JP3219021U - 手荷物預かり装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな設置スペースが不要で、係員とやり取りすることなく、必要な時に気軽に手荷物を預けることができ、しかも手荷物を整然と配置することができ、施設内の景観を損ね難い、手荷物預かり装置を提供する。【解決手段】略直方体状の手荷物30を、一時的に預かり、保管するための手荷物預かり装置1である。包囲部材とロック機構と、を備え、包囲部材は、開閉動作が可能で、手荷物の取り出しを一時的に抑止する可動型包囲部材2と、固定的に配置され、手荷物の取り出しを恒常的に抑止する不動型包囲部材4と、から構成されており、ロック機構は、可動型包囲部材2を閉鎖状態で施錠するものであり、手荷物30の収納空間が1箇所のみ形成され、手荷物30を1個のみ保管可能である。【選択図】図1C

Description

本考案は、例えば、駅、空港、ショッピングモール等の大型施設や観光地において、キャスター付きのトロリーケース(キャリーバッグ)、トランクケース、スーツケース等の略直方体状の手荷物を一時的に預かる手荷物預かり装置に関するものである。
キャスター付きのトロリーケース(キャリーバッグ)は重い荷物を簡易に持ち運ぶことができる点が人気を博し、日常的に使用する人が増えている。また、旅行者がトランクケースやスーツケースを引きながら、観光地を歩いている姿もよく見かける。
しかし、駅、空港、ショッピングモールなどの大型施設や観光地のように大勢の人が集まる場所において、キャリーバッグ、トランクケース、スーツケース等(以下、「手荷物」と記す場合がある。)を引きながら移動するのは楽ではない。手荷物が邪魔になり、買い物や食事のために店舗に入店することができなかったり、仮に入店することができたとしても店舗内に長時間滞在したりすることが憚られたりする場合がある。また、人混みの中、手荷物を引きながら歩けば、他の人の通行を邪魔したり、事故やトラブルの原因になったりする等の問題もある。
そのような問題を解決する方策としては、有人クロークに手荷物を預ける、コインロッカーに手荷物を預ける等の方策が考えられる。しかし、有人クロークやコインロッカーには以下に掲げるような問題が存在していた。
有人クロークは係員が手荷物を預かってくれるため、安全に手荷物を預けることができる点で優れている。しかしながら、施設や店舗等の手荷物預かりサービスを提供する業者(以下、「預かり業者」と記す場合がある。)からすると、クロークサービスに対応する人員を配置しなければならず、人件費の負担が大きいという問題がある。利用者からすると、係員と対面してやり取りをしなければならず、気軽に手荷物を預け難いという問題がある。
一方、コインロッカーは、預かり業者からすると、相応の設置スペースが必要であるという問題がある。また、施設内に多段多列のコインロッカーを設置することで、利用者に圧迫感を感じさせたり、施設のデザインとマッチせず、施設のデザインコンセプトを損ねたりするという問題がある。利用者からすると、手荷物を預ける大容量のロッカーが少なく、必要な時に手荷物を預けられないという問題がある。
そこで、チェーンロック式の荷物の係留装置が提案されている(特許文献1)。この係留装置は、各個の荷物をそれぞれ一時置き保持する複数の個別置き領域を有し、該個別置き領域毎にそれぞれに配設される荷物を係留するためのチェーンロックを備えている。チェーンロックは、床面から所定の高さ位置となるように壁面に並設されており、前記隣接する個別置き領域同士は、各個別置き領域との間を区画されておらず、オープンなスペースとなっている。
特開2014−142842号公報
特許文献1に記載の荷物の係留装置は、有人クロークとは異なり、必ずしも係員を配置する必要がないため、預かり業者には人件費がかからないというメリットがある。また、利用者には係員と対面してやり取りをする必要がなく、気軽に手荷物を預けられるというメリットがある。
更に、特許文献1に記載の荷物の係留装置は、コインロッカーとは異なり、大きな設置スペースが不要であり、預かり業者側には、利用者に圧迫感を感じさせる事態を回避することができ、施設のデザインコンセプトを損ね難いというメリットがある。また、チェーンで係留する方式のため、様々なサイズの手荷物を係留することができ、利用者側には、手荷物のサイズに合ったロッカーを探す必要がなく、必要な時に手荷物を預けられるというメリットがある。
しかし、特許文献1に記載の荷物の係留装置は、チェーンロックで手荷物を係留する方式であるため、手荷物の位置が定まらず、整然と手荷物を配置することができないという問題がある。この場合、係留装置の近辺に雑然と手荷物が配置されることになり、施設内の景観を損ねるという問題がある。
以上説明したように、大きな設置スペースが不要で、係員とやり取りすることなく、必要な時に気軽に手荷物を預けることができ、しかも手荷物を整然と配置することができ、施設内の景観を損ね難い、手荷物預かりの方法は未だ提案されていない。
本考案は、前記従来技術が有する課題を解決するものである。すなわち、本考案は、大きな設置スペースが不要で、係員とやり取りすることなく、必要な時に気軽に手荷物を預けることができ、しかも手荷物を整然と配置することができ、施設内の景観を損ね難い、手荷物預かり装置を提供するものである。
本考案者らは、前記従来技術が有する課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
(1)手荷物を収納する収納空間を、手荷物の取り出しを恒常的に抑止する不動型包囲部材と、手荷物の取り出しを一時的に抑止する可動型包囲部材と、で包囲すること;
(2)ロック機構により、可動型包囲部材を閉鎖状態で施錠し、手荷物の取り出しを一時的に抑止すること;
(3)手荷物の収納空間を1箇所のみ形成し、手荷物を1個のみ保管可能である独立型の手荷物預かり装置とすること;
によって、大きな設置スペースが不要で、容量を気にすることなく、必要な時に手荷物を預けることができ、しかも手荷物を整然と配置することが可能となり、前記従来技術が有する課題を解決可能であることを見出して、本考案を完成するに至った。即ち、以下に示す本考案によって前記課題は解決される。
[1]手荷物預かり装置:
本考案の手荷物預かり装置は、以下の構成を有する。
略直方体状の手荷物を、一時的に預かり、保管するための手荷物預かり装置であって、前記手荷物の収納空間を包囲するように配置された、前記収納空間と外部空間とを仕切る包囲部材と、前記収納空間を閉鎖状態で施錠し、前記手荷物の取り出しを一時的に抑止するロック機構と、を備え、前記包囲部材は、開閉動作が可能で、前記手荷物の取り出しを一時的に抑止する可動型包囲部材と、固定的に配置され、前記手荷物の取り出しを恒常的に抑止する不動型包囲部材と、から構成されており、前記可動型包囲部材は、前記収納空間の上方、左右の側方、前方および後方の5方向のうち、少なくとも1つの方向を包囲するように配置され、閉鎖状態では前記少なくとも1つの方向からの前記手荷物の取り出しを抑止し、開放状態では前記少なくとも1つの方向からの前記手荷物の取り出しを可能とするように構成されており、前記不動型包囲部材は、前記5方向のうち、前記可動型包囲部材が配置された方向以外の全ての方向を包囲するように配置され、前記可動型包囲部材が配置された方向以外の全ての方向からの前記手荷物の取り出しを恒常的に抑止しており、前記ロック機構は、前記可動型包囲部材を閉鎖状態で施錠するものであり、前記手荷物の収納空間が1箇所のみ形成され、前記手荷物を1個のみ保管可能である独立型の手荷物預かり装置であること;
本考案の手荷物預かり装置は、以下の構成であることが好ましい。
前記可動型包囲部材として、棒状の包囲部材であるロックバーを用い、前記ロックバーは、前記ロックバーが配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する外径に構成されていること;
前記可動型包囲部材として、板状の包囲部材であるロック扉を用い、前記ロック扉は、前記ロック扉が配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する面積に構成されていること;
前記可動型包囲部材が、前記収納空間の前方または後方のいずれか一方を包囲するように配置されていること;
前記不動型包囲部材のうち、前記収納空間の左右の側方に配置されている不動型包囲部材として、板状の包囲部材である包囲板を用い、前記包囲板は、前記包囲板が配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する面積に構成されており、前記収納空間の左右の側方のうち上部側を包囲する一方、下部側を包囲しておらず、前記収納空間の左右の側方から前記手荷物を視認可能であること;
前記可動型包囲部材のうち、前記収納空間の上方に配置されている可動型包囲部材として、棒状の包囲部材であるロックバーを用い、前記ロックバーは、前記収納空間の上方において前記収納空間を部分的に包囲する外径に構成されていること;
前記不動型包囲部材のうち、前記収納空間の上方に配置されている不動型包囲部材として、棒状の包囲部材である包囲棒を用い、前記包囲棒は、前記包囲棒が配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する外径に構成されていること;
前記不動型包囲部材のうち、前記収納空間の上方に配置されている上部包囲部材と、前記収納空間の左右の側方に配置されている左右の側部包囲部材と、前記収納空間の下方に配置されている下部包囲部材と、前記収納空間の後方に配置されている後部包囲部材と、によって、前記収納空間の前方が開放された箱型の収納空間が形成されていること;
更に、記録媒体に記録された情報または情報端末に表示された情報を読み取ることが可能なリーダーを備えていること;
前記リーダーが、ICカードリーダーであること;
前記リーダーが、バーコードリーダー、マトリックス型二次元コードリーダーおよびOCRリーダーからなる群より選択される少なくとも1種であること;
更に、情報端末に読み取らせるための情報を表示するディスプレイを備えていること;
本考案の手荷物預かり装置は、大きな設置スペースが不要で、係員とやり取りすることなく、必要な時に気軽に手荷物を預けることができ、しかも手荷物を整然と配置することができ、施設内の景観を損ね難い。
本考案の手荷物預かり装置の一の実施形態を示す斜視図である。 図1Aに示す手荷物預かり装置の可動型包囲部材を開放した状態を示す斜視図である。 図1Aに示す手荷物預かり装置に手荷物を収納した状態を示す斜視図である。 本考案の手荷物預かり装置の別の実施形態を示す斜視図である。 本考案の手荷物預かり装置の更に別の実施形態を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本考案を実施するための形態について具体的に説明する。ただし、本考案はその特定事項を満たす全ての実施形態を包含するものであり、以下に示す実施形態のみに限定されるものではない。また、本考案の異なる実施形態において、同一構造の部材を使用している場合には、それらの部材に同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、図1A乃至図1C、図2および図3に示す手荷物預かり装置1,100,200は、電力供給用のケーブルを通じて電源に接続されている。但し、前記ケーブルについては図面上の表示を省略する。
[1]本考案の手荷物預かり装置の特徴:
本考案の手荷物預かり装置は、図1A乃至図1Cに示す手荷物預かり装置1のように、
(1)手荷物30を収納する収納空間を、手荷物30の取り出しを一時的に抑止する可動型包囲部材2と、手荷物30の取り出しを恒常的に抑止する不動型包囲部材4と、で包囲する点;
(2)ロック機構により、可動型包囲部材2を閉鎖状態で施錠し、手荷物30の取り出しを一時的に抑止する点;
(3)手荷物30の収納空間を1箇所のみ形成し、手荷物30を1個のみ保管可能である独立型の手荷物預かり装置である点;
に特徴がある。
前記(1)の構成を採用することにより、手荷物が外部空間とは区画された収納空間に保管されるため、手荷物を整然と配置することができ、施設内の景観を損ね難いという利点がある。
前記(2)の構成を採用することにより、預かり業者には人件費がかからないという利点があり、利用者には係員とやり取りすることなく、必要な時に気軽に手荷物を預けることができるという利点がある。また、たとえ無人状態であっても手荷物の持ち去り等の被害を受けることなく、手荷物を安全に保管することができる。
前記(3)の構成を採用することにより、コインロッカーのように、手荷物の収納空間が多段多列に複数箇所形成され、手荷物を複数個保管可能であるものとは異なり、単機でも使用することができる。従って、大きな設置スペースが不要で、利用者に圧迫感を感じさせる事態を回避することができ、施設のデザインコンセプトを損ね難いという利点がある。
[2]本考案の手荷物預かり装置の構成:
図1A乃至図1Cに示すに示す手荷物預かり装置1は、略直方体状の手荷物30を、一時的に預かり、保管するための装置である。
「手荷物預かり装置」とは、外部空間とは区画された、手荷物を保管するための収納空間が形成された装置である。収納空間は完全な密閉空間である必要はなく、手荷物の取り出しが抑止される限度で、外部空間と区画されていれば足りる。例えば、収納空間が外部空間から完全に区画されておらず、収納空間の一部が外部空間に露出し、収納空間と外部空間が連通しているものであってもよい。
「略直方体状の手荷物」とは、概ね直方体状(いわゆる箱型)の手荷物を意味する。厳密な意味で直方体状である必要はなく、天面、底面、左右の側面、正面および背面に相当する六面を有する立体形状であれば足りる。中でも、人の力ではその形状が大きく変形することがない、剛性または準剛性の手荷物であることが好ましい。例えば、図1Cに示す手荷物30は、伸縮可能なハンドル(テレスコピックハンドル)が付いたキャスター付きバッグであるキャリーバッグである。但し、手荷物の種類はキャリーバッグに限定されない。例えば、トランクケース、スーツケースのような他のキャスター付きバッグ等を挙げることができる。但し、「略直方体状の手荷物」は、略直方体状である限り、キャスター付きでなくてもよい。
本考案の手荷物預かり装置は、手荷物の収納空間が1箇所のみ形成され、手荷物を1個のみ保管可能である独立型の手荷物預かり装置である。例えば、図1A乃至図1Cに示す手荷物預かり装置1は、前部包囲部材10、後部包囲部材12、側部包囲部材14a,14b、上部包囲部材16a,16bおよび下部包囲部材18によって、外部空間とは区画された収納空間が1箇所のみ形成され、手荷物30を1個のみ保管可能な構造となっている。そして、手荷物預かり装置1は、コインロッカーのように多段多列の収納空間は形成されておらず、単機でも使用することが可能なように構成されている。
手荷物預かり装置1は、必須構成要素として、包囲部材とロック機構を備えている。以下、部材ごとに説明する。
[2−1]包囲部材:
包囲部材は、手荷物の収納空間を包囲するように配置された、収納空間と外部空間とを仕切る部材である。この包囲部材によって、外部空間から区画された収納空間が形成され、前記収納空間の内部に手荷物が安全に保管される。
包囲部材は、可動型包囲部材と、不動型包囲部材と、から構成されている。図1A乃至図1Cに示す手荷物預かり装置1においては、包囲部材として、前方から収納空間を包囲する前部包囲部材10、上方から収納空間を包囲する上部包囲部材16a,16b、後方から収納空間を包囲する後部包囲部材12、左右の側方から収納空間を包囲する側部包囲部材14a,14bおよび下方から収納空間を包囲する下部包囲部材18を備えている。これらの包囲部材のうち、前部包囲部材10および上部包囲部材16a,16bが可動型包囲部材2であり、後部包囲部材12、側部包囲部材14a,14bおよび下部包囲部材18が不動型包囲部材4である。
配置された方向からの手荷物の取り出しを抑止できる限り、包囲部材の形状は特に限定されない。例えば、板状であってもよいし、棒状であってもよいし、その他の形状であってもよい。図1A乃至図1Cに示す手荷物預かり装置1においては、前部包囲部材10および上部包囲部材16a,16bが棒状に形成され、後部包囲部材12、側部包囲部材14a,14bおよび下部包囲部材18が板状に形成されている。
包囲部材の材質は、収納空間を手荷物特に限定されない。但し、手荷物の盗難を防止するべく、人間の力では容易に変形しない程度の硬質な材料で包囲部材を構成することが好ましい。そのような材質としては、例えば、鉄、ステンレス等の金属・合金;硬質な樹脂;等を挙げることができる。板状の包囲部材をアクリル樹脂等の透明樹脂で構成すれば、内部に収納した手荷物を外部から視認することができるという利点がある。
[2−1−1]可動型包囲部材:
可動型包囲部材は、開閉動作が可能で、手荷物の取り出しを一時的に抑止する包囲部材である。
「開閉動作」とは、可動型包囲部材の位置や形態を変化させることによって、開放状態(手荷物を取り出せる状態)と閉鎖状態(手荷物を取り出せない状態)とを切り替える動作である。
包囲部材は、前方、後方、左右の側方、上方および下方のいずれかの方向から収納空間を包囲するように配置されている(以下、これらの方向を「包囲方向」と記す場合がある。)。
「開放状態」とは、可動型包囲部材がその位置や形態を変化させることによって、前記包囲方向が開放され、その方向から手荷物を取り出すことが可能となった状態を指す。一方、「閉鎖状態」とは、可動型包囲部材がその位置や形態を変化させることなく、前記包囲方向に留まることによって、前記包囲方向が閉鎖され、その方向から手荷物を取り出すことができない状態を指す。
開閉動作の種類は特に限定されない。例えば、可動型包囲部材の回動、可動型包囲部材の伸縮等の動作を挙げることができる。図1A乃至図1Cに示す手荷物預かり装置1においては、回動型の開閉動作を採用している。可動型包囲部材2(前部包囲部材10、上部包囲部材16a,16b)は、その固定端を中心として回動可能に取り付けられている。そして、可動型包囲部材2を水平方向に配向させると閉鎖状態となり、可動型包囲部材2を鉛直方向(先端が上方、固定端が下方)に配向させると開放状態となるように構成されている。
回動の方向は包囲方向が開放され、その方向から手荷物を取り出すことが可能となる限り、特に限定されない。例えば、図示の例では、前部包囲部材10および上部包囲部材16a,16bを上方(3時方向から12時方向または9時方向から12時方向)に回動するように構成しているが、前方に回動するように構成してもよい。
可動型包囲部材は、収納空間の上方、左右の側方、前方および後方の5方向のうち、少なくとも1つの方向を包囲するように配置されている。収納空間を包囲する方向としては、前記5方向に加えて、収納空間の下方も考えられる。しかし、収納空間の下方から手荷物を取り出すケースは想定し難いため、可動型包囲部材は前記5方向を包囲するように配置する。
「少なくとも1つの方向」とは、前記5方向のうち、1つの方向から手荷物を取り出すことができればその役割を果たすことを意味する。従って、可動型包囲部材は、前記5方向のうち、最低限1つの方向を包囲するように配置されていればよい。
可動型包囲部材は、閉鎖状態では少なくとも1つの方向からの手荷物の取り出しを抑止し、開放状態では少なくとも1つの方向からの前記手荷物の取り出しを可能とするように構成されている。
可動型包囲部材を配置する位置については特に限定されない。手荷物の取り出しを容易にするという観点からすると、可動型包囲部材が収納空間の前方、後方および左右の側方のいずれかの方向を包囲するように配置されていることが好ましく、可動型包囲部材が、収納空間の前方または後方のいずれか一方を包囲するように配置されていることが更に好ましい。
例えば、図1Aないし図1Cに示す手荷物預かり装置1は、可動型包囲部材2として、前部包囲部材10および上部包囲部材16a,16bを備えており、可動型包囲部材2の閉鎖状態においては収納空間の前方および上方という2つの方向から手荷物30を取り出すことが抑止され、可動型包囲部材2の開放状態では前記2つの方向からの手荷物30を取り出することが可能となるように構成されている。
[2−1−2]不動型包囲部材:
不動型包囲部材は、固定的に配置され、手荷物の取り出しを恒常的に抑止する包囲部材である。「恒常的に」とは、本考案の手荷物預かり装置においては、不動型包囲部材が配置された方向からは一切、手荷物を取り出すことはできないことを意味する。
不動型包囲部材は、前記5方向(収納空間の上方、左右の側方、前方および後方)のうち、可動型包囲部材が配置された方向以外の全ての方向を包囲するように配置されている。そして、前記5方向のうち、可動型包囲部材が配置された方向以外の全ての方向からの手荷物の取り出しを恒常的に抑止している。
例えば、図1Aないし図1Cに示す手荷物預かり装置1は、不動型包囲部材4として、後部包囲部材12、側部包囲部材14a,14bおよび下部包囲部材18を備えている。このため、不動型包囲部材4は前記5方向のうち、収納空間の後方および左右の側方の3方向を包囲するように配置されており、この3方向に加えて、収納空間の下方をも包囲するように配置されている。
[2−2]ロック機構:
ロック機構は、手荷物の収納空間を閉鎖状態で施錠し、手荷物の取り出しを一時的に抑止する機構である。より具体的には、前記ロック機構は、前記可動型包囲部材を閉鎖状態で施錠するものである。
「施錠」とは、可動型包囲部材が開閉動作をできない状態にすること、より具体的には、可動型包囲部材の閉鎖状態における位置や形態を変化させないように固定することを意味する。
「施錠」の形式は、ダイヤルロック等の機械式の施錠であってもよい。但し、安全性が高く、様々なサービスと連携させることができる点において、電子式の施錠であることが好ましい。電子式の施錠としては、例えば、記録媒体や情報端末からの情報読み取りを利用して施錠または解錠するタイプのものを挙げることができる。
従って、本考案の手荷物預かり装置は、包囲部材およびロック機構に加えて、記録媒体に記録された情報または情報端末に表示された情報を読み取ることが可能なリーダーを備えていることが好ましい。
リーダー(読み取り装置)の種類は特に限定されず、何らかの記録媒体に記録された情報を読み取ることができるもの、或いは情報端末に表示された情報を読み取ることができるものであれば足りる。例えば、磁気ストライプカードリーダーに記録された情報を読み取る磁気リーダー等を挙げることができる。
但し、前記リーダーは、ICカードリーダーであることが好ましい。ICカードリーダーによれば、ICカードに記録された情報を読み取ることができる。ICカード(integrated circuit card;「スマートカード」、「チップカード」と称される場合もある。)は、内部に集積回路(IC)が組み込まれたカードである。
ICカードは、磁気ストライプカードの数十倍から数千倍程度の情報量を記録することができるという利点があり、交通系カード等として近年急速に普及している。ICカードリーダーを備えておくことにより、ICカードにより施錠のみならず決済等も行うことができるという利点がある。なお、ICカードの方式は特に限定されず、接触型であってもよいし、非接触型であってもよい。
また、前記リーダーが、バーコードリーダー、マトリックス型二次元コードリーダーおよびOCRリーダーからなる群より選択される少なくとも1種であることも好ましい形態の一つである。「マトリックス型二次元コード」とは、例えばQRコード(登録商標)のように、縦方向と横方向の二方向に情報を持つコードを意味する。バーコードリーダー、マトリックス型二次元コードリーダー、OCRリーダーを備えておくことにより、スマートフォンにバーコード、マトリックス型二次元コードおよび文字情報を表示させ、その情報を読み取ることが可能となる。個人のスマートフォンと紐付けられた情報を用いて、施錠や決済を行えば、ICカードよりも紛失の可能性は低くなり、更に安全性を高めることができるため好ましい。
例えば、図1Aないし図1Cに示す手荷物預かり装置1は、リーダー6として、ICカードリーダー20およびマトリックス型二次元コードリーダー22を備えている。このように、本考案の手荷物預かり装置においては、複数種類のリーダーを併せ持つ形態も好ましい。
なお、リーダーに代えて、あるいはリーダーと共に、情報端末に読み取らせるための情報を表示するディスプレイを備えるものであってもよい。ディスプレイを備えることによって、ディスプレイに表示させた情報を情報端末に読み取らせることが可能となる。
[3]本考案の具体的な実施形態:
以下、図面を参照しながら、本考案の更に具体的な実施形態について説明する。
[3−1]第1の実施形態:
図1A乃至図1Cに示す手荷物預かり装置1は、包囲部材として、可動型包囲部材2(前部包囲部材10および上部包囲部材16a,16b)と、不動型包囲部材4(後部包囲部材12、側部包囲部材14a,14bおよび下部包囲部材18)を備える。
可動型包囲部材2(前部包囲部材10および上部包囲部材16a,16b)として、棒状の包囲部材であるロックバーを用い、そのロックバーは、ロックバーが配置された方向において収納空間を部分的に包囲する外径に構成されている。即ち、ロックバーは収納空間の前方または上方を完全には包囲しておらず、収納空間の前方および上方から手荷物30が視認可能に構成されている。
可動型包囲部材2は、いずれも回動型の開閉動作を行うものであるが、前部包囲部材10は片開き、上部包囲部材16a,16b)は両開きの構造を採用している。
不動型包囲部材4のうち、収納空間の左右の側方に配置されている不動型包囲部材(側部包囲部材14a,14b)として、板状の包囲部材である包囲板を用い、その包囲板は、包囲板が配置された方向において収納空間を部分的に包囲する面積に構成されている。より具体的には、収納空間の左右の側方のうち上部側(上部包囲部材16a,16bに近い側)を包囲する一方、下部側(下部包囲部材18に近い側)を包囲しておらず、収納空間の左右の側方から手荷物30を視認可能に構成されている。
このように、可動型包囲部材2や不動型包囲部材4で収納空間を完全に覆わないことによって、コインロッカー等と比較して施設内部に配置した場合に圧迫感を与え難くすることができる。
[3−2]第2の実施形態:
図2に示す手荷物預かり装置100は、包囲部材として、可動型包囲部材2(前部包囲部材10)と、不動型包囲部材4(後部包囲部材12、側部包囲部材14a,14bおよび上部包囲部材116)を備える。
第1の実施形態と異なる部分は、上部包囲部材116および脚118である。
第2の実施形態においては、不動型包囲部材4のうち、収納空間の上方に配置されている不動型包囲部材(上部包囲部材116)として、棒状の包囲部材である包囲棒を用いている。そして、その包囲棒は、包囲棒が配置された方向において収納空間を部分的に包囲する外径に構成されている。
また、第2の実施形態においては、収納空間の下方側を包囲する包囲部材を配置せず、2本の脚118を配置している。
[3−3]第3の実施形態:
図3に示す手荷物預かり装置200は、包囲部材として、可動型包囲部材2(前部包囲部材210)と、不動型包囲部材4(後部包囲部材12、側部包囲部材214a,214b、上部包囲部材216および下部包囲部材18)を備える。
第1の実施形態と異なる部分は、前部包囲部材210、側部包囲部材214a,214bおよび上部包囲部材216である。
第3の実施形態においては、可動型包囲部材2として、板状の包囲部材であるロック扉(前部包囲部材210)を用い、そのロック扉は、ロック扉が配置された方向において収納空間を部分的に包囲する面積に構成されている。図3に示す手荷物預かり装置200においては、ロック扉に回動型の開閉動作を採用している。可動型包囲部材2(前部包囲部材210、ロック扉)は、その固定端を中心として回動可能に取り付けられている。そして、可動型包囲部材2の扉面を正面方向に配向させると閉鎖状態となり、可動型包囲部材2の扉面を側面方向(先端が前方、固定端が後方)に配向させると開放状態となるように構成されている。
また、第3の実施形態においては、不動型包囲部材4のうち、上部包囲部材216と、左右の側部包囲部材214a,214bと、下部包囲部材18と、後部包囲部材12と、によって、収納空間の前方が開放された箱型の収納空間が形成されている。このような形態は、手荷物30を安全に収納することができる点において好ましい。
本考案の手荷物預かり装置は、例えば、駅、空港、ショッピングモール等の大型施設や観光地において、キャスター付きのトロリーケース(キャリーバッグ)、トランクケース、スーツケース等の略直方体状の手荷物を一時的に預かる手荷物預かり装置として好適に利用することができる。
1,100,200:手荷物預かり装置
2:可動型包囲部材
4:不動型包囲部材
6:リーダー
10,210:前部包囲部材
12:後部包囲部材
14a,14b,214a,214b:側部包囲部材
16a,16b,116:上部包囲部材
18:下部包囲部材
20:ICカードリーダー
22:マトリックス型二次元コードリーダー
30:手荷物
118:脚

Claims (12)

  1. 略直方体状の手荷物を、一時的に預かり、保管するための手荷物預かり装置であって、
    前記手荷物の収納空間を包囲するように配置された、前記収納空間と外部空間とを仕切る包囲部材と、前記収納空間を閉鎖状態で施錠し、前記手荷物の取り出しを一時的に抑止するロック機構と、を備え、
    前記包囲部材は、開閉動作が可能で、前記手荷物の取り出しを一時的に抑止する可動型包囲部材と、固定的に配置され、前記手荷物の取り出しを恒常的に抑止する不動型包囲部材と、から構成されており、
    前記可動型包囲部材は、前記収納空間の上方、左右の側方、前方および後方の5方向のうち、少なくとも1つの方向を包囲するように配置され、閉鎖状態では前記少なくとも1つの方向からの前記手荷物の取り出しを抑止し、開放状態では前記少なくとも1つの方向からの前記手荷物の取り出しを可能とするように構成されており、
    前記不動型包囲部材は、前記5方向のうち、前記可動型包囲部材が配置された方向以外の全ての方向を包囲するように配置され、前記可動型包囲部材が配置された方向以外の全ての方向からの前記手荷物の取り出しを恒常的に抑止しており、
    前記ロック機構は、前記可動型包囲部材を閉鎖状態で施錠するものであり、
    前記手荷物の収納空間が1箇所のみ形成され、前記手荷物を1個のみ保管可能である独立型の手荷物預かり装置であることを特徴とする手荷物預かり装置。
  2. 前記可動型包囲部材として、棒状の包囲部材であるロックバーを用い、
    前記ロックバーは、前記ロックバーが配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する外径に構成されている請求項1に記載の手荷物預かり装置。
  3. 前記可動型包囲部材として、板状の包囲部材であるロック扉を用い、
    前記ロック扉は、前記ロック扉が配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する面積に構成されている請求項1に記載の手荷物預かり装置。
  4. 前記可動型包囲部材が、前記収納空間の前方または後方のいずれか一方を包囲するように配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の手荷物預かり装置。
  5. 前記不動型包囲部材のうち、前記収納空間の左右の側方に配置されている不動型包囲部材として、板状の包囲部材である包囲板を用い、
    前記包囲板は、前記包囲板が配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する面積に構成されており、前記収納空間の左右の側方のうち上部側を包囲する一方、下部側を包囲しておらず、
    前記収納空間の左右の側方から前記手荷物を視認可能である請求項1から4のいずれか一項に記載の手荷物預かり装置。
  6. 前記可動型包囲部材のうち、前記収納空間の上方に配置されている可動型包囲部材として、棒状の包囲部材であるロックバーを用い、
    前記ロックバーは、前記収納空間の上方において前記収納空間を部分的に包囲する外径に構成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の手荷物預かり装置。
  7. 前記不動型包囲部材のうち、前記収納空間の上方に配置されている不動型包囲部材として、棒状の包囲部材である包囲棒を用い、
    前記包囲棒は、前記包囲棒が配置された方向において前記収納空間を部分的に包囲する外径に構成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の手荷物預かり装置。
  8. 前記不動型包囲部材のうち、前記収納空間の上方に配置されている上部包囲部材と、前記収納空間の左右の側方に配置されている左右の側部包囲部材と、前記収納空間の下方に配置されている下部包囲部材と、前記収納空間の後方に配置されている後部包囲部材と、によって、前記収納空間の前方が開放された箱型の収納空間が形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の手荷物預かり装置。
  9. 更に、記録媒体に記録された情報または情報端末に表示された情報を読み取ることが可能なリーダーを備えている請求項1から8のいずれか一項に記載の手荷物預かり装置。
  10. 前記リーダーが、ICカードリーダーである請求項9に記載の手荷物預かり装置。
  11. 前記リーダーが、バーコードリーダー、マトリックス型二次元コードリーダーおよびOCRリーダーからなる群より選択される少なくとも1種である請求項9に記載の手荷物預かり装置。
  12. 更に、情報端末に読み取らせるための情報を表示するディスプレイを備えている請求項1から11のいずれか一項に記載の手荷物預かり装置。
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