JP3223034B2 - 金属の除去加工方法 - Google Patents

金属の除去加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属の除去加工方法に関
する。更に詳細には、本発明は、10-3mmオーダの精
密加工に好適な、細菌を用いる金属の加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属の精密除去加工方法として従来から
実施されている方法には、その用いられるエネルギーの
種類によって、物理的加工方法と化学的加工方法とがあ
る。
【0003】物理的加工方法には、切削加工、研磨加
工、放電加工、レーザ加工などがある。材料の表面に例
えば、10-3mmオーダの溝加工あるいは板厚が1mm
以下の薄板に微細な穴やスリットを加工する場合には、
放電加工、レーザ加工などが用いられている。しかし、
これらの方法では、いずれも加工点に熱影響、塑性流
動、マイクロクラックなどの加工変質層が発生するとい
う問題点がある。また、微小な加工ツールによる切断、
研磨加工で上記の精密加工が可能になったとしても、や
はり加工点付近に、加工に伴う残留応力に基づく変質層
が発生することは避けられない。
【0004】次に、化学的な加工方法では、エッチング
加工が代表的である。この方法は、所望のパターンを得
るために、エッチングに対する保護膜(レジストと呼ば
れる高分子膜)によるパターンを形成し、不必要な部分
(保護膜の無い部分)の金属を化学的に食刻加工(エッ
チング)することからなる。エッチング方法は、溶液を
用いるウエットエッチング法と気体を用いるドライエッ
チング法とがある。エッチング方法によれば、物理的加
工方法と異なり、加工点に変質層が発生することは無
い。
【0005】ウエットエッチング法は、(1) エッチング
速度の材料選択性が大きい、(2) 処理能力(スループッ
ト)が大きい、(3) 装置が安価である、などの利点があ
り、〜3μm程度まの微細パターン加工に用いられてい
る。しかし、ウエットエッチング法には、(イ) 消耗およ
び蒸発によりエッチング液組成が変化する、(ロ) 下地基
板段差部でパターンにくびれが生じる、(ハ) エッチング
に伴って気泡が発生し、局部的にエッチング不良が発生
する、(ニ) ホトレジストとその下地との密着性が悪い
と、サイドエッチングが強く起き、最悪の場合レジスト
が剥がれてしまう、(ホ) エッチング廃液の処理が非常に
面倒である、などの欠点があり、高精度の微細パターン
形成には限界がある。
【0006】ドライエッチング法はウエットエッチング
法よりも高精度なエッチング加工が可能である。ドライ
エッチング法は、導入ガスに高周波電界を印加して発生
させたプラズマ中の活性粒子の化学反応のみを利用した
反応性プラズマエッチングと、電界により加速されたイ
オンによるスパッタ作用のみを利用した無反応性イオン
エッチングと、化学反応とスパッタ作用の両方を利用し
た反応性スパッタエッチングとに分けられる。反応性プ
ラズマエッチングは、材料によるエッチング速度差が大
きくでるが、エッチングは等方的である。これに対し、
無反応性イオンエッチングは材料によりエッチング速度
差を大きくできないが、エッチングは方向性(異方性)
を持つ。両者の中間にある反応性スパッタエッチングは
材料による速度差(選択性)があり、しかも、異方性を
持つので、極微細加工に適する。しかし、これらのドラ
イエッチング法はいずれも高価な高真空エッチング処理
装置を必要とし、処理能力(スループット)が低いとい
う欠点がある。更に、イオン衝撃により損傷が発生しや
すく、スパッタによってたたき出された物質がその近傍
に再付着するなどの欠点も有する。
【0007】また、前記の物理的な加工方法および化学
的な加工方法では、それぞれ材料の分子間結合力を断っ
て、材料の所望の除去を行うエネルギーを人為的に加工
点に加えなければならないという本質的な問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、加工に必要なエネルギーで人為的な部分を極力少な
くし、高価な装置を必要とせず、加工変質層および廃液
問題を生じない、新規な金属の精密除去加工方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明では、無機物を酸化する際のエネルギーで空
気中の二酸化炭素を固定して生育する独立栄養細菌を含
有する培養液中に、被加工金属片を浸漬し、該金属片に
電圧を印加しながら、前記細菌の活動により、金属の除
去を行うことを特徴とする金属の除去加工方法を提供す
る。
【0010】
【作用】生物を生命活動に必要なエネルギー源および生
物体を構成する炭素源という観点から分類すると、従属
栄養生物と独立栄養生物に大別される。従属栄養生物は
炭素源を他の有機物から取り入れるものであり、動物や
多くの細菌類がこの中に入る。独立栄養生物は空気中の
二酸化炭素を直接取り込んで利用する生物であり、植
物、クロレラ、ラン藻類がこの中に入る。一方、エネル
ギー源からみると、従属栄養生物は有機物を利用してい
る化学従属栄養生物と、光を利用している光従属栄養生
物とに分けられる。これに対し、独立栄養生物は、無機
物を利用している化学独立栄養生物と、光を利用してい
る光独立栄養生物とに分類される。
【0011】このうち、化学独立栄養生物の中には、金
属を“食べる”特殊な細菌がいる。例えば、鉄酸化細菌
のチオバチルスフェロオキシダンス(Thiobacillus ferr
ooxidans) や硫黄酸化細菌のチオバチルスチオオキシダ
ンス(Thiobacillus thiooxidans)(アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(ATCC),カタログ・
オブ・バクテリア・アンド・ファージズ,第17版(1
989),250〜251頁参照)の仲間である。これ
らの細菌は鉄や硫黄を酸化するときに発生するエネルギ
ーを利用して空気中の二酸化炭素を固定して生息してい
る。
【0012】例えば、チオバチルスフェロオキシダンス
は以下のような形で二価の鉄の酸化反応を促進し、エネ
ルギーを得ていると言われている。 4Fe2++O2 +4H+ → 4Fe3++2H2 O この反応においては、1モルのFe2+あたり約8キロカ
ロリのエネルギーが発生する。
【0013】このような鉄を“食べる”細菌の産業への
応用としては、例えば、チオバチルスフェロオキシダン
スの低品位鉱へのバクテリアリーチングの可能性が検討
されており(高橋武重および甲斐敬美,“バクテリアリ
ーチングの現状と展望”,バイオインダストリー,5−
11(1988),789頁参照)、特に銅とウランに
対してはかなりの研究が行われている(富塚登,“細菌
によるウラン鉱のインプレース・リーチング”,化学と
生物,14−715(1977)参照)。
【0014】本発明は上記のチオバチルスフェロオキシ
ダンスに代表される独立栄養生物を加工のツールとして
金属の除去加工を行おうとするものである。例えば、チ
オバチルスフェロオキシダンスは、概略寸法が直径0.
5μm、長さ1.0μmというように数μm以下の短捍
菌であり、加工単位が小さいために微細加工が可能なこ
とは勿論、細菌の生命活動としての働きを利用するもの
であるから、通常の加工方法のように加工点に物理的エ
ネルギーや化学的エネルギーを人為的に加える必要がな
く、無機物の酸化で得られるエネルギーにより生存する
生命体を直接利用するので省エネルギーな加工法であ
り、加工に伴う変質層が存在しないこと、エッチング液
のような有害物質の取り扱いが不要なので安全な加工法
であるばかりか、高価な装置を必要としないので経済的
な加工法となるなどの利点がある。
【0015】本発明で使用される独立栄養細菌の一種で
あるチオバチルスフェロオキシダンスは主に鉱山などの
酸性の液中に生育しており、ATCCには現在7種類が
登録されている。具体的には、ATCC13598,1
3661,14119,19859,21834,23
270および33020株が登録されている。また、チ
オバチルスフェロオキシダンスの菌株は誰でもATCC
から分譲を受けることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の方法を更
に詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の方法を実施するのに使用さ
れる装置の模式的断面図である。図中の符号1は加工
槽、2はチオバチルスフェロオキシダンスを含む培養液
である。培養液としては9K培地と呼ばれるものを使用
できる。9K培地の組成は、例えば、(NH42 SO
4 30グラム,K2 HPO4 5グラム,MgSO4 5グ
ラム,KCl1グラム,Ca(NO32 0.1グラ
ム,脱イオン水10リットルからなり、H2 SO4 でp
H2.5に調整し、更にFeSO4 を3%添加してあ
る。培養液は例えば、使用する菌株5vol %を9K培地
に添加し、28℃の恒温室で約1週間震盪培養し、その
後、濾過することにより得られる。この濾液は約108
個/mlのチオバチルスフェロオキシダンスを含有して
いる。
【0018】図1において、符号4は被加工物であり、
符号3は加工槽1を載せた振盪器であり、本実施例では
図の左右方向および紙面に垂直な方向の2方向に同時に
振盪する。振盪の目的は培養液2中の細菌が被加工物4
の特定箇所に集まってコロニーを作ってしまわないよう
にするためである。本実施例では、そのため加工槽1の
全体を約160rpmで振盪させている。実際、振盪回
転数を増加させると加工速度が増大し、160rpm付
近で一定の加工速度となる。
【0019】図2は被加工物4の加工前の状態の模式的
断面図である。被加工物4は例えば、鉄、銅、アルミ、
ジュラルミン、ステンレス、シリコン、ウラン、マンガ
ン、ビスマス、亜鉛およびモリブデンなどの金属素材で
あり、純金属あるいは合金の何れであってもよい。被加
工物4の形状は特に限定されない、矩形、円形、三角
形、多角形などの平板状素材の他、球、円柱あるいは立
方体などの立体形状素材も可能である。同様に、被加工
物4の厚さおよびサイズも特に限定されない。所望の厚
さおよびサイズを有する被加工物を適宜選択することが
できる。
【0020】また、被加工物4は、金属除去加工を希望
する露出部分11以外の部分にホトレジストパターン膜
10を有する。このようなホトレジストパターン膜は当
業者に周知の方法により形成できる。例えば、被加工物
上にホトレジスト膜を塗布し、ホトマスクを利用してパ
ターン露光し、その後現像することにより所望のパター
ンを有するホトレジストパターン膜を形成することがで
きる。本実施例では、厚さ3mmで縦、横とも10mm
のテストピースの表面に、中央1mm幅の被加工部分1
1を残し、厚さ3μmのホトレジストパターン膜10を
形成した。このホトレジストパターン膜は使用されるチ
オバチルスフェロオキシダンスおよび培養液に対して不
活性であるばかりか、これらによって如何なる攻撃ある
いは溶解などの作用を受けない。また、保護膜はホトレ
ジストに限らず、チオバチルスフェロオキシダンスの金
属除去作用を阻止する能力があるものは全て使用でき
る。例えば、保護テープなども好適に使用できる。別法
として、保護膜を全く設けないで除去加工を行うことも
できる。
【0021】図1を参照する。図において、符号5は被
加工物4に対向して設けられた電極、6は直流電源であ
る。電源6は配線7,8により被加工物4側が正、電極
5側が負になるように結線されている。電極5には被加
工物4と同一のテストピースを使用した。電極5と被加
工物4とは、間隔を10mmに設定し、エッチング面と
非絶縁面とが丁度向かい合わせになるようにセットして
ある。また、図中の符号9は温調器である。チオバチル
スフェロオキシダンスは30℃〜40℃付近で最もよく
活動すると言われており、被加工物の素材(例えば、
鉄、銅、アルミなど)および使用する細菌の種類に応じ
た最適培養液温度を予め実験により決定しておき、温調
器9で加工槽1内の培養液の温度をコントロールするこ
とが好ましい。別法として、温調器9を使用しない代わ
りに、加工槽1全体を適当な恒温槽内に配置して培養液
の温調を行うこともできる。
【0022】図3はチオバチルスフェロオキシダンス
(ATCC13598)による加工温度と平均加工速度
の関係を示す特性図である。振盪速度160rpmで9
K培地内で純鉄および純銅を用いて除去加工を行った。
図より明らかなように、純鉄と純銅とでは変化の形態が
若干異なっている。被加工物の素材が純鉄の場合、40
℃付近で加工速度が最大になり、純銅の場合は30℃付
近で加工速度が最大になることが確認された。純銅の場
合は曲線の変化が明瞭であるが、純鉄の場合は曲線の変
化は緩慢である。被加工物が純鉄の場合、温度と共に増
加する未解明の別の要因による相乗的な作用によりこの
ような変化形態をとるものと思われる。
【0023】図1の装置により、細菌として、チオバチ
ルスフェロオキシダンス(ATCC13598)を使用
し、培養液温度28℃、振盪速度160rpmの条件
で、電位差0.5ボルトを加えて純銅および純鉄を加工
した。被加工物と電極との間隔が10mmであり、印加
電圧が0.5ボルトなので、電界強度Eは50V/mに
なる。電流は電解現象の影響を少なくするために0.0
1アンペアとした。
【0024】結果を図4に示す。図4(a)が純銅の場
合、図4(b)が純鉄の場合である。図中、破線(□印
のプロット)は電界を加えない場合の加工結果を示す。
図より明らかなように、電界を加えると、陽極側(○印
のプロット)は、電界を加えない場合の約2倍の加工速
度となっている。また、陰極側(●印のプロット)は殆
ど加工されていない。一方、細菌の存在しない状態で同
じ電圧を印加すると、△印のプロットで示すように僅か
に加工がなされる。これは電解研磨と同様の現象であ
る。特に純鉄の場合には、細菌を含まない場合の陰極側
の電極には▲印のプロットで示すように一種の電着現象
による金属の付着が観察された。また、図4(a)およ
び(b)から明らかなように、細菌の存在する培養液に
電界を加えると、溝の加工量は加工時間にほぼ比例して
増加している。
【0025】図4(a)および(b)において、細菌の
いない状態での電解研磨現象による加工量が、図中のa
で示す量、電界を加えない細菌の活動のみによる加工量
が図中のbで示す量である。もし単純な加法法則が成立
するのであれば、電界を加えたことによる加工量は(a
+b)となるはずであるが、結果は図中のcで示すよう
に、(a+b)を大幅に超越する加工量となっている。
この事実は、細菌による加工において、電界をかけるこ
とによって、何らかの相乗的な効果が生み出されたこと
を意味している。
【0026】同様な加工試験をチオバチルスフェロオキ
シダンスATCC13661株およびチオバチルスフェ
ロオキシダンスATCC33020株を用いて行った
が、チオバチルスフェロオキシダンスATCC1359
8株とほぼ同様な加工能力を有することが確認できた。
従って、細菌の種類による加工能力差は殆どないものと
思われる。
【0027】図5に加工された純銅の溝の断面形状を示
す。溝の形状は触針式表面検査機で測定した。図から明
らかなように、被加工物はほぼ一様な深さに加工されて
いる。従って、本発明の方法によれば、従来のドライエ
ッチングと同じ加工が可能である。被加工物の厚さに応
じて、加工時間を適当に調節することにより、被加工物
に貫通孔を形成したり、溝を形成したりすることができ
る。貫通孔の内径あるいは溝の幅や長さは用途に応じて
適宜選択することができる。
【0028】図6はチオバチルスフェロオキシダンス
(ATCC13598)により鉄を加工する際の、印加
電圧と平均加工速度の関係を示す特性図である。温度2
8℃、振盪速度160rpmで9K培地内で鉄を用いて
除去加工を行った。図中、○は菌を入れた培養液で鉄に
+電圧を印加した例であり、●は菌を入れた培養液で鉄
に−電圧を印加した例であり、△は菌を入れない培養液
だけで鉄に+電圧を印加した例であり、▲は菌を入れな
い培養液だけで鉄に−電圧を印加した例である。各電圧
で10時間加工し、その平均値を平均加工速度として示
した。図6に示された結果から明らかなように、菌を入
れた培養液で鉄に+電圧を印加する場合、約+0.1ボ
ルト付近から平均加工速度に対する電圧印加効果がはっ
きりと現れ、約+0.7ボルト付近まで増大し続ける。
しかし、点線で示される菌を含有しない培養液でも約+
0.5ボルトを超えるあたりから平均加工速度が急増す
る。これは培養液が酸性なので電解作用が働き出したも
のと思われる。電解作用により金属が加工されると、加
工精度が低下するばかりか、廃液処理が厄介になる。ま
た、加工液の温度が上昇し、加工点で気泡が発生するな
どの問題が生じるので好ましくない。従って、純鉄など
の鉄系金属の場合、最も好ましい印加電圧は+0.5ボ
ルト付近の電圧である。また、●で示されるように、鉄
に−電圧を印加すると平均加工速度は低下する。
【0029】図7はチオバチルスフェロオキシダンス
(ATCC13598)により銅を加工する際の、印加
電圧と平均加工速度の関係を示す特性図である。温度2
8℃、振盪速度160rpmで9K培地内で鉄を用いて
除去加工を行った。図中、○は菌を入れた培養液で銅に
+電圧を印加した例であり、●は菌を入れた培養液で銅
に−電圧を印加した例であり、△は菌を入れない培養液
だけで銅に+電圧を印加した例であり、▲は菌を入れな
い培養液だけで銅に−電圧を印加した例である。各電圧
で10時間加工し、その平均値を平均加工速度として示
した。図7に示された結果から明らかなように、菌を入
れた培養液で鉄に+電圧を印加する場合、約+0.1ボ
ルト付近から平均加工速度に対する電圧印加効果がはっ
きりと現れ、約+0.3ボルト〜+0.7ボルトの範囲
内では平均加工速度は殆ど変化しない。一方、点線で示
される菌を含有しない培養液でも約+0.3ボルトを超
えるあたりから平均加工速度が徐々に増大し始める。従
って、純銅などの銅系金属の場合、最も好ましい印加電
圧は+0.3ボルト付近の電圧である。また、●で示さ
れるように、銅に−電圧を印加する場合も平均加工速度
は低下する。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、電界をかけながらチオバチルスフェロオキシダン
スなどのような独立栄養細菌を用いることにより、金属
の除去加工を短時間で行うことができる。本発明の方法
による金属の除去加工深さは加工時間にほぼ比例し、エ
ッチングと同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに使用される装置の
一例の模式的断面図である。
【図2】本発明の方法で金属除去加工される被加工物の
一例の模式的断面図である。
【図3】本発明の方法で使用されるチオバチルスフェロ
オキシダンス13598株による加工温度と平均加工速
度との関係を示す特性図である。
【図4】(a)は純銅の被加工物に電圧(0.5ボル
ト)を印加した場合の加工量と経過時間の関係を示す特
性図である。(b)は純鉄の被加工物に電圧(0.5ボ
ルト)を印加した場合の加工量と経過時間の関係を示す
特性図である。
【図5】本発明の方法で生成された銅の加工面の断面形
状を示す測定図である。
【図6】チオバチルスフェロオキシダンス(ATCC1
3598)により鉄を加工する際の、印加電圧と平均加
工速度の関係を示す特性図である。
【図7】チオバチルスフェロオキシダンス(ATCC1
3598)により銅を加工する際の、印加電圧と平均加
工速度の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 加工槽 2 培養液 3 振盪器 4 被加工物 5 電極 6 直流電源 7 配線 8 配線 9 温調器 10 ホトレジストパターン膜 11 金属露出部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25F 3/00 C12S 13/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物を酸化する際のエネルギーで空気
    中の二酸化炭素を固定して生育する独立栄養細菌を含有
    する培養液中に、被加工金属片を浸漬し、該金属片に電
    圧を印加しながら、前記細菌の活動により、金属の除去
    を行うことを特徴とする金属の除去加工方法。
  2. 【請求項2】 前記細菌はチオバチルスフェロオキシダ
    ンスである請求項1の金属の除去加工方法。
  3. 【請求項3】 被加工金属片が陽極、他の電極が陰極と
    なるように電圧を印加する請求項1の金属の除去加工方
    法。
  4. 【請求項4】 被加工金属片に+0.1ボルト〜+0.
    7ボルトの範囲内の電圧を印加する請求項3の金属の除
    去加工方法。
  5. 【請求項5】 被加工金属片が鉄系金属であり、印加電
    圧が+0.5ボルトである請求項4の金属の除去加工方
    法。
  6. 【請求項6】 被加工金属片が銅系金属であり、印加電
    圧が+0.3ボルトである請求項4の金属の除去加工方
    法。
  7. 【請求項7】 無機物を酸化する際のエネルギーで空気
    中の二酸化炭素を固定して生育する独立栄養細菌を含有
    する培養液中に、少なくとも一方の表面に所望のホトレ
    ジストパターン膜が形成されている被加工金属片を浸漬
    し、該金属片に電圧を印加しながら、前記細菌の活動に
    より、前記ホトレジストパターン膜で被覆されていない
    露出部分の金属の除去を行うことを特徴とする請求項1
    の金属の除去加工方法。
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