JP3223941U - 機織り機において糸切れしたたて糸を突き止めるシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】糸切れしたたて糸の位置を自動的に特定できるシステムを提供する。【解決手段】たて糸停止装置を備え、たて糸停止装置が、機織り機を停止する電気接点を構成する複数対のバー12の上方に置かれた複数本のドロップワイヤ25と、複数本のドロップワイヤの方向にレーザビーム24を発光するレーザ装置23と、糸切れ時には、糸切れ箇所のドロップワイヤが落下して複数対のバーの一対と接触する、機織り機で糸切れしたたて糸を突き止めるシステムにおいて、レーザ装置は、レーザビームを遮断する落下したドロップワイヤとレーザ装置との間の距離を測定し、LEDストリップ30が、複数対のバーと同じ方向に設けられ、制御器が、レーザ装置により測定された距離にあり、落下したドロップワイヤの位置に対応する、LEDストリップの1個のLED32を点灯する。【選択図】図2
Description
本考案は、機織り機において糸切れしたたて糸を突き止めるシステムに関する。
たて糸停止装置は、個々のたて糸を制御し、糸切れすると機織り機を直ちに停止する機能を備える、機織り機の付属品である。
たて糸停止装置は、機織り機の根幹部品で、種々の形状及びサイズのものがあるが、いずれも同じ原理で作動し、鋼製ドロップワイヤが、各たて糸からぶら下がり、たて糸が、たまたま糸切れした場合には、鋼製ドロップワイヤは、互いに絶縁された2個の鋼製プレート製のバーに落下し、回路を電気的に閉にする。回路閉信号は、機織り機により検知されて、機織り機は、直ちに停止する。この時点で、作業者は、何千もあるドロップワイヤの中から、落下したドロップワイヤを探し出して、糸切れしたたて糸を特定する必要がある。次いで、作業者は、糸切れしたたて糸を繋いで機織り機を再稼働する。
いずれの機織り機にも、たて糸は多数本あるので、糸切れしたたて糸を探し出すには、時間が掛かり、その間、機織り機は、停止状態にある。
本考案の目的は、糸切れしたたて糸の位置を自動的に特定できるシステムを提供することにある。
本考案のもう一つの目的は、落下したドロップワイヤの位置を自動的に表示することにある。
本考案によれば、上記の目的及び他の目的は、たて糸停止装置を備え、たて糸停止装置が、機織り機を停止する電気接点を構成する複数対のバーの上方に置かれた複数本のドロップワイヤと、複数本のドロップワイヤの方向にレーザビームを発光するレーザ装置と、糸切れ時には、糸切れ箇所のドロップワイヤが落下して複数対のバーの一対と接触する、機織り機で糸切れしたたて糸を突き止めるシステムにおいて、前記レーザ装置は、前記レーザビームを遮断する落下したドロップワイヤとレーザ装置との間の距離を測定し、LEDストリップが、前記複数対のバーと同じ方向に設けられ、制御器が、前記レーザ装置により測定された距離にあり、落下したドロップワイヤの位置に対応する、LEDストリップの1個のLEDを点灯することを特徴とするシステムにより達成される。
本考案の、この他の構成上の特徴は、特許請求の範囲の従属項に記載してある。
本考案による課題を解決するための手段は、こうした課題を解決するための公知の手段に対して、数々の顕著な効果を奏する。
いずれかのたて糸が糸切れすると、当該たて糸により支持されていたドロップワイヤが落下し、列(rank)を構成する2枚のプレートを短絡させ、機織り機が停止される。同時に、当該列の箇所にあるLEDが点灯する。本考案によれば、レーザ装置が、走査を開始し、ドロップワイヤが落下したランクを特定し、落下したドロップワイヤの、基準箇所からの距離を求める。一端、距離が特定されると、距離を示す値を電気信号に変換し、電気信号をたて糸停止装置の水平方向部分に沿って設けたLEDストリップに送信する。ついで、落下したドロップワイヤに最も近接した箇所のLEDが点灯する。
LEDストリップでの点灯LEDと列と交差個所を見つけて、作業者は、容易かつ迅速に、糸切れした位置を特定できる。
レーザ装置とLEDストリップとは、電子制御基盤を交換することにより、既に設置してあるたて糸停止装置にも適用できる。
レーザ装置が故障又は破損しても、たて糸停止装置の動作に影響を与えることはなく、たて糸停止装置を従来のように使用できる。
本考案による構成上の特徴及び特有の効果は、添付図面に非限定的な例として示した実施形態についての以下の説明からさらに明らかとなる。
添付図面を参照すると、本考案によるたて糸停止装置10は、複数対のバー12、すなわち、機織り機を停止する電気接点を構成する複数対の列の上方に設けたたて糸からぶら下がる複数個のドロップワイヤを備える。
たて糸停止装置10の両端、すなわち、複数対のバー12の両端には、1対の支持構造体13が、各側に1個ずつ設けられて複数対のバー12を支持する。
各支持構造体13には、2個の長さ調節自在なガイドコラム14が固定され、各支持構造体は、固定ノブ15によりロックされる。
好ましくは、2個のガイドコラム14の取り付け位置は、複数対のバー12の外側にし、複数対のバー12よりも下方にする。
2個のガイドコラム14の一端には、それぞれ、クロスバー16を複数対のバー12と同じ方向に固定する。
往復台18が移動する2本のガイド17が、2個のクロスバー16に固定される。
ガイド17は、複数対のバー12に対して直角に位置付けられる。
往復台18は、コマンドに応じて、一方のクロスバー16近傍に設けた電気モータ20により移動可能である。電気モータは、他方のクロスバー16に設けたプーリ22の周囲を回転するベルト21を駆動する。
往復台18は、レーザ装置23を搭載し、複数対のバー12と同じ方向にレーザビーム24を発光する。
レーザ装置23は、レーザビームを横切る物体により反射された反射レーザビームを受光し、レーザ装置と物体間の距離を計算することができるようにもなっている。
この実施形態では、レーザビーム24は、糸切れにより落下したドロップワイヤ25に向かって送り出され、レーザ装置23は、反射レーザビームを受光して、レーザ装置と落下したドロップワイヤ25間の距離を計算する。
レーザ装置23は、0.06乃至5mの範囲の間隔で安定した距離測定を行うことができる。
たて糸停止装置10は、複数対のバー12と平行に設けたLEDストリップ30も備える。
LEDストリップ30は、互いに、例えば、30mmの距離で設けた複数個のLEDを備える。
LED30は、ドロップワイヤが落下した位置を表示する。
たて糸停止装置10は、複数対のバー12の側部にある支持構造体13に取り付けたクランプ33に設けた一連のLED31も備え、各対のバー毎に1個のLEDが、ドロップワイヤが落下した列を表示する。
レーザ装置23が搭載された往復台18は、種々のタイプのドロップワイヤに適合するように、最高位から最低位まで高さ調節自在になっていて、落下したドロップワイヤの高さにレーザ装置を位置付けることができる。高さ調節は、ガイドコラム14に沿って往復台をスライドさせ、往復台の高さを固定ノブ15により固定することにより行う。
レーザ装置23、電気モータ20、LEDストリップ30、一連のLED31は、例えば、クランプ33内に設けた、制御器の機能を果たす電子制御基盤により制御される。電子制御基盤は、プログロム可能であるため、広範囲のカスタマイズ化に応ずることができる。
本考案の動作は、記載した事項から当業者にとって明らかであるが、特記事項は、以下の通りである。
設置段階では、レーザ装置23により発光されるレーザビームが、落下したドロップワイヤ25により遮断されるように、往復台の高さをガイドコラム14により調節する。次いで、固定ノブ15を締め付ける。3軸の調節手段を用いれば、トラッキング精度を向上させて調節可能になる。
糸切れすると、糸切れ箇所のドロップワイヤ25は、一対のバー12に落下し、対をなすバー同士を電気接触させ、機織り機を停止させ、側部にあるクランプ33に設けた一連のLED31中の1個のLEDが点灯して、糸切れした列を表示する。
この時点で、電子制御基盤は、電気モータ20を駆動して、往復台18をスライドさせ、つまり、レーザ装置23が、落下したドロップワイヤ25と交差した反射信号を受信するまで、レーザ装置23をスライドさせる。
制御器は、レーザ装置23と落下したドロップワイヤ25との間の距離を測定し、落下したドロップワイヤ25の位置に、又はその近傍にあるLDE32を点灯させて、レーザ装置23により測定した距離にあるLEDとする。
一連のLED31の中で点灯したLEDの位置と、LEDストリップ30で点灯したLED32の位置とが交差する箇所にいる作業者が、直ちに、落下したドロップワイヤ25の位置を突き止めることになる。
こうする代わりに、又は、以上説明した構成と組み合わせて、糸切れ位置の表示を、他の装置によって強調させてもよく、例えば、ハンドヘルドコンピュータ、機織り機の操作盤、又は、適切な表示装置に表示してもよい。
往復台18の移動は、他の方法、例えば、スクリューとナットとの組み合わせ、又は、電気、油圧又は空気圧リニアアクチュエータにより行ってもよい。
最後に、本考案では、列毎にレーザ装置を設けてもよく、こうすると、レーザ装置用の移動手段を備えなくてもすむ。
Claims (10)
- たて糸停止装置を備え、たて糸停止装置が、機織り機を停止する電気接点を構成する複数対のバーの上方に置かれた複数本のドロップワイヤと、複数本のドロップワイヤの方向にレーザビームを発光するレーザ装置と、糸切れ時には、糸切れ箇所のドロップワイヤが落下して複数対のバーの一対と接触する、機織り機で糸切れしたたて糸を突き止めるシステムにおいて、前記レーザ装置は、前記レーザビームを遮断する落下したドロップワイヤとレーザ装置との間の距離を測定し、LEDストリップが、前記複数対のバーと同じ方向に設けられ、制御器が、前記レーザ装置により測定された距離にあり、落下したドロップワイヤの位置に対応する、LEDストリップの1個のLEDを点灯することを特徴とするシステム。
- 前記複数対のバーの両端に設けられた支持構造体を備え、前記支持構造体には、複数個の長さ調節自在なガイドコラムが、固定され、前記ガイドコラムの一端には、2本のクロスバーが固定され、前記2本のクロスバーには、2個のガイドが固定され、前記ガイドは、前記複数対のバーに対して直角に位置付けられ、前記2個のガイドに沿って、往復台が、移動するように構成され、前記往復台は、前記レーザ装置を支持することを特徴とする、請求項1に記載したシステム。
- 前記往復台は、指令に応じて、電気モータにより移動可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載したシステム。
- 前記電気モータは、前記2本のクロスバーの一方の側に位置付けられ、前記2本のクロスバーの他方に設けたプーリの周りを回るベルトを動かして、前記ガイドに沿って前記往復台を移動することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1に記載したシステム。
- 前記往復台は、指令に応じて、リニアアクチュエータにより移動可能であることを特徴とする、請求項2に記載したシステム。
- 前記ガイドコラムは、ガイドコラムをスライドさせることにより長さ調節自在になっていて、ガイドコラムは、締め付けノブによりロックされることを特徴とする、請求項1に記載したシステム。
- 前記レーザ装置は、前記落下したドロップワイヤの方向にレーザビームを発光し、反射レーザビームを受光して、前記落下したドロップワイヤとレーザ装置との間の距離を計算することを特徴とする、請求項1に記載したシステム。
- 前記クランプに前記複数対のバーの各々毎に1個のLEDを設けて、前記落下したドロップワイヤが落下した対をなすバーを表示することを特徴とする、請求項1に記載したシステム。
- 複数個のレーザ装置が、織り織機の列毎に1個設けられることを特徴とする、請求項1に記載したシステム。
- 前記制御器は、前記落下したドロップワイヤの位置に対応する距離を表示器に表示することを特徴とする、請求項1に記載したシステム。
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