JP3223132B2 - 液−液抽出装置 - Google Patents

液−液抽出装置

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JP3223132B2 JP08337997A JP8337997A JP3223132B2 JP 3223132 B2 JP3223132 B2 JP 3223132B2 JP 08337997 A JP08337997 A JP 08337997A JP 8337997 A JP8337997 A JP 8337997A JP 3223132 B2 JP3223132 B2 JP 3223132B2
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博文 水谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液−液抽出装置に係
り、特に水溶液から被除去成分を抽出除去した溶媒と上
記水溶液とを分離塔を用いて分離する液−液抽出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリント配線基板の銅パターン
エッチングでは、アルカリ性のエッチング液が使用され
ており、エッチング工程から排出されたエッチング液
は、銅イオン等の不純物が含有されているので、これら
の不純物を除去してエッチング液を再生し使用すること
が行われている。このようなエッチング液の廃液からの
不純物除去においては、従来から液−液抽出方法が用い
られている。この液−液抽出方法は、銅イオン等の被除
去成分を含有するエッチング液と、このエッチング液と
非相溶性の関係にある溶媒とを混合し、被除去成分を溶
媒中に抽出することによりエッチング液を再生するもの
である。
【0003】上記のようなエッチング廃液の再生に使用
する液−液抽出装置として、従来より種々の液−液抽出
装置が提案されている(特開昭55−91979号、特
公昭62−53592号、特公平4−29403号、特
公平5−36509号等)。このような液−液抽出装置
の一種として、非相溶性の水溶液(エッチング廃液)と
溶媒の混合、および、水溶液と溶媒との分離を1つのタ
ンク内で行うミキサー・セトラー型の抽出装置を使用し
た液−液抽出装置が知られている。このミキサー・セト
ラー型の液−液抽出装置の一例として、1または2以上
のミキサー・セトラー型の抽出装置からなる抽出部にお
いて、水溶液から被除去成分を溶媒に抽出除去し、1ま
たは2以上のミキサー・セトラー型の抽出装置からなる
逆抽出部において溶媒から被除去成分を抽出用の水溶液
に抽出除去し、再生された溶媒を上記抽出部に循環させ
て再使用する構成のものがある。そして、水溶液と溶媒
の分離効率をより高めるために、タンクを水平に配置
し、タンク内の一方の端部(ミキサー)で混合された水
溶液と溶媒をタンク内の他方の端部(セトラー)へほぼ
水平に移動させて重力分離の距離を長くとったミキサー
・セトラー型の抽出装置が使用されている。この場合、
タンク内の分離部(セトラー)の溶媒溢流部からは分離
された溶媒が溢れて流れ出し、タンク底部からは分離さ
れた水溶液が回収されるとともに循環液が取り出されて
混合部(ミキサー)に循環される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ミキサー・セトラー型の抽出装置を使用した液−液抽出
装置では、タンク内の混合部(ミキサー)における水溶
液と溶媒との混合比の変動が大きく、液−液抽出を最も
効率的に行うことができる混合比1:1の維持が困難で
あるという問題がある。
【0005】また、水溶液と溶媒との混合時に多量の空
気を巻き込んで気泡が発生すると、この気泡と水溶液中
の微細な物質との結合が生じ、浮力がついて溶媒よりも
軽くなった物質がタンクの分離部(セトラー)の溶媒溢
流部から溢れ出るという問題がある。特に、水溶液と溶
媒との界面に浮遊するヘドロ状の物質、例えば、溶媒の
分解物もしくは溶媒と水溶液にシリカ、カルシウム等の
固体がエマルジョン化した物質、あるいは、これらが複
合したような物質は、上記のような問題を生じ易い。そ
して、ミキサー・セトラー型の抽出装置では、タンクの
水溶液溢流部や溶媒溢流部、および、混合部(ミキサ
ー)上部からも空気が取り込まれるため、上記のような
問題は避け得ないものとなっている。
【0006】また、タンク底部における水溶液の出口と
流量の多い循環液の出口が同じ高さで近接しているた
め、上記の水溶液と溶媒との界面に浮遊するヘドロ状の
物質が水溶液とともに流出するという問題もある。この
現象は、特にタンク内の液温が低下したときに著しくな
る。
【0007】さらに、従来のミキサー・セトラー型の抽
出装置では、水溶液と溶媒との分離が不充分であるた
め、分離された溶媒中に微量の水が含まれ、例えば、濾
過器を通過させた後、円筒形の濾過膜を備え溶媒中の水
の微粒子を凝集させ大きな水滴として重力分離する油水
分離器を用いることが要求されるが、濾過器の詰まりに
よる流量の変動を常に修正する必要があり、操作が煩雑
になるという問題がある。一方、分離された水溶液中に
は微量の溶媒が含まれるため、大きな静置槽や活性炭濾
過器が必要になるという問題もある。
【0008】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、水溶液中の被除去成分の抽出除去性能
に優れ、かつ、溶媒と水溶液との分離性能に優れるとと
もに、操作が簡便で小型高効率化が可能な液−液抽出装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、被除去成分を含有する水溶液と該
水溶液に対して非相溶性で比重の小さい溶媒とを混合し
て前記被除去成分を溶媒に抽出し、該溶媒に対して非相
溶性で比重の大きい抽出用の水溶液を前記溶媒と混合し
て前記被除去成分を抽出用の水溶液に抽出するととも
に、溶媒を循環再使用する液−液抽出に用いる液−液抽
出装置において、溶媒供給装置と、該溶媒供給装置に接
続された混合装置および分離塔を有する抽出部と、該抽
出部の分離塔に循環ポンプを介して接続された混合装置
および分離塔を有する酸洗浄部と、該酸洗浄部の分離塔
に循環ポンプを介して接続された混合装置および分離塔
を有し該分離塔を前記溶媒供給装置に接続した逆抽出部
とを備え、前記分離塔は軸方向がほぼ垂直であり、混合
装置を通過した被分離液が流入するための流入口、分離
塔内の液を混合装置に循環させるための循環液出口、分
離塔内で分離された水溶液を外部に移送するための水溶
液出口、分離塔内で分離された溶媒を外部に移送するた
めの溶媒出口、分離塔内で分離された溶媒を分離塔内で
溢流させる溢流部を備え、循環液出口は水溶液出口より
高く流入口よりも低い位置に設定され、溶媒出口は流入
口より高く溢流部より低い位置に設定され、水溶液出口
には溢流部を備えた移送配管が接続されるとともに、抽
出部、酸洗浄部、逆抽出部を構成する各分離塔の溶媒出
口は溶媒の流れ方向下流側の分離塔の流入口より高く該
分離塔の水溶液出口に接続された移送配管の溢流部より
低い位置に設定され、前記循環ポンプの入口側は分離塔
の溶媒出口に接続され、前記循環ポンプの単位時間流量
が前記溶媒供給装置の単位時間供給量の2倍に設定さ
れ、抽出部の分離塔の循環液出口と混合装置入口側とを
接続する循環配管に水溶液供給装置が接続され、抽出部
と酸洗浄部との間に介在する循環ポンプと酸洗浄部の分
離塔の循環液出口とを接続する循環配管に洗浄液供給装
置が接続され、酸洗浄部と逆抽出部との間に介在する循
環ポンプと逆抽出部の分離塔の循環液出口とを接続する
循環配管に抽出用の水溶液供給装置が接続されているよ
うな構成とした。
【0010】また、本発明の液−液抽出装置は、前記抽
出部が混合装置および分離塔を有する抽出単位を複数備
えるとともに、溶媒の流れ方向上流側の抽出単位の分離
塔の溶媒出口と下流側の抽出単位の混合装置とが前記循
環ポンプを介して接続され、溶媒の流れ方向上流側の抽
出単位の分離塔の溶媒出口と循環ポンプを接続する移送
配管に、下流側に隣接する抽出単位の分離塔の循環液出
口から循環配管が接続され、かつ、最下流の抽出単位の
分離塔の循環液出口に接続されている前記循環配管に水
溶液供給装置が接続され、溶媒の流れ方向最上流の抽出
単位の分離塔の循環液出口と、前記溶媒供給装置と混合
装置を接続する移送配管とが、循環配管により接続さ
れ、溶媒の流れ方向下流側の抽出単位の分離塔の水溶液
出口と、上流側に隣接する抽出単位の混合装置入口側と
が、溢流部を備えた移送配管により接続され、各抽出単
位の分離塔の溶媒出口は、溶媒の流れ方向下流側の抽出
単位の分離塔の流入口よりも高く、かつ、該分離塔に接
続されている前記移送配管の溢流部より低い位置に設定
されているような構成とした。
【0011】また、本発明の液−液抽出装置は、前記逆
抽出部が混合装置および分離塔を有する逆抽出単位を複
数備えるとともに、溶媒の流れ方向上流側の逆抽出単位
の分離塔の溶媒出口と下流側の逆抽出単位の混合装置と
が前記循環ポンプを介して接続され、溶媒の流れ方向上
流側の逆抽出単位の分離塔の溶媒出口と循環ポンプを接
続する移送配管に、下流側に隣接する逆抽出単位の分離
塔の循環液出口から循環配管が接続され、かつ、最下流
の逆抽出単位の分離塔の循環液出口に接続されている前
記循環配管に抽出用の水溶液供給装置が接続され、溶媒
の流れ方向最上流の逆抽出単位の分離塔の循環液出口
と、酸洗浄部と逆抽出部との間に介在する循環ポンプの
入口側とが、循環配管により接続され、溶媒の流れ方向
下流側の逆抽出単位の分離塔の水溶液出口と、上流側に
隣接する逆抽出単位の混合装置入口側とが、溢流部を備
えた移送配管により接続され、各逆抽出単位の分離塔の
溶媒出口は、溶媒の流れ方向下流側の逆抽出単位の分離
塔の流入口よりも高く、かつ、該分離塔に接続されてい
る前記移送配管の溢流部より低い位置に設定されている
ような構成とした。
【0012】また、本発明の液−液抽出装置は、逆抽出
部と水溶液供給手段との間に、逆抽出部の分離塔に循環
ポンプを介して接続された混合装置および分離塔を有す
るアルカリ洗浄部を備え、前記分離塔は軸方向がほぼ垂
直であり、混合装置を通過した被分離液が流入するため
の流入口、分離塔内の液を混合装置に循環させるための
循環液出口、分離塔内で分離された水溶液を外部に移送
するための水溶液出口、分離塔内で分離された溶媒を外
部に移送するための溶媒出口、分離塔内で分離された溶
媒を分離塔内で溢流させる溢流部を備え、循環液出口は
水溶液出口より高く流入口よりも低い位置に設定され、
溶媒出口は流入口より高く溢流部より低い位置に設定さ
れ、前記循環ポンプの入口側は逆抽出部の分離塔の溶媒
出口に接続され、前記循環ポンプの単位時間流量が前記
溶媒供給装置の単位時間供給量の2倍に設定され、逆抽
出部とアルカリ洗浄部との間に介在する循環ポンプとア
ルカリ洗浄部の分離塔の循環液出口とを接続する循環配
管に洗浄液供給装置が接続され、アルカリ洗浄部の分離
塔の水溶液出口には溢流部を備えた移送配管が接続さ
れ、前記酸洗浄部の分離塔の水溶液出口とアルカリ洗浄
部の前記循環配管とが溢流部を備えた移送配管により接
続されているような構成とした。
【0013】また、本発明の液−液抽出装置は、分離塔
が流入口の近傍にほぼ水平に配設された仕切り板と、該
仕切り板から上方に延設された導通管と、前記仕切り板
から下方に延設された導通管とを備えるような構成とし
た。
【0014】さらに、本発明の液−液抽出装置は、分離
塔の前記水溶液出口に接続された前記移送配管の溢流部
の分離塔の底部からの高さが、分離塔内の水溶液の高さ
に水溶液の比重を乗じた値と、分離塔内の溶媒の高さに
溶媒の比重を乗じた値を加え、これを水溶液の比重で除
した高さであり、かつ、上記溢流部と分離塔頂部が接続
されているような構成とした。
【0015】このような本発明では、混合装置にて水溶
液と溶媒を混合して被除去成分の溶媒への抽出除去、あ
るいは、被除去成分の抽出用水溶液への抽出除去が行わ
れ、循環ポンプの単位時間流量が溶媒供給装置の単位時
間供給量の2倍に設定されているので、混合装置に入る
溶媒と水溶液の混合比がほぼ1:1に維持され、また、
水溶液と溶媒との分離は分離塔で行われ、この分離塔で
の循環液出口が水溶液出口よりも高いので、水溶液中に
溶媒が混入することが防止され、また、抽出部、酸洗浄
部、逆抽出部を構成する各分離塔の溶媒出口が、溶媒の
流れ方向下流側の分離塔の流入口より高く、かつ、この
分離塔の水溶液出口に接続された移送配管の溢流部より
低い位置にあることによって、循環ポンプの入口は常に
液封され空気が吸い込まれることが防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最良の実施形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0017】図1は本発明の液−液抽出装置の概略構造
図である。図1において本発明の液−液抽出装置1は、
抽出部20と、この抽出部20に溶媒を供給する溶媒供
給装置10、抽出部20に被除去成分を含有した水溶液
を供給する水溶液供給装置30、抽出部20から移送さ
れる溶媒を酸洗浄する酸洗浄部40、酸洗浄部40から
移送される溶媒が含有する被除去成分を逆抽出するため
の逆抽出部60、この逆抽出部60に抽出用の水溶液を
供給する水溶液供給装置70、逆抽出部60から移送さ
れる溶媒をアルカリ洗浄するアルカリ洗浄部90、アル
カリ洗浄がなされた溶媒を溶媒供給装置10に循環する
ための溶媒貯蔵塔110とを備え、抽出部20と酸洗浄
部40とを循環ポンプP2を介して接続し、酸洗浄部4
0と逆抽出部60とを循環ポンプP3を介して接続し、
逆抽出部60とアルカリ洗浄部90とを循環ポンプP5
を介して接続している。抽出部20 まず、本発明の液−液抽出装置1を構成する抽出部20
について説明する。図2は、図1に示される液−液抽出
装置1の溶媒供給装置10および抽出部20の構造を示
す図である。尚、図2は理解を容易にするために混合装
置、反応管、予備分離管、分離塔、溶液混合管の内部状
態を概略的に示してある。
【0018】図1および図2において、液−液抽出装置
1を構成する溶媒供給装置10は、特に限定はされない
が、定量性に優れ流量の変動および脈動の少ないポン
プ、例えば、兵神装備(株)製モーノポンプ等を使用す
ることが好ましい。
【0019】抽出部20は、混合装置21、反応管2
2、予備分離管23、分離塔24を有する抽出単位20
A、20Bを溶媒の流れ方向(図1および図2において
右から左方向)に直列に2段配設したものとなってい
る。
【0020】抽出単位20Aは、混合装置21Aと反応
管22Aとを接続したものを2本直列に接続して備え、
1段目の混合装置21Aは移送配管L1を介して溶媒供
給装置10に接続され、2段目の反応管22Aは移送配
管Lを介して予備分離管23Aに接続され、この予備分
離管23Aは分離塔24Aに接続されている。図示例で
は、溶媒と水溶液との反応効率を高めるために、1段目
の混合装置21Aと反応管22Aでは上方から下方へ流
し、2段目の混合装置21Aと反応管22Aでは下方か
ら上方へ流すように構成されている。
【0021】抽出単位20Bも抽出単位20Aと同様
に、混合装置21Bと反応管22Bとを接続したものを
2本直列に接続して備え、1段目の混合装置21Bは移
送配管L2と循環ポンプP1を介して抽出単位20Aの
分離塔24Aに接続され、2段目の反応管22Bは移送
配管Lを介して予備分離管23Bに接続され、この予備
分離管23Bは分離塔24Bに接続されており、さら
に、分離塔24Bには移送配管L6を介して循環ポンプ
P2が接続されている。
【0022】上記の混合装置21A、21Bは、分散羽
根式の混合装置、インラインミキサー(例えば、(株)
櫻製作所製スケヤーミキサー、(株)ノリタケカンパニ
ー製スタチックミキサー)等の公知の混合装置を使用す
ることができる。反応管22A、22Bは、混合装置で
分散混合された溶媒と水溶液との反応時間(水溶液から
被除去成分を溶媒に抽出除去するための反応時間)を確
保するために配設されたものであり、例えば、直径10
mm程度の磁製ラシヒリング等の充填材F1を充填した
もの等を使用することができる。
【0023】予備分離管23A、23Bは、この後の分
離塔24A、24Bにおける分離速度をより速めるため
に配設されたものであり、例えば、筒内に直径35mm
程度の磁製ラシヒリング等の充填材F2を充填したもの
等を使用することができる。この予備分離管23A、2
3Bでは、上記の反応管22A、22Bから移送された
水溶液と溶媒との混合液が上方から下方へ流速を落とし
て流れ、弱い乱流が生じて溶媒と水溶液の分散した粒子
の凝集が発生する。
【0024】分離塔24A、24Bは、タンク本体24
aの軸方向をほぼ垂直にしたものであり、タンク本体2
4aには、水溶液と溶媒からなる被分離液が流入するた
めの流入口2E1 、分離塔24A、24B内の水溶液−
溶媒境界面より下方の液を混合装置21A、21Bに循
環させるための循環液出口2E2 、分離塔24A、24
B内で分離された水溶液を外部に移送するための水溶液
出口2E3 、分離塔24A、24B内で分離された溶媒
を外部に移送するための溶媒出口2E4 、および、循環
液予備出口2E5 が設けられている。上記の循環液出口
2E2 はタンク本体24aの底部に形成された水溶液出
口2E3 に対して充分な高低差をもち、かつ、流入口2
1 よりも低い位置に設定されており、これにより、水
溶液出口2E3 から外部に移送される水溶液中に溶媒が
混入することが防止される。
【0025】また、分離塔24A、24Bは、タンク本
体24a内で分離された溶媒をタンク本体24a内で溢
流させるための溢流部24bを上記の溶媒出口2E4
り高い位置に備え、タンク本体24aの頂部は蓋部材2
4cにより閉塞されている。また、上記の循環液出口2
2 と水溶液出口2E3 との間には保持部材24dによ
り充填材F3(例えば、直径15mm程度の磁製ラシヒ
リング)からなる充填材層が形成され、一方、上記の溢
流部24bと流入口2E1 との間には保持部材24eに
より充填材F4(例えば、直径15mm程度の磁製ラシ
ヒリング)からなる充填材層が形成されている。充填材
F3からなる充填材層は、溶媒と分離された水溶液に混
入している溶媒の微粒子を充填材F3に付着させて水溶
液から分離するとともに、この溶媒微粒子を結合させ大
きくして水溶液−溶媒境界面へ再浮上させる作用をな
す。また、充填材F4からなる充填材層は、水溶液と分
離され溢流部24bに送られる溶媒中に混入している水
溶液の微粒子を充填材F4に付着させて溶媒から分離す
るとともに、この水溶液微粒子を結合させ大きくして水
溶液−溶媒境界面へ再沈降させる作用をなす。充填材F
4からなる充填材層を通過した溶媒は、溢流部24bか
ら溢れ出して溶媒出口2E4 から外部に移送される。本
発明では、分離塔24Aの溶媒出口2E4 は、分離塔2
4Bの流入口2E1 より高く、分離塔24Bに接続され
た後述の移送配管L5の溢流部Of1 より低い位置に設
定されているため、分離塔24Aの溶媒出口2E4 が常
に水溶液もしくは溶媒で満たされた状態となり、分離塔
24Aの溶媒出口2E4 から空気が吸い込まれることが
防止される。また、分離塔24Bの溶媒出口2E4 は、
後述する酸洗浄部40の分離塔44の流入口4E1 より
高く、分離塔44に接続された後述の移送配管Lの溢流
部Of3 より低い位置に設定されているため、上記と同
様に分離塔24Bの溶媒出口2E4 から空気が吸い込ま
れることが防止される。
【0026】さらに、タンク本体24aの流入口2E1
の近傍には、図3に示されるように、ほぼ水平方向とな
るように仕切り板25が配設されている。この仕切り板
25は流入口2E1 のほぼ中心に位置しており、流入口
2E1 からほぼ水平に仕切り板25方向にT字管25a
が突設され、このT字管25aの両開口端はタンク本体
24a内の上方向と下方向に開口し、この両開口端の上
方および下方の近傍には遮蔽板25bがほぼ水平方向と
なるように配設されている。また、仕切り板25には、
導通管26aが上方に、導通管26bが下方にそれぞれ
延設されている。このような仕切り板25を設けること
により、予備分離管23A、23Bから流入口2E1
介してタンク本体24aに流入された溶媒と水溶液の被
分離液は、まず、T字管25aにより比重差に応じ重力
分離され、溶媒リッチな上層流は仕切り板25よりも上
方へ、水溶液リッチな下層流は仕切り板25よりも下方
へ分離される。このとき、T字管25aの開口端上方の
遮蔽板25bは溶媒リッチな上層流が直接に塔頂部へ流
れることを分散防止し、T字管25aの開口端下方の遮
蔽板25bは水溶液リッチな下層流が直接に塔底部へ流
れることを分散防止して、溶媒と水溶液の分離効率を更
に高める作用をなす。そして、水溶液に混入して仕切り
板25より下方へ移動した溶媒は、仕切り板25より下
方の領域および上述の充填材F3からなる充填材層にお
いて結合して再浮上し、導通管26aを経由して仕切り
板25より上方へ移動し分離される。また、溶媒に混入
して仕切り板25より上方へ移動した水溶液は、仕切り
板25より上方の領域および上述の充填材F4からなる
充填材層において結合して再沈降し、導通管26bを経
由して仕切り板25より下方へ移動し分離される。
【0027】循環ポンプP1、P2は、単位時間流量が
溶媒供給装置10の単位時間供給量の約2倍に設定され
ており、定量性に優れ流量の変動および脈動の少ないポ
ンプ、例えば、兵神装備(株)製竪型モーノポンプ等を
用いることができる。循環ポンプP1の流入口は移送配
管L2を介して抽出単位20Aの分離塔24Aの溶媒出
口2E4 に接続され、流出口は抽出単位20Bの混合装
置21Bに接続されている。また、循環ポンプP2の流
入口は移送配管L6を介して抽出単位20Bの分離塔2
4Bの溶媒出口2E4 に接続され、流出口は酸洗浄部4
0の後述する混合装置41に接続されている。
【0028】上述のような抽出部20では、溶媒の流れ
方向上流側の抽出単位20Aの分離塔24Aの溶媒出口
2E4 と循環ポンプP1を接続する移送配管L2に、下
流側に隣接する抽出単位20Bの分離塔24Bの循環液
出口2E2 から循環配管L3が接続されている。この循
環配管L3の途中には電磁流量計28および溶液混合管
29が配設され、電磁流量計28と溶液混合管29との
間に位置する循環配管L3には、被除去成分を含有する
水溶液を供給するための水溶液供給装置30が接続され
ている。溶液混合管29は、循環配管L3により移送さ
れてきた循環液と水溶液供給装置30から供給された水
溶液とを混合するためのものであり、圧損失を少なくす
るために、テラレット(商品名)のようなプラスチック
リングを内部に充填することが好ましい。尚、分離塔2
4Bの循環液予備出口2E5 は上記の循環配管L3に接
続されており、この循環液予備出口2E5 は、何らかの
原因により分離塔24B内の被除去成分濃度が異常に高
くなった場合、水溶液の供給を止め空運転で所定の被除
去成分濃度に戻すために使用する。
【0029】また、溶媒の流れ方向上流側の抽出単位2
0Aの分離塔24Aの循環液出口2E2 と、溶媒供給装
置10と混合装置21Aを接続する移送配管L1とが、
循環配管L4により接続されている。この循環配管L4
の途中には、単位時間流量が溶媒供給装置10の単位時
間供給量とほぼ同等に設定されたポンプP´が配設され
ている。尚、分離塔24Aの循環液予備出口2E5 は、
上記の循環配管L4に接続されており、この循環液予備
出口2E5 は、何らかの原因により分離塔24A内の被
除去成分濃度が異常に高くなった場合、水溶液の供給を
止め空運転で所定の被除去成分濃度に戻すために使用す
る。
【0030】さらに、溶媒の流れ方向下流側の抽出単位
20Bの分離塔24Bの水溶液出口2E3 と、上記のポ
ンプP´とが、溢流部Of1 を備えた移送配管L5によ
り接続されている。また、抽出単位20Aの分離塔24
Aの水溶液出口2E3 には、溢流部Of2 を備えた移送
配管Lが接続されており、被除去成分が抽出除去され再
生された水溶液が液−液抽出装置1から外部へ移送され
る。そして、上記の溢流部Of1 および溢流部Of2
は、それぞれ分離塔の頂部内に導通管L´を介して連結
されている。これにより、溢流部Of1 および溢流部O
2 は常に湿潤した空気で覆われ、乾燥による水溶液表
面の結晶化が防止される。
【0031】尚、上記の溢流部Of1 の分離塔24Bの
底部からの高さ、および、溢流部Of2 の分離塔24A
の底部からの高さは、それぞれの分離塔内の水溶液の高
さに水溶液の比重を乗じた値と、分離塔内の溶媒の高さ
に溶媒の比重を乗じた値を加え、これを水溶液の比重で
除した高さとする。ここで、分離塔内の水溶液の高さ
は、タンク本体24aの底部から水溶液−溶媒境界面ま
での高さであり、溶媒の高さは、水溶液−溶媒境界面か
ら溢流部24bまでの高さである。
【0032】このように抽出部20を複数の抽出単位で
構成する場合は、被除去成分を含有する水溶液の流れ方
向上流側に位置する抽出単位(実施例では抽出単位20
B)の水溶液溢流部Of1 の高さは、水溶液の流れ方向
下流側に位置する抽出単位(実施例では抽出単位20
A)の水溶液溢流部Of2 位置より高くなるように、か
つ、水溶液の流れ方向上流側に位置する抽出単位(実施
例では抽出単位20B)の分離塔24Bの溶媒溢流部2
4bもしくは流入口2E1 の高さを、水溶液の流れ方向
下流側に位置する抽出単位(実施例では抽出単位20
A)の分離塔24Aの溶媒溢流部24bもしくは流入口
2E1 より高く設定することにより、水溶液の流れを円
滑なものとすることができる。但し、この場合も分離塔
24Aの溶媒出口2E4 および分離塔24Bの溶媒出口
2E4 の高さ設定は、上述の条件を満足することが必要
である。
【0033】また、水溶液供給装置30は、例えば、水
溶液タンク31と、水溶液タンク31に貯蔵した水溶液
を送り出す供給ポンプ32(例えば、ダイヤフラム式定
量ポンプ等)により構成することができる。酸洗浄部40 次に、本発明の液−液抽出装置1を構成する酸洗浄部4
0について説明する。図4は、図1に示される液−液抽
出装置1の酸洗浄部40の構造を示す図である。尚、図
4は理解を容易にするために混合装置、反応管、予備分
離管、分離塔、溶液混合管の内部状態を概略的に示して
ある。
【0034】図1および図4において、液−液抽出装置
1を構成する酸洗浄部40は、混合装置41、反応管4
2、予備分離管43、分離塔44を備えている。
【0035】混合装置41の入口側は、移送配管L6と
循環ポンプP2を介して抽出単位20Bの分離塔24B
に接続され、混合装置41の出口側には反応管42が接
続されている。この反応管42は移送配管Lを介して予
備分離管43に接続され、予備分離管43は分離塔44
に接続されており、さらに、分離塔44には移送配管L
8を介して循環ポンプP3が接続されている。
【0036】上記の混合装置41は、上述の抽出部20
を構成する混合装置21A、21Bと同様に公知の混合
装置を使用することができる。また、反応管42は、混
合装置で分散混合された溶媒と洗浄液との反応時間を確
保するために配設されたものであり、例えば、上述の抽
出部20を構成する反応管22A、22Bと同様のもの
を使用することができる。
【0037】予備分離管43は、この後の分離塔44に
おける分離速度をより速めるために配設されたものであ
り、例えば、上述の抽出部20を構成する予備分離管2
3A、23Bと同様のものを使用することができる。
【0038】分離塔44は、基本構造を上述の分離塔2
4A、24Bと同一とするものである。すなわち、タン
ク本体44aの軸方向をほぼ垂直にしたものであり、タ
ンク本体44aには、水溶液と溶媒からなる被分離液が
流入するための流入口4E1、分離塔44内の水溶液−
溶媒境界面より下方の液を混合装置41に循環させるた
めの循環液出口4E2 、分離塔44内で分離された水溶
液(酸洗浄液)を外部に移送するための水溶液出口4E
3 、分離塔44内で分離された溶媒を外部に移送するた
めの溶媒出口4E4 、および、循環液予備出口4E5
設けられている。上記の循環液出口4E2 はタンク本体
44aの底部に形成された水溶液出口4E3 に対して充
分な高低差をもち、かつ、流入口4E1 よりも低い位置
に設定されており、これにより、水溶液出口4E3 から
外部に移送される水溶液(酸洗浄液)中に溶媒が混入す
ることが防止される。
【0039】また、分離塔44は、タンク本体44a内
で分離された溶媒をタンク本体44a内で溢流させるた
めの溢流部44bを上記の溶媒出口4E4 より高い位置
に備え、タンク本体44aの頂部は蓋部材44cにより
閉塞されている。また、上記の循環液出口4E2 と水溶
液出口4E3 との間には保持部材44dにより充填材F
3(例えば、直径15mm程度の磁製ラシヒリング)か
らなる充填材層が形成され、一方、上記の溢流部44b
と流入口4E1 との間には保持部材44eにより充填材
F4(例えば、直径15mm程度の磁製ラシヒリング)
からなる充填材層が形成されている。このような充填材
F3からなる充填材層、および、充填材F4からなる充
填材層は、上述の分離塔24A、24Bにおける各充填
材層と同一の作用をなす。そして、充填材F4からなる
充填材層を通過した溶媒は、溢流部44bから溢れ出し
て溶媒出口4E4 から外部に移送されるが、本発明で
は、分離塔44の溶媒出口4E4 は、後述する逆抽出部
60の逆抽出単位69Aの分離塔64Aの流入口6E1
より高く、分離塔64Aの水溶液出口6E3 に接続され
た移送配管の溢流部Of5 より低い位置に設定されてい
るため、分離塔44の溶媒出口4E4 が常に水溶液もし
くは溶媒で満たされた状態となり、分離塔44の溶媒出
口4E4 から空気が吸い込まれることが防止される。
【0040】このような分離塔44は、そのタンク本体
44aの流入口4E1 の近傍に、上述の分離塔24A、
24Bに配設されている仕切り板25、T字管25a、
遮蔽板25b、導通管26aおよび導通管26bと同様
の部材を配設して備えるような構造であってもよい。
【0041】循環ポンプP3は、上述の循環ポンプP
1、P2と同様に、単位時間流量が溶媒供給装置10の
単位時間供給量の約2倍に設定されており、定量性に優
れ流量の変動および脈動の少ないポンプ、例えば、兵神
装備(株)製竪型モーノポンプ等を用いることができ
る。循環ポンプP3の流入口は移送配管L8を介して分
離塔44の溶媒出口4E4 に接続され、流出口は逆抽出
部60の後述する混合装置61Aに接続されている。
【0042】上述のような酸洗浄部40では、上記の移
送配管L6に、分離塔44の循環液出口4E2 から循環
配管L7が接続されている。この循環配管L7の途中に
は電磁流量計48および溶液混合管49が配設され、電
磁流量計48と溶液混合管49との間に位置する循環配
管L7には、酸洗浄液を供給するための洗浄液供給装置
50が接続されている。電磁流量計48および溶液混合
管49は、上述の抽出部20の電磁流量計28、溶液混
合管29と同様のものを使用することができる。また、
洗浄液供給装置50は、例えば、酸洗浄液タンク51
と、酸洗浄液タンク51に貯蔵した酸洗浄液を送り出す
供給ポンプ52(例えば、ダイヤフラム式定量ポンプ
等)により構成することができ、上記の溶液混合管49
に設置したpH測定器Mpからの信号により供給ポンプ
52が駆動するように構成されている。尚、分離塔44
の循環液予備出口4E5 は上記の循環配管L7に接続さ
れており、この循環液予備出口4E5 は、何らかの原因
により分離塔44内の被除去成分濃度が異常に高くなっ
た場合、抽出部20の水溶液供給装置30からの水溶液
の供給を止め空運転で所定の被除去成分濃度に戻すため
に使用する。
【0043】また、分離塔44の水溶液出口4E3 は溢
流部Of3 を備えた移送配管Lにより酸洗浄廃水タンク
81に接続されている。上記の溢流部Of3 は、分離塔
44の頂部内に導通管L´を介して連結されている。こ
れにより、溢流部Of3 は常に湿潤した空気で覆われ
る。
【0044】尚、上記の溢流部Of3 の分離塔44の底
部からの高さは、抽出部20における溢流部Of1 およ
び溢流部Of2 と同様に設定される。逆抽出部60 次に、本発明の液−液抽出装置1を構成する逆抽出部6
0について説明する。図5は、図1に示される液−液抽
出装置1の逆抽出部60の構造を示す図である。尚、図
5は理解を容易にするために混合装置、反応管、予備分
離管、分離塔、溶液混合管の内部状態を概略的に示して
ある。
【0045】図1および図5において、液−液抽出装置
1を構成する逆抽出部60は、混合装置61、反応管6
2、予備分離管63、分離塔64を有する逆抽出単位6
0A、60Bを溶媒の流れ方向(図1および図5におい
て左から右方向)に直列に2段配設したものとなってい
る。
【0046】逆抽出単位60Aは、混合装置61Aと反
応管62Aとを接続したものを2本直列に接続して備
え、1段目の混合装置61Aは移送配管L8と循環ポン
プP3を介して酸洗浄部40の分離塔44に接続され、
2段目の反応管62Aは移送配管Lを介して予備分離管
63Aに接続され、この予備分離管63Aは分離塔64
Aに接続されている。図示例では、溶媒と抽出用の水溶
液との反応効率を高めるために、1段目の混合装置61
Aと反応管62Aでは上方から下方へ流し、2段目の混
合装置61Aと反応管62Aでは下方から上方へ流すよ
うに構成されている。
【0047】逆抽出単位60Bも抽出単位60Aと同様
に、混合装置61Bと反応管62Bとを接続したものを
2本直列に接続して備え、1段目の混合装置61Bは移
送配管L9と循環ポンプP4を介して逆抽出単位60A
の分離塔64Aに接続され、2段目の反応管62Bは移
送配管Lを介して予備分離管63Bに接続され、この予
備分離管63Bは分離塔64Bに接続されており、さら
に、分離塔64Bには移送配管L14を介して循環ポン
プP5が接続されている。
【0048】上記の混合装置61A、61Bは、上述の
抽出部20を構成する混合装置21A、21Bと同様に
公知の混合装置を使用することができる。また、反応管
62A、62Bは、混合装置で分散混合された溶媒と抽
出用の水溶液との反応時間(溶媒から被除去成分を抽出
用の水溶液に抽出除去するための反応時間)を確保する
ために配設されたものであり、例えば、上述の抽出部2
0を構成する反応管22A、22Bと同様のものを使用
することができる。
【0049】予備分離管63A、63Bは、この後の分
離塔64A、64Bにおける分離速度をより速めるため
に配設されたものであり、例えば、上述の抽出部20を
構成する予備分離管23A、23Bと同様のものを使用
することができる。この予備分離管63A、63Bで
は、上記の反応管62A、62Bから移送された溶媒と
抽出用の水溶液との混合液が上方から下方へ流速を落と
して流れ、弱い乱流が生じて溶媒と抽出用の水溶液の分
散した粒子の凝集が発生する。
【0050】分離塔64A、64Bは、基本構造を上述
の分離塔24A、24Bと同一とするものである。すな
わち、タンク本体64aの軸方向をほぼ垂直にしたもの
であり、タンク本体64aには、抽出用の水溶液と溶媒
からなる被分離液が流入するための流入口6E1 、分離
塔64A、64B内の水溶液−溶媒境界面より下方の液
を混合装置61A、61Bに循環させるための循環液出
口6E2 、分離塔64A、64B内で分離された抽出用
の水溶液を外部に移送するための水溶液出口6E3 、分
離塔64A、64B内で分離された溶媒を外部に移送す
るための溶媒出口6E4 、および、循環液予備出口6E
5 が設けられている。上記の循環液出口6E2 はタンク
本体64aの底部に形成された水溶液出口6E3 に対し
て充分な高低差をもち、かつ、流入口6E1 よりも低い
位置に設定されており、これにより、水溶液出口6E3
から外部に移送される抽出用の水溶液中に溶媒が混入す
ることが防止される。
【0051】また、分離塔64A、64Bは、タンク本
体64a内で分離された溶媒をタンク本体64a内で溢
流させるための溢流部64bを上記の溶媒出口6E4
り高い位置に備え、タンク本体64aの頂部は蓋部材6
4cにより閉塞されている。また、上記の循環液出口6
2 と水溶液出口6E3 との間には保持部材64dによ
り充填材F3(例えば、直径15mm程度の磁製ラシヒ
リング)からなる充填材層が形成され、一方、上記の溢
流部64bと流入口6E1 との間には保持部材64eに
より充填材F4(例えば、直径15mm程度の磁製ラシ
ヒリング)からなる充填材層が形成されている。このよ
うな充填材F3からなる充填材層、および、充填材F4
からなる充填材層は、上述の抽出部20の分離塔24
A、24Bにおける各充填材層と同一の作用をなす。そ
して、充填材F4からなる充填材層を通過した溶媒は、
溢流部64bから溢れ出して溶媒出口6E4 から外部に
移送される。本発明では、分離塔64Aの溶媒出口6E
4 は、分離塔64Bの流入口6E1 より高く、分離塔6
4Bに接続された後述の移送配管L13の溢流部Of4
より低い位置に設定されているため、分離塔64Aの溶
媒出口6E4 が常に水溶液もしくは溶媒で満たされた状
態となり、分離塔64Aの溶媒出口6E4 から空気が吸
い込まれることが防止される。また、分離塔64Bの溶
媒出口6E4 は、後述するアルカリ洗浄部90の分離塔
94の流入口9E1 より高く、分離塔94に接続された
後述の移送配管L17の溢流部Of6 より低い位置に設
定されているため、上記と同様に分離塔64Bの溶媒出
口6E4 から空気が吸い込まれることが防止される。
【0052】このような分離塔64A、64Bは、その
タンク本体64aの流入口6E1 の近傍に、上述の抽出
部20の分離塔24A、24Bに配設されている仕切り
板25、T字管25a、遮蔽板25b、導通管26aお
よび導通管26bと同様の部材を配設して備えるような
構造であってもよい。
【0053】循環ポンプP3、P4は、上述の循環ポン
プP1、P2と同様に、単位時間流量が溶媒供給装置1
0の単位時間供給量の約2倍に設定されており、定量性
に優れ流量の変動および脈動の少ないポンプ、例えば、
兵神装備(株)製竪型モーノポンプ等を用いることがで
きる。循環ポンプP4の流入口は移送配管L9を介して
逆抽出単位60Aの分離塔64Aの溶媒出口6E4 に接
続され、流出口は逆抽出単位60Bの混合装置61Bに
接続されている。また、循環ポンプP5の流入口は移送
配管L14を介して逆抽出単位60Bの分離塔64Bの
溶媒出口6E4に接続され、流出口はアルカリ洗浄部9
0の後述する混合装置91に接続されている。
【0054】上述のような逆抽出部60では、溶媒の流
れ方向上流側の逆抽出単位60Aの分離塔64Aの溶媒
出口6E4 と循環ポンプP4を接続する移送配管L9
に、下流側に隣接する逆抽出単位60Bの分離塔64B
の循環液出口6E2 から循環配管L10が接続されてい
る。この循環配管L10の途中には電磁流量計68Bお
よび溶液混合管69Bが配設され、電磁流量計68Bと
溶液混合管69Bとの間に位置する循環配管L10に
は、抽出用の水溶液を供給するための水溶液供給装置7
0が接続されている。溶液混合管69Bは、循環配管L
10により移送されてきた循環液と水溶液供給装置70
から供給された抽出用の水溶液とを混合するためのもの
であり、圧損失を少なくするために、テラレット(商品
名)のようなプラスチックリングを内部に充填すること
が好ましい。尚、分離塔64Bの循環液予備出口6E5
は上記の循環配管L10に接続されており、この循環液
予備出口6E5 は、運転停止時に分離塔64Bの底部か
ら液循環して水溶液の結晶化を防止するために使用す
る。
【0055】また、溶媒の流れ方向上流側の逆抽出単位
60Aの分離塔64Aの循環液出口6E2 と、上記の酸
洗浄部40と循環ポンプP3とを接続する移送配管L8
とが、循環配管L11により接続されている。この循環
配管L11の途中には電磁流量計68Aおよび溶液混合
管69Aが配設されている。尚、分離塔64Aの循環液
予備出口6E5 は上記の循環配管L11に接続されてお
り、この循環液予備出口6E5 は、運転停止時に分離塔
64Aの底部から液循環して水溶液の結晶化を防止する
ために使用する。
【0056】さらに、電磁流量計68Aと溶液混合管6
9Aとの間に位置する循環配管L11と、溶媒の流れ方
向下流側の逆抽出単位60Bの分離塔64Bの水溶液出
口6E3 とが、溢流部Of4 を備えた移送配管L13に
より接続されている。また、逆抽出単位60Aの分離塔
64Aの水溶液出口6E3 には、溢流部Of5 を備えた
移送配管L12が接続されており、溶媒から被除去成分
を抽出除去した水溶液が液−液抽出装置1から外部へ移
送される。そして、上記の溢流部Of4 および溢流部O
5 は、それぞれ分離塔64B、64Aの頂部内に導通
管L´を介して連結されている。これにより、溢流部O
4 および溢流部Of5 は常に湿潤した空気で覆われ
る。
【0057】尚、電磁流量計68A、68Bおよび溶液
混合管69A、69Bは、上述の抽出部20の電磁流量
計28、溶液混合管29と同様のものを使用することが
できる。
【0058】また、上記の溢流部Of4 の分離塔64B
の底部から高さ、溢流部Of5 の分離塔64Aの底部か
らの高さは、抽出部20における溢流部Of1 および溢
流部Of2 と同様に設定される。
【0059】このように逆抽出部60を複数の逆抽出単
位で構成する場合は、抽出用の水溶液の流れ方向上流側
に位置する逆抽出単位(実施例では逆抽出単位60B)
の水溶液溢流部Of4 の高さは、抽出用水溶液の流れ方
向下流側に位置する逆抽出単位(実施例では逆抽出単位
60A)の水溶液溢流部Of5 位置より高くなるよう
に、かつ、抽出用水溶液の流れ方向上流側に位置する逆
抽出単位(実施例では逆抽出単位60B)の分離塔64
Bの溶媒溢流部64bもしくは流入口6E1 の高さを、
抽出用水溶液の流れ方向下流側に位置する逆抽出単位
(実施例では逆抽出単位60A)の分離塔64Aの溶媒
溢流部64bもしくは流入口6E1 より高く設定するこ
とにより、抽出用の水溶液の流れを円滑なものとするこ
とができる。但し、この場合も分離塔64Aの溶媒出口
6E4 および分離塔64Bの溶媒出口6E4 の高さ設定
は、上述の条件を満足することが必要である。
【0060】上記の水溶液供給装置70は、例えば、水
溶液タンク71と、水溶液タンク71に貯蔵した水溶液
を送り出す供給ポンプ72(例えば、ダイヤフラム式定
量ポンプ等)により構成することができる。アルカリ洗浄部90 次に、本発明の液−液抽出装置1を構成するアルカリ洗
浄部90について説明する。図6は、図1に示される液
−液抽出装置1のアルカリ洗浄部90の構造を示す図で
ある。尚、図6は理解を容易にするために混合装置、反
応管、予備分離管、分離塔、溶液混合管の内部状態を概
略的に示してある。
【0061】図1および図6において、液−液抽出装置
1を構成するアルカリ洗浄部90は、混合装置91、反
応管92、予備分離管93、分離塔94を備えている。
【0062】混合装置91の入口側は、移送配管L14
と循環ポンプP5を介して逆抽出単位60Bの分離塔6
4Bに接続され、混合装置91の出口側には反応管92
が接続されている。この反応管92は移送配管Lを介し
て予備分離管93に接続され、予備分離管93は分離塔
94に接続されており、さらに、分離塔94には移送配
管L18を介して溶媒貯蔵塔110が接続されている。
この溶媒貯蔵塔110は、移送配管Lを介して溶媒供給
装置10に接続されている。
【0063】上記の混合装置91は、上述の抽出部20
を構成する混合装置21A、21Bと同様に公知の混合
装置を使用することができる。また、反応管92は、混
合装置で分散混合された溶媒とアルカリ洗浄液との反応
時間を確保するために配設されたものであり、例えば、
上述の抽出部20を構成する反応管22A、22Bと同
様のものを使用することができる。
【0064】予備分離管93は、この後の分離塔94に
おける分離速度をより速めるために配設されたものであ
り、例えば、上述の抽出部20を構成する予備分離管2
3A、23Bと同様のものを使用することができる。
【0065】分離塔94は、基本構造を上述の分離塔2
4A、24Bと同一とするものである。すなわち、タン
ク本体94aの軸方向をほぼ垂直にしたものであり、タ
ンク本体94aには、水溶液と溶媒からなる被分離液が
流入するための流入口9E1、分離塔94内の水溶液−
溶媒境界面より下方の液を混合装置91に循環させるた
めの循環液出口9E2 、分離塔94内で分離された水溶
液(アルカリ洗浄液)を外部に移送するための水溶液出
口9E3 、分離塔94内で分離された溶媒を外部に移送
するための溶媒出口9E4 、および、循環液予備出口9
5 が設けられている。上記の循環液出口9E2 はタン
ク本体94aの底部に形成された水溶液出口9E3 に対
して充分な高低差をもち、かつ、流入口9E1 よりも低
い位置に設定されており、これにより、水溶液出口9E
3 から外部に移送される水溶液(アルカリ洗浄液)中に
溶媒が混入することが防止される。
【0066】また、分離塔94は、タンク本体94a内
で分離された溶媒をタンク本体94a内で溢流させるた
めの溢流部94bを上記の溶媒出口9E4 より高い位置
に備え、タンク本体94aの頂部は蓋部材94cにより
閉塞されている。また、上記の循環液出口9E2 と水溶
液出口9E3 との間には保持部材94dにより充填材F
3(例えば、直径15mm程度の磁製ラシヒリング)か
らなる充填材層が形成され、一方、上記の溢流部94b
と流入口9E1 との間には保持部材94eにより充填材
F4(例えば、直径15mm程度の磁製ラシヒリング)
からなる充填材層が形成されている。このような充填材
F3からなる充填材層、および、充填材F4からなる充
填材層は、上述の分離塔24A、24Bにおける各充填
材層と同一の作用をなす。そして、充填材F4からなる
充填材層を通過した溶媒は、溢流部94bから溢れ出し
て溶媒出口9E4 から溶媒貯蔵塔110に移送される。
【0067】このような分離塔94は、そのタンク本体
94aの流入口9E1 の近傍に、上述の分離塔24A、
24Bに配設されている仕切り板25、T字管25a、
遮蔽板25b、導通管26aおよび導通管26bと同様
の部材を配設して備えるような構造であってもよい。
【0068】循環ポンプP5は、上述の循環ポンプP
1、P2と同様に、単位時間流量が溶媒供給装置10の
単位時間供給量の約2倍に設定されており、定量性に優
れ流量の変動および脈動の少ないポンプ、例えば、兵神
装備(株)製竪型モーノポンプ等を用いることができ
る。
【0069】上述のようなアルカリ洗浄部90では、上
記の移送配管L14に、分離塔94の循環液出口9E2
から循環配管L16が接続されている。この循環配管L
16の途中には電磁流量計98および溶液混合管99が
配設され、電磁流量計98と溶液混合管99との間に位
置する循環配管L16には、アルカリ洗浄液を供給する
ための洗浄液供給装置100が接続されている。さら
に、電磁流量計98と溶液混合管99との間に位置する
循環配管L16には、移送ポンプ82と移送配管L15
を介して、上記の酸洗浄廃水タンク81が接続され、移
送ポンプ82は酸洗浄廃水タンク81に設置した液面検
出器Mfからの信号により駆動するように構成されてい
る。
【0070】上記の電磁流量計98および溶液混合管9
9は、上述の抽出部20の電磁流量計28、溶液混合管
29と同様のものを使用することができる。また、洗浄
液供給装置100は、例えば、アルカリ洗浄液タンク1
01と、アルカリ洗浄液タンク101に貯蔵したアルカ
リ洗浄液を送り出す供給ポンプ102(例えば、ダイヤ
フラム式定量ポンプ等)により構成することができ、上
記の溶液混合管99に設置したpH測定器Mpからの信
号により供給ポンプ102が駆動するように構成されて
いる。尚、分離塔94の循環液予備出口9E5 は上記の
循環配管L16に接続されており、この循環液予備出口
9E5 は、何らかの原因により分離塔94内の被除去成
分濃度が異常に高くなった場合、抽出部20の水溶液供
給装置30からの水溶液の供給を止め空運転で所定の被
除去成分濃度に戻すために使用する。
【0071】また、分離塔94の水溶液出口9E3
は、溢流部Of6 を備えた移送配管L17が接続されて
おり、アルカリ洗浄廃水が液−液抽出装置1から外部へ
移送される。上記の溢流部Of6 は、分離塔94の頂部
内に導通管L´を介して連結され、これにより、溢流部
Of6 は常に湿潤した空気で覆われる。
【0072】尚、上記の溢流部Of6 の分離塔94の底
部からの高さは、抽出部20における溢流部Of1 およ
び溢流部Of2 と同様に設定される。
【0073】溶媒貯蔵塔110は、上述の逆抽出部60
において被除去成分を抽出除去され、アルカリ洗浄部9
0で洗浄され再生された溶媒を、溶媒供給装置10に循
環する前に一時的に溶媒を貯蔵するためのものである。
この溶媒貯蔵塔110の構造には特に制限はないが、例
えば、図7に示されるように、移送配管18に接続する
ように溶媒注入管111を、その注入開口111aが塔
横断面のほぼ中央に位置するように溶媒貯蔵塔110内
に突設し、この溶媒注入管111の注入開口111aの
下方近傍に、塔横断面とほぼ相似形で面積の小さい拡散
板112をほぼ水平方向となるように配設した構造とす
ることができる。このような溶媒貯蔵塔110では、溶
媒注入管111の注入開口111aから注入された溶媒
が、拡散板112により溶媒貯蔵塔110の塔内壁方向
に拡散され、その後、塔内壁に添って静かに流下するの
で、溶媒貯蔵塔110内部での溶媒への空気の巻き込み
を防止することができる。尚、拡散板112の代わり
に、塔横断面とほぼ相似形で面積の小さい底面を有する
円錐体を使用してもよい。本発明の液−液抽出装置の動作 次に、上述の液−液抽出装置1におけるアルカリ性エッ
チング液の廃液の再生を例に、本発明の液−液抽出装置
の動作を説明する。 (1) プリント配線板の銅パターンエッチング工程に
使用されたアルカリ性エッチング液の廃液は、銅イオン
等の被除去成分を含有した水溶液であり、この水溶液は
水溶液供給装置30により抽出部20に送り込まれる。
送り込まれた水溶液は、溶液混合管29において循環液
と混合され、その後、移送配管L2において、抽出単位
20Aの分離塔24Aから移送されてきた溶媒と混合さ
れる。ここで、水溶液供給装置30からの水溶液供給量
が循環液量以下の流量で変動しても、この変動に対応し
て循環量が変動して常に溶液混合管29から移送配管L
2に入る流量が一定となり、さらに、循環ポンプP1の
単位時間流量が溶媒供給装置10の単位時間供給量の約
2倍に設定されているので、抽出単位20Bの混合装置
21Bには、循環液と水溶液との混合液と溶媒とが常に
ほぼ1:1の混合比で流入し、かつ、水溶液供給装置3
0からの水溶液供給量の変動および脈動を吸収すること
になる。このため、溶媒による被除去成分の抽出除去効
率が極めて高くなるとともに無調整で連続運転が可能と
なる。
【0074】このようにして抽出単位20Bの混合装置
21Bと反応管22Bに送り込まれた水溶液は、抽出単
位20Aの分離塔24Aから移送されてきた溶媒によっ
て被除去成分が抽出除去され、予備分離管23Bを通過
した後、分離塔24Bに流入する。
【0075】この分離塔24Bでは、仕切り板25、T
字管25a、遮蔽板25b、導通管26aおよび導通管
26bの作用により、水溶液と溶媒が分離され、水溶液
−溶媒境界面がほぼ仕切り板25の配設位置に形成さ
れ、この水溶液−溶媒境界面より下方の水溶液(溶媒が
微量混入したエッチング液)が循環液出口2E2 から循
環配管L3を介して上記の溶液混合管29へ送られる。
【0076】一方、分離塔24Bの水溶液出口2E3
らは、溶媒の分解物や溶媒と水溶液にシリカ、カルシウ
ム等の固体がエマルジョン化した物質等を含有すること
のないエッチング液が、溢流部Of1 を備えた移送配管
L5を介してポンプP´に送られ、抽出単位20Aの分
離塔24Aから循環配管L4を介して循環される水溶液
(溶媒が微量混入したエッチング液)とともに移送配管
L1に流入する。ここで、上述のように循環ポンプP1
の単位時間流量が溶媒供給装置10の単位時間供給量の
約2倍に設定されており、また、ポンプP´の単位時間
流量が溶媒供給装置10の単位時間供給量とほぼ同等に
設定されているので、抽出単位20Aの混合装置21A
には、常に溶媒と水溶液とがほぼ1:1の混合比で流入
することになる。このため、溶媒による被除去成分の抽
出除去効率が極めて高くなるとともに無調整で連続運転
が可能となる。
【0077】このようにして抽出単位20Aの混合装置
21Aと反応管22Aに送り込まれた水溶液(溶媒が極
微量混入したエッチング液)は、溶媒供給装置10から
供給された未反応で抽出能力の高い溶媒に被除去成分が
抽出除去され、予備分離管23Aを通過した後、分離塔
24Aに流入する。
【0078】この分離塔24Aでは、分離塔24Bと同
様に、仕切り板25、T字管25a、遮蔽板25b、導
通管26aおよび導通管26bの作用により、水溶液と
溶媒が分離され、水溶液−溶媒境界面がほぼ仕切り板2
5の配設位置に形成され、この水溶液−溶媒境界面より
下方の水溶液(溶媒が微量混入したエッチング液)が循
環液出口2E2 から循環配管L4を介して上記のポンプ
P´へ送られる。
【0079】一方、分離塔24Aの水溶液出口2E3
らは、被除去成分が溶媒に抽出除去され再生されたエッ
チング液が溢流部Of2 移送配管Lを介して液−液抽出
装置1の外部へ移送される。
【0080】上記の溢流部Of1 および溢流部Of2
は、分離塔の底部からの高さが上述のように設定されて
いるので、分離塔内部の液量が何らかの原因により減少
した場合、水溶液出口2E3 からの水溶液の流出が自動
的に停止される。尚、各溢流部と分離塔の頂部とが連結
されているので、乾燥による水溶液の結晶化が防止され
る。
【0081】分離塔24Aで分離された溶媒は、溢流部
24bから溢れ出し溶媒出口2E4および移送配管L2
を介して循環ポンプP1に送られ、上記のように水溶液
と1:1で混合される。また、分離塔24Bで分離され
た溶媒は、溢流部24bから溢れ出し溶媒出口2E4
よび移送配管L6を介して循環ポンプP2に送られ、後
述するように、酸洗浄液と1:1で混合される。 (2) 酸洗浄部40は、溶媒に抽出されたアンモニア
等のアルカリ成分や、溶媒に混入した水溶液(アルカリ
性エッチング液)を酸洗浄液である希硫酸により中和洗
浄する工程である。酸洗浄液は、洗浄液供給装置50に
より酸洗浄部40に送り込まれ、溶液混合管49におい
て循環液と混合され、その後、移送配管L6において、
抽出単位20Bの分離塔24Bから移送されてきた溶媒
と混合される。ここで、溶液混合管49に設置したpH
測定器Mpからの信号に対応して洗浄液供給装置50か
ら供給される洗浄液量が循環液量以下の流量で変動して
も、この変動に対応して循環量が変動して常に溶液混合
管49管に入る流量が一定となり、さらに、循環ポンプ
P2の単位時間流量が溶媒供給装置10の単位時間供給
量の約2倍に設定されているので、酸洗浄部40の混合
装置41には、酸洗浄液と循環液との混合液と溶媒とが
常にほぼ1:1の混合比で流入し、かつ、洗浄液供給装
置50からの酸洗浄液供給量の変動および脈動を吸収す
ることになり、前工程の抽出部20と同様に流量無調整
で連続運転が可能となる。
【0082】このようにして混合装置41と反応管42
に送り込まれた溶媒は酸洗浄液によって中和洗浄され、
予備分離管43を通過した後、分離塔44に流入する。
【0083】この分離塔44では、上述の分離塔24B
と同様に、溶媒と酸洗浄液が分離され、仕切り板25の
配設位置に形成された水溶液−溶媒境界面より下方の水
溶液(溶媒が微量混入した酸洗浄液)が循環液出口4E
2 から循環配管L7を介して上記の溶液混合管49へ送
られる。
【0084】一方、分離塔44の水溶液出口4E3 から
は、溶媒の分解物や溶媒と水溶液にシリカ、カルシウム
等の固体がエマルジョン化した物質等を含有することの
ない水溶液(酸洗浄液)が、溢流部Of3 を備えた移送
配管Lを介して酸洗浄廃水タンク81に送られる。この
酸洗浄廃水に対して、後述するようにアルカリ洗浄部9
0において残存する銅の濃度の低下処理が行われる。
【0085】分離塔44で分離された溶媒は、溢流部4
4bから溢れ出し溶媒出口4E4 および移送配管L8を
介して循環ポンプP3に送られ、後述するように、抽出
用の水溶液と1:1で混合される。 (3) 逆抽出部60は、酸洗浄部40から送られてき
た溶媒から抽出用の水溶液(遊離硫酸を含有した硫酸銅
水溶液=硫酸銅母液)を用いて銅を抽出し、溶媒を再生
する工程である。
【0086】逆抽出部60における溶媒の流れは、上述
の抽出部20における溶媒の流れと同じである。また、
硫酸銅母液の流れは、上述の抽出部20における水溶液
(アルカリ性エッチング液)と同じであり、溶媒の流れ
方向下流側の逆抽出単位60Bの循環配管L10から水
溶液供給装置70により供給され、上流側の逆抽出単位
60Aの分離塔64Aから移送配管L12を介して硫酸
銅溶液として装置外部に移送される。この硫酸銅溶液
は、電気分解により銅を金属板に電析させ金属銅として
回収し、遊離硫酸の多くなった電解液を上記の硫酸銅母
液として再使用することができる。もちろん、上記の硫
酸銅溶液に硫酸を加えて冷却し、晶析により硫酸銅5水
塩として銅を回収することもでき、この硫酸銅5水塩を
濾過(または分離)した濾液を硫酸銅母液として再使用
することができる。
【0087】この逆抽出部60においても、上述のよう
に、循環ポンプP3、P4の単位時間流量が溶媒供給装
置10の単位時間供給量の約2倍に設定されているの
で、逆抽出部60の混合装置61A、61Bには、硫酸
銅母液と循環液との混合液と溶媒とが常にほぼ1:1の
混合比で流入し、かつ、水溶液供給装置70からの硫酸
銅母液供給量の変動および脈動を吸収することになり、
抽出部20と同様に流量無調整で連続運転が可能とな
る。 (4) アルカリ洗浄部90は、逆抽出部60から移送
される溶媒に微量含まれる硫酸銅母液の微粒子を中和洗
浄するとともに、酸洗浄部40からの酸洗浄廃水中の銅
抽出を行い、最終廃水の銅濃度を水質汚濁防止法の規制
値以下に抑える工程である。
【0088】アルカリ洗浄部90における溶媒の流れ
は、上述の酸洗浄部40における溶媒の流れと同じであ
る。また、洗浄液であるアンモニア水のアルカリ洗浄部
90における流れは、上述の酸洗浄部40における酸洗
浄液(希硫酸)の流れと同じである。
【0089】アルカリ洗浄部90では、図1および図6
に示されるように、溶液混合管99においてアンモニア
水と酸洗浄廃水とが循環液と混合され、その後、移送配
管L14において、逆抽出単位60Bの分離塔64Bか
ら移送されてきた溶媒と混合される。そして、上述のよ
うに、循環ポンプP5の単位時間流量が溶媒供給装置1
0の単位時間供給量の約2倍に設定されているので、ア
ルカリ洗浄部90の混合装置91には、アンモニア水と
酸洗浄廃水と循環液との混合液と溶媒とが常にほぼ1:
1の混合比で流入し、かつ、洗浄液供給装置100から
のアンモニア水供給量の変動および脈動を吸収すること
になり、抽出部20と同様に流量無調整で連続運転が可
能となる。
【0090】上記のようにアルカリ洗浄部90で中和洗
浄が行われ再生された溶媒は、溶媒貯蔵塔110を経由
して溶媒供給装置10に送られ再使用される。本発明の液−液抽出装置の他の実施形態 図8は、本発明の液−液抽出装置に使用する分離塔の他
の実施例を示す構造図である。図8において、分離塔2
4´は、タンク本体24aの上部に保持部材24eを備
え、充填材F4からなる充填材層を形成し、第1の溢流
部24bの外側に第2の溢流部24fを備え、第1の溢
流部24bと第2の溢流部24fとの間に第1の溢流部
24bと充填材層を覆うように微細孔部材24gを配設
して備えている。また、第1の溢流部24bと第2の溢
流部24fとの間には、分離水下降管24hが下方に延
設され、この分離水下降管24hの下端は、タンク本体
24a内の仕切り板25配設位置よりも下方に開口して
いる。
【0091】このような分離塔24´では、充填材F4
からなる充填材層を通過して第1の溢流部24bから溢
れ出る溶媒は、微細孔部材24gを通過して第1の溢流
部24bと第2の溢流部24fとの間の空間に溜まり、
その後、第2の溢流部24fから溢れ出して溶媒出口2
4 から移送される。そして、微細孔部材24gは、溶
媒中に混入している水溶液の微粒子を分離して凝集さ
せ、凝集し結合して大きくなった微粒子は、分離水下降
管24hを降下してタンク本体24の水溶液−溶媒境界
面よりも下方に戻される。微細孔部材24gとしては、
樹脂製等の網、布等を使用することができる。上記のよ
うな分離塔は、抽出部、酸洗浄部、逆抽出部およびアル
カリ洗浄部のいずれにおいても使用可能である。
【0092】図9は、本発明の液−液抽出装置に使用す
る予備分離管として液体サイクロンを使用した抽出単位
20Bの構造を示す図である。図9において、2段目の
反応管22Bは予備分離管としての液体サイクロン23
´に接続されている。この液体サイクロン23´の上部
は移送配管L20を介して分離塔24Aの上部流入口2
1 に接続され、移送配管L20の端部はタンク本体2
4a内に開口している。また、液体サイクロン23´の
下部は移送配管L21を介して分離塔24Aの下部流入
口2E1 ´に接続され、移送配管L21の端部はタンク
本体24a内に開口している。そして、移送配管L20
の端部開口と移送配管L21の端部開口との間に位置す
るように仕切り板25がほぼ水平に配設され、この仕切
り板25から導通管26aが上方に、導通管26bが下
方にそれぞれ延設されている。
【0093】このような抽出単位20Bでは、2段目の
反応管22Bを通過した水溶液と溶媒の混合液は、液体
サイクロン23´において上部流と下部流に2分割さ
れ、その後、仕切り板で2室に分離された分離塔24B
の各室に流入するので、分離速度を向上させることがで
きる。
【0094】上記のような液体サイクロンは、予備分離
管として抽出部、酸洗浄部、逆抽出部およびアルカリ洗
浄部のいずれにおいても使用可能である。
【0095】上述の実施形態である液−液抽出装置1で
は、抽出部20および逆抽出部60は、抽出単位を2
段、逆抽出単位を2段備えるものであり、このような液
−液抽出装置1は、再生された水溶液中の被除去成分の
残存濃度(例えば、再生されたアルカリエッチング液の
残存銅濃度)を1g/l以下まで低下させることが可能
であるが、残存銅濃度を30〜40g/lでアルカリエ
ッチング液を使用する(エッチング性能には問題がな
い)場合には、抽出部20および逆抽出部60を1段と
することができる。
【0096】図10は、抽出単位を1段とした場合の抽
出部20の構造を示す図である。図10において、抽出
部20は、混合装置21と反応管22とを接続したもの
を2本直列に接続して備え、1段目の混合装置21は移
送配管L1を介して溶媒供給装置10に接続され、2段
目の反応管22は移送配管Lを介して予備分離管23に
接続され、この予備分離管23は分離塔24に接続され
ており、さらに、分離塔24には移送配管L6を介して
循環ポンプP1が接続され、この循環ポンプP1は酸洗
浄部40の混合装置41に接続されている。また、移送
配管L1に分離塔24の循環液出口2E2 から循環配管
L3がポンプP´を介在させて接続されている。この循
環配管L3のポンプP´吸い込み側には、被除去成分を
含有する水溶液を供給するための水溶液供給装置30が
接続されている。さらに、分離塔24の水溶液出口2E
3 には、溢流部Ofを備えた移送配管Lが接続されてお
り、被除去成分が抽出除去され再生された水溶液が液−
液抽出装置1から外部へ移送されるように構成されてい
る。
【0097】本発明の液−液抽出装置は、分離性能が非
常に優れているため、酸洗浄部からの酸洗浄廃水をアル
カリ洗浄部に流入させないときは、アンモニア水の消費
がほとんどない。したがって、酸洗浄廃水を別途処理す
る場合は、アルカリ洗浄部を省略しても問題はない。こ
の場合、図1において、逆抽出単位60Bの分離塔64
Bの溶媒出口6E4 は、溶媒貯蔵塔110に接続され
る。
【0098】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)図1に示される構成の本発明の液−液抽出
装置を用いて、下記表1の条件でアルカリエッチング液
の再生処理を行った。尚、溶媒は未使用のものを使用し
た。
【0099】また、比較として、図11に示される従来
のミキサー・セトラー型の液−液抽出装置を用いて、下
記表1の条件でアルカリエッチング液の再生処理を行っ
た。尚、溶媒は未使用のものを使用した。
【0100】図11に示される従来の液−液抽出装置2
00では、溶媒貯蔵タンク201から溶媒が渦巻ポンプ
210にて抽出部220の1段目のタンク軸方向が水平
であるミキサー・セトラー型抽出装置220Aの混合部
(ミキサー)220aに送られる。このミキサー部22
0aでエッチング廃液と混合された溶媒は、分離部(セ
トラー)220bに移り重力分離され、溶媒溢流部より
溢れて2段目のミキサー・セトラー型抽出装置220B
のミキサー部220aに送られる。このよな液循環は混
合部(ミキサー)の攪拌機の吸引力を利用しているた
め、ミキサー・セトラー型抽出装置220B内の流れは
上記のミキサー・セトラー型抽出装置220A内の流れ
と同じであり、次に、溶媒はミキサー・セトラー型の酸
洗浄槽240の混合部(ミキサー)240aに送られ
る。この酸洗浄槽240で中和洗浄された溶媒は、分離
部(セトラー)240bに移り重力分離され、溶媒溢流
部より溢れて溶媒受タンク250に流れ落ちる。溶媒受
タンク250に溜った溶媒は、渦巻ポンプ251にて濾
過器(カートリッジフィルタ−)252を通して油水分
離器(コアレッサー)254で水分が除去され、溶媒貯
蔵タンク255に送られる。次いで、渦巻ポンプ256
により溶媒貯蔵タンク255から溶媒が逆抽出部260
の1段目のタンク軸方向が水平であるミキサー・セトラ
ー型抽出装置260Aの混合部(ミキサー)260aに
送られる。この混合部(ミキサー)260aで遊離硫酸
を含んだ硫酸銅水溶液(硫酸銅母液)と混合された溶媒
は、分離部(セトラー)260bに移り重力分離され、
溶媒溢流部より溢れて2段目のミキサー・セトラー型抽
出装置260Bの混合部(ミキサー)260aに送ら
れ、さらに、溶媒はミキサー・セトラー型のアルカリ洗
浄槽270の混合部(ミキサー)270aに送られる。
このアルカリ洗浄槽270で中和洗浄された溶媒は、分
離部(セトラー)270bに移り重力分離され、溶媒溢
流部より溢れて溶媒受タンク280に流れ落ちる。溶媒
受タンク280に溜った溶媒は、渦巻ポンプ281にて
濾過器(カートリッジフィルタ−)282を通して油水
分離器(コアレッサー)284で水分が除去され、溶媒
貯蔵タンク201に送られる。
【0101】エッチング廃液は、2段目のミキサー・セ
トラー型抽出装置220Bの循環配管にダイヤフラム式
定量ポンプで注入され、このときの循環液の流量は、溶
媒の流量から注入するエッチング廃液の流量を減じた流
量とし、混合部(ミキサー)220aで溶媒とエッチン
グ廃液が1:1で接触するようにした。また、分離部
(セトラー)220bで分離されたエッチング廃液は、
タンク底部に設けられた出口配管から流出して1段目の
ミキサー・セトラー型抽出装置220Aに送られ再度抽
出される。そして、1段目のミキサー・セトラー型抽出
装置220Aの溶液溢流部から再生されたエッチング液
が得られる。
【0102】
【表1】 表1に示されるように、本発明の液−液抽出装置のエッ
チング廃液の再生能力は、比較例のミキサー・セトラー
型の液−液抽出装置に比べて高く、例えば、溶媒1l当
りの銅回収量を算出して比較すると、比較例の約4.2
3g/lに対して本発明の液−液抽出装置では約8.4
4g/lと約2倍の能力を有することが確認された。こ
のことは、使用する溶媒が高価なこと、および、国内で
は消防法により危険物である溶媒の総量規制があること
からも有利である。
【0103】尚、比較例のミキサー・セトラー型の液−
液抽出装置では、タンク内の混合部(ミキサー)におけ
る混合比の変動が大きく、溶媒とエッチング廃液の混合
比を1:1に維持することが困難であった。
【0104】次に、溶媒として、従来のミキサー・セト
ラー型の液−液抽出装置において24時間稼働で約3.
5年使用した溶媒(25%LIX84I)を使用した他
は、実施例1と同様の条件で、本発明の液−液抽出装置
を用いたアルカリエッチング液の再生処理、従来のミキ
サー・セトラー型の液−液抽出装置を用いたアルカリエ
ッチング液の再生処理を行った。
【0105】そして、未使用の溶媒を用いた場合、およ
び約3.5年使用した溶媒を用いた場合について、それ
ぞれ本発明の酸洗浄部、アルカリ洗浄部の各分離塔の溢
流部、比較例の酸洗浄部、アルカリ洗浄部の各ミキサー
・セトラー型抽出装置の溢流部で採取した溶媒の水分含
有率を測定した。また、約3.5年使用した溶媒を用い
た場合のミキサー・セトラー型の液−液抽出装置におけ
る酸洗浄後の油水分離器、アルカリ洗浄後の油水分離器
を通過後で採取した溶媒の水分含有率を測定し、結果を
下記の表2に示した。尚、水分含有率の測定は、JIS
K2275原油および石油製品分析方法 蒸留法によ
り行った。
【0106】
【表2】 表2に示されるように、未使用の溶媒を用いた場合は、
本発明の液−液抽出装置と比較例のミキサー・セトラー
型の液−液抽出装置とで、溶媒中の水分含有率はほとん
ど差がみられなかった。しかし、約3.5年使用した溶
媒を用いた場合、本発明の液−液抽出装置の溢流部で採
取した溶媒の水分含有率は、比較例のミキサー・セトラ
ー型の液−液抽出装置の溢流部で採取した溶媒の水分含
有率に比べて極めて少なく、比較例のミキサー・セトラ
ー型の液−液抽出装置の油水分離器での水分除去後と同
レベルの水分含有率が達成され、本発明の液−液抽出装
置の水溶液−溶媒分離性能が極めて高いことが確認され
た。
【0107】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば抽
出部(逆抽出部)の混合装置にて水溶液と溶媒(抽出用
の水溶液と溶媒)を混合して被除去成分の溶媒への抽出
除去(被除去成分の抽出用の水溶液への抽出除去)が行
われ、このとき、分離塔の溶媒出口に接続されている循
環ポンプの単位時間流量が溶媒供給装置の単位時間供給
量の約2倍に設定されているので、混合装置に入る溶媒
と水溶液(溶媒と抽出用の水溶液)の混合比がほぼ1:
1に維持され、これにより溶媒による被除去成分の抽出
除去効率(抽出用の水溶液による被除去成分の抽出除去
効率)が極めて高くなるとともに無調整で連続運転が可
能となり、また、水溶液と溶媒(抽出用の水溶液と溶
媒)との分離を分離塔で行い、この分離塔での水溶液出
口が循環液出口よりも低く設定されているので、水溶液
(抽出用の水溶液)中に溶媒が混入することが防止さ
れ、大きな静置槽や活性炭濾過器が不要となり、また、
溶媒出口を、溶媒流れ方向下流側の分離塔流入口より高
く、該分離塔の水溶液の溢流部より低い位置に設定する
ことによって、溶媒出口は常に溶媒もしくは水溶液に満
たされた状態となり、溶媒出口から空気が吸い込まれる
ことが防止されるので、次の混合装置において水溶液の
微粒子やヘドロ状の物質が気泡と結合して溶媒中に浮遊
することがなく、溶媒中への水分の混入が極めて低いも
のとなり、油水分離器や濾過器が不要となり、一定の流
量を安定して流すことができ制御操作が簡便であるとと
もに装置の小型化が可能となる。
【0108】また、分離塔の水溶液出口に接続された移
送配管の溢流部と分離塔頂部が接続されることにより、
水溶液溢流部が常に湿潤した空気で覆われ、乾燥による
水溶液表面の結晶化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液−液抽出装置の概略構造図である。
【図2】図1に示される液−液抽出装置の溶媒供給装置
および抽出部の構造を示す図である。
【図3】分離塔のタンク本体に設けられた仕切り板の構
成例を示す図である。
【図4】図1に示される液−液抽出装置の酸洗浄部の構
造を示す図である。
【図5】図1に示される液−液抽出装置の逆抽出部の構
造を示す図である。
【図6】図1に示される液−液抽出装置のアルカリ洗浄
部の構造を示す図である。
【図7】図1に示される液−液抽出装置の溶媒貯蔵塔の
構造を示す図である。
【図8】本発明の液−液抽出装置を構成する分離塔の他
の例を示す図である。
【図9】予備分離管として液体サイクロンを使用した場
合の抽出部の構造を示す図である。
【図10】抽出単位が1段である場合の抽出部の構造を
示す図である。
【図11】従来のミキサー・セトラー型の液−液抽出装
置の一例を示す図である。
【符号の説明】 1…液−液抽出装置 10…溶媒供給装置 20…抽出部 30…水溶液供給装置 40…酸洗浄部 50…洗浄液供給装置 60…逆抽出部 70…抽出用の水溶液供給装置 90…アルカリ洗浄部 21,21A,21B,41,61A,61B,91…
混合装置 24,24A,24B,44,64A,64B,94…
分離塔 24b,44b,64b,94b…溢流部 25…仕切り板 26a,26b…導通管 2E1 ,4E1 ,6E1 ,9E1 …流入口 2E2 ,4E2 ,6E2 ,9E2 …循環液出口 2E3 ,2E3 ,2E3 ,2E3 …水溶液出口 2E4 ,2E4 ,2E4 ,2E4 …溶媒出口 P1,P2,P3,P4,P5…循環ポンプ Of,Of1 ,Of2 ,Of3 ,Of4 ,Of5 ,Of
6 …溢流部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被除去成分を含有する水溶液と該水溶液
    に対して非相溶性で比重の小さい溶媒とを混合して前記
    被除去成分を溶媒に抽出し、該溶媒に対して非相溶性で
    比重の大きい抽出用の水溶液を前記溶媒と混合して前記
    被除去成分を抽出用の水溶液に抽出するとともに、溶媒
    を循環再使用する液−液抽出に用いる液−液抽出装置に
    おいて、 溶媒供給装置と、該溶媒供給装置に接続された混合装置
    および分離塔を有する抽出部と、該抽出部の分離塔に循
    環ポンプを介して接続された混合装置および分離塔を有
    する酸洗浄部と、該酸洗浄部の分離塔に循環ポンプを介
    して接続された混合装置および分離塔を有し該分離塔を
    前記溶媒供給装置に接続した逆抽出部とを備え、 前記分離塔は軸方向がほぼ垂直であり、混合装置を通過
    した被分離液が流入するための流入口、分離塔内の液を
    混合装置に循環させるための循環液出口、分離塔内で分
    離された水溶液を外部に移送するための水溶液出口、分
    離塔内で分離された溶媒を外部に移送するための溶媒出
    口、分離塔内で分離された溶媒を分離塔内で溢流させる
    溢流部を備え、循環液出口は水溶液出口より高く流入口
    よりも低い位置に設定され、溶媒出口は流入口より高く
    溢流部より低い位置に設定され、水溶液出口には溢流部
    を備えた移送配管が接続されるとともに、抽出部、酸洗
    浄部、逆抽出部を構成する各分離塔の溶媒出口は溶媒の
    流れ方向下流側の分離塔の流入口より高く該分離塔の水
    溶液出口に接続された移送配管の溢流部より低い位置に
    設定され、 前記循環ポンプの入口側は分離塔の溶媒出口に接続さ
    れ、前記循環ポンプの単位時間流量が前記溶媒供給装置
    の単位時間供給量の2倍に設定され、 抽出部の分離塔の循環液出口と混合装置入口側とを接続
    する循環配管に水溶液供給装置が接続され、 抽出部と酸洗浄部との間に介在する循環ポンプと酸洗浄
    部の分離塔の循環液出口とを接続する循環配管に洗浄液
    供給装置が接続され、 酸洗浄部と逆抽出部との間に介在する循環ポンプと逆抽
    出部の分離塔の循環液出口とを接続する循環配管に抽出
    用の水溶液供給装置が接続されていることを特徴とする
    液−液抽出装置。
  2. 【請求項2】 前記抽出部は、混合装置および分離塔を
    有する抽出単位を複数備えるとともに、溶媒の流れ方向
    上流側の抽出単位の分離塔の溶媒出口と下流側の抽出単
    位の混合装置とが前記循環ポンプを介して接続され、 溶媒の流れ方向上流側の抽出単位の分離塔の溶媒出口と
    循環ポンプを接続する移送配管に、下流側に隣接する抽
    出単位の分離塔の循環液出口から循環配管が接続され、
    かつ、最下流の抽出単位の分離塔の循環液出口に接続さ
    れている前記循環配管に水溶液供給装置が接続され、 溶媒の流れ方向最上流の抽出単位の分離塔の循環液出口
    と、前記溶媒供給装置と混合装置を接続する移送配管と
    が、循環配管により接続され、 溶媒の流れ方向下流側の抽出単位の分離塔の水溶液出口
    と、上流側に隣接する抽出単位の混合装置入口側とが、
    溢流部を備えた移送配管により接続され、各抽出単位の
    分離塔の溶媒出口は、溶媒の流れ方向下流側の抽出単位
    の分離塔の流入口よりも高く、かつ、該分離塔に接続さ
    れている前記移送配管の溢流部より低い位置に設定され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の液−液抽出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記逆抽出部は、混合装置および分離塔
    を有する逆抽出単位を複数備えるとともに、溶媒の流れ
    方向上流側の逆抽出単位の分離塔の溶媒出口と下流側の
    逆抽出単位の混合装置とが前記循環ポンプを介して接続
    され、 溶媒の流れ方向上流側の逆抽出単位の分離塔の溶媒出口
    と循環ポンプを接続する移送配管に、下流側に隣接する
    逆抽出単位の分離塔の循環液出口から循環配管が接続さ
    れ、かつ、最下流の逆抽出単位の分離塔の循環液出口に
    接続されている前記循環配管に抽出用の水溶液供給装置
    が接続され、 溶媒の流れ方向最上流の逆抽出単位の分離塔の循環液出
    口と、酸洗浄部と逆抽出部との間に介在する循環ポンプ
    の入口側とが、循環配管により接続され、 溶媒の流れ方向下流側の逆抽出単位の分離塔の水溶液出
    口と、上流側に隣接する逆抽出単位の混合装置入口側と
    が、溢流部を備えた移送配管により接続され、各逆抽出
    単位の分離塔の溶媒出口は、溶媒の流れ方向下流側の逆
    抽出単位の分離塔の流入口よりも高く、かつ、該分離塔
    に接続されている前記移送配管の溢流部より低い位置に
    設定されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の液−液抽出装置。
  4. 【請求項4】 逆抽出部と水溶液供給手段との間に、逆
    抽出部の分離塔に循環ポンプを介して接続された混合装
    置および分離塔を有するアルカリ洗浄部を備え、 前記分離塔は軸方向がほぼ垂直であり、混合装置を通過
    した被分離液が流入するための流入口、分離塔内の液を
    混合装置に循環させるための循環液出口、分離塔内で分
    離された水溶液を外部に移送するための水溶液出口、分
    離塔内で分離された溶媒を外部に移送するための溶媒出
    口、分離塔内で分離された溶媒を分離塔内で溢流させる
    溢流部を備え、循環液出口は水溶液出口より高く流入口
    よりも低い位置に設定され、溶媒出口は流入口より高く
    溢流部より低い位置に設定され、 前記循環ポンプの入口側は逆抽出部の分離塔の溶媒出口
    に接続され、前記循環ポンプの単位時間流量が前記溶媒
    供給装置の単位時間供給量の2倍に設定され、 逆抽出部とアルカリ洗浄部との間に介在する循環ポンプ
    とアルカリ洗浄部の分離塔の循環液出口とを接続する循
    環配管に洗浄液供給装置が接続され、 アルカリ洗浄部の分離塔の水溶液出口には溢流部を備え
    た移送配管が接続され、 前記酸洗浄部の分離塔の水溶液出口とアルカリ洗浄部の
    前記循環配管とが溢流部を備えた移送配管により接続さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載の液−液抽出装置。
  5. 【請求項5】 分離塔は、流入口の近傍にほぼ水平に配
    設された仕切り板と、該仕切り板から上方に延設された
    導通管と、前記仕切り板から下方に延設された導通管と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載の液−液抽出装置。
  6. 【請求項6】 分離塔の前記水溶液出口に接続された前
    記移送配管の溢流部の分離塔の底部からの高さは、分離
    塔内の水溶液の高さに水溶液の比重を乗じた値と、分離
    塔内の溶媒の高さに溶媒の比重を乗じた値を加え、これ
    を水溶液の比重で除した高さであり、かつ、上記溢流部
    と分離塔頂部が接続されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載の液−液抽出装置。
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