられている。したがって、固定部を固定対象物に固定した状態では、第1壁部、第2壁部および繋ぎ部の変形を抑制することができ、屋根材どうしを接続する接続作業の作業効率をよくすることができる。
本考案に係る屋根材の接続構造の他の特徴は、前記第1壁部は、前記第1屋根板部の幅方向側縁から上方に延びる第1板部と、前記第1板部の上端部から下方に延びる第2板部とを有しており、前記第2板部の下端部と前記第2壁部とが前記繋ぎ部を介して繋がっていることにある。
この構成では、第1壁部が第1板部と第2板部とで二重壁構造に構成されている。また、第1板部は第1屋根板部で支持されており、第2板部は繋ぎ部で支持されている。したがって、第1壁部の変形を効果的に抑制でき、屋根材どうしを接続する接続作業の作業効率をよくすることができる。
本考案に係る屋根材の接続構造の他の特徴は、前記第1壁部の上下方向長さは、前記第2壁部の上下方向長さよりも長くされていることにある。
この構成では、第1壁部の上下方向長さが第2壁部の上下方向長さよりも長くされているので、第2嵌合部を第1嵌合部に嵌合する際には、第2壁部よりも先に第1壁部を第2嵌合部のガイドとして用いることができる。したがって、第2壁部の変形を抑制できるとともに、屋根材どうしを接続する接続作業の作業効率をよくすることができる。なお、第1壁部は二重壁構造に構成されているので、ガイドとして用いた場合でも変形し難い。
本考案に係る屋根材の接続構造の他の特徴は、前記第2嵌合部の上部は、断面円弧状となるように湾曲して形成されていることにある。
この構成では、第2嵌合部の上部が断面円弧状となるように湾曲して形成されているので、第2嵌合部の上部に押圧力が作用しても第2嵌合部は変形し難い。したがって、第1嵌合部と第2嵌合部とを嵌合させる際には、第2嵌合部の上部に作用する押圧力を第2嵌合部の全体に効率よく伝えることができ、嵌合作業の作業効率をよくすることができる。
本考案に係る屋根材の接続構造の他の特徴は、前記第1嵌合部の上部には、前記第1壁部の外側面と前記第2壁部の外側面との間隔が上方に向かうにつれて狭くなるようにテーパ部が設けられていることにある。
この構成では、第1嵌合部の上部にテーパ部が設けられているので、第1嵌合部と第2嵌合部とを嵌合させる際には、テーパ部が第2嵌合部を案内するガイドとなる。したがって、第1嵌合部と第2嵌合部とを嵌合させ易い。
本考案に係る屋根材の接続構造の他の特徴は、前記固定具は、前記固定部を貫通する軸部と、前記軸部の一方端部に設けられて前記固定部の上面に押し当てられる頭部とを有しており、前記固定部は、前記繋ぎ部の上面から上方に突出して前記第1屋根板部の側縁に沿って互いに平行に延びる2つの突条を有しており、2つの前記突条の間隔は、前記軸部の直径よりも僅かに広くなるように定められていることにある。
この構成では、固定部を固定対象物に固定する際に2つの突条を固定具のガイドとして用いることができるので、固定具が暴れることを抑制でき、固定具を固定部に位置決めし易い。また、2つの突条によって繋ぎ部が補強されているので、繋ぎ部の変形を抑制でき、屋根材どうしを接続する接続作業の作業効率をよくすることができる。
本考案に係る屋根材の接続構造の他の特徴は、前記第1壁部の上部と前記第2嵌合部との間には、毛細管現象による水の浸入を遮断する遮水空間が設けられていることにある。
第1壁部と第2嵌合部との隙間の幅が狭い場合には、毛細管現象によって当該隙間に水が浸入するおそれがあるが、上記構成では、第1壁部の上部と第2嵌合部との間に遮水空間が設けられているので、この遮水空間で水の浸入を遮断することができる。したがって、第1壁部、第2壁部および繋ぎ部で囲まれた内部空間への水の浸入を抑制することができる。
本考案に係る屋根材の接続構造の他の特徴は、前記第1屋根板部の幅方向における前記第1嵌合部の外側の側端縁は、前記第2嵌合部の内部空間に配置されており、前記第2屋根板部の幅方向における前記第2嵌合部の外側の側端縁は、前記第1嵌合部の外側において前記第1壁部の基部に沿って配置されていることにある。
この構成では、第1嵌合部の外側の側端縁は、第2嵌合部の内部空間に配置されており、第2嵌合部の外側の側端縁は、第1嵌合部の外側において第1壁部の基部に沿って配置されている。また、第1嵌合部の固定部は、第1嵌合部の幅方向中央部に設けられている。そのため、第1嵌合部と第2嵌合部とが嵌合した状態において、第2嵌合部は第1屋根材の第1屋根板部に重ならず、第1嵌合部(固定部を含む)は第2屋根材の第2屋根板部に重ならない。したがって、第1屋根板部および第2屋根板部の少なくとも一方に重なる部分が存在する場合(特許文献1、第4図参照)に比べて、材料コストを低減できるとともに、第1屋根材および第2屋根材の少なくとも一方の重量を軽くすることができる。
上記目的を達成するため、本考案に係る屋根材の特徴は、板状の屋根板部と、前記屋根板部の幅方向一方側縁に沿って前記屋根板部と一体に形成された第1嵌合部と、前記屋根板部の幅方向他方側縁に沿って前記屋根板部と一体に形成され、前記第1嵌合部に嵌合可能な形状に形成された第2嵌合部とを備え、前記第1嵌合部は、前記屋根板部の上面から上方に突出する第1壁部と、前記第1壁部から離間して設けられた第2壁部と、これらの下端部どうしを繋ぐ繋ぎ部とを有して、上方に向けて開かれた断面U字状に形成されており、前記第2嵌合部は、前記第1壁部および前記第2壁部を受け入れ可能な大きさで下方に向けて開かれた断面逆U字状に形成されており、前記繋ぎ部は、固定具を介して固定対象物に固定される固定部を有していることにある。
この構成では、第1嵌合部の繋ぎ部に固定部が設けられているので、一方の屋根材の固定部を垂木に固定した状態で一方の屋根材の第1嵌合部と他方の屋根材の第2嵌合部とを互いに嵌合するときには、これらの嵌合部の位置が垂木の位置に対して横方向にずれることを抑制することができる。これにより、見栄えをよくすることができるとともに、第1嵌合部および第2嵌合部を垂木によって強固に支持することができる。また、繋ぎ部の固定部が固定具を介して固定対象物に固定されるので、第1壁部、第2壁部および繋ぎ部の変形を抑制することができ、屋根材どうしを接続する接続作業の作業効率をよくすることができる。
以下、本考案に係る屋根材の接続構造および屋根材の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る屋根材の接続構造10の構成を示す断面図である。図2は、屋根材の接続構造10の要部の構成を示す図であり、(A)は第1嵌合部16の構成を示す拡大正面図、(B)は第2嵌合部18の構成を示す拡大正面図である。図3は、実施形態に係る屋根材12の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。
図1に示す屋根材の接続構造10は、図3(A),(B)に示す屋根材12を2つ並べて互いに接続するものである。本実施形態の2つの屋根材12は、ほぼ同じ形状および大きさで形成されているが、以下の説明では、これらを区別するために、一方の屋根材12を「第1屋根材12a」と称し、他方の屋根材12を「第2屋根材12b」と称する。
(屋根材12a,12bの構成)
図1に示すように、第1屋根材12aは、第1屋根板部14aと、第1屋根板部14aの幅方向一方側縁に沿って第1屋根板部14aと一体に形成された第1嵌合部16と、第1屋根板部14aの幅方向他方側縁に沿って第1屋根板部14aと一体に形成された第2嵌合部18(図示省略)とを備えている。第2屋根材12bは、第2屋根板部14bと、第2屋根板部14bの幅方向一方側縁に沿って第2屋根板部14bと一体に形成された第1嵌合部16(図示省略)と、第2屋根板部14bの幅方向他方側縁に沿って第2屋根板部14bと一体に形成された第2嵌合部18とを備えている。なお、図3(A),(B)では、第1屋根板部14aおよび第2屋根板部14bに相当する「屋根板部」に符号「14」を付している。
図1に示すように、第1屋根材12aは、第1屋根板部14aと、第1屋根板部14aの幅方向一方側縁に沿って第1屋根板部14aと一体に形成された第1嵌合部16と、第1屋根板部14aの幅方向他方側縁に沿って第1屋根板部14aと一体に形成された第2嵌合部18(図示省略)とを備えている。第2屋根材12bは、第2屋根板部14bと、第2屋根板部14bの幅方向一方側縁に沿って第2屋根板部14bと一体に形成された第1嵌合部16(図示省略)と、第2屋根板部14bの幅方向他方側縁に沿って第2屋根板部14bと一体に形成された第2嵌合部18とを備えている。なお、図3(A),(B)では、第1屋根板部14aおよび第2屋根板部14bに相当する「屋根板部」に符号「14」を付している。
本実施形態の第1屋根材12aおよび第2屋根材12bは、第1嵌合部16および第2嵌合部18にバネ弾性を持たせるために、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛アルミニウム合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板等の金属板を用いて形成されている。
(屋根材の接続構造10の構成)
図1に示すように、屋根材の接続構造10は、第1屋根材12aを構成する第1屋根板部14aの幅方向側縁に沿って第1屋根板部14aと一体に形成された第1嵌合部16と、第2屋根材12bを構成する第2屋根板部14bの幅方向側縁に沿って第2屋根板部14bと一体に形成された第2嵌合部18とを備えている。そして、第1屋根材12aの第1嵌合部16と第2屋根材12bの第2嵌合部18とが互いに嵌合されている。
図1に示すように、屋根材の接続構造10は、第1屋根材12aを構成する第1屋根板部14aの幅方向側縁に沿って第1屋根板部14aと一体に形成された第1嵌合部16と、第2屋根材12bを構成する第2屋根板部14bの幅方向側縁に沿って第2屋根板部14bと一体に形成された第2嵌合部18とを備えている。そして、第1屋根材12aの第1嵌合部16と第2屋根材12bの第2嵌合部18とが互いに嵌合されている。
図2(A)に示すように、第1嵌合部16は、第1屋根板部14aの上面から上方に突出する第1壁部20と、第1壁部20から第1屋根板部14aの幅方向の外側に離間して設けられた第2壁部22と、第1壁部20および第2壁部22の下端部どうしを繋ぐ繋ぎ部24とを有している。第1嵌合部16、すなわち第1壁部20、第2壁部22および繋ぎ部24の全体は、上方に向けて開かれた断面U字状に形成されている。
第1壁部20は、第1屋根板部14aの幅方向側縁から上方に延びる第1板部20aと、第1板部20aの上端部から下方に延びる第2板部20bとを有しており、第2板部20bの下端部と第2壁部22とが繋ぎ部24を介して繋がっている。つまり、第1壁部20は、第1板部20aと第2板部20bとを有する二重壁構造に構成されており、第1板部20aが第1屋根板部14aで支持されており、第2板部20bが繋ぎ部24で支持されている。第2壁部22は、繋ぎ部24の幅方向側縁から上方に延びる第1板部22aと、第1板部22aの上端部から第1板部22aの内側を下方に延びる第2板部22bとを有している。第1壁部20の上下方向長さは、第2壁部22の上下方向長さよりも長くされている。
第1嵌合部16の上部には、第1壁部20の外側面Q1と第2壁部22の外側面Q2との間隔が上方に向かうにつれて狭くなるようにテーパ部26が設けられている。また、第1壁部20および第2壁部22のそれぞれの上下方向中央部には、第1壁部20の外側面Q1と第2壁部22の外側面Q2との間隔を上方に向かって急拡大させるように段部28a,28bが設けられている。本実施形態において、第1壁部20の段部28aは、第1板部20aの上下方向中央部がそれよりも下方の部分に対して外側へ折り曲げられることによって構成されており、第2壁部22の段部28bは、第1板部22aの上下方向中央部がそれよりも下方の部分に対して外側へ折り曲げられることによって構成されている。
図1に示すように、繋ぎ部24は、固定対象物30の表面に沿って配置される細長い板状の部分であり、繋ぎ部24の幅方向中央部に設けられた固定部34を有している。固定部34は、固定具32を介して固定対象物30に固定される部分である。固定部34は、繋ぎ部24の上面から上方に突出して第1屋根板部14aの側縁に沿って互いに平行に延びる2つの突条36a,36bを有している。
ここで、固定対象物30は、建物の屋根を構成する部材であり、本実施形態では、垂木30aおよび野地板30bが固定対象物30として用いられている。固定具32は、固定部34を貫通する軸部32aと、軸部32aの一方端部に設けられた頭部32bとを有する部材であり、本実施形態では、ビスが固定具32として用いられている。
固定部34の2つの突条36a,36bの間隔は、固定具32の軸部32aの直径よりも僅かに広くなるように定められている。固定具32を用いて固定部34を固定対象物30に固定するとき、固定具32の頭部32bは、2つの突条36a,36bの上面に押し当てられる。
図1に示すように、第2嵌合部18は、第1嵌合部16の第1壁部20および第2壁部22を受け入れ可能な大きさで下方に向けて開かれた断面逆U字状に形成されている。第2嵌合部18の上部は、断面円弧状となるように湾曲して形成されている。また、図2(B)に示すように、第2嵌合部18の上下方向中央部よりもやや下方に位置する部分には、図2(A)に示す第1嵌合部16の段部28a,28bに下方から引っ掛かる段部38a,38bが形成されている。第2嵌合部18の幅は、段部38a,38bにおいて上方に向かって急拡大されている。
図1に示すように、第1嵌合部16と第2嵌合部18とが嵌合された状態において、第1嵌合部16を構成する第1壁部20の上部と第2嵌合部18との間には、毛細管現象による水の浸入を遮断する遮水空間S1が構成されている。また、第1屋根板部14aの幅方向における第1嵌合部16の外側の側端縁16aは、第2嵌合部18の内部空間S2に配置されており、第2屋根板部14bの幅方向における第2嵌合部18の外側の側端縁18aは、第1嵌合部16の外側において第1壁部20の基部に沿って配置されている。
なお、本実施形態においては、第1嵌合部16の幅が約20mm、高さが約24mmに形成されている。また、第2嵌合部18の幅が約21mm、高さが約30mmに形成さている。また、第1嵌合部16の中心と第2嵌合部18の中心との距離(ピッチ)である働き幅は、約360mmに形成されている。また、屋根板部14の長さ(図3(B)の図示上下方向の長さ)は、400mm〜18000mmの範囲で適宜設定されている。これらの第1嵌合部16、第2嵌合部18および屋根板部14の各寸法は、施工対象物によって適宜設定されることは当然である。
(屋根材12a,12bの施工方法)
図4は、屋根材12a,12bの施工方法を示す図である。図4に示すように、第1屋根材12aおよび第2屋根材12bを施工する際には、まず、作業者は、第1屋根材12aを野地板30bの上面に配置し、第1屋根材12aの第1嵌合部16を垂木30aの上方に位置決めする。続いて、作業者は、固定具32を用いて固定部34を固定対象物30(垂木30aおよび野地板30b)に固定する。このとき、作業者は、固定具32の軸部32aを固定部34に貫通させた後、これを固定対象物30にねじ込み、固定具32の頭部32bを固定部34の2つの突条36a,36bの上面に押し当てる。
図4は、屋根材12a,12bの施工方法を示す図である。図4に示すように、第1屋根材12aおよび第2屋根材12bを施工する際には、まず、作業者は、第1屋根材12aを野地板30bの上面に配置し、第1屋根材12aの第1嵌合部16を垂木30aの上方に位置決めする。続いて、作業者は、固定具32を用いて固定部34を固定対象物30(垂木30aおよび野地板30b)に固定する。このとき、作業者は、固定具32の軸部32aを固定部34に貫通させた後、これを固定対象物30にねじ込み、固定具32の頭部32bを固定部34の2つの突条36a,36bの上面に押し当てる。
固定対象物30に対する固定部34の固定作業が完了すると、作業者は、第2屋根材12bを野地板30bの上面に配置するとともに、第2屋根材12bの第2嵌合部18を第1屋根材12aの第1嵌合部16に上方から嵌合させる。この嵌合作業において、作業者は、まず、図4中の二点鎖線で示すように、第1壁部20をガイドとして用いて第2嵌合部18を位置決めする。続いて、第1壁部20および第2壁部22の両方をガイドとして用いて第2嵌合部18をさらに位置決めする。その後、第2嵌合部18を足で踏むことによって、これを第1嵌合部16に嵌合させる。
(屋根材の接続構造10の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図1に示すように、第1嵌合部16の繋ぎ部24に固定部34が設けられているので、固定部34を垂木30aに固定するときには、第1嵌合部16および第2嵌合部18の位置が垂木30aの位置に対して横方向にずれることを抑制することができる。これにより、見栄えをよくすることができるとともに、第1嵌合部16および第2嵌合部18を垂木30aによって強固に支持することができる。また、固定部34は、第1嵌合部16の幅方向中央部に設けられているので、固定部34を固定対象物30に固定した状態では、第1壁部20、第2壁部22および繋ぎ部24の変形を抑制することができ、第1屋根材12aと第2屋根材12bとを接続する接続作業の作業効率をよくすることができる。
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図1に示すように、第1嵌合部16の繋ぎ部24に固定部34が設けられているので、固定部34を垂木30aに固定するときには、第1嵌合部16および第2嵌合部18の位置が垂木30aの位置に対して横方向にずれることを抑制することができる。これにより、見栄えをよくすることができるとともに、第1嵌合部16および第2嵌合部18を垂木30aによって強固に支持することができる。また、固定部34は、第1嵌合部16の幅方向中央部に設けられているので、固定部34を固定対象物30に固定した状態では、第1壁部20、第2壁部22および繋ぎ部24の変形を抑制することができ、第1屋根材12aと第2屋根材12bとを接続する接続作業の作業効率をよくすることができる。
図2(A)に示すように、本実施形態では、第1壁部20が第1板部20aと第2板部20bとで二重壁構造に構成されている。また、第1板部20aは第1屋根板部14aで支持されており、第2板部20bは繋ぎ部24で支持されている。したがって、第1壁部20の変形を効果的に抑制でき、上記接続作業の作業効率をよくすることができる。
図4に示すように、第1壁部20の上下方向長さが第2壁部22の上下方向長さよりも長くされているので、第2嵌合部18を第1嵌合部16に嵌合する際には、第2壁部22よりも先に第1壁部20を第2嵌合部18のガイドとして用いることができる。したがって、第2壁部22の変形を抑制できるとともに、上記接続作業の作業効率をよくすることができる。なお、第1壁部20は二重壁構造に構成されているので、ガイドとして用いた場合でも変形し難い。
図4に示すように、第2嵌合部18の上部が断面円弧状となるように湾曲して形成されているので、第2嵌合部18の上部に押圧力が作用しても第2嵌合部18は変形し難い。したがって、第1嵌合部16と第2嵌合部18とを嵌合させる際には、第2嵌合部18の上部に作用する下方向の押圧力を第2嵌合部18の全体に効率よく伝えることができ、嵌合作業の作業効率をよくすることができる。
図4に示すように、第1嵌合部16の上部にテーパ部26が設けられているので、第1嵌合部16と第2嵌合部18とを嵌合させる際には、テーパ部26が第2嵌合部18を案内するガイドとなる。したがって、第1嵌合部16と第2嵌合部18とを嵌合させ易い。
図4に示すように、固定具32を用いて固定部34を固定対象物30に固定する際には、2つの突条36a,36bを固定具32のガイドとして用いることができるので、固定具32が暴れることを抑制でき、固定具32を固定部34に位置決めし易い。また、2つの突条36a,36bによって繋ぎ部24が補強されているので、繋ぎ部24の変形を抑制でき、上記接続作業の作業効率をよくすることができる。
図1に示すように、第1嵌合部16の第1壁部20と第2嵌合部18との隙間の幅が狭い場合には、毛細管現象によって当該隙間に水が浸入するおそれがあるが、第1壁部20の上部と第2嵌合部18との間に遮水空間S1が設けられているので、この遮水空間S1で水の浸入を遮断することができる。したがって、第1壁部20、第2壁部22および繋ぎ部24で囲まれた内部空間S2への水の浸入を抑制することができる。
図1に示すように、第1嵌合部16の外側の側端縁16aは、第2嵌合部18の内部空間S2に配置されており、第2嵌合部18の外側の側端縁18aは、第1嵌合部16の外側において第1壁部20の基部に沿って配置されている。また、第1嵌合部16の固定部34は、第1嵌合部16の幅方向中央部に設けられている。そのため、第1嵌合部16と第2嵌合部18とが嵌合した状態において、第2嵌合部18は第1屋根材12aの第1屋根板部14aに重ならず、第1嵌合部16(固定部34を含む)は第2屋根材12bの第2屋根板部14bに重ならない。したがって、第1屋根板部14aおよび第2屋根板部14bの少なくとも一方に重なる部分が存在する場合に比べて、材料コストを低減できるとともに、第1屋根材12aおよび第2屋根材12bの重量を軽くすることができる。
(変形例)
なお、本考案の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、第1屋根材12aおよび第2屋根材12bの材料として金属板が用いられているが、金属板に代えてプラスチック板等が用いられてもよい。また、上記実施形態では、第1壁部20が二重壁構造に構成されているが、プラスチック板等のような多様な形状加工が可能な材料が用いられる場合には、第1壁部20が一重壁構造に構成されてもよい。
なお、本考案の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本考案の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、第1屋根材12aおよび第2屋根材12bの材料として金属板が用いられているが、金属板に代えてプラスチック板等が用いられてもよい。また、上記実施形態では、第1壁部20が二重壁構造に構成されているが、プラスチック板等のような多様な形状加工が可能な材料が用いられる場合には、第1壁部20が一重壁構造に構成されてもよい。
上記実施形態では、第1壁部20の上下方向長さが第2壁部22の上下方向長さよりも長くされているが、これらの長さは適宜変更されてもよい。例えば、これらの長さが同じにされてもよいし、第1壁部20の上下方向長さが第2壁部22の上下方向長さよりも短くされてもよい。また、第2嵌合部18の上部の形状は、断面円弧状に限定されるものではなく、例えば、平板状に形成されてもよいし、断面三角形状に形成されてもよい。
上記実施形態では、固定対象物30として垂木30aおよび野地板30bが用いられているが、垂木30aおよび野地板30bのいずれか一方だけが固定対象物30として用いられてもよい。また、上記実施形態では、固定具32としてビスが用いられているが、ビスに代えて釘が用いられてもよい。
第1嵌合部16の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、図5に示すように、適宜変更されてもよい。図5は、他の実施形態に係る屋根材の接続構造40における第1嵌合部42の構成を示す拡大正面図である。
図5に示す屋根材の接続構造40では、第1嵌合部42の第2壁部44が繋ぎ部24の幅方向側縁から上方に延びる第1板部44aと、第1板部44aの上端部から第1板部44aの外側を下方に延びる第2板部44bとを有している。そして、第2板部44bの下部がそれよりも上方の部分に対して第1板部44aに近づく方向(内側)へ折り曲げられることによって段部28bが形成されている。したがって、第2嵌合部18の段部38b(図2(B))から第1嵌合部42の段部28bに上方向の力が作用した場合でも、段部28bの外側の部分は上方に向けて変形され難く、第2嵌合部18は第1嵌合部16から離脱され難い。
S1…遮水空間、S2…内部空間、10…屋根材の接続構造、12…屋根材、
12a…第1屋根材、12b…第2屋根材、14a…第1屋根板部、
14b…第2屋根板部、16…第1嵌合部、18…第2嵌合部、
16a,18a…側端縁、20…第1壁部、20a…第1板部、20b…第2板部、
22…第2壁部、24…繋ぎ部、26…テーパ部、28a,28b…段部、
30…固定対象物、30a…垂木、30b…野地板、32…固定具、32a…軸部、
32b…頭部、34…固定部、36a,36b…突条、38a,38b…段部。
12a…第1屋根材、12b…第2屋根材、14a…第1屋根板部、
14b…第2屋根板部、16…第1嵌合部、18…第2嵌合部、
16a,18a…側端縁、20…第1壁部、20a…第1板部、20b…第2板部、
22…第2壁部、24…繋ぎ部、26…テーパ部、28a,28b…段部、
30…固定対象物、30a…垂木、30b…野地板、32…固定具、32a…軸部、
32b…頭部、34…固定部、36a,36b…突条、38a,38b…段部。
Claims (9)
- 第1屋根材を構成する第1屋根板部の幅方向側縁に沿って前記第1屋根板部と一体に形成された第1嵌合部と、
第2屋根材を構成する第2屋根板部の幅方向側縁に沿って前記第2屋根板部と一体に形成され、前記第1嵌合部に嵌合される第2嵌合部とを備え、
前記第1嵌合部は、前記第1屋根板部の上面から上方に突出する第1壁部と、前記第1壁部から離間して設けられた第2壁部と、これらの下端部どうしを繋ぐ繋ぎ部とを有して、上方に向けて開かれた断面U字状に形成されており、
前記第2嵌合部は、前記第1壁部および前記第2壁部を受け入れるように、下方に向けて開かれた断面逆U字状に形成されており、
前記繋ぎ部は、固定具を介して固定対象物に固定される固定部を有している、屋根材の接続構造。 - 前記第1壁部は、前記第1屋根板部の幅方向側縁から上方に延びる第1板部と、前記第1板部の上端部から下方に延びる第2板部とを有しており、
前記第2板部の下端部と前記第2壁部とが前記繋ぎ部を介して繋がっている、請求項1に記載の屋根材の接続構造。 - 前記第1壁部の上下方向長さは、前記第2壁部の上下方向長さよりも長くされている、請求項2に記載の屋根材の接続構造。
- 前記第2嵌合部の上部は、断面円弧状となるように湾曲して形成されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の屋根材の接続構造。
- 前記第1嵌合部の上部には、前記第1壁部の外側面と前記第2壁部の外側面との間隔が上方に向かうにつれて狭くなるようにテーパ部が設けられている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の屋根材の接続構造。
- 前記固定具は、前記固定部を貫通する軸部と、前記軸部の一方端部に設けられて前記固定部の上面に押し当てられる頭部とを有しており、
前記固定部は、前記繋ぎ部の上面から上方に突出して前記第1屋根板部の側縁に沿って互いに平行に延びる2つの突条を有しており、
2つの前記突条の間隔は、前記軸部の直径よりも僅かに広くなるように定められている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の屋根材の接続構造。 - 前記第1壁部の上部と前記第2嵌合部との間には、毛細管現象による水の浸入を遮断する遮水空間が設けられている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の屋根材の接続構造。
- 前記第1屋根板部の幅方向における前記第1嵌合部の外側の側端縁は、前記第2嵌合部の内部空間に配置されており、
前記第2屋根板部の幅方向における前記第2嵌合部の外側の側端縁は、前記第1嵌合部の外側において前記第1壁部の基部に沿って配置されている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の屋根材の接続構造。 - 板状の屋根板部と、
前記屋根板部の幅方向一方側縁に沿って前記屋根板部と一体に形成された第1嵌合部と、
前記屋根板部の幅方向他方側縁に沿って前記屋根板部と一体に形成され、前記第1嵌合部に嵌合可能な形状に形成された第2嵌合部とを備え、
前記第1嵌合部は、前記屋根板部の上面から上方に突出する第1壁部と、前記第1壁部から離間して設けられた第2壁部と、これらの下端部どうしを繋ぐ繋ぎ部とを有して、上方に向けて開かれた断面U字状に形成されており、
前記第2嵌合部は、前記第1壁部および前記第2壁部を受け入れ可能な大きさで下方に向けて開かれた断面逆U字状に形成されており、
前記繋ぎ部は、固定具を介して固定対象物に固定される固定部を有している、屋根材。
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JP2020001194U JP3226712U (ja) | 2020-04-02 | 2020-04-02 | 屋根材の接続構造および屋根材 |
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JP2020001194U JP3226712U (ja) | 2020-04-02 | 2020-04-02 | 屋根材の接続構造および屋根材 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020001194U Active JP3226712U (ja) | 2020-04-02 | 2020-04-02 | 屋根材の接続構造および屋根材 |
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JP (1) | JP3226712U (ja) |
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2020
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