JP3218635B2 - 液晶組成物の調製方法 - Google Patents
液晶組成物の調製方法Info
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Description
パーツイスティドネマティック表示素子(以下、FST
−LCDと略称する。)に好適に用いられる液晶組成物
の調製方法に関する。
ィドネマティック型液晶表示素子(以下、TN−LCD
と略称する。)が好適に用いられていた。近年、液晶素
子の多用化にともない表示容量の増大が求められてい
る。しかし前記TN−LCDでは、その要望に対応でき
なかった。そして、前記要望に対応するスパーツイステ
ィドネマティック型表示素子(以下、STN−LCDと
略称する。)が考案された。このSTN−LCDは表示
容量が大きく、かつしきい値特性が急峻で充分なコント
ラストが得られる。
ている液晶の複屈折率を利用しているため、表示に着色
が生じるという問題があった。この為、位相差フィルム
を補償板として使用することを特徴とする位相差フィル
ム補償型スパーツイスティドネマティック表示素子(以
下、FST−LCDと略称する。)が開発されるに至っ
た。このFST−LCDの表示には着色が生じないた
め、白黒表示が可能となった。
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略称する。)ま
たはポリカーボネイト(以下、PCと略称する。)など
を一軸延伸したものであり、素材のレタデーション特有
の波長分散を有している。この為、位相差フィルムの波
長分散と液晶表示素子の波長分散とが適合しない場合に
は、表示素子が着色してしまい、完全な白黒表示が困難
であった。
で、完全な白黒表示が可能な液晶表示素子とそれに用い
る液晶組成物とその調製方法を提供することを目的とす
る。
製方法においては、所望の波長分散を有する液晶組成物
のの複屈折率よりも大きい複屈折率を有する液晶化合物
を少なくとも一種以上含有してなる第一成分と、該液晶
組成物の複屈折率よりも小さい複屈折率を有する液晶化
合物を一種以上含有してなる第二成分とを、混合するこ
とにより前記課題の解決を図った。
いては、請求項1の液晶組成物の調製方法における第一
成分の液晶化合物と、第二成分の液晶化合物とに互いに
骨格が異なる化合物を用いることにより前記課題の解決
を図った。
いては、該液晶組成物の複屈折率とほぼ等しい複屈折率
を有する液晶化合物を少なくとも二種以上混合すること
により前記課題の解決を図った。
明するが、勿論本発明の主旨、及び適用範囲はこれらの
実施例により制限されるものではない。
の位相差フィルムを用意し、これら位相差フィルムのレ
タデーション(複屈折率×位相差フィルムの厚さ)の波
長分散を分光法により求めた。この時使用した光源はタ
ングステンランプであり、干渉フィルターを用いて複屈
折率を測定した。その結果を図1に示した。
差フィルムのレタデーションは波長分散が小さく、PC
製の位相差フィルムのレタデーションは波長分散が大き
い。前記位相差フィルムのレタデーションの波長分散は
素材特有のものである。
黒表示の液晶表示素子を得るためには、位相差フィルム
の波長分散と液晶表示素子の波長分散とを適合させるこ
とが必要である。しかし、液晶表示素子の波長分散は液
晶組成物の波長分散に近似しているので、液晶表示素子
の波長分散を液晶組成物の波長分散で代替することが可
能である。従って、液晶組成物の波長分散を位相差フィ
ルムの波長分散に適合させることにより前記目的を達成
することができる。
化合物はその波長分散も大きいということは従来より知
られている。このことは、下記表1より明らかである。
表1には種々の液晶組成物の組成とそれらの複屈折率と
波長分散とを示した。図2は表1をグラフにすることに
より視覚的に分かりやすく結果を示したグラフである。
00nmにおける複屈折率を示し、Δniは450nm
における複屈折率/650nmにおける複屈折率の値を
示す。)以下、「%」はすべて「重量%」を示すものと
する。
の調製方法としては、以下に示す場合が考えられる。(1) 複屈折率の大きい液晶化合物と複屈折率の小さい液
晶化合物とを混合することにより、所望の波長分散を有
する液晶組成物を得る。(2) 所望の波長分散を有する液晶組成物の複屈折率と同
程度の複屈折率を有する液晶組成物同志を混合して前記
液晶組成物を得る。
物もしくは液晶化合物である第一成分Aと第二成分Bを
混合して所望の波長分散を有する液晶組成物Cを調製し
た。また調製した前記液晶組成物Cの複屈折率と同程度
の複屈折率を有する液晶組成物C’を比較例として例示
した。表2に得られた液晶組成物の組成比、波長分散、
複屈折率を各成分のそれと共に併せて示した。
示し、Δniは450nmにおける複屈折率/650n
mにおける複屈折率の値を示す。)
によって得た液晶組成物の波長分散の方が(2)の方法で
得た液晶組成物のものよりも大きい。この実験により、
所望の波長分散を有する液晶組成物の複屈折率より大き
い複屈折率を有する液晶化合物を少なくとも一種類以上
含有してなる第一成分と、該液晶組成物の複屈折率より
小さい複屈折率を有する液晶化合物を少なくとも一種類
以上含有してなる第二成分とを混合すると、大きい波長
分散を有する液晶組成物が得られることが明かとなっ
た。
の複屈折率と同程度の複屈折率を有する液晶化合物を少
なくとも2種以上混合すると、小さい波長分散を有する
液晶組成物が得られる。
格が、液晶組成物の波長分散に与える影響に付いて調べ
た。まず、下記組成の液晶組成物Aを調製した。
化合物同志を混合して得られたものである。次に下記組
成の液晶組成物Bを調製した。
晶化合物同志を混合して得られたものである。前記液晶
組成物Aの複屈折率は0.151であり、液晶組成物B
の複屈折率は0.150であった。
て、液晶組成物Cを得た。ついで、前記液晶組成物Cの
複屈折率および波長分散を測定した。その結果を表3お
よび図3に示した。
ック相へ転移する温度を示す。また、Δnは600nm
における複屈折率を示し、Δniは450nmにおける
複屈折率/650nmにおける複屈折率の値を示す。)
組成物Aおよび液晶組成物Bの複屈折率は同程度である
にも係わらず、両者を混合した場合、液晶組成物Bの含
有率が大きいほど液晶組成物Cの波長分散が大きくな
る。さらに、液晶組成物Aおよび液晶組成物Bの含有率
を変化させることにより、液晶組成物Cの波長分散を連
続的に変化させることができる。
は、所望の波長分散を有する液晶組成物の複屈折率より
大きい複屈折率を有する液晶化合物を少なくとも一種類
以上含有してなる第一成分と、該液晶組成物の複屈折率
より小さい複屈折率を有する液晶化合物を少なくとも一
種類以上含有してなる第二成分とを混合するればよいこ
とは明かである。さらに、第一成分と第二成分との骨格
が互いに異なると、より容易に波長分散特性の大きい液
晶組成物を得ることができることが明かとなった。
に適した液晶化合物に適する骨格を求めるため、異なる
骨格を有する液晶化合物からなる液晶組成物Aと液晶組
成物Bとを混合して液晶組成物Cを得て、その波長分散
を測定した。比較例としては、同じ骨格を有する液晶化
合物を混合して液晶組成物A’および液晶組成物B’を
混合して、液晶組成物C’を得た。ついで液晶組成物
C’の波長分散を測定した。その測定結果を表4に示し
た。
示し、Δniは450nmにおける複屈折率/650n
mにおける複屈折率の値を示す。)
一な液晶化合物を混合しても、両者の波長分散に差はみ
られないことが表4から分かった。このことから、波長
分散の小さい液晶組成物を構成する液晶化合物の要因
は、骨格には関係なく、複屈折率のみであることが明か
となった。
の大きい液晶組成物を得る方法としては、前記液晶組成
物の複屈折率よりも大きい複屈折率を有する液晶化合物
を少なくとも一種類以上と、小さい複屈折率を有する液
晶化合物を少なくとも一種類以上とを混合すればよい。
また波長分散特性の小さい液晶組成物を得る方法として
は、前記液晶組成物の複屈折率と同等の複屈折率を有す
る液晶化合物同志を混合すればよい。
を下記第一成分と第二成分とを混合することによって得
た。 第一成分:所望の波長分散を有する液晶組成物の複屈折
率よりも大きい複屈折率を有する液晶化合物を少なくと
も一種類以上含有してなる成分 第二成分:所望の波長分散を有する液晶組成物の複屈折
率よりも小さい複屈折率を有する液晶化合物を少なくと
も一種類以上含有してなる成分 但し、前記第一成分と第二成分とを構成する液晶組成物
もしくは液晶化合物は互いに異なる骨格を有するもので
ある。
と同程度である液晶組成物を調製した。この比較例は従
来より液晶組成物として一般的に用いられているもので
ある。ついで調製例1と比較例とで得られた各液晶組成
物の波長分散を測定した。その結果を表5に示した。表
5中、Cは、Aで表される組成の液晶組成物とBで表さ
れる組成の液晶組成物とを混合した液晶組成物の組成を
示す。
示し、Δniは450nmにおける複屈折率/650n
mにおける複屈折率の値を示す。)
物と比べて、複屈折率は小さいがその波長分散は大き
い。
晶組成物の複屈折率より大きい複屈折率を有する液晶化
合物を少なくとも一種類以上含有してなる第一成分と、
該液晶組成物の複屈折率より小さい複屈折率を有する液
晶化合物を少なくとも一種類以上含有してなる第二成分
とを混合したので、波長分散の大きい液晶組成物を得る
ことができた。従来から行われている液晶組成物の調製
方法では、複屈折率が小さいとその波長分散も前記複屈
折率に比例して小さかったが、本実施例の液晶組成物の
調製方法では、複屈折率が小さく、波長分散の大きい液
晶組成物を調製することができた。
組成物の調製を行った。調製例2ではこのような特性を
有する液晶組成物を下記に示す方法により調製した。所
望の複屈折率を有する液晶組成物の複屈折率と、同程度
の複屈折率を有する液晶化合物を少なくとも2種以上混
合した。ついで前記両者の液晶組成物の波長分散を測定
した。その結果を表6に示した。表6中Cは、Aで表さ
れる組成からなる液晶化合物とBで表される組成からな
る液晶組成物とを重量比で50:50の割合で混合する
ことにより得られる液晶組成物の組成を示す。前記Bで
表される組成からなる液晶組成物は、従来から一般に波
長分散の小さいものとして使用されている液晶組成物で
ある。
示し、Δniは450nmにおける複屈折率/650n
mにおける複屈折率の値を示す。)
組成物Cは、液晶組成物Aおよび液晶組成物Bと比べ
て、複屈折率は同程度であり、波長分散も同程度であ
る。つまり、本調製例で調製した液晶組成物Cは、従来
から波長分散の小さいものとして使用されているBで表
される組成からなる液晶組成物と同等の波長分散を有す
る。
晶組成物の複屈折率と同程度の複屈折率を有する少なく
とも二種以上の液晶化合物を混合したので、小さい波長
分散を有する液晶組成物を得ることができた。
晶組成物を調製した。
ける液晶組成物の複屈折率を示し、Δniは450nm
における複屈折率/650nmにおける複屈折率を示
す。)
する液晶組成物を得るには、該液晶組成物の複屈折率を
0.15以上0.23以下に調整すれば良いことが分か
る。そこで、上記条件を満たす複屈折率が0.15であ
る液晶組成物を調製することにした。
物Aおよび液晶組成物Bを調製した。この液晶組成物A
の組成は、
Aおよび液晶組成物Bの物性は以下に示す通りである。
iは450nmにおける複屈折率/650nmにおける
複屈折率を示す。また、(IV)は関係式(IV)によ
り得られる値を示す。
複屈折率を示し、Δnは600nmにおける前記液晶組
成物を構成する液晶化合物の複屈折率を示し、yiは各
液晶化合物の混合重量%を示す。)
1.20という値を有する液晶組成物Cにおける液晶組
成物Bの含有率を求めた。液晶組成物Bの含有率は87
重量%であった。
を13重量%とからなる液晶組成物Cを調製した。つい
で、この液晶組成物Cの複屈折率および波長分散を測定
したら、複屈折率0.150、波長分散1.20という
所望の物性を有していることが分かった。
分散との関係を用いて、所望の波長分散を有する液晶組
成物を調製することができた。
より、波長分散が1.20である液晶組成物を調製し
た。本調製例では前記関係式(IV)により得られる値
をパラメーターとして用いることにより所望の波長分散
を有する液晶組成物を調製した。
V)により得られる値との間には、図4に示すように、
非常によい相関関係が認められる。前記、図4から1.
2という波長分散を有する液晶組成物を得るには、前記
関係式(IV)から得られる値を9.2に調製すれば良
いことが分かる。
組成物Bと新たな液晶組成物である液晶組成物Dとを用
いた。前記液晶組成物Bの組成は、
る。この液晶組成物Dの複屈折率は0.15であり、関
係式(IV)により得られる値は7.3である。
加成性が成り立つので、液晶組成物Bと液晶組成物Dと
の比率計算をすると、関係式(IV)により得られる値
を9.2に調製するには、液晶組成物Bを58重量%、
液晶組成物Dを42重量%を混合すればよいことがわか
る。
折率は0.150、波長分散は1.20であり、所望の
物性であった。
メーターとして用いたので、所望の複屈折率を有する液
晶組成物を調製することができた。
8種の液晶組成物を調製し、その波長分散および関係式
(IV)による値を算出した。その値を表7に記載し
た。
示し、Δniは450nmにおける複屈折率/650n
mにおける複屈折率の値を示す。また、(IV)は前記
関係式(IV)により得られる値を示す。)
式(IV)から得られる値を1以下になるように液晶組
成物を調製すると、その調製した液晶組成物の波長分散
は小さくなった。
を2以上になるように液晶組成物を調製すると、その調
製した液晶組成物の波長分散は大きくなった。より好ま
しくは前記値を5以上の値を有する液晶組成物がよい。
た液晶組成物を、厚さ6〜8μmからなる液晶セルのな
かに注入し、表示素子を作成した。ついでこれを室温ま
で放冷して、FST−LCDを得た。このFST−LC
Dには着色が認められず、充分なコントラストが得られ
た。
おいては、該液晶組成物の複屈折率よりも大きい複屈折
率を有する液晶化合物を少なくとも一種以上含有してな
る第一成分と、該液晶組成物の複屈折率よりも小さい複
屈折率を有する液晶化合物を一種以上含有してなる第二
成分とを、混合するので波長分散の大きい液晶組成物を
得ることができる。
は、請求項1の第一成分の液晶化合物と第二成分の液晶
化合物とに骨格の異なる液晶化合物を用いるので、より
波長分散の大きい液晶組成物を得ることができる。
いては、該液晶組成物の複屈折率とほぼ等しい複屈折率
を有する液晶化合物を少なくとも二種以上混合するの
で、波長分散の小さい液晶組成物を得ることができる。
した液晶組成物を使用することにより、着色がなくかつ
充分なコントラストを有する液晶表示素子が得られる。
示すグラフ
分散の関係を示すグラフ
と、骨格が同じ液晶化合物からなる液晶組成物とを混合
して得た液晶組成物の波長分散を示すグラフ
得られる値との関係を示すグラフ
Claims (3)
- 【請求項1】 所望の波長分散を有する液晶組成物の調
製方法であって、 該液晶組成物の複屈折率よりも大きい複屈折率を有する
液晶化合物を少なくとも一種以上含有してなる第一成分
と、該液晶組成物の複屈折率よりも小さい複屈折率を有
する液晶化合物を一種以上含有してなる第二成分とを、
混合することを特徴とする液晶組成物の調製方法。 - 【請求項2】 第一成分の液晶化合物と、第二成分の液
晶化合物との骨格が互いに異なることを特徴とする請求
項1記載の液晶組成物の調製方法。 - 【請求項3】 所望の波長分散を有する液晶組成物の調
製方法であって、 該液晶組成物の複屈折率とほぼ等しい複屈折率を有する
液晶化合物を少なくとも二種以上混合することを特徴と
する液晶組成物の調製方法。
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---|---|---|---|
JP22069691A JP3218635B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 液晶組成物の調製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22069691A JP3218635B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 液晶組成物の調製方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0559365A JPH0559365A (ja) | 1993-03-09 |
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ID=16755062
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22069691A Expired - Fee Related JP3218635B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | 液晶組成物の調製方法 |
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TW515925B (en) | 1996-12-25 | 2003-01-01 | Sharp Kk | Liquid crystal display device |
JP3399773B2 (ja) * | 1997-03-05 | 2003-04-21 | シャープ株式会社 | 液晶表示装置 |
US6606143B1 (en) | 1998-03-13 | 2003-08-12 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display device with phase element |
DE102005007008A1 (de) * | 2004-03-01 | 2005-09-15 | Merck Patent Gmbh | Methode zur Einstellung der Dispersion von Flüssigkristallmedien sowie Flüssigkristallmedien und diese enthaltende elektrooptische Anzeigen |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP22069691A patent/JP3218635B2/ja not_active Expired - Fee Related
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