JP3225906U - 靴の構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離を防止でき、しかも、補強材形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができる靴の構造を提供する。【解決手段】靴11の構造において、カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布と、織布に含浸させてこの織布を硬化させる硬化剤と、硬化剤を含んで硬化した複数の織布が硬化剤を介在させてカーボン繊維の延在方向が同一方向で積層された補強層13と、補強層13が土踏まず部31における表裏の少なくともいずれか一方の面に硬化剤を介在させて積層形成されカーボン繊維の延在方向が靴11の長手方向となる中底15と、を設けた。【選択図】 図1

Description

本考案は、靴の構造に関する。
靴には、補強材であるシャンクや先芯を内蔵するものがある。
シャンクは、板状に形成されて靴の底の部分に内蔵される。シャンクは、一般的に金属製板材であり、長手方向に緩やかにアーチ状にカーブし、且つ幅方向に湾曲して立体的な形状となり、専用の金型で作られる。
また、安全靴は、靴の先端部分において、先芯を内蔵する。先芯は、JIS規格で負荷をかけた際の「耐衝撃性能」「耐圧迫性能」が決められている(日本産業規格JIS T8101)。試験後に先芯に規定以上の空間(隙間)を確保できるか調べられる。一般的に、この先芯は、金属製であり、十分な厚さの板材よりなる。
実開昭48−062043号公報 実開昭56−163901号公報 実公平04−018405号公報 特開2004−041406号公報
しかしながら、補強材である金属製のシャンクを内蔵した靴では、シャンクが劣化し、錆びたりする。また、金属製のシャンクは、靴重量を増加させる課題がある。シャンクは、靴本体の素材である皮革とは密着状態で製作されるが、異素材であることから経年変化で剥がれることがある。特に、気温変化で金属製のシャンクが伸縮してしまうことから、線膨張係数の差から靴本体とシャンクとを固定する接着部に剥離が生じやすい。靴本体からの剥離の生じたシャンクは、周囲を損壊する虞もある。シャンクは、皮革から剥離すると、皮革との間に空間が発生してしまい、その空間でシャンクが変形し、異音を発することがある。また、空間でシャンクが折れてしまう場合もある。シャンクは、折れた際には足に危険を及ぼす虞もある。そのため、従来、シャンクを備える靴は、補修時に、靴を分解し、装着し直すなどの交換が必要となった。
また、補強材である金属製の先芯を内蔵した靴では、耐荷重など堅牢性を優先することで、先芯の形状が限定的となり、靴のデザインに制約が生じやすくなった。すなわち、従来、安全靴は、機能優先であって、つま先部に先芯の存在感があり、十分なデザイン性を持たせることができなかった。また、上記のシャンクと同様に、金属製の先芯は、靴重量を増加させる課題がある。
本考案は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離を防止でき、しかも、補強材形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができる靴の構造を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本考案の請求項1記載の靴の構造は、カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布と、
前記織布に含浸させてこの織布を硬化させる硬化剤と、
前記硬化剤を含んで硬化した複数の前記織布が前記硬化剤を介在させて前記カーボン繊維の延在方向が同一方向で積層された補強層65と、
前記補強層65が表裏の少なくともいずれか一方の面に前記硬化剤を介在させて積層形成され前記カーボン繊維の延在方向が靴63の長手方向となる中底15と、
を具備することを特徴とする。
この靴の構造では、靴の底部分に金属製のシャンク等を用いず、中底の表裏の少なくともいずれか一方の面に補強層を積層形成され、軽量化を実現できる。金属製部材を用いることによる錆びや剥離を防止できる。補強層65は、靴63の中底15等に合わせて裁断・形成されるので、別部材で製作したシャンク形状に、靴63のデザインが制約されることがなく、さらには靴63に合わせて金型を起こしてシャンクを製作する必要がない。換言すれば、靴63のデザインに倣った形状にカーボン繊維の織布を裁断して、補強層65を作り込みでき、中底15の表面や裏面、或いは両面に、土踏まず部であっても全面であっても構成できる。
その結果、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離とは無縁となり、しかも、補強材であるシャンク形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができ、すなわち、靴として完成されている形状に積層されて構成することができることから、靴自体の形状やデザイン、機能等、予め設定されている靴であっても補強層を付加することができ、この補強層による靴底全体の剛性、耐久性の向上、反発力や安定性など十分な効果を得ることができる。
本考案の請求項2記載の靴の構造は、カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布と、
前記織布に含浸させてこの織布を硬化させる硬化剤と、
前記硬化剤を含んで硬化した複数の前記織布が前記硬化剤を介在させて前記カーボン繊維の延在方向が同一方向で積層された補強層13と、
前記補強層13が土踏まず部31における表裏の少なくともいずれか一方の面に前記硬化剤を介在させて積層形成され前記カーボン繊維の延在方向が靴11の長手方向となる中底15と、
を具備することを特徴とする。
この靴の構造では、金属製のシャンクを用いないので、軽量化を実現できる。金属製部材を用いることによる錆びや剥離を防止できる。補強層13は、靴11の中底15等に合わせて裁断・形成されるので、別部材で製作したシャンク形状に、靴11のデザインが制約されることがなく、さらには靴11に合わせて金型を起こしてシャンクを製作する必要がない。換言すれば、靴11のデザインに倣った形状にカーボン繊維の織布を裁断して、補強層13を作り込みできる。
その結果、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離とは無縁となり、しかも、補強材であるシャンク形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができる。
本考案の請求項3記載の靴の構造は、カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布と、
前記織布に含浸させてこの織布を硬化させる硬化剤と、
前記硬化剤を含んで硬化した複数の前記織布が前記硬化剤を介在させて前記カーボン繊維の延在方向が同一方向で積層された補強層13と、
前記補強層13がつま先部41において前記カーボン繊維の延在方向を靴39の幅方向として積層形成された先芯部43と、
を具備することを特徴とする。
この靴の構造では、金属製の先芯を用いないので、軽量化を実現できる。金属製部材を用いることによる錆びや剥離を防止できる。補強層13は、靴39のつま先部41等に合わせて裁断・形成されるので、別部材で製作した先芯形状に、靴39のデザインが制約されることがない。換言すれば、靴39のデザインに倣った形状にカーボン繊維の織布を裁断して、先芯部43を作り込みできる。
本考案の請求項4記載の靴の構造は、請求項3に記載の靴の構造であって、
前記補強層13が少なくとも土踏まず部31における表裏の少なくともいずれか一方の面に前記硬化剤を介在させて積層形成され前記カーボン繊維の延在方向が靴11の長手方向となる中底15と、
を具備することを特徴とする。
この靴の構造では、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離が発生することがなく、しかも、補強材である先芯形状に依存せずにデザインの自由度を高めながら、安全靴の基準を満たすことができる。これに加え、補強層13は、靴39の中底15等に合わせて裁断・形成されるので、別部材で製作したシャンク形状に、靴39のデザインが制約されることがない。換言すれば、靴39のデザインに倣った形状に織布を裁断して、補強層13を作り込みできる。
本考案に係る請求項1記載の靴の構造によれば、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離とは無縁となり、しかも、プレートなど底部分に挿入構成或いは挟入構成とされる補強材であるシャンク形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができ、すなわち、中底の表面や裏面、或いは両面に、土踏まず部であっても全面であっても、靴のデザインに倣った形状にカーボン繊維の織布を裁断して、補強層を作り込み構成できる。このことから、靴自体の形状やデザイン、機能等、予め設定されている靴であっても補強層を付加することができ、この補強層による靴底全体の剛性、耐久性の向上、反発力や安定性など十分な効果を得ることができる。
本考案に係る請求項2記載の靴の構造によれば、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離とは無縁となり、しかも、補強材であるシャンク形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができる。
本考案に係る請求項3記載の靴の構造によれば、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離の発生が起きず、しかも、補強材である先芯形状に依存せずにデザインの自由度を高めながら、安全靴の基準も満たすことができる。
本考案に係る請求項4記載の靴の構造によれば、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離が発生することがなく、安全靴の基準を満たしながら、補強材であるシャンク形状および先芯形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができる。すなわち、デザインを優先した靴に高い機能を付与することができる。
本考案の第1実施形態に係る靴の側面図である。 図1のA−A断面図である。 図1に示した靴の靴本体部および中底を透視した斜視図である。 本考案の第2実施形態に係る靴の側面図である。 図4のB−B断面図である。 図4に示した靴の靴本体部および中底を透視した斜視図である。 本考案の第3実施形態に係る靴の分解斜視図である。 本考案の第4実施形態に係る靴のつま先部における一部を裁断した側面図である。 図8のC−C断面図である。 図8に示した靴のつま先部を透視した平面図である。
以下、本考案に係る実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本考案の第1実施形態に係る靴11の側面図である。
第1実施形態に係る靴の構造は、織布と、硬化剤と、補強層13と、中底15とを有する。
靴11は、外底17(アウターソール)の後部下面にヒール19が設けられる。ヒール19の下面には、トップリフト21が金具23により固定される。外底17の上面には、中底15が設けられる。中底15の上側には、靴本体部25が設けられる。
図2は、図1のA−A断面図である。
中底15は、例えば下層のミッドソール27と、上層のインソール29からなる。中底15の土踏まず部31における表裏の少なくともいずれか一方の面には、補強層13が積層形成される。本実施形態では、中底15の下面に補強層13が接合される。
図3は、図1に示した靴11の靴本体部25および中底15を透視した斜視図である。
織布は、カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性(UD:Uni−Direction)の織布となる。織布は、カーボン繊維を含んだ織物であり、平織でもよいが、樹脂剤の浸透を良好にするために、単一方向性織布、例えばすだれ織などとされる。すだれ織は、緯糸を1インチ間に2〜3本の粗い密度で織ったものである。経糸には、カーボン糸が用いられる。このように、織布に用いられる繊維は、UD織物が好ましく、より好ましくはUDカーボン織物がよい。本実施形態の織布は、少なくとも経糸をカーボン繊維からなる構成として、例えばすだれ織にて形成され、経糸の長手方向を靴11の長手方向に配置して積層形成される。
硬化剤は、織布に含浸させてこの織布を硬化させる。硬化剤は、樹脂系の接着剤で、熱硬化性樹脂とすることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やポリエステル樹脂を主成分とするものを好適に用いることができる。
補強層13は、硬化剤を含んで硬化した複数の織布が、硬化剤を介在させてカーボン繊維の延在方向が同一方向で積層される。本実施形態において、補強層13は、土踏まず部31におけるほぼ幅方向に渡って配置される。
中底15は、補強層13が土踏まず部31における表裏の少なくともいずれか一方の面に硬化剤を介在させて積層形成される。中底15は、カーボン繊維の延在方向が靴11の長手方向となる。
次に、上記した構成の作用を説明する。
本実施形態に係る靴の構造では、カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布が用いられる。織布は、中底15の土踏まず部31に合わせて裁断される。裁断された織布は、別途塗布される接着剤により中底15の少なくとも下面或いは上面の一方に貼られ、硬化剤が含浸される。中底15に貼られた硬化剤が含浸された織布には、さらにその上に、織布が接着剤により積層状態に貼り付けられ、硬化剤が含浸される。すなわち、織布は、少なくとも2枚が中底15に積層される。これら織布を挟み中底15と反対側には、接着剤により外底17が貼り付けられる。硬化剤が含浸され、硬化剤を介在させて積層された複数枚の織布は、加熱し硬化さることにより補強層13となる。つまり、補強層13は、中底15および外底17と一体的に作り込まれている。
補強層13は、カーボン繊維の延在方向が同一方向で積層される。この補強層13は、中底15の土踏まず部31に積層形成され、カーボン繊維の延在方向が靴11の長手方向となる。すなわち、カーボン繊維は、繊維の延在方向が、土踏まず部31を縦断する方向に配置される。これにより、繊維の延在方向が靴11の幅方向である場合に比べ、繰り返し曲げ応力が作用する土踏まず部31の強度低下が抑制される。また、繊維の延在方向が、土踏まず部31を縦断する方向なので、外底17の捩れ剛性が過剰に高くなることも抑制でき、土踏まず部31の良好な曲げ性を阻害することがない。
これにより、靴11は、中底15の土踏まず部31に、シャンクと同様の機能を持った補強層13が、中底15および外底17と一体に作り込まれている。硬化剤は、少なくとも中底15と織布の間、織布の繊維中、織布同士の間で同時且つ一体的に硬化されている。つまり、硬化時間が異なることにより生じる硬化境界が存在しない。従って、剥離による空間が生じにくい積層構造となっている。
この靴の構造では、金属製のシャンクを用いないので、軽量化を実現できる。シャンク部品を製作するための金型も不要となる。金属製部材を用いることによる錆びや剥離とは無縁となる。靴11の形に合わせて補強層13が形成されるので、シャンクの形状を前提としなくてもよい。つまり、どのような形状の靴11でも補強層13を設けることができる。補強層13は、靴11の中底15等に合わせて裁断・形成されるので、従来のような別部材で製作したシャンク形状に、靴11のデザインが制約されることがない。換言すれば、靴11のデザインに倣った形状に織布を裁断して、補強層13を作り込みできる。
また、補強層13が金属ではないことにより、セキュリティチェック時の金属探知機等に検知されることもなく、空港等で靴11を履き替える煩雑さを回避できる。さらに、靴11の製作には金属部品、例えば釘などが使われる。これらの金属部品は、最終製造工程においてX線検査で確認される。その際に、補強層13がカーボン繊維よりなることで検査の邪魔となることもない。
[第2実施形態]
次に、本考案に係る第2実施形態を説明する。
図4は、本考案の第2実施形態に係る靴33の側面図である。なお、第2実施形態においては第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第2実施形態に係る靴の構造は、靴33の中底15における表裏に、補強層が積層形成される。すなわち、中底15の下面には、下部補強層35が積層形成される。また、中底15の上面には、上部補強層37が積層形成される。
下部補強層35は、接着剤により外底17と一体に接合される。上部補強層37は、靴本体部25の内側で露出してもよく、中敷(インナーソール)に覆われてもよい。
図5は、図4のB−B断面図である。
本実施形態において、下部補強層35および上部補強層37は、土踏まず部31における幅方向よりも狭い幅で積層形成される。下部補強層35および上部補強層37は、靴33の長手方向に長尺な帯状に形成される。
図6は、図4に示した靴33の靴本体部25および中底15を透視した斜視図である。
靴33の長手方向に長尺な帯状に形成された下部補強層35および上部補強層37は、後端がヒール部分に重なり、ほぼ土踏まず部31の全長に渡って配置される。
第2実施形態に係る靴の構造によれば、補強層が下部補強層35および上部補強層37の二層となる。補強層13は、第1実施形態のように下面のみでも十分であるが、中底15の上面と下面とを挟み込む構成とすることで、さらに剛性、耐久性などを向上させることができる。また、幅寸法を小さくして高強度を得ることができるので、土踏まず部31の幅よりも十分に狭い補強層とすることができ、デザインの自由度をさらに高めることができる。
[第3実施形態]
次に、本考案に係る第3実施形態を説明する。
図7は、本考案の第3実施形態に係る靴63の分解斜視図である。なお、第3実施形態においては、第1,第2実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第3実施形態に係る靴の構造は、靴63の中底15における表裏の少なくともいずれか一方の面の略全面に、補強層65が積層形成される。本実施形態では、中底15の下面の全面に補強層65が接合される。
図7に示すように、補強層65を構成する織布は、カーボン繊維からなる経糸の長手方向を靴63の長手方向に配置して中底15下面に積層形成される。そして中底15の下面に外底17が接着剤により一体に接合され、中底上面には靴本体部25が接合される。
第3実施形態に係る靴の構造によれば、補強層65が中底15の下面全体に構成され、靴底全体の剛性、耐久性を向上させるとともに、高い反発力や安定性なども得られる。また、補強層65となる部分は、板材として設計,製作される別体構成ではなく、靴自体に積層形成されており、靴自体の形状に合わせて補強層65が一体に構成されるので、剥離する不具合等が発生することなく、靴としてのデザインの自由度を得られ、すなわち、靴として完成されている形状に積層されて構成されるものであり、図示した形状の靴65とは異なる形状,デザイン、或いは機能を具備する靴であっても補強層による十分な効果を得ることができる。
[第4実施形態]
次に、本考案に係る第4実施形態を説明する。
図8は、本考案の第4実施形態に係る靴39のつま先部41における一部を裁断した側面図である。なお、第4実施形態においては第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第4実施形態に係る靴の構造は、靴39が、補強層13により積層形成される先芯部43を有する。先芯部43は、補強層13がつま先部41において、カーボン繊維の延在方向を靴11の幅方向として積層形成される。織布、硬化剤は、上記と同様のものを用いることができる。
この靴の構造では、織布が、外底17のつま先部41に合わせて裁断・形成される。裁断された織布は、先芯部43を構成する部材の一部となる。
図9は、図8のC−C断面図である。
先芯部43は、先端部および両端部の底部から内側に折り曲げられるスカート部45を有する。裁断された織布は、硬化剤が含浸されるとともに、別途塗布される接着剤により内張生地47の外面に貼られる。内張生地47の両側の下端は、中底15における靴11の幅方向の両側を外側より覆うように貼られる。
織布は、中底15の両側を覆った内張生地47のさらに外側を覆って貼り付けられる。内張生地47に貼られた織布には、さらにその上に、織布が接着剤により積層状態に貼り付けられ、硬化剤が含浸される。すなわち、織布は、少なくとも2枚が積層される。これら織布の外側には、甲革49が接着剤により貼り付けられる。甲革49の下部で表出する中底15には、クッション部材51が貼り付けられる。内側に折り曲げられた甲革49とクッション部材51には、外底17が貼り付けられる。
図10は、図8に示した靴39のつま先部41を透視した平面図である。
靴39は、靴本体部25の後部が履き口部53となって開口する。履き口部53の前方にはタン55が配置される。靴本体部25は、トップライン57の前部が、タン55の上方で靴紐59によって締め合わせられる。
先芯部43は、足の親指から小指までを収容するつま先収容空間61を形成する。この先芯部43では、複数のカーボン繊維が、靴11の幅方向にアーチ状となって硬化剤により固化されている。先芯部43は、両側のスカート部45が甲革49を介して外底17に支持されることにより、所定の耐衝撃性能、耐圧迫性能を有して、つま先収容空間61を形成することができる。
また、この靴の構造は、先芯部43に加え、第1実施形態で説明した中底15や第2実施形態で説明した中底15、第3実施形態で説明した中底15をさらに備えてもよい。すなわち、中底15は、補強層13が土踏まず部31における表裏の少なくともいずれか一方の面や、補強層35,37が土踏まず部31の両面、さらには補強層65が中底15の全面に、硬化剤を介在させて積層形成される。この場合においても、カーボン繊維は、延在方向が靴11の長手方向となる。
第4実施形態に係る靴の構造では、硬化剤が含浸され、硬化剤を介在させて積層された複数枚の織布は、加熱され硬化されることにより補強層13となる。つまり、補強層13は、内張生地47および甲革49と一体的に作り込まれている。硬化剤は、少なくとも内張生地47と織布の間、織布の繊維中、織布同士の間、織布と甲革49との間で同時且つ一体的に硬化されている。つまり、硬化時間が異なることにより生じる硬化境界が存在しない。これにより、剥離による空間が生じにくい積層構造となっている。
この補強層13は、カーボン繊維の延在方向が靴11の幅方向として積層される。靴11は、つま先部41に、従来の金属製先芯と同様の機能を持った補強層13からなる先芯部43が、つま先部41と一体に作り込まれて形成される。これにより、靴11のつま先部41は、複数のカーボン繊維が、靴11の幅方向にアーチ状となってつま先収容空間61を作るので、つま先部41の耐衝撃性能、耐圧迫性能を高めることができる。
また、この靴の構造では、金属製の先芯を用いないので、大幅な軽量化を実現できる。金属製部材を用いることによる錆びや剥離が発生することがない。補強層13は、靴11のつま先部41等に合わせて裁断・形成されるので、従来のような別部材で製作した先芯形状に、靴11のデザインが制約されることがない。換言すれば、靴11のデザインに倣った形状に織布を裁断して、先芯部43を作り込みできる。その結果、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離が起こらず、しかも、補強材である先芯形状に依存せずにデザインの自由度を高めながら、安全靴の基準も満たすことができる。
つま先部41が、従来のような金属板で構成される先芯ではなく、靴11に対して先芯部43として形成することができるので、先芯の形状を前提としたデザインの靴11ではなく、どのような形状の靴11であっても補強された先芯部43を構成できる。このため、外観としてのデザインが一般的な革靴であっても、安全靴の基準を満たすことができるようになる。このことから、安全靴としてではなく、通常の靴自体が、安全靴にもなる、ということにもなる。
これに加え、金属製のシャンクを用いないので、軽量化を実現できる。金属製部材を用いることによる錆びや剥離とは無縁となる。補強層13は、靴11の中底15等に合わせて裁断されるので、別部材で製作したシャンク形状に、靴11のデザインが制約されることがない。換言すれば、靴11のデザインに倣った形状に織布を裁断して、補強層13を作り込みできる。その結果、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離の発生がなく、安全靴の基準を満たしながら、補強材であるシャンク形状および先芯形状に依存せずにデザインの自由度を高めることができる。
従って、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態に係る靴の構造によれば、靴としての製造工程の途中に、カーボン繊維よりなる織布を積層形成させるので、金属製部材を用いずに軽量化できるとともに、錆びや剥離が起こらず、しかも、シャンクや先芯等の金属製別部材からなる補強材形状に依存せずに、デザインの自由度を高めることができる。
11…靴
13…補強層
15…中底
31…土踏まず部
41…つま先部
43…先芯部

Claims (4)

  1. カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布と、
    前記織布に含浸させてこの織布を硬化させる硬化剤と、
    前記硬化剤を含んで硬化した複数の前記織布が前記硬化剤を介在させて前記カーボン繊維の延在方向が同一方向で積層された補強層と、
    前記補強層が表裏の少なくともいずれか一方の面に前記硬化剤を介在させて積層形成され前記カーボン繊維の延在方向が靴の長手方向となる中底と、
    を具備することを特徴とする靴の構造。
  2. カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布と、
    前記織布に含浸させてこの織布を硬化させる硬化剤と、
    前記硬化剤を含んで硬化した複数の前記織布が前記硬化剤を介在させて前記カーボン繊維の延在方向が同一方向で積層された補強層と、
    前記補強層が土踏まず部における表裏の少なくともいずれか一方の面に前記硬化剤を介在させて積層形成され前記カーボン繊維の延在方向が靴の長手方向となる中底と、
    を具備することを特徴とする靴の構造。
  3. カーボン繊維の延在方向が一方向となる単一方向性の織布と、
    前記織布に含浸させてこの織布を硬化させる硬化剤と、
    前記硬化剤を含んで硬化した複数の前記織布が前記硬化剤を介在させて前記カーボン繊維の延在方向が同一方向で積層された補強層と、
    前記補強層がつま先部において前記カーボン繊維の延在方向を靴の幅方向として積層形成された先芯部と、
    を具備することを特徴とする靴の構造。
  4. 請求項3に記載の靴の構造であって、
    前記補強層が少なくとも土踏まず部における表裏の少なくともいずれか一方の面に前記硬化剤を介在させて積層形成され前記カーボン繊維の延在方向が靴の長手方向となる中底と、
    を具備することを特徴とする靴の構造。
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