JP3226308B2 - 明るい高分解能分光装置 - Google Patents

明るい高分解能分光装置

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JP3226308B2
JP3226308B2 JP30054291A JP30054291A JP3226308B2 JP 3226308 B2 JP3226308 B2 JP 3226308B2 JP 30054291 A JP30054291 A JP 30054291A JP 30054291 A JP30054291 A JP 30054291A JP 3226308 B2 JP3226308 B2 JP 3226308B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分解能が高く明るい分
光装置に関し、特に、ラマン分光等の微弱で分光波長領
域が狭い光の分光に適した明るい高分解能分光装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ラマン分光は、試料に特定波長の強いレ
ーザ光を照射して励起し、試料から散乱された光であっ
て照射光の波長から僅かにずれた波長の光(ラマン散乱
光)を分光検出して、試料の組成等を調べる方法である
が、ラマン散乱光は弱いため、迷光の少ない明るい分光
器が必要とされ、また、ラマン散乱光は励起レーザ光の
近くの波長のため、高分散(高分解能)の分光器が要求
される。
【0003】従来は、ラマン分光のために、例えば図1
9(a)及び(b)に示すように、2つの分光器A、B
を直列に配置したダブル分光器を使用し、入射側の分光
器Aを分光フィルターとして用いて迷光を少なくし、か
つ、2つの分光器A、Bを加分散形に配置して高分散に
している。しかも、分散を大きくするため、第2の分光
器Bにおいては、焦点距離f=1000mm等の長焦点
距離の集光鏡を用いている。なお、図19において、G
1 、G2 はそれぞれ分光器A、Bの回折格子、S1 は分
光器Aの入射スリット、S2 は分光器Aの出射スリット
で分光器Bの入射スリットを兼ねており、S3 は分光器
Bの出射スリットである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
反射鏡を用いた分光器にあっては、分解能を上げるため
に、焦点距離の大きい集光鏡を用いているが、集光鏡の
口径、回折格子の径は、集光鏡の焦点距離に比べて小さ
く、したがって、分光器のFナンバーは大きく10程度
であり、最近でもやっとFナンバー=6のものが開発さ
れたにすぎず、それ以上に明るいものは得られていな
い。
【0005】そこで、ラマン分光においては、ラマン散
乱光の強度を上げて分光器の明るさ不足を補うことも考
えられるが、そのために励起レーザ光の強度を強くする
と、試料がその熱で変化してしまう恐れがあるので、こ
の方法には限界がある。
【0006】また、高分散にするために、回折格子に対
する入射角、回折角を大きくする方法も考えられるが、
集光鏡が軸外れで用いられるため、入射スリット像が軸
外収差により曲がってしまい、高分散の要求を満たし得
なくなる。そのため、ラマン分光器においては、入射
角、回折角を小さくし、上記のように集光鏡の焦点距離
を長くして高分散にしている。しかし、このような長焦
点距離の集光鏡を用いると、上記のようにFナンバーが
6程度の暗いものしか実現できない。
【0007】すなわち、従来の分光器にあっては、軸外
れで集光鏡を用い、集光鏡の口径、回折格子の径が小さ
いため、明るさの要求と高分解能の要求を共に満たすも
のは実現していなかった。
【0008】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、明るさの要求と高分解能の要
求を共に満たす明るい高分解能の分光装置であって、特
にラマン分光のように、微弱で分光波長領域が比較的狭
い光の分光に適した明るい高分解能分光装置を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の明るい高分解能分光装置は、中心に開口が設けられ
た反射平面回折格子と、該回折格子の裏側近傍であって
開口の入射側に配置された入射スリットと、該入射スリ
ットから入射し前記開口を通過した測定光を平行光束に
変換するコリメート凹面鏡と、該コリメート凹面鏡で反
射され前記回折格子によって回折された光束の中の特定
次数の光束を前記回折格子の前記開口を経て該回折格子
の裏側近傍に集光する集光凹面鏡とからなり、前記両凹
面鏡は光軸が前記開口近傍で交差するように配置されて
なる分光器と、該分光器の前記集光凹面鏡の集光面の分
光方向に検出面が広がるように配置されている1次元又
は2次元光検出器とから構成され、前記集光凹面鏡を移
動させることによって分光波長範囲を変更することを特
徴とするものである。
【0010】この場合、入射スリットと開口の間に入射
スリットの像を開口中に結像する結像レンズを配置する
ようにすると、開口の径をより小さくでき、明るさが向
上する。
【0011】本発明の明るい高分解能分光装置は、上記
した分光器を複数個光学的に直列に接続して、射出側の
最終段の分光器の集光凹面鏡の集光面の分光方向に検出
面が広がるように1次元又は2次元光検出器を配置して
構成することもできる。
【0012】この場合も、少なくとも1つの分光器の入
射スリットと反射平面回折格子の開口の間に入射スリッ
トの像を開口中に結像する結像レンズを配置して、より
明るいものとすることができる。
【0013】
【0014】
【0015】なお、迷光を少なくするために、0次回折
像と1次回折像が回折格子の端と中心に入射し、0次回
折像が回折格子に入射しないように入射角、回折角を選
択するとさらによい。
【0016】以上において、反射平面回折格子は、複数
枚の反射平面回折格子を開口の周りに格子方向を整列さ
せて同一面に連続又は不連続に配置して構成するのが、
大きい径のものを得るのに有利である。
【0017】
【作用】本発明においては、何れの場合も、結像光学系
が軸外れなく配置されているので、回折格子への入射
角、回折角を大きくしても分光像に曲がりが生じないた
め、高分散、高分解能の配置が可能になると共に、結像
光学系として開口の大きなものが使用でき、回折格子と
して径の大きなものを用いれば、分光器のFナンバーを
小さくでき、明るい分光器になる。しかも、光検出器と
して、高感度の1次元又は2次元光検出器を用いてマル
チチャンネル分光装置に構成されているので、従来のも
のより格段に明るく高分解能の分光装置になり、ラマン
分光、蛍光分光等の弱い光の分光測定に適したものであ
る。なお、分光器を多段配置にすることにより、より高
分解能にすることができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照にして本発明の明るい高分
解能分光装置のいくつかの実施例について説明する。図
1に本発明による分光装置の基本的な実施例の断面図を
示す。この分光装置は、分光器1とその分光面に配置さ
れた1次元又は2次元光検出器4とからなり、分光器1
は、中心に開口6が設けられた反射平面回折格子5と、
回折格子5の裏側近傍であって開口6の入射側に配置さ
れた入射スリット7と、入射スリット7から入射し開口
6を通過した測定光を平行光束に変換するコリメート凹
面鏡8と、コリメート凹面鏡8で反射され回折格子5に
よって回折された光束の中の特定次数の光束を回折格子
5の開口6を経て回折格子5の裏側近傍に集光する集光
凹面鏡9とからなり、図示のように、凹面鏡8、9は光
軸が光路と平行で軸外れなしに配置されており、それら
の光軸は開口6近傍で交差するように配置されている。
また、反射平面回折格子5の格子は紙面に垂直に設けら
れている。そして、分光器1の集光凹面鏡9の集光面に
は、分光方向に検出面が広がる1次元又は2次元光検出
器4が配置されている。
【0019】本発明の分光装置は以上のような構成であ
るので、例えば試料Sに励起レーザ光Eを照射すること
により発生したラマン散乱光を含む測定光Rは、レンズ
Lにより入射スリット7上に集光され、スリット7を通
過した発散光は、反射平面回折格子5の開口6を経てコ
リメート凹面鏡8に入射し、凹面鏡8により開口6方向
に戻る太い平行光束に変換され、回折格子5に入射角α
で入射し、回折角βで回折され、その次数の光束は集光
凹面鏡9に光軸と平行に入射して、開口6を経て回折格
子5裏側の1次元又は2次元光検出器4の検出面上に波
長分散に応じて分光して集光する。よく知られているよ
うに、入射角αと回折角βの間には、 sinα+ sinβ=mλ/d の関係があり、入射光はこの関係を満足する角度に分光
して検出面に結像する。ただし、mは回折次数、λは波
長、dは回折格子の格子間隔である。
【0020】したがって、入射スリット7の分光像は、
凹面鏡8、9の光軸と平行な光路を経て結像されるの
で、入射角α、回折角βを大きくしても分光像に曲がり
が生じないため、高分散、高分解能の配置が可能になる
と共に、凹面鏡8、9として開口の大きなものが使用で
き、回折格子5として径の大きなものを用いれば、分光
器1のFナンバーを小さくでき、明るい分光器になる。
しかも、光検出器4として、後記するような高感度の2
次元光検出器を用いてマルチチャンネル配置にすること
により、従来のものより格段に明るく高分解能の分光装
置を提供することができる。しかも、0次回折像と1次
回折像が回折格子5の端と中心に入射するようにして、
0次回折像を回折格子5に入射しないような配置にすれ
ば、迷光がさらに少なくなる。
【0021】ところで、中心に開口6の開いた反射平面
回折格子5は、大きな連続する1枚の回折格子を作製
し、その中央に所望の径の開口を設けることにより得る
こともできるが、大きな回折格子を作製することは一般
には容易ではない。そこで、例えば図9に平面図を示す
ように、複数枚(図の場合は4枚)の小さな回折格子5
1〜54を開口6の周りに格子方向を整列させて同一面
に連続又は多少不連続に配置して構成することにより、
比較的容易に構成することができる。なお、配列方法
は、図示の例以外に種々のものが考えられる。
【0022】図1の場合、分光波長範囲を変更したい場
合は、集光凹面鏡9を図示の両矢符方向へ移動させれば
よい。なお、この分光装置においては、1度に分光でき
る波長範囲は、回折格子5の開口6の幅によって制限さ
れるので、開口6の径を小さくすればする程明るくなる
代わりに、分光できる波長範囲が狭くなる。したがっ
て、励起波長から僅かに異なる波長域に弱いスペクトル
が現れるラマン分光、蛍光分光等に適した分光装置と言
うことができる。
【0023】上記したように、回折格子5の開口6の径
を小さくすればする程分光器は明るくなる。そのため
に、図2に示したように、図1の入射スリット7と開口
6の間、及び、開口6と光検出器4の間にそれぞれ結像
レンズ10、13を配置し、結像レンズ10によって入
射スリット7の像を開口6内に結像して、開口6の径を
限界まで小さくすることができる。この場合、分光像
も、結像レンズ13により光検出器4の検出面に導くよ
うにする必要がある。
【0024】さらに、別の変形として、回折格子5から
回折された光束を、集光凹面鏡9の代わりに、明るい望
遠レンズ系により光検出器4の検出面に導くようにうす
ることもできる。その例を図3に示す。図3において、
望遠レンズ系14は回折光と同軸に配置されるので、同
様に分光像に曲がりが生じない。しかも、望遠レンズ系
14の焦点距離は長いので、より高分解能にできる。
【0025】さて、図1から図3に示したような分光器
1〜3を2台組み合わせて、第1分光器を迷光除去用と
するダブル分光器配列にすることにより、さらに高分解
能の分光装置を得ることもできる。例えば、図4に示す
ように、図1に示した分光器11、12を直列に接続
し、加分散形に配置することにより、より高分解能にな
る。なお、装置全体のFナンバーは、大きい方のFナン
バー以上になるので、第1分光器として、Fナンバーの
小さなレンズ使用の分光器(特願平1−208744
号)を使用するようにすることもできる。
【0026】別のダブル分光器配列に構成した分光装置
の例としては、図5に示すように、図2に示した分光器
21、22を直列に接続し、加分散形に配置する。ま
た、図6に示すように、図1に示した分光器1と図2に
示した分光器2とを直列に接続して加分散形に配置する
ようにすることもできる。さらに、図7に示すように、
図3に示した分光器31、32を直列に接続して構成す
ることもできる。
【0027】以上は、図1〜図3に示したような分光器
1〜3を2台組み合わせてダブル分光器配列にする例で
あったが、焦点距離の短いものを3台、4台と加分散形
に配置することにより、迷光が少なく、Fナンバーが1
程度で、高分解能の分光装置を構成することができる。
実際上、トリプル分光器配列でこのようなものを実現す
ることができる。
【0028】さて、以上のように本発明に基づく分光装
置は、Fナンバーが小さく明るく、高分解能であるの
で、ラマン分光に適したものであるが、顕微ラマン分光
にも適したものである。周知のように、光学系を複数接
続する場合、全体の系の明るさ(Fナンバー)はそれら
の中の最大のFナンバーになってしまう。したがって、
顕微ラマン分光の場合、顕微鏡系の対物レンズのFナン
バーが小さくとも(開口数NAが大きいのと同義)、分
光系のFナンバーが大きいと、明るさは分光系によって
規定されてしまうことになるため、従来は顕微鏡系の能
力を充分に利用した顕微ラマン分光は困難であった。し
かしながら、本発明の分光装置の場合、Fナンバーが1
程度であるので、これを用いることにより、顕微鏡系の
明るさを充分に利用した顕微ラマン分光が可能になる。
その1例の概略の光学配置を図8に示す。すなわち、顕
微鏡支持台40のステージ41に載置された試料Sにビ
ームスプリッターBS、対物レンズObを経て励起レー
ザ光Eを照射する。試料Sから散乱されラマン散乱光を
含む測定光Rは、対物レンズOb、ビームスプリッター
BSを経て対物レンズObと同程度以下のFナンバーを
有するレンズLにより、図1から図7に例示した本発明
の分光装置60の入射スリット7に集光され、ラマン散
乱光が分光測定される。
【0029】ところで、本発明において、1次元又は2
次元光検出器4として公知の種々のものを用いることが
でき、その構成としては、大別して固体イメージセンサ
ーと光電変換イメージセンサーがある。固体イメージセ
ンサーの例としては、図10に示す並列独立処理フォト
ダイオードアレイ、図11に示す電荷結合デバイス(C
CD)型イメージセンサー、さらに、図12に示す電界
効果トランジスタ(MOS)型イメージセンサーがあげ
られる。
【0030】並列独立処理フォトダイオードアレイと
は、光起電効果を持つフォトダイオード100を図10
に示すようにアレイ状に配置すると共に、各フォトダイ
オードの出力を直接取り出せるように配線したものであ
る。各フォトダイオードから独立して信号を抽出できる
ことから、必要に応じて、特定のフォトダイオードにア
クセスすること、また、背景光を除去した信号(AC成
分信号)と背景光を除去しない信号(DC成分信号)と
の切換え等の各フォトダイオードからの信号の並列した
独立処理が可能となっている。
【0031】CCD型イメージセンサーとは、図11に
示すように、例えばn型シリコンウエハー上に拡散やエ
ピタキシャル成長によってp型層をつくり、さらに、そ
の上に3個の電極が1単位となる絵素110がマトリッ
クス状に配置されるように電極を設けたものである。絵
素を構成する3つの電極に印加する電圧を順次選択的に
切換えることにより、入射光により発生した信号電荷
(例えば、正孔)を一方向に順繰りに移送させながら、
映像信号を取り出すよう構成されている。また、CCD
を冷却することにより、常温時の暗電流や固定ノイズを
減少させることもできる。
【0032】MOS型イメージセンサーとは、図12が
示すように、X、Y座標に対応する2つの電極が1つの
単位となる絵素120がマトリックス状に配列されてお
り、しかも、各絵素がMOS型の電界効果トランジスタ
で作られた走査回路とスイッチ回路を構成しているもの
である。センサーから映像信号を取り出すには、図12
のX、Y軸の走査信号発生器により各絵素に走査パルス
を与え、入射光により絵素内に発生した信号電荷を、
X、Y軸の電極の電圧が0となった絵素から信号電流と
して取り出すのである。
【0033】光電変換イメージセンサーとしては、マイ
クロチャンネルプレート(MCP)とダイオードアレイ
を組み合わせた図13のような静電集束型MCPダイオ
ードアレイや図14のような近接型MCPダイオードア
レイ、また図15に示すイメージ・オルシコン、図16
に示すビジコン、MCPとビジコンを組み合わせた図1
7のようなフォトニックマイクロスコープシステム(V
IMシステム)、さらに、MCPと半導体位置検出素子
を組み合わせた図18のようなフォトカウンティングイ
メージアクイジョンシステム(PIASシステム)があ
げられる。
【0034】静電集束型MCPダイオードアレイでは、
図13に示すように、入射光は光電面130で光電子1
36を放出させ、この光電子は電子レンズ系131で加
速、結像されてMCP132に入射する。MCP132
で電子は増倍され、蛍光面133に入射し、光を放出す
る。蛍光面から放出された光は光ファイバー134を通
りダイオードアレイ135に入射して映像信号を出力す
るよう構成されている。
【0035】近接型MCPダイオードアレイでは、図1
4に示すように、入射光は光電面140で光電子を放出
させ、該光電子はMCP141に直接入射する。MCP
141で電子は増倍され、蛍光面142に入射し、光を
放出する。蛍光面142からの光は光ファイバー143
を通りダイオードアレイ144に入射して映像信号を出
力するよう構成されている。
【0036】イメージ・オルシコンでは、図15に示す
ように光電陰極150から入射光に応じて光電子151
が放出され、該光電子は加速され、ターゲットメッシュ
152を通過しターゲット(厚さ数μm程度の低抵抗ガ
ラス板)153に衝突する。その結果、ターゲット15
3から2次電子が放出され、放出した電子はターゲット
メッシュに集められ、ターゲット上には入射光に対応し
た正電荷像が形成される。この状態でターゲット面が電
子ビーム154で走査されると、ターゲット面付近では
減速電界になっており、ターゲット面上の正電荷を中和
する。中和して残った電子は、ターゲットの正電荷によ
り密度変調されており、さらに、もとの電子軌道とほぼ
同じ軌道を経て電子銃155付近に到達する。電子銃付
近には2次電子増倍部156が配置されており、これに
より戻り電子を増幅して映像信号を出力させる。
【0037】ビジコンでは、図16に示すように、ター
ゲットが透明なフェースプレート160上に透明導電膜
161と高抵抗率の光導電膜162を重ねた構成を有し
ており、電子ビーム163走査後に入射光があると電子
と正孔の対が発生し、電子は透明導電膜161を通り信
号電極164へ流れるが、正孔は光導電膜の走査部側の
表面へ移動する。次に、再度電子ビームにより光電膜表
面を走査すると、電子ビームは正孔による表面電位の大
きさに応じてターゲットに流れ込み、信号電極164を
通って映像信号となる。
【0038】VIMシステムとは、図17に示すように
2次元光子計数管170と低残像ビジコン171を組み
合わせたものである。2次元光子計数管171に入射し
た光は光電面172で光電子を発生し、この光電子はメ
ッシュ173、電子レンズ174を経てMCP(図17
では2段接続のMCP)175に入射して増幅され、出
射面の蛍光面176に当って輝点を形成する。この輝点
はレンズ177によって低残像ビジコンの光電面に結像
し、ビジコンの出力から入射光に対応した映像信号が得
られる。
【0039】PIASシステムとは、図18に示すよう
に、VIMシステムで用いた2次元光子計数管180
(だだし、図18では3段接続のMCPとなっている)
とシリコン半導体検出器181を組み合わせたものであ
る。MCP182からの増倍され、加速された光電子は
半導体位置検出素子に入射し、入射の際の電子衝撃効果
によりさらに増倍されて、該検出素子181の抵抗層を
通って素子周辺の4つの電極183より電流として出力
される。この4つの出力を位置演算装置(図に示してい
ない)に入力することにより、入射光に対応した位置信
号が得られる。
【0040】以上、代表的な1次元又は2次元光検出器
について説明してきたが、本発明における分光装置に用
いることのできる光検出器は、ここで説明したものに限
らず、1次元又は2次元的に光を検出できるものであれ
ば如何なるものでも適用可能である。
【0041】以上、本発明の明るい高分解能分光装置を
実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施
例に限定されず種々の変形が可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の明るい高
分解能分光装置によると、何れの場合も、結像光学系が
軸外れなく配置されているので、回折格子への入射角、
回折角を大きくしても分光像に曲がりが生じないため、
高分散、高分解能の配置が可能になると共に、結像光学
系として開口の大きなものが使用でき、回折格子として
径の大きなものを用いれば、分光器のFナンバーを小さ
くでき、明るい分光器になる。しかも、光検出器とし
て、高感度の1次元又は2次元光検出器を用いてマルチ
チャンネル分光装置に構成されているので、従来のもの
より格段に明るく高分解能の分光装置になり、ラマン分
光、蛍光分光等の弱い光の分光測定に適したものであ
る。なお、分光器を多段配置にすることにより、より高
分解能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分光装置の基本的な実施例の断面
図である。
【図2】他の実施例の断面図である。
【図3】もう1つの実施例の断面図である。
【図4】図1の分光器を2段に配置した実施例の断面図
である。
【図5】図2の分光器を2段に配置した実施例の断面図
である。
【図6】図1の分光器と図2の分光器を2段に配置した
実施例の断面図である。
【図7】図3の分光器を2段に配置した実施例の断面図
である。
【図8】本発明による分光装置を顕微ラマン分光に適用
した1例の概略の光学配置を示す図である。
【図9】反射平面回折格子を複数枚の回折格子を配置し
て構成した場合の平面図である。
【図10】公知の並列独立処理フォトダイオードアレイ
の構成を説明するための図である。
【図11】公知のCCD型イメージセンサーの構成を説
明するための図である。
【図12】公知のMOS型イメージセンサーの構成を説
明するための図である。
【図13】公知の静電集束型MCPダイオードアレイの
構成を説明するための図である。
【図14】公知の近接型MCPダイオードアレイの構成
を説明するための図である。
【図15】公知のイメージ・オルシコンの構成を説明す
るための図である。
【図16】公知のビジコンの構成を説明するための図で
ある。
【図17】公知のVIMシステムの構成を説明するため
の図である。
【図18】公知のPIASシステムの構成を説明するた
めの図である。
【図19】従来のダブル分光器の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1、2、3、11、12、21、2231、32…分光
器 4…1次元又は2次元光検出器 5…反射平面回折格子 6…開口 7…入射スリット 8…コリメート凹面鏡 9…集光凹面鏡 10、13…結像レンズ 14…望遠レンズ系 40…顕微鏡支持台 41…ステージ 51〜54…小さな回折格子 60…分光装置 S…試料 E…励起レーザ光 R…測定光 L…レンズ BS…ビームスプリッター Ob…対物レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲場文男 宮城県仙台市太白区八木山南1−13−1 (56)参考文献 特開 平2−275325(JP,A) 特開 平3−72226(JP,A) 特開 昭55−17458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/02 - 3/457

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心に開口が設けられた反射平面回折格
    子と、該回折格子の裏側近傍であって開口の入射側に配
    置された入射スリットと、該入射スリットから入射し前
    記開口を通過した測定光を平行光束に変換するコリメー
    ト凹面鏡と、該コリメート凹面鏡で反射され前記回折格
    子によって回折された光束の中の特定次数の光束を前記
    回折格子の前記開口を経て該回折格子の裏側近傍に集光
    する集光凹面鏡とからなり、前記両凹面鏡は光軸が前記
    開口近傍で交差するように配置されてなる分光器と、該
    分光器の前記集光凹面鏡の集光面の分光方向に検出面が
    広がるように配置されている1次元又は2次元光検出器
    とから構成され、前記集光凹面鏡を移動させることによ
    って分光波長範囲を変更することを特徴とする明るい高
    分解能分光装置。
  2. 【請求項2】 前記入射スリットと前記開口の間に入射
    スリットの像を開口中に結像する結像レンズが配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載の明るい高分解能
    分光装置。
  3. 【請求項3】 中心に開口が設けられた反射平面回折格
    子と、該回折格子の裏側近傍であって開口の入射側に配
    置された入射スリットと、該入射スリットから入射し前
    記開口を通過した測定光を平行光束に変換するコリメー
    ト凹面鏡と、該コリメート凹面鏡で反射され前記回折格
    子によって回折された光束の中の特定次数の光束を前記
    回折格子の前記開口を経て該回折格子の裏側近傍に集光
    する集光凹面鏡とからなり、前記両凹面鏡は光軸が前記
    開口近傍で交差するように配置されてなる分光器であっ
    て、前記集光凹面鏡を移動させることによって分光波長
    範囲を変更する分光器が複数個光学的に直列に接続され
    ており、射出側の最終段の分光器の集光凹面鏡の集光面
    の分光方向に検出面が広がるように1次元又は2次元光
    検出器が配置されていることを特徴とする明るい高分解
    能分光装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの分光器の入射スリット
    と反射平面回折格子の開口の間に入射スリットの像を開
    口中に結像する結像レンズが配置されていることを特徴
    とする請求項記載の明るい高分解能分光装置。
  5. 【請求項5】 前記反射平面回折格子は、複数枚の反射
    平面回折格子を前記開口の周りに格子方向を整列させて
    同一面に連続又は不連続に配置して構成されたものから
    なることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載
    の明るい高分解能分光装置。
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