JP3226122U - ブラジャー - Google Patents
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Abstract
【課題】特殊な資材や縫製により僧帽筋、肩甲拳筋、菱形筋などを支え、激しい運動や長時間の使用によって当初の着用位置からずれにくく、使用時のシルエットを美しく見せることができるブラジャーを提供する。【解決手段】ブラジャーは、使用者の胸部を覆う前身頃1と、前身頃の右上方端部から延設される右肩ベルト2を介して使用者の右背部から左背部まで傾斜して覆設する第1後身頃と、前身頃の左上方端部から延設される左肩ベルト4を介して使用者の左背部から右背部まで傾斜して覆設する第2後身頃と、前身頃、第1後身頃及び第2後身頃の下端部に位置し使用者の胸部及び背部を周回して覆う帯状の締着部6と、第1後身頃の使用者側に配設され第1後身頃より摩擦係数の大きい第1摩擦部7と、第2後身頃の使用者側に配設され第2後身頃より摩擦係数の大きい第2摩擦部8を備える。【選択図】図1
Description
本考案は、着用性を損なわずに使用者の動きにフィットしてずれることを抑制し使用時のシルエットを美しく見せるブラジャーに関するものである。
女性がスポーツや仕事中など日常生活において種々の動作をするときに、適度な締め付けで胸部を保持し、動作の妨げにならないようなブラジャーが種々知られている。
例えば、特許文献1には、着用者の胸部を被覆する胸被覆部と、該胸被覆部から背中側に連続して着用者の胸部横および脇下を被覆する一対の脇部と、該脇部より背後に連続して着用者の背中を被覆するバック部と、該脇部より背後に連続して着用者の背中中心部を被覆する後身頃と、着用者の肩に配置される一対の肩紐とを備えたスポーツ用ハーフトップであって、前記後身頃は略逆Y字状に形成され、その両端部がバック部の一部と重なり合っており、さらに、後身頃の下辺部とバック部の中央上辺部の間には着用者の肌を露出せしめる開口部を形成したハーフトップ型のブラジャーが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のブラジャーにおいて、胸被覆部、バック部、後身頃が同様の種類の生地からなることから激しい運動や長時間の使用によって当初の着用位置からずれてくるものであるし、また、使用時において、脇部やバック部で締め付けられて僧帽筋や広背筋近傍の脂肪がはみ出てしまい使用時のシルエットを美しくないという課題があった。
本考案は上記課題に鑑みてなされたものであり、特殊な資材や縫製により僧帽筋、肩甲拳筋、菱形筋などの筋肉を支え、激しい運動や長時間の使用によって当初の着用位置からずれにくく、使用時のシルエットを美しく見せることができるブラジャーを提供することを目的とする。
〔1〕すなわち、本考案は、使用者の胸部を覆う前身頃(1)と、前記前身頃(1)の右上方端部から延設される右肩ベルト(2)を介して使用者の右背部から左背部まで傾斜して覆設する第1後身頃(3)と、前記前身頃(1)の左上方端部から延設される左肩ベルト(4)を介して使用者の左背部から右背部まで傾斜して覆設する第2後身頃(5)と、前記前身頃(1)、前記第1後身頃(3)及び前記第2後身頃(5)の下端部に位置し使用者の胸部及び背部を周回して覆う帯状の締着部(6)と、前記第1後身頃(3)の使用者側に配設され前記第1後身頃(3)より摩擦係数の大きい第1摩擦部(7)と、前記第2後身頃(5)の使用者側に配設され前記第2後身頃(5)より摩擦係数の大きい第2摩擦部(8)を備えることを特徴とするブラジャーである。
〔2〕そして、前記第1摩擦部(7)及び前記第2摩擦部(8)が、少なくとも外表面においてゴム状性を有する樹脂を有することを特徴とする前記〔1〕に記載のブラジャーである。
〔3〕そして、前記第1摩擦部(7)及び前記第2摩擦部(8)は、よこ方向において、最大荷重が180〜280Nであり、最大伸び率が180〜260%であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕記載のブラジャーである。
〔4〕そして、前記前身頃(1)が袋状であり、ブラカップを挿入可能に側方に開口部(11)を備えることを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれかに記載のブラジャーである。
本考案のブラジャーによれば、激しい運動や長時間の使用によって当初の着用位置からずれにくく、使用時のシルエットを美しく見せることができる。
以下、本考案のブラジャーに係る実施形態について図面に基づいて詳しく説明する。明細書中における上下左右の方向は、ブラジャーを着用した使用者からの視点に基づいている。また、以下に説明する実施形態は、本考案を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本考案は、以下の説明において特に考案を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。なお、数値範囲を表す表現については、上限と下限を含むものである。
図1から図4を参照して、本考案のブラジャーに係る実施形態について説明する。図1は、本考案のブラジャーの一実施形態における正面図である。図2は、本考案のブラジャーの一実施形態における背面図である。図3は、本考案のブラジャーの一実施形態における裏返しにした状態の正面図である。図4は、本考案のブラジャーの一実施形態における裏返しにした状態の背面図である。
図1から図4に示すように、本考案のブラジャーは、前身頃1、第1後身頃3、第2後身頃5、締着部6、第1後身頃3の使用者側に配設された第1摩擦部7、第2後身頃5の使用者側に配設された第2摩擦部8などから構成されている。
前身頃1は、使用者の胸部を覆う部材である。そして、前身頃1は、右上方端部において右肩ベルト2と、左上方端部において左肩ベルト4と縫製などにより接続されている。また、前身頃1は、下端部において締着部6と縫製などにより接続されている。さらに、前身頃1は、左端部において、第1後身頃3の端部と、右端部において、第2後身頃5の端部と縫製などにより接続されている。なお、本実施形態において、前身頃1は、曲線も含む変則的な略六角形状を有しているが、他の実施形態において、他の形状とすることもできる。
前身頃1は、内部にブラカップを収容可能な空間を有する袋状になっており、左右の側方の端部側には、開口部11が設けられている。この開口部11からブラカップCを挿入して前身頃1の内部に収容して、使用することができる。なお、本実施形態において、開口部11は、前身頃1の左右側方の端部側の両方に設けられているが、他の実施形態において、左右側方の端部側の一方に設けられていてもよい。
右肩ベルト2は、前身頃1の右上方端部から延設される帯状の部材であり、使用者の右肩に当接する。右肩ベルト2は、本実施形態において、前身頃1及び第1後身頃3と別部材として、前身頃1及び第1後身頃3と接続されているが、他の実施形態において、前身頃1又は第1後身頃3の少なくとも一方と継ぎ目なく一体的に形成されていてもよい。
第1後身頃3は、右肩ベルト2を介して使用者の右背部から左背部まで所定の角度で傾斜して覆設する部材である。第1後身頃3は、右肩ベルト2の端部から締着部6及び前身頃1の左端まで徐々に幅が広がる形状を有し、使用者の背部と当接して前身頃1を保持している。第1後身頃3は、後述する第2後身頃5とは縫着などにより接続されておらず、図1から図4に示すように、使用者の背中側において、第2後身頃5と略対称に交差するように配設されている。
左肩ベルト4は、前身頃1の左上方端部から延設される帯状の部材であり、使用者の左肩に当接する。左肩ベルト4は、本実施形態において、前身頃1及び第2後身頃5と別部材として、前身頃1及び第2後身頃5と接続されているが、他の実施形態において、前身頃1又は第2後身頃5の少なくとも一方と継ぎ目なく一体的に形成されていてもよい。
第2後身頃5は、左肩ベルト4を介して使用者の左背部から右背部まで所定の角度で傾斜して覆設する部材である。第2後身頃5は、左肩ベルト4の端部から締着部6及び前身頃1の右端まで徐々に幅が広がる形状を有し、使用者の背部と当接して前身頃1を保持している。第2後身頃5は、第1後身頃3とは縫着などにより接続されておらず、図1から図4に示すように、使用者の背中側において、第2後身頃5と略対称に交差するように配設されている。
前身頃1、第1後身頃3、第2後身頃5の材料は、特に限定されるものでないが、天然繊維または合成繊維など適宜選択される素材からなる。例えば、綿、絹、麻、ウール、セルロース、ナイロン、ポリエステル、アクリル、レーヨン、ニトリルなどからなり、これらを単一または複数用いて適度な緊締力を持たせることができる。
締着部6は、前身頃1、第1後身頃3及び第2後身頃5の下端部に位置し使用者の胸部及び背部を周回して覆う帯状の部材である。締着部6は、前身頃1、第1後身頃3及び第2後身頃5よりも緊締力の強いパワーネットやゴムなどを内包しており、使用者の身体によりフィットして、ブラジャーがずれることを抑制し、また、捲り上がらないようにしている。
第1摩擦部7は、第1後身頃3の使用者側、すなわち裏側に配設され第1後身頃3より摩擦係数の大きい部材である。第1摩擦部7により、使用者の皮膚と当接して僧帽筋や広背筋近傍の脂肪が、右背部から左背部へと持ち上げられ、使用者の脇あたりからはみ出ないようにすることができるため、使用時のシルエットを美しく見せることができる。第1摩擦部7は、本実施形態において、第1後身頃3の使用者側のおおよそ全体に配設されているが、他の実施形態において、第1後身頃3の使用者側の50%以上の範囲に配設するようにすることもできる。本実施形態において、第1摩擦部7については、図1及び図4において薄墨を施している。
第2摩擦部8は、第2後身頃5の使用者側、すなわち裏側に配設され第2後身頃5より摩擦係数の大きい部材である。第2摩擦部8により、使用者の皮膚と当接して僧帽筋や広背筋近傍の脂肪が、左背部から右背部へと持ち上げられ、使用者の脇あたりからはみ出ないようにすることができるため、使用時のシルエットを美しく見せることができる。第2摩擦部8は、本実施形態において、第2後身頃5の使用者側のおおよそ全体に配設されているが、他の実施形態において、第2後身頃5の使用者側の50%以上の範囲に配設するようにすることもできる。本実施形態において、第2摩擦部8については、図1及び図4において薄墨を施している。
第1摩擦部7及び第2摩擦部8は、少なくとも外表面においてゴム状弾性を有する樹脂を有していることが好ましい。第1摩擦部7及び第2摩擦部8をこのように設けると、使用者の皮膚とより密着して僧帽筋、肩甲拳筋、菱形筋や広背筋などの筋肉及びそれらの近傍の脂肪が、全体として上方へと持ち上げられて支えられ、当初の着用位置からずれにくく、使用時のシルエットを美しく見せることができる。なお、第1摩擦部7及び第2摩擦部8は、少なくとも外表面においてゴム状弾性を有する樹脂を有していれば、ゴム状弾性を有する樹脂が被覆された種々の素材の繊維によって帯状に編まれていても良く、また、ゴム状弾性を有する樹脂そのものを繊維として帯状に編まれていても良い。
第1摩擦部7及び第2摩擦部8は、よこ方向において、最大荷重が180〜280Nであることが好ましく、200〜250Nであることがさらに好ましく、最大伸び率が180〜260%であることが好ましく、200〜240%であることがさらに好ましい。そして、第1摩擦部7及び第2摩擦部8は、たて方向において、最大荷重が100〜180Nであることが好ましく、120〜160Nであることがさらに好ましく、最大伸び率が250〜330%であることが好ましく、270〜310%であることがさらに好ましい。第1摩擦部7及び第2摩擦部8をこのように設けると、上述したように当初の着用位置からずれにくく、使用時のシルエットを美しく見せることができる。本実施形態において、第1摩擦部7及び第2摩擦部8は、よこ方向における最大荷重が236N(標準偏差11.8)であり、最大伸び率が222%(標準偏差8.3)であり、たて方向における最大荷重が139N(標準偏差7.4)であり、最大伸び率が289%(標準偏差4.1)であった。なお、これらの数値の測定については、JIS L1096に準じて、幅3cmで長さ10cmの試料を用い、オートグラフ(島津製作所製、AGS−J 5kN)にてチャック間距離を50mmとし毎分3cmの引張速度で測定した。
1・・・前身頃
11・・・開口部
2・・・右肩ベルト
3・・・第1後身頃
4・・・左肩ベルト
5・・・第2後身頃
6・・・締着部
7・・・第1摩擦部
8・・・第2摩擦部
C・・・ブラカップ
11・・・開口部
2・・・右肩ベルト
3・・・第1後身頃
4・・・左肩ベルト
5・・・第2後身頃
6・・・締着部
7・・・第1摩擦部
8・・・第2摩擦部
C・・・ブラカップ
Claims (4)
- 使用者の胸部を覆う前身頃(1)と、
前記前身頃(1)の右上方端部から延設される右肩ベルト(2)を介して使用者の右背部から左背部まで傾斜して覆設する第1後身頃(3)と、
前記前身頃(1)の左上方端部から延設される左肩ベルト(4)を介して使用者の左背部から右背部まで傾斜して覆設する第2後身頃(5)と、
前記前身頃(1)、前記第1後身頃(3)及び前記第2後身頃(5)の下端部に位置し使用者の胸部及び背部を周回して覆う帯状の締着部(6)と、
前記第1後身頃(3)の使用者側に配設され前記第1後身頃(3)より摩擦係数の大きい第1摩擦部(7)と、
前記第2後身頃(5)の使用者側に配設され前記第2後身頃(5)より摩擦係数の大きい第2摩擦部(8)を備えることを特徴とするブラジャー。 - 前記第1摩擦部(7)及び前記第2摩擦部(8)が、少なくとも外表面においてゴム状性を有する樹脂を有することを特徴とする請求項1に記載のブラジャー。
- 前記第1摩擦部(7)及び前記第2摩擦部(8)は、よこ方向において、最大荷重が180〜280Nであり、最大伸び率が180〜260%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラジャー。
- 前記前身頃(1)が袋状であり、ブラカップを挿入可能に側方に開口部(11)を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のブラジャー。
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