JP3220842B2 - 被服スタイル作画法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は被服スタイルを作
画する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、被服スタイルは被服デザイナ−が
個人の感性に従って、フリ−ハンドで描いていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
服飾デザイナ−が個々の感性に従ってスタイル画を描く
ため、それを生産ラインにのせて、製造する場合、次の
工程であるパタンナ−の技量によるところが大きく、個
々人の経験や感覚に委ねる結果となっていた。つまり、
従来のスタイル画は、イラスト表現としては有効である
が、それを製造しようとすると適切でない点が多い。

【０００４】

【発明を解決するための手段】この発明は、このような
従来の問題点に対応して発明したもので、十分機能表現
のできる被服スタイル画を提供することを目的としてい
る。この目的を達成するためには、この発明は、スタイ
ル画に期待される表現機能を詳細に分析した結果、被服
を徹底的に分解して、単一機能の要素部品を抽出できる
ことを発見した。さらに、これらを組み立てることによ
ってスタイル画が表現しようとしている機能を十分表現
できるスタイル画を作成できることを発見した。また、
単一機能の部品はかなりの数になることから、整理分類
し、索引便覧出来るようにした。

【０００５】

【発明の実施の形態】単一機能として独立した被服スタ
イルの部品（パ−ツ）は、パ−ツ１７種類，サブパ−ツ
４種類，ディティ−ル１６９種類に分け、いずれも規格
化，機能化され、客観的な形として収納されている。こ
の作業は、コンピュ−タグラフィックスを利用してでき
ると同時に、デザイナ−の要望に従って、追加，修正も
可能である。

【０００６】

【実施例】表・図面において説明する。

【０００７】

【表１】

【０００８】被服デザインを表現するには、そのスタイ
ル画をデザイナ−が描く。その作業をシステム化するこ
とによって、容易にデザインされる。被服スタイルを上
衣から下衣に従って部品（パ−ツ）別に分類する。

【０００９】この分類は、表１に示すように、パ−ツと
して衿，袖，袖口，身頃，ラペル，ヨ−ク，ペプラム，
打ち合い，スカ−ト，ヘム，パンツ，ワンピ−ス，コ−
ト，ケ−プ，ポケット，ジョイント，帽子，靴，その他
の１７種類に分けており、その中の衿と袖はサブパ−ツ
としてそれぞれ衿なしと衿あり，袖なしと袖ありの４種
類に分けている。

【００１０】又、これらのパ−ツは、例えばディティ−
ルとして、衿の衿なしが３種類，衿の衿ありが２２種
類，袖の袖なしが４種類，袖の袖ありが２９種類，袖口
が３種類，身頃が１２種類，ラペル ヨ−ク ペプラム
が４種類，打ち合いが５種類，スカ−トが４１種類，ヘ
ムが３種類，パンツが２１種類，ワンピ−スが９種類，
コ−トが５種類，ポケットが５種類，ジョイントが３種
類の全部で１６９種類に分類している。

【００１１】そして、その分類された部品（パ−ツ）を
基に人体を参考にした基準線に従って被服スタイルの部
品（パ−ツ）を配置，合成して、デザインを描く。

【００１２】上記コンピュ−タグラフィックスを利用し
て作画する状態を図１〜図５に示す。先ず基準線（ａ，
ｂ，ｃ，ｄ，ｅ）上に上記分類から衿部分を選んで作画
する（図１）。次に基準線上に前身頃を作画する（図
２）。更に基準線上に袖と後身頃を作画する（図３）。
これによって各パ−ツが組み合わされた前身頃全体が作
画される（図４）。この前身頃全体の作画より上記基準
線と余分な線を消してスタイル画を完成する（図５）。

【００１３】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、機能分析により得られた単一機能要素の部品の組
み合わせからなるスタイル画を使用することによって、
従来の描ける人のみのデザイン創作や制作する際のスタ
イル画の理解（スタイル画と製図）の齟齬により引き起
こしていた問題点を解決できる。さらに被服構成におけ
るコンピュ−タ化を推進させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】基準線を引き、衿部分を作画した衿部分の平面
図である。

【図２】前身頃を組み合わせた状態の前身頃の平面図で
ある。

【図３】袖と後身頃を組み合わせる状態の袖・後身頃の
平面図である。

【図４】前身頃全体を組み合わせた状態の平面図であ
る。

【図５】基準線と余分な線を消した状態を示す前身頃全
体のスタイル画の完成図である。

【符号の説明】

ａ ・・・肩線 ｂ ・・・バストライン ｃ ・・・ウエストライン ｄ ・・・ヒップライン ｅ ・・・中心線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−26408（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−292675（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−289106（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−76648（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−243112（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−26407（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−108763（ＪＰ，Ａ) 実公 平２−22737（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭56−16320（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭51−29147（ＪＰ，Ｙ１) 石川欣造監修「新アパレル工学事典」 （平６−８−20）繊維流通研究会ｐ. 317〜328，ｐ．257〜301，ｐ．225〜238

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンピュ−タグラフィックスを用いて、
   被服スタイルを衿，袖，袖口，身頃，ラペル，ヨ−ク，
   ペプラム，打ち合い，スカ−ト，ヘム，パンツ，ワンピ
   −ス，コ−ト，ケ−プ，ポケット，ジョイント，帽子，
   靴，その他の部品（パ−ツ）別に分類し、一方人体を参
   考にした基準線を画面上に設け、この基準線は肩線ａ，
   バストラインｂ，ウエストラインｃ，ヒップラインｄ及
   び中心線ｅを有し、この基準線上に上記部品（パ−ツ）
   を組み合わせ、その基準線と余分な線を消して被服スタ
   イルを描く被服スタイル作画法。