JP3224860B2 - 顕微鏡画像評価システム - Google Patents

顕微鏡画像評価システム

Info

Publication number
JP3224860B2
JP3224860B2 JP16144092A JP16144092A JP3224860B2 JP 3224860 B2 JP3224860 B2 JP 3224860B2 JP 16144092 A JP16144092 A JP 16144092A JP 16144092 A JP16144092 A JP 16144092A JP 3224860 B2 JP3224860 B2 JP 3224860B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
evaluation
biological specimen
stratum corneum
layer
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16144092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH064601A (ja
Inventor
忠 石田
忠由 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP16144092A priority Critical patent/JP3224860B2/ja
Publication of JPH064601A publication Critical patent/JPH064601A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3224860B2 publication Critical patent/JP3224860B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニューラルネットワー
クを用いて染色された生物標本の評価を行うための顕微
鏡画像評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、染色した生物標本を評価する方法
としては、例えば次のような方法がある。人の皮膚から
粘着テープなどで角層細胞を採取し、生物標本として角
層サンプルを顕微鏡を用いて拡大して、人による感覚的
な評価(官能評価)によって、皮膚の肌性質・状態を把
握している。このように皮膚状態を的確に把握できれ
ば、皮膚の状態に応じて例えば適切な化粧料を選択でき
る。また、皮膚疾患などのある患者に対しても皮膚の状
態を的確に把握して、治療方法などを選択できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
角層サンプルの評価において、評価すべき角層サンプル
の数が多くなれば、多数の人手が必要となってきて、作
業性が悪化する。また、人が角層サンプルを評価するた
めの基準はあるが、全く同一のものはないのが現状であ
る。このため、人によって角層サンプルを感覚的にしか
も精度良く評価しようとすれば、生物標本を評価するた
めの特定の人を教育しなければならなかった。さらに
は、角層サンプルの評価の精度についても、常にチェッ
クしなければならず、操作者の作業負担になっていた。
【0004】そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、生物標本の評価に
おいて評価の精度を維持でき、操作者の作業負担を軽減
することのできる顕微鏡画像評価システムを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために下記の構成とした。図1は本発明の原理図
であり、図1を用いて本発明を説明する。顕微鏡1は、
対物レンズが設けられ染色された生物標本12を拡大す
るもので、例えばコンピュータ通信可能なタイプでオリ
ンパス工業株式会社製VANOX-SタイプAH3などである。撮
像手段2は、例えばビデオカメラであり、特にCCDカ
メラやイメージスキャナなどであり、顕微鏡1で拡大さ
れた生物標本12を撮像して画像データを得るものであ
る。
【0006】画像処理手段3は、例えば画像データをデ
ジタルデータに変換するためのA/D変換器などであ
り、撮像手段2で得られた画像データに対して処理を施
すものである。
【0007】コンピュータ4は、染色された生物標本1
2のうち2層以上重なっている部分の程度、染色した生
物標本の配列の程度、染色した生物標本の中心部分に核
が存在する程度について前記画像データを評価し、この
評価した値を教師信号として用いて学習し、学習結果に
基づき未知の生物標本の評価を行なう。
【0008】また、画像処理手段3は、撮像手段2から
の画像データの中の特定領域のデータを特徴値として抽
出する特徴値抽出部31を有するよう構成する。さら
に、コンピュータ4は、ニューラルネットワーク41を
有し、このニューラルネットワーク41は、入力層、出
力層からなり、より好ましくは中間層を有しており、評
価値毎に画像データを学習させることにより各層間の重
み付けを変え、未知の生物標本を評価するよう構成す
る。
【0009】さらにまた、生物標本12は、皮膚表皮の
角層サンプルであり、コンピュータ4は、角層サンプル
の重なっている部分の程度、角層サンプルの配列の程
度、角層サンプルの細胞の中心部分に核が存在する程
について評価値で表して、角層サンプルの評価を行なう
ようにしてもよい。
【0010】
【作用】本発明によれば、顕微鏡1によって拡大された
生物標本12は、撮像手段2で撮像されることにより画
像データが得られ、この画像データは、画像処理手段3
によって特定領域のみ特徴値として抽出されて、コンピ
ュータ4に取り込まれる。コンピュータ4では、染色さ
れた生物標本12のうち2層以上重なっている部分の程
度、染色した生物標本の配列の程度、染色した生物標本
の中心部分に核が存在する程度について前記特徴値を評
価し、この評価した値を教師信号として用いて処理され
た画像データを自動的に学習するので、学習結果に基づ
いて未知の生物標本を評価することができる。
【0011】従って、コンピュータ4が評価する値(
色した生物標本の重なっている部分の程度、染色した生
物標本の配列の程度、染色した生物標本の中心部分に核
が存在する程度)は、時間の経過によって変化すること
なく、常にその評価の精度を維持できる。また、自動的
に評価を行うから、人手が必要なくなり、よって、作業
者の負担を軽減できる。
【0012】また、画像抽出部31により特徴点を抽出
することで、特徴値としてデータ化し、この特徴点のデ
ータと評価値とを一組として、コンピュータ4に送り、
自動評価することもできる。
【0013】さらに、ニューラルネットワーク41は、
評価値毎に、例えば200組から500組程度の画像デ
ータを学習させる。これにより、各層間の重み付けを変
えるので、学習の結果として、ニューラルネットワーク
41が自動的に構築されていく。そして、評価値が予め
わかっている生物標本を用いて妥当性を確認することに
より学習を終了する。この学習結果を用いて、未知の生
物標本を評価することができる。さらにまた、生物標本
12が皮膚表皮の角層サンプルである場合は、角層サン
プルの重なっている部分(TA)の程度、角層サンプル
の配列(規則性:KS)の程度、角層サンプルの細胞の
中心部分に核が存在する(有核細胞:PK)程度の3点
で総合的に評価することで、コンピュータが行う評価の
精度を向上させることができる。
【0014】
【実施例1】本発明の具体的な実施例について説明す
る。図2は本発明の一実施例の構成ブロック図である。
図2において、顕微鏡1は、XYステージ装置10、対
物レンズ11、接眼レンズ13を有しており、XYステ
ージ装置10上であって、対物レンズ11に対向する位
置に、染色された人の皮膚の角層サンプル12が載置さ
れている。
【0015】顕微鏡1は、対物レンズ11の倍率によっ
て、XYステージ装置10に載置された角層サンプル1
2を拡大してビデオカメラ2に出力するようになってい
る。ビデオカメラ2は、例えばCCDカメラであり、顕
微鏡1に接続されており、顕微鏡1からの拡大された角
層サンプル12の撮影を行うことにより、画像データに
変換して画像処理装置3に出力する。
【0016】画像処理装置は、ビデオカメラに接続
されており、ビデオカメラから出力される画像データ
の中にある特徴点を設定し、その特徴点における特徴値
を抽出する特徴値抽出部31を有し、またデジタルデー
タへの変換、あるいはデータの加工処理などを行いその
データをコンピュータ4に出力する。
【0017】コンピュータ4には、マウス6、モニタ7
が接続され、マウス6は、モニタ7に表示された前記画
像データの中の特徴点の領域を、カーソルによって設定
するものである。なお、マウス以外に、例えばタブレッ
トなどの入力装置を用いてもよい。
【0018】コンピュータ4は、画像処理装置3に接続
され、ニューラルネットワーク41、メモリ42を有
し、サンプル供給装置8、オートフォーカス装置9、プ
リンタ5、マウス6、モニタ7を制御している。
【0019】ニューラルネットワーク41は、画像処理
手段から特徴点の特徴値を取り込み、この特徴値と前
記角層サンプル12を評価するための予め定めた評価値
とを用いて学習を行ない、角層サンプル12の評価を行
ない、結果をメモリ42に格納する。
【0020】プリンタ6は、コンピュータ5に接続され
ており、メモリ42に格納されたデータをプリントアウ
トする。サンプル供給装置8は、角層サンプル12を移
動してXYステージ装置10上の対物レンズ11の頭上
に、角層サンプル12を供給するようになっている。
【0021】オートフォーカス装置9は、XYステージ
装置10上に載置された角層サンプル12に対して顕微
鏡1のフォーカスが自動的に合うように、例えば対物レ
ンズ11などを移動するようになっている。
【0022】次に、前記ニューラルネットワーク41の
構成について詳細に説明する。 <ニューラルネットワークの構成>図3は階層型のニュ
ーラルネットワーク5の構成を示す図である。階層型の
ニューラルネットワーク41は、入力層51、出力層5
2、これらの層の間に設けられる1層以上の中間層53
から構成される。
【0023】階層型のニューラルネットワーク41は、
入力層51に与えた信号(パターン)が結合の重みによ
って変換されながら、出力層52のユニットの値として
出力される前向きの信号伝播を行う。また、入力パター
ンに対して望ましい出力がでるようにネットワークを調
製しており、この調製方法として例えばバックプロパゲ
ーション(誤差逆伝播法)がある。判断が、入力層51
から出力層52への信号伝播とすれば、バックプロパゲ
ーションによる学習は、出力層52での誤差を入力層5
1へ向かって伝播させることで達成される。
【0024】つまり何をどの方向へ伝播させるかによ
り、判断又は学習かが決定される。例えば、図4に示す
ようなN階層からなるネットワークにおいて、第1層目
を入力層51、第N層目を出力層52とし、それらの間
の層を中間層53とする。各層間の結合は、層番号nか
ら次の層n+1へ結合しているのみであり、飛び越した
結合はないものとする。またそれら層間の結合は、それ
ぞれの層のすべてのユニットが互いに結合している完全
結合とする。
【0025】第n層のi番目のユニットの出力値をX
(n,i)とし、第n−1層のj番目のユニットから第n層
のi番目のユニットへの結合の重みをW(n-1,j,n,i)と
する。入力層51から出力層52への信号伝播を、第n
層のi番目のユニットに着目して考え、ユニットを模式
的に表現すると、図5に示すようになる。
【0026】第n層のi番目のユニットの出力値X(n,
i)は次のようにして求められる。
【0027】
【数1】
【0028】ここでu(n,i)は第n層のi番目のユニッ
トの内部状態であり、h(n,i)はそのしきい値である。
またfは伝達関数とであり、次式が用いられる。
【0029】
【数2】
【0030】この関数は図6に示すようにS字をなして
おり、シグモイド(Sigmoid;S字型)関数と呼
ばれる。aは適当な実数であり、通常0である。X(n,
i)の計算は、数式1により前の層n−1のユニットjか
らの出力値とそれがたどるであろう結合路固有の重みの
積を、層n−1のすべてのユニットに対して合計する。
その値u(n,i)が注目すべきユニットの内部状態とな
る。これからしきい値h(n,i)を引いた値を、伝達関数
に作用させて出力値X(n,i)を得る。
【0031】しきい値h(n,i)は数式1中で考慮する
と、
【0032】
【数3】
【0033】となる。さらに数式3から−h(n,i)は、
−h(n,i)×1.0と考えれば、常に1.0を出力する
ユニットが結合の重み−h(n,i)で結合しているとみな
せる。このことは、学習の段階でしきい値を変更してい
く根拠を与えている。
【0034】信号はこのように伝播されるが、入力層5
1からの出力値のみは、入力層51に与えた値がそのま
ま出力される。つまり入力層51のみは、伝達関数、し
きい値共に関係しない。
【0035】<ニューラルネットワークによる学習>次
に、ニューラルネットワーク41による学習は以下のよ
うに行なう。学習段階ではある入力パターンに対して、
ネットワークを動かして得られる出力パターンをまず計
算する。その出力パターンと望ましい出力パターンとの
誤差を計算し、それを学習信号として入力層51のほう
へ伝播させながら、結合の重みを改善していく。望まし
い出力パターンを教師信号といい、教師信号が存在する
学習法を教師付き学習と呼ぶ。
【0036】学習信号の与え方は、出力層52のユニッ
トが戻す学習信号と、それより前段の層のユニットが戻
す学習信号とでは異なる。出力層52のユニットiから
戻される学習信号δ(N,i)は、出力層52からの出力値
と教師信号を用いて、
【0037】
【数4】
【0038】となる。この出力層52のユニットiから
戻される学習信号を図7に示す。次にN−1層よりも前
の層が、戻す学習信号を決定する。n層のユニットiか
らn−1層のユニットへ向かって戻される学習信号δ
(n,i)は数式5で求める。
【0039】
【数5】
【0040】このN−1層よりも前の層が戻す学習信号
を図8に示す。つまりn層のユニットiからn+1層へ
結合している道を逆に伝って、そのユニットに集まって
くるn+1層からの学習信号は、結合が固有に持ってい
る重みをかけられて合計される。それと伝達関数の微分
との積がとられて、学習信号として扱われる。
【0041】このようにして学習信号を計算すると、次
に結合の重みの修正量を次式を用いて決定する。
【0042】
【数6】
【0043】△W(n-1,j,n,i)(t)はn−1層のユニ
ットjとn層のユニットiの間の結合の重みに対する修
正量を示し、△W(n-1,j,n,i)(t−1)は前回の修正
量を示す。つまりここでは、収束計算を繰り返すから、
今回をtで表すと、前回はt−1となる。ηは学習定数
で収束の速さに関係するが、大きな値を与えたからとい
って、学習が速く完了するとは限らない。αは安定化定
数であり、前回の重みの修正量を使い、収束時の振動を
抑える効果がある。その意味で、数式6の第2項は慣性
項と呼ばれる。η、αは共に1.0以下の正の実数の範
囲で適当な値を与える。
【0044】修正量が求まると、数式7により結合の重
みを修正する。
【数7】
【0045】しきい値の修正については、前述したよう
に各ユニットに対して、常に0.1を出力するユニット
からしきい値に相当する結合の重みをもって信号が来て
いると考える。したがって、それに対する学習信号は数
式4、数式5で求められたものを使い、修正量は数式6
でX(n-1,i)を1と見なして次の式を得る。
【0046】
【数8】
【0047】したがって、修正のための式は、
【数9】 となる。以上の手順を繰り返すと、出力層52からの出
力Mと教師信号との誤差が小さくなっていく。つまり、
出力層52の出力値と教師信号との誤差の自乗和の極小
値を与える最急降下法の手順を示している。
【0048】<ニューラルネットワークの学習>次に、
ニューラルネットワーク41による学習システムについ
て説明する。XYステージ装置10に載置された角層サ
ンプル12は、顕微鏡1で拡大されビデオカメラ2に取
り込まれ、これにより画像データが得られて画像処理装
置3に出力される。画像処理装置3では、特徴値抽出部
31によって画像データの中から特徴点が設定され、そ
の点における特徴値を抽出される。
【0049】そして、この抽出された画像データを学習
信号とし、また角層サンプル12を評価するための人に
よる望ましい評価値を教師信号とし、これら2つの信号
が一組として、コンピュータ4に送られる。
【0050】すると、ニューラルネットワーク41によ
って、出力層52からの出力Mと教師信号との誤差が小
さくなるように繰り返し学習が行なわれる。例えば、評
価値毎に、200〜500組程度のデータを学習させる
ことにより、各層間の重みWが変えられる。すなわち、
学習の結果として、ニューラルネットワーク41が自動
的に再構成されていく。
【0051】さらに、評価値が予めわかっている角層サ
ンプル12を用いて、学習の妥当性を確認することで、
学習を終了する。さらに、得られた学習結果をメモリ4
2に格納しておく。
【0052】<ニューラルネットワークによる角層サン
プルの評価>次に、角層サンプル12の評価について説
明する。未知の角層サンプル12は、ステージ装置10
に載置され顕微鏡1で拡大されて、ビデオカメラ2で画
像データに変換される。そして、特徴値抽出部31によ
り画像データの中から特徴値が抽出されてデータ化さ
れ、このデータは、ニューラルネットワーク41に入力
され、前記メモリ42からの学習結果に基づき評価値と
して評価される。
【0053】次に、ニューラルネットワーク41による
角層サンプル12の自動評価の具体例を説明する。ま
ず、角層サンプル12の評価として、以下の3つの評価
基準で行なうものとする。 (TA)TA(Thick abrasion)とは、角層を染色した
時に濃く染まった所、すなわち、細胞が2層以上重なっ
ていることを示している。
【0054】TAについて、対物レンズ11の倍率4
(×4)に設定し、染色した角層サンプル12を観察す
る。染色した細胞のうち、2層以上重なっている部分、
すなわち濃く染色された部分の程度を1から5までの評
価値で評価する。評価値が小さい場合には、重なり部分
が少なく、評価値が大きい場合には、重なり部分が多い
ことを示す。 (規則性KS)規則性について、対物レンズ11を倍率
20(×20)に設定し、染色した角層サンプル12を
観察する。染色した細胞の配列(隣同士の細胞の並び
方)の程度を、1から4までの評価値で評価する。
【0055】評価値が1付近にある場合には、細胞がき
れいに配列され、評価値が3付近にある場合には、細胞
の配列が乱れており、評価値が4付近にある場合には、
細胞の中央が欠けているものが多いことを示す。 (PK)PK(Parakeratotic cell)とは、有核細胞の
ことである。通常では角層は、その生成過程で核が消失
するが、何等かの原因で核の消失がないまま角層となっ
たものをいう。
【0056】PKについては、染色した細胞の中心部分
に、”核”が存在するものが多い(20%)ものをPK
ありとする。その他の場合には、PKなしとする。次
に、角層サンプル12の自動評価の手順を説明する。 (1)まず、コンピュータ4からの指示によって、サン
プル供給装置8は、角層サンプル12を自動的にXYス
テージ装置10上であって対物レンズ11の頭上に供給
する。 (2)対物レンズ11を倍率1(×1)に設定すると、
コンピュータ4からの指示によって、オートフォーカス
装置9は、角層サンプル12にフォーカスが合うように
調整する。そして、顕微鏡1によって拡大された角層サ
ンプル12のほぼ全体が、ビデオカメラ2の撮影領域に
入るようにする。ビデオカメラ2により角層サンプル1
2の画像を、輝度データ(Y)とカラーデータ(RGB
データ)とからなる画像データに変換して画像処理装置
3に送る。 (3)画像処理装置3では、図9に示すように、角層サ
ンプル12の中の背景91と染色した細胞領域92と
を、例えば前記輝度データのレベル値で分離する処理を
行なう。また、{Bデータ(青)−Rデータ(赤)}×
1/2の処理を行なうことによって、角層サンプル12
の中のよごれを分離する。 (4)細胞領域92について、図10に示すように、全
体を5つの子領域E1〜E5に区分し、TAの倍率(対
物レンズの倍率4)に相当する範囲内で、細胞領域面積
比の高い領域を決定し、面積比が50%〜95%の範囲
内で指定する。
【0057】図11に、各子領域の評価値と面積比とを
示す。図11において、TA,KS,PKのそれぞれに
ついて、各点評価(各子領域)及び面積比を求める。評
価点P1を子領域E1に、評価点P3を子領域E2に、
評価点P5を子領域E3に、評価点P7を子領域E4
に、評価点P9を子領域E5に対応させている。
【0058】TAは、評価クラスが1〜5で、KSは評
価クラスが1〜4で、PKは、評価クラスが2となって
おり、各評価点毎に、TA,KS,PKの評価クラス及
び面積比が表示される。
【0059】また、各評価点の評価クラスの平均から算
出される総合評価と、評価に必要な処理時間とが秒単位
で表示される。さらに、各評価点の評価クラスに基づき
TA,KS,PKのそれぞれについて、それぞれの評価
クラスが棒グラフで表示される。 (5)角層サンプル12のTA評価を行なうべく、対物
レンズ11を倍率4(×4)に切り換える。 (6)手順(4)で決定した子領域E1〜E5のいずれ
かに、画面の中心を移動し、そこにフォーカスを合わせ
る。 (7)フォーカスが合った子領域の画像をこの特徴値抽
出部31によって抽出し、TA評価のための画像処理、
例えば細胞領域における輝度分布データを得るべく処理
を行なう。 (8)輝度分布データをニューラルネットワーク41に
入力し、TAの評価値として1〜5を得る。
【0060】図12に、3番目までの評価中の各領域の
評価値と面積比を示す。図12に示すように、TAにつ
いて、3番目までの各領域E1〜E3の評価値は3,
3,2となる。図12の右側に示すTAにおける黒マー
クは、TAについて評価値2が1つ、評価値3が2つあ
ることを示す。
【0061】ここで、面積比について説明する。図17
は面積比を説明するための図である。図17において、
TAの面積比は、画面全体51の面積に対する細胞52
の面積の割合である。KSの面積比は、画面全体51の
面積に対する対象53の面積の割合である。PKの面積
比は、画面全体51の面積に対する背景54の面積の割
合である。
【0062】なお、ここで示す対象53とは、黒く示し
た内側の細胞領域であり、背景54とは、細胞52の領
域以外の領域である。図13に、5番目までの評価中の
各領域の評価値と面積比を示す。図13に示すように、
TAについて、5番目までの各領域E1〜E5の評価値
は3,3,2,3,3となる。図13の右側に示すTA
における黒マークは、TAについて評価値2が1つ、評
価3が4つあることを示す。面積比についても、TA,
KS,PKのそれぞれについて各子領域毎に求められ
る。 (9)前記画像データにおいて、対物レンズ11の倍率
20の範囲(1/25)で細胞領域を調べて、規則性K
S評価に最適な領域を決定する。 (10)子領域E1〜E5の作業を繰り返す。 (11)角層サンプル12の規則性評価を行なうべく、
対物レンズ11を倍率20に切り換える。 (12)子領域E1〜E5の決定した領域に、画面の中
心を移動し、フォーカスを合わせる。 (13)特徴値抽出部31に画像を入力し、規則性評価
のための画像処理を行い、データ化する。すなわち、1
〜3は輝度分布データ、4は濃度の濃い部分について細
線部分の量データ、PK、細胞内の核部分(濃度の濃い
部分)の量データをデータ化する。 (14)データをニューラルネットワーク41に入力し
て、出力1〜4とPKの有無を取得する。領域E1〜E
5についてこの作業を繰り返す。
【0063】図14に、総合評価を示す。図14に示す
ように、TAについて、評価値2が1つ、評価値3が4
つ、規則性について、評価値2が2つ、評価値3が2
つ、評価値4が1つ、PKが2つである。よって、総合
評価として、TAの評価値が3であるから細胞の重なり
が多く、KSの評価値が3であるから細胞の配列が乱
れ、PKの評価値が2であるから核が存在することを示
す。従って、皮膚が老化していることがわかる。
【0064】図15に、処理時間を示す。図15に示す
ように処理時間は200秒となっている。 (15)全ての結果をプリンタ5に出力し、さらに角層
サンプル12を元の位置に戻し、次の角層サンプルを評
価する。
【0065】図16に、次の角層サンプルの総合評価及
び処理時間を示す。図16に示すようにこの角層サンプ
ルでは、総合評価として、TAの評価値が3であるから
細胞の重なりが多く、KSの評価値が1であるから細胞
がきれいに配列され、PKの評価値が1であるから核が
存在しないことを示し、処理時間は227秒となってい
る。従って、皮膚が正常であることがわかる。
【0066】このように本実施例によれば、ニューラル
ネットワーク41は、評価値毎に、例えば200組から
500組程度のデータを学習させる。これにより、各層
間の重み付けを変えるので、学習の結果として、ニュー
ラルネットが自動的に作られていく。そして、評価値が
予めわかっている生物標本を用いて妥当性を確認するこ
とにより学習を終了する。これにより、未知の生物標本
を評価することができる。
【0067】従って、一度決定した評価の基準は、時間
の経過によって変化することなく、常にその評価の精度
を維持できる。また、自動的に評価を行なうから、人手
による角層サンプル12の評価が必要でなくなり、よっ
て作業者の負担を軽減することができる。
【0068】なお、実施例では、ニューラルネットワー
ク41を用いて角層サンプル12についての自動評価を
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
その他の生物標本であっても自動評価を行なうことがで
きる。
【0069】また、その他の例としては、例えば皮膚常
在菌の評価,細胞の形状,大きさの評価、染色体の異常
評価などがある。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、コンピュータを用いて
評価する値(染色した生物標本の重なっている部分の程
度、染色した生物標本の配列の程度、染色した生物標本
の中心部分に核が存在する程度)は、時間の経過によっ
て変化することなく、常にその評価の精度を維持でき
る。また、自動的に評価を行うから、人手による生物標
本の評価が必要なくなり、よって、作業者の負担を軽減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】実施例の構成ブロック図である。
【図3】階層型のニューラルネットワークの構成図であ
る。
【図4】ニューラルネットワークの結合を示す図であ
る。
【図5】入力層から出力層への信号伝播を模式的に表現
した図である。
【図6】シグモイド関数を示す図である。
【図7】出力層のユニットから戻される学習信号を示す
図である。
【図8】N−1層よりも前の層が戻す学習信号を示す図
である。
【図9】背景と染色した細胞領域とを示す図である。
【図10】5つの領域に区分された細胞領域を示す図で
ある。
【図11】各領域の評価値と面積比とを示す図である。
【図12】3番目までの各領域の評価値と面積比を示す
図である。
【図13】5番目までの各領域の評価値と面積比を示す
図である。
【図14】総合評価を示す図である。
【図15】処理時間を示す図である。
【図16】未知の角層サンプルの総合評価及び処理時間
を示す図である。
【図17】面積比を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・顕微鏡 2・・ビデオカメラ 3・・画像処理装置 4・・コンピュータ 5・・プリンタ 6・・マウス 7・・モニタ 8・・サンプル供給装置 9・・オートフォーカス装置 10・・XYステージ装置 11・・対物レンズ 12・・角層サンプル 13・・接眼レンズ 31・・特徴値抽出部 41・・ニューラルネットワーク 42・・メモリ 51・・画面 52・・細胞 53・・対象 54・・背景
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−53157(JP,A) 特開 昭63−6461(JP,A) 特開 平4−95181(JP,A) 特開 平4−69775(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00,7/00 G01N 21/00,33/48 A61B 10/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズが設けられ染色された生物標本
    (12)を拡大する顕微鏡(1)と、 この顕微鏡(1)で拡大された生物標本(12)を撮像
    して画像データを得る撮像手段(2)と、 この撮像手段(2)で得られた画像データの中から特定
    領域の画像データを特徴値として抽出する特徴値抽出部
    (31)を有する画像処理手段(3)と、 前記染色された生物標本(12)のうち2層以上重なっ
    ている部分の程度、染色した生物標本の配列の程度、染
    色した生物標本の中心部分に核が存在する程度について
    前記画像処理手段(3)で抽出した特徴値を評価し、こ
    の評価した値を教師信号として用いて学習し、学習結果
    に基づき未知の生物標本の評価を行なうコンピュータ
    (4)とを備えたことを特徴とする顕微鏡画像評価シス
    テム。
  2. 【請求項2】前記コンピュータ(4)は、ニューラルネ
    ットワーク(41)を有し、このニューラルネットワー
    ク(41)は、少なくとも入力層、出力層からなり、前
    評価した値毎に前記画像データを学習させることによ
    り各層間の重み付けを変え、未知の生物標本を評価する
    ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡画像評価システ
    ム。
  3. 【請求項3】前記生物標本(12)は、皮膚表皮の角層
    サンプルであり、 前記コンピュータ(4)は、前記角層サンプルの重なっ
    ている部分の程度、前記角層サンプルの配列の程度、前
    記角層サンプルの細胞の中心部分に核が存在する程
    ついて前記評価値で表して、前記角層サンプルの評価を
    行うことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡画像評価シ
    ステム。
JP16144092A 1992-06-19 1992-06-19 顕微鏡画像評価システム Expired - Lifetime JP3224860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16144092A JP3224860B2 (ja) 1992-06-19 1992-06-19 顕微鏡画像評価システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16144092A JP3224860B2 (ja) 1992-06-19 1992-06-19 顕微鏡画像評価システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH064601A JPH064601A (ja) 1994-01-14
JP3224860B2 true JP3224860B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=15735159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16144092A Expired - Lifetime JP3224860B2 (ja) 1992-06-19 1992-06-19 顕微鏡画像評価システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3224860B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7050613B2 (en) 2002-11-07 2006-05-23 Fujitsu Limited Method for supporting cell image analysis

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR970053255A (ko) * 1995-12-27 1997-07-31 김광호 전자 현미경의 이미지 프로세서 및 그 사용법
JP4749637B2 (ja) * 2001-09-28 2011-08-17 オリンパス株式会社 画像解析方法、装置、及び記録媒体
JP4137682B2 (ja) * 2003-03-31 2008-08-20 オリンパス株式会社 蛍光分光分析装置
JP4719619B2 (ja) * 2006-05-19 2011-07-06 ポーラ化成工業株式会社 角層細胞の自動鑑別装置
WO2009107321A1 (ja) * 2008-02-28 2009-09-03 株式会社ニコン 顕微鏡装置および細胞培養装置
JPWO2019106730A1 (ja) * 2017-11-28 2020-11-19 株式会社ニコン 顕微鏡システム
US11232561B2 (en) 2019-01-22 2022-01-25 Applied Materials, Inc. Capture and storage of magnified images
US11255785B2 (en) 2019-03-14 2022-02-22 Applied Materials, Inc. Identifying fiducial markers in fluorescence microscope images
US11469075B2 (en) 2019-03-14 2022-10-11 Applied Materials, Inc. Identifying fiducial markers in microscope images
TWI764287B (zh) 2019-09-24 2022-05-11 美商應用材料股份有限公司 用於組織分割之機器學習模型的交互式訓練
JP7420950B2 (ja) 2019-12-17 2024-01-23 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 多重蛍光インシトゥハイブリダイゼーション画像を獲得し、処理するためのシステム及び方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7050613B2 (en) 2002-11-07 2006-05-23 Fujitsu Limited Method for supporting cell image analysis

Also Published As

Publication number Publication date
JPH064601A (ja) 1994-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3224860B2 (ja) 顕微鏡画像評価システム
DE102006011707B4 (de) Verfahren und Vorrichtung zum Erzeugen einer strukturfreien fiberskopischen Aufnahme
CN110647875B (zh) 一种血细胞分割、识别模型构造的方法及血细胞识别方法
TWI412949B (zh) 影像區域的自動選擇裝置及方法
EP0628186B1 (en) Method for identifying normal biomedical specimens
CN111489324B (zh) 一种融合多模态先验病理深度特征的宫颈图像分类方法
CN105193380B (zh) 诊断支持设备和诊断支持方法
JP2021182169A (ja) 情報処理装置、モデル学習方法、データ認識方法および学習済みモデル
DE112012005484T5 (de) Bildverarbeitungsgerät, Bildverarbeitungssystem, Bildverarbeitungsverfahren und Bildverarbeitungsprogramm
US20110075914A1 (en) System and method for the quantitative assessment of digital histology images
DE112016007005T5 (de) Bildverarbeitungsvorrichtung, Lernvorrichtung, Bildverarbeitungsverfahren, Verfahren zum Erstellen eines Klassifizierungskriteriums, Lernverfahren und Programm
CN112819818A (zh) 图像识别模块训练方法和装置
CN112861958A (zh) 对肾脏病免疫荧光图片进行识别分类的方法及装置
CN112330613A (zh) 一种细胞病理数字图像质量的评价方法及系统
DE102011081541A1 (de) Bildverarbeitungsvorrichtung, bildverarbeitungsverfahren und programmspeicherträger
CN108470585A (zh) 一种互动式虚拟切片远程标注方法及系统
CN113237881B (zh) 一种特定细胞的检测方法、装置和病理切片检测系统
WO2024114507A1 (zh) 基于强化学习的机器人乳腺超声探头的自动调整方法及其系统
MacKay et al. Automated 3D labelling of fibroblasts and endothelial cells in SEM-imaged placenta using deep learning
DE112008003471T5 (de) Probenidentifizierung-Vorrichtung und Probenidentifizierungs-Verfahren
CN109767429A (zh) 一种图像筛查方法及装置
JPH09179977A (ja) 医用画像の階調自動処理装置
DE102019204118A1 (de) Verfahren zum Übertragen eines Merkmals eines ersten Bilds an ein zweites Bild
DE102006004006B3 (de) Verfahren und Vorrichtung zur Erzeugung eines hoch aufgelösten Bildes für faseroptische Systeme
CN114862762A (zh) 人体扫描图像的质量评估方法及其装置

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term