JP3225335U - 果実の樹上脱渋シールおよびそれが貼付された果実 - Google Patents

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Abstract

【課題】果実の渋みを樹上で取り除くのに適し、省力的かつ果実全体にわたって安定した脱渋できる樹上脱渋シールを提供する。【解決手段】果実の樹上脱渋シール11であって、粉末アルコールを含有した粉末アルコール含有部15を有する粘着性の略矩形のシールであって、一辺にカット部11xを有する。粉末アルコール含有部15は、樹上脱渋シールのほぼ中央の領域にある。【選択図】図1A

Description

本考案は、果実の渋みを樹上で取り除くのに用いられる樹上脱渋シールに関し、特に、渋柿の樹上脱渋シールに関する。さらに、樹上脱渋シールが貼付された果実に関する。
渋柿は果実が成熟しても強い渋味が残るため、収穫後に渋を抜く脱渋処理を行う必要がある。一般的な脱渋法としてCTSD脱渋法やアルコール脱渋法が使用されている。
しかしながら、これらの方法では、一定規模の施設が必要なこと、脱渋処理時の果面障害、脱渋後の日持ちが悪いなどの問題がある。
樹上脱渋法は、収穫前の樹に着果した果実を脱渋するため、収穫後に直ぐに販売できること、収穫後の脱渋果と比較して果肉硬度が高く維持され、食味が優れるなどの長所が知られている。
一方、樹上脱渋法には、事前準備や袋かけ作業に労力を必要とするという問題もある。
樹上脱渋の省力化を図るために、貼り付け式樹上脱渋法が考案されているが、果実の果底部に渋残りするという問題がある。このため、簡便な操作で安定して完全に脱渋できる手段が強く望まれている。
柿の樹上脱渋は、収穫前の樹に着生した果実を脱渋する方法である。例えば、果実の果頂部がわずかに着色し始めた着色開始期に、固形アルコールを入れたポリエチレン袋でヘタ部分を輪ゴムで留めて樹上の果実を被袋する「ヘタ出し法」が行われている(非特許文献1)。
また、「貼り付け式樹上脱渋法」として、粉末アルコールを含有した粘着性シールを樹上の果実に貼り付ける方法がある(特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載されている樹上脱渋シールの一構成例を示す図である。図8は、特許文献1に記載されている樹上脱渋シールを品種太天(柿)に貼付した様子を示す図であり、果実の樹上脱渋シールの適用対象例を柿とした一例である。図8(a)は平面図、図8(b)は底面図、図8(c)から図8(e)までは見た方向を変えた斜視図(側面図)1から斜視図3までであり、図8(f)は側面図である。
尚、符号108は柿101の枝部である。符号111aはヘタ107を含む上部101aを露出させるシールの上部開口部である。符号111bは、柿101の側面101bを開口する側部開口部であり、符号111cは、柿101の底面101cを開口する底部開口部である。
図7に示すように、特許文献1に記載されている樹上脱渋シール111は、柿の大きさに合わせて作製された粘着層を備えた貼付用の粘着シート付きの矩形のシール111である。樹上脱渋シール111の中央領域には、例えば、1.0g〜1.5g程度のシリカに対して0.6g〜0.9g程度のエタノールを吸着させた粉末状物(粉末アルコール)を含む粉末アルコール含有部115が設けられている。
図8に示すように、品種太天(柿)101を矩形のシール111で包むように貼付している。
特許第5841904号公報
平井ら、群馬農業技術センター研究報告、第5号 (2008) :P.27〜32
「ヘタ出し法」では、処理前日にポリエチレン袋に脱渋用の固形アルコールを入れ、冷蔵庫で保管する前準備が必要であること、ヘタ下の密閉が不十分であると脱渋が不完全になること、密閉の確認もあり袋かけに多くの労力を要すること、処理期間中に降雨があると袋内に水が溜まって脱渋効果が低下すること、など様々な問題点がある。
これに対して、「貼り付け式樹上脱渋法」は、前準備は不要であり、シールの着脱のみで樹上脱渋作業ができる。加えて、シールを貼り付けた後に、脱渋処理中に雨が降っても、ほとんど脱渋に影響しないという利点がある。
しかしながら、「太天」のような大果の果実では、図8に示すように、矩形のシール111を用いると、ヘタ107を避けるために果実の赤道部(側面の中央部)を含む領域の2カ所にシール111を貼る必要がある。また、図8(a)などに示すように、ヘタ107の直下(周囲)までシールを貼りづらい。従って、果底部などの果実の一部に渋残りする現象が多く発生し、果実全体にわたっての安定した脱渋処理が難しいという問題がある。
本考案は、果実の渋みを樹上で取り除くのに適した樹上脱渋シールを提供することを目的とする。特に、省力的かつ果実全体にわたって安定した脱渋できる樹上脱渋シールを提供することを目的とする。
本考案の一観点によれば、果実の樹上脱渋シールであって、粉末アルコールを含有した粘着性の略矩形のシールの一辺にカット部を有する果実の樹上脱渋シールが提供される。
前記シールの一辺に果実のヘタの直下までシールで覆われるようにカット部を形成することで、果実のヘタ直下までシールで覆うように貼ることができる。
前記カット部は、渋柿のヘタの直下までシールで覆われる形状を有することを特徴とする。
前記カット部は、V字型のカット部であることを特徴とする。
前記V字型のカット部は、前記V字型のカット部が形成された一辺において150度±10度の角度を成すことを特徴とする。
前記カット部は、前記一辺の全幅に形成されているようにしても良い。
前記カット部と反対側の辺が、脱渋対象である果実の果底部まで覆う大きさであるようにすると良い。
前記カット部は、円形の一部を含むU字型のカット部であっても良い。
但し、V字型のカット部を有するシールを用いると、果底部の渋残りもなく安定して完全に脱渋することができる。
本考案は、シールを貼付する対象果実は柿であり、その品種は、太天、太月、平核無、刀根早生のうちのいずれか1であっても良い。
前記シールの前記カット部に隣接する少なくとも一辺側に配置され、シール本体部に設けられた接着層を裏面から覆う台紙を前記一辺に沿って少なくとも一部を剥がす切り取り線が設けられていると好ましい。
また、本考案は、粉末アルコールを含有した粘着性の略矩形のシールの一辺にカット部を有する果実の樹上脱渋シールの前記一辺に果実のヘタの直下まで前記樹上脱渋シールが覆うように貼られた果実である。
本考案によれば、柿などの果実の貼り付け式樹上脱渋を既製品(脱渋シール)に比べて果底部の渋残りもなく安定して脱渋する効果が得られる。また、高品質な果実を簡易に生産することができるため、果実生産における収益向上が可能である。
本考案の一実施の形態による果実の樹上脱渋シールの一構成例を示す平面図である。 樹上脱渋シールの裏側の構成を示す図である。 本実施の形態による樹上脱渋シールの適用対象例として示す柿の一例であり、図2(a)は太天の平面図(右図)と側面から切った断面図(左図)である。図2(b)は太月の平面図(右図)と側面から切った断面図(左図)である。いずれにも、例示として寸法を付している。 本実施の形態による樹上脱渋シールを太天に貼付した様子を示す図である。図3(a)は平面図、図3(b)は底面図、図3(c)から図3(e)までは見た方向を変えた斜視図(側面図)1から斜視図3までであり、図3(f)は側面図である。 本実施の形態による樹上脱渋シールを太天に貼付した際の、太天内へのエタノールの流れの一例を示す図である。 特許文献1に記載された樹上脱渋シールと本実施の形態による樹上脱渋シールとを用いた場合の太天の果底部の脱渋の度合いを比較した図であり、図5(a)が従来、図5(b)が本実施の形態の例を示す図である。 図6(a)は、本実施の形態による樹上脱渋シールの第1の変形例を示す図であり、図6(b)は、本実施の形態による樹上脱渋シールの第2の変形例を示す図である。 特許文献1に開示されている果実の樹上脱渋シールの一構成例を示す平面図である。 図7に示す樹上脱渋シールを太天に貼付した様子を示す図である。図8(a)は平面図、図8(b)は底面図、図8(c)から図8(e)までは見た方向を変えた斜視図(側面図)1から斜視図3までであり、図8(f)は側面図である。実の樹上脱渋シールの適用対象例として示す柿の一例である。
以下に、本考案の果実の樹上脱渋シールについて図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態において用いる樹上脱渋シールとしては、上記の背景技術に記載したように、特許文献1に記載の上脱渋シールを用いることができる。但し、用いることができる樹上脱渋シールとしては、これに限定されるものではなく、果実に貼付できるようになっており、かつ、アルコールが果実に染み渡るように構成されていれば良い。その他の詳細なシールの構成や貼り方なども、特許文献1に記載されているものと同様であっても良いし、実施の態様や柿の種類、形状、栽培環境(温度、湿度など)等に応じて適宜変更をしても良い。
尚、本願は、樹上脱渋シールとしてアルコールを含有するシートを、木から収穫する前の柿果実のヘタの直下に貼り付ける工程を含む、脱渋柿の製造方法の考案であっても良い。
(第1の実施の形態)
図1Aは、本実施の形態による樹上脱渋シールの裏面(アルコール含有部が形成されている方)の一構成例を示す図である。図1Bは、樹上脱渋シールの裏側の構成例を示す図である。図2は、樹上脱渋シールを貼付する対象の例である品種太天(柿)の形状を示す図である。図2(a)は太天の平面図(右図)と側面から切って上から見た断面図(左図)である。図2(b)は太月の平面図(右図)と側面から切って上から見た断面図(左図)である。いずれにも、例示として寸法を付しているように大きめの柿である。
尚、図1A、図1Bに示した各寸法は例示であり、対象とする果実の大きさや形状に応じて、果実部を覆い、ヘタ部に重ならないような形状とすれば良い。ヘタ部に樹上脱渋シールを貼らないのは、ヘタ枯れ防止のためである。
図1A、図1Bに示すように、本実施の形態による脱渋シール11は、図2に示す柿1の大きさや形状に合わせて作製された粘着層(図示せず)を備えた貼付用の粘着シート付きの矩形のシール11である。樹上脱渋シール11の中央領域には、例えば、1.0g〜1.5g程度のシリカに対して0.6g〜0.9g程度のエタノールを吸着させた粉末状物が添加されている。図7の脱渋シール111と異なり、本実施の形態による脱渋シール11は、矩形のシートの一辺であって、柿1のヘタ7に対応する一辺の位置に、ヘタ7は覆わないような形状の例としてV字型のカット部11xが形成されている。上記と同様に粉末アルコール含有部15は、樹上脱渋シール11のほぼ中央の領域にある。
樹上脱渋シール11の寸法は、例えば、横13cm×縦11cmであり、例えば、太天の一般的な寸法(平均値)である、横105.7mm、縦100.7mmに対して、上下左右に余白部分が1cm程度ある。また、V字のカット部11xの深さは1.75cmである。粉末アルコール含有部15は、6.5cm×4cmであり、上に1.75cm〜3.5cm、下に3.5cm、右側に3.25cm、左側に3.25cmの余白がある。但し、粉末アルコール含有部15を貼るときに多少のずれが生じることがある。
また、樹上脱渋シール11のV字の角度は例えば150度である。当該角度は、例えば140度から150度の間であっても良い。
図1Bに示すように、樹上脱渋シール11のカット部11xに隣接する少なくとも一辺側に配置され、脱渋シール本体部に設けられた接着層(図示せず)を裏面から覆う台紙(セパレータ)11iをその一辺に沿って少なくとも一部をL1から剥がす切り取り線L1が設けられていると好ましい。このような構造により、図1B(a)、(b)に示すように、セパレータ11iの切り取り線L1に沿ってセパレータ11i本体から切り離し部11jを、矢印12の方向に剥がしている。切り離し部11jを剥がした領域11hは、粘着部露出領域となり、樹上脱渋シール11を所望の果実の位置に簡単に貼ることが出来る。
図3は、樹上の枝8に成っている果実である柿1に樹上脱渋シール11を貼付する様子を示す図である。図3(a)は平面図、図3(b)は底面図、図3(c)から図3(e)までは柿を見る方向を変えた斜視図(側面図)1から斜視図3までであり、図3(f)は側面図である。
図3と図8とを比較すると理解しやすいように、本実施の形態では、V字型にシール上部をカットするカット部11xを設けることで、脱渋シール11を柿1に貼付する際に、ヘタ7が邪魔にならずヘタ7の直下まで脱渋シール11が容易に貼れるように工夫されている。また、シールを貼った場合にヘタ7が露出するようにしている。
さらに、図3(a)、(c)、(e)に示すように、ヘタ7の直下まで脱渋シール11を貼ることができる。図3(b)に示すように、果側部の一部1bと果底部1cには、脱渋シール11が貼られていない開口部がある。尚、図3においては、柿1のヘタ7直下に2枚の脱渋シール11を貼付した。
尚、符号8は柿1の枝部である。符号11aはヘタ7を露出させるシールの上部開口部であり、符号11xは開口部11aを形成するV字型状のカット部である。符号11bは、柿1の側部1bを開口する側部開口部であり、符号11cは、柿1の底部1cを開口する底部開口部である。
図3に示すように、柿1の底部1cや側部1bにはシール11から果実表面が露出する領域があるが、特に問題はない。
図4は、本実施の形態による樹上脱渋シール11を柿1に貼付した際の、粉末アルコール含有部15からのアルコールが果実1に浸透する様子を模式的に示した図である。
図4に示すように、柿1のヘタ7の直下にも樹上脱渋シール11を貼付することができたため、それよりも下の部分には、アルコールが浸透しやすい。従って、矢印AR1に示したように、アルコールを柿1の果肉の内部も含む果肉全体に浸透させることができる。
図5は、図7に示した従来の樹上脱渋シール111と、図1A、Bに示した本実施の形態による樹上脱渋シール11とを用いた場合の、太天の果底部の脱渋の度合いを比較した図であり、図5(a)が特許文献1(従来)、図5(b)が本実施の形態の例を示す図である。また、表1は、数値により従来例と本考案品との樹上脱渋処理の効果を比較して数値で示した表である。
渋味の程度は、タンニンプリント値の染色面積を達観評価し、ろ紙に黒変が全く認められないものを「0」(完全脱渋)、未脱渋果を「4」として5段階で評価した。
図5(a)に示すように、従来の樹上脱渋シール111を用いると、柿101の果底部に渋121が残る。一方、図5(b)に示すように、本実施の形態の樹上脱渋シール11を用いると、柿1の果底部にも渋は残らないことから十分に脱渋ができていることがわかる。尚、図5(b)には、脱渋領域21が示されている。
Figure 0003225335
表1に示すように、本実施の形態の脱渋シール11によって脱渋した柿の脱渋程度は、「太天」で試験した結果として、タンニンプリント値が0.1となり、完全に脱渋した(表1)。
尚、タンニンプリント法は、ろ紙を3%塩化第2鉄溶液に浸漬した後、十分に乾燥させたろ紙に果実の切断面を押し付け、ろ紙に生じた紫黒色の斑点の量と濃淡から、視覚的に脱渋の程度を判定した。タンニンプリント値は、ろ紙に黒変が全く認められないものを「0」(完全脱渋)、未脱渋果を「4」として5段階で評価した。タンニンプリント値が0.3以下だと渋味を感じないと判定している。
また、従来の樹上脱渋シール111を用いた既製品(V字型のカット部無し)の未脱渋果(率)が100.0%であるのに対して、本実施の形態による試作品(V字型のカット部有り)の未脱渋果(率)は6.7%であり、本実施の形態において未脱渋果(率)が大幅に減少した。
また、本実施の形態による試作品においては、5果実当たりの作業時間は5分25秒であり、既製品よりも約20%短縮させることができた。時間短縮の要因としては、脱渋シールをV字型にカットすることで、ヘタ直下にシールを容易に滑りこませることができるようになり、貼りやすくなったことがあると推定される。
一方、本実施の形態による試作品も、果肉硬度や糖度は、既製品と同等であり、V字型のカットにより脱渋の効果のみを独立して調整できることがわかる。
以上のように、V字型のカット部を有していない既製品シールを用いた場合と比較して、本考案による樹上脱渋シールでは以下の特徴を有することがわかった。
1)脱渋シールの上部をV字型にカットしていること(図1A、B)。
2)1)により柿のヘタ直下にシールを貼れること(図3)。
3)従って、果底部の渋残りもなく安定して脱渋ができる(図5(b))。
本実施の形態による貼り付け式樹上脱渋法では、シール貼付部位から果実にエタノールが浸透、蓄積し、酵素の働きでエタノールからアセトアルデヒドができ、アセトアルデヒドは渋味の原因である「タンニン」と結びついて、可溶性タンニンを不溶化することで、渋味を感じなくなると考えられる(非特許文献1参照)。
ここで、脱渋(渋が抜ける)とは、可溶性のタンニンが不溶化することによって渋味を感じなくなることであり、上記のアルコール処理で脱渋が可能である。尚、アルコール処理の他に、炭酸ガスや湯抜きなどによる処理でもタンニンが不溶化されて脱渋される。従って、脱渋シール11にこのような作用を生じさせる物質を付加して、柿に貼付しても良い。
尚、使用できるアルコールの例としては、エタノールや、エタノールと精製水の混合液が好適である。その他、脱渋用アルコールとしては、例えば、アンチモールド・マイルド(フロイント産業株式会社製)や、アデチール750(ADEKAクリーンエイド株式会社製)や、シブトール(株式会社ニイタカ製)、などを用いることもできる。
(貼り付け式樹上脱渋法では、シール形状の変形例)
上記の実施の形態では、矩形の貼り付け式樹上脱渋シールの一辺に、V字型のカット部を設けた。カット部のカット形状は、図6(a)に示すようにカット部11yを凹状にしたものでも良い。或いは、カット部のカット形状は、図6(b)に示すようにカット部11zをU字状にしたものでも良い。但し、V字型のカット部に比べると、果実のヘタの部分に隙間ができ、完全に覆うことができないため、V字型のカット部がより好ましいことがわかった。
本考案によれば、柿等の果実の貼り付け式樹上脱渋を既製品(脱渋シール)に比べて果底部の渋残りもなく安定して脱渋する効果が得られ、高品質な果実を簡易に生産することができる。
従って、柿等の果実の生産における収益向上が図られる。このため、園芸分野において広範な利用が期待される。
本考案は、矩形の脱渋シールの一辺をV字型に加工するだけであるため、製造が簡単であるという効果もある。
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本考案の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本考案の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本明細書においては、柿として太天に適用した例を示したが、太天以外で適用可能な品種として、太月、平核無、刀根早生などがある。
また、渋柿の脱渋を例にして説明したが、脱渋対象は必ずしも渋柿に限定されるものではない。例えば、他の食用の果実や園芸用の果実などにも適用可能である。
また、本考案の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する考案も本考案に含まれるものである。
本考案は、果実の樹上脱渋シールに利用可能である。
1 柿
7 柿のヘタ
8 樹の枝
11 樹上脱渋シール
11x V字型のカット部
15 粉末アルコール含有部
また、本考案は、記樹上脱渋シールがられた果実である。

Claims (10)

  1. 果実の樹上脱渋シールであって、
    粉末アルコールを含有した粘着性の略矩形のシールの一辺にカット部を有する
    果実の樹上脱渋シール。
  2. 前記カット部は、渋柿のヘタの直下までシールで覆われる形状を有することを特徴とする請求項1に記載の果実の樹上脱渋シール。
  3. 前記カット部は、V字型のカット部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の果実の樹上脱渋シール。
  4. 前記V字型のカット部は、前記V字型のカット部が形成された一辺において150度±10度の角度を成すことを特徴とする請求項3に記載の果実の樹上脱渋シール。
  5. 前記カット部は、前記一辺の全幅に形成されている請求項1から4までのいずれか1項に記載の樹上脱渋シール。
  6. 前記カット部と反対側の辺が、脱渋対象である果実の果底部まで覆う大きさである
    請求項1から5までのいずれか1項に記載の樹上脱渋シール。
  7. 前記カット部は、円形の一部を含むU字型のカット部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹上脱渋シール。
  8. 前記シールの前記カット部に隣接する少なくとも一辺側に配置され、シール本体部に設けられた接着層を裏面から覆う台紙を前記一辺に沿って少なくとも一部を剥がすための切り取り線が設けられていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の樹上脱渋シール。
  9. シールを貼付する対象果実は柿であり、その品種は、太天、太月、平核無、刀根早生のうちのいずれか1である請求項1から8でのいずれか1項に記載の樹上脱渋シール。
  10. 粉末アルコールを含有した粘着性の略矩形のシールの一辺にカット部を有する果実の樹上脱渋シールの前記一辺に果実のヘタの直下まで前記樹上脱渋シールが覆うように貼られた果実。
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