JP3219897U - 送風装置用フィルタ - Google Patents

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研 内河
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株式会社エスティジェイ
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Abstract

【課題】簡単な構造で取扱い性に優れ、脱臭及び塵埃除去を可能とし、工場等に於ける作業環境の向上を図れ、また回転羽根の手入れが簡単で取扱い性に優れ、安価で経済性に優れ且つ実用的な送風装置用フィルタを提供する。
【解決手段】溶剤を添着させたシート状の繊維素材を円筒状に形成した送風装置用フィルタ100をその両端開口縁部110a,110bに弾性体を設け、送風装置の回転羽根を囲繞するファンガードに対して、ファンガードの背面側全体及び前面側の外周部を覆うように着脱自在に装着可能とした。
【選択図】図1

Description

本考案は、空気中に含まれる臭気成分や微細な塵埃を取り除く送風装置用フィルタに関し、特に切削機械が設置された工場等に於いて古くなった切削油やクーラントに起因する悪臭・オイルミストや工場等内に浮遊する塵埃を除去するための送風装置用フィルタに関する。
従来、切削機械等が設置された工場に於いては、工場内の換気や通気を良くするために例えば業務用の送風装置が置かれている。送風装置には色々な種類があるものの、家庭用の扇風機を大型化したような回転羽根方式のものが広く用いられている。
この回転羽根方式のものにあっては、駆動時に大きな風の流れが生じるので、工場内に浮遊する塵埃や臭気並びにオイルミストは風下側へ流され、風下側で作業等をしている者に悪影響を与える虞があった。このような悪影響を防止・軽減するため、作業者等が防塵マスクやメガネを着用したり、或いは送風装置に防塵フィルタや消臭フィルタを取付けて対処していた。
下記特許文献1には、使用中にファン駆動部に扇風機周囲の埃等が直接吸い込まれるようなことがなくメンテナンス性とデザイン性に優れた送風装置用フィルタが開示されている。このものにあっては、送風装置たる扇風機の支柱部周囲に配置される切込み状の支柱取付部を備え、その袋状の開口縁がファンガードの外周縁にフィルタ係止部材を介して背面側から係止され、ファンガードの背面側に膨出してファン駆動部を含む所定容積の清浄空間を形成させてある。これにより、ファンガードのサイズにかかわらず高い集塵効果が得られるとともに、扇風機使用中にファン駆動部に埃などが直接吸い込まれることがなく、メンテナンス性に優れ、その取付けが容易で使用中の外観も良好であることを謳ったものである。
下記特許文献2には、送風をフィルタ後方へ吹き抜けさせて羽根付近で空気を滞留させることなく順次空気清浄を行ない、且つ送風中に浮遊する塵埃を吹き抜けさせずに効率よく捕集する扇風機用集塵フィルタが開示されている。
下記特許文献3には、空気に含まれる臭気成分やたばこ臭、ノネナール臭を取り除くことができ、扇風機から清浄な空気を送気することができる扇風機用の脱臭リングが開示されている。この脱臭リングは、空気に含まれる臭気成分を吸着する活性炭とバインダーとを混合した混合物を薄板状に成形することから作られ、内周縁部及び外周縁部と、内周縁部に囲繞されて扇風機の螺子パイプに挿脱可能に挿入する中央開口と、ハニカム形状に成形されて内周縁部から外周縁部に向かって径方向へ一連に並ぶ複数の多孔質ハニカム枠と、それらハニカム枠に囲繞されて内周縁部から外周縁部に向かって径方向へ一連に並ぶ複数の通気孔とを有し、扇風機の後方羽根ガードとガード締付ナットとの間に着脱可能に取り付けられるものである。
下記特許文献4には、送風機に消臭及び殺菌機能を備えた空気清浄器が開示されている。このものは、送風機の空気吸込口または排出口のどちらか一方または両方に殺菌剤含浸フィルタを設け、送風機の空気吸込口または排出口のどちらか一方に活性炭シートを設け、殺菌剤含浸フィルタに、殺菌剤と不揮発性の液体とを含む殺菌液を含浸させるように構成してある。これにより、送風機の空気吸込口または排出口のどちらか一方または両方に不織布及び活性炭シートを設けるのみで、装置内に吸い込まれる空気の消臭及び除菌を行うようにしたものである。
下記特許文献5には、空気に含まれる臭気成分やたばこ臭、ノネナール臭を取り除くことができる扇風機用脱臭具が開示されている。このものは、空気に含まれる臭いを除去する所定面積の脱臭フィルタと、脱臭フィルタを支持する支持フレームとから形成されており、脱臭フィルタの第1側方エリアと第2側方エリアとの間には、支持フレームの内側フレームに囲繞されてモーターケースが位置するスペースが画成され、脱臭フィルタの上方エリアに延びる内側フレームには、モーターケースに着脱可能に固着されるメカニカルファスナが取り付けられているものである。
実用新案登録第3180264号公報 特許第3789418号公報 特開2015−29876号公報 特開2016−2085号公報 特開2016−98699号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたものは、集塵機能に着目したものであり、脱臭機能は考慮されてない。また、フィルタが背面側に膨出する特殊な構造であり、そのためのスペースを要すものである。
特許文献2に開示されたものは、同様に集塵機能に着目したものであり、脱臭機能は考慮されてない。また、フィルタを前面側へ膨出する特殊な構造であり、そのためのスペースを要すものである。
特許文献3に開示されたものは、消臭機能に着目したものであり、浮遊する塵埃の除去は考慮されていない。また、特殊な構造を呈しており取扱い性に難があるものである。さらには、回転羽根の汚れ防止については、全く考慮されてないものである。
特許文献4に開示されたものは、集塵及び消臭機能を考慮したものではあるが、特殊な構造となっており、使い勝手の面で難があるものである。また、回転羽根の汚れ防止については、全く考慮されてないものである。
特許文献5に開示されたものは、脱臭機能に着目したものであり、集塵機能については考慮されておらず、塵埃で目詰まりして機能低下を招く虞もある。また、特殊な構造となっており、使い勝手の面で難があるものである。さらには、回転羽根の汚れ防止については、全く考慮されてないものである。
本考案は、上記事情を考慮してなされたもので、簡単な構造で取扱い性に優れ、脱臭及び塵埃の除去を可能とし、工場等に於ける作業環境の向上を図れる送風装置用フィルタを提供することを目的とする。
また、本考案は、回転羽根の手入れが簡単で取扱い性に優れる送風装置用フィルタを提供することを目的とする。
さらに、本考案は、安価で経済性に優れ且つ実用的な送風装置用フィルタを提供することを目的とする。
本考案は、上記目的を達成するために以下の通りの構成とすることを特徴とする。
(1) 脱臭機能及び集塵機能を有するシート状の繊維素材を円筒状に形成するともにその両端開口縁部に弾性体を設け、送風装置の回転羽根を囲繞するファンガードに対して、このファンガードの背面側全体及び前面側の外周部を覆うよう上記弾性体を介して着脱自在に装着可能とする構成としたことを特徴とする。
(2) 上記(1)の構成にあって、上記シート状の繊維素材には溶剤を添着させたことを特徴とする。
(3) 上記(2)の構成にあって、上記溶剤はアルカリ性溶剤または酸性溶剤であることを特徴とする。
(4) 上記(1)、(2)または(3)の構成にあって、上記弾性体は平ゴムであり、上記開口縁部全周にわたって設けられる構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、簡単な構成・構造で取扱い性に優れ、脱臭効果及び塵埃除去効果を期待できるので、工場等に於ける作業環境及び安全衛生の向上を図れるものである。
また、上記構成によれば、回転羽根にオイルミストや塵埃が付着する虞が解消されるので、回転羽根の汚れ防止を図れ、手入れが簡単で取扱い性に優れるものである。
さらに、上記構成によれば、簡単な構成・構造で手間を要すことなく実現できるので、安価で経済性に優れ且つ実用的な送風装置用フィルタを提供することができるものである。
本考案によれば、簡単な構造で取扱い性に優れ、脱臭及び塵埃の除去を可能とし、工場等に於ける作業環境や安全衛生の向上を図れるものである。また、本考案によれば、回転羽根が汚れ難くなり手入れが簡単で取扱い性に優れるという効果を奏するものである。
しかも、本考案によれば、安価で経済性に優れ且つ実用的な送風装置用フィルタを提供可能となるものである。
本考案の一実施形態に係わる送風装置用フィルタを模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、送風装置用フィルタを平面展開したときの状態を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、送風装置用フィルタが装着された状態の送風装置の全体を前面側から概略的に示す図である。 同実施形態に係わり、送風装置用フィルタが装着された状態の送風装置の全体を背面側から概略的に示す図である。
以下、本考案の一実施形態につき、図を参照して説明する。
本実施形態に係わる送風装置用フィルタ100(以下、「フィルタ100」と称す。)は、業務用の送風装置200に着脱自在に装着されるものであり、脱臭機能及び集塵機能を有するものである。即ち、アルカリ性の溶剤を添着させた矩形のシート状の不織布の繊維素材110を、幅(W)260mm、直径(φ)525mmの円筒状となるように形成してある。ここで、繊維素材110の厚みはおおよそ平均で3.0mmであるが、これに限定される訳ではない。
なお、本実施形態では約1μm〜50μmの塵埃を捕捉可能な例えばポリエステルといった化学繊維またはガラス繊維の不織布を用いているが、天然繊維の不織布であってもよいことは勿論である。また、不織布に限らず織布であっても良いことは勿論である。さらには、繊維素材に添着させるアルカリ性溶剤として水酸化マグネシウムを主体としたものを用いているが、これに限らないことは勿論である。
フィルタ100のその両端開口縁部110a,110bの夫々には、伸縮自在な弾性体120,130が設けられている。
弾性体120は例えばリング状の8コールの平ゴムであり、一方の開口縁部110aを内側に折り曲げて縫製されることにより生じるチューブ状の空間内を移動自在に遊挿されているものである。ここで、弾性体120の外周囲の長さL1は、開口縁部110aの外周囲の長さM1より小となるよう(即ちL1<M1の関係)構成されており、当該チューブ状の空間内を伸縮自在となるものである。
なお、本実施形態では8コールの平ゴムを使用しているが、これに限らず他に12コールの平ゴム等適宜変更しても良いことは勿論である。
同様に、弾性体130もリング状の8コールの平ゴムであり、他方の開口縁部110bを内側に折り曲げて縫製されることにより生じるチューブ状の空間内を移動自在に遊挿されているものである。ここで、弾性体130の外周囲の長さL2は、開口縁部110bの外周囲の長さM2より小となるよう(即ちL2<M2の関係)構成されており、当該チューブ状の空間内を伸縮自在となるものである。
なお、本実施形態では8コールの平ゴムを使用しているが、これに限らず他に12コールの平ゴム等適宜変更しても良いことは勿論である。
さて、フィルタ100が装着される送風装置200は、台座部210、台座部210に立設された支柱部220、支柱部220の上部に設けられたモータ部230、モータ部230に回転駆動させられる複数の回転羽根240及び回転羽根240を囲繞するファンガード250とから構成されている。而して送風装置200の回転羽根240の後方に位置するように、ファンガード250にその背面側から前面側に指向するよう着脱自在にフィルタ100を装着することになる。
即ち、フィルタ100は、送風装置200の回転羽根240を囲繞するファンガード250に対して、ファンガード250の背面側全体及び前面側の外周部を覆うよう弾性体120,130を介して着脱自在に装着することになる。装着時、一方の弾性体120はファンガード250の最外周部から前面部を被覆押圧するよう取着され、他方の弾性体130はモータ部230の後部外周囲を被覆押圧するようにして取着されるものである。
上記構成につき、その作用を以下に述べる。
切削機械等が設置された工場内の換気や通気を良くするために、フィルタ100が装着された送風装置200を設置し回転羽根240を回転駆動すると、ファンガード250の後方から前方に向けて風の流れが生じて換気・通気が行われることになる。このとき、古くなった切削油やクーラントに起因する悪臭やオイルミスト並びに工場等内に浮遊する塵埃は、フィルタ100により除去されることになる。
悪臭の多くは油が酸化した酸性油(酸性ガス)に起因するものなので、アルカリ性の溶剤を添着した繊維素材110が、ファンガード250の後方から流入してくる悪臭を吸着し脱臭することになる。そして、脱臭された状態の気体が前方へ送出されることになる。
また、ファンガード250の後方から流入してくる塵埃は繊維素材110に捕捉され繊維素材110を通過することができなくなる。そして、塵埃が除去された状態の気体が前方へ送出されることになる。
斯様にして悪臭の脱臭及びオイルミストや塵埃の除去が可能となるので、従来のように回転羽根240が油や塵埃が付着することを防止でき、手入れが容易になるものである。
フィルタ100の汚れが酷くなってきた場合は、送風装置200に対する弾性体120,130の取直状態を解除してフィルタ100を取外して新たなフィルタに交換すればばよい。
上記実施形態によれば、簡単な構成・構造で取扱い性に優れ、脱臭効果及び塵埃除去効果を期待でき、工場等に於ける作業環境及び安全衛生の改善・向上を図れるものである。ここで、ファンガード250の前方に送出される気体は、消臭ではなく脱臭されたものであるので、空気清浄性に優れるものである。また、回転羽根240の汚れ防止を図れるので、手入れが簡単で取扱い性に優れるものである。
さらに、上記実施形態によれば、安価で経済性に優れ且つ実用的な送風装置用フィルタを提供することができるものである。
本考案は上記実施形態に限定されることなく、上記実施形態にあっては弾性体120,130に関しL1とL2は略同じ長さとしてあるが、ファンガード250の背面側に取直される弾性体の長さについては、ファンガード250の前面側に取着される弾性体よりも短くするよう構成してもよいものである。
また、添着させる溶剤としてアルカリ性溶剤を用いたが、これに限らずアルカリ化に起因する臭気等については酸性溶剤が有効であり、脱臭効果に寄与するものであればアルカリ性、酸性または中性の溶剤を適宜変更して用いて良いことは勿論である。要はその趣旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
本考案の送風装置用フィルタはシート状の繊維素材であるので、円筒状に形成することなくシート状そのままの状態或いは他の形状に形成すれば、回転羽根方式の送風装置に限らず、天井設置型や壁面設置型といったようなエアコンのような空気洗浄機等のフィルタにも適用でき、ますます市場の拡大が期待できるものである。
100 …送風装置用フィルタ
110a,110b …開口縁部
120,130 …弾性体
200 …送風装置
240 …回転羽根
250 …ファンガード

Claims (4)

  1. 脱臭機能及び集塵機能を有するシート状の繊維素材を円筒状に形成するともにその両端開口縁部に弾性体を設け、
    送風装置の回転羽根を囲繞するファンガードに対して、このファンガードの背面側全体及び前面側の外周部を覆うよう上記弾性体を介して着脱自在に装着可能としたことを特徴とする送風装置用フィルタ。
  2. 上記シート状の繊維素材には溶剤を添着させてあることを特徴とする請求項1記載の送風装置用フィルタ。
  3. 上記溶剤はアルカリ性溶剤または酸性溶剤であることを特徴とする請求項2記載の送風装置用フィルタ。
  4. 上記弾性体は平ゴムであり、上記開口縁部全周にわたって設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の送風装置用フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102170048B1 (ko) * 2019-06-13 2020-10-27 (주)팬포머 선풍기의 안전망

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