JP3218915U - Ledヘッドライト - Google Patents

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晋士 石田
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Abstract

【課題】LEDヘッドライトの光度調整時、従来のようなナットの締緩作業を伴わず、ランプハウジング内での各LEDの周方向の角度位置を容易に変更可能なLEDヘッドライトを提供する。
【解決手段】ランプハウジング12のライト挿入口部18に、大、小凸部18a,を形成し、ライト取付部材20の外フランジ19の外周部に、対応する大、小凹部19aを形成した。一方、ソケット16の外周面には、ライト取付部材20にソケット16を抜き差し可能に嵌着する弾性嵌着リング21を周設した。その結果、LEDヘッドライト10の光度調整時、ナットの締緩作業を伴わず、ハウジング12内での各LED14の周方向の角度位置を容易に変更できる。
【選択図】図1

Description

この考案は、LEDヘッドライト、詳しくは発光ダイオード(LED)を光源とする車両用のLEDヘッドライトに関する。
近年、自動車のヘッドライト用の光源として、LEDが普及している。LEDは、ハロゲンランプやキセノンランプに比べて、高輝度、省エネであって、熱線をほとんど含まない冷光源であることから、使用寿命も長いという特徴を有している。
このようなLEDヘッドライトの構造は、例えば、特許文献1のように、左右一対のLEDと、各LEDが表裏面に配される板片状の伝熱プレートと、各LEDを露出した状態で伝熱プレートのを収納するケーシングと、ケーシングの基端部に、円筒状のソケットを介して連結されて、各LEDの熱を拡散させるヒートシンクとを備えている。
ソケットの外周面には、このLEDヘッドライトを、ボンネット(エンジンルーム)のランプハウジングの奥部に形成されたライト挿入口部に装着するため、外フランジ付きのライト装着リングが取り付けられている。
ライト挿入口部には、所定形状の位置決め凸部が形成されている。一方、ライト装着リングの外フランジの外周部には、位置決め凸部に対応する位置決め凹部が形成されている。また、外フランジから突出するソケットの先端部には、外ねじが形成されている。この外ねじにナットをねじ込むことで、ナットと外フランジとの間でライト装着リングが固定される。
LEDヘッドライトのランプハウジングへの装着時には、ボンネットを開き、各LEDが露出したケーシングをランプハウジングに挿入する。このとき、ライト挿入口部の位置決め凸部に、外フランジの対応する位置決め凹部を嵌合する。これにより、LEDヘッドライトがランプハウジングに装着される。
特開2015−85921号公報
ところで、自動車の車検時には、左右側のLEDヘッドライトの光度が規定の範囲内であるかが検査される。具体的には、2灯式のLEDヘッドライトは15,000〜225,000カンデラ、4灯式のLEDヘッドライトは12,000〜225,000カンデラの範囲でなければならない。
しかしながら、LEDは光の指向性が高い(指向角が小さい)という特性がある。そのため、LEDヘッドライトを、例えば、涙滴型のランプハウジングにこれを装着した場合、各LEDの周方向の角度位置により、車両前方へ照射されるLED光の光度が変化していた。
このことから、実際の車検時では、各LEDヘッドライトの光度が上記規定の範囲となるように、毎回、ライト挿入口部からライト装着リングごとLEDヘッドライトを引き抜き、その後、ナットを緩めてケーシングを少しずつ回動させ、それぞれの光度調整を行っていた。そのため、この調整作業が面倒で、手間を要していた。
そこで、考案者は鋭意研究の結果、ソケットの外周面またはライト取付部材の内周面に、ソケットをライト装着リングに抜き差し可能に嵌着するための弾性素材製の弾性嵌着リングを周設すれば、このようなLEDヘッドライトの光度調整時に、手間がかかるナットの締緩作業を不要にできることを知見し、この考案を完成させた。
すなわち、この考案は、LEDヘッドライトの光度調整時に、従来品のようなナットの締緩作業を伴わず、ランプハウジング内での各LEDの周方向の角度位置を容易に、短時間で変更することができるLEDヘッドライトを提供することを目的としている。
請求項1に記載の考案は、車両の前側のランプハウジングに配されたライト挿入口部に装着されるLEDヘッドライトにおいて、板片状の伝熱プレートと、該伝熱プレートの表裏面に対配置される複数のLEDと、前記伝熱プレートの基端部に、先端部が連結される円筒状のソケットと、該ソケットの基端部に連結されて、前記各LEDからの熱を拡散させるヒートシンクと、前記ソケットに外挿されるとともに、前記ライト挿入口部に装着される外フランジ付きの円筒状のライト取付部材とを備え、前記ライト挿入口部には、第1の位置決め嵌合部が形成され、前記外フランジの外周部には、前記第1の位置決め嵌合部に対応する第2の位置決め嵌合部が形成され、前記ソケットの外周面、または、前記ライト取付部材の内周面には、このライト取付部材に前記ソケットを抜き差し可能に嵌着する弾性素材製の弾性嵌着リングが周設されたLEDヘッドライトである。
LEDヘッドライトは車両用のものである。
ここでいう車両の種類は限定されない。例えば、各種の自動車、各種の自動二輪車などが挙げられる。その他、各種の列車、電車などを採用することができる。
LEDヘッドライトとは、発光ダイオード(LED)を光源とするヘッドライトバルブである。
LED(素子)の種類としては、砲弾型のもの、または、COB(チップオンボード)型のものを採用することができる。その他、SMD(表面実装)型のものでもよい。
伝熱プレートの素材としては、例えば、各種の金属、熱伝導性の高い各種のプラスチックなどを採用することができる。
ランプハウジングは、ヘッドライトユニットとして車両の前部に着脱可能な方式のものでも、そうでないものでもよい。
ランプハウジングにおけるライト挿入口部の形成位置は限定されない。一般的にはハウジングの奥部である。
ライト挿入口部(の内周縁)に形成される第1の位置決め嵌合部の形状、形成数、形成位置は任意である。
ここでいう"外挿"とは、ライト支持部材の内周面とソケットの外周面とを対峙させた状態で、ライト支持部材の内部空間にソケットを挿入することをいう。
ライト取付部材の素材は任意である。各種の金属、各種のプラスチックでもよい。
また、外フランジの外周部に形成される第2の位置決め嵌合部の形状は、第1の位置決め嵌合部に嵌り合える形状であれば任意である。また、第2の位置決め嵌合部の形成数、形成位置も第1の位置決め嵌合部に応じて、適宜変更される。
ソケットの素材は任意である。例えば、各種の金属、各種のプラスチックを採用することができる。プラスチックの場合、熱伝導性が良好なものが好ましい。
弾性嵌着リングの素材は、弾性素材であれば任意である。例えば、各種のゴム(天然ゴム(NR)、合成天然ゴム(IR)、ブタジェンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(SR)、アクリルゴム(ACM、ANM)、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム(FKM))を採用することができる。
弾性嵌着リングの使用本数は、1本でも複数本でもよい。複数本の場合には、各弾性嵌着リングを平行に離間した方が、ライト取付部材に対するソケットの取り付け(嵌着)の安定性や、ランプハウジングの防水性等の観点から好ましい。
弾性嵌着リングは、ソケットの外周面のみに周設しても、ライト取付部材の内周面のみに周設してもよい。または、これらの両方でもよい。両方の場合、各弾性嵌着リングは、ライト取付部材からのソケットの抜き差しを妨げないように配される必要がある。
弾性嵌着リングが周設されるソケットの外周面、または、ライト取付部材の内周面には、対応する弾性嵌着リングの内周部を収納する環状溝が形成されている。
請求項1に記載の考案によれば、例えば、車検等のLEDヘッドライトの光度調整時には、ランプハウジングのライト挿入口部に、対応する第1の位置決め嵌合部と第2の位置決め嵌合部とを嵌合した状態で、ライト取付部材を留置する。その後、この状態を維持したまま、弾性嵌着リングを介して、ライト取付部材からソケットを抜き差ししながら、ソケット(LEDヘッドライト)を徐々に周方向へ回動させ、ランプハウジング内での各LEDの周方向の角度位置を調整する。
その結果、例えば、車検等のLEDヘッドライトの光度調整時において、従来品のようなナットの締緩作業を伴わず、ランプハウジング内での各LEDの周方向の角度位置を容易に、短時間で変更することができる。
この考案の実施例1に係るLEDヘッドライトのランプハウジングへの装着状態を示す一部断面図を含む側面図である。 この考案の実施例1に係るLEDヘッドライトの側面図である。 この考案の実施例1に係るLEDヘッドライトの一部を構成するライト取付部材の正面図である。 この考案の実施例1に係るLEDヘッドライトの周方向への角度調整作業状態を示す側面図である。
以下、この考案の実施例を、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、四輪自動車用のLEDヘッドライトを例にとる。
図1および図2において、10はこの考案の実施例1に係るLEDヘッドライトで、このLEDヘッドライト10は、四輪自動車(車両)11の前側に形成された左右一対のランプハウジング12にそれぞれ装着されるものである。
具体的な構成としては、板片状の伝熱プレート13と、伝熱プレート13の表裏面に一対配置される2つのLED14と、各LED14を露出した状態で伝熱プレート13を収納するケーシング15と、ケーシング15の基端部に、先端部が連結される円筒状のソケット16と、ソケット16の基端部に連結されて、各LED14からの熱を拡散させるヒートシンク17と、ソケット16に外挿されるとともに、ライト挿入口部18に装着される外フランジ19付きの円筒状のライト取付部材20と、ヒートシンク17に内蔵された図示しない冷却ファンとを備えている。
以下、図1〜図3を参照して、これらの構成部品を具体的に説明する。ここでは、説明の都合上、1つのランプハウジング12に装着される1つのLEDヘッドライト10について説明する。
図1および図3に示すように、ランプハウジング12は、その奥部に円形のライト挿入口部18が形成されている。
ライト挿入口部18の内周縁の上半分には、最上点を中間位置として周方向へ左右90°ずつ離間した3つの大凸部(第1の位置決め嵌合部)18aと、最上点の大凸部18aの両側付近に配された左右2対の小凸部(第1の位置決め嵌合部)18bとがそれぞれ突設されている。
各LED14は、COB(チップオンボード)型のものである。
伝熱プレート13は熱伝導率が高いプラスチック製の板片で、その左右の側面に、これらのLED14が1つずつ配設されている。
ケーシング15は、伝熱プレート13の基端部を除くとともに、左右一対の窓部15aが形成された左右両ブロックに分けられたステンレス製の薄肉な筒体である。各窓部15aから対応するLED14が露出する。
ソケット16は、先端面に伝熱プレート13の基端部が挿入される挿入口16aが形成されたアルミニウム合金製の円筒体である。
ソケット16の外周面16cには、このソケット16の長さ方向に平行に離間した2本の環状溝16aがそれぞれ形成されている。各環状溝16aには、ブタジェンゴム(BR)製の2条の弾性嵌着リング21が、Oリングのように各外周部を外部へ突出した状態でそれぞれ嵌着されている。
ヒートシンク17は大径な円筒容器状に構成され、その先端部がソケット16を介して伝熱プレート(ケーシング15)13の基端部に連結されている。これにより、伝熱プレート13から伝達された各LED14の熱を大気解放する。ヒートシンク17の内部空間には、加熱したヒートシンク17を冷やす図示しない冷却ファンが収納されている。
ライト取付部材20は、アルミニウム合金製の短尺で厚肉な円筒体である。ライト支持部材20の先端部の外周面20aには、厚肉な外フランジ19が一体形成されている。
外フランジ19の外周部の上半分には、前記3つの大凸部18aに対応する3つの大凹部(第2の位置決め嵌合部)19aと、2対の小凸部18bに対応する2対の小凹部(第2の位置決め嵌合部)19bとが、各対応する位置に陥没形成されている。
次に、図1〜図4を参照して、この考案の実施例1に係るLEDヘッドライト10の使用方法を説明する。
図1〜図4に示すように、実施例1のLEDヘッドライト10の使用時には、四輪自動車11の前部に配されたボンネット(エンジンルーム)を開き、一対のLEDヘッドライト10を左右のランプハウジング12に収納し、対応するランプハウジング12近くの雌型の電源コネクタに、LEDヘッドライト10の図示しない電源プラグを電気的に接続する。
以下、左右一対のLEDヘッドライト10は同一構造であるため、一方のLEDヘッドライト10のみを、対応するランプハウジング12に装着する方法を説明する。
具体的なLEDヘッドライト10の取り付け方法は、まず、ランプハウジング12のライト挿入口部18に、3つの大凸部18aと各対応する大凹部19aと、2対の小凸部18bと各対応する小凹部19bとを嵌合した状態で、ライト取付部材20を留置する(図3)。
その後、この状態を維持したまま、各弾性嵌着リング21の弾性力に抗して、ライト取付部材20にソケット16を圧入する(図4)。これにより、ランプハウジング12にLEDヘッドライト10が装着される(図1)。
次に、図1および図4を参照して、車検のLEDヘッドライト10の光度調整時について説明する。
まず、各弾性嵌着リング21を介して、ライト取付部材20からソケット16をいったん引き抜く。その後、ソケット16を、その周方向へ若干角度だけ回動させる(図4)。
次に、再び各弾性嵌着リング21の弾性力に抗して、ソケット16を対応するライト取付部材20に圧入する。
次いで、各LED14を点灯し、LEDヘッドライト10から照射されるLED光の光度を測定する。これらの作業を、この照射されたLED光の光度が規定の範囲内となるまで繰り返す。
その結果、このような車検時を含む車検等のLEDヘッドライト10の光度調整時において、従来品のようなナットの締緩作業を伴わず、ランプハウジング12内での各LED14の周方向の角度位置を容易に、短時間で変更することができる。
この考案は、発光ダイオード(LED)を光源とする車両用のLEDヘッドライトの技術として有用である。
10 LEDヘッドライト、
11 四輪自動車(車両)、
12 ランプハウジング、
13 伝熱プレート、
14 LED、
15 ケーシング、
16 ソケット、
16c 外周面、
18 ライト挿入口部、
18a 大凸部(第1の位置決め嵌合部)、
18b 小凸部(第1の位置決め嵌合部)、
19 外フランジ、
19a 大凹部(第2の位置決め嵌合部)、
19b 小凹部(第2の位置決め嵌合部)、
20 ライト取付部材、
20a 内周面。

Claims (1)

  1. 車両の前側のランプハウジングに形成されたライト挿入口部に装着されるLEDヘッドライトにおいて、
    板片状の伝熱プレートと、
    該伝熱プレートの表裏面に対配置される複数のLEDと、
    前記伝熱プレートの基端部に、先端部が連結される円筒状のソケットと、
    該ソケットの基端部に連結されて、前記各LEDからの熱を拡散させるヒートシンクと、
    前記ソケットに外挿されるとともに、前記ライト挿入口部に装着される外フランジ付きの円筒状のライト取付部材とを備え、
    前記ライト挿入口部には、第1の位置決め嵌合部が形成され、
    前記外フランジの外周部には、前記第1の位置決め嵌合部に対応する第2の位置決め嵌合部が形成され、
    前記ソケットの外周面、または、前記ライト取付部材の内周面には、このライト取付部材に前記ソケットを抜き差し可能に嵌着する弾性素材製の弾性嵌着リングが周設されたLEDヘッドライト。
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