JP3226317B2 - 自覚式検眼装置および乱視度数の生成方法 - Google Patents

自覚式検眼装置および乱視度数の生成方法

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JP3226317B2 JP07415992A JP7415992A JP3226317B2 JP 3226317 B2 JP3226317 B2 JP 3226317B2 JP 07415992 A JP07415992 A JP 07415992A JP 7415992 A JP7415992 A JP 7415992A JP 3226317 B2 JP3226317 B2 JP 3226317B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被測定者に対して連続的
に変化する乱視度数を生成する自覚式検眼装置および乱
視度数の生成方法に関する。詳しくは、検眼器の乱視度
数を被測定者の乱視軸方向と乱視度数に応じてその眼前
に設定するために、絶対値の異なる正負の円柱レンズを
組み合わせて連続的な乱視度数を生成する乱視度数の生
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一台の自覚式の検眼装置で様々な視力検
査や視機能検査等を実行したいという要請が従来からあ
る。こうした要請に応じるために、レンズディスクが数
枚重なったレンズユニット部を使用し、かつ各レンズデ
ィスクの同一円周上に複数の測定レンズが配置されてい
る。また被測定者の乱視度数や乱視軸の方向を検査する
場合には、このレンズユニット部に、複数の球面レンズ
を配置したレンズディスクだけでなく、円柱レンズ(シ
リンダレンズ)を配置したレンズディスクとプリズムレ
ンズが設けられる。そしてこれらのレンズディスクとと
もに、球面度数変換手段、乱視度数変換手段、及びプリ
ズム度数変換手段等をレンズユニット部に内蔵すること
によって、クロスシリンダテストなどによる視機能検査
の際に、検眼装置内に簡単に所望の乱視度数が生成でき
る。
【0003】ところで一般に眼鏡の設計では、眼鏡フレ
ームのレンズバック面から装用者の眼の角膜頂点までの
距離が所定の間隔で使用されることを前提にしている。
この間隔が異なれば、眼鏡が装用者の眼に及ぼす視力や
視機能の調整力が異なってくるからである。このため通
常の検眼装置においても、レンズユニット部の測定窓の
基準面から被測定者の眼の角膜頂点までの距離をバーテ
ックス距離(Vd値)と称しており、このVd値を例え
ば12ミリに調整してから検眼が実行されている。
【0004】レンズディスクに配置された複数のレンズ
を組み合わせて、所望のレンズ度数や乱視度数を生成す
る検眼装置では、レンズユニット部のすべてのレンズを
バーテックス距離に配置することは、物理的に不可能で
ある。測定光軸上に配置されるレンズ自体に厚みがあっ
て、それらはそれぞれ互いに異なる位置に配置せざるを
えないからであって、また、レンズ間の間隔も無視でき
ないことは当然である。したがって、各レンズディスク
からレンズを選択して、被測定者に必要なレンズ系を構
成するように組み合わせる場合には、実際の被測定者か
らの位置(xmm)に応じて各レンズのレンズ度数を換算
する必要がある。Vd値を12ミリとして、xmmの位置
で必要なレンズ度数Dnew (単位Dptr〔m-1〕)を求め
る換算式は、 Dnew =D/(1+D・V) …(1) であり、ここで補正された距離Vは V=(x−12)/1000 である。
【0005】ここで、組み合わせレンズによって乱視度
数を生成する方法について説明する。2枚の円柱レンズ
を組み合わせて、任意の度数の乱視レンズが構成できる
ことは、いわゆるストークス(Stokes)の理論として従
来から知られている方法である。この円柱レンズとは、
一般にレンズの前後の面が互いに平行な母線をもつ円柱
面をなしているものであって、その母線方向を含む面内
では屈折作用がなく、母線に垂直な面内では通常のレン
ズと同様に屈折作用を生じる。このことから、眼鏡の乱
視レンズとして円柱レンズが使用され、乱視軸と円柱レ
ンズの母線を一致させることによって乱視を補正するよ
うにしている。
【0006】ストークスの理論によれば、絶対値の等し
い正負の円柱レンズ(ストークスレンズ)を同一の光軸
で回転させた場合、合成乱視度数Dcと合成軸度Axは
レンズ屈折力の絶対値とそれらの回転角度差から一義的
に決定される。すなわち、ストークスレンズでは正の乱
視レンズであるプラスシリンダレンズと、負の乱視レン
ズであるマイナスシリンダレンズとを組み合わせて、そ
れらの軸度差に基づいて乱視度数が連続的に合成され
る。その場合に、各レンズの軸度差をεとするとき、基
準となる軸度βから正の方向にε/2だけ回転した角度
をプラスシリンダレンズの軸度といい、負の方向にε/
2だけ回転した角度をマイナスシリンダレンズの軸度と
いう。そして、ストークスレンズの合成乱視度数Dcと
合成軸度Axは、次の式(2),(3)によって決定さ
れる。
【0007】 Ax=tan-1(Q1/Q2)/2 …(2) Dc=−Q1/sin(2Ax) …(3) ただし、Q1=D〔sin(2Ax1 )−sin(2Ax2 )〕 Q2=D〔cos(2Ax1 )−cos(2Ax2 )〕 であって、Ax1 はプラスシリンダレンズの軸度、Ax
2 はマイナスシリンダレンズの軸度、すなわち Ax1 =β+ε/2,Ax2 =β−ε/2 である。また、ストークスレンズでは、2枚の円柱レン
ズの軸度差に起因して合成乱視度数Dcだけでなく、こ
の合成乱視度数Dcの半分の大きさの合成球面度数Ds
が発生することも知られている。
【0008】 Ds=−Dc/2 …(4) ところで、これらストークスの理論に基づく式(2)乃
至(4)から決定される理論値は、正負の円柱レンズと
して絶対値の等しいものを使用することが前提であっ
た。しかも、前述したように現実には2枚の円柱レンズ
は、いずれも所定のレンズ厚とレンズ間隔をもってレン
ズユニット部の筐体内に配置されている。したがって、
実際の検眼装置でレンズディスクによって生成される合
成乱視度数、合成球面度数等は、上記理論値に所定の補
正を施さなければ決定されない。
【0009】すなわち、レンズディスクを数枚重ねて構
成したレンズユニット部では、バーテックス距離とレン
ズ位置に応じた補正を考慮して一定の範囲の乱視度数が
生成される。ところが、2枚の円柱レンズの軸度差εを
どのように調整しても実際の合成乱視度数と合成球面度
数とを同時に零とできず、僅かではあるが乱視度数ある
いは球面度数が発生する。たとえば正負の円柱レンズの
中心の厚みが2ミリ、レンズ間隔が1.5ミリ、d線
(水銀)の屈折率ndが1.523のレンズ材料によっ
てレンズ度数の絶対値を3.987として構成されたス
トークスレンズでは、実際に上記式(1)に基づいて、
円柱レンズの合成乱視度数の補正演算を行なうと、最強
の度数としては−8.00が合成できるが、最弱の度数
として−0.28或いは+0.07が発生する。そし
て、どのように軸度差を調整しても合成乱視度数と合成
球面度数とを同時に完全に零にすることは不可能であ
る。
【0010】そこで、従来では合成乱視度数が−6.0
D程度までをストークスレンズによって、それ以上の度
数を生成する場合には、例えば特開昭64−20824
号公報で開示されている自覚式検眼装置のように、補助
乱視レンズを使用して必要な度数を分散生成するように
していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
によって所定の乱視度数を生成する場合には、補助乱視
レンズが不可欠となる。しかし乱視測定のための補助レ
ンズをレンズユニットの筐体内部に設けるとすれば、レ
ンズユニット部の筐体の厚みが増し、被測定者にとって
の測定環境が実際に眼鏡を掛けて視標を見る場合とは大
きく異なってくる。
【0012】すなわちレンズユニットの測定光学系が厚
くなれば、その測定窓を覗く被測定者の視野が狭くなっ
て、穴をのぞく感じが強くなる。このため、機械近視に
よる被測定者の調節力が発生して正確な検眼データが得
られず、最終球面調節に支障が生じやすい。また、測定
に必要なレンズディスクの構成も複雑になり、特に自覚
式の測定においては、測定精度が低下するという問題点
があった。
【0013】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、検眼器における測定部の軽量化と、補助乱視
レンズを使わないで必要な乱視度数を生成して、精度の
高い乱視測定を可能にする自覚式検眼装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】また、本発明の他の目的は、自覚式検眼装
置で要求される広い範囲での乱視度数を精度良く生成で
きる乱視度数の生成方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、視機能および屈折力を測定する測定レン
ズをディスクに収納した測定レンズユニットを内蔵した
測定ヘッドを有する検眼装置の乱視度数生成機構におい
て、前記測定ヘッド内において、球面レンズディスクユ
ニットの後方に、光軸を一致させた状態で母線が互いに
反対方向に相対的に回転自在に配置されたレンズ屈折力
の絶対値を互いに異にした2つの正、負の円柱レンズを
備えた乱視レンズディスクユニットを配置し、前記乱視
レンズディスクユニットは、前記2つの正、負の円柱レ
ンズを相対的に回転させることによって、0.00
(D)を含む所定の範囲内を連続的に変化する乱視度数
を生成し、前記被測定者に対して特定された眼前距離に
乱視度数を生成するための生成条件を前記円柱レンズの
回転位置情報として予め記憶する記憶手段を有し、前記
円柱レンズの回転位置情報は、前記各円柱レンズのレン
ズ厚、レンズ度数、2枚の円柱レンズの間隔、レンズ材
料の屈折率、前記被測定者からのレンズ位置および、前
記2枚の円柱レンズの軸度の変化による度数変化の光学
補正された前記2つの正、負の円柱レンズの合成乱視度
数のデータテーブルから導きだされたものであることを
特徴とする自覚式検眼装置が提供される。
【0016】
【作用】本発明では、各円柱レンズのレンズ度数をそれ
ぞれベース方向(基底方向)の球面屈折力とクロス方向
の円柱屈折力の2方向について計算しておき、その値か
らそれぞれいずれも被測定者の眼前所定距離(Vd値)
に補正された場合の曲率半径を求める。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、自覚式検眼装置の全体構成を示す正面
図である。この自覚式検眼装置は、近用及び遠用を含め
た視機能、視力の測定機構を備えた測定ヘッド部1と、
この測定ヘッド部1を上下動、水平回転自在に支持する
測定ヘッド支持部2と、検眼テーブル3と、これら各部
1〜3を支持している基体部4などから構成されてい
る。測定ヘッド部1は測定レンズユニット部5とPD機
構部6とから構成される。本発明の特徴は、左右のユニ
ット部5a,5bに内蔵した電動オートクロス機構に、
2枚の円柱レンズを配置して、連続的な乱視度数を生成
している点にある。
【0018】図2は、自覚式検眼装置の制御機構の主要
部分を示す制御ブロック図である。メインコントロール
基板110は、インタフェース回路111、プロセッサ
(CPU)112、ROM113、RAM114、及び
RS232Cインタフェース115などから構成され
る。
【0019】CPU112は、ROM113に格納され
た制御プログラムに基づきメインコントロール基板11
0全体を制御する。ROM113は、視機能あるいは視
力の測定の際に、ELディスプレイ111で表示するた
めの複数の画面データを格納している。なお、RAM1
14にはSRAM等が使用され、視機能あるいは視力の
自覚測定に必要な他覚測定データ等の各種データが測定
情報として記憶される。インタフェース回路111に
は、マウス101、ELディスプレイ102などの入力
装置が接続されている。RS232Cインタフェース1
15は、PD機構部6に内蔵されるPDヘッド基板12
0のRS232Cインタフェース121と接続され、メ
インコントロール基板110とPDヘッド基板120と
の間でデータ通信を行うためのインタフェース回路とし
て機能する。
【0020】PDヘッド基板120は、後述する左右の
ヘッド基板や、視標コントロール基板を制御する機能を
有していて、プロセッサ(CPU)122、ROM12
3、RAM124、及びRS232Cインタフェース1
25などから構成される。
【0021】図3は、測定ヘッド部1の正面外観を示す
図である。この測定ヘッド部1は、測定レンズユニット
部5とPD機構部6とから構成される。ここで、測定ヘ
ッド部1の正面方向には被測定者が位置する。測定レン
ズユニット部5は、左右用のユニット部5a,5bから
なり、被測定者の眼の球面測定、乱視測定、乱視軸測
定、プリズム測定等の視機能測定のための各種の測定レ
ンズ、補助レンズが収納されており、これらのレンズ群
を組合せることによって種々の視野状態を作り出し、検
眼ができるようになっている。測定レンズユニット部5
はPD機構部6から吊り下げられ、PD機構部6は、測
定レンズユニット部5の左眼用のユニット部5aと右眼
用のユニット部5bとの間隔を、被測定者の瞳孔間距離
(PD)に応じて調整する機構を内蔵している。
【0022】測定レンズユニット部5の左右眼用のユニ
ット部5a,5bにはそれぞれ測定窓5c,5dがあ
り、被測定者に両眼でこの測定窓5c,5dを覗かせな
がら検眼を行う。この検眼に際し、上記の瞳孔間距離の
調整の他に、測定窓5c,5dに設置される測定用レン
ズの光軸を被測定者の眼の視軸に上下方向に対しても一
致させる上下方向調整、バーテックス距離調整などが行
われる。
【0023】PD機構部6には、頭部支持装置の支持部
材7が固定され、支持部材7に前後方向移動装置や上下
移動装置9、及び被測定者の額が当接される額当て部材
10等が設けられる。前後方向移動装置は、額当て部材
10を被測定者の前後方向に動かしてバーテックスを所
定の値に調整する装置であり、上下移動装置9は、測定
用レンズの光軸を被測定者の眼の視軸に、上下方向に対
して一致させる装置である。
【0024】図4は、図3のA−A線についての断面図
である。この断面図によって、ユニット部5bに内蔵さ
れた電動オートクロス機構の構成を説明する。なお、左
右の測定レンズ系は、内部構成においては対称をなして
いるため、ここでは一方のユニット部の測定レンズ系の
みを説明する。
【0025】図4において、ユニット部5bの測定窓5
dから視標に向かうレンズ系の光軸に対して、直交する
位置にベース板11が固定されている。このベース板1
1は、ユニット部5b内で測定レンズ系及び駆動系を支
持するものである。オートクロスディスク12は、この
ベース板11と平行して、かつその視標側に設けられて
いる支持軸13によって回転自在に支持されている。
【0026】オートクロスディスク12は、測定窓5d
に対応するように分離プリズム14、プリズムレンズ1
5a,15b、及び図示しない透孔が配置されている。
2枚のクロスシリンダレンズ16a,16bで構成され
るクロスシリンダレンズユニット16は、図示しないユ
ニット支持台によって分離プリズム14と同じオートク
ロスディスク12の所定の回転角度位置に設けられてい
る。また、ベース板11の測定窓5d側にも、レンズ系
の光軸と平行する支持軸17が設けられており、この支
持軸17によって4枚の球面レンズディスク18a〜1
8dが回転自在に支持されている。
【0027】ユニット部5bには、更にベース板11と
平行にベース板19が配置されており、ここにパルスモ
ータ141が設けられている。このパルスモータ141
は、オートクロスディスク12を回転させるための切り
替えモータであって、その駆動軸に取り付けられた駆動
歯車20がオートクロスディスク12の周面のギアと歯
合している。また、ベース板11には、パルスモータ1
42が設けられていて、その駆動軸には駆動歯車21が
取り付けられている。この駆動歯車21は、ベース板1
9に設けられた中間ギア22と歯合しており、この中間
ギア22を介して太陽ギア23を回転させることができ
るように構成されている。
【0028】すなわち、パルスモータ142はこの太陽
ギア23を支持軸13周りで回転させ、この太陽ギア2
3を介して、それぞれプリズムレンズ15a及びクロス
シリンダレンズ16a,16bを同時に回転させる。そ
こで、以下では、このパルスモータ142をオートクロ
スモータと言う。また、図示しないプリズムモータによ
って、中間ギア24を介して支持軸13周りで回転する
太陽ギア25は、もう1枚のプリズムレンズ15bが、
プリズムレンズ15aとは独自に回転するように構成さ
れている。
【0029】なお、2枚の乱視測定用の円柱レンズ(以
下乱視レンズという。)26,27は、図示しない乱視
レンズディスク上にそれぞれ独立して回転可能に配置さ
れていて、オートクロスディスク12と球面レンズディ
スク18aの間に位置決めされる。
【0030】図5は、オートクロスディスク12とレン
ズ系の各駆動機構の位置関係を示す平面図であって、互
いに同一度数のシリンダレンズで構成したクロスシリン
ダレンズユニット16が測定窓5dに一致する状態でオ
ートクロスディスク12を示している。
【0031】このオートクロスディスク12には、それ
ぞれ互いに60°の回転角度位置だけ離れて、プリズム
レンズ15a(図5では、プリズムレンズ15bはプリ
ズムレンズ15aの下面にあって、見えていない。)、
透孔30、及びクロスシリンダレンズ16a,16bを
回転可能に支持する支持台31が配置されている。さら
に、このオートクロスディスク12には切り換えセンサ
151が設けられている。クロスシリンダレンズユニッ
ト16の2枚のレンズ16a,16bは、支持台30に
よってオートクロスディスク12上で分離プリズム14
に対して一定の位置関係で固定されている。これらクロ
スシリンダレンズ16a,16bの各レンズ枠31a,
31bはそれぞれ同じ直径を有しており、それらの周面
には、中間ギア31cに歯合するギアが形成されてい
る。また太陽ギア23には、プリズムレンズ15aのレ
ンズ枠32が歯合している。そして、この太陽ギア23
に歯合する中間ギア22には、オートクロスセンサ15
2が設けられている。
【0032】ここで、オートクロスディスク12を切り
換えモータ141によって回転するとき、その回転位置
は切り換えセンサ151によって検出される。また、オ
ートクロスモータ142によって駆動歯車21、中間ギ
ア22を介して太陽ギア23が回転するとき、その回転
位置はオートクロスセンサ152により検出される。し
たがって、太陽ギア23と歯合したレンズ枠31bを支
持台31上で回転することによって、この中間ギア31
cにより2つのクロスシリンダレンズ16a,16b
が、互いにマイナス軸線が90°で交差する位置関係を
保持しながら同一方向に回転される。また、プリズムレ
ンズ15aも中間ギア22を介して太陽ギア23が回転
するとき、クロスシリンダレンズユニット16の2枚の
レンズ16a,16bに対応して回転される。
【0033】さらに、プリズムモータ143の駆動軸の
駆動歯車33が取り付けられており、この駆動歯車33
は、中間ギア22と対向するベース板11に設けられて
いる中間ギア24と歯合している。この中間ギア24
は、太陽ギア25(図5では、太陽ギア23の下面にあ
って、見えていない。)を介してプリズムレンズ15a
の下面でプリズムレンズ15bを回転させるものであ
る。したがって、このプリズムセンサ153により、プ
リズムレンズ15bの回転位置が制御される。
【0034】図6は、精密乱視測定時に測定窓5dに配
置されるレンズ系を説明する拡大図である。ベース板1
1には、中間ギア34が軸35周りに配置され、この中
間ギア34は図示しない乱視レンズモータによって回転
される。乱視レンズ27のレンズ枠27aの周面に形成
されたギアは、この中間ギア34と歯合しており、乱視
レンズ27の基底方向を所定の回転角度毎に制御でき
る。乱視レンズ26のレンズ枠26aによって支持され
ている乱視レンズ26も、同様にして、図示しない別の
乱視レンズモータによりその基底方向を所定の回転角度
毎に制御される。これら乱視レンズモータの制御に際し
ては、前記式(2),(3)に基づくストークスの理論
式で決定されるパラメータをプログラム内のテーブルに
格納しておき、各乱視レンズ26,27に設定される指
令角度の差に応じたパラメータが引き出される。
【0035】分離プリズム14は、視標側で2枚のクロ
スシリンダレンズ16a,16bの光軸と一致し、測定
窓5d側でそれぞれ乱視レンズ26の光軸に一致するよ
うに、斜行する光路を形成している。この斜行する光路
を介して、各クロスシリンダレンズ16a,16bから
入射する同一の視標についての2つの映像は、乱視レン
ズ26に対して所定の間隔をもって並列に結像される。
したがって、測定眼に対して、クロスシリンダレンズユ
ニット16の各レンズ16a,16bが回転したり、或
いは乱視レンズ26,27の基底方向が回転しても、2
つの分離した視標の映像は常に左右の位置関係が保持さ
れる。
【0036】図7は、レンズディスクの制御機構を示す
制御ブロック図である。左ヘッド基板130は、インタ
フェース回路131、駆動回路132を含み、インタフ
ェース回路131を介してPDヘッド基板120に接続
されている。インタフェース回路131には、切換セン
サ151、オートクロスセンサ152、プリズムセンサ
153の他、乱視レンズセンサ154、球面レンズセン
サ155が接続されている。また、駆動回路132に
は、切換モータ141、オートクロスモータ142、プ
リズムモータ143を構成するパルスモータの他、2個
のパルスモータを含む乱視レンズモータ144と、4個
のパルスモータを含む球面レンズモータ145が接続さ
れている。
【0037】図8は、上記実施例の各レンズディスクの
配置を示す断面説明図である。被測定者の眼の位置は、
4枚の球面レンズディスク18a〜18dのうちの測定
窓に最も近いレンズディスク18dから12ミリ離れて
おり、2枚の乱視レンズ26,27のうちマイナスシリ
ンダレンズで構成される乱視レンズ27は、このレンズ
ディスク18dから更に12ミリ離れたところに位置す
る。また2枚の乱視レンズ26,27のレンズ間距離T
0は1.5ミリであって、それぞれレンズ肉厚(T1,T
2)は2.0ミリである。したがって乱視レンズ26
は、視標側のレンズ面の眼前距離が29.5ミリのプラ
スシリンダレンズとして、乱視レンズ27は、視標側の
レンズ面の眼前距離が26.0ミリのマイナスシリンダ
レンズとして、被測定者の眼に作用する。
【0038】そこで、前記式(1)によって、上記乱視
レンズ26,27による合成乱視度数を眼前距離12mm
に生成される乱視度数の値に換算しておけば、換算され
た乱視度数に必要な回転角度に応じた所定パルス数が決
定され、それぞれ乱視レンズモータ144a,144b
に指令して乱視レンズ26,27を回転することができ
る。この換算された合成乱視度数PWを決定するための
式は、プラスシリンダレンズの度数をD1 、マイナスシ
リンダレンズの度数をD2 とするとき、 PW=D1 +D2 −(D1 ・D2 ・T)/1000 …(5) T=T0+(T1+T2)/nd である。
【0039】この式(5)から、合成レンズ度数が0.
00(D)と最強度の乱視度数とを満足する正負の円柱
レンズの度数が決定される。すなわち、式(5)より基
底方向とクロス方向の2方向についてレンズ度数を算出
して、その値に眼前12ミリの補正をかけた場合に所望
する度数になるように、各乱視レンズの曲率半径をもと
める。一般に、レンズ度数は乱視レンズの曲率半径に依
存するからである。そして、0.0Dから−8.0Dま
で、あるいは0.0Dから+8.0Dまでの乱視度数を
0.25Dステップの幅で生成するためには、2枚の正
負の円柱レンズの度数の絶対値を僅かに変化させると、
0.0Dから8.0Dまでの範囲で合成乱視度数の生成
を可能にすることがわかった。
【0040】例えば、上記の式(5)から方程式を、レ
ンズ中心厚2.0mm,nd=1.52307,レンズ
間隔1.5mmの条件を設定して解くと、S0.00,
C−3.996曲率半径130.889mmのD2レン
ズと、S0.00,C3.931曲率半径133.04
7mmのD1レンズを設定することができる。
【0041】また、レンズの製造上光学的許容誤差と、
検眼装置の規格とを考慮しながら、現出する2つのレン
ズの組合せの合成度数を基準に、それぞれの使用するレ
ンズ度数を経験的に見つけ出すこともできる。(例え
ば、S0.00,C3.959のD1レンズ、S0.0
0C−4.024のD2レンズ等も使用できる。)従来
方法によれば、2枚の乱視レンズの角度差は等間隔に変
化し、また2枚のレンズの合成度数の軸度は常に一定で
あった。しかし、本発明方法では、軸度の変化によって
も度数変化が生じるため、所望する度数と軸度を合成す
るための回転角度は、予め計算された乱視レンズモータ
に対するパルス数としてデータテーブルに格納されてい
る。例えば、上記のD1,D2レンズを使用して、−
2.00の乱視度数を生成する場合、0.5°/1パル
スの精度のパルスモータを使用すれば、マイナスレンズ
(D2)を37°、プラスレンズ(D1)を51.5°
に設定する。
【0042】図9は、クロスシリンダテストを実行する
際の乱視度数生成手順を示すフローチャートである。図
において、Sに続く数値はステップ番号を示しており、
これらの各ステップは、図2に示す自覚式検眼装置のメ
インコントロール基板110及びPDヘッド基板120
などでそれぞれ実行される。 〔S1〕乱視レンズ26,27で生成すべき乱視軸度θ
が、被測定者の自覚応答に基づいて入力装置100(図
2参照)から読み込まれる。このとき乱視レンズモータ
144a,144bが駆動され、実際の乱視レンズ2
6,27の回転位置は原点に復帰され、軸度差εが0.
0に調整される。 〔S2〕乱視レンズ26,27で生成すべき合成乱視度
PWを、同様に入力装置100から読み込んで設定す
る。 〔S3〕指令された乱視軸度θが180°かどうかを判
断し、180°以外の場合にはステップS4に進み、1
80°の場合にはステップS5に進む。 〔S4〕各乱視レンズ26,27を同一の方向に角度θ
だけ回転して、乱視軸の方向を設定する。 〔S5〕CPU122(図2参照)は、乱視生成のため
のデータがすべて入力されたとき、パルス数換算データ
が格納されたパルス数テーブル(CYL.table)
に合成乱視度数PWを乱視度数データとして読み込む。 〔S6〕パルス数テーブルから乱視度数データに対応す
る各円柱レンズに設定すべき角度データが出力される。 〔S7〕この角度データは、各乱視レンズモータ144
a,144bに対する駆動指令パルスデータとして駆動
回路132に与えられ、乱視レンズを所定の角度まで回
転する。入力装置100から指令された乱視軸度θと、
合成乱視度数PWは、ELディスプレイなどのモニタ画
面に表示され、測定者はその表示を確認して次のステッ
プS8に進む。 〔S8〕視標を見る被測定者の自覚応答によりクロスシ
リンダテストが実行される。すなわち乱視軸θと度数C
が被測定者の視機能と一致するまで、ステップS1から
の手順が繰り返される。
【0043】上記の説明では、正負の円柱レンズの度数
の絶対値を僅かに変化させて0.0Dから8.0Dまで
の範囲で合成乱視度数の生成をするようにした。しか
し、等しい絶対値の円柱レンズを使用した場合であって
も、乱視度数の生成条件に相当する乱視度数データを記
憶しておけば、一定範囲での乱視度数を精度良く生成で
きる。
【0044】さらに、2枚のシリンダーレンズの乱視生
成から生じる球面度数は必然的なものであり、実際の検
眼装置ではそれを打ち消すための球面補正を行うことは
周知の技術(例えば特開昭64−32838号公報)で
あり、その説明については省力するが、特に、絶対値の
異なるクロスシリンダーレンズを使用する場合は、発生
する球面度数の規則性が絶対値が等しいクロスシリンダ
ーの場合と異なるので、予め計算しておく必要がある。
【0045】また、上記実施例の説明は、クロスシリン
ダレンズによる乱視測定の場合であったが、乱視チャー
トによる乱視検査でも同様である。また一般にレンズユ
ニットに内蔵されない2枚の円柱レンズを使用して合成
乱視度数を生成するトライアルフレームなどにも適用で
き、測定者の負担を軽減するとともにレンズ機構を簡略
にできる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では補助レ
ンズを使用することなく、レンズユニット部で所望する
乱視度数を発生できる。しかも、互いに絶対値度数を異
ならせた正負の円柱レンズによって、連続的な値で乱視
度数を生成でき、したがって、検眼のための測定部の軽
量化が図れる。また、測定者は簡単に精度良く希望する
乱視度数を生成できるから、自覚式の検眼測定がスムー
ズに行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自覚式検眼装置の全体構成を示す正面
図である。
【図2】制御機構の主要部分を示す制御ブロック図であ
る。
【図3】測定ヘッド部の正面外観を示す図である。
【図4】図3のA−A線についての断面図である。
【図5】オートクロスディスクとレンズ系の各駆動機構
の位置関係を示す平面図である。
【図6】レンズ系を説明する拡大図である。
【図7】レンズディスクの制御機構を示す制御ブロック
図である。
【図8】レンズディスクの配置を示す断面説明図であ
る。
【図9】乱視度数生成手順を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 測定ヘッド部 5d 測定窓 12 オートクロスディスク 14 分離プリズム 26,27 乱視レンズ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−20824(JP,A) 「光学技術ハンドブック」増補版(昭 50−7−20)朝倉書店p.47−52 「眼鏡技術教本」2版(昭42−10− 10)日本眼鏡技術振興会p.161−166 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/00 - 3/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 視機能および屈折力を測定する測定レン
    ズをディスクに収納した測定レンズユニットを内蔵した
    測定ヘッドを有する検眼装置の乱視度数生成機構におい
    て、 前記測定ヘッド内において、球面レンズディスクユニッ
    トの後方に、光軸を一致させた状態で母線が互いに反対
    方向に相対的に回転自在に配置されたレンズ屈折力の絶
    対値を互いに異にした2つの正、負の円柱レンズを備え
    た乱視レンズディスクユニットを配置し、前記乱視レン
    ズディスクユニットは、前記2つの正、負の円柱レンズ
    を相対的に回転させることによって、0.00(D)を
    含む所定の範囲内を連続的に変化する乱視度数を生成
    し、 前記被測定者に対して特定された眼前距離に乱視度数を
    生成するための生成条件を前記円柱レンズの回転位置情
    報として予め記憶する記憶手段を有し、 前記円柱レンズの回転位置情報は、前記各円柱レンズの
    レンズ厚、レンズ度数、2枚の円柱レンズの間隔、レン
    ズ材料の屈折率、前記被測定者からのレンズ位置およ
    び、前記2枚の円柱レンズの軸度の変化による度数変化
    の光学補正された前記2つの正、負の円柱レンズの合成
    乱視度数のデータテーブルから導きだされたものである
    ことを特徴とする自覚式検眼装置。
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FR3038823B1 (fr) * 2015-07-17 2022-03-04 Essilor Int Dispositif de compensation visuelle, procede de commande d'un dispositif de compensation visuelle et dispositif binoculaire d'optometrie

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「光学技術ハンドブック」増補版(昭50−7−20)朝倉書店p.47−52
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